JP4528094B2 - ガスケット用樹脂組成物およびそれを用いた医療用器具 - Google Patents

ガスケット用樹脂組成物およびそれを用いた医療用器具 Download PDF

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Description

本発明はガスケット用樹脂組成物およびそれを用いたシリンジ用ガスケット、並びに該ガスケットを具備してなる医療用器具に関する。
医療用器具として、例えばディスポーザブル注射器におけるように、筒状体と、該筒状体内壁面に密着して摺動するガスケットとを具備してなるものがある。従来、上記ガスケットは、加硫ゴムや、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック(具体的にはポリスチレンブロック)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを有し、a)例えば共役ジエン重合体ブロックが少なくとも1個末端にありかつ水素添加されている水添ブロック共重合体;b)スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加誘導体;c)数平均分子量が15万以上である必要に応じて水素添加されたブロック共重合体のように特定のブロック共重合体と、ゴム用軟化剤、およびポリオレフィン系樹脂[a)の場合はさらに、および/またはポリスチレン樹脂;b)は特定密度以上のポリエチレン樹脂]からなる組成物から形成されるものが提案されている[a)特許文献1参照、b)特許文献2参照、c)特許文献3参照]。また、医療用栓に用いるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を注射器用のガスケットに用いた場合に、押子に加えた変位が直ちにはガスケットの移動量とならずガスケットが間欠的に移動する、いわゆる脈動が発生するという問題を解消し得るガスケット用樹脂組成物としてスチレン・イソプレンブロック共重合体の水素添加誘導体および/またはスチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加誘導体、ゴム用軟化剤とポリオレフィン系樹脂を特定量比で含有するガスケット用樹脂組成物が提案されている(特許文献4参照)。
特開昭63−57661号公報 特開平2−156959号公報 特開平7−228749号公報 特開2004−123977号公報
しかしながら、加硫ゴムからなるガスケットは、複雑な加硫工程を経るため大がかりな設備が必要な上、イオウ、加硫促進剤、充填剤などの多くの添加物を配合する必要がある。その結果、それらの添加物が医療用器具の使用時に、当該医療に用いる注射液などの薬液または血液と接触し、これらの中に溶出する恐れがある。これに対し、スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する組成物からなるガスケットは、イオウなどの架橋剤を含有せず、成形加工性や安全性において優れるものの、加硫ゴムに比べてゴム弾性が劣るという問題がある。そして、摺動特性とのバランスにおいても必ずしも満足のいくものではなかった。特許文献2の組成物では、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体と高密度ポリエチレン系樹脂を組み合わせた組成物を用いると、得られる成形品の表面性が荒れる傾向となるという問題を有する。特許文献4の樹脂組成物は、ガスケットに用いた場合の脈動の発生が抑えられ、摺動特性が改善されているが、成形加工性、密封性についてなお向上の余地がある。
しかして、本発明は、成形加工性が良好であり、成形品の外観に優れ、ガスケットに用いた場合に密封性が良く、脈動現象を生じず、摺動特性に優れるガスケット用樹脂組成物およびそれを用いたシリンジ用ガスケット、並びに該ガスケットを具備してなる医療用器具を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記の目的は、
(1)(i) 炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(I)を30質量%以上有する芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有するブロック共重合体の水素添加物からなる重量平均分子量が20000〜500000の範囲の付加重合系ブロック共重合体(a)、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)およびポリエチレン系樹脂(c)を含有するガスケット用樹脂組成物であって;
(ii) 付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の含有量が、質量比として、付加重合系ブロック共重合体(a)/非芳香族系ゴム用軟化剤(b)=30/70〜70/30の範囲であり;かつ、
(iii) 付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の合計量100質量部あたり、ポリエチレン系樹脂(c)5〜60質量部を含有する;
ことを特徴とするガスケット用樹脂組成物;
) 付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の合計含有量100質量部あたり、さらに(d)ASTM−D−790にしたがって測定した曲げ弾性率が200〜7000kgf/cm2、DSC法による結晶融解ピーク温度が120〜170℃であるポリプロピレン系樹脂を0.1〜20質量部含有してなる()のガスケット用樹脂組成物;
) 上記(1)または(2)のガスケット用樹脂組成物からなるシリンジ用ガスケット;および、
) 筒状体と、該筒状体内壁面に密着して摺動するガスケットとを具備してなる医療用器具であって、上記ガスケットが上記(1)または(2)のガスケット用樹脂組成物からなる医療用器具
