JPH11511559A - セリアック病の診断法 - Google Patents

セリアック病の診断法

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JPH11511559A JP9511805A JP51180597A JPH11511559A JP H11511559 A JPH11511559 A JP H11511559A JP 9511805 A JP9511805 A JP 9511805A JP 51180597 A JP51180597 A JP 51180597A JP H11511559 A JPH11511559 A JP H11511559A
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ウィアー,ドナルド・ジョージ
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ザ・プロヴォスト,フェローズ・アンド・スカラーズ・オブ・ザ・カレッジ・オブ・ザ・ホーリー・アンド・アンディヴァイデッド・トリニティー・オブ・クイーン・エリザベス・ニアー・ダブリン
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Abstract

(57)【要約】 セリアック病および関連状態を有することが知られているまたは疑われる対象においてこのような状態を診断する方法であって、該状態に特有の抗体を含有する該対象からの体液と、該抗体に特異的なエピトープ部位を有する不死化細胞系からの細胞の懸濁液とを接触させた後、該細胞に対する抗体の結合の程度を測定することを含む上記方法。ヒト臍帯細胞は、該方法で用いるのに特に適していることが判明した。細胞系の使用は、抗体評価のための実質的な量の材料を、該細胞を培養し且つ将来の使用のためにそれらを貯蔵することによって極めて低費用で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 セリアック病の診断法技術分野 本発明は、セリアック病すなわちグルテン過敏性腸症および以下に定義の関連 状態を診断する方法に関する。発明の背景 セリアック病は、感受性対象において腸絨毛平板化および陰窩過形成をもたら す永久的グリアジン(コムギタンパク質)不耐症である。グリアジンに対する免 疫反応は、該疾患の病因においてある役割を果たしていると考えられるが、その 免疫学的機序は充分に解明されてない。 抗グリアジン抗体(AGA)、レチクリン抗体および筋内膜抗体(EmA)は 、セリアック病の患者からの血清試料中で見出される。しかしながら、AGAは 、セリアック病に特異的ではなく、高血清AGA力価は他の胃腸疾患に冒された 個体でも見られる。 EmAは、レチクリン抗体と密接に関連していて、グルテン過敏性でもある活 発なセリアック病の大部分の個体および疱疹状皮膚炎の個体の大多数で見出され る。 本明細書中の関連状態とは、体液中の抗グリアジン、レチクリンまたは筋内膜 抗体の1種類またはそれ以上の存在を特徴とする何等かの状態を意味する。これ らの状態をひとまとめにして、以下、セリアック病と称する。 セリアック病の診断は、小腸粘膜生検、更に具体的には、空腸生検の組織学的 評価に依る。しかしながら、血清学的評価は、特に、それが該状態についてのあ まり侵襲性でない検査であるので、ますます重要なスクリーニング法である。 IgA EmA抗体の測定は、現在、最も重要な単一血清検査であると考えら れている(フェレイラ(Ferreira),Mら(1992);Gut 33 1633-1637)。Ig A EmA測定の現行法は、サル食道の顕微鏡固定切片の使用を必要とする。 ヒト臍帯もまた、EmA抗体を測定するのに用いられる(が、長時間の処理を 必要とする(ラディンサー(Ladinser),B.ら(1994);Gut 35 776-778)。 レチクリン抗体の検出には、ラット腎、胃または肝組織が用いられる。 レチクリン抗体およびEmAは、密接に関連してしていることぐらいまでは調 べられている(フェレイラ,Mら上記)。しかしながら、どちらの抗原も、その 正確な性質は知られていない。 胎児肺線維芽細胞は、セリアック病の患者からの血清IgAに対して結合する 非膠原性タンパク質分子を分泌することが示された。その精製分子は、セリアッ ク病患者の血清試料からレチクリンおよび筋内膜に対する抗体を除去したが、グ リアジンに対する抗体は除去しなかった(マーティネン(Marttinen),A.お セリアック病の個体の血清学的スクリーニングのためのサルまたはヒト組織の 要求は、倫理的および道徳的問題をもたらす。