JP4531314B2 - 合成抗原を用いて梅毒を発見するための方法 - Google Patents

合成抗原を用いて梅毒を発見するための方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)および米国政府(United States Goverment)によってなされた。
【0002】
発明の分野
本発明は、微生物学および免疫学の分野に関し、より詳細には、梅毒の発見、診断、およびモニタリングのための組成物および方法に関する。特に、本発明は、合成カルジオリピンおよびレシチン抗原組成物、ならびにイムノアッセイ法におけるそれらの使用に関する。
【0003】
発明の背景
梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌が原因で生じる性行為感染症(STD)である。毎年100,000例を超える成人梅毒患者が世界中で報告されている。本疾患には母子感染もみられ、毎年3000例またはそれ以上の乳児が罹患している。早期のうちに抗生物質療法を行わないと、疾患は全身性に進行し、しばしば、臓器に対する不可逆的な障害、精神障害、失明、または死亡が引き起こされる。梅毒の早期に生じた開放性潰瘍がヒト免疫不全症ウイルス(HIV)の性行為感染を促すことから、世界中でのHIVの拡がりによって梅毒の重大性は健康問題としてさらに大きくなっている。
【0004】
梅毒の経過は、第1期、第2期、潜伏性、神経梅毒および第3期(晩期)のステージに分けられている。感染者は最初の2つのステージの期間中に他人を感染させるおそれがある。伝播は細菌が感染者の潰瘍から性パートナーの陰部の皮膚もしくは粘膜、口部、または肛門へと拡がった際に起こる。梅毒トレポネーマの菌体は身体の他の部分にある皮膚損傷部も通過しうる。第3期梅毒および神経梅毒では、細菌感染は伝染性ではないものの、菌体が、臓器、組織および脳へ侵入することにより、重篤な心血管障害または神経障害などの致死的な転帰につながるおそれがある。
【0005】
妊娠女性が感染し、治療を受けなかった場合、初期の4年間には梅毒の垂直感染または経胎盤感染が起こるおそれがある。母体が適切に治療されれば先天性梅毒は通常は予防されるが、子宮内で梅毒トレポネーマ感染に曝露されたヒト胎児の約25%は死産であると報告されている。先天性梅毒の乳児の一部には出生時から症状がみられるが、ほとんどは産後2〜3カ月の間に発症する。これらの症状には、皮膚びらん、皮疹、発熱、肝臓および脾臓の腫大、黄疸、貧血ならびに種々の奇形が含まれる。感染した乳児は発達するに伴い、骨、歯、眼、耳および脳の障害を含む晩期梅毒の症状を呈することがある。
【0006】
第1期梅毒の最初の症状は、潰瘍、即ち下疳である。下疳は曝露から10日〜3カ月以内に出現し、通常は、陰茎、陰門、膣、頸部、直腸、舌、または口唇などの、感染した性パートナーの潰瘍に曝露された身体の部分に認められる。下疳は数週間のみ存続し、疼痛を伴わないこともあり、または身体の内部で生じることもあるため、気づかれないことがある。下疳は患者が治療されるか否かにかかわらず消失する。治療されていない個体では、第1期病変が現れた後、約9週間で第2期徴候が現れると考えられる。
【0007】
第2期梅毒ではしばしば、1ペニー銅貨程度の大きさの褐色のびらんを特徴とする皮疹が認められる。これらのびらんには活動性の細菌が存在するため、性的であるか否かにかかわらず、感染個体の皮膚損傷部と何らかの物理的接触を生じることによってこの時期には感染が伝播する可能性がある。他の症状には、軽度の発熱、疲労、頭痛、咽頭炎、斑状脱毛、およびリンパ節腫大が含まれる。これらの症状は極めて軽度のことがあり、第1期梅毒の下疳と同じように治療されるか否かにかかわらず消失すると考えられる。治療されなければ、その後、感染した個体は潜伏期間に入る。
【0008】
潜伏性梅毒は、臨床徴候および脳脊髄液(CSF)における異常所見がみられず、血清試験では陽性の結果が得られることが特徴である。感染から1年以内に起こる初期の潜伏性梅毒は伝染する可能性があり、再発することもあるが、後期の潜伏性梅毒では再発に対する免疫性および再感染に対する耐性がみられる。
【0009】
梅毒感染の早期には、細菌は神経系を侵す可能性がある。梅毒の治療を受けていない場合には、神経梅毒を発症する可能性がある。神経梅毒の発症には最長20年間かかることがあり、神経梅毒を有する個体の一部は全く症状を起こさず、このことが診断を難しいものにしている。症状を呈する患者は、頭痛、頸部硬直、または発熱を来すことがあるが、これらは脳の被膜の炎症に起因する。神経梅毒の患者では、発作、および知覚麻痺、脱力または視覚障害などの脳卒中の症状が起こることもある。
【0010】
梅毒トレポネーマに感染し、治療を受けていない個体の約3分の2では、疾患による結果がさらに生じることはないが、治療を受けていない潜伏性梅毒を有する個体の約3分の1は晩期または第3期の梅毒を発症する。第3期の梅毒では、細菌は心臓、眼、脳、神経系、骨、関節、または身体の他のほとんどすべての部分に障害をもたらす。第3期は最後の数年間、または数十年にわたる可能性がある。晩期梅毒は心血管障害、精神病、失明、さらには死も引き起こすおそれがある。
【0011】
梅毒感染は時に重篤で生命にかかわる影響があり、HIVの伝染または罹患のリスクもあるため、感染の特異的かつ早期の診断が不可欠である。しかし、梅毒は初期症状が多くの他の疾患のものと類似しているため、時に「卓越した模倣者(the great imitator)」と呼ばれる。このため、医師は通常、単に梅毒の徴候および症状が認められるかどうかには頼らず、梅毒病原体の顕微鏡的同定を含む臨床試験、および生物試料中の梅毒感染の症状発現に対する分析試験の結果に頼る。
