従来から段ボール製の折り畳み箱としてボトムロック式の段ボール箱が特許文献1により知られている。このものは、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板の隣接する側端部同士を折り曲げ線を介して折り畳み自在に連結して箱形状に組み立てた状態で平面視長方形となり、且つ、折り畳みに当たって一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができる角筒状側壁構成部と、4枚の側板の各下辺からそれぞれ折り曲げ線を介して各側板の内面に重なるように折り畳み自在に連出した4枚の底片よりなる底板構成部とで構成された段ボール箱であって、上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部の両側の2つの側板のうちの一方の側板から連出した底片の一側部に、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板の下辺に対して鋭角に傾斜した傾斜折り曲げ線を介して重複片を突出し、該重複片を上記隣接する他方の側板の下辺から底片連結ヒンジ部を介して連出した底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあり、また、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部おいて隣接する両底片同士を非連結として相互にフリーな状態としている。上記段ボール箱において折り曲げ線は段ボール箱を構成するための段ボールを山折り又は谷折りしたものである。
このボトムロック式の段ボール箱は、折り畳み状態から箱状に組み立てる際、重複片を隣接する底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあるので、折り畳み状態で各側板の内面側に重なるように折り畳まれて収納されていた各底片が次第に各側板の内面に対して底片連結ヒンジ部を中心に倒れるように自動的に回動して4つの側板を平面視で長方形又は正方形となるように組み立てた際に各底片が各側板に対して直角に倒れて箱の底部を自動的に形成するようになっている。また、箱形状に組み立てた状態から4枚の側板よりなる角筒状側壁構成部が略平行四辺形となるように折り畳んでいくと、重複片を隣接する底片に重複した状態で接着剤や止め具により重複固定してあるので、折り畳んでいくにしたがって各底片が各側板の内面側に近づくように底片連結ヒンジ部を中心に起立するように自動的に回動して各底片が各側板の内面に重なるようにして偏平に折り畳まれる。
この折り畳み状態で2枚の側板間に2枚の底片が重なった状態となって重なり代が生じる。ここで、2枚の底片を介して重なる2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分で単に折れ曲がるだけでは上記重なり代を吸収できないが、従来例にあっては素材が段ボールであるという特性により上記2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分において段ボールが潰れると共に変形することで上記重なり代を吸収するようにしている。
ところが、上記の従来例の段ボール箱は強度が弱くて破れ易く、また、汚れ易く、汚れたら汚れが落ち難く、洗浄もできず、これらの理由により通常の使用形態においては段ボール箱は1回だけの使い捨てという使用形態が取られており、省資源という観点から好ましくない。また、仮に段ボール箱を再使用するとしても、上記のように強度が弱く、汚れ易くて一旦汚れたら汚れが落ちにくく、洗浄もできないため、せいぜい3〜5回し再使用できない。
このため、上記のような構成の段ボール製の折り畳み箱の欠点を解決するためのものとして段ボール製に代えて合成樹脂製とすることが特許文献2により提案されている。
ところで、組み立て箱を合成樹脂で形成すると、2枚の側板の側端同士を連結する折り曲げ線部分が段ボール製のもののように潰れ且つ変形することで折り畳み状態における2枚の側板間に2枚の底片が介在して重なった重なり代を吸収するということができない。このため、特許文献2に示された従来例においては、図13に示すように、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士をV字状をした薄肉の側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結すると共に各側板1の下辺からV字状をした薄肉の底片連結ヒンジ部5を介して底片4を一体に連出し、更に、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部の両側の2つの側板1a、1bのうちの一方の側板1aの端部に4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する重なり代吸収部8を設けることで対応するようにしている。
