JP4530486B2 - ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびその用途 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性、耐熱性、ガスバリア性のバランスに優れたポリエステル樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。本ポリエステル樹脂組成物を成形してなるフィルムは、ガスバリア性の必要な食品などの包装材料として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品などの包装に用いられる軟包装材料としては、ポリオレフィン系樹脂などが用いられている。このようなポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂などが挙げられる。しかし、これらのポリオレフィン樹脂は、柔軟性やヒートシール性に優れているが、ガスバリア性や保香性、耐熱性については不十分であった。
【0003】
そこで、上記問題を解決するため、エチレンビニルアルコール共重合体やナイロン樹脂といったバリア性、耐熱性に優れる樹脂とポリオレフィン樹脂とを多層化したり、またはポリ塩化ビニリデン層を表面にコーティングすることで、酸素の進入や不活性ガス、香気の散逸を防ぐといった工夫がされてきた。
【0004】
しかしながら、これらの材料を成形するためには、特殊な設備が必要になり、経済的に不利になるだけではなく、一度フィルムや容器という製品の形で市場に出てしまうと、回収して同じ材料として再利用するのが難しく、リサイクル性に劣るという欠点を有していた。従って、単一の樹脂から構成され、柔軟で、バリア性に優れる材料が望まれていた。
【0005】
一方、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂は、機械的強度、熱的性質に優れる他、上述のバリア性や保香性といった点で優れた材料であるため、飲料ボトルやフィルムといった包装材料として広く用いられているが、柔軟性やヒートシール性といった性質が劣るため、ラップフィルム、パウチ容器、チューブや畜肉包装材料などの軟包装用途としてはあまり用いられてなかった。
【0006】
ポリエステル系樹脂を柔軟化させる方法は、以前にも提案されていた。例えば、日本国特許2760417号においては、Tgが50℃以上の低結晶性ポリエステルとTgが40℃以下のポリエステルからなる組成物が開示されている。また、特開平9−3180号においては、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとを溶融反応させて得られる樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、柔軟で、かつガスバリア性と耐熱性に優れるポリエステル樹脂組成物は提案されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、柔軟性に優れ、かつガスバリア性と耐熱性に優れるポリエステル樹脂組成物およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題解決のための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、上記課題を解決しうる本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレートから選ばれる少なくとも1種類の結晶性ポリエステル(B)40〜90重量部と、全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グコール酸、ジグコール酸、乳酸、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールから選ばれる化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であり、かつ、DSCで測定するTgが20℃以下の非晶性ポリエステル(C)60〜10重量部とからなるポリエステル樹脂組成物(A)である。
【0010】
上記本発明において、ポリエステル樹脂組成物(A)がDSCで測定する融解ピーク温度が140〜270℃の範囲にあり、そのDSCから求められる融解熱ΔHfa(J/g)と、そのプレス成形シートの23℃で測定した場合の引張弾性率YMa(MPa)の関係が、
ΔHfa>YMa×1/50およびYMa<1500を満足する態様は、好ましい態様である。
【0011】
また本発明によれば、のは、結晶性ポリエステル(B)と非晶性ポリエステル(C)とを溶融混合するポリエステル樹脂組成物(A)の製造方法が提供される。
【0012】
上記(B)と(C)を溶融混合する際に、合計100重量部に対して、0.001〜1重量部のリン化合物を添加することもポリエステル樹脂組成物(A)の製造方法の好ましい態様である。
また、(B)と(C)を溶融混合した後、得られた組成物を、その融点以下の温度で、減圧下あるいは不活性気流下にて20分〜100時間の範囲で保持するのも、ポリエステル樹脂組成物(A)の製造方法の好ましい態様である。
【0013】
さらに本発明によれば、上記のポリエステル樹脂組成物(A)を成形してなるフィルムが提供される。
またさらに本発明によれば、上記のポリエステル樹脂組成物(A)を成形してなる延伸フィルムが提供される。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリエステル樹脂組成物、それを構成するポリエステル樹脂の各成分、ならびにポリエステル樹脂組成物の製造方法、およびポリエステル樹脂よりなるフィルムについて具体的に説明する。
【0015】
【ポリエステル樹脂組成物】
本発明のポリエステル樹脂組成物(A)は、
(B)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレートから選ばれる少なくとも1種類の結晶性ポリエステル40〜90重量部、好ましくは50〜85重量部と
(C)全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グコール酸、ジグコール酸、乳酸、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールから選ばれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、かつ、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であることを特徴とし、かつDSCで測定するTgが20℃以下のポリエステル60〜10重量部好ましくは50〜15重量部とからなる。
【0016】
まず、このそれぞれの成分について説明する。
(B)結晶性ポリエステル
本発明のポリエステル樹脂組成物(A)の1成分として用いられる結晶性ポリエステル(B)は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレートから選ばれる少なくとも1種類の結晶性ポリエステルである。
【0017】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカルボン酸単位と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体から導かれるジオール(ジヒドロキシ)単位およびその他ヒドロキシカルボン酸単位などとからなる。
【0018】
本発明のポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸の単位およびエチレングリコールの単位以外の、他のジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などから導かれる単位を含んでいてもよい。
本発明のポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などの単位を計100モル%とするとき、テレフタル酸の単位およびエチレングリコールの単位以外に含まれる単位は、15モル%以下、好ましくは、0.5〜15モル%の範囲で含有することが望ましい。
【0019】
含有してもよい単位を導くジカルボン酸としては、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−スルフィドビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸; マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ジグコール酸などの脂肪族ジカルボン酸; シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
【0020】
また、含有してもよい単位を導くジオール類としては、具体的には、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ドデカメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオール; シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール; 1,3-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス(4−β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノール類、ハイドロキノン、レゾルシンなどの芳香族基を含むジオール類が挙げられる。
【0021】
