JP4531948B2 - 抗コクシジウム剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動物のコクシジウム症の予防および治療を行うための抗コクシジウム剤、並びにその抗コクシジウム剤を用いて動物のコクジシウム症を予防または治療する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鶏、七面鳥、うずら、ほろほろ鳥等の家禽類、兎、牛、羊、山羊、豚等の家畜類、犬、猫等のペット類のコクシジウム症は、ある種の寄生性原虫の感染によって起こる伝染病であり、世界的に多く発生している。コクシジウム症は、例えば鶏では、アイメリア・テネラ(Eimeria tenella)、アイメリア・アセルブリナ(E.acervulina)、アイメリア・ネカトリツクス(E.necatrix)、アイメリア・ブルネツテイ(E.brunetti)、アイメリア・マキシマ(E.maxima)、アイメリア・ミバティ(E.mivati)、アイメリア・ミティス(E.mitis)、アイメリア・プレコックス(E.precox)、アイメリア・バガニ(E.hagani)などにより引き起こされ、七面鳥ではアイメリア・メレアグリミテイス(E.meleagrimitis)、アイメリア・アデノイデス(E.adenoides)、アイメリア・ガロパボニス(E.gallopovonis)などにより引き起こされることが知られている。
【0003】
上記から明らかなように、鶏と七面鳥とでは寄生するアイメリア属原虫の種類が異なり、アイメリア属原虫の寄生は宿主に特異的であり、鶏に寄生するものは他の鳥類や動物には寄生しないが、その基本的なライフサイクルは殆ど同じである。すなわち、動物が外界から餌などと共に成熟オーシストを摂取すると、筋胃中でオーシスト壁が破れて1個のオーシストから4個のスポロシストが排出され、そのスポロシストが腸に送られて酵素の作用で1個のスポロシストから2個のスポロゾイトが排出される。スポロゾイトは腸粘膜細胞に侵入して分裂を繰り返して、1〜2日で数個〜数百個のメロゾイトを内包するシゾントとなり、シゾント内のメロゾイトはシゾントの細胞膜を破って外に遊出し、腸粘膜の細胞内に侵入する。腸粘膜の細胞内でメロゾイトの大部分は有性生殖をおこなってミクロガメート(雄)とマクロガメート(雌)となり、これらが接合・受精してオーシストになり、腸粘膜から脱落して糞中に排出される。体外に排出された時点ではオーシストは未成熟で感染力を持たないが、数日で感染力を有する成熟オーシストとなり、以後前記した一連のサイクルを繰り返す。
【0004】
アイメリア属原虫などのコクシジウム症発生原虫に感染した動物は、下痢、血便等の症状を呈し、治療が遅れた場合または症状が重い場合は斃死することも多く、斃死に至らなくても発育が阻害される。そのためにコクシジウム症は被害の極めて大きい動物疾患の一つであり、特に多数の家禽類を扱う家禽飼育業者(養鶏業者)にとって大きな問題になっている。
【0005】
従来は、動物のコクシジウム症の予防や治療に際して、抗生物質(サリノマイシン等のポリエーテル系抗生物質など)、合成抗菌剤(サルファ剤など)からなる化学療法剤およびワクチン等の生物学的製剤が主に使用されてきた。しかしながら、抗生物質や化学療法剤では副作用の発現、薬剤への耐性獲得による効果の減退などの問題がある。また、ワクチンの場合は予防のみであり治療には使用できなかった。しかも、それらの薬剤を投与した動物の肉や卵などを人間が食用とする場合には、動物体内に残留した薬剤の人体への移行の問題があり、その使用量や投与期間に厳しい制限が必要であった。
かかる点から、抗生物質、合成抗菌剤、ワクチンなどにおける上記したような問題がなく、安全性が高く且つ抗コクシジウム効果に優れるコクシジウム症の予防または治療剤が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安全性に優れ、副作用などの問題がなく、しかも薬剤への耐性獲得による効果の減退などが生じず、コクシジウム症に対して良好な予防および治療効果を示す抗コクシジウム剤、および該抗コクシジウム剤を用いる動物のコクシジウム症の予防または治療方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、天然物に由来する物質であって、従来から香辛料として広く用いられているオレガノ、セージ、ローズマリー、ナッツメグ、ジンジャー、シナモンおよびクローブから選ばれる少なくとも1種の物質が、予想外なことに、コクジシウム症の予防または治療作用を有することを見出した。さらに、本発明者らは、オレガノ、セージ、ローズマリー、ナッツメグ、ジンジャー、シナモンおよびクローブとしては、固体状物および精油のいずれもが、コクシジウム症の予防または治療に有効であることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1) セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーから選ばれる少なくとも1種を有効成分とする抗コクシジウム剤である。
そして、本発明は、
(2) セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーとして、固体状物または精油を用いる前記(1)の抗コクシジウム剤である。