そして、上記特許文献2に示された従来例においてはボトムロック式の折り畳み箱とするため図13(a)の展開図において側板1aから底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4aの側端から傾斜ヒンジ部9を介して連出した重複片11と、側板1bから底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4bとを溶着等により完全に固着するようになっている。
ところが、上記特許文献2に示された従来例のような、重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱は、ボトムロック式とするため重複片11と底片4とを完全固着しているので、箱形状に組み立てた状態から一対の対角部の隅部が鋭角、他の一対の対角部の隅部が鈍角となる略平行四辺形になるように折り畳たもうとしても、折り畳むことができず、折り畳み箱として機能しないという問題が発生する。
以下、重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱において重複片11と底片4bとを完全固着したものが折り畳むことができない理由につき述べる。
すなわち、図13(b)のように側板1a、1b同士が鋭角に折り曲げられる部分に重なり代吸収部8が存在するが、この側板1a、1b同士が鋭角に折り曲げられる部分における各側板1a、1b、各ヒンジ部2、5、9、各底片4a、4b、重なり代吸収部8の関係は図14の模式図に示すようになる。なお、図14においては隣接する底片4a、4bが傾斜ヒンジ部9を介して連結してあって重複片11を省略しているモデルとして説明する。また、図14のモデルでは図14(a)のように箱形状に組み立てた状態(つまり側板1a、1bが直角となっている状態)で、平面視で傾斜ヒンジ部9の延長線が隅部の角D1を通り且つ各側板1a、1bの下辺に対してそれぞれ45°の傾斜角度となっている(つまり、傾斜ヒンジ部9が図14(a)において両側板1a、1bのなす角度の2等分線M1上に位置している)と仮定する。
図14(a)において図面上、一方の側板1aの任意の点Aから側板1aの下辺に対して直角な線L1を引いた場合該線L1が傾斜ヒンジ部9と交わる交点をC1、他方の側板1bの任意の点Bから側板1bの下辺に対して直角な線L1’を引いた場合該線L1’が傾斜ヒンジ部9と交わる交点をC2とし、上記点A、Bがそれぞれ図14(a)の隅部の角D1からそれぞれ同じ寸法だけ離れている(図14(a)においてP1=P’1)と仮定すると、上記交点C1、交点C2は傾斜ヒンジ部9のある特定の一点Cにおいて一致している。
ここで、両側板1a、1bのなす角度が図14(a)のように90°の状態から次第に小さくなるように変化していくにしたがって(つまり両側板1a、1bが側板連結ヒンジ部2部分で隅部が鋭角となるように折り畳まれるにしたがって)両側板1a、1bに対して底片連結ヒンジ部5を介して折り畳まれる両底片4a、4bが傾斜ヒンジ部9を介して折り畳まれるためには、該傾斜ヒンジ部9が常に両側板1a、1bのなす角度αを2等分した2等分線上に位置する必要がある。
そこで、図14(a)の状態から側板1bを重なり代吸収部8の先端の側板連結ヒンジ2を中心に図14(b)のように回動し、両底片4a、4b同士が傾斜ヒンジ部9部分で折り畳まれながら両底片4a、4bがそれぞれ底片連結ヒンジ部5を中心に各側板1a、1bに重なる方向に回動して折り畳むことができると仮定した場合、両側板1a、1bの延長線が点D2で交わり、両側板1a、1bのなす角度αを2等分した2等分線は図14(b)においてM2で示され、傾斜ヒンジ部9はこの2等分線M2上に位置することになるが、この状態で上記図14(b)において紙面上で点A、点Bからそれぞれ各側板1a、1bの下辺に対して直角な線L2、L2’を引いた場合における上記2等分線M2上に位置する傾斜ヒンジ部9と交わる交点C1、C2は図14(b)のようになり、交点C1、C2が傾斜ヒンジ部9上で一致しないことになる。ところが、この交点C1、C2は前述のように本来は傾斜ヒンジ部9上のある特定の一点Cであり、図14(b)のように交点C1、C2が一致しないということは、傾斜ヒンジ部9において折り畳むことができないということを証明している。