更に、抗体の検出のための組織試 料の使用は、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)およびフローサイ トメトリなどの標準法の使用を妨げる。 本発明は、患者のセリアック病の状態を示す抗体に特異的な細胞懸濁液の使用 に基づくセリアック病の in vitro 診断法を提供することによってこれらの問題 を克服する。発明の開示 したがって、本発明は、セリアック病および関連状態を有することが知られて いるまたは疑われる対象においてこのような状態を診断する方法であって、該状 態に特有の抗体を含有する該対象からの体液と、該抗体に特異的なエピトープ部 位を有する不死化細胞系からの細胞の懸濁液とを接触させ、そして該細胞に対す る抗体の結合の程度を測定することを含む上記方法を提供する。 細胞懸濁液、特に、単細胞懸濁液が、既知の方法に典型的な組織切片よりも試 験しやすいということは理解されるであろう。細胞系の使用は、抗体定量のため の実質的な量の材料が、細胞を培養し且つ将来の使用のためにそれらを貯蔵する ことによって極めて低費用で製造されうることを意味する。 本明細書中の不死化細胞系とは、繰返し培養することができ且つ死滅しない細 胞系を意味する。 好ましくは、該細胞は性質において胚性のものである。 セリアック病特異的抗体の検出に関与する組織の共通の特徴は、上述の食道お よび胎児肺線維芽細胞の例で示されるように、粘膜表面に関連することである。 セリアック病の患者で見出される抗体を結合する組織に共通すると確認されう るもう一つの特徴は、それらが性質において胚性のものであるということである 。マーティネン,A.およびマキ,M.(上記)は、セリアック病の患者からの 血清が胎児線維芽細胞と反応することを示した。しかしながら、胎児線維芽細胞 は、限られた回数しか継代されないので、本明細書中で記載の種類の日常的診断 検定で用いるための試薬として必要な不死化細胞系の基準を満たしていない。 本発明によって用いるのに好ましい細胞の一つの種類は、ヒト臍帯細胞である 。 本発明によって用いるのに特に適した細胞は、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVE C)である。 本発明者の研究は、HUVECが、EmAと密接に相関する抗体と反応する抗 原を有するということを示した。 HUVECは、例えば、EVC 304細胞系92091712号などの商業的に入手可能 な細胞系からの細胞でありうる。 更に適当なヒト臍帯細胞は、ヒト臍動脈平滑筋細胞およびヒト臍静脈平滑筋細 胞である。前者の種類の細胞の例は、テクノクローン(Thechnoclone),オース トリアからカタログ番号62019/L/1として入手可能なものであり、そして後 者の種類の細胞の例は、同じ業者からカタログ番号6209/L/1として入手可能 なものである。 本発明によって測定される抗体は、典型的に、IgA型であろう。IgA E mAがセリアック病において優先的に存在する抗体反応である理由は、充分に理 解されていない。しかしながら、それは、胃腸段階での抗原提示に関係している と仮定される。 しかしながら、筋内膜の場合、それに対するIgG抗体が、若干の患者の血清 中で検出された。 適当には、細胞は、前記体液との接触前にまたは中に破壊される。 体液は、いずれの体液でもありうるが、好ましくは、血清である。 本発明による免疫検定で用いるための抗原は、細胞系懸濁液、特に、単細胞懸 濁液であるので、様々な技術を用いて結合抗体を検出することができる。特に適 当な技術は、フローサイトメトリおよび酵素免疫検定法である。しかしながら、 用いることができる他の技術には、蛍光顕微鏡法が含まれる。 本発明は、更に、不死化細胞系からの細胞の懸濁液を含有する、上に定義の方 法を実施するためのキットを提供する。 本発明は、次の実施例によって更に例証されるであろう。発明の実施態様 実施例1 蛍光顕微鏡によるHUVEC抗体反応の測定 この実施例で用いられた血清は、ダブリンのセント・ジェームズ病院の胃腸病 診療室(the Gastroenterology Clinic at St.James's Hospital)に通院する患 者から入手された。25人の患者は未処置のセリアック病を有し、16人はグル テン不含治療食を摂取中であり、そして16人は、非特異的症状および対照とさ れた正常な小腸生検を有していた。 