【0012】
細菌の顕微鏡的同定による梅毒の診断は、一般的には以下のように行われる。擦過標本を潰瘍または下疳の表面から採取し、微生物を検出するために特別な「暗視野」顕微鏡下で観察する。暗視野顕微鏡にはかなりの技能が要求される他、解釈の誤りも起こりやすい。
【0013】
これらの理由から、梅毒の大部分の症例は、非トレポネーマアッセイ法を用いて血清学的に診断されている。非トレポネーマアッセイ法では、梅毒トレポネーマ感染の存在によって産生される抗体などの物質を検出する。梅毒の証拠を発見するために用いられることが最も多い非トレポネーマアッセイ法は、VDRL(性病研究所(Venereal Disease Research Laboratory))試験およびRPR(急速血漿レアギン(rapid plasma reagin))試験である。VDRL試験では、梅毒トレポネーマによる感染時に産生される抗脂質抗体を検出するために、天然に生じる脂質を用いる。これらの抗体は梅毒トレポネーマに感染した個体の免疫系によって梅毒トレポネーマ菌体のカルジオリピンに対して産生され、個体の血清または脳脊髄液中に認められる。
【0014】
現在用いうる非トレポネーマ試験の欠点の一つは、特異性に乏しいことである。現在用いうる梅毒に関する試験では、マイコプラズマ感染症、肺炎、マラリア、急性細菌およびウイルス感染症、ならびに自己免疫疾患を含む多くの疾患で偽陽性の結果が生じる可能性がある。例えば、静注薬剤の使用または自己免疫疾患によって組織損傷が生じ、それがカルジオリピンの放出および抗カルジオリピン抗体の産生を引き起こす。このため、非トレポネーマ試験におけるこれらの抗カルジオリピン抗体の検出は偽陽性を生じる可能性がある。神経梅毒の検出のために適切な診断を行うことには特に問題が伴う。
【0015】
これらの既存の試験を用いた場合には偽陽性および偽陰性の結果が伴うため、通常は顕微鏡またはトレポネーマに基づく血清試験などの代替的な分析法を用いた確認が必要になる。トレポネーマに基づく標準的な試験には、蛍光トレポネーマ抗体吸収試験(FTA-ABS)およびFTA-ABS二重染色試験(FTA-ABS DS)が含まれる。トレポネーマに基づく試験を陽性の試験結果の確認のために用いてもよいが、これらの試験はしばしば費用がかかり、複雑で時間がかかるほか、高性能の計測機器および熟練した検査者が必要と思われる。加えて、治癒後も抗梅毒トレポネーマ抗体は持続して存在し、感染が駆除された後も治療が奏功した患者の約85%では試験結果が陽性であり続けるため、トレポネーマアッセイ法を抗生物質療法の成功をモニタリングするための試験として用いることはできない。
【0016】
このため、早期梅毒または神経梅毒の診断を目的とする、試料における梅毒トレポネーマ感染の高感度かつ特異的な検出のための単一のアッセイ法が必要である。また、梅毒に対する治療の成功をモニタリングするために用いることができる簡単で廉価なアッセイ法も必要とされている。
【0017】
発明の概要
梅毒トレポネーマ感染症を発見し、それによって梅毒を診断するための抗原組成物および方法を提供する。抗原組成物は、合成カルジオリピンおよび合成レシチンの配合物(combination)または混合物を含む。好ましい抗原組成物はコレステロールも含む。好ましい抗原組成物はさらにアルコールを含む。アルコールは抗原組成物中の脂質を可溶性にして懸濁液を形成させる。この抗原組成物は、生物試料、特に血清または脳脊髄液などの体液における梅毒トレポネーマ感染に伴う抗体の検出を目的とするアッセイ法における試薬として有用である。好ましくは、抗原組成物は、梅毒トレポネーマ感染に伴う抗体の検出または測定のためのイムノアッセイ用試薬である。
【0018】
さらに好ましい抗原組成物は、精製された合成カルジオリピン、合成レシチン、天然または非合成性のコレステロールおよびアルコールを含む。組成物中の合成カルジオリピンおよびレシチンの至適純度は99%またはそれ以上である。コレステロールの至適純度は98%もしくはそれ以上である、または無灰である。最も好ましくは、抗原組成物はテトラミリストイルカルジオリピン、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、コレステロールおよび無水(100%)エタノールを含む。組成物中の合成カルジオリピンの好ましい容積濃度は約0.02〜0.04%の範囲であり、より好ましくは0.03%である。組成物中の合成レシチンの好ましい容積濃度は約0.11〜0.16%の範囲であり、より好ましくは0.14%である。組成物中のコレステロールの好ましい容積濃度は約0.9%であり、組成物の残りはアルコールである。
【0019】
本明細書で提供する抗原組成物は、梅毒を研究するためのインビトロ研究ツールとしても一般に有用である。より詳細には、本組成物は、梅毒の発生または再発の診断または予後判定の手段となる、梅毒トレポネーマ感染の存在を検出するためのアッセイ法または診断キットにおいて有用である。
【0020】
本明細書で提供する好ましい方法は、血清または脳脊髄液などの生物試料におけるカルジオリピン抗体の検出のためのイムノアッセイ法である。本方法によれば、試料中の抗脂質抗体と合成カルジオリピン-レシチンマトリックスとの結合が促されて抗体-抗原複合体が形成される条件下で、十分な時間にわたり、本明細書に記載の抗原組成物を生物試料と混合する。続いてこの複合体を、フロキュレーション試験またはマイクロフロキュレーション試験などの当業者に周知の方法を用いて検出する。