このように、特許文献2に示された合成樹脂製の重なり代吸収部8を設けた折り畳み箱は、重複片11を隣接する底片4bに溶着して固着してあるので、鋭角に折り畳まれる隅部において、各底片4a、4bがそれぞれ側板1a、1bに同士が重なるように折り畳むことができず、実施は困難である。また、大きな力をかけて無理矢理折り畳もうとすれば、底片4a、4bや重複片11、側板1a、1bが変形したり、破損したりしてしまい到底折り畳み箱としては使用できないという問題がある。
更に、特許文献2に示された従来例にあっては、ヒンジ部2、5、9は側板1、底片4等よりも薄い薄肉のヒンジ部であり、この薄肉のヒンジ部は側板1、底片4と同一の硬質樹脂により射出成形で一体に形成してあってヒンジ部に相当する箇所だけ薄くしてある。このように側板1、底片2と同一の硬質樹脂により射出成形で一体に形成した従来の硬質樹脂よりなる薄肉のヒンジ部は繰り返し曲げると割れやすいという問題がる。
また、上記のような合成樹脂製の折り畳み箱において、硬質樹脂の部分が直接床やコンベアやトラックの荷台あるいは他の合成樹脂製折り畳み箱上等に載置されるため、段ボールに比べて滑り易いという問題があり、荷崩れしたり、コンベアやトラックの荷台から滑り落ちるという問題があり、また、衝撃を受けた場合にヒンジ部部分に緩衝効果もなく、また、隅部に人が当たった場合、人を傷付けるおそれがあるという問題があった。
特開平8−169436号公報
特開平8−282648号公報
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
本発明の合成樹脂製の折り畳み箱7は図1に示すように、少なくとも合成樹脂よりなる角筒状側壁構成部3と合成樹脂よりなる底板構成部6とを備えたものである。
角筒状側壁構成部3は、図1乃至図5に示すように、前後左右にそれぞれ対向する4枚の側板1の隣接する側端部同士を側板連結ヒンジ部2で折り畳み自在に連結して構成してあり、この角筒状側壁構成部3は、箱状に組み立て状態で平面視長方形又は正方形となり、且つ、折り畳みに当たって図9に示すように、一対の対角部の隅部が鋭角となり且つ他の一対の対角部の隅部が鈍角となるように略平行四辺形状に折り畳むことを経て図8に示すように偏平に折り畳むことができるように構成してある。添付図面に示す実施形態では箱状に組み立てた状態で平面視長方形状となる例を示しているが、箱状に組み立てた状態で平面視正方形状のものであってもよい。
また、上記前後左右の4枚の側板1の下辺から図1、図5に示すようにそれぞれ底片連結ヒンジ部5を介して一体に底片4を連出してあり、この4枚の底片4により底板構成部6が構成してある。各底片4は角筒状側壁構成部3を略平行四辺形状に折り畳んで行く際に側板1の内面側に近づくように底片連結ヒンジ部5部分を中心に回動して折り畳みの最終段階で図8に示すように側板1の内面に重なるように折り畳まれるようになっている。
角筒状側壁構成部3は上記のように平面視長方形又は正方形に(つまり四角筒状に)組み立てた状態から略平行四辺形状に折り畳むことを経て偏平に折り畳むことができるようになっているが、この場合、図3に示すように上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部の両側の2つの側板1(1a、1b)のうちの一方の側板1aの端部(上記鋭角となるように折り畳まれる方の隅部側の端部)の内面側に該側板1と一体に重なり代吸収部8となる柱状突出部を該側板1の高さ方向に沿って立設してある。
上記重なり代吸収部8は、4枚の側板1が略平行四辺形に折り畳まれ且つ各底片4が各側板1の内面に重なった折り畳み状態で上記重なり厚みに対応する長さに設定してある。
上記略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部の両側の2つの側板1a、1bのうちの一方の側板1(添付図面においては長辺側の側板1a)から連出した底片4(以下底片4aと称する)の一側部には、箱形状に組み立てた状態で平面視で上記両側板1a、1bの下辺に対してそれぞれ鋭角(実施形態では45°)に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出してある。
