JP4530447B2 - 自動車のリアコンビネーションランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗物用照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、電車、船舶、航空機等の乗物には通常、前照灯、標識(信号)灯、室内灯等の様々な種類の照明装置が設置されている。例えば、自動車の後部に標識灯として設置される尾灯、制動灯、方向指示器及び後退灯は、多くはリアコンビネーションランプと称する一体型照明装置の構造を有することが知られている。これら後部標識灯は、個々の灯光色、光度等が各国で規格化されており、日本ではJIS規格に基づき、通常は無色電球を、赤、アンバ及び白のレンズ(リアコンビネーションランプの場合はこれら3色に区分された一体型レンズ)に組合せて構成されている。
【0003】
他方、乗物の室内灯として、光源に所望ワット数の電球を用いた直接照明装置を採用することは、特に普通及び小型自動車では一般的である。この種の直接照明装置からなる室内灯は、通常は電球にカバーやレンズを装着して構成されるが、一般に光度が大きいので、普通及び小型自動車では夜間走行中の連続点灯が規制されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の自動車用の後部標識灯は、赤、アンバ及び白の3色のレンズを備えるので、非点灯時にも昼間であればレンズの色を容易に視認できる。しかも各標識灯は、後方からの視認性が良好な位置に設置されるので、レンズ色が車体色に色感上の影響を及ぼし、美観を損なう懸念がある。したがって、後部標識灯の形状及び寸法は、その非点灯時に外観に及ぼす影響を考慮しつつ、点灯時の視認性を所定水準に維持できる範囲で設計される傾向にあり、設計上の自由度が低いものとなっている。
【0005】
また、上記した従来の直接照明装置からなる乗物用室内灯は、光度が大きいために灯光自体の質感及び高級感に乏しく、室内装飾の観点でもカバーやレンズによって美観が損なわれる場合がある。また、電球の発熱を考慮して、乗員の身体が容易には接触しない位置に設置場所が特定される傾向がある。さらに、夜間走行中の連続点灯が規制されている状況では、特に運転者以外の乗員に不都合をもたらす懸念がある。
【0006】
本発明の目的は、乗物の外部の標識灯として使用する場合にも、点灯時の視認性を所定水準以上に維持しつつ、非点灯時に乗物の外観に及ぼす影響を低減できる、設計上の自由度の高い乗物用照明装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、自動車のリアコンビネーションランプであって、光を伝播可能なコア、コアを被覆するクラッド及びコアを伝播する光の一部分をクラッドを通して外部に放射させる漏光手段を有する光導波路部材と、光導波路部材のコアの少なくとも一つの露出端に隣接して設置される光源とを備える標識灯を具備し、標識灯が、複数の光導波路部材を備え、光導波路部材が実質的に透明又は少なくとも半透明であり、光源からの複数色の光をクラッドを通して互いに識別可能に放射できること、を特徴とするリアコンビネーションランプを提供する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリアコンビネーションランプにおいて、少なくとも3個の光導波路部材を備え、光源が少なくとも3色の光のいずれかを、それら光導波路部材の各々に供給するリアコンビネーションランプを提供する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のリアコンビネーションランプにおいて、標識灯は、尾灯及び制動灯と方向指示器と後退灯とを含み、尾灯及び制動灯、方向指示器並びに後退灯の各々が、複数の光導波路部材を有する光導波路組立体から構成されるリアコンビネーションランプを提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアコンビネーションランプにおいて、光導波路部材を各々に受容する複数の溝を有する固定具をさらに具備し、固定具を介して自動車のボディパネルに固定されるリアコンビネーションランプを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の第1の実施形態による乗物用照明装置10の概略図、図2は、乗物用照明装置10の適用例を示す自動車の後部外観図、図3は、乗物用照明装置10における光導波路部材の構造例を示す拡大図である。
【0011】
