JP4530783B2 - 一方向クラッチおよびスライド機構を備えるトルク伝達機構 - Google Patents

一方向クラッチおよびスライド機構を備えるトルク伝達機構 Download PDF

Info

Publication number
JP4530783B2
JP4530783B2 JP2004285493A JP2004285493A JP4530783B2 JP 4530783 B2 JP4530783 B2 JP 4530783B2 JP 2004285493 A JP2004285493 A JP 2004285493A JP 2004285493 A JP2004285493 A JP 2004285493A JP 4530783 B2 JP4530783 B2 JP 4530783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
axial direction
slide
overlapping portion
side overlapping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004285493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006097799A (ja
Inventor
博之 加賀
達郎 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2004285493A priority Critical patent/JP4530783B2/ja
Priority to TW094127512A priority patent/TWI274113B/zh
Priority to US11/236,682 priority patent/US7621834B2/en
Publication of JP2006097799A publication Critical patent/JP2006097799A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4530783B2 publication Critical patent/JP4530783B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
    • B62M9/00Transmissions characterised by use of an endless chain, belt, or the like
    • B62M9/04Transmissions characterised by use of an endless chain, belt, or the like of changeable ratio

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

本発明は、一方向クラッチおよびスライド機構を備えるトルク伝達機構に関し、該トルク伝達機構は、例えば自転車の変速装置に備えられる。
特許文献1に開示された自転車には、ディレイラにより変速位置が多段に切り換えられる変速装置が備えられる。該変速装置において、クランク軸に一方向クラッチを介して駆動連結される駆動スプロケットは、複数の変速スプロケットの間でチェーンが掛け換えられる際のチェーンの軸方向での移動に応じて、軸方向に移動する。このため、一方向クラッチと駆動スプロケットとの間のトルク伝達経路には、クランク軸の正回転時に、クランク軸のトルクを一方向クラッチを介して駆動スプロケットに伝達することにより駆動スプロケットをクランク軸と一体に回転させると共に、クランク軸に対して駆動スプロケットを軸方向に移動可能にするスライド機構が設けられる。このスライド機構は、内筒と外筒との間に配置されて内筒および外筒に形成された収容溝内に収容される複数のボールを備えるボールスプライン機構により構成される。そして、1つの部材からなる内筒には、収容溝内のボールの軸方向での移動を規制することにより駆動スプロケットおよび外筒の軸方向での移動範囲を規定するストッパと、一方向クラッチのクラッチアウタとが一体成形されている。そして、ストッパは、軸方向で収容溝とクラッチアウタとの間に位置する。
特開2004−155280号公報
前記従来技術では、ボールスプライン機構の内筒にストッパおよびクラッチアウタが一体成形されるため、収容溝は軸方向で内筒の一端部から途中までの範囲に形成される行き止まりの形状になって、低コストで溝加工ができる機械加工、例えばブローチ加工により収容溝を形成することができず、機械加工によるコストが増加し、ひいては変速装置のコストが増加していた。さらに、ストッパが一体成形されることで、クラッチ素子が係合する係合部が形成されるクラッチアウタの内周面の機械加工にも制約が生じて、やはり加工コストが増加する原因となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜5記載の発明は、スライド機構のインナ部材に形成される案内溝の加工を容易にすることによるコストの削減が可能であり、しかも簡単な構造により、第2回転部材の軸方向での移動を規制することができるトルク伝達機構を提供することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、連結素子を備えるスライド機構において、簡単な構造により第2回転部材の軸方向での移動の規制と連結素子の抜止めとを行うことを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、スライド機構との重合部を有する一方向クラッチのクラッチアウタにおいて、クラッチ素子が係合する係合部の加工を容易にして、コストの削減を図ることを目的とし、請求項4記載の発明は、さらに、簡単な構造により、一方向クラッチのクラッチアウタとスライド機構のインナ部材とを連結する連結ピンの抜止めを行うことを目的とし、請求項5記載の発明は、さらに、連結ピンにより連結されるクラッチアウタとインナ部材との一体回転性能を長期に渡って維持することおよびクラッチアウタとインナ部材との連結作業の作業性を向上させることを目的とする。
請求項1記載の発明は、第1回転部材と、前記第1回転部材と一体に回転可能なクラッチインナにクラッチ素子を介して連結されるクラッチアウタを備える一方向クラッチと、前記クラッチアウタと一体に回転可能なインナ部材に対して一体に回転可能にかつ軸方向に移動可能に前記インナ部材に連結されるアウタ部材を備えるスライド機構と、前記アウタ部材と一体に運動する第2回転部材と、を備えるトルク伝達機構であって、前記一方向クラッチは、前記第1回転部材の正回転時のトルクのみを前記スライド機構を介して前記第2回転部材に伝達し、前記インナ部材の外周面には、前記アウタ部材を軸方向に移動可能に案内する案内溝が軸方向に平行に形成されたトルク伝達機構において、前記クラッチアウタおよび前記インナ部材は、別個の部材で構成され、それぞれ、互いに軸方向で重なるクラッチ側重合部およびスライド側重合部を有し、前記案内溝は、軸方向での両端部で軸方向に開放して形成され、前記クラッチアウタおよび前記インナ部材は、前記クラッチ側重合部と前記スライド側重合部とにおいて一体に回転可能に連結され、前記クラッチ側重合部は、軸方向で前記案内溝と重なるように配置されて、前記アウタ部材が前記インナ部材に対して所定の移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制するトルク伝達機構である。
これによれば、アウタ部材と共に第2回転部材を軸方向に移動可能に案内する案内溝は、インナ部材の外周面に、軸方向での両端部が軸方向に開放するように軸方向に平行に形成されるので、軸方向に開放することなく途中で行き止まりになる案内溝に比べて、機械加工による案内溝の形成が容易になって、溝の加工手段の選択肢が拡大し、案内溝をコストがより低い加工手段で加工することが可能になる。そして、所定の移動範囲を越えるアウタ部材および第2回転部材の軸方向での移動は、クラッチアウタの一部であってインナ部材が連結されるクラッチ側重合部の一部が軸方向で案内溝に重なるように配置されることにより規制される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のトルク伝達機構において、前記スライド機構は、前記インナ部材と前記アウタ部材とを前記インナ部材に対して一体に回転可能にかつ軸方向に移動可能に連結する連結素子を備え、前記連結素子は、前記インナ部材と前記アウタ部材との間に配置されると共に前記案内溝に収容されて軸方向に移動可能に案内され、前記クラッチ側重合部は、前記連結素子に当接して前記連結素子の軸方向での移動を規制することにより、前記アウタ部材が前記移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制するものである。
