JP2007520515A - 家禽におけるコクシジウム症の処置のためのシマルバアマラ及び/又はモモルディカカランティア抽出物 - Google Patents

家禽におけるコクシジウム症の処置のためのシマルバアマラ及び/又はモモルディカカランティア抽出物 Download PDF

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Abstract

家禽におけるコクシジウム症の処置用の医薬品の製造のための、単独の、又はモモルディカカランティア(Momordica charantia)と組み合わせられた、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ(Simarouba amara)の使用が記載される。さらに、該医薬品の投与に基づく家禽におけるコクシジウム症を抑制する方法が記載される。また、タンパク質、ビタミン及びミネラルのような添加剤を含むか又は含まない粉砕された植物及び/又は動物に基づく乾燥家禽飼料の他に、単独の、又はモモルディカカランティア果実抽出物と組み合わせられた、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物を含む、家禽におけるコクシジウム症の抑制のための家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料も記載される。該医薬品の製造、及び家禽におけるコクシジウム感染の予防的又は治療的な処置のための、乾燥又は湿性の家禽食料又は飲料水への添加剤としての該活性成分の使用も記載される。もう一つの記載された実施態様は、一つ以上の生理学的に許容される担体と一緒の、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の投与と、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物の投与との循環を含む、家禽におけるコクシジウム症を引き起こす耐性エイメリア(Eimeria)株の発生を防止するための管理に関する。

Description

本発明は、家禽におけるコクシジウム症の処置用の医薬品の製造のための、単独の、又はモモルディカカランティア(Momordica charantia)と組み合わせられた、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ(Simarouba amara)の使用に関する。それは、さらに、該医薬品の投与に基づく家禽におけるコクシジウム症を抑制する方法に関する。本発明は、タンパク質、ビタミン及びミネラルのような添加剤を含むか又は含まない粉砕された植物及び/又は動物に基づく乾燥家禽飼料の他に、単独の、又はモモルディカカランティア果実抽出物と組み合わせられた、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物を含む、家禽におけるコクシジウム症の抑制のための家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料も包含する。本発明は、該医薬品の製造、及び家禽におけるコクシジウム感染の予防的又は治療的な処置のための、乾燥もしくは湿性の家禽食料又は飲料水への添加剤としての該活性成分の使用にも関する。さらに、本発明は、一つ以上の生理学的に許容される担体と一緒の、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の投与と、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物の投与との循環を含む、家禽におけるコクシジウム症を引き起こす耐性エイメリア(Eimeria)株の発生を防止するための管理にも関する。
コクシジウム症は、全ての大陸に蔓延している一方で、家禽産業に対して重大な経済的損失を引き起こすため、家禽における最も重要な疾患のうちの一つである。
コクシジウム症は、家禽の腸及び盲腸における重度の病態を引き起こす。それは、主として、小腸の上部、中央部及び下部、直腸、結腸、並びに盲腸に影響を与える。コクシジウム症は、(コクシジウムと呼ばれる)エイメリア属の原生動物(アピコンプレクサ(apicomplexa))による感染により引き起こされる。家禽(ニワトリ、シチメンチョウ)において問題を引き起こす一般的な種は、エイメリアアセルブリナ(acervulina)、E.ブルネット(brunett)、E.マキシマ(maxima)、E.ミバティ(mivati)、E.ネカトリックス(necatrix)、E.テネラ(tenella)、E.アデノエイデス(adenoeides)、E.ジスペルサ(dispersa)、E.ガロパボニス(gallopavonis)、E.メレアグリディス(meleagridis)、E.エイシアエ(aythyae)及びE.ブルセファラエ(burcephalae)である。鳥類におけるエイメリアの寄生部位は、エイメリアの種及び家禽の種に依る。コクシジウムは、小腸の上部、中央部及び下部、直腸、結腸、腎臓、並びに盲腸に寄生し得る。
本発明に関して、家禽という表現は、齢と無関係に、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、メンドリ、ハト、シチメンチョウ及びダチョウを含む、家畜化されたトリのあらゆる品種について使用される。該表現は、好ましくは、ニワトリ、アヒル、ガチョウ及びシチメンチョウについて使用され、最も好ましくは、ニワトリについて使用される。