乗物用照明装置10は、光を伝播可能なコア12及びコア12を被覆するクラッド14を有する複数の柱状の光導波路部材16と、各光導波路部材16のコア12の、長手方向両端の露出端に隣接して配置される光源18とを備えて構成される。図示実施形態による乗物用照明装置10は、自動車20の所要の後部標識灯を一体化したリアコンビネーションランプ22として使用できるものであって、3個の光導波路部材16a〜16cと、それら光導波路部材16a〜16cの各々に、規格に基づく赤、アンバ及び白の3色の光のいずれかを選択的に供給する6個の光源18a〜18fとを備える。
【0012】
乗物用照明装置10の光導波路部材16は、所定屈折率を有する光透過性材料から形成されるコア12の外周面を、コア12の屈折率よりも低い屈折率を有する光透過性樹脂材料から形成されるクラッド14で被覆したものであり、通信用の光ファイバと同様の構成を有する。さらに光導波路部材16は、コア12を伝播する光の一部分を、クラッド14を透過させて外部に積極的に放射させる漏光手段を備える。図示実施形態では漏光手段は、クラッド14の光透過性樹脂材料に混入された光散乱粒子群24からなる。コア12を伝播する光は、コア12とクラッド14との界面で通常は全反射されるが、光散乱粒子群24の存在により、一部の光が界面で散乱して、クラッド14を透過して外部に放射される。したがって光導波路部材16は、コア12の露出端からコア12内に導入された光によって、その外周面(すなわち側面)を高輝度に発光させることができる。この種の光導波路部材16の構成は、側面発光型の光ファイバとして知られており、例えば米国特許第4,422,719号や、本願出願人による特願平10−49249号明細書等に開示されている。
【0013】
乗物用照明装置10の光源18は、発光ダイオード、白熱電球、蛍光灯等の種々の発光装置から構成できる。特に発光ダイオードは、所望の灯光色を優れた発色で容易に得ることができ、かつ自動車搭載用途に好適な低消費電力である利点がある。好ましくは光源18は、対応の光導波路部材16のコア12の露出端に可及的に近接して配置され、例えばリフレクタ26やレンズ28(光源18fに関してのみ図示)を用いて、光をコア12内に効率的に供給できるように構成される。なお、乗物用照明装置10をリアコンビネーションランプ22として使用する場合、複数の光源18a〜18fは、自動車20のボディパネルの内側に設置できる。
【0014】
乗物用照明装置10の3個の光導波路部材16a〜16cは、各々に設置した光源18a〜18fの灯光色の設定により、自動車20のリアコンビネーションランプ22のうち、方向指示器、後退灯及び尾灯/制動灯のいずれかをそれぞれ構成できる。例えば、光源18a、18bの灯光色を赤にすれば、光導波路部材16aが尾灯及び制動灯として機能する。この場合、尾灯機能は一方の光源18aの点灯により発揮され、制動灯機能は両光源18a、18bの点灯により発揮される。さらに、光源18c、18dの灯光色をアンバにすれば、光導波路部材16bが方向指示器として機能し、光源18e、18fの灯光色を白にすれば、光導波路部材16cが後退灯として機能する。このような構成によれば、方向指示器、後退灯及び尾灯/制動灯を選択的に点灯できるだけでなく、これら各種標識灯を識別可能に同時点灯することもできる。なお、光導波路部材16b、16cのそれぞれの一方の光源18d、18fの灯光色を赤にして、制動時に、それぞれの他方の光源18c、18eが点灯していないことを条件にそれら光源18d、18fも点灯させる構成とすれば、制動灯としての発光面積を状況に応じて拡大することができる。
【0015】
光導波路部材16のコア12は、例えば1.4〜2.0の屈折率を有する石英ガラス、光学ガラス、ポリマー等の光透過性材料から形成できる。特に、リアコンビネーションランプ22に適用する場合は、図2に示すように自動車20のボディ形状に対応して撓曲した光導波路部材16が必要となることが多いので、ポリマー製のコア12を採用することが望ましい。この場合、アクリル系ポリマー、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等の、光透過性のポリマーを使用できる。ポリマーの屈折率は例えば1.4〜1.7、全光線透過率は例えば80%以上であることが好ましい。
【0016】
光導波路部材16のクラッド14は、コア12の屈折率よりも低い屈折率を有するアクリル系ポリマー、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の光透過性樹脂材料から形成できる。光散乱粒子24は、たとえば、1.5〜3.0の範囲の屈折率を有する、白色の無機粉末や着色顔料から形成できる。白色無機粉末としては、硫酸バリウム(屈折率=1.51)、マグネシア(屈折率=1.8)、チタニア(屈折率=2.6)等が好ましい。