これによれば、案内溝に収容される連結素子を備えるスライド機構において、連結素子に当接するクラッチ側重合部により、所定の移動範囲を越えるアウタ部材および第2回転部材の軸方向での移動が規制されると共に、案内溝からの連結素子の抜止めが行われる。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のトルク伝達機構において、前記クラッチアウタは、前記クラッチ素子が係合する係合部が形成された本体部を有し、前記本体部の最大内径は、前記クラッチ側重合部の最小内径以下であり、前記係合部は、前記内周面に軸方向に平行に延びて軸方向での両端部が軸方向に開放する溝が形成されることにより形成されるものである。
これによれば、係合部は、本体部の内周面に、軸方向に平行に延びて両端部が軸方向に開放する溝が形成されることにより形成されるので、軸方向に開放することなく途中で行き止まりになる溝により係合部が形成される場合に比べて、機械加工による係合部の形成が容易になって、係合部の加工手段の選択肢が拡大し、係合部をコストがより低い加工手段で加工することが可能になる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項記載のトルク伝達機構において、前記クラッチ側重合部と、前記クラッチ側重合部よりも径方向内方に配置された前記スライド側重合部とは、連結ピンにより連結され、前記連結ピンは、前記クラッチ側重合部に形成されたクラッチ側挿入空間に挿入されるクラッチ側挿入部と、前記スライド側重合部に形成されたスライド側挿入空間に挿入されるスライド側挿入部とを有し、前記連結ピンにおいて前記クラッチ側挿入部よりも前記スライド側挿入部寄りには、前記クラッチ側挿入空間に挿入不能な段部が形成されているものである。
これによれば、クラッチアウタとインナ部材とは、それぞれの重合部に形成されたクラッチ側挿入空間およびスライド側挿入空間にそれぞれ挿入されるクラッチ側挿入部およびスライド側挿入部を有する連結ピンにより連結されるので、連結構造が簡単である。そして、連結ピンには段部が形成されているので、クラッチアウタおよびインナ部材の回転により発生する遠心力が連結ピンに作用したとき、段部がクラッチ側重合部に当接することにより、連結ピンが径方向外方に移動することが防止される。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項記載のトルク伝達機構において、前記クラッチ側重合部と、前記クラッチ側重合部よりも径方向内方に配置された前記スライド側重合部とは、連結ピンにより連結され、前記連結ピンは、前記スライド側重合部に形成されたスライド側挿入空間に挿入されるスライド側挿入部を有し、前記スライド側挿入空間は、軸方向での前記スライド側重合部の端部に形成されて軸方向に開放したスリットにより構成され、前記連結ピンは、前記スリットを規定する壁面のうちの周方向で対向する1対のスライド側接触平面にそれぞれ面接触する1対のピン側接触平面を有し、前記連結ピンは、軸方向から前記スリットに挿入されるものである。
これによれば、連結ピンとインナ部材との間でのトルク伝達が面接触する部分により行われるので、両者の接触部での面圧が減少するうえ、平面による面接触であることにより、連結ピンの回止めがなされるので、連結ピンとインナ部材およびクラッチアウタとの相対回転が防止されて、該相対回転による摩耗が防止され、連結ピンとインナ部材およびクラッチアウタとの間に摩耗による隙間の形成が防止または抑制される。また、連結ピンはインナ部材に対して軸方向から挿入されるので、クラッチアウタとインナ部材との連結ピンによる連結作業が容易になる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、インナ部材の案内溝をより低コストの加工手段で加工することが可能になるので、インナ部材の加工コストが削減され、ひいてはトルク伝達機構のコストが削減される。また、所定の移動範囲を越える第2回転部材の軸方向での移動はクラッチ側重合部により規制されるので、両端部が開放する案内溝に対してクラッチ側重合部を利用した簡単な構造により第2回転部材の軸方向での移動を規制することができる。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、連結素子を備えるスライド機構において、クラッチ側重合部を利用した簡単な構造により、第2回転部材の軸方向での移動の規制と、連結素子の抜止めとを行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、スライド機構のインナ部材と連結されるクラッチ側重合部を有する一方向クラッチのクラッチアウタにおいて、クラッチ素子が係合する係合部の加工が容易になるので、クラッチアウタの加工コストが削減され、ひいてはトルク伝達機構のコストが削減される。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、簡単な構造により、クラッチアウタとインナ部材とが連結されると共に、クラッチアウタおよびインナ部材の回転により連結ピンがインナ部材およびクラッチアウタから抜け出すことが防止される。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、連結ピンとインナ部材およびクラッチアウタとの間に摩耗による隙間の形成が防止または抑制されるので、クラッチアウタとインナ部材との一体回転性能を長期に渡って維持でき、またクラッチアウタとインナ部材との連結作業の作業性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図1ないし図9を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された変速装置Tを備える自転車Bは、車体フレームFと、ペダル式のクランク軸12と、変速装置T、変速後の動力で回転駆動される出力軸15および駆動力伝達機構を含む伝動装置と、を備える。
車体フレームFは、下端部で前輪Wfを軸支すると共に上端部にハンドル7が取り付けられたフロントフォーク6を操舵可能に支持するヘッドパイプ1と、ヘッドパイプ1から後方斜め下方に延びる左右1対のメインフレーム2と、両メインフレーム2の前端部から後方斜め下方に延びるダウンチューブ3と、両メインフレーム2の後端部とダウンチューブ3の後端部とを連結する左右1対のアンダチューブ4と、各メインフレーム2から延びてサドル8を支持するサドルフレーム5とを備える。
なお、明細書または特許請求の範囲において、軸方向、径方向および周方向とは、それぞれ、第1回転部材またはクランク軸12の回転中心線の方向、前記回転中心線を中心とする径方向および前記回転中心線を中心とする周方向を意味し、側面視とは、軸方向から見ることを意味し、また上下、前後および左右は、それぞれ変速装置が備えられる自転車Bまたは機械の上下、前後および左右と一致する。
両メインフレーム2の後部2aに設けられたピボット軸9(図3も参照)には、後端部に取り付けられた車軸を介して後輪Wrを軸支する左右1対のスイングアーム10の前端部が揺動可能に支持される。両スイングアーム10は、リヤサスペンション11を介して両メインフレーム2に連結されることで、後輪Wrと共にピボット軸9を中心に上下方向に揺動可能である。
車体フレームFの下部であって、両メインフレーム2の後部2aと両アンダチューブ4との間に形成される空間に、変速装置Tの変速ケース90、変速機構M1およびディレイラ70と、変速装置Tに回転可能に支持されるクランク軸12および出力軸15とが配置され、車体フレームFの右側には、前記駆動力伝達機構が配置される。ここで、自転車Bの車幅方向(左右方向と一致する。)または軸方向での一側方を左方とするとき、右方は車幅方向または軸方向での他側方である。
図2を併せて参照すると、変速装置Tは、周縁部に形成された2つのボス(図2には、第1ケース91のボス91aが示されている。)がボルト(図示されず)により結合される左右1対の左ケースとしての第1ケース91および右ケースとしての第2ケース92から構成されて密閉またはほぼ密閉された空間である内部93を形成する金属製の変速ケース90を備える。変速ケース90は、第1,第2ケース91,92の周縁部に形成された1対の取付部(図1,図2には、第1ケース91の取付部91bが示されている。)においてボルトB1により両メインフレーム2および両アンダチューブ4にそれぞれ固定される。
併せて図3,図4を参照すると、運転者により回転駆動されて駆動トルクが入力される入力軸としてのクランク軸12は、変速ケース90の下部を左右方向に貫通して配置される主軸12aと、変速ケース90の外側に突出した主軸12aの左右の両端部にそれぞれ結合される1対のクランクアーム12bとを備える。主軸12aは1対の軸受14を介して第1,第2ケース91,92に回転可能に支持される。各クランクアーム12bには、ペダル13(図1参照)が回転可能に取り付けられる。