【0021】
したがって、梅毒トレポネーマ感染症の保有者を発見し、それによって梅毒トレポネーマの1人の宿主から別の宿主への伝播を防止することは、本発明の1つの目的である。
【0022】
早期もしくは潜伏性の梅毒または神経梅毒の診断のための感度の高い方法を提供することは、本発明のもう1つの目的である。
【0023】
梅毒トレポネーマの正確な検出のための迅速で簡便で、且つ廉価なアッセイ法を提供することは、本発明のさらにもう1つの目的である。
【0024】
梅毒トレポネーマの再現性のある測定または検出のための、安価に製造される抗原組成物を提供することは、本発明の1つのさらなる目的である。
【0025】
VDRL抗原の標準化および安定性において利点のある、梅毒トレポネーマの検出のための試験を提供することは、本発明のもう1つの目的である。
【0026】
本発明の上記およびその他の目的、特徴および利点は、以下に開示する態様および添付する特許請求の範囲の詳細な説明を吟味することによって明らかになると考えられる。
【0027】
発明の詳細な説明
本明細書では、梅毒トレポネーマの検出のための抗原組成物および方法を述べる。本抗原組成物は、合成カルジオリピンおよび合成レシチンの混合物または配合物を含む。カルジオリピンは、抗原性を有する1,3-ビス(ホスファチジル)グリセロールである。レシチンはリン脂質である。本抗原組成物は好ましくは非合成性(天然)コレステロールも含む。アルコールも好ましい抗原組成物の成分である。アルコールは脂質を可溶性にし、それによって懸濁液を生成させる。合成カルジオリピンおよびレシチンの至適純度は99%またはそれ以上である。コレステロールの至適純度は98%もしくはそれ以上である、または無灰である。本抗原組成物は、生物試料中の梅毒トレポネーマ感染に伴う抗体の検出を目的とするアッセイ法における試薬として有用である。好ましくは、本抗原組成物は、梅毒の発生または再発の診断または予後判定の手段となる、梅毒トレポネーマ感染に感染した患者において産生される抗体の検出または測定のためのイムノアッセイ試薬である。
【0028】
本明細書に記載の方法は、生物試料、特に血清または脳脊髄液などの体液試料における、梅毒トレポネーマによる患者の感染に伴う抗体の検出または定量化のためのアッセイ法である。本方法により、梅毒トレポネーマ感染症の発見またはモニタリングを目的として、梅毒トレポネーマ感染症に伴う循環血中の抗体の検出が可能になる。本明細書で提供する1つの好ましい方法はイムノアッセイ法である。この好ましい方法によれば、試料中の抗脂質抗体と抗原組成物中のカルジオリピンとの結合が促されて抗体-抗原複合体が形成される条件下で、十分な時間にわたり、抗原組成物を生物試料と混合する。続いてこれらの複合体を、顕微鏡下で判読を行うVDRLフロキュレーション試験またはマイクロフロキュレーション試験などの当業者に周知の方法を用いて検出する。
【0029】
定義
本明細書で用いる「1つの(a)」「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、その文脈で不適切でない限り、「1つまたは複数の」を意味し、複数形も含むものと定義される。
【0030】
本明細書で用いる「抗体」という用語には、モノクローナル抗体、ポリクローン性、キメラ性、一本鎖、二重特異性、サル化およびヒト化抗体、ならびにFab免疫グロブリン発現ライブラリーの産物を含むFab断片が含まれる。
【0031】
抗体に関して言及する場合、「特異的に結合する」または「特異的な免疫反応性がある」という語句は、ペプチド、蛋白質、脂質および他の生体分子の不均一な集団の存在下で関心対象の抗原の存在に関して決定的な結合反応のことを指す。このため、指定のイムノアッセイ条件下で、特定された1つまたは複数の抗原は特定の抗体と選好的に結合し、試料中に存在する他の抗体とは有意な量では結合しない。このような条件下での特異的結合には、特定の抗体に対する特異性の点から選択された抗原が必要である。特定の抗体に対する特異的な免疫反応性のある抗原を選択するためにはさまざまなイムノアッセイ形式を用いうる。例えば、抗体に対する特異的な免疫反応性のある抗原を選択するために、固相ELISAイムノアッセイ法がルーチン的に用いられている。特異的免疫反応性の決定に用いうるイムノアッセイ形式および条件に関する説明については、ハーロウ(Harlow)およびレーン(Lane)(1988)、「抗体、実験マニュアル(Antibody、Laboratory Manual)」、Cold Spring Harbor Publications、New Yorkを参照されたい。
【0032】
「抗原」という用語は、哺乳動物における免疫応答を誘導可能な実体またはその断片のことを指す。この用語には、抗原性または抗原決定基の原因となる免疫原および領域が含まれる。本明細書で用いる「抗原組成物」という用語は、合成カルジオリピンおよび合成レシチンを含む組成物のことを指す。本明細書で用いる「抗原決定基」という用語は、抗体によって認識される抗体の領域のことを指す。
【0033】
本明細書で用いる「検出すること」または「検出」という用語は、検討中の生体分子の存在を定性的または定量的に決定することを指す。
【0034】
「単離された」とは、天然にみられる状態で付随する成分の少なくともいくつかを含まない生体分子のことを意味する。
【0035】
抗原組成物