そして、図10に示すように、上記重複片11を上記隣接する他方の側板1bの下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4(以下底片4bと称する)に重複状態でスライド結合手段17によりスライド自在に結合してある。
また、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部において隣接する両底片4同士は非連結であって、相互にフリーの関係となっている。
また、添付図面に示す実施形態では図2、図3に示すように、1乃至複数の側板1の上辺には蓋連結ヒンジ部10を介して蓋片15が折り畳み自在に連出してある。なお、この蓋片15は設けない場合もある。
添付図面に示す実施形態においては、上記の構成の合成樹脂製の折り畳み箱7は合成樹脂の一体成形により形成した図11、図12に示すような箱半体12を2つ組み合わせ結合して構成してある。
箱半体12は、図11、図12の展開図に示すように、隣接する一対の側板1a、1bの側端部同士を側板連結ヒンジ部2(以下側板連結ヒンジ部2aと称する)で連結し、一方の側板1aの側板連結ヒンジ部2aで連結していない方の側端に内面側に向けて重なり代吸収部8となる柱状突出部を側板1aの側端に沿って突設し、更に、他方の側板1bの側板連結ヒンジ部2aで連結していない方の側端に別の側板連結ヒンジ部2(以下側板連結ヒンジ部2bと称する)を設けてあり、該側板連結ヒンジ部2bの先端部に連結部18を設け、また、隣接する一対の側板1a、1bの各下辺から底片連結ヒンジ部5を介してそれぞれ底片4a、4bを連出し、更に、両隣接する底片4a、4bのうち一方の底片4aの隣接する他方の底片4bと反対側の側端に該底片4aを連出している底片連結ヒンジ部5に対して鋭角(実施形態では45°)に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を連出することで構成してある。添付図面では更に側板1の上辺に蓋連結ヒンジ部10を介して蓋片15が連出してある。上記構成の箱半体12は合成樹脂の2色射出成形により一体に形成されるもので、側板1、底片4、重複片11、蓋片15が、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PVC(塩化ビニル樹脂)、ABS樹脂等の硬質樹脂により成形してあり、また、側板1と側板1、側板1と底片4、底片4と重複片11、側板1と蓋片15とはそれぞれ側板連結ヒンジ部2a、2b、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10により折り畳み自在に一体に連結してあるが、この側板連結ヒンジ部2a、2b、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部または全部が例えば、TPE(エラストマー)、LDPE(低密度ポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)等の軟質樹脂により成形してある。
上記のように合成樹脂により一体成形した箱半体12を2個用いて、一方の箱半体12の一方の側板1aの側端に設けた重なり代吸収部8に、他方の箱半体12の他方の側板1bの側端に設けた別の側板連結ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18を重ねて連結手段16により連結し、同様にして他方の箱半体12の重なり代吸収部8に一方の箱半体12の側板連結ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18を重ねて連結する。これにより、2個の側板連結ヒンジ部2aが一対の対角部に位置し且つ他の2個の側板連結ヒンジ部2bが他の一対の対角部に位置し、組み立て状態で平面視長方形又は正方形となり且つ折り畳みに当たって側板連結ヒンジ部2bが鋭角に、側板連結ヒンジ部2aが鈍角となる略平行四辺形となるように折り畳まれる角筒状側壁構成部3が構成される。