を提供することによって達成される。
本発明によれば、成形加工性、成形品の外観、摺動特性、ガスケットに用いた場合に密封性が良好であり、かつ他の諸特性にも優れるガスケット用樹脂組成物を得ることができる。本発明のガスケット用樹脂組成物はシリンジ用ガスケットとして、また筒状体と、該筒状体内壁面に密着して摺動するガスケットとを具備してなる医療用器具であって、上記ガスケットとして、本発明の該ガスケット用樹脂組成物を適用した医療用器具に好適に用いることができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のガスケット用樹脂組成物において使用する付加重合系ブロック共重合体(a)は、構造単位(I)を30質量%以上有する芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロックBを1個以上有するブロック共重合体の水素添加物である。
構造単位(I)を構成する炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレンとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜8である、o−アルキルスチレン、m−アルキルスチレン、p−アルキルスチレン、2,4−ジアルキルスチレン、3,5−ジアルキルスチレン、2,4,6−トリアルキルスチレン、前記したアルキルスチレン類におけるアルキル基の水素原子の1個または2個以上がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキルスチレン類などが挙げられる。より具体的には、構造単位(I)を構成するアルキルスチレンとしては、例えばo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2,4,6−トリエチルスチレン、o−プロピルスチレン、m−プロピルスチレン、p−プロピルスチレン、2,4−ジプロピルスチレン、3,5−ジプロピルスチレン、2,4,6−トリプロピルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、2,4−ビス(クロロメチル)スチレン、3,5−ビス(クロロメチル)スチレン、2,4,6−トリ(クロロメチル)スチレン、o−ジクロロメチルスチレン、m−ジクロロメチルスチレン、p−ジクロロメチルスチレンなどが挙げられる。
重合体ブロックAは、構造単位(I)として前記したアルキルスチレンおよびハロゲン化アルキルスチレンのうちの1種または2種以上からなる単位を有することができる。そのうちでも、構造単位(I)としては、p−メチルスチレンに基づく構造単位が特に好ましい。
重合体ブロックAにおける構造単位(I)の割合は、付加重合系ブロック共重合体(a)を構成する重合体ブロックAの質量[付加重合系ブロック共重合体(a)が2個以上の重合体ブロックAを有する場合はその合計質量]に対し30質量%以上であり、50質量%以上であるのが好ましく、さらにすべての単位が構造単位(I)からなっていてもよい。構造単位(I)の割合が1質量%未満であると、成形加工性が不充分となる。重合体ブロックAにおける構造単位(I)とそれ以外の芳香族ビニル化合物単位との結合形態は、ランダム、ブロック、テーパードなどのいずれの形態であってもよい。
重合体ブロックAを構成する構造単位(I)以外の芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどからなる単位が挙げられ、これらの1種または2種以上の単位を有することができる。これらの中でも、芳香族ビニル化合物単位としてはスチレンに基づく単位が好ましい。
付加重合系ブロック共重合体(a)において、重合体ブロックAは構造単位(I)のみで構成されているのが特に好ましい。但し、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、重合体ブロックAは構造単位(I)および芳香族ビニル化合物以外の不飽和単量体、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、イソブチレン、メタクリル酸メチル、ビニルメチルエーテル、N−ビニルカルバゾール、β−ピネン、8,9−p−メンテン、ジペンテン、メチレンノルボルネン、2−メチレンテトラヒドロフランなどに由来する構造単位の1種または2種以上を少量、好ましくは重合体ブロックAの質量に対する割合として10質量%以下の範囲で有していてもよい。
付加重合系ブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの含有量は、本発明のガスケット用樹脂組成物から得られる成形品のゴム弾性および柔軟性の観点から、5〜45質量%の範囲内であることが好ましく、15〜40質量%の範囲内であることがより好ましい。なお、付加重合系ブロック共重合体(a)における重合体ブロックAの含有量は、例えばH−NMRスペクトルなどにより求めることができる。
一方、付加重合系ブロック共重合体(a)における共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを構成する共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。重合体ブロックBはこれらの化合物の1種類のみから構成されていてもよいし、2種以上から構成されていてもよく、中でもブタジエン、イソプレン、またはブタジエンとイソプレンの混合物から構成されているのが好ましい。なお、2種以上の共役ジエン化合物から構成される場合、その構成量比に特に制限はない。