本明細書で提供する組成物は、1つまたは複数の合成カルジオリピンおよびレシチンの配合物、懸濁液または物理的混合物を含む。好ましい組成物は、合成カルジオリピン、合成レシチン、および合成性または非合成性(天然)のコレステロールを含む。より好ましい組成物は、合成カルジオリピン、合成レシチン、天然コレステロール、およびアルコールを含む。
【0036】
組成物中の合成カルジオリピンの好ましい濃度は、容積比で約0.02〜0.04%の範囲であり、より好ましくは容積比で0.03%である。組成物中の合成レシチンの好ましい濃度は容積比で約0.11〜0.16%の範囲であり、より好ましくは容積比で14%である。組成物中の天然コレステロールの好ましい濃度は容積比で約0.9%であり、組成物の残りはアルコール、好ましくはエタノール、最も好ましくは無水(100%)エタノールである。
【0037】
合成カルジオリピンは、植物性供給源から生じる半合成脂質前駆体から合成しうる。1つの最も好ましい態様において、カルジオリピンは、アヴァンティポラーリピド(Avanti Polar Lipid)社(Alabaster、AL)などの供給元が販売しているテトラミリストイルカルジオリピンである。
【0038】
合成レシチンはダイズまたは卵に由来するものでよい。1つの好ましい態様において、レシチンは、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンまたは3-sn-ホスファチジルコリン(snは立体特異的番号付けを意味する)とも記載される16:0、18:1レシチンであり、これもアヴァンティポラーリピド(Avanti Polar Lipid)社(Alabaster、AL)などの供給元から販売されている。
【0039】
1つの最も好ましい態様において、組成物は、約0.03%テトラミリストイルカルジオリピン、0.11〜0.16%1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンおよび0.9%天然コレステロールを無水エタノール中に含む懸濁液である。コレステロールは、アヴァンティポラーリピド(Avanti Polar Lipid)社(Alabaster、AL)などの供給元から販売されている。アルコールはシグマケミカル社(Sigma Chemical Company)(St. Louis、MO)などの化学薬品供給元から購入可能である。
【0040】
アルコールと混合すると、カルジオリピン、レシチンおよびコレステロールは脂質マトリックスまたはミセルを形成する。以下にさらに詳細に述べる通り、本明細書で抗カルジオリピン抗体と称するヒト梅毒トレポネーマ感染の存在に伴う抗体は、これらの脂質ミセルと結合して抗体-抗原複合体を形成する。このため、これらの抗体-抗原複合体の検出または測定を、梅毒トレポネーマ感染症の診断のために用いることができる。以下の理論に拘束されることを望むものではないが、抗カルジオリピンマトリックス抗体は、天然のカルジオリピンおよびレシチンに対する場合よりも高い特異性および高い結合活性で、本明細書に記載の合成抗原組成物と結合すると考えられている。それにより、合成抗原組成物は、梅毒感染に伴う抗体を検出するための、より効率的で、より感度が高く、より特異的な手段を提供する。
【0041】
抗体-抗原複合体の形成の直接的な測定または検出を容易にするために抗原組成物の1つまたは複数の成分を検出可能な標識で標識しうることを当業者は理解すると考えられる。さまざまな種類の標識、および標識を抗原組成物に結合させる方法は、当業者に周知である。
【0042】
また、抗カルジオリピン抗体の産生、単離、および精製のための実験研究ツールとして抗原組成物を用いることもでき、抗体を梅毒の一般的な研究のために用いることもできる。このため、本抗原組成物は、インビボおよびインビトロ診断および実験研究などの目的に有用である。
【0043】
VDRL 抗原の調製
VDRL抗原は、例えば、0.02〜0.04%の範囲、より好ましくは0.03%の容積濃度でテトラミリストイルカルジオリピンのエタノール溶液を調製することによって調製することができる。容積濃度が約0.11〜0.16%の範囲、より好ましくは0.14%である合成レシチンのエタノール溶液、および0.9%の天然コレステロールのエタノール溶液を、カルジオリピン溶液に添加する。成分は以下の順序で添加する:カルジオリピン、レシチン、コレステロール、最後にエタノールで容積を合わせる。抗原を溶解し、試験前に室温で一晩保存する。
【0044】
抗カルジオリピン抗体の検出
本明細書で提供する方法には、上記の抗原組成物と結合しうる抗体を検出および定量化する診断法および予後判定法が含まれる。これらの方法により、梅毒トレポネーマ感染症の存在を示し、それによって感染を診断するまたは梅毒トレポネーマ感染症の治療における抗生物質の推移をモニタリングするための、カルジオリピン-レシチンマトリックスに対する循環血中の抗体の検出が可能になる。
【0045】
本明細書で免疫複合体とも称する抗体-抗原複合体の検出または測定のための技法は、当技術分野で数多く知られている。古典的な方法には、抗体を含む試料をその抗体に対して特異的な既知の過剰量の抗原と反応させる段階、遊離抗原から結合型抗原を分離する段階、および結合型抗原または遊離抗原の量を決定する段階が含まれる。遊離抗原が測定されれば、既知の開始量から遊離抗原の量を差し引くことによって結合型抗原の量を算出することができる。本明細書に記載の抗体-抗原複合体の量を決定する一助として、抗原はしばしばレポーター基または検出可能な標識で直接的または間接的に標識される。レポーター基または「標識」は一般に蛍光性もしくは放射性の基、または酵素である。続いて、分光測定法、シンチレーション計数法、またはフローサイトメトリーなどの当業者に周知の方法を用いて標識を検出する。