【0017】
図4に変形例として示すように、光導波路部材16はさらに、コア12とクラッド14との間に、両者を機械的及び光学的に接続する光透過性の接着剤層30を備えることもできる。接着剤層30は、アクリル系ポリマー、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等の光透過性樹脂材料から形成される粘着剤、ホットメルト接着剤、硬化型接着剤等の接着剤として構成できる。また、光導波路部材16の輝度の低下を防止するとともに輝度の均一性を高めるために、接着剤層30は、コア12の屈折率以上の屈折率を有する樹脂材料から形成されることが好ましい。
【0018】
上記構成を有する光導波路部材16はそれ自体、実質的に透明又は少なくとも半透明(わずかに白濁)であり、光源18からの光を実質的に変色させずに、コア12及びクラッド14(及び接着剤層30)を通して外部に放射することができる。しかも、光源18の非点灯時には、コア12及びクラッド14(及び接着剤層30)による色感上の影響を受けることがほとんどない。特に、光導波路部材16が透明な場合は、光源18の非点灯時に光導波路部材16を横断方向へ透視でき、その結果、自動車20のボディパネルを実質的に変色なく透視できる。したがって、乗物用照明装置10をリアコンビネーションランプ22として使用すれば、非点灯時には自動車20の外観に及ぼす影響を極めて効果的に低減することができる。
【0019】
また、上記構成を有する光導波路部材16は、後述する製造方法により、多様な形状及び寸法に設計することができる。例えば、図示のリアコンビネーションランプ22のように、自動車20のボディパネルのコーナ部分に設置可能な撓曲形状を付与することだけでなく、リアウインドガラス32の枠の一部又は全体に沿って線状に延設可能な光導波路部材16′を作製することもできる。この場合、光導波路部材16′は、ハイマウントストップランプとして機能できる。このように乗物用照明装置10は、自動車20等の乗物の外部の標識灯として使用する場合に、点灯時の視認性を所定水準以上に維持できるだけでなく、設計上の自由度が極めて高いものである。
【0020】
乗物用照明装置10を自動車20のリアコンビネーションランプ22として使用する場合、各光導波路部材16は、実質的に透明な接着剤を介して、自動車20のボディパネルに固着することができる。或いは図5に示すように、光導波路部材16を各々に受容可能な3個の溝34を有した固定具36を介して、自動車20のボディパネルに固定することもできる。この場合、各光導波路部材16は、実質的に透明な接着剤を介して固定具36に固着され、非点灯時には固定具36の色が各光導波路部材16を通して視認される。したがって固定具36を、車体色に適合する色に塗装すればよい。
【0021】
また、各光導波路部材16は、そのままの形態で自動車20のボディパネルに設置できるが、衝撃、汚損等に対する保護の目的で、クラッド14のさらに外側に実質的透明な被覆部材(図示せず)を設置することもできる。特に、コア12がアクリル系ポリマーから形成される場合は、太陽光によるコア12の黄変を防止するために、クラッド14自体又はそのような被覆部材を、フッ素系ポリマーに添加剤として酸化チタンを混入した材料から形成することが有利である。
【0022】
図6及び図7は、自動車20のリアコンビネーションランプ22として使用可能な乗物用照明装置10の各種変形例を示す。図6に示す乗物用照明装置10′は、尾灯/制動灯、方向指示器及び後退灯のそれぞれが、比較的細い複数の光導波路部材16a〜16cのバンドルからなる光導波路組立体38a〜38cから構成されるものである。尾灯/制動灯を構成する光導波路組立体38aには、複数の光導波路部材16aの長手方向両端のコア露出端に隣接してそれぞれ設置される複数の赤色光源18a、18bを各々に有する光源組立体40a、40bが併設される。方向指示器を構成する光導波路組立体38bには、複数の光導波路部材16bの長手方向一端のコア露出端に隣接してそれぞれ設置される複数のアンバ色光源18cを有する光源組立体40cが併設される。複数の光導波路部材16bの長手方向他端のコア露出端は、ミラー42によって遮蔽される。後退灯を構成する光導波路組立体38cには、複数の光導波路部材16cの長手方向一端のコア露出端に隣接してそれぞれ設置される複数の白色光源18dを有する光源組立体40dが併設される。複数の光導波路部材16cの長手方向他端のコア露出端は、ミラー42によって遮蔽される。