主軸12aの前方斜め上方には出力軸15が、また主軸12aのほぼ真上にはピボット軸9が、出力軸15の回転中心線L2およびスイングアーム10の揺動中心線が互いに平行に、かつクランク軸12の回転中心線L1に平行になるように、しかもクランクアーム12bの回転軌跡内に収まるように配置される。メインフレーム2に固定されるピボット軸9は、第1,第2ケース91,92に内部93に突出して形成されたボス91c,92cの貫通孔に挿通されて、第1,第2ケース91,92を支持する。
図4を参照すると、変速ケース90内に収容された出力軸15は、第2ケース92から右方に突出した端部15aを有し、端部15aに出力用駆動回転体としての出力用駆動スプロケット17が結合される。図1を併せて参照すると、駆動スプロケット17と後輪Wrに駆動連結された出力用被動回転体としての出力用被動スプロケット18とには可撓性の出力用無端伝動帯としての出力用チェーン19が掛け渡される。そして、駆動スプロケット17、チェーン19および被動スプロケット18は、駆動輪としての後輪Wrを駆動する前記駆動力伝達機構を構成する。
以下、変速装置Tを中心にさらに説明する。
図2〜図4を参照すると、変速装置Tは、チェーン式の変速機構M1と、変速機構M1を変速操作に応じて所望の変速位置へ切り換える変速切換機構M2と、変速機構M1および変速切換機構M2の構成要素である後述するディレイラ70を収容する変速ケース90とを備える。
変速機構M1は、一方向クラッチ20、スライド機構としてのボールスプライン機構30、駆動スプロケット39、被動スプロケットとしての複数の変速スプロケット41〜47、無端の変速用チェーンCおよびチェーン案内部材50を備える。駆動スプロケット39は、クランク軸12の主軸12aに同軸に配置されて、一方向クラッチ20およびボールスプライン機構30を介してクランク軸12に駆動連結される。
図5〜図7を参照すると、一方向クラッチ20は、クランク軸12と一体に回転可能なクラッチインナ21と、クラッチインナ21に対して径方向外方に配置される円筒状のクラッチアウタ22と、クラッチインナ21およびクラッチアウタ22の間に配置されるクラッチ素子としての複数の爪23と、各爪23がクラッチアウタ22の係合部としての複数のラチェット歯27に接触するように爪23に弾発力を付与する弾性部材としてのリング状のバネ24とを備える。
そして、第1回転部材としてのクランク軸12が正回転方向A0に回転するときにのみ、クラッチアウタ22は、爪23を介してクラッチインナ21に連結されて、クラッチインナ21と一体に回転する。それゆえ、一方向クラッチ20は、クランク軸12の正回転時の回転またはトルクのみを、ボールスプライン機構30を介して第2回転部材としての駆動スプロケット39に伝達する。
クラッチインナ21は、主軸12aに一体成形されて、各爪23を揺動可能に支持する。クラッチアウタ22は、各爪23が係合する複数の鋸歯状のラチェット歯27が形成された内周面を有する円筒状の本体部25と、軸方向で本体部25に隣接して連なると共にボールスプライン機構30と軸方向で重なる円筒状のクラッチ側重合部26とを有し、本体部25および重合部26が一体成形された1つの筒状部材である。
本体部25の最大内径d1(図6参照)は、重合部26の最小内径d2(図7参照)以下であり、各ラチェット歯27は重合部26の内周面よりも径方向内方に位置する。そして、複数のラチェット歯27は、本体部25の内周面に軸方向に平行に延びて軸方向での両端部が軸方向に開放する複数の溝28が形成されることにより形成される。より具体的には、周方向で隣接するラチェット歯27の間の各溝28が、機械加工、好ましくはブローチ加工で本体部25の内周面を加工することにより、本体部25の内周面の軸方向でのほぼ全幅に渡って形成されることにより、複数のラチェット歯27が形成される。したがって、ラチェット歯27が形成される前、すなわちブローチ加工などの機械加工が施される前のクラッチアウタ22の本体部25の最大内径は、最小内径d2以下である。
一方向クラッチ20と共にクランク軸12と駆動スプロケット39との間のトルク伝達経路に配置されるボールスプライン機構30は、クラッチアウタ22と一体に回転可能なインナ部材としての円筒状の内筒31と、内筒31に対して径方向外方に配置されて駆動スプロケット39と一体に運動するアウタ部材としての円筒状の外筒32と、径方向で内筒31と外筒32との間に配置されて、外筒32が内筒31に対して一体に回転可能にかつ軸方向に移動可能となるように内筒31と外筒32とを連結する連結素子としての複数のボール33とを備える。したがって、外筒32は、複数のボール33を介して、内筒31に対して一体に回転可能にかつ軸方向に移動可能に内筒31に連結される。
図2を併せて参照すると、クラッチアウタ22とは別個の部材により構成される内筒31は、主軸12aの外周に軸受131 を介して回転可能に支持されて、後述する連結ピン100によりクラッチアウタ22と一体に回転可能に連結される。内筒31は、ボール33を軸方向に移動可能に支持する本体部34と、軸方向で本体部34に隣接して連なると共に重合部26と互いに軸方向で重なるスライド側重合部35とを有し、本体部34と重合部35とが一体成形された1つの部材である。
内筒31は、軸方向での両端部にそれぞれ当接するように主軸12aに軸方向で移動不能に装着される1対のスラスト軸受としての円環状のリング132,133により軸方向に移動不能に主軸12aに支持される。一方のリング132は、主軸12aに設けられた環状溝に嵌合する止め輪134に当接するカラー135に当接することにより、そして他方のリング133は、クラッチインナ21に当接することにより、それぞれ軸方向での移動が規制されている。また、外筒32には、駆動スプロケット39がリベットにより一体に結合される。
内筒31の外周面には、ボール33を転動可能に収容して支持すると共に、周方向に移動不能に、かつ軸方向に移動可能に案内する複数の、この実施形態では3つの案内溝36が、内筒31の外周面の軸方向でのほぼ全幅に渡って、周方向に等間隔となるように間隔をおいて、かつ軸方向に平行に延びて形成される。また、外筒32の内周面には、各案内溝36に径方向で対向するように、案内溝36と同数の案内溝37が、周方向に間隔をおいて、かつ軸方向に平行に延びて設けられる。各案内溝37は、案内溝36と同様に、ボール33を転動可能に収容して支持すると共に、周方向に移動不能に、かつ軸方向に平行に移動可能に案内する。径方向で対向する内筒31の案内溝36および外筒32の案内溝37から構成される1対の案内溝36,37には、複数のボール33により構成されるボール列が両案内溝36,37に跨って収容される。
そして、各案内溝36,37は、その両端部36a,36bにおいて軸方向に開放しており、各案内溝36および各案内溝37は、機械加工、好ましくはブローチ加工で、内筒31の外周面および外筒32の内周面を、それぞれ加工することにより形成される。それゆえ、内筒31においては、本体部34および重合部35に渡って案内溝36および後述する案内面S1,S2が形成される。
各案内溝36,37の壁面は、円柱面の一部により構成され、ボール33が転動しつつ軸方向に平行に移動可能に案内する案内面S1,S2を構成する。このため、案内溝36,37または案内面S1,S2は、ボール33を軸方向に平行に移動可能に案内することにより、外筒32および駆動スプロケット39を軸方向に平行に移動可能に案内する。
そして、外筒32および駆動スプロケット39が、内筒31、一方向クラッチ20およびクランク軸12に対して、軸方向での所定の移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制するために、ボール33が所定の範囲を越えて軸方向で移動することを規制する1対のインナ側ストッパ部26b,137と1対のアウタ側ストッパ部136,138とが、ボールスプライン機構30に設けられる。ここで、前記所定の移動範囲(以下、単に「移動範囲」という。)は、後述するディレイラの揺動範囲で移動するガイドプーリ72またはチェーンCに対応して、駆動スプロケット39が軸方向に移動する範囲である。
より具体的には、外筒32および駆動スプロケット39の、移動範囲を越える右方への移動は、クラッチアウタ22の重合部26の一部により構成されるストッパ部26bおよび外筒32に装着される止め輪により構成されるストッパ部136により規制される。また、外筒32および駆動スプロケット39の、移動範囲を越える左方への移動は、内筒31に装着される止め輪により構成されるストッパ部137および外筒32に装着される止め輪により構成されるストッパ部138により規制される。したがって、各ボール33は、内筒31において、案内溝36または案内面S1のうち、本体部34に属する部分において、軸方向に移動可能である。
図5,図7〜図9を参照すると、クラッチアウタ22および内筒31は、重合部26と重合部35とにおいて一体に回転可能に、連結部材としての連結ピン100により連結される。重合部26はクラッチアウタ22の左端部22aを含み、重合部35は内筒31の右端部31bを含む。