【0046】
または、抗原を固相ビーズまたは粒子と結合させて、それを濾過、遠心、または金属性もしくは磁化粒子の磁気的採取などのその他のやり方で混合物から取り出す。抗原をラテックスビーズなどの固相ビーズと結合させることにより、より感度が高く迅速な新たなスライド凝集試験が得られる。
【0047】
1つの好ましい態様では、カルジオリピン分子を介して抗原をビーズと結合させる。抗原をビーズに結合させる1つの方法は、カルジオリピン分子をビーズとの共有結合が可能になるように修飾することである。例えば、カルジオリピンの脂肪酸鎖の末端メチル基にアミン基を結合させることができる。このような方法で修飾したカルジオリピンは、カルボキシル化またはアミン化を施したラテックスビーズと結合させうる。
【0048】
試料中の抗カルジオリピン抗体の検出のための好ましいイムノアッセイ法は以下の通りに行う。当業者に周知の方法を用いて試料を回収または入手する。検出しようとする抗カルジオリピン抗体を含む試料は生物供給源から入手する。試料は全血、血清、血漿、唾液、脳脊髄液などを非制限的に含む生体液から入手することが好ましい。試料が血清または髄液である場合に最良の診断結果が得られる。イムノアッセイ法の結果を最良のものとするために、イムノアッセイ法の前に試料に濾過または別の操作を行ってもよい。
【0049】
続いて試料を本明細書に記載の抗原組成物とともにインキュベートし、抗体-抗原免疫複合体を形成させる。続いて当業者に周知の方法を用いて抗体-抗原複合体を検出する。本明細書で用いる「検出すること」または「検出された」という用語は、免疫化学的方法または組織学的方法などの生体分子の検出のための既知の技法を用いることを意味する。このような方法には、固相酵素免疫アッセイ法(ELISA)、サンドイッチアッセイ法、フローサイトメトリーアッセイ法、放射免疫アッセイ法、または当業者に知られた抗体を用いる他の種類のアッセイ法などの、脂質に対するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を用いる免疫学的手法が含まれる。
【0050】
本方法の1つの好ましい態様において、試料中の抗カルジオリピン抗体は、本明細書に記載の合成抗原組成物をフロキュレーションアッセイ法に用いることによって検出される。既知のフロキュレーションアッセイ法の例には、非加熱血清レアギン試験(USR)、急速血漿レアギン10mm円形カード試験(RPR)、トルイジンレッド非加熱血清試験(TRUST)およびVDRLスライドアッセイ法が含まれる。これらのアッセイ法はすべてフロキュレーション試験である。担体分子をさらに用いる凝集試験に、本明細書に記載の抗原組成物を用いても抗カルジオリピン抗体を検出しうることを当業者は理解すると考えられる。本方法の1つのより好ましい態様では、以下に簡潔に述べ、参照として本明細書に組み入れられる「梅毒試験マニュアル(Manual of Tests for Syphilis)」、第9版、ラーセン(Larsen, S.A.)、ポープ(Pope, V.)、ジョンソン(Johnson, R.E.)およびケネディ(Kennedy, E.J. Jr.)(編)、米国公衆衛生学会(American Public Health Association)、Washington、D.C.中の「性病研究所(VDRL)スライド試験(Venereal Disease Research Laboratory(VDRL)Slide Test)」、ケネディ(Kennedy, E.J. Jr.)およびクライトン(Creighton, E.T.)、157〜78(1998)により詳細に記載されているVDRLスライドアッセイ法に合成抗原組成物を用いる。
【0051】
VDRLスライドアッセイ法は以下の通りに行う。ホルムアルデヒド、NaHPO、KHPO、NaClおよび蒸留水を含むVDRL緩衝食塩液を容器に入れる。容器を回転させながら食塩液に抗原組成物を一定速度でゆっくりと添加した後に、内容物を混合して懸濁液を形成させるために激しく攪拌する。血清などの試料をパラフィンまたはセラミックリングの付いたスライドのリング内に入れ、抗原組成物懸濁液を1滴添加する。試料と抗原組成物を混合するためにスライドを回転させた後、顕微鏡下で判読する。凝集塊、集塊または粗さの存在によって抗体-抗原の形成が示される。試料中の抗体の定量的測定のために抗原懸濁液の段階的希釈物を用いることができる。定量的決定は、標準的濃度の抗体を用いてアッセイ法を行い、試料の結果を標準物によって得られた結果と比較することによって行うことができる。
【0052】
誘導体が抗原活性を保持するか、または同等な抗原活性を呈し、抗カルジオリピン抗体に対する特異性を有するという条件付きで、アッセイ法には上記の合成抗原組成物および本明細書に記載の抗原組成物の合成誘導体の使用が含まれるものと考えられることが理解される必要がある。
【0053】
梅毒トレポネーマの存在を検出するためのキット
抗カルジオリピン抗体の存在または量を検出することによって梅毒感染を診断する、または別のやり方で評価するためのキットも提供する。本キットは当業者に周知の任意の構成をとることができ、生物試料中の抗カルジオリピン-レシチンマトリックスの検出のため、または患者もしくは保菌者における梅毒トレポネーマ感染の検出もしくはモニタリングのために、本明細書に記載の1つまたは複数の方法を行うのに有用である。本キットは、生物試料中の梅毒抗体の検出を目的とするアッセイ法を行うために不可欠な試薬のすべてではないにせよ多くを供給するという点で好都合である。試薬はあらかじめ計量してアッセイ法を行う容器中または固相上に安定的な形態で含めることができ、それにより、アッセイ法を実施する者が行う操作の数を最小限に抑えることができる。加えて、試験結果の確証または計測が可能となるように、既定量の抗体などの標準物をキットに含めて本アッセイ法を同時に行ってもよい。