重合体ブロックBが共役ジエン化合物から構成される場合において、共役ジエン化合物に由来する構造単位のミクロ構造は特に制限されないが、例えば重合体ブロックBがブタジエンから構成されている場合は、その1,2−結合単位の割合が5〜90モル%であることが好ましく、20〜70モル%であるのがより好ましい。また、重合体ブロックBがイソプレンから構成されているか、またはブタジエンとイソプレンの混合物から構成されている場合は、その1,2−結合単位および3,4−結合単位の合計が5〜80モル%であることが好ましく、10〜60モル%であるのがより好ましい。
また、重合体ブロックBが2種以上の共役ジエン化合物(例えばブタジエンとイソプレン)から構成されている場合は、それらの結合形態には特に制限はなく、ランダム、ブロック、テーパードまたはそれらの2種以上の組み合わせからなることができる。
重合体ブロックBは、共役ジエン化合物からなる構造単位とともに、必要に応じて他の重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよい。その場合の他の重合性単量体の割合は、付加重合系ブロック共重合体(a)を構成する重合体ブロックBの質量[付加重合系ブロック共重合体(a)が2個以上の重合体ブロックBを有する場合はその合計質量]に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。その場合の他の重合性単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、構造単位(I)を構成する前記したアルキルスチレン(好適にはp−メチルスチレン)などを挙げることができる。
付加重合系ブロック共重合体(a)は、重合体ブロックAと重合体ブロックBとが結合している限りは、その結合形式は限定されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれらの2つ以上が組合わさった結合形式のいずれでもよい。それらの中でも、重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合形式は直鎖状であることが好ましく、その例としては重合体ブロックAをAで、また重合体ブロックBをBで表したときに、A−B−Aで示されるトリブロック共重合体、A−B−A−Bで示されるテトラブロック共重合体、A−B−A−B−Aで示されるペンタブロック共重合体などを挙げることができる。それらのうちでも、トリブロック共重合体(A−B−A)が、付加重合系ブロック共重合体(a)の製造の容易性、柔軟性などの点から好ましく用いられる。
付加重合系ブロック共重合体(a)の重量平均分子量は、20000〜500000の範囲である必要があり、より好ましくは30000〜400000の範囲である。付加重合系ブロック共重合体(a)の重量平均分子量が20000未満である場合には、本発明のガスケット用樹脂組成物から得られる成形品の力学的特性が低下し、一方、500000を超える場合には成形加工性が劣る。
なお、ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
付加重合系ブロック共重合体(a)は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中および/または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を1種または2種以上有していてもよい。
付加重合系ブロック共重合体(a)は、例えば、次のような公知のアニオン重合法によって製造することができる。すなわち、アルキルリチウム化合物などを開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの重合反応に不活性な有機溶媒中で、構造単位(I)を構成するアルキルスチレン、または構造単位(I)を構成するアルキルスチレンと芳香族ビニル化合物の混合物、そしてブタジエン、イソプレンまたはブタジエンとイソプレンの混合物などの共役ジエン化合物を逐次重合させてブロック共重合体を形成する。
得られた該ブロック共重合体は、次に水素添加される。かかる水素添加反応は、例えば、上記で得られた該ブロック共重合体をシクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒中で、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、硅藻土などの担体に担持させた不均一触媒;コバルト、ニッケルなどの第8〜10族の金属からなる有機金属化合物とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物または有機リチウム化合物などの組み合わせからなるチーグラー系の触媒;チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属のビス(シクロペンタジエニル)化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムなどからなる有機金属化合物の組み合わせからなるメタロセン系触媒などの水素添加触媒の存在下で、通常、反応温度として20〜100℃の範囲で、水素圧力0.1〜10MPaの範囲の条件下で行なうことができ、該ブロック共重合体の水素添加物、すなわち付加重合系ブロック共重合体(a)を得ることができる。水素添加率は、本発明の重合体組成物に要求される物性に応じて適宜調整することができるが、耐熱性、耐候性および耐オゾン性を重視する場合、かかるブロック共重合体を構成する重合体ブロックBの共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加されていることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、95%以上が水素添加されていることが更に好ましい。