重合部26は、径方向で、内方に位置する重合部35と外方に位置する外筒32との間に配置されて、軸方向で案内溝36または案内面S1と重なるように配置される。より具体的には、重合部26は、連結ピン100が設けられる連結部26aと、径方向で各案内溝36または案内面S1に対向するストッパ部26bとを有する。後述する挿入孔120が形成される連結部26aは、内筒31の本体部34に一体成形されて周方向で隣接する案内溝36の間に位置する当接部31cと当接する位置決め部を兼ねる。すなわち、連結部26aは、周方向で隣接するストッパ部26bの間に位置し、当接部31cに当接して内筒31に対する軸方向でのストッパ部26bの位置、ひいては軸方向でのクラッチアウタ22の位置を決める。ストッパ部26bは、案内溝36または案内面S1のうち、重合部35に属する部分と軸方向で重なるように配置されて、該部分の径方向外方を覆う。そして、ストッパ部26bは、案内溝36内のボール33に当接してボール33の軸方向での移動を規制することにより、外筒32および駆動スプロケット39が移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制し、かつボール33が案内溝36から抜け出るのを防止する。
連結ピン100は、連結部26aに形成されたクラッチ側挿入空間としての円孔からなる挿入孔120に挿入されるクラッチ側挿入部101と、重合部35に形成されたスライド側挿入空間としてのスリット140に挿入されるスライド側挿入部102とを有する。連結ピン100は、連結ピン100の軸線方向で外径が異なる異径部を有する円柱状のピンであり、挿入部101は小径部により構成され、挿入部102は、挿入部101および挿入孔120の径よりも大径の大径部により構成される。そして、連結ピン100において、挿入部101よりも挿入部102寄りには、挿入部102自体により、挿入孔120に挿入不能な段部103が形成されている。また、挿入部102は、連結ピン100の軸線を挟んで互いに径方向で対向する1対のピン側接触面としての接触平面102aを有する。両接触平面102aは、軸線L5を含む平面を対称面とすると共に、互いに平行な平面である。
底壁35aを有する有底の溝であるスリット140は、軸方向での重合部35の端部に形成されて軸方向に開放しており、スリット140を規定する壁面のうちの周方向で対向する1対のスライド側接触面としての接触平面140aを有する。互いに平行な両接触平面140aの距離は、挿入部101の外径および両接触平面102aの距離に等しい。なお、両接触平面102aの距離は、挿入部101の外径よりも大きくてもよい。そして、1対の接触平面102aは、挿入部102がスリット140に挿入された状態で、1対の接触平面140aに面接触する。
そして、クラッチアウタ22と内筒31とは、連結ピン100により以下のようにして連結される。
まず、挿入部101の外径にほぼ等しい径を有する挿入孔120に挿入部101が挿入され、連結ピン100が、各接触平面102aが軸方向に平行になるように位置決めされて、クラッチアウタ22に保持される。その後、クラッチアウタ22と一体になった連結ピン100は、軸方向から、連結ピン100の接触平面102aと内筒31の接触平面140aとを接触させつつ、スリット140に挿入される。そして、一方向クラッチ20およびボールスプライン機構30が主軸12aに装着されて、クラッチアウタ22、内筒31および外筒32が主軸12aに同軸に配置された状態で、連結ピン100は、右端部に当接するリング133(図5参照)により、スリット140から軸方向に抜けることが防止される。
それゆえ、外筒32および駆動スプロケット39は、クランク軸12および軸方向に移動不能な内筒31に対して、ボール33を介して一体に回転可能であり、かつ軸方向に移動可能である。そして、クランク軸12、一方向クラッチ20、ボールスプライン機構30および駆動スプロケット39は、運転者がペダルを漕ぐことによりクランク軸12に加えられるトルクを駆動スプロケット39に伝達するトルク伝達機構を構成する。
図2,図5〜図7を参照すると、外筒32には、軸方向での外筒32および駆動スプロケット39の位置に無関係に、径方向に向かって開放する案内溝36,37の案内面S1,S2の径方向外方を覆うダストカバー150が設けられる。ダストカバー150は、軸方向での外筒32の両端部からそれぞれ軸方向にさらに張り出して延びた張出部151b,152bに、軸方向での端部151e,152eに向かって先細になる1対の先細部151c,152cを有する。両端部151e,152eの軸方向での間隔、すなわちダストカバー150が設けられたことによる軸方向での案内溝36,37または案内面S1,S2の被覆範囲は、駆動スプロケット39が移動範囲で移動するとき、ダストカバー150が、外筒32と協同することにより、案内面S1,S2におけるボール33の移動範囲のほぼ全体を常に覆うことができるように設定される。そして、各端部151e,152eにより規定されるダストカバー150の各開口153,154の開口面積は、先細部151c,152cが設けられることにより、先細部151c,152cがない場合に比べて小さくされている。
ダストカバー150は、軸方向で駆動スプロケット39を挟んで外筒32の外周に配置される1対の第1,第2カバー部151,152により構成される。外筒32とは別個の部材である各カバー部151,152は、内筒31を全周に渡って覆う無孔の筒状、ここでは円筒状に形成されており、外筒32の外周面に接触して外筒32を覆う基部151a,152aと、基部151a,152aに連なる張出部151b,152bとを有する。
各カバー部151,152は、合成樹脂により形成されて、保持手段により外筒32に保持される。該保持手段は、各カバー部151,152の基部151a,152aの内面である内周面に形成されたカバー側係合部としての凸部151d,152dと、外筒32の外面である外周面に形成されたアウタ側係合部としての凹部32a,32bとから構成される。凸部151d,152dは、軸方向での各カバー151,152の端部のうちの基部151a,152a側の端部に形成された周方向に延びる環状の突条により構成され、凹部32a,32bは、外筒32に軽量化のために形成された開口32cの全体が第1カバー151または第2カバー152により覆われる位置に形成された周方向に延びる溝から構成される。そして、凸部151d,152dが凹部32a,32bに係合することにより、各カバー部151,152が外筒32に装着される。また、第1,第2カバー151,152は、後述するディレイラ70のガイドプーリ72よりも下方に位置する。
図2,図4を参照すると、両ケース91,92にそれぞれ保持される1対の軸受16を介して変速ケース90に回転可能に支持される出力軸15には、外径(すなわち歯先円径)および歯数が異なる複数の、この実施形態では7つの変速スプロケット41〜47からなるスプロケット群40が、出力軸15と一体に回転可能に、かつ同軸に配置されるように、スプラインにより結合される。それゆえ、各変速スプロケット41〜47の回転中心線L3は、クランク軸12の回転中心線L1に平行な出力軸15の回転中心線L2と一致する。そして、変速スプロケット41〜47は、最低速の1速用の変速スプロケット41から最高速の7速用の変速スプロケット47まで、右方に位置する第2変速ケース90に向かって順次高速になるよう軸方向に配列される。
図3を併せて参照すると、駆動スプロケット39と、スプロケット群40の中から変速切換機構M2により選択される一つの変速スプロケット41〜47である作動スプロケット(以下、単に「作動スプロケット」という。図2〜図4では、変速スプロケット41または変速スプロケット47が作動スプロケットとなる状態が示されている。)との間に、チェーンCが掛け渡される。そして、出力軸15は、駆動スプロケット39とチェーンCを介して駆動連結された作動スプロケットとにより決定される変速比で、クランク軸12により回転駆動される。
図2を参照すると、チェーン案内部材50は、正回転するクランク軸12により駆動されるチェーンCの張り側に配置されて、該張り側に張力低下などによる撓みが発生したときに、撓んだチェーンCが駆動スプロケット39と変速ケース90との間に噛み込まれることを防止するチェーン噛込み防止手段を構成する。
チェーン案内部材50は、スプロケット群40の軸方向での幅よりもやや大きな軸方向での幅を有する開口52を形成する案内部51と、各変速スプロケット41〜47から巻き出されるチェーンCがチェーン軌道の内側に移動するのを規制する規制部53とを備える。撓んだチェーンCを開口52に整列した状態で案内するために、案内部51は、開口52に対してチェーン軌道の内側寄りに配置される内側案内部51aと、開口52に対してチェーン軌道の外側寄りに配置されて外側案内部51b1およびローラ51b2を有する外側案内部51bとを備える。
図1〜図4を参照すると、変速切換機構M2は、変速操作機構60と、変速操作機構60による変速操作に応じてスプロケット群40の中でチェーンCを掛け換える掛換え機構としてのディレイラ70とを備える。チェーンCは、駆動スプロケット39と、作動スプロケットと、さらに正回転するクランク軸12により駆動されるチェーンCの弛み側にいずれも配置される後述するガイドプーリ72およびテンションプーリ82とに掛け渡される。