また、一方の箱半体12の重複片11と他方の箱半体12の重複片11を連出していない方の底片4bとを重複すると共にスライド結合手段17により重複状態でスライド自在に結合し、同様に、他方の箱半体12の重複片11と一方の箱半体12の重複片11を連出していない方の底片4bとを重複すると共にスライド結合手段17により重複状態でスライド自在に結合する。つまり、2つの箱半体12を上記のように結合して折り畳み箱7を構成した場合、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部において隣接する両底片4a、4b同士が傾斜ヒンジ部9、重複片11を介してスライド可能に連結してある。また、各箱半体12の成形時に一体に成形された底板4同士は非連結とし、相互にフリーの関係とする。つまり、2つの箱半体12を上記のように結合して折り畳み箱7を構成した場合、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鈍角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部において隣接する両底片4同士を非連結とするのである。このようにして底片連結ヒンジ部5を介して4枚の底片4が各側板1の内面に重なるように折り畳み自在となった底板構成部6が構成される。
このように、2つの箱半体12を組み合わせ結合することで合成樹脂製の折り畳み箱7を形成することができる。なお、本実施形態では組み合わせる2つの箱半体12は同一形状のものを用いてあり、共通の成形金型により成形することが可能となる。
重なり代吸収部8と側板連結用ヒンジ部2bの先端部に設けた連結部18とは上記のように連結手段16により連結するのであるが、この場合、硬質合成樹脂よりなる重なり代吸収部8に重複して連結される連結部18としては、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bと同様に軟質合成樹脂製であってもよいが、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bの先端部に硬質合成樹脂の連結部18を設けてもよい(添付図面に示す実施形態では硬質合成樹脂の連結部18を設けたもので、軟質合成樹脂の側板連結用ヒンジ部2bの先端の軟質部分内面又は外面に硬質合成樹脂製の連結部18を重複一体化した例が示してある)。
連結手段16としては特に限定はないが、例えは、接着、溶着、あるいは係合による連結、固着具による連結等を挙げることができる。係合による連結の場合、例えば図11、図12に示すように重なり代吸収部8に係合部16aを設けると共に側板連結ヒンジ部2b(連結部18)側に被係合部16bを設けて係合部16aを被係合部16bに係合するようにしてもよい。
また、重複片11と底片4bとを重複状態でスライド自在に結合するスライド結合手段17は、例えば、図10に示すように、重複片11又は底片4bの一方にスライド突起19を突設し、他方にスライド突起19がスライド自在に差し込まれるスライド突起19よりも大きなスライド孔20を形成し、スライド孔20にスライド突起19がスライド孔20から抜けないようにするための抜け止め部20aを設けて構成してある。
上記の構成の合成樹脂製の折り畳み箱7は4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるように(つまり四角筒状に)組み立てた状態で、4つの底片4a、4bは、重複片11と底片4bとがスライド自在に重複連結した状態のまま各側板1に対して直角となって四角筒状の底を形成し、上方が開口した箱が組み立てられる。
このように箱形状に組み立てた状態で合成樹脂製の折り畳み箱7内に種々の収納物を収納し、蓋片15で上の開口を図2のように閉じる。その後、通常のボトムロック式の段ボール箱と同様に、蓋片15が開かないように粘着テープを貼り付け、更に、底片4側も粘着テープを貼り付けて開かないようにする。
収納物を取出す場合には、粘着テープを剥離し、蓋片15を回動して開けることで収納物を取出すことができる。
収納物を入れない非使用時には、図1、図2、図4、図5のように4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となっている組み立て状態から、図9に示すように4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3が略平行四辺形となるように折り畳むことで、図8に示すように対向する側板1がほぼ平行で且つ側板1の内面に沿って底片4を重ねた状態、つまり偏平状態に折り畳むことができる。この場合、折り畳んだ状態で対向する側板1と、各側板1の内面に沿って重ねた底片4との重なり代を重なり代吸収部8により吸収して、無理無く折り畳むことができる。