HUVEC ECV 304 92091712号(ヨロピアン・コレクション・オブ・ア ニマル・セル・カルチャー(European Collection of Animal Cell Culture)) を、10%ウシ胎児血清およびゲンタマイシンを含有するローズマウント・パー ク・メモリアル・インスティトゥート(Rosemount Park Memorial Institute) (RPMI)1640培地中において、5%CO2を含む給湿インキュベーター 中、37℃で密集するまで増殖させた。その細胞を、トリプシンEDTAを用い て採集し、そしてRPMI1640中で2回洗浄した。 免疫蛍光検査実験:細胞2X106個/mlのアリコート30μlを、ポリ− L−リシン(シグマ(Sigma))を塗布したスライドガラス上において室温(R T)で自然乾燥させた。次に、そのスライドを、0.5Mリン酸緩衝溶液(PB S)pH7.2中で30分間洗浄した。患者または対照の血清のPBS中1/5 希釈液30μl容量をその細胞上に置き、そして室温で30分間反応させた。そ のスライドを再度PBS中で更に30分間洗浄した。次に、その細胞を、1/2 0に希釈されたフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識ウサギ抗ヒ トIgAまたはIgG(ダコ(Dako))50μl容量で30分間染色し、そして PBS中で30分間洗浄した。そのスライドを、グリセロール/食塩水固定用培 地中のカバースリップで覆い、そして免疫蛍光検査法によって、ライツ・オルト ルクス(Leitz Orthlux)(オルトルクスは商標である)顕微鏡を用い、50ワ ット水銀灯を用いて可視化した。陽性は、細胞質の染色によって示された。 EmAおよびレチクリン抗体を、標準的な技法を用いて測定した。簡単にいう と、EmA抗体は、商業的に入手可能なサル食道の組織切片(メディカ(Medica )カリフォルニア)を用いて測定された。患者の血清をPBS中で1/5に希釈 し、そしてHUVECの場合と同様に処理した。同様に、ラット腎、肝および胃 の複合ブロックを用いてレチクリン抗体を検出した。4ミクロン厚さ切片を切断 し且つスライドガラス上に固定し、血清を希釈し、そして免疫蛍光検査法をHU VECおよびEmA実験で記載のように行った。血清は正常対照と一緒にランダ ム化され、そして観察者にはそれぞれのスライドの由来が隠されていた。 結果を表1で示す。 略語一覧:w pos=弱陽性 CD=セリアック病 TCD=被処置セリアック病 UTCD=未処置セリアック病 表1において、患者と対照でのEmA、レチクリンおよびHUVEC IgA 抗体応答の比較を示す。57人の血清を検査し、16人は正常対照からであり、 16人は被処置セリアック病患者(TCD)からであり、そして25人は未処置 セリアック病(UTCD)患者からであり、その結果は、3種類の抗体全部の存 在の間に強い相関があるが、EmAおよびHUVEC抗体の関係が最も強いもの であることを示している。31人の血清がIgA EmA抗体に関して陽性であ り、これらの内、同じ31人はまた、HUVEC IgA抗体に関して陽性であ った。EmAおよびHUVEC IgA抗体に関して陽性の31血清について、 これらの内24血清はIgAレチクリン抗体に関しても陽性であり且つ7血清は 陰性であり、26血清は、EmA、HUVECおよびレチクリンIgA抗体に関 して陰性であった。 結果の概要を表2で与えるが、これは、セリアック病患者および対照被験者か らの57種類の血清からのIgA EmA、HUVECおよびレチクリン抗体反 応間の相関を示している。 EmA抗体に関して陽性の31血清について、これら全部がHUVEC Ig A抗体に関して陽性であり、そしてこれらの内24血清がレチクリン抗体に関し て陽性であった。 実施例2 フローサイトメトリを用いるHUVEC表面および細胞内の抗体反応の測定 セリアック病血清と反応するHUVEC抗原が表面(細胞外)起源であったか または細胞内起源であったかどうかを確認するために、非透過性細胞(表面)お よび透過性細胞(細胞内)に関してフローサイトメトリを用いて実験を行った。 10種類のEmA陽性血清および10種類のEmA陰性血清を用いた。 表面染色:新鮮なHUVECを、実施例1で記載のように培養物から採集し、 そして2X106個/mlに調整した。細胞のアリコート50μlをPBS中で 1回洗浄し、そしてPBS中で1/5に希釈されたセリアック病患者血清のアリ コート50μlと反応させた。その細胞を氷上で30分間インキュベートし、そ してPBSで1回洗浄した。次に、1/20に希釈されたFITC結合ウサギ抗 ヒトIgAのアリコート20μlをその試験管に加え、そして30分間反応させ た。