また、含有してもよい単位を導くヒドロキシカルボン酸類としては、グコール酸、乳酸、3ヒドロキシブチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシメチル安息香酸、m−ヒドロキシメチル安息香酸、p−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、m−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸が挙げられる。
【0022】
これらの含有してもよい単位を導く化合物の中では、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸が好ましい。これらを含有したポリエチレンテレフタレートを用いるとポリエステル樹脂組成物(A)のガスバリア性は向上する。
【0023】
さらに本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは、本発明の目的を損なわない範囲であれば、3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、または3以上のヒドロキシ基を有する多官能ジオールから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばトリメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能カルボン酸類、グリセリン、1,1,1-トリメチロールメタン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエルスリトールなどの多官能アルコール類から導かれる単位を含有していてもよい。
【0024】
また、上記結晶性ポリエステル(B)として用いられるポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカルボン酸単位と、トリメチレングリコールまたはそのエステル誘導体から導かれるジオール(ジヒドロキシ)単位およびその他ヒドロキシカルボン酸の単位などとからなる。
【0025】
本発明のポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸の単位およびメチレングリコールの単位以外の、他のジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などから導かれる単位を含んでいてもよい。
このポリトリメチレンテレフタレートのジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などの単位を計100モル%とするとき、テレフタル酸の単位およびトリメチレングリコールの単位以外の単位を0.5〜15モル%の範囲で含有することが好ましい。
【0026】
含有してもよい単位を導くジカルボン酸としては、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−スルフィドビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸; マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ジグコール酸などの脂肪族ジカルボン酸; シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
【0027】
また、含有してもよい単位を導くジオール類としては、具体的に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ドデカメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオール; シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール; 1,3-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス(4−β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノール類、ハイドロキノン、レゾルシンなどの芳香族基を含むジオール類が挙げられる。
【0028】
また、含有してもよい単位を導くヒドロキシカルボン酸類としては、グコール酸、乳酸、3ヒドロキシブチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシメチル安息香酸、m−ヒドロキシメチル安息香酸、p−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、m−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸が挙げられる。
【0029】
これらの含有してもよい単位を導く化合物の中では、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸が好ましい。これらを含有したポリトリメチレンテレフタレートを用いるとポリエステル樹脂組成物(B)のガスバリア性は向上する。
【0030】
さらに本発明で用いられるポリトリメチレンテレフタレートは、本発明の目的を損なわない範囲であれば、3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、または3以上のヒドロキシ基を有する多官能ジオールから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばトリメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能カルボン酸類、グリセリン、1,1,1-トリメチロールメタン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエルスリトールなどの多官能アルコール類から導かれる単位を含有していてもよい。
【0031】
また、上記結晶性ポリエステル(B)として用いられるポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカルボン酸単位と、1,4−ブタンジオールまたはそのエステル誘導体から導かれるジオール(ジヒドロキシ)単位およびその他ヒドロキシカルボン酸の単位などとからなる。
【0032】
本発明のポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸の単位および1,4−ブタンジオール単位以外の、他のジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などから導かれる単位を含んでいてもよい。
このポリブチレンテレフタレートのジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などの単位を計100モル%とするとき、テレフタル酸の単位および1,4ブタンジオールの単位以外の単位を0.5〜15モル%の範囲で含有することが好ましい。
【0033】
含有してもよい単位を導くジカルボン酸としては、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−スルフィドビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸; マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ジグコール酸などの脂肪族ジカルボン酸; シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
【0034】
また、含有してもよい単位を導くジオール類としては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ドデカメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオール; シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール; 1,3-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス(4−β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノール類、ハイドロキノン、レゾルシンなどの芳香族基を含むジオール類が挙げられる。
【0035】
また、含有してもよい単位を導くヒドロキシカルボン酸類の単位としては、グコール酸、乳酸、3ヒドロキシブチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシメチル安息香酸、m−ヒドロキシメチル安息香酸、p−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、m−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸が挙げられる。
【0036】
これらの含有してもよい単位を導く化合物の中では、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸が好ましい。これらを含有したポリブチレンテレフタレートを用いるとポリエステル樹脂組成物(A)のガスバリア性は向上する。
【0037】
さらに本発明で用いられるポリブチレンテレフタレートは、本発明の目的を損なわない範囲であれば、3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、または3以上のヒドロキシ基を有する多官能ジオールから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばトリメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能カルボン酸類、グリセリン、1,1,1-トリメチロールメタン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエルスリトールなどの多官能アルコール類から導かれる単位を含有していてもよい。