トリは、通常、感染性の段階、即ち、胞子形成した接合子嚢により汚染された水、飼料又は敷きわら材料を摂取することにより感染する。腸内で、接合子嚢壁が機械的にかつ/又は酵素的に破壊される。スポロシストが遊離し、酵素に曝され、スポロゾイトを放出する。スポロゾイトは活発に移動し、上皮細胞に侵入し、そこで、さらに発達する。細胞内で、スポロゾイトは、第1世代シゾントへと発達する。シゾント内に、数百〜数千のメロゾイトが形成される。宿主細胞が破壊されると、メロゾイトが放出され、他の上皮細胞に侵入し、第二世代のシゾント及びさらなるメロゾイトを形成する。いくつかのエイメリア種は、そのサイクルを繰り返し、第3世代のシゾントを形成する。有性発達段階への切り替えのための誘発因子は未知である。
しかしながら、誘発された場合には、大配偶子及び小配偶子が形成される。小配偶子が大配偶子と受精し、細胞内接合子の形成に至る。接合子は接合子嚢になり、宿主細胞を破壊して、糞便を介して動物を去る。胞子形成していない接合子嚢は、暖かく湿った土壌又はわらに曝されると、胞子形成を行い、それにより、感染性の生活段階になる。上皮細胞の侵襲及び死滅が、コクシジウム症の疾患をもたらす。
疾患は、出血、盲腸内の血液の蓄積、糞中への血液の通過、衰弱及び消化不良により顕在化する。疾患は、しばしば、動物の死亡に終わるが、重度の感染から生き延びたメンドリでは、感染の結果として市場価値は実質的に低下する。従って、コクシジウム症は、経済的に極めて重要な疾患であり、家禽におけるコクシジウム感染の抑制及び処置のための新たな、改善された方法を見出すため、広範な研究が行われてきた。
家禽産業においては、コクシジウム症の流行を抑制又は防止するため、トリの一生の大部分において、抗コクシジウム剤を家禽飼料に含めることが、一般的な実務である。現在の抑制法は、コクシジウム抑制剤(アンプロリウム(amprolium)、クロピドール(clopidol)、ハロフジノン(halofuginone)、ラサロシド(lasalocid)、モネンシン(monensin)、ニカルバジン(nicarbazine)、ニトロフラゾン(nitrofurazone)、ニトロミド(nitromide)、スルファジメトキシン(sulfadimethoxine)、スルファキノキシリン(sulfaquinoxyline)、サリノマイシン(salinomycin)、ゾアレン(zoalene))又はワクチンのいずれかの使用に頼っている。生病原性ワクチン、生弱毒化ワクチン及び組換えワクチンが、研究中である。いくつかのワクチンが市場に存在するが、これらに関連した問題には、免疫応答の特異性、入手可能性、継続的な効力を保証するためにワクチンを再利用する必要性が含まれる。ワクチンは、主に、トリの育種において役割を果たしている。
コクシジウム抑制剤は、典型的には、3〜6日又はそれ以上の間、3〜250ppmの割合で飼料又は水に添加される。しかしながら、コクシジウム抑制剤による処置は、重大な短所を有している。
全てのコクシジウム抑制剤に関して、屠殺前の休薬時間が存在し、大部分が、産卵用のトリにおいて使用することは許可されていない。この休薬時間は、消費が見込まれる食肉が、消費者の健康に影響を与えるかもしれない薬物の残留を含有していないことを保証する。販売承認を有する各生産物について、休薬時間は、各国の機関により定義されており、製品ラベル上に表示されなければならない。投与量、処置時間の長さ及び休薬時間は、正確に追跡されるべきである。そうでない場合には、休薬時間が影響を受け、違法な薬物残留がもたらされるかもしれない。投与量又は処置時間の増加は、トリにおける不要もしくは有害な副作用を来たし、又は死亡させることすらあるかもしれない。
休薬時間のない生産物は、家禽市場における明らかな競争上の優位を有している。
コクシジウム抑制剤は、病原体を殺すことはないが、例えば、病原体が正しく発達し得ないよう、特定のタンパク質の産生に介入することにより、特定の生活段階の発達を阻止する。特定の点におけるこの相互作用により、それらは、腸及び盲腸に対するエイメリアの有害な影響を減少させ、家禽の免疫系が構築され感染に対抗するための時間を与える。コクシジウム抑制剤は、典型的には、3〜6日又はそれ以上の間、3〜250ppmの割合で飼料又は水に添加される。
コクシジウム抑制剤は、種々の化学的な型に分類される(例えば、イオノフォア、抗生物質及びスルホンアミド)。化学的なクラス及び正確な化合物に依って、作用の様式又は阻止される生活段階が異なる。例えば、クロピドールは、スポロゾイト段階に対して作用し、発達なしの宿主細胞透過を可能にする。ハロフジノンは、無性段階に対して有効である。作用機序は未知である。
全ての化学的コクシジウム抑制剤についての主要な短所は、特定の薬物への継続的又は反復的な曝露の後には、原因生物が迅速に耐性を発達させるリスクが存在する点である。さらに、スルファニルアミド、ニトロフラン、キノリン、アンチチアミン、ベンゾアミド及びポリエーテルに基づく抗生物質のような従来使用されている抗コクシジウム剤は、しばしば、宿主にとって毒性である。従って、化学的に完全に新しいか、又は耐性発達の速度を減少させ、かつ/もしくは多耐性寄生動物株を抑制するような組み合わせからなる、新たな抗コクシジウム化合物を同定する必要が引き続き存在している。
最後に、可能性のある抗生物質の乱用及び交差耐性のため、これらのコクシジウム抑制剤のうちのいくつかについては、健康及び安全性に関する懸念が存在する。従って、それらの全てが、今後、世界中で入手可能になるとは限らない。現在、既に、アンプロリウム及びメチクロルピンドール(meticlorpindol)を含むいくつかのコクシジウム抑制剤が、欧州連合において禁止されている。
このため、改善された、より安全な生成物、特に、耐性の発達を誘発しない生成物が、明らかに必要とされている。化学物質に対する耐性の発達は、単細胞真核生物における重大な問題である。その主な理由は、そのような生物は、極めて急速に複製し、迅速に環境変化に代謝を適応させることができるためである。これは、化学物質が一年中予防的に投与されており、病原体が永続的に化学物質に直面している家禽において、コクシジウム症を引き起こす原生動物に、特に当てはまる。そのような環境においては、極めて急速に耐性が発達し得る。