【0054】
本キットは好ましくは、梅毒トレポネーマ感染に伴うカルジオリピン抗体の検出のために用いることができる本明細書に記載の抗原組成物を含む。また、本キットは好ましくはコレステロールも含み、抗体-抗原複合体の検出に役立つ適切な試薬もさらに含むことができる。本キットはさらに、試料を安全に入手するための装置、試薬を含めるための容器、試料または試薬を希釈するための緩衝液、ならびにVDRL、RPRおよびTRUSTアッセイ法に用いる10mmスライドまたは18mm円形カードなどの円形カードを含みうる。
【0055】
本アッセイキットは、以下の手法に用いるための試薬を非制限的に含む;USR、RPRおよびTRUSTフロキュレーション試験;凝集アッセイ法;およびサンドイッチ、またはELISAアッセイ法。これらの手法とともに用いられる材料には、生体液の迅速モニタリングのためのマイクロタイタープレート、抗体をコーティングした細片、または試験紙が非制限的に含まれる。それぞれのキットに関して、アッセイ法の範囲、感度、精度、信頼性、特異性および再現性を確認する。標準化は参照用対照血清を用い、血清の終点までの力価評価を行うことによって行うことができ、または一連の血清を用いてもよい。
【0056】
1つのより好ましい態様では、本アッセイキットではVDRLスライド法を用い、指示内容および上記の抗原組成物を提供する。本キットは梅毒トレポネーマ感染の測定のため、より詳細には、梅毒の症状を呈しているヒトまたは梅毒感染のリスクがあるヒトの生体液中のカルジオリピンに対する抗体の測定のために有用である。
【0057】
以下の実施例によって本発明をさらに説明するが、これはいかなる意味でもその範囲を制限するものとみなされるべきではない。その反対に、本明細書の説明を読むことにより、当業者には本発明の精神および/または添付する特許請求の範囲を逸脱することなく、このような手段に対してさまざまな他の態様、改変および同等物を想定しうることが明らかに理解されるべきである。
【0058】
実施例 1
合成カルジオリピンおよびレシチン組成物の調製
シリカゲルクロマトグラフィーによって約99%の純度に精製されたテトラミリストイルカルジオリピンを粉末の形でアヴァンティポラーリピド(Avanti Polar Lipid)社(Alabaster、AL)から入手した。ナトリウム塩の最終濃度を薄層クロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィーによって純度に関して検討した。試料は-20℃で保存した。このテトラミリストイルカルジオリピンは当初、植物性供給源から生じた半合成脂質前駆体から合成されたものである。
【0059】
同じく、シリカゲルクロマトグラフィーによって約99%の純度に精製されたレシチン(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-ホスホコリン)粉末もアヴァンティポラーリピド(Avanti Polar Lipid)社(Alabaster、AL)から入手した。このレシチンは当初、ダイズから単離されたものである。
【0060】
無水エタノール中にあるコレステロール(アヴァンティポラーリピド社)の1.2%溶液を調製し、アルコールですすぎ洗いをした濾紙#560で濾過した。このコレステロールは元々は羊毛脂に由来し、再結晶化によって精製されたものであり、結晶は-20℃で保存されていた。
【0061】
合成カルジオリピンを合成レシチン、コレステロール溶液およびエタノールとこの順序で混合することによって抗原組成物を調製した。合成カルジオリピンの最終濃度は容積比で0.02〜0.03%とした。合成レシチンの最終濃度は容積比で0.11〜0.16%とした。コレステロールの最終濃度は容積比で0.9%とし、抗原組成物の残りはエタノールとした。
【0062】
実施例 2
合成VDRLスライドアッセイ法と従来のVDRLスライドアッセイ法との比較分析
実施例1に記載した合成カルジオリピンおよびレシチン組成物を用いるVDRLスライドアッセイ法の感度を、「梅毒試験マニュアル(Manual of tests for Syphilis)」、第9版、159〜77、ラーセン(Larsen, S.A.)、ポープ(Pope, V.)、ジョンソン(Johnson, R.E.)およびケネディ(Kennedy, E.J. Jr.)(編)、米国公衆衛生学会(American Public Health Association)、Washington、D.C.に記載されている従来のVDRLスライドアッセイ法の感度と比較した。簡潔に述べると、0.4ml VDRL緩衝食塩液(ホルムアルデヒド、NaHPO、KHPO、NaClおよび蒸留水)を、内側下端部が平坦になった丸底30ml共栓瓶または25mlエルレンマイヤー共栓フラスコの底面に加えた。続いて、容器を連続的に回転させながら、抗原組成物懸濁液0.5mlを6秒/抗原懸濁液0.5mlの速度で食塩液に直接添加した。4.1mlの緩衝食塩液を添加し終えるまで10秒間、回転を続けた。容器にしっかりと蓋をして、10秒間にほぼ30回上下に振盪した。抗原懸濁液は8時間以内に使用した。
【0063】