細胞をPBS中で1回洗浄し、そしてファクスキャン(FacScan)フローサ イトメーター(ファクスキャンは商標である)(ベンクトン・ディキンソン(Be cton Dickinson))で読取った。非胎児細胞系であるU937およびHL60細 胞を対照細胞として用い且つ同様に処理した。 HUVEC細胞内抗原:HUVEC細胞を2%パラホルムアルデヒド中で30 分間固定した。その細胞を0.05%サポニン(Saponin)/PBS(SPBS )中で2X106個/mlに調整し、そしてSPBS中での洗浄を更に2回行っ た。患者および対照の血清をSPBS中で1/5に希釈し、そして細胞2X106 個のアリコートが入っている試験管に対して容量50μlで加えた。その細胞 を氷上で30分間インキュベートし、そしてSPBSで1回洗浄した。次に、1 /20に希釈されたFITC結合ウサギ抗ヒトIgAのアリコート20μlをそ の試験管に加え、そして30分間反応させた。細胞をSPBS中で1回洗浄し、 そしてファクスキャンフローサイトメーターで読取った。 結果を表3で示す。 *それぞれの数値は、別々の患者または対照を表す。 非透過性HUVECを用いた場合、EmA陽性血清とEmA陰性血清との間に は差が見られなかったことが認められるであろう。平均蛍光強度(MFI)値は 、EmA陰性群では5〜7およびEmA陽性群では5〜8であった。細胞を2% パラホルムアルデヒド中で固定し、そして0.1%サポニンを用いて透過性にし た場合、それら二つの群の間には顕著な差があった。EmA陰性群のMFI値は 19〜42であり、平均MFI値28.2であったが、EmA陽性群のMFI値 は40〜192であり、平均MFI値は109.5であった。二つの実験の計測 器設定は同じであった。しかしながら、固定および透過性化(permealisation) は、細胞にある程度の自己蛍光を発しさせ、これが、二つの実験設定でのMFI 値間の違いを説明する。 実施例3 フローサイトメトリによるグリアジン抗体反応の測定 (A)ラテックス粒子上へのグリアジンの吸収:8μmポリスチレンビーズ (ポリサイエンシズ(Polysciences),ウォーリントン)1X107個/mlの 1mlを蒸留H2O中で洗浄し、そして0.05M重炭酸緩衝液pH9.6中で 1mg/mlの濃度のグリアジン(シグマ)と一緒に4℃で一晩中インキュベー トした。次に、そのビーズをPBS中で1回洗浄して非結合グリアジンを除去し 、そしてウシ血清アルブミン(BSA)含有PBS中において37℃で3時間再 度インキュベートして未占有部位を遮断した。非結合BSAは全て、0.05% トゥイーン(Tween)含有PBS(トゥイーン/PBS)で洗浄することによっ てを除去された。 グリアジン抗体の測定:ビーズ(1X107個/ml)10μl容量を、PB S/トゥイーン中で1/5に希釈された患者または対照の血清50μlが入って いる75mm試験管に対して加え、そして穏やかに混合しながら室温で30分間 インキュベートした。そのビーズを、2000RPMで5分間遠心分離すること によってPBS/トゥイーン中で2回洗浄して非結合血清を除去した。次に、F ITC結合ウサギ抗IgAの1/20希釈のアリコート20μlを各試験管に加 え、そして穏やかに混合しながら室温で30分間インキュベートした。そのビー ズを、再度、2ml容量のPBS/トゥイーンで1回洗浄し、そしてフローサイ トメトリによる分析のために1mlのPBS/トゥイーン中に再懸濁させた。 (B)吸収実験 EmA、レチクリン、HUVECおよびグリアジン抗体に関して陽性と検査さ れたセリアック病患者からの血清試料を、2%パラホルムアルデヒドで予め固定 され且つSPBSを用いて透過性にされたHUVEC細胞2X107個に吸収さ せた。吸収実験は、最初に、HUVEC透過性細胞2X107個を、SPBS中 10%ウサギ血清10ml中において室温で1時間インキュベートして非特異的 結合を遮断することによって行われた。その細胞を、10%ウサギ血清含有SP BS中で1回洗浄し、そして2X107個/mlの濃度で再懸濁させた。次に、 セリアック病血清のSPBSの1/5希釈1mlを、2X107個細胞1mlと 混合し、そして穏やかに混合しながら4℃で一晩中インキュベートした。翌日、 その細胞を冷却遠心機中において2000RPMで10分間回転させ、そして吸 収された血清を取出した。比較のために、患者血清の別の試料を、HUVEC細 胞が加えられないことを除いて全く同じに処理した。IgGおよびIgA測定値 を吸収および非吸収血清から得、そしてIgA抗体の濃度を、抗体の濃度が両検 体で同じであるように調整した。吸収および非吸収血清の1/5〜1/640の 二倍希釈は、SPBS中で行われた。