さらに、本発明は、
) 前記(1)の抗コクシジウム剤を動物(但しヒトを除く)に投与して、動物(但しヒトを除く)のコクジシウム症を予防および/または治療する方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
発明で用いるセージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーは、上述のように、いずれも、天然物に由来する物質であって従来から香辛料として広く用いられているものであり、安全性に優れている。
本発明の抗コクシジウム剤は、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーのうちの1種のみを含有していても、または2種以上を含有していてもよい。
【0010】
本発明では、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーとして、粉末、粒状物、薄片状物、粗砕物などの固体状物、および該当する植物を水蒸気蒸留、圧搾、溶媒抽出などで処理することにより得られる精油(セージ精油、ローズマリー精油、ナッツメグ精油およびジンジャー精油)のいずれもが使用できる。セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの固体状物(特に粉末)および精油は、いずれも、従来から広く市販されており、容易に入手することができ、本発明ではそれらを入手して用いることができる。
【0011】
本発明の抗コクシジウム剤の剤型は、液体状、半固体状(ペースト状等)および固体状のいずれの形態であってもよい。固体状とする場合は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、丸薬等の形態にすることができる。特に、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよび/またはジンジャーの粉末を用いる場合は、該粉末をそのまま飼料や飲料水などに添加して用いるか、または粉末を顆粒、錠剤、カプセル、丸薬等の形態にして用いるのが便利である。
また、セージ、ローズマリー、ナッツメグまたはジンジャーの精油を用いる場合は、精油をそのまま飼料や飲料水などに添加して用いてもよいし、精油を植物油(例えば大豆油、サラダ油、菜種油など)に溶解して希釈して用いてもよいし、精油を固体状の吸着剤(例えばシリカ、コーンコブ、トウモロコシ粉、脱脂米ぬか、フスマなど)に吸着して粉体状にして用いてもよい。
【0012】
本発明の抗コクシジウム剤は、抗コクシジウム剤としての薬効の妨げにならない限りは、薬剤において通常使用されている賦形剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、甘味剤、調味料、香辛料等の種々の成分を含むことができる。
【0013】
本発明の抗コクシジウム剤を動物に投与するに当たっては、経口投与および非経口投与のいずれもが採用でき、そのうちでも経口投与が好ましく採用される。
本発明の抗コクシジウム剤を動物に経口投与する場合は、そのまま直接動物に投与してもよいし、飼料に添加して投与してもよいし、或いは飲料水に添加して投与してもよい。
【0014】
本発明の抗コクシジウム剤の動物への投与量は、抗コクシジウム剤の剤形、動物の種類、年齢(月齢)、症状、投与方法などにより異なり得る。
例えば、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの粉末の少なくとも1種(2種以上の粉末を含有する場合はその合計量)を有効成分として含む本発明の抗コクシジウム剤を鶏に経口で投与する場合は、通常、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの粉末の少なくとも1種の投与量が、1日当たり約0.05〜20g/体重kgとなるような量で、数日〜数十日にわたって投与するのがよい。
また、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの精油の少なくとも1種(2種以上の精油を含有する場合はその合計量)を有効成分として含む本発明の抗コクシジウム剤を鶏に経口で投与する場合は、通常、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの精油の少なくとも1種の投与量が、1日当たり約0.0005〜6g/体重kgとなるような量で、数日〜数十日に亙って投与するのがよい。
本発明の抗コクシジウム剤の動物への投与は、全飼育期間にわたって行っても、または飼育期間の一部の期間のみに行ってもよく、特に産まれた直後から5週齢まで投与すると、高い抗コクシジウム効果が得られる。
【0015】
本発明の抗コクシジウム剤を飼料または飲料水に添加して動物に投与する場合に、抗コクシジウム剤が、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの粉末の少なくとも1種を有効成分とするものであるときは、飼料または飲料水の質量に対して、前記粉末の少なくとも1種を約0.1〜10質量%の割合で添加することが好ましい。