また、4枚の側板1からなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるように組み立てたり、あるいは、略平行四辺形に折り畳んだりする際、本発明においては、略平行四辺形状に折り畳んだ際に鋭角となるように折り畳まれる方の一対の対角部の隅部の両側の2つの側板1a、1bのうちの一方の側板1aから連出した底片4aの一側部に、箱形状に組み立てた状態で上記両側板1に対して鋭角に傾斜した傾斜ヒンジ部9を介して重複片11を突出し、該重複片11を上記隣接する他方の側板1bの下辺から底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4bに重複状態でスライド自在に結合してあるので、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにしたり、略平行四辺形状に折り畳んだりする際、重複片11が底片4bに対して重複状態を保ちながらスライドすることで、底片4aが底片連結ヒンジ部5を介して側板1aに対して回動し且つ該側板1aに対して重複片11が傾斜ヒンジ部9を介して回動し、同時に、底片4bが重複片11に対して重複状態でスライドしながら底片連結ヒンジ部5を介して側板1bに対して回動し、これにより4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を平面視長方形又は正方形となるようにするだけで4つの底片4を自動的に回動しながら該4つの底片4よりなる底板構成部6により箱の底を自動的に且つスムーズに形成したり、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3を略平行四辺形になるように折り畳むことで、自動的に各底片4をそれぞれ各側板1の内面に沿うようにスムーズに折り畳むことができ、図14に示すように重なり代吸収部8を設けた合成樹脂製の折り畳み箱における折り畳むことができないという問題を解決できる。
本発明の合成樹脂製の折り畳み箱7は、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部又は全部を軟質合成樹脂により形成してあることで、箱形状に組み立てた状態で積み重ねたり、略平行四辺形状に折り畳んだ状態で積み重ねたり、コンベアに載せて搬送したり、あるいは箱形状に組み立てた状態で床やコンベアやトラックの荷台やあるいは他の合成樹脂製の折り畳み箱7等の載置部に載置した場合、軟質合成樹脂よりなるヒンジ部が載置部に接触することになってヒンジ部が滑り止め機能を発揮して、折り畳み箱7が滑ったり、ずれたりするのを防止することができるものであり、また、衝撃が加わった際に軟質樹脂よりなるヒンジ部が衝撃の緩衝作用をするものである。この場合、軟質合成樹脂よりなるヒンジ部の外面が側板1や底片4や重複片11、蓋片15の外面より少し外に突出するように構成しておくとよりいっそう滑り止め効果が発揮できる。
ところで、添付図面に示す実施形態においては、箱形状に組み立てた状態で、折り畳み箱7の底は図4に示すように、折り畳み箱7の上開口から見て2つの底片4aのみが見えるように構成してある。
すなわち、折り畳みに当たって鈍角となるように折り畳まれる隅部の両側の側板1a、1bのうち一方の側板1aの下辺に底片連結ヒンジ部5を介して連出した底片4aは、図11、図12に示すように、底片連結ヒンジ部5に沿って連続する直角台形状をした直角台形片部21と略平行四辺形状をした段落ち重複片部22とで構成してある。
直角台形片部21は直角台形状をしており、その下底(つまり直角台形の下底)が底片連結ヒンジ部5に沿っており、また、直角台形片部21はその下底の一端が側板1aの下辺の鈍角となるように折り畳まれる隅部側の端部に位置して上記直角台形片部21の垂直辺が側板1aの下辺の鈍角となるように折り畳まれる隅部側の端部に位置すると共に該垂直辺の長さを上記隅部の両側の側板1a、1bのうち他方の側板1bの下辺の長さに等しくし設定してある。直角台形片部21の下底の他端(つまり直角台形の下底と斜辺とが交わる点)は側板1aの他端(実施形態では重なり代吸収部8側の端部)から側板1aの一端側に所定寸法ずれて位置している。また、直角台形片部21の斜辺は下底に対して45°の傾斜となっている。
直角台形片部21の斜辺から段落ち重複片部22が一体に連設してあり、この段落ち重複片部22は略平行四辺形状をしていて略平行四辺形の鈍角を挟んだ一辺が直角台形片部21の斜辺の底片連結ヒンジ部5側の端部から全長さの1/2の部分までの範囲で一体に連出してあり、略平行四辺形状をした段落ち重複片部22も略平行四辺形の鈍角を挟んだ他辺が底片連結ヒンジ部5を介して側板1aに折りたたみ自在に連結してある。段落ち重複片部22の上面は直角台形片部21の上面よりも下方に段落ちしている。