驚くべきことに、単独で、又は低濃度のモモルディカカランティア果実抽出物と組み合わせて得られたシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物が、特定の用量範囲内で使用された場合、コクシジウム抑制剤として作用し、家禽における傷害の減少及び生産に対して同じ型の影響を及ぼすことが、見出された。特に、コクシジウムにより引き起こされる腸及び盲腸の病変が減少し、このコクシジウム傷害の減少が、未処置のコクシジウム感染を有する家禽と比較して、体重増加及び飼料効率を改善する。
本発明の天然成分は、家禽飼料補助剤の形態又は薬用家禽飼料の形態でも適用され得る。従って、本発明は、そのような家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料、及び該家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料の製造のための、唯一の活性成分としての、又はモモルディカカランティア果実抽出物と組み合わせられた、シマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の使用にも関する。
本発明の獣医学的組成物は、好ましくは、家禽においてコクシジウム抑制活性を示し、かつ飼料効率及び体重増加を促進し、特に、家禽におけるエイメリア種感染の影響を減少させることを目的とした経口組成物である。
従って、本発明の重要な目的は、トリにとって生理学的によく容認される一つ以上の担体と一緒の、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮もしくはその抽出物の投与と、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物の投与との循環、又は、別法として、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮もしくはその抽出物とモモルディカカランティア果実抽出物との組み合わせの投与を含む、家禽におけるコクシジウム症を引き起こす耐性エイメリア株の発生を防止するための手段を提供することである。
さらに好ましいのは、ある時期に、シマルバアマラが投与され、次の季節に、モモルディカカランティアが投与される耐性管理ツール、又は、別法として、シマルバアマラとモモルディカカランティアとの組み合わせが投与される耐性管理ツールを提供することである。
シマルバアマラ及びモモルディカカランティアは、いずれも、コクシジウム抑制剤としての活性を有するかもしれないいくつかの異なる化合物を含有しており、従って、いずれか一方が、付加的及び/又は補足的な活性を有するいくつかの化合物の組み合わせを投与することに類似しているため、耐性を管理するための独特の機会を提供する。耐性は、単一の化合物を用いた場合に、発達する可能性が最も高い。シマルバアマラ及びモモルディカカランティアの化学的性質は相互に異なっており、従って、組み合わせて又は循環して使用された場合には、さらに多様な活性が存在する。特に、これらは、施設内で、4〜6ヶ月毎に使用され交換されることにより、循環して使用され得る(例えば、群れが4代変化する毎)。別法として、家禽の初期成長相で一方を使用し、完了期に他方を使用してもよい。
従って、本発明は、特に、生理学的に許容される一つ以上の担体と一緒に、コクシジウム抑制的に有効な量の、シマルバアマラ乾燥樹皮もしくはその抽出物、もしくはモモルディカカランティア果実抽出物、又はコクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮もしくはその抽出物とモモルディカカランティア果実抽出物との組み合わせを含む獣医学的組成物、及び家禽におけるコクシジウム症の抑制のためのそれらの使用に関する。
本発明の好ましい実施態様は、とりわけ、以下のものである。
家禽におけるコクシジウム症の処置用の医薬品の製造のためのコクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラの使用。好ましい実施態様において、活性成分は、シマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物である。さらなる好ましい実施態様は、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物と組み合わせられたシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の使用である。
もう一つの好ましい実施態様は、一つ以上の生理学的に許容される担体と一緒の、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の家禽への投与を含む、家禽におけるコクシジウム症を抑制する方法である。さらに好ましいのは、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物をさらに含む方法である。
本発明の同等に好ましい実施態様は、タンパク質、ビタミン及びミネラルのような添加剤を含むか又は含まない粉砕された植物及び/又は動物に基づく乾燥家禽飼料の他に、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物を含む、家禽におけるコクシジウム症の抑制のための家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料である。コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物をさらに含む家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料も、重要な実施態様である。