EmA、レチクリン、HUVECおよびグ リアジン抗体濃度を、吸収および非吸収血清中で測定し、そして違いを調べた。 (C)フローサイトメトリを用いるHUVECおよびポリスチレン粒子での吸 収実験 SPBS中で1/5に希釈された吸収および非吸収血清のアリコート50μl を、パラホルムアルデヒドで固定されたHUVEC細胞の2X106個/mlの 濃度のアリコート50μlに対して加えた。その細胞を室温で30分間インキュ ベートし、SPBS中で1回洗浄し、そして4℃において2000RPMで5分 間回転させた。次に、SPBS中で1/20に希釈されたFITC抗IgAの5 0μlを各試験管に加え、そして室温で更に30分間反応させた。その細胞をS PBS中で1回洗浄し、SPBS中に再懸濁させ、そしてファクスキャンでMF Iを測定した。 (D)グリアジンで被覆されたポリスチレンビーズを用いて行われた実験:簡 単にいうと、PBS/トゥイーン中で1/5に希釈された吸収および非吸収血清 のアリコート50μlを、予めグリアジンで被覆されたポリスチレンビーズ1X 107個/mlのアリコート50μlに対して加えた。そのビーズを室温で30 分間インキュベートし、PBS/トゥイーン中で1回洗浄し、そして4℃におい て2000RPMで5分間回転させた。次に、PBS/トゥイーン中で1/20 に希釈されたFITC抗IgAの50μlを各試験管に加え、そして室温で更に 30分間反応させた。そのビーズをPBS/トゥイーン中で1回洗浄し、PBS /トゥイーン中に再懸濁させ、そしてファクスキャンでMFIを測定した。 (E)グリアジンを用いる吸収実験 EmA、レチクリン、HUVECおよびグリアジンに関して陽性の血清を、次 のようにグリアジン被覆粒子で吸収した。血清1mlを、10%BSA含有PB S/トゥイーン中で1/5に希釈し、そしてグリアジン被覆ポリスチレン粒子( 1X107個/ml)1mlと一緒に4℃で一晩中穏やかに混合した。同じ患 者からの血清の同様の量を、それらが1%BSAで被覆されたポリスチレン被覆 粒子で吸収されたことを除いて全く同じに処理した。次に、吸収および非吸収血 清両方を、EmA、レチクリン、HUVECおよびグリアジンに対するIgA抗 体について検査し、そして違いを調べた。 結果を表4および5で示す。 *MFI=蛍光強度中央値 *=蛍光強度中央値 ()=変化% ND=測定されなかった 表4から、HUVEC中の抗原は、グリアジンと交差反応しなかったことが認 められるであろう。結果は、グリアジンでの吸収は、コムギタンパク質に対する IgA反応を、吸収前の112および90のMFI値から吸収後の38および3 5のMFI値へそれぞれ顕著に低下させたが、HUVECでのIgA反応は、吸 収前の441および473のMFI値、および吸収後の443および480のM FI値と影響されなかったことを示している。同様に、HUVECでの吸収は、 HUVEC IgA MFI値を441、473から75および110のMFI 値へそれぞれ低下させたが、それらは、IgAグリアジン反応を、112、90 の吸収前MFI値から90および70の吸収後MFI値へそれぞれ最低限に減少 させただけであった。 表5において、種々の患者血清を用いた吸収実験の結果を示す。これらは、5 回の別々の実験において、HUVECでの吸収は、EmAおよびレチクリン力価 両方を実質的に減少させたが、IgAグリアジン抗体反応は、僅かに低下させた だけであったことを示す。 吸収前のEmA力価は、1280、640、1280、640および160で あったが、吸収後のHUVECでの力価はそれぞれ、80、80、80、40お よび10へ降下した。吸収前のレチクリン力価は320、160、160および 160であったが、吸収後の力価はそれぞれ、20、10、40および20であ った。グリアジンIgA抗体吸収前MFI値は52、59、21、60および3 5であったが、吸収後MFI値はそれぞれ、30、36、12、40、19であ った。これらのデータは、EmAおよびレチクリン力価の低下水準が、それぞれ の吸収実験において同様であり且つ4〜16倍に変化したが、グリアジン抗体反 応の最大の低下は2倍未満であったことを示している。 実施例4 EmAの検出のための本発明による方法で用いる各種細胞種類の適性を確認す る実験を行った。結果を表6で示す。 上の実施例から、血清抗体をサル食道またはHUVECを用いて測定した場合 に、陽性および陰性の等しい相関が得られたことが認められるであろう。EmA およびHUVEC抗体に関して陽性であった血清は、レチクリン陽性を必ずしも 示すとは限らなかったが、これは、EmAおよびレチクリン抗体が異なるという よりもむしろ用いられた組織の感受性の欠如を反映していると思われる。