なお、重合体ブロックBの共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素二重結合の水素添加率は、ヨウ素価滴定、赤外分光光度計、核磁気共鳴などの測定手段により水素添加反応前後における重合体ブロックB中の炭素−炭素二重結合の量を測定し、その測定値から算出することができる。
本発明のガスケット用樹脂組成物において使用する非芳香族系ゴム用軟化剤(b)としては、従来から公知の非芳香族系のゴム用軟化剤が使用でき、そのなかでも非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤が適している。非芳香族系ゴム用軟化剤(b)は、1種のみを使用しても、または2種以上を併用してもよい。
一般に、ゴムの軟化、増容、加工性向上などのために用いられるプロセスオイルまたはエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の3者が組み合わさった混合物であって、全炭素数中で、パラフィン鎖の炭素数が50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環の炭素数が30〜45%のものがナフテン系、また芳香族炭素数が30%より多いものが芳香族系と称されている。本発明では、上記したプロセスオイルのうち、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)として、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルを用いることができる。そして、それら以外にも、流動パラフィン;落花生油、ロジンなどの植物油系軟化剤;エチレン−α−オレフィンオリゴマー、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレンなどの合成軟化剤などが挙げられる。非芳香族系ゴム用軟化剤(b)としては、特に40℃における動粘度が20〜800mm/sである軟化剤、中でもパラフィン系プロセスオイルであることが望ましい。
本発明のガスケット用樹脂組成物における付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の含有量は、質量比として、付加重合系ブロック共重合体(a)/非芳香族系ゴム用軟化剤(b)=30/70〜70/30の範囲であり、35/65〜65/35の範囲であるのが好ましく、40/60〜60/40の範囲であるのがより好ましい。非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の配合量が、付加重合系ブロック共重合体(a)との合計量100質量部に対して70質量部を超えると、得られるガスケット用樹脂組成物から得られる成形品の力学的特性が低下するほか、かかる組成物より得られる成形品からの非芳香族系ゴム用軟化剤(b)のブリードアウトが顕著となる傾向にあり、好ましくない。一方、30質量部未満では、かかる組成物の柔軟性、成形加工性が悪化する傾向となる。
本発明のガスケット用樹脂組成物において使用するポリエチレン系樹脂(c)としては、本発明の効果(成形加工性、摺動特性など)をより高度に発現させる観点から、好ましくは密度0.940g/cm以上のポリエチレン樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂(c)の密度が0.940g/cm未満である場合には、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)のブリードが増大したり、耐熱性、圧縮永久歪などの物性も不十分となる傾向となる。なお、ポリエチレン系樹脂(c)のメルトフローレート(MFR)に厳密な意味での制限は特にないが、好ましくは190℃、2.16kg荷重の条件で測定した値が0.1〜50g/10分の範囲であるものを用いる。
ポリエチレン系樹脂(c)の含有量は、付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の合計量100質量部あたり5〜60質量部の範囲であり、10〜50質量部の範囲であるのが好ましく、10〜40質量部の範囲であるのがより好ましい。ポリエチレン系樹脂(c)の含有量が5質量部未満では、得られるガスケット用樹脂組成物の成形加工性が悪化する傾向となり、一方、60質量部を超えると、かかる樹脂組成物の柔軟性、ゴム弾性が劣る傾向となる。
本発明のガスケット用樹脂組成物には、(a)〜(c)成分に加えて、さらに(d)ASTM−D−790にしたがって測定した曲げ弾性率が200〜7000kgf/cm2、DSC法による結晶融解ピーク温度が120〜170℃であるポリプロピレン系樹脂を含有させてもよい。
かかるポリプロピレン系樹脂(d)としては、リアクターブレンド法により共重合されたプロピレン系共重合体が好ましい。ここで、リアクターブレンド法とは、重合が1回で終了するのではなく、2段階以上の多段階の重合を行うことにより複数の種類のポリマーを連続して製造することができる重合法であり、機械的な手法を用いて異なる種類のポリマーからなる混合樹脂を得る、いわゆる通常のポリマーブレンド法とは全く異なる手法であり、分子レベルでのブレンドタイプの共重合樹脂を生産する方法である。
リアクターブレンド法により得られる樹脂は、各成分が微細に分散すること、好ましくは平均分散粒径が0.05〜2μmの範囲で分散することにより、各樹脂が具備する、性質の異なる機械加工性を忠実に具現したものを得ることができる。具体的な製造方法としては、例えば、特開平3−205439号公報、特開平6−25367号公報、特開平6−25489号公報などに記載された方法が挙げられる。
リアクターブレンド法によりポリプロピレン系樹脂(d)を製造する方法は、より具体的には例えば下記の通りである。
まず第1段階として、チタン化合物触媒成分および有機アルミニウム化合物触媒成分の存在下にプロピレンを単独重合させ、もしくは、プロピレンとエチレンまたはα−オレフィンとを共重合させ、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のチタン含有ポリオレフィンを得る。α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが用いられる。