本発明の重要な局面は、家禽におけるコクシジウム感染の予防的又は治療的な処置のための、乾燥もしくは湿性の家禽食料又は飲料水への添加剤としての、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の使用である。コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物をさらに含む場合、該使用はさらに重要である。
トリにとって生理学的に許容される一つ以上の担体と、唯一の活性成分としてのコクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮もしくはその抽出物との混合物、又はさらに第二の活性成分としてのコクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物との混合物を均質化することを含む、家禽におけるコクシジウム症の抑制のための獣医学的組成物を製造する方法も、好ましい実施態様である。
もう一つの重要な実施態様は、タンパク質、ビタミン及びミネラルのような添加剤を含むか又は含まない粉砕された植物及び/又は動物に基づく乾燥家禽飼料の他に、唯一の活性成分としてコクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮もしくはその抽出物を含むか、又はさらに第二の活性成分としてコクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物を含む、家禽におけるコクシジウム症の抑制のための家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料である。
トリにとって生理学的によく容認される一つ以上の担体と一緒の、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の投与と、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物の投与との循環を含む、家禽におけるコクシジウム症を引き起こす耐性エイメリア株の発生を防止するための管理も、重要である。好ましいのは、シマルバアマラとモモルディカカランティアとの組み合わせの使用を含む耐性管理である。
上述の家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料は、天然成分のうちのいずれか一方、又は両方の組み合わせを含有している。該実施態様は、各々、同等に好ましい。
有利には、該家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料は、通常フィードミルにより製造されるペレットからなる。粉砕された穀類が、一般に、基剤として使用される。その基剤へ、油並びに植物性及び動物性のタンパク質のようなさらなる要素が添加される。全ての要素が、粉砕又は混合装置において充分に混合され、水を吹き付けられるか、又は蒸気により処理され、高温で、約2〜15mmの直径を有している円形ノズルを通して成形される、即ち、押し出される。その押し出しの過程で、加湿された材料は圧縮され、比較的硬いバーの形態でノズルから出て、ノズルの出口において、切断装置を使用して、所望の長さ、例えば、約5〜25mmの長さのピースへと切断される。生じたペレットは、まだ暖かく、排出される際に空気中で乾燥されるか、又は加熱チャンバーを通るコンベヤーベルトに乗せられ、約80〜120℃で乾燥される。完成したペレットは、棒状又は円柱状であり;比較的滑らかな表面を有しており、崩壊したり塵を形成したりすることなく容易に注入可能である。それらは、一般に、約1.2g/cm3の密度を有している。
一般に、本発明に係る薬用飼料ペレットの製造のための手法は、通常の飼料ペレットの製造の場合と全く同様である。しかしながら、押し出し工程の前に、天然活性成分と、有機的な粉砕され均質化された飼料要素とが、充分に混合され、約5〜10重量%の水又は蒸気により加湿され、約60〜80℃、好ましくは65〜75℃の高温で飼料ペレットへと圧縮される。良好な均質化は、まず、天然活性成分が、残りの飼料コンポーネントの比較的少量の一部と充分に混合され、その結果、比較的高い比率の天然活性成分を有している、いわゆる予備混合物が得られる場合に、最も有利に達成される。次いで、その予備混合物の一部が、さらなる飼料材料と混合され、さらなる部分混合物が形成され、その部分混合物が、最終工程において、さらなる飼料材料によって最終濃度へと希釈される。その希釈は、ペレット内に封入された活性成分の特に均一な分布をもたらす。
ペレットは、室温にまで冷却され、保管又は最終消費者への輸送のため、紙袋又はその他の適当な容器にパックされる。ペレットは、保管中の安定性が極めて高く、環境的影響から活性成分を保護するコーティングされた形態の中に活性成分を含むため、特別の予防措置は必要ない。活性成分は、これらの保管可能なペレットから外部へは移行しない。
しかしながら、本発明に係る天然活性成分又は獣医学的組成物が、通常の乾燥又は湿性の家禽食料又は飲料水と単純に混和されてもよいことは、言及するまでもない。
本発明に含まれる薬草は、トリにおけるコクシジウム感染の処置のためには使用されていないが、細菌、ウイルス及び真菌の処置における長い使用歴を有している。この歴史的な使用により、その植物材料の安全性が確認されている。シマルバアマラ及びモモルディカカランティアの標準化された抽出物及び植物材料は、商業的に入手可能である。