定性試験は、安全ピペット装置を用いて、パラフィンまたはセラミックリングの付いたスライドのリング内に血清50μlを入れることによって行った。抗原懸濁液を静かに再懸濁させ、自由落下による液滴1滴(17μl)を添加した。スライドを機械的回転器に載せて180±2rpmで4時間処理した。スライドを直ちに取り出し、10倍接眼レンズおよび10倍対物レンズを用いて顕微鏡下で判読した。結果は以下の通りに報告した:反応性あり―中程度または大きな集塊、弱いまたは極めてわずかな反応性あり―小さな集塊、非反応性―集塊なしまたは極めて軽度の粗さ(roughness)。定量試験は血清の段階的2倍希釈物を用いて同様に行った。
【0064】
以下の表1に示した結果から、合成抗原組成物を用いる試験が、天然のカルジオリピンおよびレシチンを用いて行う標準的なVDRL抗原を用いる試験よりも感度が高いことが示された。
【0065】
【表1】
天然VDRLアッセイ法と合成VDRLアッセイ法の感度の比較
Figure 0004531314
【0066】
実施例1に記載した合成カルジオリピンおよびレシチン抗原組成物を用いるVDRLスライドアッセイ法ならびに従来のVDRLスライドアッセイ法の感度を、従来のRPRスライドアッセイ法に対しても比較した。以下の表2および表3に示す通り、合成VDRL抗原組成物を用いるアッセイ法の方が、非合成性VDRL抗原を用いるアッセイ法よりも、RPR試験の結果が陽性であった試料に対する反応性が高かった。
【0067】
【表2】
RPRと合成VDRLとの比較
Figure 0004531314
【0068】
【表3】
RPRと天然VDRLとの比較
Figure 0004531314
【0069】
実施例 3
合成VDRL抗原と天然VDRL抗原との比較分析(定性試験)
非トレポネーマ(RPR)試験で反応性がみられた100個の凍結保存血清からの試料を、CDC合成VDRL抗原および参照VDRL抗原(天然VDRL抗原)の比較のために用いた。血清試料には56℃で30分間の加熱不活性化を行った。各血清試料50μlを対応するパラフィンまたはセラミックリング付きスライドに入れた。各抗原を1滴(17μL)、対応するスライドのリング内に加えた。スライドを機械的回転器に装填して180rpmで4分間回転させた後、顕微鏡下で判読した。2種類の抗原のフロキュレーションの程度を観察して記録した。
【0070】
表4に報告した通り(非確定例)、RPRによって反応性がみられた血清はすべて(100%)CDC合成VDRL抗原と反応したが、天然VDRL抗原との反応性がみられたのは88%に過ぎなかった。
【0071】
さらに、合成VDRL抗原および天然VDRL抗原を、確定診断がなされた梅毒症例から得た100個の試料を用いる同じ試験で比較した。この試験の結果も表4に示している(確診例)。これらの試験の結果はすべてSERODIA梅毒トレポネーマ粒子凝集試験(TP-PA)(Fujirebio America, Inc.、Fairfield、NJ)によって確認した。
【0072】
【表4】
Figure 0004531314
【0073】
実施例 4
合成VDRL抗原と天然VDRL抗原との比較分析(定量試験)
非トレポネーマ(RPR)試験で反応性がみられた100個の凍結保存血清からの試料を、CDC合成VDRL抗原および参照VDRL抗原(天然VDRL抗原)の比較のために用いた。血清試料を試験管内にて0.9%食塩液で2倍に希釈した。それぞれの試験管希釈物50μlを対応するセラミックまたはパラフィンリング付きスライドに入れた。各抗原を1滴(17μL)、対応するスライドのリング内に加えた。スライドを機械的回転器に装填して180rpmで4分間回転させた。各血清希釈物の終点力価を顕微鏡下で判読した。2倍希釈度の1段階の差は、一方の抗原からの(R)または他の抗原に関する(N)の終点として定義した。
【0074】
表5に認められる通り(非確定例)、この試験ではRPR試験で反応性であった凍結保存血清の85%で、CDC合成VDRL抗原の方が天然VDRL抗原よりも終点力価が希釈度で2分の1段階または1段階高かった。症例の15%では、CDC合成VDRL抗原で得られた終点力価が天然VDRL抗原で得られたものと等しかった。試験を行った試料のうち、天然抗原の方がCDC合成抗原よりも終点力価が高いものはなかった。
【0075】
確定診断がなされた梅毒症例からの100個の試料を用いてこの試験を再度行った。表5に認められる通り(確診例)、梅毒確診例からの血清の84%では、CDC合成VDRL抗原の方が天然VDRL抗原よりも終点力価が希釈度で2分の1段階または1段階高かった。症例の7%ではCDC合成VDRL抗原で得られた終点力価が天然VDRL抗原で得られたものと等しく、症例の3%では天然抗原の方がCDC合成抗原よりも終点力価が希釈度で2分の1段階または1段階高かった。これらの試験の結果はTP-PA試験によって確認した。
【0076】
【表5】
Figure 0004531314
【0077】
実施例 5
梅毒以外の疾患を有する患者における合成VDRL抗原と天然VDRL抗原との比較分析(定性試験)
梅毒以外の疾患を有する患者100例からの試料を、実施例3の手順を用いて定性的に試験した。これらの試験はTP-PA試験およびFTA-ABS試験によって確認した。これらの試験の結果は表3に報告されており、すべての試料がCDC合成VDRL抗原および天然VDRL抗原のいずれとも非反応性であることが示されている。試料のうち4個はTP-PA試験では反応性であったが、FTA-ABS試験では反応性がみられなかった。
【0078】
【表6】
Figure 0004531314
R=反応性;N=非反応性
【0079】