ついで第2段階として、上記チタン化合物触媒成分および有機アルミニウム化合物触媒成分、上記単独重合体または共重合体を製造した後の反応液に、プロピレン、エチレンおよび/またはα−オレフィンを加えて上記チタン含有ポリオレフィンと共重合させることにより、ポリプロピレン系樹脂(d)が得られる。このとき第2段階における添加成分は、1段で加えられても2段で加えられてもよい。すなわちこの重合反応は全体として3段以上の多段重合であってもよい。
リアクターブレンド法により得られたポリプロピレン系樹脂(d)はポリエチレン系樹脂に比べて相対的にスチレン系熱可塑性エラストマーと相溶し易い。
また、この方法によって得られたポリプロピレン系樹脂(d)は、通常の方法によって得られたポリプロピレン系樹脂とは異なり非常に柔軟であり、曲げ弾性率の小さい樹脂を容易に製造できる。通常のポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率が7000kgf/cm以上であるのに対して、本発明においては200〜7000kgf/cmの、好ましくは500〜3000kgf/cmのものを使用する。曲げ弾性率が200kgf/cm未満では、満足すべき伸長回復性が得られず、7000kgf/cmを越えると、樹脂が柔軟性に欠ける。曲げ弾性率の測定は、ASTM−D−790に規定された測定方法によって行われる。
また、リアクターブレンド法により得られたポリプロピレン系樹脂(d)は、耐熱性については、通常のポリプロピレン系樹脂と同様に、DSC法による結晶融解ピーク温度が120〜170℃、好ましくは135〜170℃の範囲にある耐熱性を有する。
DSC法による結晶融解ピーク温度は、所定量の試料をアルミニウムパンに入れ、DSC(島津製作所社製「DS−50型」)を用いて示差走査熱量を測定することによって求められる。測定条件については、試料を一度溶融させた後、5℃/分の速度で−50℃まで冷却させ、それから5℃/分の速度で昇温して、DSC測定を行う。
ポリプロピレン系樹脂(d)のメルトフローレート(MFR)は、230℃、2.16kg荷重の条件で測定した値として通常0.1〜60g/10分、好ましくは0.5〜50g/10分、さらに好ましくは1〜40g/10分である。かかるMFRが0.1g/10分未満の場合には、これを含有した本発明のガスケット用樹脂組成物を成形する際、溶融粘度が高く、成形加工性が低下すると共に、成形品外観も悪化する傾向にある。一方、一方、かかるMFRが60g/10分を超えると、これを成分とした本発明のガスケット用樹脂組成物を成形してなる成形品の機械的強度が低下する傾向にある。
本発明においてポリプロピレン系樹脂(d)をさらに含有させる場合、エチレンとプロピレンを共重合させて得られたポリプロピレン系樹脂(d)を用いるのが特に好ましい。かかるポリプロピレン系樹脂(d)中にはエチレン−プロピレン系共重合体ゴムが微分散している。かかるエチレン−プロピレン系共重合体ゴムの平均分散粒径は、0.05〜2μm、好ましくは0.1〜1.5μm、特に好ましくは0.2〜1.2μmである。ゴム粒径は、本発明のガスケット用樹脂組成物を成形してなる成形品の機械的強度および衝撃による白化に大きく効き、ゴム粒径が適度な大きさになると機械的強度が高く、かつ衝撃時の白化も小さくなる。市販のエチレン−プロピレン系共重合体ゴム、ポリオレフィン系樹脂、フィラーとの組成物では、それを成形した成形品中のゴム粒径は大きい。そのために、機械的強度が低く、かつ衝撃時の白化も大きい。従って実用的な特性を持つ成形品とはならない。本発明の特徴は、ポリプロピレン系樹脂(d)中のエチレン−プロピレン系共重合体ゴムの粒径が小さく、これをさらに含有成分とすることにより実用的な機械的強度、衝撃時の耐白化性を付与することが可能となったことである。ゴム粒径が2μmを超えると、機械的強度が低く、かつ衝撃時の白化も大きい。一方、0.05μm未満のものは、工業的に製造することが難しい。
なお、ポリプロピレン系樹脂(d)は、例えばモンテルBasell社製「Adflex」(商品名)シリーズ、トクヤマ社製「P.E.R」(商品名)シリーズ、チッソ社製「ニューコン」(商品名)シリーズなどの名称で容易に入手することができる。
ポリプロピレン系樹脂(d)をさらに含有させる場合、その量は、付加重合系ブロック共重合体(a)および非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の合計量100質量部あたり0.1〜20質量部の範囲であり、好ましくは0.5〜10質量部の範囲であり、より好ましくは1.0〜5質量部の範囲である。0.1質量部未満ではかかる樹脂組成物から得られる成形品の外観が悪化する傾向となる。一方、20質量部を超えると成形品が硬くなり、ガスケットとしての機能が低下する傾向となる。
本発明では、ガスケット用樹脂組成物のさらなる成形加工性(流れ性、成形品外観)の改良を目的として、炭化水素系ワックス(e)を配合することができる。炭化水素系ワックス(e)としては、石油精製により得られる融点40〜100℃、100℃粘度1〜30センチストークスのパラフィンワックスや重合によって得られる滴点(ASTM−D−3104)90〜120℃、140℃粘度(ブルックフィールド)40〜7000cpsのポリエチレン系ワックスが挙げられる。これらの中でもポリエチレン系ワックスが好ましい。
本発明において炭化水素系ワックス(e)をさらに含有させる場合、その量は、付加重合系ブロック共重合体(a)および非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の合計量100質量部に対し、通常、0.1〜20質量部の範囲、好ましくは0.5〜10質量部の範囲である。0.1質量部未満では添加の効果が得られず、一方、20質量部を超えた場合は、かかる樹脂組成物から得られる成形品の柔軟性およびゴム弾性が低下する。