段落ち重複片部22の直角台形片部21の斜辺と対向する斜辺から傾斜ヒンジ部9を介して直角二等辺三角形状をした重複片11が連出してある。
直角二等辺三角形状をした重複片11の直角を挟む2辺のうち一辺は図11、図12に示すように展開状態で略平行四辺形状をした段落ち重複片部22の底片連結ヒンジ部5と対向する辺と一直線となるように設定してあり、また、直角二等辺三角形状をした重複片11の直角を挟む2辺のうち他の1辺は展開状態で重なり代吸収部8の内面と平面視で略一直線状となるように設定してある。
直角台形片部21の下面側は図12のように溝部25となっており、該溝部25の一部が深さの深い深溝部26となっており、溝部25の残りの部分が深さの浅い浅溝部27となっており、実施形態では直角台形片部21の下面の溝部25の上底部分から底リブ28を突設することで底リブ28の先端が底となる深さの浅い浅溝部27を構成しており、深溝部26の下開口は浅溝部27の下開口と連続している。
浅溝部27の深さは底片4bの厚みと同一又は略等しくなっており、深溝部26の深さは底片4bの厚みと重複片11の厚みとの合計と同一又は略等しくなっている。また、深溝部26の深さは段落ち重複片部22の厚みと同一又は略等しくなっている。
そして、折り畳み箱7を箱形状に組み立てて上記のように2つの直角台形片部21の斜辺同士を当接又は近接させて2つの直角台形片部21の上面を面一に連続させて箱の上開口から見た場合の底面を形成した状態で、図6、図7、図12に示すように、一方の直角台形片部21の裏面の深溝部26に、この底片4aと対向する別の底片4aの段落ち重複片部22と傾斜ヒンジ部9と重複片11が嵌り込んでそれぞれ直角台形片部21の下面側に重複すると共に浅溝部27と深溝部26の重複片11を嵌め込んだ部分の重複片11の下面側に嵌り込んで直角台形片部21の下面側と重複片11の下面側とに重複する。箱の底の上面及び下面はいずれも段差のない面一状態となり、特に、箱の底の上面は2つの直角台形片部21の斜辺同士を当接又は近接させて2つの直角台形片部21の上面を面一に連続させて形成してあるので、箱の内面を見た場合の底が綺麗で、収納物を入れた場合に引っ掛かったりしない。
そして、折り畳み箱7を箱形状に組み立てた状態では、一対の対角部の隅部に重なり代吸収部8となる柱状突出部が設けてあるので、この重なり代吸収部8となる柱状突出部の存在により角筒状にした角筒状側壁構成部3の角筒状の形状が崩れ難くなり、同時に、一方の底片4aから傾斜ヒンジ部9を介して連出した重複片11と他方の底片4bとがスライド自在に重複状態で連結してあるので、4つの側板1よりなる角筒状側壁構成部3が四角筒状である限り、底片4a、4bがそれぞれ側板1a、1bに対して直角状態を維持し、底片4a、4bが開いて箱の底が抜けることがない。
したがって、折り畳み箱7を箱形状に組み立てた状態で内部に収納物の出し入れが容易にできることになる。
添付図面に示す実施形態においては、合成樹脂製の2つのパーツ(すなわち2つの箱半体12)を組み合わせ結合して合成樹脂製の折り畳み箱7を形成した例を示したが、合成樹脂製の3つ以上のパーツを組み合わせ結合して合成樹脂製の折り畳み箱7を形成してもよい。また、折り畳み箱7全体を合成樹脂製の1パーツで形成し、これを組み立ててもよい。
ところで、添付図面に示す実施形態では、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10の一部又は全部を軟質合成樹脂により形成した例を示したが、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10を側板1や底片4、重複片11等と同じ硬質合成樹脂製の薄肉ヒンジ部として側板1や底片4等と一体に形成してもよい。
また、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10等を側板1、底片4、重複片11、側板連結ヒンジ部2、底片連結ヒンジ部5、傾斜ヒンジ部9、蓋連結ヒンジ部10等を一体に形成することなく別々に形成し、上記別体の各ヒンジ部を介して連結手段により側板1同士、側板1と底片4、底片4と重複片11をそれぞれ折り畳み自在に連結してもよい。この場合は上記各ヒンジ部が合成樹脂製であっても金属製であってもよい。
なお、蓋片15を設けた場合、折り畳み箱7を折りたたんで扁平にした状態で、各蓋片15が各側板1と平行に面一となるようにするが、蓋片15を側板1の内面に沿って重ねるように内側に折り畳んだりするものであってもよい。