HUV EC抗体は、フローサイトメトリにより、細胞の表面とは反応しないが、細胞が サポニンで透過性にされた場合にのみ反応することか判明したが、これは、標的 抗原が細胞内であることを示唆する。 透過性HUVECを用いる吸収実験は、胎児肺線維芽細胞を用いるマーティネ ン,A.およびマキ,M.(上記)によって記載されたものと同様の知見を与え た。つまり、彼らは、これら細胞によって分泌されたタンパク質に対するIgA 抗体が筋内膜およびレチクリン両方に対して結合しうることを示したが、本発明 者は、HUVECでの吸収が、レチクリンおよびEmAを実質的に除去し且つグ リアジン抗体反応を部分的にのみ低下させたことを示した。対照的に、グリアジ ン被覆粒子は、HUVEC EmA抗体反応性を排除しなかった。これらの知見 は、HUVECがレチクリンおよびEmA抗原両方を有することまたはこれら抗 原が同一物であることを示唆する。 セリアック病の病因におけるEmAまたはレチクリン抗原/抗体の役割は、こ れら抗体を特異的に産生する機序と同様、未だ知られていない。それら抗体は、 活発なセイアック病において存在し、そしてグルテン食を中止すると消失するの で、それらが単純に炎症過程の結果であり、その結果、免疫系に対して新胚抗原 を暴露するためであることが示唆される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年10月21日 【補正内容】 34条補正 英文明細書2頁と3頁の間(日本語明細書2頁14行と15行の間)に2A頁と して下記の内容を挿入する。 D’Cruz,D.P.et al.(1991) Clin.Exp.Im munol.85,245−261には、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を ELISAアッセイにおける固相として用い、全身性紅斑性狼蒼患者の血清中の 内皮細胞に対する抗体を同定し、これらの抗体が病気のパターンおよび活性化の マーカーであるかを、特に腎炎および血管炎との関連で調べることが記載されて いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フェラン,クリストファー・アレグザンダ ー アイルランド国カウンティ・ダブリン,ブ ラックロック,モナロー・ドライブ 5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. セリアック病および関連状態を有することが知られているまたは疑われ る対象においてこのような状態を診断する方法であって、該状態に特有の抗体を 含有する該対象からの体液と、該抗体に特異的なエピトープ部位を有する不死化 細胞系からの細胞の懸濁液とを接触させ、そして該細胞に対する抗体の結合の程 度を測定することを含む上記方法。 2. 細胞が性質において胚性のものである請求項1に記載の方法。 3. 細胞がヒト臍帯細胞である請求項1に記載の方法。 4. 細胞がヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)である請求項3に記載の方法 。 5. HUVECが、EVC 304細胞系92091712号の細胞である請求項4に記 載の方法。 6. 細胞が、ヒト臍動脈平滑筋細胞またはヒト臍静脈平滑筋細胞である請求 項3に記載の方法。 7. 抗体がIgA型である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。 8. 細胞を、前記体液との接触前にまたは中に破壊する請求項1〜7のいず れかに記載の方法。 9. 体液が血清である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 10.結合抗体をフローサイトメトリによって算定する請求項1〜9のいずれ かに記載の方法。 11.結合抗体を酵素免疫検定法によって算定する請求項1〜9のいずれか1 項に記載の方法。 12.不死化細胞系からの細胞の懸濁液を含有する、請求項1〜11のいずれ か1項に記載の方法を実施するためのキット。 13.セリアック病および関連状態を有することが知られているまたは疑われ る対象においてこのような状態を診断する方法であって、実質的に、本明細書中 に記載され且つ例示された通りである上記方法。
JP9511805A 1995-09-15 1996-09-13 セリアック病の診断法 Pending JPH11511559A (ja)

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