【0023】
上記構成を有する乗物用照明装置10′によっても、図1の乗物用照明装置10と同等の作用効果が奏されることは理解されよう。特に乗物用照明装置10′では、各種標識灯の各々に複数の光導波路部材16及び光源18を使用したので、輝度を容易に高めることができる。また、光源18を配置しない側の光導波路部材16のコア露出端に設置されるミラー42も、輝度の増加に寄与する。
【0024】
図7に示す乗物用照明装置10″では、尾灯/制動灯を構成する光導波路部材16aの長手方向両端のコア露出端のそれぞれにに隣接して、複数(図では2個)の光源18a、18bをそれぞれに内蔵する光源組立体44a、44bが併設される。このような構成によれば、比較的大きな光導波路部材16aの輝度を十分に高めることができる。また、方向指示器を構成する光導波路部材16b及び後退灯を構成する光導波路部材16cは、いずれも適当に曲折されて、それぞれに光源18c、18d及び光源18e、18fが併設されている。
【0025】
図8及び図9は、本発明の関連技術による乗物用照明装置50を示す。乗物用照明装置50は、光を伝播可能なコア52及びコア52を被覆するクラッド54を有する複数の細長い線状の光導波路部材56と、各光導波路部材56のコア52の、少なくとも長手方向一端の露出端に隣接して配置される光源58(又は複数の光源を内蔵する光源組立体58)とを備えて構成される。図示実施形態による乗物用照明装置50は、自動車等の乗物の室内灯として使用できるものであって、各光導波路部材56に所望灯光色の光源58を併設できる。
【0026】
乗物用照明装置50の光導波路部材56は、前述した乗物用照明装置10の光導波路部材16と同様の構成を有し、漏光手段として、クラッド54の光透過性樹脂材料に混入された光散乱粒子群60を備える。また、乗物用照明装置50の光源58は、前述した乗物用照明装置10の光源18と同様の構成を有することができる。乗物用照明装置50を乗物の室内灯として使用する場合、光導波路部材56は、乗物の内装壁62の継ぎ目等に例えば接着剤等の一般的な固定手段を介して固定できる。特に、乗物用照明装置50を間接照明的に使用する場合は、シェード状の配光部材64を用いて、光導波路部材56の下方及び側方を覆うとともに、光導波路部材56から放射される光の方向を上方へ制御することが好ましい。また光源58は、内装壁62の内部に埋め込んで設置できる。
【0027】
上記構成を有する乗物用照明装置50は、発光ダイオードや電球等の光源58による光を、光導波路部材56を通して側面放射するものであるから、それ自体が構造的には間接照明であると言える。したがって、乗物用照明装置50を乗物の室内灯として使用すれば、従来の電球を使用した直接照明装置からなる乗物用室内灯に比べて、輝度が小さく、質感及び高級感に富む柔らかな照明を実現することができる。また非点灯時には、特に光導波路部材56が透明の場合に顕著な作用効果として、光導波路部材56を通して乗物の内装壁62を実質的に変色なく透視できるので、室内装飾としても美観を損なうことがない。特に、上記した配光部材64等を用いれば、高級感に富む内装仕上げが可能である。
【0028】
また、上記構成を有する光導波路部材56は、後述する製造方法により、多様な形状及び寸法に設計することができる。したがって乗物用照明装置50は、例えば図10〜図14に示すように、乗物の室内の様々な場所に設置することができる。図10は、乗物の天井の内装壁66に設置される乗物用照明装置50の一例を示す。図10では、3つの光導波路部材56の各々の長手方向一端のコア露出端に隣接して光源(又は光源組立体)58が配置されており、1つの光導波路部材56と1つの光源(又は光源組立体)58との組合せを1つの独立した乗物用照明装置50として見なすことができる。各光導波路部材56の長手方向他端には、コア露出端を遮蔽するミラー68が取付けられている。この設置例では、前述した配光部材64等を用いて間接照明的に設置することが、外観及び照明の高級感を向上させる観点で特に好ましい。
【0029】
図11は、乗物のドアの内装壁70に設置される乗物用照明装置50の幾つかの例を示す。図11(a)では、ドアの把手上方で内装壁70にデザインとして形成された曲線溝に沿って、1つの光導波路部材56と1つの光源(又は光源組立体)58と1つのミラー68とを有する乗物用照明装置50aが設置されている。この設置例では、夜間走行中に連続点灯しても運転操作に支承を来さない程度の輝度で、乗員の手元を柔らかに照らす照明が得られるので便利である。また、乗員の身体に接触し易い位置への設置であるにも関わらず、発光する光導波路部材56自体は熱を殆ど生じないので、温覚による不快感は排除される。さらに図11(a)では、同様の構成を有する乗物用照明装置50bが、ドアの内装壁70の下端縁に設置されている。この設置例では、例えば夜間乗降時に足元を効果的に照明することができる。