実施例 6
生物学的偽陽性試料における合成VDRL抗原と天然VDRL抗原との比較分析(定性試験)
生物学的偽陽性(BFP)として当初に分類された50例から試料を入手した。これらの個体は非トレポネーマ試験では反応性がみられ、トレポネーマ試験では非反応性であった。これらの試料を実施例3の手順を用いて試験した。この試験の結果を表7に示す。BFPと当初誤って分類された試料のうち4つはCDC合成VDRL抗原、TP-PAおよびFTA-ABS試験において反応性があることが明らかになった。これらの4つの試料のうち3つは天然VDRL抗原とも反応性であった。
【0080】
【表7】
Figure 0004531314
R=反応性;N=非反応性
【0081】
実施例 7
未知の試料における合成VDRL抗原と天然VDRL抗原との比較分析(定性試験)
患者の診断内容が明らかでない495個の試料を、上記の実施例における手順を用い、CDC合成VDRL抗原および天然VDRL抗原によって試験した。反応性のある標本はTP-PA試験、梅毒IgG抗体に関するELISA試験またはFTA-ABS試験を用いて確認した。試料のうち38個はトレポネーマ試験の1つで反応性がみられ、457個は非反応性であった。表8に認められる通り、トレポネーマ反応性であった試料はすべてCDC合成VDRL抗原との反応性がみられ、36個は天然VDRL抗原とも反応性であった。トレポネーマ非反応性であった457個の血清試料のうち452個はCDC合成VDRL抗原と非反応性であり、450個は天然VDRL抗原と非反応性であった。
【0082】
【表8】
Figure 0004531314
R=反応性;N=非反応性

Claims (21)

  1. テトラミリストイルカルジオリピンおよび1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを含む抗原組成物。
  2. コレステロールをさらに含む、請求項1記載の抗原組成物。
  3. コレステロールの濃度が約0.9%である、請求項2記載の組成物。
  4. アルコールをさらに含む、請求項2記載の組成物。
  5. カルジオリピンの濃度が約0.02〜0.04%の範囲にある、請求項1記載の組成物。
  6. カルジオリピンの濃度が約0.03%である、請求項5記載の組成物。
  7. 1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンの濃度が約0.11〜0.16%の範囲にある、請求項1記載の組成物。
  8. 1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンの濃度が約0.14%である、請求項7記載の組成物。
  9. アルコールがエタノールである、請求項4記載の組成物。
  10. ヒトからの生物試料をテトラミリストイルカルジオリピンおよび1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを含む組成物と混合する段階、ならびに生物試料中の抗脂質抗体と組成物との間に形成された免疫複合体を検出する段階を含む、ヒトにおける抗脂質抗体の存在を検出するための方法。
  11. 組成物がコレステロールおよびアルコールをさらに含む、請求項10記載の方法。
  12. 組成物中のコレステロールの濃度が約0.9%である、請求項11記載の方法。
  13. アルコールがエタノールである、請求項10記載の方法。
  14. 組成物中のテトラミリストイルカルジオリピンの濃度が約0.01〜0.05%の範囲にある、請求項10記載の方法。
  15. 組成物中の1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンの濃度が約0.11〜0.16%の範囲にある、請求項10記載の方法。
  16. 免疫複合体の検出がヒトにおける梅毒の試験に使用される、請求項10記載の方法。
  17. 免疫複合体がフロキュレーションまたは凝集試験を用いて検出される、請求項10記載の方法。
  18. 約0.02〜0.04%の範囲のテトラミリストイルカルジオリピン、約0.11〜0.16%の範囲の1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、約0.9%のコレステロール、および容積を合わせるためのエタノールを含む、請求項9記載の抗原組成物。
  19. 約0.03%のテトラミリストイルカルジオリピン、約0.11〜0.16%の範囲の1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、および約0.9%の天然コレステロールを、容積を合わせるための無水エタノール中に含む、請求項18記載の抗原組成物。
  20. 以下の段階を含む、ヒトにおける抗脂質抗体の存在を検出するための請求項10記載の方法:
    (a)ヒト由来の生物試料を約0.02〜0.04%の範囲のテトラミリストイルカルジオリピン、約0.11〜0.16%の範囲の1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、約0.9%のコレステロール、および容積を合わせるためのエタノールを含む組成物と混合する段階;ならびに
    (b)生物試料中の抗脂質抗体と組成物との間に形成された免疫複合体を検出する段階。
  21. 免疫複合体の検出がヒトにおける梅毒の試験に使用される、請求項20記載の方法。
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