【0038】
また、上記結晶性ポリエステル(B)として用いられるポリエチレン2,6−ナフタレートは、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカルボン酸単位と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体から導かれるジオール(ジヒドロキシ)単位およびその他ヒドロキシカルボン酸単位などとからなる。
【0039】
本発明のポリエチレン2,6−ナフタレートは、2,6−ナフタレンジカルボン酸の単位およびエチレングリコールの単位以外の他のジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などから導かれる単位を含んでいてもよい。
このポリエチレン2,6−ナフタレートのジカルボン酸、ジオール、その他ヒドロキシカルボン酸などの単位を計100モル%とするとき、2,6−ナフタレンジカルボン酸の単位およびエチレングリコールの単位以外の単位を0.5〜15モル%の範囲で含有することが好ましい。
【0040】
含有してもよい単位を導くジカルボン酸としては、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−スルフィドビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸; マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ジグコール酸などの脂肪族ジカルボン酸; シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
【0041】
また、含有してもよい単位を導くジオール類としては、具体的に、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ドデカメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオール; シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール; 1,3-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス(4−β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノール類、ハイドロキノン、レゾルシンなどの芳香族基を含むジオール類が挙げられる。
【0042】
また、含有してもよい単位を導くヒドロキシカルボン酸類としては、グコール酸、乳酸、3ヒドロキシブチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシメチル安息香酸、m−ヒドロキシメチル安息香酸、p−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、m−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸が挙げられる。
【0043】
これらの含有してもよい単位を導く化合物の中では、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4’−スルホンビス安息香酸が好ましい。これらを含有したポリエチレン2,6−ナフタレートを用いるとポリエステル樹脂組成物(A)のガスバリア性は向上する。
【0044】
さらに本発明で用いられるポリエチレン2,6−ナフタレートは、本発明の目的を損なわない範囲であれば、3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、または3以上のヒドロキシ基を有する多官能ジオールから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばトリメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能カルボン酸類、グリセリン、1,1,1-トリメチロールメタン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、ペンタエルスリトールなどの多官能アルコール類から導かれる単位を含有していてもよい。
【0045】
これらの結晶性ポリエステル(B)は単独で用いてもよいし、複数種類用いてもよい。
【0046】
また、これら上記に示される結晶性ポリエステル(B)は、通常のポリエステル樹脂を製造するのに一般的に採用されているいずれの方法に準じて製造されたものであっても良く、例えば、溶融重縮合により製造されたものでよい。さらに、上記の結晶性ポリエステル(B)は、固相重合されたものであってもよい。
【0047】
また、上記の結晶性ポリエステル(B)の25℃のテトラクロロエタン/フェノール=1/1の混合溶液中で測定した極限粘度[η]は0.4dl/g以上であることが好ましく、0.5〜2.0dl/gであることがより好ましい。
【0048】
更に、本発明の結晶性ポリエステル(B)のDSC(示差走査熱量計)で測定する融解ピーク温度は160〜280℃の範囲にあることが好ましい。ここで、DSCの融解ピーク温度は、常圧の窒素あるいはヘリウム気流下で、樹脂組成物を溶融成形加工可能な温度で一度、溶融させた後、−100℃/分程度の冷却速度で室温まで急冷し固化させた後、再度溶融温度まで10℃/分の昇温速度で測定することにより得られる。また、その条件で測定したピークの面積から融解熱が求められるが、その融解熱ΔHfbは20(J/g)以上であることが好ましく、25(J/g)以上であることがより好ましい。
【0049】
(C)非晶性ポリエステル
本発明の非晶性ポリエステルは全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グコール酸、ジグコール酸、乳酸、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールから選ばれる化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、かつ、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であることを特徴とし、かつ、DSCで測定するTgが20℃以下の非晶性ポリエステルである。
【0050】
ここでの「DSCで測定するTg」とは、−50℃以下の温度、好ましくは−100℃以下の温度域で測定可能なDSCを用い、溶融成形加工可能な温度、好ましくは150℃以上の温度に昇温した後、−50℃以下、好ましくは−100℃以下の温度に−10℃/min.以上の速度で冷却し、その温度に5〜15分の保持の後、再び溶融成形加工の可能な温度、好ましくは150℃以上の温度まで10℃/min.の昇温速度で測定した際に得られたガラス転移において得られる比熱変化の中間の温度のことであり、通常は付属の解析ソフトで容易に求められる。本発明に用いる非晶性ポリエステル(C)はこの温度が20℃以下であり、0℃以下であることが好ましい。
【0051】
また、ここで述べる非晶性とは、一度溶融し、乾燥した室温で5〜10日保持したポリエステル樹脂を、DSCを用いて、−50℃以下、好ましくは−100℃以下の温度に−10℃/min.以上の速度で冷却し、その温度に5〜15分間保持した後、再び溶融成形加工の可能な温度、好ましくは150℃以上の温度まで10℃/min.の昇温速度で測定した際に、ガラス転移による熱容量の変化以外に、少なくとも0.5J/g以上のピークが確認できないもののことである。
【0052】
この非晶性ポリエステル(C)は、全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グコール酸、ジグコール酸、乳酸、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールから選ばれる化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上、望ましくは90モル%以上、更に望ましくは95モル%以上含有することが好ましい。
【0053】
上記の構造単位以外の単位は任意であるが、例えば、ジカルボン酸類の単位としては、具体的に、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
【0054】
また、含有してもよい単位を導くジオール類としては、具体的に、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ドデカメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、1,3-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族基を含むジオール類が挙げられる。
【0055】
さらに、含有してもよい単位を導くヒドロキシカルボン酸類としては、3ヒドロキシブチル酸、p−ヒドロキシメチル安息香酸、m−ヒドロキシメチル安息香酸、p−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、m−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸が挙げられる。
【0056】