シマルバは、直径50〜80cmの幹を有する、20mの高さにまで生長する中型の木である。それは、20〜50cmの長さの明るい緑色の葉、小さな白い花及び小さな赤い果実を生ずる。それは、アマゾン熱帯雨林、並びにメキシコ、キューバ、ハイチ、ジャマイカ及び中央アメリカのその他の熱帯地域に固有である(科:ニガキ(Simaroubaceae);属:シマルバ;種:アマラ)。その植物材料は、微量の広範囲の種々の化学物質、例えば、アイランチノン(ailanthinone)、ベンゾキノン、カンチン(canthin)、デヒドログラウカルビノン(dehydroglaucarubinone)、グラウカルビン(glaucarubine)、グラウカルボロン(glaucarubolone)、グラウカルビノン(glaucarubinone)、ホラカントン(holacanthone)、メリアノン(melianone)、シマルビジン(simaroubidin)、シマロリド(simarolide)、シマルビン(simarubin)、シマルボリド(simarubolide)、シトステロール、チルカラ(tirucalla)等を含有している。シマルバ植物は、類似の特性を有していることが既知である(PENGUIN BOOKS出版、Mrs C.F.LEYEL編、「Modern Herbal」という題名のMrs M.GRIEVEによる書籍、741〜742ページを参照のこと)。シマルバアマラAubl.は、特に、ギアナにおいてかなり広く普及している木であり、そこでは、赤痢を処置し、腸の緊張力を改善し、腸の分泌を促進し、患者を眠りやすくするための療法として原住民により樹皮が使用されている。シマルバは、樹皮、木又は葉からの抽出物の形態で化粧品産業においても使用されている。米国特許第5,676,948号は、有意な皮膚脱色活性、皮膚の防御機能の増強、水バリア機能の増強及びケラチノサイト分化活性のような正の皮膚科的効果を記載している。シマルバのさらなる活性は、Chemical Abstractsに記載されており:Chemical Abstracts110(02)013432は、インビトロの抗アメーバ活性を証明するためのシマルバアマラ茎抽出物の使用を記載している。同様に、Chemical Abstracts109(101)000285は、抗マラリア薬の調製のためのシマルバアマラ果実抽出物を記載している。シマルバからの標準化された樹皮及び抽出物は、商業的に入手可能であるか、又は文献に記載された手法に沿って調製され得、例えば、シマルバ樹皮からの水性及びアルコール性の抽出物の作製が、米国特許第5,676,948号に開示されている。該米国特許において、シマルバ抽出物は、化粧用もしくは医薬的な組成物、特に、皮膚科用組成物、又は皮膚細胞培養培地を作製するために使用されている。得られた組成物も開示されている。その特許は、シマルバ抽出物の有意な皮膚脱色活性に言及している。米国特許第5,676,948号の教示に従って調製された抽出物は、本発明に従い使用されるのに適している。
一つの特定の実施態様によると、上記の抽出物は、シマルバアマラ、シマルバグラウカ(glauca)、シマルババーシカラー(versicolor)、シマルバエクセルサ(excelsa)又はモモルディカカランティアから、特に、これらの植物の幹の樹皮、茎又は根から入手される。もう一つの実施態様によると、上記の抽出物は、水、アルコール、好ましくは、メタノールもしくはエタノールのような低級アルコール、グリコール、特に、プロピレングリコール、又は任意の比率の水性−アルコール性混合物のような少なくとも一つの極性溶媒による抽出により得られた抽出物である。さらなる実施態様によると、上記の抽出物は、乾燥抽出物として表した場合、組成物の全重量に基づき0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%の濃度で、組成物中に存在する。さらなる適当な製剤は、下に記載される。
ウリ(Cucurbitaceae)科のメンバーであるモモルディカカランティアは、熱帯植物である(科:ウリ;属:モモルディカ;種:カランティア)。それは、ニガウリとして広く知られている。モモルディカカランティアは、東アフリカ、アジア、カリブ海及び南米の一部を含む熱帯地域に生長しており、そこでは、食料としても医薬としても使用されている。それは、至る所にヒョウタン様の隆起を有する緑色のキュウリ形の果実である。それは、不格好な薄緑色のキュウリのような外見を有する。果実は、キュウリのように、堅いはずである。それは、極めて苦い味がする。ニガウリの種子、葉及びつるは全て使用されているが、果実が、薬用に使用されている最も安全で最も広く流布している植物の部分である。未熟な果物は、ビタミンCの良好な供給源であり、ある程度のビタミンA、リン及び鉄を提供する。モモルディカカランティアは、細い茎及び巻きひげを有する、生長が速く、匍匐性又はよじ登り性のつるである。モモルディカカランティアは、癌、糖尿病及び多くの感染性疾患のために原住民により使用されてきたため、極めて人気のある植物である。その植物材料は、微量の広範囲の種々の化学物質、例えば、アルカロイド、カランチン(charantin)、カリン(charine)、クリプトキサンチン、ククルビチン(cucurbitins)、ククルビタシン(cucurbitacins)、ククルビタン(cucurbitanes)、シクロアルテノール、ジオスゲニン、エレオステアリン酸(elaeostearic acids)、エリスロジオール(erythrodiol)、ガラクツロン酸、ゲンチシン酸、ゴーヤグリコシド(goyaglycosides)、ゴーヤサポニン(goyasaponins)、グアニル酸シクラーゼ阻害剤、ギプソゲニン(gypsogenin)、ヒドロキシトリプタミン、カロウニジオール(karounidiols)、ラノステロール、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、モモルカラシド(momorcharasides)、モモルカリン(momorcharins)、モモルデノール(momordenol)、モモルジシリン(momordicilin)、モモルジシン(momordicins)、モモルジシニン(momordicinin)、モモルジコシド(momordicosides)、モモルジン(momordin)、モモルドロ(momordolo)、マルチフロレノール(multiflorenol)、ミリスチン酸、ネロリドール(nerolidol)、オレアノール酸、オレイン酸、シュウ酸、ペンタデカン、ペプチド、ペトロセリン酸、ポリペプチド、タンパク質、リボソーム不活化タンパク質、ロスマリン酸(rosmarinic acid)、ルビキサンチン(rubixanthin)、スピナステロール(spinasterol)、ステロイド性配糖体、スチグマスタジオール(stigmasta−diols)、スチグマステロール、タラキセロール(taraxerol)、トレハロース、トリプシン阻害剤、ウラシル、バシン(vacine)、v−インスリン、ベルバスコシド(verbascoside)、ビシン(vicine)、ゼアチン、ゼアチンリボシド、ゼアキサンチン及びゼイノキサンチンを含有している。