また、本発明の抗コクシジウム剤を飼料または飲料水に添加して動物に投与する場合に、抗コクシジウム剤が、セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの精油の少なくとも1種を有効成分とするものであるときは、飼料または飲料水の質量に対して、前記精油の少なくとも1種を約0.001〜3質量%の割合で添加することが好ましい。
【0016】
本発明の抗コクシジウム剤は、鶏、七面鳥、うずら、ガチョウ、ほろほろ鳥等の家禽類、豚、牛、羊、山羊、兎等の家畜類、犬や猫等のペット類、その他コクシジウム症に感染することが知られている動物のすべてに対して、それらのコクシジウム症の予防および治療に使用することができる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のものに何ら限定されない。
【0018】
《実施例1》
(1) 下記の表1に示す組成よりなる、抗生物質および合成抗コクシジウム剤を含有しないブロイラー前期用の配合飼料(基礎飼料)を準備した。
【0019】
【表1】
Figure 0004531948
【0020】
(2) チャンキー初生雛(雄)を各区30羽の割合で10区準備した(第1区〜第10区)(合計300羽)。
(3) 第1区(対照例)の雛に対しては、上記表1の基礎飼料をそのまま給与し、アイメリア・テネラの感染を行うことなく、飲料水と共に自由に摂取させて15日齢まで飼育し、15日齢目に解剖した。
(4) 第2区(比較例)、第3〜9区(実施例および参考例)および第10区(参考例)の雛に対しては、上記表1の基礎飼料を給与するか(第2区)または該基礎飼料に下記のそれぞれの成分を添加した下記の表2に示す飼料をそれぞれ給与し、飲料水と共に自由に摂取させ、7日齢でアイメリア・テネラのオーシストを10000個/羽の割合で経口感染させて15日齢まで飼育し、15日齢に解剖した。
なお、以下の表2における各成分の添加量は、基礎飼料の質量に基づく質量割合(外割)である。
【0021】
【表2】
Figure 0004531948
【0022】
(5) 上記の飼育時に、各区について、飼育開始時の平均体重、飼育終了時(15日齢)の平均体重、飼育期間(15日間)の1羽当たりの平均食下量(平均飼料摂取量)を測定して、平均増体重、平均増体比(アイメリア・テネラ非感染の第1区(対照例)の平均増体重を100としたときの第2区〜第10区の各平均増体重比)を求めたところ、下記の表5および表6に示すとおりであった。
【0023】
(6) 解剖当日に各区ごとに糞板より糞を採取し、糞1g中のアイメリア・テネラのオーシスト数を測定したところ、下記の表5および表6に示すとおりであった。
(7) 解剖した雛の盲腸部分の病変の有無および状態を下記の表3に示す判定基準で評価した。そして、表3に示すように、−を0点、+を1点、++を2点、+++を3点、++++を4点として点数評価(点数に換算)して、各区ごとの合計点を求め、該合計点を30で割って平均病変値を求めたところ、下記の表5および表6に示すとおりであった。
【0024】
【表3】
Figure 0004531948
【0025】
(8) 解剖した雛の盲腸1g当たりのオーシスト数を測定して、下記の表4に示す判定基準で評価したところ、下記の表5および表6に示すとおりであった。
【0026】
【表4】
Figure 0004531948
【0027】
【表5】
Figure 0004531948
【0028】
【表6】
Figure 0004531948
【0029】
上記の表5および表6の結果から、オレガノ、セージ、ローズマリー、ナッツメグ、ジンジャー、シナモンまたはクローブを投与してなる第3区〜第9区では、第2区(比較例)に比べて、盲腸における平均病変値が低く、アイメリア・テネラに対する感染が低く抑えられていることがわかる。特に、ナッツメグを投与してなる第6区では、平均病変値が一層低いものとなっている。
【0030】
《実施例2》
(1) チャンキー初生雛(雄)を各区30羽の割合で10区準備した(第11区〜第20区)(合計300羽)。
(2) 第11区(対照例)の雛に対しては、上記表1の基礎飼料をそのまま給与し、アイメリア・アセルブリナの感染を行うことなく、飲料水と共に自由に摂取させて13日齢まで飼育し、13日齢に解剖した。
(3) 第12区(比較例)、第13〜19区(実施例)および第20区(参考例)の雛に対しては、上記の表2に示す飼料のそれぞれを給与し、飲料水と共に自由に摂取させ、7日齢でアイメリア・アセルブリナのオーシストを50000個/羽の割合で経口感染させて13日齢まで飼育し、13日齢に解剖した。
【0031】
(4) 上記の飼育時に、各区について、飼育開始時の平均体重、飼育終了時(13日齢)の平均体重、飼育期間(13日間)の1羽当たりの平均食下量(平均飼料摂取量)を測定して、平均増体重、平均増体比[アイメリア・アセルブリナ非感染の第11区(対照令)の平均増体重を100としたときの第12区〜第20区の各平均増体重比]を求めたところ、下記の表8および表9に示すとおりであった。また、表8および表9に示すように、第11区〜第20区のすべてにおいて、13日齢における雛の生存率は100%であった。
【0032】
(5) 解剖当日に各区ごとに糞板より糞を採取し、糞1g中のアイメリア・アセルブリナのオーシスト数を測定したところ、下記の表8および表9に示すとおりであった。
(6) 解剖した雛の小腸部分の病変の有無および状態を下記の表7に示す判定基準で評価した。そして、表7に示すように、−を0点、+を1点、++を2点、+++を3点、++++を4点として点数評価(点数に換算)して、各区ごとの合計点を求め、該合計点を30で割って平均病変値を求めたところ、下記の表8および表9に示すとおりであった。
【0033】
(7) 解剖した雛の小腸1g当たりのオーシスト数を測定して、上記の表4に示す判定基準で評価したところ、下記の表8および表9に示すとおりであった。
【0034】
【表7】
Figure 0004531948
【0035】
【表8】
Figure 0004531948
【0036】
【表9】
Figure 0004531948
【0037】
上記の表8および表9の結果から、オレガノ、セージ、ローズマリー、ナッツメグ、ジンジャー、シナモンまたはクローブを投与した第13区〜第19区では、第12区(比較例)に比べて、小腸における平均病変値が低く、アイメリア・アセルブリナに対する感染が低く抑えられていることがわかる。特に、オレガノを投与した第13区、ナッツメグを投与した第16区およびクローブを投与した第19区では、平均病変値が一層低いものとなっている。
【0038】
《実施例3》
(1) チャンキー初生雛(雄)を各区30羽の割合で10区準備した(第21区〜第30区)(合計300羽)。
(2) 第21区(対照例)の雛に対しては、上記表1の基礎飼料をそのまま給与し、アイメリア・テネラの感染を行うことなく、飲料水と共に自由に摂取させて15日齢まで飼育し、15日齢に解剖した。
(3) 第22区(比較例)、第23〜29区(実施例)および第30区(参考例)の雛に対しては、下記の表10に示す飼料のそれぞれを給与し、飲料水と共に自由に摂取させ、7日齢でアイメリア・テネラのオーシストを40000個/羽の割合で経口感染させて15日齢まで飼育し、15日齢に解剖した。
なお、以下の表10における各成分の添加量は、基礎飼料の質量に基づく質量割合(外割)である。
【0039】
【表10】
Figure 0004531948
【0040】
(4) 上記の飼育時に、各区について、飼育開始時の平均体重、飼育終了時(15日齢)の平均体重、飼育期間(15日間)の1羽当たりの平均食下量(平均飼料摂取量)を測定して、平均増体重、平均増体比[アイメリア・テネラ非感染の第21区(対照令)の平均増体重を100としたときの第22区〜第30区の各平均増体重比]を求めたところ、下記の表11および表12に示すとおりであった。また、表11および表12に示すように、第21区および第23区〜第30区では15日齢における雛の生存率は100%であったが、第22区では15日齢における雛の生存率は90%であった。
【0041】
(5) 解剖当日に各区ごとに糞板より糞を採取し、糞1g中のアイメリア・テネラのオーシスト数を測定したところ、下記の表11および表12に示すとおりであった。
(6) 解剖した雛の盲腸部分の病変の有無および状態を上記の表3に示す判定基準で評価した。そして、表3に示すように、−を0点、+を1点、++を2点、+++を3点、++++を4点として点数評価(点数に換算)して、各区ごとの合計点を求め、該合計点を30で割って平均病変値を求めたところ、下記の表11および表12に示すとおりであった。
【0042】
(7) 解剖した雛の盲腸1g当たりのオーシスト数を測定して、上記の表4に示す判定基準で評価したところ、下記の表11および表12に示すとおりであった。
【0043】
【表11】
Figure 0004531948
【0044】
【表12】
Figure 0004531948
【0045】
上記の表11および表12の結果から、オレガノ、セージ、ローズマリー、ナッツメグ、ジンジャー、シナモンまたはクローブの精油を投与した第23区〜第29区では、第22区(比較例)に比べて、盲腸における平均病変値が低く、アイメリア・テネラに対する感染が低く抑えられていることがわかる。特に、セージ精油を投与した第24区およびローズマリー精油を投与した第25区では、平均病変値が一層低いものとなっている。
【0046】
【発明の効果】
セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーの少なくとも1種を有効成分とする本発明のコクシジウム剤は、抗生物質や化学療法剤におけるような副作用の発現や薬剤への耐性獲得による効果の減退等を引き起こすことがなく、種々の動物のコクシジウム症の予防および治療に安全に、且つ有効に使用することができる。そして、コクシジウム症に感染した動物に投与した場合には、その症状を軽くすることができる。
本発明の抗コクシジウム剤は、家禽類のコクシジウム症に対して特に有効であり、多数の家禽類を扱う養鶏業者の負担を軽くすることができる。

Claims (3)

  1. セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーから選ばれる少なくとも1種を有効成分とする抗コクシジウム剤。
  2. セージ、ローズマリー、ナッツメグおよびジンジャーとして、固体状物または精油を用いる請求項1に記載の抗コクシジウム剤。
  3. 請求項1に記載の抗コクシジウム剤を動物(但しヒトを除く)に投与して、動物(但しヒトを除く)のコクジシウム症を予防および/または治療する方法。
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