本発明のように、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であることが好ましい。このように、主要構成成分が3種類以上になると、結晶性が阻害されやすいため好ましく、メチレン数の小さい脂肪族のジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシカルボン酸を選ぶと、ポリエステル(C)のガスバリア性が向上するため、全体のポリエステル樹脂組成物のガスバリア性の向上に寄与する。
【0057】
これら、上記に示される非晶性ポリエステル(C)は、通常のポリエステル樹脂を製造するのに一般的に採用されているいずれの方法に準じて製造されたものであっても良く、例えば、溶液重縮合や溶融重縮合により製造されたものでよい。
【0058】
また、上記の非晶性ポリエステル(C)の25℃のテトラクロロエタン/フェノール=1/1の混合溶液中で測定した極限粘度[η]は0.4dl/g以上であることが好ましく、0.5〜2.0dl/gであることがより好ましい。
【0059】
本発明のポリエステル樹脂組成物(A)は、
ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレートから選ばれる少なくとも1種類の結晶性ポリエステル(B)40〜90重量部と、
全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グコール酸、ジグコール酸、乳酸、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールから選ばれる化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、かつ、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であり、かつ、DSCで測定するTgが20℃以下の非晶性ポリエステル(C)60〜10重量部とからなる組成物である。
【0060】
上記(B)と(C)の組合せとして、
(B)結晶性ポリエステルが、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有するポリエチレンテレフタレート系ポリエステルである態様が本発明の好ましい態様の一つである。
【0061】
また、上記(B)結晶性ポリエステルが、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有するポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルである態様が本発明の好ましい態様の一つである。
【0062】
また、上記(B)結晶性ポリエステルが、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有するポリブチレンテレフタレート系ポリエステルである態様が本発明の好ましい態様の一つである。
【0063】
また、結晶性ポリエステル(B)が、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有することを特徴とする ポリエチレン2,6−ナフタレート系ポリエステルである態様が本発明の好ましい態様の一つである。
【0064】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物を構成する結晶性ポリエステル(B)と非晶性ポリエステル(C)において、非晶性ポリエステル(C)が、全構成単位を100モル%とするとき、コハク酸、グルタル酸、グコール酸、ジグコール酸、エチレングリコール、トリメチレングリコールから選ばれる脂肪族系化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、かつ、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上である態様も本発明の好ましい態様である。
【0065】
この特徴を有する非晶性ポリエステル(C)と、上記した本発明の好ましい態様として示された特徴を有する結晶性ポリエステル(B)が組み合わされた本発明のポリエステル樹脂組成物はさらに好ましい態様である。
【0066】
ポリエステル樹脂組成物(A)
本発明のポリエステル樹脂組成物(A)は、上記の結晶性ポリエステル(B)と非晶性ポリエステル(C)から構成される結晶性のポリエステル樹脂組成物であり、この樹脂組成物のDSC(示差走査熱量計)で測定する融解ピーク温度が140〜270℃の範囲にあることを特徴とする。ここで、DSCの融解ピーク温度は、常圧の窒素あるいはヘリウム気流下で、樹脂組成物を260℃以上の温度で一度、溶融させた後、−100℃/分程度の冷却速度で室温まで急冷し固化させた後、再度溶融温度まで10℃/分の昇温速度で測定することにより得られる。また、その条件で測定したピークの面積から融解熱が求められるが、ここで求められた融解熱ΔHfa(J/g)と、このポリエステル樹脂組成物のプレス成形体の初期引張弾性率(ヤング率)YMa(MPa)とするとき、これらの関係が下記式を満足することを特徴とする。
ΔHfa>YMa×1/50およびYMa<1500
上記の条件式を満たすものは、少なくとも耐熱性に優れ、柔軟性が優れる。
【0067】
ここでのプレス成形体は、2枚の金属板、アルミ板および離型フィルムの間にスペーサーとともに樹脂組成物をはさみ溶融温度、好ましくはDSCピーク温度+15℃〜320℃の範囲の温度に加熱し、樹脂組成物を融解させたのち、5MPa〜15MPaの圧力で0.5〜10分の範囲の時間加圧後、0℃以下の温度に設定したプレス成形機で再度5MPa〜15MPaの圧力でこれら2枚の金属板、アルミ板、離型フィルムに挟まれている樹脂組成物を圧縮冷却することにより得られる。
【0068】
このときの金属板の材質は、鉄、ステンレス鋼、真鍮から選ばれるのが好ましく、厚さは2〜10mmの間、好ましく、3〜6mmの間であることがより好ましい。また、ここでのアルミ板は厚さが0.03〜0.5mmの間であることが好ましく、0.05〜0.2mmであることがより好ましい。さらに、ここでの離型フィルムとしては、耐熱温度が300℃以上の樹脂フィルムであり、ポリテトラフルオロエチレンフィルムやポリイミドフィルムが好ましく、その厚さは、0.03〜0.3mmの間であることが好ましく、0.04〜0.2mmであることがより好ましい。
【0069】
少なくとも、ポリエチレンテレフタレートを用いてプレス成形を行った場合、X線で測定した結晶化度は0〜5%の範囲となり、ポリブチレンテレフタレートを用いて、プレス成形をおこなうと、結晶化度が30〜60%の範囲になる条件が好ましい。
【0070】
また、得られるプレス成形体の厚さは0.1〜2mmの間であることが好ましく、引張試験に用いる試料の形状はダンベル型であることが好ましい。引張試験は、プレス成形後温度23±1℃、相対湿度50±10%の条件で3日〜10日の間、エイジングを行った試料について、温度23±1℃、相対湿度50±10%の条件下で行わなければならない。
【0071】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物(A)の25℃のテトラクロロエタン/フェノール=1/1の混合溶液中で測定した極限粘度[η]は0.4dl/g以上であることが好ましく、0.5〜2.0dl/gであることがより好ましい。
【0072】
【ポリエステル樹脂組成物の製造方法】
上記の特徴を有するポリエステル樹脂組成物(A)は、結晶性ポリエステル(B)と非晶性ポリエステル(C)を溶融混合することにより得られることを特徴とする。
【0073】
混合に用いる結晶性ポリエステル(B)の25℃のテトラクロロエタン/フェノール=1/1の混合溶液中で測定した極限粘度[η]は0.4dl/g以上であることが好ましく、0.5〜2.0dl/gであることがより好ましい。また、同様に混合に用いる非晶性ポリエステル(C)の25℃のテトラクロロエタン/フェノール=1/1の混合溶液中で測定した極限粘度[η]は0.4dl/g以上であることが好ましく、0.5〜2.0dl/gであることがより好ましい。
【0074】
これらを溶融混合する温度は結晶性ポリエステル(B)の融点+10℃以上、好ましくは15℃以上の温度である。混合時間は、30秒〜3時間の間が好ましく、1分〜30分の間がより好ましい。この溶融混合を行う装置としては、押出機、プラストミル、ニーダーあるいは、攪拌装置、減圧装置の付いた反応器などが挙げられる。また、この溶融混合は不活性気体雰囲気下かつ減圧下で行われるのが望ましい。
【0075】
さらに、これらの混合は、結晶性ポリエステル(B)や非晶性ポリエステル(C)以外に、触媒や安定剤の存在下でおこなわれても良い。触媒や安定剤は、結晶性ポリエステル(B)や非晶性ポリエステル(C)が、あらかじめ含有していてもよく、溶融混合の際に、添加しても構わない。触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいはマンガン、亜鉛、スズ、コバルト、チタン、アンチモン、ゲルマニウムなどの金属化合物が例示される。また、安定剤や着色防止剤としては、リン化合物やは、ヒンダードフェノール化合物などが例示される。
【0076】
これらの中では、特にリン化合物を含有するのが好ましい。リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸などの無機リン化合物、トリメチルリン酸やジフェニルリン酸などのリン酸エステル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどの亜リン酸エステル化合物などがあげられる。このようなリン化合物を含有していると、少なくとも色相が良好な樹脂組成物が得られ、なおかつエステル交換速度を遅くする作用があるため、安定した品質の樹脂組成物を製造することが容易になる。
【0077】