【0030】
図11(b)では、ドアの把手下方で内装壁70にデザインとして形成された直線溝に沿って、1つの光導波路部材56と2つの光源(又は光源組立体)58とを有する乗物用照明装置50cが設置されている。この設置例では、上記した乗物用照明装置50aと同様の作用効果が奏される。また、1つの光導波路部材56と1つの光源(又は光源組立体)58と1つのミラー68とを有する乗物用照明装置50dが、ドアの内装壁70の後端縁に設置されている。この設置例では、例えば光源58に赤色灯を使用することにより、夜間のドア開放時に後方からの視認性を高めることができる。
【0031】
図12は、乗物の床の内装壁72に設置される乗物用照明装置50の一例を示す。図12では、床の乗降側の両縁に沿って、1つの光導波路部材56と1つの光源(又は光源組立体)58とを有する乗物用照明装置50が設置されている。この設置例では、例えば夜間乗降時に足元を効果的に照明することができる。また、光源58を設置しない側の光導波路部材56のコア露出端52aからは、コア52を伝播する光が放射されるので、前部座席の乗員の足元をさらに効果的に照明することができる。
【0032】
図13は、乗物の座席74、76の下方に設置される乗物用照明装置50の幾つかの例を示す。図13では、一対の前部座席74の下端後縁に沿って、1つの光導波路部材56と1つの光源(又は光源組立体)58と1つのミラー68とを有する乗物用照明装置50がそれぞれ設置されている。また、後部座席76の下端前縁に沿って、1つの光導波路部材56と2つの光源(又は光源組立体)58とを有する乗物用照明装置50が設置されている。この設置例では、後部座席の乗員の足元を効果的に照明することができる。
【0033】
図14は、乗物の荷室の内装壁78、80に設置される乗物用照明装置50の幾つかの例を示す。図14では、荷室の床面の内装壁78の前後端に、1つの光導波路部材56と2つの光源(又は光源組立体)58とを有する乗物用照明装置50がそれぞれ設置されている。また、荷室ドアの内装壁80に、1つの光導波路部材56と1つの光源(又は光源組立体)58と1つのミラー68とを有する乗物用照明装置50が設置されている。この設置例では、荷室を効果的に照明することができる。
【0034】
次に、本発明に係る乗物用照明装置の光導波路部材の製造方法の一例を簡単に説明する。
まず、コアの原料としてアクリルモノマー(混合物又はモノマー単体)を、少なくとも長手方向一端に開口部を有するチューブ状の反応容器に充填する。次に、反応容器の他端側から開口端に向けて、反応温度以上の温度でアクリルモノマーを順送りに加熱し、アクリルモノマーを長手方向へ漸進的に反応させる。加熱作業は、アクリルモノマーをガスで加圧しながら行う。なお開口端までの加熱が完了した後、反応容器全体をさらに数時間加熱して、反応を完全に終了させることが好ましい。
【0035】
このようにして形成されたアクリル系コアは、コアの長さ方向一端から他端まで均一な重合体とすることができ、良好な光伝送性能と、撓みに対する十分な機械的強度とを有するので、比較的長尺(例えば2m以上)の長さの光導波路部材を形成するのに特に適している。また、コアの横断面形状は、例えば、円形、楕円形、半円形、半円より大きな弓形等、コアの可撓性を維持可能な様々な形状とすることができる。横断面形状が円形の場合、コアの直径は通常3〜40mm、好適には5〜30mmの範囲であるが、理論的にはさらに大きな直径のコアを作製することもできる。
【0036】
上記製法において用いられるチューブ状の反応容器は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の光透過性樹脂から形成できる。この反応容器に、予め所定量の光散乱粒子を含有させておけば、コアの反応終了後、コアから取り除くことなく、反応容器をそのままクラッドとして使用することができる。
【0037】
クラッドは、光散乱粒子を光透過性樹脂中に分散させて形成した樹脂ペレットを、例えば押出成形することにより作製できる。この場合、クラッド中の光散乱粒子の含有量を調節するために、光散乱粒子を含まない樹脂を上記樹脂ペレットと混合することもできる。
【0038】