変速ケース90の内部93でディレイラ70に連結される変速操作機構60は、運転者により操作される変速レバーなどで構成される変速操作部材61(図1参照)と、変速操作部材61の動作をディレイラ70に伝達するために変速操作部材61とディレイラ70とを作動連結する操作力伝達部材としての操作ケーブル62とを備える。操作ケーブル62は、車体フレームFおよび変速ケース90に保持される管状のアウタケーブル62aと、アウタケーブル62aの内側に挿入されたインナケーブル62bとから構成される。インナケーブル62bは、一端部で変速操作部材61に結合され、他端部でディレイラ70に結合される。
図2〜図4を参照すると、クランク軸12の主軸12aの上方に配置されると共に操作ケーブル62により操作されて駆動スプロケット39に巻き掛けられたチェーンCを変速スプロケット41〜47の間で掛け換えるディレイラ70は、両ケース91,92に固定された状態で保持されると共にアウタケーブル62aの保持部71aが設けられる円筒状の基部71と、変速スプロケット41〜47の間でのチェーンCの掛換え時に、掛換え先の変速スプロケットである作動スプロケットに巻き掛けられるようにチェーンCを案内するガイド部材としてのガイドプーリ72と、ガイドプーリ72を回転可能に支持するホルダHと、基部71とホルダHとを連結して、変速操作機構60による変速操作に応じてガイドプーリ72を軸方向および回転中心線L3の径方向に移動させる揺動機構としての1対のリンク73a,73bを有する平行リンク機構73と、チェーンCに張力を付与するテンショナ74とを備える。
ホルダHは、1対のリベット75a,75bにより連結される第1,第2ホルダ76,77と支持部78とから構成される構成する。ガイドプーリ72は、第1,第2ホルダ76,77に、リベット75aに外嵌されるカラー78aと該カラー78aに回転可能に支持される軸受78bとを有する支持部78を介して回転可能に支持される。軸受78bのインナ78b1には、後述する1対の第1,第2アーム86,87が圧入により一体に結合される。
図2,図4を参照すると、ボールスプライン機構30および第1,第2カバー151,152の上方に配置されるガイドプーリ72は、クランク軸12の回転中心線L1からガイドプーリ72までの最短距離が駆動スプロケット32の外径d3(図4参照)よりも小さい位置に配置される。具体的には、前記揺動範囲の全体において、ガイドプーリ72におけるチェーンCの巻掛け部C1を少なくとも含んで、ガイドプーリ72のほぼ全体が、回転中心線L1を中心として駆動スプロケット32の外径dを半径とする円内に位置する。
図3を併せて参照すると、第2ホルダ77は、1対のリンク73a,73bが枢着されて連結される連結部79と、テンションバネ83を収容するバネ収容部80とを有する。平行リンク機構73において、両リンク73a,73bは、基部71に互いに平行に設けられる1対のピン81a,81bを介して基部71に枢着され、第2ホルダの連結部に互いに平行に設けられる1対のピン82a,82bに枢着される。また、ピン81aとピン82bとの間には、引張コイルバネ(図示されず)からなる戻しバネが掛け渡されている。
テンショナ74は、駆動スプロケット39とガイドプーリ72との間でチェーンCを押圧してチェーンCに張力を付与するテンションプーリ82と、軸方向で第1,第2ホルダ76,77の間でガイドプーリ72を挟んで配置されてテンションプーリ82を回転可能に支持する第1,第2アーム86,87と、径が異なる2つの捩りコイルバネからなるバネ83a,83bにより構成されるテンションバネ83とを備える。各バネ83a,83bは、その弾発力により、回転中心線L4を中心にテンションプーリ82を図2において時計方向に付勢し、テンションプーリ82をチェーンCに押し付ける。
そして、平行リンク機構73は、連結部73b1に連結されたインナケーブル62bに変速操作部材61からの操作力が作用していない状態では、図2,図3に実線で示される基本位置または最高速位置を占め、作動スプロケットとして変速スプロケット47が選択される。そして、変速操作部材61が操作されて、変速位置に応じた操作力がインナケーブル62bに作用すると、平行リンク機構73が、各ピン81a,81bを揺動中心として揺動し、各変速スプロケット41〜47の歯先円により構成される歯先円群に沿ってガイドプーリ72を移動させる。このとき、両リンク73a,73b、両ホルダ76,77、両アーム86,87、テンションプーリ82は、ガイドプーリ72と共に揺動して、作動スプロケットとなる掛換え先の変速スプロケットに向けて軸方向および径方向に移動し、同時に、チェーンCが掛換え先の変速スプロケットに向けて軸方向に移動する。そして、図2,図3に二点鎖線で示される最低速位置を占めるとき、作動スプロケットとして変速スプロケット41が選択される。
それゆえ、変速操作機構60による操作により、ディレイラ70、より具体的には両リンク73a,73b、両ホルダ76,77、ガイドプーリ72、両アーム86,87およびテンションプーリ82は、最高速位置としての第1限界位置および最低速位置としての第2限界位置により規定される揺動範囲において移動可能である。
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
運転者によりクランク軸12が正回転方向A0に駆動されているとき、またはクランク軸12が逆回転または停止している状態で自転車Bが前進しているとき、変速操作部材61の操作により、ディレイラ70の第1,第2ホルダ76,77、ガイドプーリ72、第1,第2アーム86,87およびテンションプーリ82が、図2〜図4に実線で示される前記基本位置としての最高速位置(ここでは、7速位置)を占めて、スプロケット群40の中で作動スプロケットとして変速スプロケット47が選択され、チェーンCは、図3,図4に実線で示される位置の駆動スプロケット39と変速スプロケット47とに掛け渡される。正回転するクランク軸12は、一方向クラッチ20およびボールスプライン機構30を介して駆動スプロケット39を回転駆動し、駆動スプロケット39はチェーンCを介して変速スプロケット47、出力軸15および駆動スプロケット17を、両スプロケット32,47により決定される変速比で回転駆動する。そして、駆動スプロケット17は、チェーン19を介して被動スプロケット18および後輪Wrを回転駆動する。
この最高速位置にある状態から、変速位置を切り換えるために、作動スプロケットとして、より低速の変速スプロケット41〜46、例えば変速スプロケット41を選択するように変速操作部材61が操作されると、インナケーブル62bによりディレイラ70の平行リンク機構73が操作されて、平行リンク機構73により第1,第2ホルダ76,77、ガイドプーリ72、第1,第2アーム86,87、テンションプーリ82が軸方向での左方および回転中心線L3に対して径方向外方に移動して、図2〜図4に二点鎖線で示される最低速位置(ここでは、1速位置)を占める。そして、ガイドプーリ72およびテンションプーリ82と共に左方に移動するチェーンCが、駆動スプロケット39をクランク軸12の主軸12aに対して軸方向で左方に移動させ、駆動スプロケット39が図3,図4に二点鎖線で示される位置を占める。このとき、チェーンCは変速スプロケット41に掛け渡されて、チェーンCを介して駆動スプロケット39と駆動連結される。
また、この1速位置に対してより高速の変速位置の変速スプロケット42〜47を選択するように変速操作部材61が操作されると、インナケーブル62bによりディレイラ70の平行リンク機構73が操作されて、平行リンク機構73により第1,第2ホルダ76,77、ガイドプーリ72、第1,第2アーム86,87、テンションプーリ82が軸方向での右方および回転中心線L3に対して径方向内方に移動し、ガイドプーリ72およびテンションプーリ82と共に右方に移動するチェーンCが、駆動スプロケット39を主軸12aに対して右方に移動させると同時にチェーンCは選択された変速スプロケット42〜47に巻き掛けられる。
このようにして、変速操作機構60による変速操作に応じて作動するディレイラ70により、変速スプロケット41〜47の間でチェーンCが掛け換えられて、チェーンCが掛け渡される選択された作動スプロケットと駆動スプロケット39とにより決定される変速比で自転車Bが走行する。