溶融温度、溶融時間、溶融混合の装置等の溶融条件の選択は、結晶性ポリエステル(B)と、非晶性ポリエステル(C)の組成、分子量、触媒や安定剤の有無により、適宜選択できる。例えば、プラストミルなどの常圧条件で溶融混練を行う装置を用いて、[η]が0.6〜0.8dl/gのポリエチレンテレフタレートなどの芳香族の結晶性ポリエステル(B)と[η]が0.6〜0.8dl/gのコハク酸・グルタル酸・エチレングリコール共重合体などの脂肪族系の非晶性ポリエステル(C)を、触媒の存在下混合する場合には、結晶性ポリエステルの融点+10℃〜30℃の温度範囲で、5分から15分の間、溶融混合されるのが好ましい。結晶性ポリエステル(B)および/または非晶性ポリエステル(C)の分子量がこれより大きい場合には、さらに長時間溶融混合されるのが好ましく、触媒が存在しない、あるいは失活している場合には、さらに長時間溶融混合されるのが好ましく、リン酸エステルなどの安定剤が存在している場合にも、さらに長時間溶融混合されるのが好ましい。また、この混合が減圧下で行われる場合には、より短時間で溶融混合されるのが好ましく、回転数が大きいなどの混練の強い条件でも、より短時間で溶融混合されるのが好ましい。
【0078】
さらに、溶融混合にて得られた樹脂組成物(A)は、さらに、その融点以下の温度で、減圧下あるいは不活性気流下あるいは減圧下にて20分〜100時間の範囲で保持し、固相重合を行ってもよい。固相重合の方法は公知の方法を採用することができ、例えば、不活性ガス雰囲気下にポリエステル樹脂組成物のペレットを80℃〜融点以下30℃の温度範囲の下に1〜300分保つことにより予備結晶化を行った後、160℃〜融点以下20℃の温度範囲で1〜100時間保つことにより固相重合を行うことができる。
【0079】
上記のような条件で溶融混合、あるいは溶融混合後固相重合を行うと、本発明の結晶性ポリエステル(B)と非晶性ポリエステル(C)のエステル交換反応が適度に起こり、結果として良好な物性のバランスが発現するため好ましい。このエステル交換の尺度としては、例えば、ポリエステル樹脂組成物の融解熱ΔHfaが挙げられる。ポリエステル樹脂組成物の組成は例えば、NMRにより、定量が可能であるが、例えば全く同組成の完全ランダムの共重合ポリエステルの先に述べたポリエステル樹脂組成物の融解熱を求めるのと同様の方法により算出された融解熱をΔHfr(J/g)とし、その関係式を ΔHfr=a×ΔHfa としたときの比例係数aは1より小さく、0.5より小さいのが好ましく、0.2より小さいのがより好ましい。
【0080】
また、結晶性ポリエステル(B)の融解熱をΔHfb、重量分率をwb、非晶性ポリエステルの重量分率をwcとし、下記式のように表した場合、
ΔHfa=b×ΔHfb×wb/(wb+wc)
比例係数bが1.5〜0.3の範囲にあることが好ましく、1.2〜0.5の範囲であることが好ましく、1.0〜0.6の範囲であることがより好ましい。
【0081】
【ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム】
本発明のポリエステル樹脂組成物(A)からなるフィルムは、一般に行われている種々の方法で得ることができる。
【0082】
例えば、圧縮成形法や、Tダイ押出成形法、水冷インフレーション成形法、空冷インフレーション成形法などの方法が例示できる。さらにここで得られたフイルムは従来公知の方法で一軸あるいは二軸の延伸処理あるいは、加熱処理をされてもよい。特に、結晶性ポリエステル成分として、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレン2,6−ナフタレート系樹脂を用いる場合は、結晶化速度が遅いため、延伸処理あるいは加熱処理を行うのが好ましい。
【0083】
これらの方法の中では、延伸処理をされたフィルムが好ましい。延伸加工される条件は公知の方法に従ってよいが、例えば、室温〜130℃、好ましくは40℃〜100℃の温度条件で、1.5〜10倍、好ましくは2〜8倍の延伸倍率で、一軸方向、あるいは二軸方向に延伸されるのが好ましい。また、二軸延伸の場合には、逐次二軸延伸を行ってもよく、同時二軸延伸をおこなってもよい。
【0084】
延伸処理を行ったフィルムは機械的強度が増すだけでなく、耐熱性も大きく向上する。
【0085】
更に、本発明のポリエステル樹脂組成物からなるフィルムは、必要に応じて、粘着付与剤、滑剤、スリップ剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含んでもよい。
【0086】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物からなるフィルムは、必要に応じて、さらに他の材料との多層フィルムとして加工されても良い。多層化される他の材料としては、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどが挙げられる。
【0087】
【本発明の効果】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、耐熱性を持ちながら、柔軟で、且つ成形後の柔軟性の変化が小さく、ガスバリア性が高いという、軟包装材料としては良好な物性バランスを有するため、ボトル、バッグインボックスなどのブロー成形品、フィルム、シートなどの軟包装用途材料として幅広く用いることができる。また、柔軟な特徴を活かした用途、例えばホース、チューブなどの押出成形用途、玩具、文房具、キャップ類などの射出成形用途、糸、不織布などの繊維製品用途、発泡体用途、防振材用途などにも好適に用いることができる。本発明のポリエステル樹脂組成物を成形してなるフィルムは、上記の物性バランスを有しているので、各種飲料のパウチ容器用材料、食用油、醤油、洗剤などの詰め替え容器用材料、レトルト食品包装材料、スープ、調味料などの使い捨て包装材料、ハム、ソーセージなどの畜肉製品の包装フィルム、鰹節などの保香フィルムなどの各種包装材料として、あるいは、家庭用、業務用のラップフィルム、さらには、工業製品の包装材料などとして好適に用いることができる。
【0088】
【実施例】
以下、本発明を、実施例により具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0089】
なお、物性値の測定は次のような方法により行った。
〔結晶性ポリエステル(B)の融解ピーク温度(Tmb)および融解熱(ΔHfb)〕
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7)を用いて測定した。あらかじめよく乾燥させたペレットから切り出した試料をサンプルパンに10mg秤量し、窒素雰囲気中、室温から290℃まで昇温(昇温速度320℃/分)して290℃で10分間保持した後、20℃まで急冷(降温速度320℃/分)して20℃で10分間保持し、次いで290℃まで昇温(昇温速度=10℃/分)過程で測定を行った。融解ピーク温度および融解熱は付属の解析ソフトで測定した。
【0090】
〔非晶性ポリエステル(C)のガラス転移温度、融解ピーク温度(Tmc)および融解熱(ΔHfc)〕
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC Pyris1)を用いて測定した。製造後1週間程度室温窒素雰囲気下に保存した樹脂から採取した試料をサンプルパンに約10mg秤量し、Heガス雰囲気中、室温から−100℃まで急冷(降温速度320℃/分)し、−100℃で10分間保持した後、200℃まで昇温(昇温速度=10℃/分)する過程で測定を行った。融解ピーク温度および融解熱は付属の解析ソフトで測定した。
【0091】
〔ポリエステル樹脂組成物(A)の融解ピーク温度(Tma)および融解熱(ΔHfa)〕
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC Pyris1)を用いて測定した。あらかじめよく乾燥させたペレットから切り出した試料をサンプルパンに約10mg秤量し、Heガス雰囲気中、室温から290℃まで昇温(昇温速度320℃/分)して290℃で10分間保持した後、−150℃まで急冷(降温速度320℃/分)して−150℃で10分間保持し、次いで290℃まで昇温(昇温速度=10℃/分)過程で測定を行った。融解ピーク温度および融解熱は付属の解析ソフトで測定した。
【0092】
〔各ポリエステル樹脂の固有粘度〕
25℃、テトラクロロエタン/フェノール=1/1の混合溶液中で測定した。
【0093】
〔ポリエステル樹脂組成物(A)の弾性率(YMa)〕
後述する成形条件により得られた、厚さ0.5mmのプレスシートを試料に用いた。
そのプレスシートを、23℃、相対湿度50%の条件中に3日間放置した後、ダンベル型の試料を切り出し、引張試験機 インストロン4501(インストロン社製)を用い、23℃、相対湿度50%の条件下で、ひずみ速度100%/分の条件で引張試験を行った。引張弾性率YMaは付属の解析ソフトにより算出した。また、物性の経時変化を調べるため、35日間放置した後の引張弾性率YMa35も測定した。
【0094】
〔ポリエステル樹脂組成物、フィルムのガスバリア性〕
弾性率測定試料を得たのと同条件または所定の条件により得た厚さ20〜150μmのフィルムについて、25℃における炭酸ガス透過係数をガス透過率測定装置GPM−250(ジーエルサイエンス社製)を用いて測定し、この値で評価した。透過係数の値が小さいほど、ガスバリア性は優れる。
【0095】
〔フィルムの耐熱性〕
所定の条件で成形されたフィルムから、幅2mm、長さ2cmの短冊状の試料について、TMA(セイコー電子社製)を用い、10kgf/cm2の荷重をかけ、窒素気流下、毎分2℃/min.の昇温条件でクリープ試験を実施し、歪みが5%となる温度を変形温度として、この温度で評価した。この温度が高いほど耐熱性が高い。
【0096】
【実施例1】