コアをクラッドで被覆するには、上記したようにクラッドをコアの反応容器として使用する方法の他に、例えば、熱収縮する樹脂をクラッド材料に含有させて、コアの外径よりも数十μm〜1mm程度大きな内径を有するチューブを形成し、チューブ内にコアを挿入した後にチューブを加熱収縮させて、コアとクラッドとを密着させることもできる。このとき、熱収縮性クラッドとコアとの間に、前述した光透過性接着剤層を配置することもできる。
【0039】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば以下のような形態を採用できる。
光導波路部材の漏光手段として、前述したクラッドの光透過性樹脂材料に混入された光散乱粒子群の代わりに、又はそれに加えて、コアとクラッドとの界面に傷痕を付けることもできる。そのような傷痕は、そこに当たった光を散乱させるように作用する。また、コアとクラッドとの界面に、所望形状及び所望面積の光拡散反射膜を介在させることもできる。この光拡散反射膜は、そこに当たった光を反射して、クラッドを透過する光に指向性を付与し、それによりクラッドの外周面の所望位置から光を放射させるように作用する。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、乗物に設置される照明装置において、乗物の外部の標識灯として使用する場合にも、点灯時の視認性を所定水準以上に維持しつつ、非点灯時に乗物の外観に及ぼす影響を低減することが可能になる。したがって、そのような標識灯の設計上の自由度を著しく高めることができる。また、乗物の室内灯として使用する場合にも、優れた質感及び高級感を有する照明を実現できる。しかも、設置場所を問わず、夜間走行中の連続点灯が規制に抵触しないような照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による乗物用照明装置の一部切欠き正面図である。
【図2】図1の乗物用照明装置の設置例を示す乗物後部の斜視図である。
【図3】図1の乗物用照明装置の光導波路部材の拡大斜視図である。
【図4】変形例による光導波路部材の拡大斜視図である。
【図5】図1の乗物用照明装置に使用可能な固定具の斜視図である。
【図6】図1の乗物用照明装置の他の構成例を示す正面図である。
【図7】図1の乗物用照明装置のさらに他の構成例を示す正面図である。
【図8】 本発明の関連技術による乗物用照明装置を示す乗物室内の部分斜視図である。
【図9】図8の乗物用照明装置の設置例を示す拡大斜視図である。
【図10】図8の乗物用照明装置の他の設置例を示す概略図である。
【図11】(a)図8の乗物用照明装置のさらに他の設置例を示す概略図、及び(b)図8の乗物用照明装置のさらに他の設置例を示す概略図である。
【図12】図8の乗物用照明装置のさらに他の設置例を示す概略図である。
【図13】図8の乗物用照明装置のさらに他の設置例を示す概略図である。
【図14】図8の乗物用照明装置のさらに他の設置例を示す概略図である。
【符号の説明】
10、50…乗物用照明装置
12、52…コア
14、54…クラッド
16、56…光導波路部材
18、58…光源
22…リアコンビネーションランプ
24、60…光散乱粒子
36…固定具
42、68…ミラー
Claims (4)
- 自動車のリアコンビネーションランプであって、
光を伝播可能なコア、該コアを被覆するクラッド及び該コアを伝播する光の一部分を該クラッドを通して外部に放射させる漏光手段を有する光導波路部材と、
前記光導波路部材の前記コアの少なくとも一つの露出端に隣接して設置される光源とを備える標識灯を具備し、
前記標識灯が、複数の前記光導波路部材を備え、
前記光導波路部材が実質的に透明又は少なくとも半透明であり、前記光源からの複数色の光を前記クラッドを通して互いに識別可能に放射できること、
を特徴とするリアコンビネーションランプ。 - 少なくとも3個の前記光導波路部材を備え、前記光源が少なくとも3色の光のいずれかを、それら光導波路部材の各々に供給する、請求項1に記載のリアコンビネーションランプ。
- 前記標識灯は、尾灯及び制動灯と方向指示器と後退灯とを含み、該尾灯及び制動灯、該方向指示器並びに該後退灯の各々が、複数の前記光導波路部材を有する光導波路組立体から構成される、請求項1又は2に記載のリアコンビネーションランプ。
- 前記光導波路部材を各々に受容する複数の溝を有する固定具をさらに具備し、該固定具を介して自動車のボディパネルに固定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアコンビネーションランプ。
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-
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