本発明のガスケット用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の重合体を含有することができる。含有し得る他の重合体としては、例えばポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド6・10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・12、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマーなどのポリオキシメチレン系樹脂;スチレン単独重合体、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂などのスチレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM);スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴムまたはその水素添加物もしくはその変性物;天然ゴム;合成イソプレンゴムおよびその水素添加物または変性物;クロロプレンゴム;アクリルゴム;ブチルゴム;アクリロニトリル・ブタジエンゴム;エピクロロヒドリンゴム;シリコーンゴム;フッ素ゴム;クロロスルホン化ポリエチレン;ウレタンゴム;ポリウレタン系エラストマー;ポリアミド系エラストマー;ポリエステル系エラストマー;軟質塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
なお、他の重合体を含有させる場合、その含有量は、得られるガスケット用樹脂組成物の力学的特性が損なわれない範囲が好ましく、付加重合系ブロック共重合体(a)100質量部に対して20質量部以下であるのが好ましい。
また、本発明のガスケット用樹脂組成物は、必要に応じて無機充填剤を含有することができる。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸マグネシウム、ガラス粉末、金属粉末、カオリン、グラファイト、二硫化モリブデン、酸化亜鉛などが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。無機充填剤を含有させる場合、その量は、本発明の効果が損なわれない範囲であるのが好ましく、一般的には、付加重合系ブロック共重合体(a)100質量部に対して50質量部以下であるのが好ましい。
さらに、本発明のガスケット用樹脂組成物は、必要に応じてα−メチルスチレン樹脂などの補強樹脂、流動性改良剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などの1種または2種以上を含有することができる。
本発明のガスケット用樹脂組成物の製造方法としては、通常の樹脂組成物または熱可塑性エラストマー組成物の製造に際して用いられる方法が採用できる。すなわち、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロール、各種ニーダーなどの溶融混練機を用いて、付加重合系ブロック共重合体(a)、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)、ポリエチレン系樹脂(c)、ポリプロピレン系樹脂(d)および他の任意添加成分を混合する方法によって製造することができる。溶融混練時の温度は140〜250℃の範囲であるのが好ましい。
また、本発明のガスケット用樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形などの熱可塑性樹脂の成形法が適用可能である。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において得られた樹脂組成物の評価は次のようにして行なった。
[1]硬度(JIS−A)
実施例および比較例で得られた樹脂組成物を用い、53ton射出成形機(東芝機械(株)製、IS−55EPN)によって射出圧力196MPa(2000kg/cm)、射出温度220℃、金型温度40℃で厚さ2mmのシートを作成した。得られたシートを6枚重ねて厚さ12mmとし、JIS K 6253に準じてJIS−A硬度を測定した。なお、シリンジ用ガスケットにおいては、硬度が高すぎると摺動特性および組立性が悪く、一方、硬度が低すぎると押子との係合力が不十分となって係合外れを生じる。本発明のガスケット用樹脂組成物から得られる成形品の硬度は20以上75以下、好ましくは40以上75以下が適正である。
[2]圧縮永久歪み
上記[1]で作製した厚さ2mmのシートを、直径29mmの円形に打ち抜き、それを6枚重ねて温度200℃、圧力2.9MPaで5分間プレスして試験片を作製し、その試験片を用いて、JIS K 6262に準じて、70℃の温度条件下、圧縮変形量25%で22時間放置した後の圧縮永久歪みを測定した。この値が小さいほどガスケットをシリンジの外筒に挿入した時の密封性が維持されやすい。
[3]成形性
実施例および比較例で得られた樹脂組成物を用いて、JIS K 7210に準じて、230℃、5kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)を測定した。MFRの値が高いほど成形加工性に優れるとした。さらに、上記試験片作製における射出成形時の流れ性により下記基準により成形性を評価した。
◎:優(流れ性が良くフローマーク等が全く見られない)
○:良(流れ性が良くフローマーク等がほとんど見られない)
[4]成形品外観
実施例および比較例で得られた樹脂組成物を用い、53ton射出成形機(東芝機械(株)製、IS−55EPN)によって射出圧力196MPa(2000kg/cm)、射出温度220℃、金型温度40℃で、ピーク径20.2mmの20mlシリンジ用ガスケットを作成し、その表面を光学顕微鏡により30倍に拡大して観察し、下記基準により評価した。