コハク酸ジメチル263g、グルタル酸ジメチル288g、エチレングリコール492g、酢酸マンガン2水和物0.45gを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込んだ。留出管は真空ポンプと減圧調整器からなる真空装置に接続されており、蒸発物を留去可能な構造となっている。
【0097】
まず、反応器を充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気下にて、170℃から210℃まで6時間かけて攪拌しながら昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。引き続き、得られた化合物にジブチルスズマレート0.63gをエチレングリコール11.9gとともに添加し、充分に窒素置換した後、常圧窒素気流下220℃で1時間攪拌した。その後、真空ポンプを作動させ、1時間かけ1Torrまで減圧、240℃までの昇温を行い、引き続き、1時間30分かけて270℃までの昇温を行った。その状態で、4時間攪拌を続け重縮合を行った。以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガスを導入して、常圧に戻し、反応容器からポリエステル(C1)を取り出した。得られたポリエステルの固有粘度[η]は1.20dl/gであった。また、ガラス転移温度は−29℃で、融解現象は認められず、非晶性であることが確認された。
【0098】
次いで、真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C1)21gと市販のポリエチレンテレフタレート(B1;Tm=254℃、ΔHf=41J/g、[η]=0.82dl/g)49gとをラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で5分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A1)を得た。
【0099】
さらに樹脂組成物(A1)をよく乾燥させ、2枚の真鍮板、アルミ板および離型フィルムの間に所定量はさみ、280℃で溶融させ、10MPaで1分間圧縮したのち、0℃の温度に設定した圧縮成形機で再び10MPaで圧縮冷却し、厚さ0.5mm、0.3mmのシートおよび厚さ100μmのフィルムを成形し、柔軟性、ガスバリア性について評価を行った。結果を表1に示す。
【0100】
さらに、得られた0.5mmのシート、100μmのフィルムについては、更に10MPaの圧縮条件で140℃10分間の熱処理ののち、再度0℃の温度に設定した圧縮成形機で再び10MPaで圧縮冷却を行い、これらについて、柔軟性、ガスバリア性、耐熱性について評価を行った。熱処理前後で、柔軟性にはさほど変化は見られず、ガスバリア性は若干向上した。
【0101】
【実施例2】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C1)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gとを拌装置、留出管を装備した反応器に仕込み充分に窒素置換を行った後、280℃に10分間保持し、融解させた。その後、攪拌を開始し、真空ポンプを作動させ、1Torrまでの減圧を行い、溶融混合した。10分後、系内に窒素を導入し、常圧に戻し、反応容器からポリエステル樹脂組成物(A2)を取り出し、実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0102】
【実施例3】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C1)14gと市販のポリブチレンテレフタレート(B2;Tm=224℃、ΔHf=47J/g、[η]=0.87dl/g)56gとラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で5分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A3)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0103】
【実施例4】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C1)14gとポリブチレンテレフタレート(B2)56gとを拌装置、留出管を装備した反応器に仕込み充分に窒素置換を行った後、280℃に10分間保持し、融解させた。その後、攪拌を開始し、真空ポンプを作動させ、1Torrまでの減圧を行い、溶融混合した。10分後、系内に窒素を導入し、常圧に戻し、反応容器からポリエステル樹脂組成物(A4)を取り出し、実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0104】
【実施例5】
コハク酸ジメチル237g、グルタル酸ジメチル259g、ジメチルイソフタレート69.8g、エチレングリコール492g、酢酸マンガン2水和物0.44gを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込んだ。反応器を充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気下にて、170℃から210℃まで6時間かけて攪拌しながら昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。引き続き、得られた化合物にジブチルスズマレート0.62gをエチレングリコール11.8gとともに添加し、充分に窒素置換した後、常圧窒素気流下220℃で1時間攪拌した。その後、真空ポンプを作動させ、1時間かけ1Torrまで減圧、240℃までの昇温を行い、引き続き、1時間30分かけて270℃までの昇温を行った。その状態で、4時間攪拌を続け重縮合を行った。以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガスを導入して、常圧に戻し、反応容器からポリエステル(C2)を取り出した。得られたポリエステルの固有粘度[η]は1.33dl/gであった。また、ガラス転移温度は−22℃で、融解現象は認められず、非晶性であることが確認された。
【0105】
次いで、真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C2)14gと市販のポリエチレンテレフタレート(B1)56gとをラボプラストミルにて、280℃、50rpmの条件で5分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A5)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0106】
【実施例6】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C2)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gとラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で5分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A6)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0107】
【実施例7】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C2)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gとラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で10分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A7)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0108】
【実施例8】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C2)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gとラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で15分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A8)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0109】
【実施例9】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C2)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gと、更にリン系安定剤(イルガフォス1,68;チバスペシャリティケミカルズ社製)0.14gとをラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で15分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A9)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0110】
【実施例10】