そして、一方向クラッチ20、ボールスプライン機構30および駆動スプロケット39を備える前記トルク伝達機構において、クラッチアウタ22および内筒31は、別個の部材で構成され、それぞれ、互いに軸方向で重なるクラッチ側重合部26およびスライド側重合部35を有し、軸方向に平行な案内溝36は、軸方向での両端部36a,36bで軸方向に開放して内筒31の外周面に形成され、クラッチアウタ22および内筒31は、重合部26と重合部35とにおいて一体に回転可能に連結され、重合部26は、軸方向で案内溝36と重なるように配置されて、外筒32および駆動スプロケット39が、内筒31およびクランク軸12に対して移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制する。これにより、外筒32と共に駆動スプロケット39を軸方向に移動可能に案内する案内溝36は、内筒31の外周面に、軸方向での両端部36a,36bが軸方向に開放するように軸方向に平行に形成されることから、軸方向に開放することなく途中で行き止まりになる案内溝に比べて、機械加工による案内溝36の形成が容易になって、溝の加工手段の選択肢が拡大し、案内溝36をコストがより低い加工手段、例えばブローチ加工により加工することが可能になるので、内筒31の加工コストが削減され、ひいては前記トルク伝達機構のコストが削減される。そして、移動範囲を越える外筒32および駆動スプロケット39の軸方向での移動は、クラッチアウタ22の一部であって内筒31が連結される重合部26の一部が軸方向で案内溝36に重なるように配置されることにより規制されるので、両端部36a,36bが開放する案内溝36に対して重合部26を利用した簡単な構造により駆動スプロケット39の軸方向での移動を規制することができる。
ボールスプライン機構30のボール33は、内筒31と外筒32との間に配置されると共に案内溝36,37に収容されて軸方向に平行に移動可能に案内され、重合部26は、ボール33に当接してボール33の軸方向での移動を規制することにより、外筒32が移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制することにより、案内溝36,37に収容されるボール33を備えるボールスプライン機構30において、ボール33に当接する重合部26により、移動範囲を越える外筒32および駆動スプロケット39の軸方向での移動が規制されると共に、案内溝36からのボール33の抜止めが行われるので、重合部26を利用した簡単な構造により、駆動スプロケット39の軸方向での移動の規制と、ボール33の抜止めとを行うことができる。
クラッチアウタ22は、爪23が係合するラチェット歯27が内周面に形成された本体部25を有し、本体部25の最大内径d1は、重合部26の最小内径d2以下であり、ラチェット歯27は、本体部25の内周面に軸方向に平行に延びて軸方向での両端部が軸方向に開放する溝28が形成されることにより形成されることにより、軸方向に開放することなく途中で行き止まりになる溝28によりラチェット歯27が形成される場合に比べて、機械加工によるラチェット歯27の形成が容易になって、ラチェット歯27の加工手段の選択肢が拡大し、ラチェット歯27をコストがより低い加工手段、例えばブローチ加工で加工することが可能になる。この結果、重合部26を有するクラッチアウタ22において、爪23が係合するラチェット歯27の加工が容易になることで、クラッチアウタ22の加工コストが削減され、ひいては前記トルク伝達機構のコストが削減される。
重合部26と、重合部26よりも径方向内方に配置された重合部35とは、連結ピン100により連結され、連結ピン100は、重合部26に形成された挿入孔120に挿入されるクラッチ側挿入部101と、スリット140に挿入されるスライド側挿入部102とを有し、連結ピン100において挿入部101よりも挿入部102寄りには、挿入孔120に挿入不能な段部103が形成されていることにより、クラッチアウタ22と内筒31とは、それぞれの重合部26および重合部35に形成された挿入孔120およびスリット140に挿入される挿入部101および挿入部102を有する連結ピン100により連結されるので、簡単な構造によりクラッチアウタ22と内筒31とが連結される。そして、連結ピン100には段部103が形成されているので、クラッチアウタ22および内筒31の回転により発生する遠心力が連結ピン100に作用したとき、段部103が重合部26に当接することにより、連結ピン100が径方向外方に移動することが防止される。この結果、簡単な構造により、クラッチアウタ22および内筒31の回転により連結ピン100が内筒31およびクラッチアウタ22から抜け出すことが防止される。
重合部26と、重合部26よりも径方向内方に配置された重合部35とは、連結ピン100により連結され、連結ピン100は、重合部35に形成されたスリット140に挿入される挿入部102を有し、スリット140は、軸方向での重合部35の端部に形成されて軸方向に開放しており、連結ピン100は、スリット140を規定する壁面のうちの周方向で対向する1対の接触平面140aにそれぞれ面接触する1対の接触平面102aを有し、連結ピン100は、軸方向からスリット140に挿入されることにより、連結ピン100と内筒31との間でのトルク伝達が面接触する部分により行われるので、両者の接触部での面圧が減少するうえ、平面による面接触であることにより、簡単な構造によりクラッチアウタ22と内筒31とが連結されると共に連結ピン100の回止めがなされることから、連結ピン100と内筒31およびクラッチアウタ22との相対回転が防止されて、該相対回転による摩耗が防止され、連結ピン100と内筒31およびクラッチアウタ22との間に摩耗による隙間の形成が防止または抑制されるので、クラッチアウタ22と内筒31との一体回転性能を長期に渡って維持できる。また、連結ピン100は内筒31に対して軸方向から挿入されるので、クラッチアウタ22と内筒31との連結ピン100による連結作業が容易になって、クラッチアウタ22と内筒31との連結作業の作業性が向上する。
変速装置Tにおいて、ボールスプライン機構30の内筒31は、外筒32を軸方向に移動可能に案内する案内面S1を有し、外筒32には、軸方向での駆動スプロケット39の位置に無関係に案内面S1,S2の径方向外方を覆うダストカバー150が設けられることにより、ボールスプライン機構30の案内溝36,37の案内面S1,S2は、軸方向に移動する駆動スプロケット39の位置に無関係に、ダストカバー150により覆われることから、各スプロケット39,41〜47とチェーンCとの噛合いやチェーンCとディレイラ70のガイドプーリ72やテンションプーリ82との接触により発生する摩耗粉などの異物が案内面S1,S2上に侵入して案内面S1,S2に付着することが防止または抑制されるので、外筒32と一体に運動する駆動スプロケット39が、チェーンCの軸方向での移動により軸方向に移動するとき、その軸方向での移動が案内面S1,S2に付着した異物により阻害されることが防止または抑制されて、駆動スプロケット39の軸方向への移動の円滑性が向上し、ひいては変速装置Tの変速切換の円滑性が向上するうえ、メンテナンスサイクルを延ばすことができる。
ダストカバー150は、内筒31を全周に渡って覆う筒状に形成されており、軸方向での端部151e,152eに向かって先細になる先細部151c,152cを有することにより、ダストカバー150は、内筒31を全周に渡って覆うので、周方向での内筒31の全域で案内面S1,S2上へ異物の侵入が防止または抑制される。さらに、先細部151c,152cにより軸方向でのダストカバー150の開口153,154の面積が減少するので、ダストカバー150が外筒32と共に軸方向に移動する際に、開口153,154からの異物の侵入が抑制されるので、案内面S1,S2上への異物の侵入が防止または一層抑制されて、駆動スプロケット39の軸方向への移動の円滑性、ひいては変速装置Tの変速切換の円滑性が、一層向上する
ダストカバー150を構成する第1,第2カバー151,152は外筒32とは別個の部材であり、第1,第2カバー151,152の内周面には、外筒32の外周面に形成された凹部32a,32bに係合する凸部151d,152dが形成され、凸部151d,152dと、外筒32の外面に形成された凹部32a,32bとを係合させることにより、第1,第2カバー151,152が外筒32に取り付けられるので、第1,第2カバー151,152の取付が容易化され、しかも第1,第2カバー151,152を外筒32に取り付けるために、別途、取付用部材を使用する必要がないので、変速装置Tのコストを削減することができる。
ディレイラ70は、変速スプロケット41〜47の間でのチェーンCの掛換え時にチェーンCを掛換え先の変速スプロケットに案内するガイドプーリ72を備え、第1,第2カバー151,152はガイドプーリ72よりも下方に位置し、ガイドプーリ72は、クランク軸12の回転中心線L1からガイドプーリ72までの最短距離が駆動スプロケット39の外径d3よりも小さい位置に配置されることにより、チェーンCの掛換えを行う際、チェーンCと接触するために摩耗粉の発生量が比較的多いガイドプーリ72の付近から落下する摩耗粉が、ボールスプライン機構30の案内面S1,S2上に侵入することが、ダストカバー150により防止または抑制されることから、ガイドプーリ72が、クランク軸12の回転中心線L1からガイドプーリ72までの最短距離が駆動スプロケット39の外径d3よりも小さい位置に配置されて、駆動スプロケット39とガイドプーリ72とが近接して配置される場合にも、摩耗紛の案内面S1,S2上への侵入が確実に防止または抑制される。この結果、駆動スプロケット39の軸方向への移動の円滑性が確保されたうえで、駆動スプロケット39とガイドプーリ72とを近接して配置することができるので、変速装置Tを小型化することができる。さらに、揺動範囲の全体において、ガイドプーリ72におけるチェーンCの巻掛け部C1を少なくとも含んで、ガイドプーリ72のほぼ全体が、回転中心線L1を中心として駆動スプロケット39の外径d3を半径とする円内に位置することにより、変速装置Tが一層小型化される。