◎:平滑
○:やや凹凸あり
×:荒れている
[5]オイルブリード
上記[1]で作製した厚さ2mmのシートを180度折り曲げて、室温下で24時間放置後、折り曲げたシートの内側の折り目部分の状態を目視で観察し、オイルブリードの有無を評価した。
◎:ブリードなし
○:ややブリードあり
[6]定速押込摺動試験
実施例および比較例で得られた樹脂組成物を用い、53ton射出成形機(東芝機械(株)製、IS−55EPN)によって射出圧力196MPa(2000kg/cm)、射出温度220℃、金型温度40℃で、ピーク径20.2mmの20mlシリンジ用ガスケットを作成した。引張試験機を用いて20mlシリンジ(シリンジ材質:ポリプロピレン)を固定する冶具を作成した。なお、20mlシリンジ外筒の内径は19.8mmである。上記で得られたそれぞれのシリンジ用ガスケットを取り付けた20mlシリンジ用押子をシリンジに挿入し、押子に引張試験機のロードセルを連結して、押込速度10mm/分で押動して50mm移動させた時の抵抗力を5回測定し、その平均値を求めた。
◎:8N未満
○:8N以上9N未満
△:9N以上10N未満
×:10N以上
[7]脈動
[6]の定速押込摺動試験の際、押子にロードセルを連結して一定距離移動させた時の抵抗力の変化を測定した。そして脈動の評価は、押込速度10mm/分で押動して移動距離50mmの間に、抵抗力の急変が生じる回数により以下のように評価した。
◎:1回以下
○:2回以上
また、以下の実施例または比較例で用いた付加重合系ブロック共重合体(a)、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)、ポリエチレン系樹脂(c)およびポリプロピレン系樹脂(d)の内容は下記のとおりである。
付加重合系ブロック共重合体(a)
参考例1
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン30kg、sec−ブチルリチウム20ml(1.3Mシクロヘキサン溶液)およびp−メチルスチレン700gを加え、50℃で120分間重合し、次いでテトラヒドロフラン63gおよびブタジエン2600gを加えて120分間重合した。その後、さらにp−メチルスチレン700gを加え、120分間重合した後、メタノールを添加して重合を停止し、ポリ(p−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(p−メチルスチレン)トリブロック共重合体を含む反応混合液を得た。得られた反応混合液に、オクチル酸ニッケルとトリイソプロピルアルミニウムより別途調製した水素添加触媒を添加し、80℃、1MPaの水素雰囲気下において5時間水素添加反応を行い、ポリ(p−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(p−メチルスチレン)トリブロック共重合体の水素添加物[以下、これをブロック共重合体(a−1)と称する]を得た。得られたブロック共重合体(a−1)の数平均分子量(Mn)は260000;重量平均分子量(Mw)は275000;ポリ(p−メチルスチレン)ブロックの割合は35質量%;ポリブタジエンブロックの水素添加率は99モル%であった。
参考例2
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン30kg、sec−ブチルリチウム28ml(1.3Mシクロヘキサン溶液)およびp−メチルスチレン/スチレン=30/70(質量比)で混合した混合物778gを加え、50℃で120分間重合し、次いでイソプレン/ブタジエン=60/40(質量比)で混合した混合物3630gを加えて120分間重合した。その後、さらにp−メチルスチレン/スチレン=30/70(質量比)で混合した混合物778gを加え、120分間重合した後、メタノールを添加して重合を停止し、ポリ(p−メチルスチレン/スチレン)−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリ(p−メチルスチレン/スチレン)トリブロック共重合体を含む反応混合液を得た。得られた反応混合液に、オクチル酸ニッケルとトリイソプロピルアルミニウムより別途調製した水素添加触媒を添加し、80℃、1MPaの水素雰囲気下において5時間水素添加反応を行い、ポリ(p−メチルスチレン/スチレン)−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリ(p−メチルスチレン/スチレン)トリブロック共重合体の水素添加物[以下、これをブロック共重合体(a−2)と称する]を得た。得られたブロック共重合体(a−2)のMnは200000;重量平均分子量(Mw)は213000;ポリ(p−メチルスチレン/スチレン)ブロックの割合は30質量%;ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックの水素添加率は99モル%であった。
参考例3
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン30kg、sec−ブチルリチウム20ml(1.3Mシクロヘキサン溶液)およびスチレン700gを加え、50℃で120分間重合し、テトラヒドロフラン63gおよびブタジエン2600gを加えて120分間重合した。その後、さらにスチレン700gを加え、120分間重合した後、メタノールを添加して重合を停止し、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体を含む反応混合液を得た。得られた反応混合液に、オクチル酸ニッケルとトリイソプロピルアルミニウムより別途調製した水素添加触媒を添加し、80℃、1MPaの水素雰囲気下において5時間水素添加反応を行い、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物[以下、これをブロック共重合体(a−3)と称する]を得た。得られたブロック共重合体(a−3)のMnは260000;重量平均分子量(Mw)は276000;ポリスチレンブロックの割合は35質量%;ポリブタジエンブロックの水素添加率は99モル%であった。
参考例4
撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン30kg、sec−ブチルリチウム28ml(1.3Mシクロヘキサン溶液)およびスチレン778gを加え、50℃で120分間重合し、次いでイソプレン/ブタジエン=60/40(質量比)で混合した混合物3630gを加えて120分間重合した。その後、さらにスチレン778gを加え、120分間重合した後、メタノールを添加して重合を停止し、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体を含む反応混合液を得た。得られた反応混合液に、オクチル酸ニッケルとトリイソプロピルアルミニウムより別途調製した水素添加触媒を添加し、80℃、1MPaの水素雰囲気下において5時間水素添加反応を行い、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物[以下、これをブロック共重合体(a−4)と称する]を得た。得られたブロック共重合体(a−4)のMnは210000;重量平均分子量(Mw)は222000;ポリスチレンブロックの割合は30質量%;ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックの水素添加率は99モル%であった。
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)
出光興産(株)製「ダイアナプロセス PW−90」[商品名;パラフィン系プロセスオイル、動粘度:95.54mm/s(40℃)]
ポリエチレン系樹脂(c)
日本ポリケム(株)製、商品名「HJ490」[密度:0.958g/cm、MFR:20g/10分(190℃、2.16kg荷重)]
ポリプロピレン系樹脂(d)
モンテルBasell社製「Adflex Q100F」[密度:0.890g/cm、MFR:0.6g/10分(230℃、2.16kg荷重)、エチレン−プロピレン共重合体の平均分散径:1.0μm以下]
実施例1〜6および比較例1〜6
表1及び表2に示す配合処方で、L/D=42、シリンダー径47mmの二軸押出機によって、設定温度200℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて、上記[1]に記載したとおりの射出成形方法により厚さ2mmのシートおよびピーク径20.2mmのガスケットを作成した。得られたシートおよびガスケットを用いて各種評価を行なった結果を表1及び表2に示す。
Figure 0004528094
Figure 0004528094
実施例1〜6で得られた樹脂組成物より得られたシートおよびガスケットは、比較例1〜6で得られた樹脂組成物より得られたシートおよびガスケットと比べて、圧縮永久歪はほぼ同等だが、成形加工性が良好でオイルブリードが少なく、ガスケットに用いた場合に密封性が良くかつ脈動を生じず、さらに成形品の外観に優れる。
本発明のガスケット用樹脂組成物は成形加工性が良好で優れた成形品外観を与え、特に医療用器具のガスケットとして使用した場合、密封性や摺動性に優れる成形品を得ることができる。

Claims (4)

  1. (i) 炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(I)を30質量%以上有する芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上と、共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロックBを1個以上有するブロック共重合体の水素添加物からなる重量平均分子量が20000〜500000の範囲の付加重合系ブロック共重合体(a)、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)およびポリエチレン系樹脂(c)を含有するガスケット用樹脂組成物であって;
    (ii) 付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の含有量が、質量比として、付加重合系ブロック共重合体(a)/非芳香族系ゴム用軟化剤(b)=30/70〜70/30の範囲であり;かつ、
    (iii) 付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の合計量100質量部あたり、ポリエチレン系樹脂(c)5〜60質量部を含有する;
    ことを特徴とするガスケット用樹脂組成物。
  2. 付加重合系ブロック共重合体(a)と非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の合計含有量100質量部あたり、さらに(d)ASTM−D−790にしたがって測定した曲げ弾性率が200〜7000kgf/cm2、DSC法による結晶融解ピーク温度が120〜170℃であるポリプロピレン系樹脂を0.1〜20質量部含有してなる請求項に記載のガスケット用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のガスケット用樹脂組成物からなるシリンジ用ガスケット。
  4. 筒状体と、該筒状体内壁面に密着して摺動するガスケットとを具備してなる医療用器具であって、上記ガスケットが請求項1または2に記載のガスケット用樹脂組成物からなる医療用器具。
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