フタル酸ジメチル 310g、イソフタル酸ジメチル310g、1,6ヘキサメチレンジオール(1,6ヘキサンジオール)567g、酢酸マンガン2水和物0.39gを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込んだ。反応器を充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気下にて、170℃から210℃まで6時間かけて攪拌しながら昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。引き続き、得られた化合物にジブチルスズマレート0.56gをエチレングリコール10.5gとともに添加し、充分に窒素置換した後、常圧窒素気流下220℃で1時間攪拌した。その後、真空ポンプを作動させ、1時間かけ1Torrまで減圧、240℃までの昇温を行い、引き続き、1時間30分かけて270℃までの昇温を行った。その状態で、4時間攪拌を続け重縮合を行った。以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガスを導入して、常圧に戻し、反応容器からポリエステル(C3)を取り出した。得られたポリエステルの固有粘度[η]は0.80(dl/g)であった。また、ガラス転移温度は −7℃で、融解現象は認められず、非晶性であることが確認された。
【0111】
次いで、真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C3)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gとラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で5分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A10)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0112】
【実施例11】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C3)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gとを拌装置、留出管を装備した反応器に仕込み充分に窒素置換を行った後、280℃に10分間保持し、融解させた。その後、攪拌を開始し、真空ポンプを作動させ、1Torrまでの減圧を行い、溶融混合した。10分後、系内に窒素を導入し、常圧に戻し、反応容器からポリエステル樹脂組成物(A11)を取り出し、実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0113】
【実施例12】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C3)21gとポリブチレンテレフタレート(B2)49gとラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で5分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A12)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0114】
【実施例13】
真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C3)21gとポリブチレンテレフタレート(B2)49gとを拌装置、留出管を装備した反応器に仕込み充分に窒素置換を行った後、280℃に10分間保持し、融解させた。その後、攪拌を開始し、真空ポンプを作動させ、1Torrまでの減圧を行い、溶融混合した。10分後、系内に窒素を導入し、常圧に戻し、反応容器からポリエステル樹脂組成物(A13)を取り出し、実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0115】
【実施例14】
テレフタル酸ジメチル373g、グコール酸エチル66.4g、エチレングリコール238.4g、酢酸マンガン2水和物0.31gを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込んだ。留出管は真空ポンプと減圧調整器からなる真空装置に接続されており、蒸発物を留去可能な構造となっている。
【0116】
反応器を充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気下にて、170℃から210℃まで3時間かけて攪拌しながら昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。引き続き、得られた化合物に二酸化ゲルマニウム0.073gをエチレングリコール6.7gとともに添加し、充分に窒素置換した後、常圧窒素気流下260℃まで1時間かけ昇温した。その後、真空ポンプを作動させ、1時間かけて280℃まで昇温、1Torrまでの減圧を行い、そのまま3時間重縮合を行った。以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガスを導入して、常圧に戻し、反応容器からグコール酸共重合ポリエチレンテレフタレート(B3)を取り出した。得られたポリエステルの固有粘度[η]は0.52(dl/g)であり、融点229℃、融解熱36J/gであった。また、NMRにて当ポリエステルを分析したところ、全構成単位に対し、グコール酸含有量が7.5mol%であることが判った。
【0117】
次いで、真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(C2)21gと結晶性ポリエステル(B3)49gとをラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で10分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(A14)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0118】
【比較例1】
コハク酸ジメチル526g、エチレングリコール492g、酢酸マンガン2水和物 0.45gを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込んだ。留出管は真空ポンプと減圧調整器からなる真空装置に接続されており、蒸発物を留去可能な構造となっている。
【0119】
まず、反応器を充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気下にて、170℃から210℃まで6時間かけて攪拌しながら昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。引き続き、得られた化合物にジブチルスズマレート0.63gをエチレングリコール11.9gとともに添加し、充分に窒素置換した後、常圧窒素気流下220℃で1時間攪拌した。その後、真空ポンプを作動させ、1時間かけ1Torrまで減圧、240℃までの昇温を行い、引き続き、1時間30分かけて270℃までの昇温を行った。その状態で、4時間攪拌を続け重縮合を行った。以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガスを導入して、常圧に戻し、反応容器からポリエステル(E1)を取り出した。得られたポリエステルの固有粘度[η]は1.71(dl/g)であった。また、ガラス転移温度は−7℃であったが、融解熱ΔHf=66.2J/gの結晶性ポリエステルであった。
【0120】
次いで、真空乾燥機で充分に乾燥を行ったポリエステル(E1)21gとポリエチレンテレフタレート(B1)49gとをラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で5分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(D1)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。低Tgで結晶化速度の遅い結晶性ポリエステルを含むため、YMaがあまり低くならず、YMaの安定性がよくない。
【0121】
【比較例2】
テレフタル酸ジメチル 549g、コハク酸ジメチル98.7g、グルタル酸ジメチル 108g、イソフタル酸ジメチル29.1g、エチレングリコール538g、酢酸マンガン2水和物0.53gを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込んだ。反応器を充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気下にて、170℃から210℃まで3時間かけて攪拌しながら昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。引き続き、得られた化合物に二酸化ゲルマニウム0.12gをエチレングリコール11,4gとともに添加し、充分に窒素置換した後、常圧窒素気流下260℃まで1時間かけ昇温した。その後、真空ポンプを作動させ、1時間かけて280℃まで昇温、1Torrまでの減圧を行い、そのまま3時間重縮合を行った。以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガスを導入して、常圧に戻し、反応容器から実施例6〜8とほぼ同じ組成の共重合ポリエチレンテレフタレート(D2)を取り出した。
【0122】
この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。得られたポリエステル(D2)の融点175℃は、融解熱0.2J/gと、ほぼ非晶性のポリエステル樹脂であった。そのため、本発明の融解熱と弾性率の関係が満たされない。
【0123】
【比較例3】
真空乾燥機で充分に乾燥を行ったポリエチレンテレフタレート(B1)80gと、市販のポリテトラメチレングリコール(E2、数平均分子量1000)20gとのを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込み充分に窒素置換を行った後、280℃に10分間保持し、融解させた。その後、攪拌を開始し、真空ポンプを作動させ、1Torrまでの減圧を行い、溶融混合した。60分後、系内に窒素を導入し、常圧に戻し、反応容器からポリエステル樹脂組成物(D3)を取り出し、実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。得られたポリエステル組成物(D3)の固有粘度[η]は0.68(dl/g)であり、融点243℃、融解熱42J/gであった。また引張弾性率は720MPaであることから、融解熱と弾性率の関係は満足されるものであったが、所定の非晶性ポリエステルの代わりにポリエーテルを用いているため、ガスバリア性が大きく劣っている。
【0124】
【比較例4】
セバシン酸ジメチル 405g、アジピン酸ジメチル 348g、エチレングリコール248gg、酢酸マンガン2水和物 0.49gを攪拌装置、留出管を装備した反応器に仕込んだ。反応器を充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気下にて、170℃から210℃まで6時間かけて攪拌しながら昇温し、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。引き続き、得られた化合物にジブチルスズマレート0.69gをエチレングリコール13.2gとともに添加し、充分に窒素置換した後、常圧窒素気流下 220℃で1時間攪拌した。その後、真空ポンプを作動させ、1時間かけ1Torrまで減圧、240℃までの昇温を行い、引き続き、1時間30分かけて270℃までの昇温を行った。その状態で、4時間攪拌を続け重縮合を行った。以上のような重縮合反応後、系内に窒素ガスを導入して、常圧に戻し、反応容器からポリエステル(E3)を取り出した。得られたポリエステルの固有粘度[η]は1.21(dl/g)であった。また、ガラス転移温度は−57℃の非晶性ポリエステルであった。
【0125】
次いで、真空乾燥機で充分に乾燥を行った非晶性ポリエステル(E3)14gとポリエチレンテレフタレート(B1)56gとをラボプラストミル(東洋精機社製)にて、280℃、50rpmの条件で10分間溶融混合を行い、ポリエステル樹脂組成物(D5)を得た。この樹脂組成物について実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。得られたポリエステル樹脂組成物(D5)の融点は240℃、融解熱37J/gであった。また引張弾性率は740MPaであることから、融解熱と弾性率の関係は満足されるものであったが、所定の非晶性ポリエステルよりエステル結合間のメチレンの数の多いポリエステルを用いているため、ガスバリア性が劣っている。
【0126】
【比較例5】
市販のポリエチレンテレフタレート(B1)について、実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。柔軟性に劣っている。
【0127】
【比較例6】
市販のポリブチレンテレフタレート(B2)について、実施例1と同様に試料を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。柔軟性に劣っている。
【0128】
【表1】
Figure 0004530486
【0129】
【表2】
Figure 0004530486
【0130】
【実施例15〜24】
実施例1、2、5〜11および14で得られた厚さ0.3mmのシートについて、岩本製作所製二軸延伸機を用い、80℃、3分間の予熱の後で、延伸速度1200%/分の条件で、3×3倍に同時二軸延伸を行い、延伸性およびフィルムのガスバリア性を評価した。結果を表2に示す。どのポリエステル樹脂組成物も延伸性は良好で、ガスバリア性は非晶性のものに比べ向上している。
【0131】
【表3】
Figure 0004530486

Claims (14)

  1. ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレートから選ばれる少なくとも1種類の結晶性ポリエステル(B)40〜90重量部と、
    全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グコール酸、ジグコール酸、乳酸、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールから選ばれる化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であり、かつDSCで測定するTgが20℃以下の非晶性ポリエステル(C)60〜10重量部
    とからなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物(A)。
  2. ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレートから選ばれる少なくとも1種類の結晶性ポリエステル(B)40〜90重量部と、
    全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、エチレングリコール、1,6ヘキサンジオールから選ばれる化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であり、かつDSCで測定するTgが20℃以下の非晶性ポリエステル(C)60〜10重量部
    とからなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物(A)。
  3. ポリエステル樹脂組成物(A)のDSCで測定する融解ピーク温度が140〜270℃の範囲にあり、そのDSCから求められる融解熱ΔHfa(J/g)と、そのプレス成形シートの23℃で測定したときの引張弾性率YMa(MPa)の関係が、
    ΔHfa>YMa×1/50およびYMa<1500を満足することを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)。
  4. 結晶性ポリエステル(B)が、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有するポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)。
  5. 結晶性ポリエステル(B)が、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有するポリトリメチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)。
  6. 結晶性ポリエステル(B)が、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有するポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)。
  7. 結晶性ポリエステル(B)が、全構成単位を計100モル%とするとき、グコール酸、ジグコール酸、コハク酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4’−スルホンビス安息香酸から選ばれる少なくとも1種類の化合物から導かれる単位を0.5〜15モル%含有することを特徴とする ポリエチレン2,6−ナフタレートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)。
  8. 非晶性ポリエステル(C)が、その全構成単位を100モル%とするとき、コハク酸、グルタル酸、グコール酸、ジグコール酸、エチレングリコール、トリメチレングリコールから選ばれる脂肪族系化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、かつ、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であることを特徴とする請求項1及び3〜6のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)。
  9. 非晶性ポリエステル(C)が、その全構成単位を100モル%とするとき、フタル酸、イソフタル酸、1,6ヘキサンジオール、1,4ブタンジオールから選ばれる化合物から導かれる単位を少なくとも85モル%以上含有し、かつ、10モル%以上含有する構成単位の数が少なくとも3種類以上であることを特徴とする請求項1及び3〜6のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の結晶性ポリエステル(B)と請求項1〜9のいずれか1項に記載の非晶性ポリエステル(C)を溶融混合することを特徴とするポリエステル樹脂組成物(A)の製造方法。
  11. 結晶性ポリエステル(B)と非晶性ポリエステル(C)とを溶融混合する際に、(B)と(C)との合計100重量部に対して、0.001〜1重量部のリン化合物を添加することを特徴とする請求項10に記載のポリエステル樹脂組成物(A)の製造方法。
  12. 結晶性ポリエステル(B)と非晶性ポリエステル(C)とを溶融混合し、さらに得られた組成物を、その融点以下の温度で、減圧下あるいは不活性気流下にて20分〜100時間の範囲で保持することを特徴とする請求項1011のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物(A)の製造方法。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)を成形してなるフィルム。
  14. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物(A)を成形してなる延伸フィルム。
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