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
アウタ側係合部が凸部により構成され、カバー側係合部が凹部により構成されてもよい。また、ダストカバー150は、外筒32に一体成形されてもよい。また、先細部151c,152cは、端部151e,152eを含むことなく、該端部151e,152eよりも基部151a,152a寄りに形成されてもよい。
ダストカバー150は、周方向での案内面S1,S2の位置に対応して少なくとも該案内面S1,S2を覆うのに十分な周方向の幅を有する覆い部を有するものであってもよい。このとき、案内溝36,37に等しい数の前記覆い部は、周方向に間隔をおいて設けられる。
変速ケース90は、密閉された内部93を形成することなく、外部に開放する開口が形成された変速ケース90であってもよい。
スライド機構は、連結素子を備えることなく、軸方向に平行に延びる複数の突条および該突条が嵌合する複数の軸方向に平行に延びる溝からなるスプラインであってもよい。連結ピンまたは前記連結部材は、クラッチアウタ22または内筒31に一体成形されてもよい。
本発明の実施形態を示し、本発明が適用された変速装置を備える自転車の概略の左側面図である。 図1の変速装置の第2ケースを外した状態での、図4のII矢視および一部を図5のII−II線断面で示す図である。 図2のIII−III線断面図であり、ディレイラの一部については断面を示す図である。 図2のIV−IV線断面図であり、ディレイラの一部については、IVa線での断面図である。 図3の要部拡大図である。 図5のVI−VI線断面図である。 図5のVII−VII線断面図である。 図5のVIII−VIII線断面図である。 図2のIII−III線でのボールスプライン機構の内筒の要部断面図である。
符号の説明
12…クランク軸、20…一方向クラッチ、22…クラッチアウタ、26…クラッチ側重合部、30…ボールスプライン機構、31…内筒、35…スライド側重合部、36,37…案内溝、39…駆動スプロケット、41〜47…変速スプロケット、70…ディレイラ、90…変速ケース、100…連結ピン、120…挿入孔、140…スリット、150…ダストカバー、
B…自転車、T…変速装置、S1,S2…案内面、M1…変速機構、M2…変速切換機構、C…チェーン。

Claims (5)

  1. 第1回転部材と、前記第1回転部材と一体に回転可能なクラッチインナにクラッチ素子を介して連結されるクラッチアウタを備える一方向クラッチと、前記クラッチアウタと一体に回転可能なインナ部材に対して一体に回転可能にかつ軸方向に移動可能に前記インナ部材に連結されるアウタ部材を備えるスライド機構と、前記アウタ部材と一体に運動する第2回転部材と、を備えるトルク伝達機構であって、前記一方向クラッチは、前記第1回転部材の正回転時のトルクのみを前記スライド機構を介して前記第2回転部材に伝達し、前記インナ部材の外周面には、前記アウタ部材を軸方向に移動可能に案内する案内溝が軸方向に平行に形成されたトルク伝達機構において、
    前記クラッチアウタおよび前記インナ部材は、別個の部材で構成され、それぞれ、互いに軸方向で重なるクラッチ側重合部およびスライド側重合部を有し、前記案内溝は、軸方向での両端部で軸方向に開放して形成され、前記クラッチアウタおよび前記インナ部材は、前記クラッチ側重合部と前記スライド側重合部とにおいて一体に回転可能に連結され、前記クラッチ側重合部は、軸方向で前記案内溝と重なるように配置されて、前記アウタ部材が前記インナ部材に対して所定の移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制することを特徴とするトルク伝達機構。
  2. 前記スライド機構は、前記インナ部材と前記アウタ部材とを前記インナ部材に対して一体に回転可能にかつ軸方向に移動可能に連結する連結素子を備え、前記連結素子は、前記インナ部材と前記アウタ部材との間に配置されると共に前記案内溝に収容されて軸方向に移動可能に案内され、前記クラッチ側重合部は、前記連結素子に当接して前記連結素子の軸方向での移動を規制することにより、前記アウタ部材が前記移動範囲を越えて軸方向に移動するのを規制することを特徴とする請求項1記載のトルク伝達機構。
  3. 前記クラッチアウタは、前記クラッチ素子が係合する係合部が形成された本体部を有し、前記本体部の最大内径は、前記クラッチ側重合部の最小内径以下であり、前記係合部は、前記内周面に軸方向に平行に延びて軸方向での両端部が軸方向に開放する溝が形成されることにより形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のトルク伝達機構。
  4. 前記クラッチ側重合部と、前記クラッチ側重合部よりも径方向内方に配置された前記スライド側重合部とは、連結ピンにより連結され、前記連結ピンは、前記クラッチ側重合部に形成されたクラッチ側挿入空間に挿入されるクラッチ側挿入部と、前記スライド側重合部に形成されたスライド側挿入空間に挿入されるスライド側挿入部とを有し、前記連結ピンにおいて前記クラッチ側挿入部よりも前記スライド側挿入部寄りには、前記クラッチ側挿入空間に挿入不能な段部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のトルク伝達機構。
  5. 前記クラッチ側重合部と、前記クラッチ側重合部よりも径方向内方に配置された前記スライド側重合部とは、連結ピンにより連結され、前記連結ピンは、前記スライド側重合部に形成されたスライド側挿入空間に挿入されるスライド側挿入部を有し、前記スライド側挿入空間は、軸方向での前記スライド側重合部の端部に形成されて軸方向に開放したスリットにより構成され、前記連結ピンは、前記スリットを規定する壁面のうちの周方向で対向する1対のスライド側接触平面にそれぞれ面接触する1対のピン側接触平面を有し、前記連結ピンは、軸方向から前記スリットに挿入されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のトルク伝達機構。
JP2004285493A 2004-09-29 2004-09-29 一方向クラッチおよびスライド機構を備えるトルク伝達機構 Expired - Fee Related JP4530783B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004285493A JP4530783B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 一方向クラッチおよびスライド機構を備えるトルク伝達機構
TW094127512A TWI274113B (en) 2004-09-29 2005-08-12 One-way clutch and torque transmission mechanism provided with slide mechanism
US11/236,682 US7621834B2 (en) 2004-09-29 2005-09-27 Bicycle transmission apparatus including a one-way clutch and a slide mechanism, and bicycle incorporating same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004285493A JP4530783B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 一方向クラッチおよびスライド機構を備えるトルク伝達機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006097799A JP2006097799A (ja) 2006-04-13
JP4530783B2 true JP4530783B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=36100006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004285493A Expired - Fee Related JP4530783B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 一方向クラッチおよびスライド機構を備えるトルク伝達機構

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7621834B2 (ja)
JP (1) JP4530783B2 (ja)