植物モモルディカカランティアL.の果実、ニガウリは、種々の国において長期にわたり食品として使用されてきた(ウリ科)。果実、種子及び空中部分の抽出物も、ヒトのための医薬としての使用の長い伝統を有しており、抗生物質、抗酸化剤、抗糖尿病剤及び降圧剤等として使用されている。インビボの研究は、ヒトにおける低い毒性を示している。静脈注射は、いくつかの実験動物研究において、毒性であることが示されている。果実及び葉の水及びエタノールによる抽出物の経口的な摂取は、妊娠中、安全であることが証明されている。
モモルディカカランティアのいくつかの活性も、特許文献に記載されている。例えば、米国特許第6,124,442号及び米国特許第6,103,240号は、カンゾウ抽出物と、ウリ科及び/又はモモルディカに属する植物から得られたモグロシド(mogrosides)とを含む薬草甘味保存組成物を記載している。US2002193310は、モモルディカカランティアの経口的に活性な画分、その活性ペプチド及び糖尿病の処置におけるそれらの使用に関するものである。W09843484は、MC6と名付けられたモモルディカカランティアの水溶性抽出物を記載しており、その調製法、及び高血糖障害の処置におけるその使用法が提供されている。この特許参照は、経口投与後ですら、該抽出物に低血糖活性があることに言及しており、活性薬剤が好ましくは経口投与される、高血糖障害、特に、糖尿病を処置するための活性薬剤の使用法も提供されている。
B.Hayatらは、「The Pakistan Vet.J.,16(4):1996,pp164−166」において、ニワトリにおけるコクシジウム症に関するテストを記載している。著者らは、抗生物質サリノマイシン(salinomycin)と比較して、「バキン(bakin)」(メリアアゼダラッチ(Melia azedarach))及び「カレラ(karela)」(モモルディカカランティア)を含有している調製物の予防的な投与の後の、幼齢鶏の体重増加及び糞便中の卵母細胞の減少を比較している。高濃度、即ち、飼料50Kgにつき1.5Kgの粉末形態のモモルディカカランティアで、正の効果が入手された。使用されたエイメリアの病原性が決定されておらず、病変スコアが提示されておらず、糞便状態の評価が提示されていないため(これらは、全て、コクシジウムが感染を引き起こしたことを決定するために必要である)、その粉末の効力は論文において確認され得ない。さらに、「カレラ」の型の確証が提示されていないため、研究は再現不可能である。今回、驚くべきことに、モモルディカカランティアの量の有意な減少が、病原性エイメリアにより引き起こされる病変スコアの減少をもたらすこと、及び濃縮レベルのモモルディカカランティアが、トリに対して毒性でないことが見出された。
ヒトに感染する様々な原生動物に対する植物シマルバアマラ及びモモルディカカランティアの両方の活性が、証明されている。しかしながら、寄生性原生動物の一つの種に対して活性な生成物は、その他の種もしくは属に対しては必ずしも活性ではなく、又はその生成物はその種もしくは属のその他の宿主において活性である。これは、異なる消化器系を有しているヒト及びトリの場合に特に当てはまる。さらに、家禽におけるエイメリア種に対する活性は、シマルバアマラでは以前に証明されていない。
従って、本発明は、シマルバアマラ樹皮及びその抽出物、並びに低濃度のモモルディカカランティア果実抽出物の、家禽におけるコクシジウム症を引き起こすエイメリア種に対する活性の発見、並びにコクシジウム抑制製剤における上記植物の適切な組成という技術的問題の解決に基づく。ここで、本発明の発明者らは、単独の又はモモルディカカランティア果実抽出物と組み合わせられたシマルバアマラ樹皮が、特定の用量範囲内で、家禽におけるエイメリア種の負の影響を減少させるのに特に有効であること、及び、以下に記載され例示されるインビボテストによってこの活性を証明することが可能であることを観察することができた。
天然成分は、家禽への全身投与、好ましくは、例えば、飼料又は水を介した経口投与のために製剤化される。それらは、カプセル剤、散剤、液剤及び懸濁剤のような適当な形態で、又は、上記のように、家禽飼料補助剤もしくは薬用家禽飼料の形態で、トリにとって生理学的によく容認される慣習的な賦形剤と共に製剤化され得る。
成分の用量は、飼料又は水の中のppmで表され、コクシジウム感染の重度、用途(処置であるか予防的であるか)及びトリの種に依って変動し得る。
コクシジウム感染の処置、及びコクシジウムにより引き起こされる腸及び盲腸の傷害の防止において使用されるモモルディカカランティアの材料は、10%カランチン又は>2.5%苦味成分(bitters)のいずれかに標準化された抽出物であり、モモルジシンを含有していなければならない。この標準化された材料は、10:1〜15:1の抽出液対植物材料比を使用して、果実の熱水とアルコールとの抽出溶媒混合物(20/80)により得られる。次いで、その抽出物を乾燥させると、使用のための準備が整う。最終的なモモルディカカランティア乾燥抽出物粉末は、水又はエタノールに可溶性でなければならない。HPLC/UV又は重力測定法が、抽出物中の化合物の含有量を確証するために使用され得る。そのような抽出物の適当な供給元は、エキゾティックナチュラルズ(Exotic Naturals)(Mumbai,India)及びキングハーブインターナショナル(Kingherb International)(Changchun,China)である。
他の天然成分はシマルバアマラの樹皮である。樹皮は乾燥させられ、粉末へと粉砕される。樹皮は、クワシノイド(quassinoids)(例えば、アイランチノン、グラウカルビノン)を含有していなければならない。そのような標準化された植物材料の供給元は、シエロハーブズ(Cielo Herbs)(U.S.A.)である。
本発明は、好ましくは、10〜400ppmの割合で与えられた場合の、最も好ましくは、飼料又は水と混和された場合の、家禽におけるコクシジウム感染の予防的又は治療的な抑制のための、単独の、又は相互に組み合わせられた、二つの定義された天然成分の使用に関する。両天然成分は、E.テネラ(tenella)に感染した家禽に与えられた場合、感染を有する未処置の家禽及び感染を有しない未処置の家禽と比較して、盲腸病変スコアを減少させ、体重増加を改善し、飼料効率を維持することが示された。
生物学的実施例:家禽におけるE.テネラの減少
研究は2工程からなっていた。工程1においては、単離されたE.テネラを、工程2において使用される株の病原性を証明するためにヒナに与えた。病原性であると見なすためには、感染は、非感染コントロールに対する、死亡率の有意な25%の増加、体重増加速度の有意な20%の減少及び/又は病変スコアの有意な2.5単位の増加を引き起こす必要があった(p=0.05)。
工程1において使用された材料は、以下のものを含んでいた:
1.胞子形成した接合子嚢(水1ml中100,000個の濃度)
2.ニワトリ(幼齢鶏40羽)、1日齢に達した時点で、10羽ずつ4群に分割
3.シリコン処理された微量遠心管(1.5ml)
4.ピペット、ピペッタ及びピペットチップ
5.秤の確証のための分銅を含む、ニワトリを計量するための秤又は天秤。
テスト接種物及び測定は、以下の通りであった:
1.12日齢で、ニワトリを計量する(体重増加と同時に群の飼料消費量を測定する)
2.14日齢で、ニワトリを計量する
3.14日齢で、予め形成された接種物をニワトリに経口接種する
a.胞子形成した接合子嚢を希釈し、6本のチューブを得る(各チューブ一本余分):
1.11チューブ:接種原1ml
2.11チューブ:接種原0.1ml&水0.9ml
3.11チューブ:接種原0.01ml&水0.99ml
4.11チューブ:水1ml
4.21日齢で、ニワトリを計量する
5.21日齢で、ニワトリを安楽死させ、病変スコアを実施する(Johnson&Reid,1970)
a.0 肉眼的病変なし
b.+1、盲腸壁に極めてわずかな点状出血が散在;盲腸壁の肥厚なし;正常な盲腸内容物が存在
c.+2 盲腸内容物中の著しい血液を含むより多数の病変、盲腸壁がやや肥厚;正常な盲腸内容物が存在
d.+3 大量の血液又は盲腸コアが存在;盲腸壁が大きく肥厚;盲腸内の糞便含有量は、たとえ存在したとしても、ほとんどなし
e.+4 血液又は大きなチーズ状のコアにより盲腸壁が大きく膨張;糞便の残骸が欠如しているか又はコアに含まれる。死亡したトリは、+4としてスコア化。
生存しているトリ及び死亡したトリについて体重増加を計算する。
工程2においては、二つの天然成分を使用した。工程2において、感染処置群の間の1病変スコア単位の差を、生物学的に有意と見なした。
使用された材料は、以下のものであった:
6.胞子形成した接合子嚢(水中、滴定された用量);未処置コントロールと比較された病原性の用量を提供する適切な希釈率の接合子嚢を含有している42本の別々のチューブとして調製した
7.ニワトリ(幼齢鶏50羽)、1日齢に達した時点で、10羽ずつ5群に分割
8.シリコーン処理された微量遠心管(1.5ml)
9.ピペット、ピペッタ及びピペットチップ
10.テスト化合物
11.秤の確証のための分銅を含む、ニワトリを計量するための秤又は天秤
テスト及び測定は、以下の通りであった:
6.12日齢で、ニワトリを計量する(体重増加と同時に群の飼料摂取量を測定すべきである)
7.12日齢で、テストされる生成物を与え始める(5群のうち3群に化合物を与える):
1.10羽:未処置コントロール
2.10羽:未処置コントロール
3.10羽:低用量(40ppm)で処置
4.10羽:中用量(400ppm)で処置
5.10羽:高用量(4000ppm)で処置
8.14日齢で、ニワトリを計量する
9.14日齢で、予め形成された接種物をニワトリに経口接種する(5群のうち4群において各ニワトリに500,000個の接合子嚢を与える)
6.10羽:未感染かつ未処置のコントロール
7.10羽:感染させられた未処置のコントロール
8.10羽:感染させられ低用量で処置された
9.10羽:感染させられ中用量で処置された
10.10羽:感染させられ高用量で処置された
10.コクシジウム症に起因するものであっても、又はその他の原因に起因するものであっても、全ての死亡率及び罹患率を、適切なテストにより診断するべきである。剖検結果を報告するべきである。診断されたコクシジウム症については、盲腸のウェットマウント(wet mount)調査を行い、コクシジウムを同定するべきである。死亡したトリの体重、死亡日及び性別を記録するべきである
11.21日齢で、ニワトリを計量する
12.21日齢で、ニワトリを安楽死させ、病変スコアを実施する(Johnson&Reid,1970)
a.0 肉眼的病変なし
b.+1、盲腸壁に極めてわずかな点状出血が散在;盲腸壁の肥厚なし;正常な盲腸内容物が存在
c.+2 盲腸内容物中の著しい血液を含むより多数の病変、盲腸壁がやや肥厚;正常な盲腸内容物が存在
d.+3 大量の血液又は盲腸コアが存在;盲腸壁が大きく肥厚;盲腸内の糞便含有量は、たとえ存在したとしても、ほとんどなし
e.+4 血液又は大きなチーズ状のコアにより盲腸壁が大きく膨張;糞便の残骸が欠如しているか又はコアに含まれる。死亡したトリは、+4としてスコア化。
13.生存しているトリ及び死亡したトリについて体重増加を計算する。
a.12〜14日齢(この測定は、抗コクシジウム天然生成物単独の効果を同定する)
b.14〜21日齢(この測定は、感染に対する抗コクシジウム天然生成物の有効性を査定する)
c.12〜21日齢(この測定は、実験期間を通した感染に対する抗コクシジウム天然生成物の有効性を査定する)
これらの研究は、モモルディカカランティア果実抽出物(40ppm)及びシマルバアマラ樹皮(400ppm)により処置されたニワトリが、非感染コントロールニワトリにおけるものとは有意に異なっていないが、非感染ニワトリにおけるものよりは有意に高い最終体重、全重量増加及び全体重増加率を有していることを証明した。
Figure 2007520515
飼料効率の改善は、(ニワトリの群化のため)統計的に測定され得なかったが、全てのレベルのモモルディカカランティア並びに低レベル及び中レベルのシマルバアマラを供給されたニワトリは、感染コントロール・ニワトリより良好な飼料効率比を有していた。
Figure 2007520515
研究において、病変スコアを減少させる天然成分の能力も証明された。モモルディカ40ppm及びシマルバ400ppmの両方が、少なくとも1、盲腸病変スコアを改善した。
Figure 2007520515
p=0.05で統計的に有意に、モモルディカ40ppm、シマルバ40ppm及びシマルバ400ppmが、平均(左右平均)盲腸スコアを改善した。モモルディカ400ppm及び4000ppmは、p=0.1で、平均スコアを改善した。
Figure 2007520515
これらのテスト結果は、これらの二つの天然成分が、コクシジウムでチャレンジされたニワトリにおいて、飼料中40〜400pmのレベルで、盲腸病変スコアを減少させ、体重増加を改善し、飼料効率を維持することを証明している。これらの二つの天然成分のこの能力は、以前に記載されていない。
これらの二つの天然成分の使用は、いくつかの利点を有する。ヒトにおける長い使用歴があるため、これらの成分の安全性に関しては広範囲な情報が入手可能であり、このことは、ニワトリ及びニワトリ生産物における残留に関する懸念を減少させる。また、これらの天然成分は、家禽におけるコクシジウムの抑制又は処置において以前に使用されていない化合物を含有しており、従って、耐性エイメリア株の抑制を可能にする。最後に、これらの天然成分は、いくつかの化合物を含有しており、従って、コクシジウムの抑制において多様な化合物を提供し、耐性が出現する速度を減少させる。
コクシジウムを有していない家禽が、病変を有しておらず(スコア0)、未処置の感染を有しているものの50%が、3以上の病変を有していることを証明している。シマルバアマラの適用は、2.5より高いスコアを防止する一方、40ppmの割合のモモルディカカランティアは、2未満のスコアを維持する。

Claims (11)

  1. 家禽におけるコクシジウム症の治療用の医薬品の製造のための、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラの使用。
  2. 活性成分がシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物である、請求項1記載の使用。
  3. シマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物が、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物と組み合わせられる、請求項2記載の使用。
  4. 家禽におけるコクシジウム症を抑制する方法であって、一つ以上の生理学的に許容される担体と共に、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物を家禽に投与することを含む方法。
  5. コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物を投与することをさらに含む、請求項4記載の方法。
  6. タンパク質、ビタミン及びミネラルのような添加剤を含むか又は含まない粉砕された植物及び/又は動物に基づく乾燥家禽飼料の他に、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物を含む、家禽におけるコクシジウム症の抑制のための家禽飼料補助剤又は薬用家禽飼料。
  7. 家禽におけるコクシジウム感染の予防的又は治療的な処置のための、乾燥もしくは湿性の家禽食料又は飲料水への添加剤としての、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の使用。
  8. コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物をさらに含む、請求項7記載の使用。
  9. 家禽におけるコクシジウム症の抑制のための獣医学的組成物を製造する方法であって、トリにとって生理学的に許容される一つ以上の担体と、唯一の活性成分としてのコクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮もしくはその抽出物との混合物、又はさらに第二の活性成分としてのコクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物との混合物を均質化することを含む方法。
  10. 一つ以上の生理学的に許容される担体と一緒の、コクシジウム抑制的に有効な量のシマルバアマラ乾燥樹皮又はその抽出物の投与と、コクシジウム抑制的に有効な量のモモルディカカランティア果実抽出物の投与との循環を含む、家禽におけるコクシジウム症を引き起こす耐性エイメリア株の発生を防止するための管理。
  11. シマルバアマラとモモルディカカランティアとの組み合わせが投与される、請求項10記載の耐性管理。
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