TW (1) TWI274113B (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7381143B2 (en) * 2003-03-26 2008-06-03 Honda Motor Co., Ltd. Transmission apparatus for a bicycle
JP4219311B2 (ja) 2004-08-27 2009-02-04 本田技研工業株式会社 変速装置
EP2420435B1 (en) * 2010-08-16 2013-10-30 Andy Wuthrich Bicycle frame with rear suspension system
JP5649374B2 (ja) * 2010-08-30 2015-01-07 本田技研工業株式会社 補助動力装置付き自転車
US8776973B2 (en) * 2011-01-12 2014-07-15 Tai-Her Yang Compelling-type radial clutch device with C-shaped joint structure
CN104541080A (zh) * 2012-06-20 2015-04-22 戴科知识产权控股有限责任公司 附件驱动分离器
ITTO20130677A1 (it) 2013-08-06 2015-02-07 Dayco Europe Srl Puleggia filtrante per una trasmissione a cinghia
TW201514400A (zh) * 2013-10-14 2015-04-16 Chen zheng he 二輪載具結構(一)
JP2017109529A (ja) * 2015-12-14 2017-06-22 株式会社シマノ 自転車用クランク組立体
US10300986B2 (en) * 2016-04-27 2019-05-28 Shimano Inc. Bicycle transmission apparatus and bicycle drive unit
US10316951B2 (en) 2016-07-13 2019-06-11 Shimano Inc. Bicycle drive unit
US10435112B2 (en) * 2017-04-07 2019-10-08 Shimano Inc. Bicycle drive train
CN107826202A (zh) * 2017-09-25 2018-03-23 河北恒驰自行车零件集团有限公司 一种飞轮曲柄
CN110920799B (zh) * 2019-12-25 2020-10-09 台州春来机电有限公司 一种电动车动力装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231491A (ja) * 2002-02-08 2003-08-19 Sunstar Eng Inc 有酸素運動を可能とする電動アシスト自転車
JP2004155280A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Honda Motor Co Ltd 自転車

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1743492A (en) * 1927-08-02 1930-01-14 Harry E Sipe Resilient plug, dowel, and coupling pin
US3658369A (en) * 1971-07-06 1972-04-25 David A Barnes Locking equipment coupling pin
US5271486A (en) * 1989-03-13 1993-12-21 Ntn Corporation Torque limiter
JP3166401B2 (ja) * 1993-05-17 2001-05-14 日産自動車株式会社 電動ブレーキ用アクチュエータ
US5515957A (en) * 1994-09-08 1996-05-14 Mcconaghy; Robert F. Uni-directional transmission with positive engagement and disengagement features
JPH10203465A (ja) * 1997-01-17 1998-08-04 Suzuki Motor Corp 駆動補助力付自転車の駆動補助装置
EP1000791B1 (en) * 1998-06-05 2010-04-14 Kanzaki Kokyukoki MFG. Co., Ltd. Transmission mechanism of vehicle with hst and pressure oil feeding device for the mechanism

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231491A (ja) * 2002-02-08 2003-08-19 Sunstar Eng Inc 有酸素運動を可能とする電動アシスト自転車
JP2004155280A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Honda Motor Co Ltd 自転車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006097799A (ja) 2006-04-13
US20060068954A1 (en) 2006-03-30
US7621834B2 (en) 2009-11-24
TWI274113B (en) 2007-02-21
TW200624691A (en) 2006-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7621834B2 (en) Bicycle transmission apparatus including a one-way clutch and a slide mechanism, and bicycle incorporating same
US7503862B2 (en) Transmission with internal protective shield and bicycle incorporating same
US7611430B2 (en) Transmission system for a bicycle, and bicycle incorporating same
JP4601480B2 (ja) 自転車用変速装置
JP3568123B2 (ja) 自転車リアディレーラのケージ板調節機構
US8371974B2 (en) Chain tension structure
US7153229B2 (en) Chain alignment structure of bicycle transmission
JP4115249B2 (ja) 自転車
US7686716B2 (en) Drive sprocket wheel slide restricting structure of bicycle transmission
CA2496191C (en) Transmission casing for bicycle
US7244203B2 (en) Bicycle derailleur
US7736253B2 (en) Gear-shifting apparatus for a bicycle, and bicycle incorporating same
JP4115311B2 (ja) 自転車用変速装置
JP2005225466A (ja) 自転車用変速機構造
US20050176536A1 (en) Drive sprocket wheel slide restricting structure of bicycle transmission
US7520831B2 (en) Gear-shifting apparatus, and bicycle incorporating same
US7381143B2 (en) Transmission apparatus for a bicycle
JP4416604B2 (ja) 変速装置
JP4219310B2 (ja) 変速装置
JP2004299676A (ja) 変速装置を備える自転車
JP2004291802A (ja) 変速装置
JP2004291800A (ja) 自転車用変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061129

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4530783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140618

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees