JP4526290B2 - ステッピングモータ用電磁コイルの製造方法 - Google Patents

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本発明は空気調和装置、冷凍装置の冷凍サイクル等に用いられる電動弁に好適なステッピングモータ電磁コイルの製造方法に関する。
従来、この種の空気調和機、冷凍機等に組み込まれて使用される電動弁におけるステッピングモータの電磁コイルは、従来から公知の電動弁に用いられているものとして下記の特許文献1に開示されている。
特開2001−86684号公報
この特許文献1に開示の電動弁について、図10を用いて説明する。図10はその電動弁の縦断面図を示しており、この電動弁1のステッピングモータの電磁コイルは、ボビン本体A(1a)にコイルA(1b)を巻線すると共に、該巻線を外部と接続するためのコネクタピンA(1c)を一体的に設けてボビンサブアッシーA(1)を構成、ボビン本体B(2a)にはコイルB(2b)を巻線すると共に、該巻線を外部と接続するためのコネクタピンB(2c)を一体的に設けてボビンサブアッシーB(2)を構成、前記ボビンサブアッシーA(1)とボビンサブアッシーB(2)との間に2枚の磁極板(3)、(4)を挟着して設け、前記のコイルA(1b)及びコイルB(2b)の外周部分と、コネクタピンA(1c)及びコネクタピンB(2c)の部分を覆う如く樹脂モールド(5)にて成形し、前記コネクタピンA(1c)及びコネクタピンB(2c)の部分には全周に傘部を備えたコネクタ(6)を形成させ、前記のモールド成形されたボビンサブアッシーA(1)並びにボビンサブアッシーB(2)には、それぞれステータカバー(8)、(9)を被せ、これを溶接またはカシメ等で一体的に固着している
また、従来公知の具体的な実施形態としては、上記溶接またはカシメ等に代えて、別途専用継手部材を用いる場合がある。
しかしながら、このような電動弁極歯部構成部品の固定方法では、溶接、カシメ等によりステータカバーの防錆メッキがはがれてしまうため、締結部に錆止め対策が必要で工数やコストがかかる、或いは、別専用継手部材が必要となりコストがかかるなどの問題がある。
そこで、本発明は、かかる問題を解消するために発明されたもので、その課題は、溶接部に錆止め対策や別専用継手部材が不要で、工数やコストが低くなるような電動弁におけるステッピングモータ電磁コイルの製造方法を提供することである。
前記目的を達成すべく、本発明は、下記の手段を採用した。
即ち、本発明によるステッピングモータ電磁コイルの製造方法は、第1ボビン本体に第1コイルを巻線した第1ボビン部と、第2ボビン本体に第2コイルを巻線した第2ボビン部と、両ボビン部の間に挟着される磁極板と、両ボビン部にその外側から被せられるステータカバーとを備えるステッピングモータ用電磁コイルの製造方法であって、前記第1ボビン部と、前記第2ボビン部と、前記両ボビン部の間に挟着させた磁極板とを樹脂モールドすることによって一体化してなる樹脂モールド体を形成し、前記樹脂モールド体の外周部分に前記ステータカバーが位置する部分まで突出部を延設形成しておき、前記突出部に前記ステータカバーを押し当てつつ超音波を印加することによって、前記樹脂モールド体と前記ステータカバーとを一体に連結させることを特徴とする。
このステッピングモータ用電磁コイルの製造方法において、前記突出部は前記樹脂モールド体の外周部分にステータカバーを被せる方向に形成してあり、且つ、前記ステータカバーには前記突出部と嵌合するスリットを前記被せる方向に形成することができる。
更に、このステッピングモータ用電磁コイルの製造方法において、前記突出部に側面から超音波を印加させることにより、前記樹脂モールド体と前記ステータカバーとを一体に連結させることができる。
本発明によれば、電磁コイルの構成や製造工程が簡略化され、溶接部に錆止めの対策が不要となり、工数を少なくすることができ且つコストを低減することができる
以下、図面を参照して、本発明によるステッピングモータ用電磁コイルの製造方法の実施例1−について説明する。
実施例1を図面を用いて説明する。図1はその電磁コイルの縦断面図、図2は同電磁コイルの組立工程の第1段階を示す断面図、図3は第2段階を示す断面図、図4は同組立工程の要部を示す説明図である。
このステッピングモータの電磁コイル10は、図1、図2に示すように、第1ボビン本体12aに第1コイル12bを巻線し、該第1コイル12bの外周部分を樹脂モールド15で覆った第1ボビン部12と、第2ボビン本体12’aに第2コイル12’bを巻線し、該第2コイル12’bの外周部分を樹脂モールド15で覆った第2ボビン部12’と、第1ボビン部12と第2ボビン部12’との間に挟着させた2枚の磁極板14,14’と、第1,2ステータカバー11,11’と、コネクタ16と、コネクタケース17と、からなる。また、第1ボビン本体12aの下部及び第2ボビン本体12’aの上部には、それぞれ第1コネクタピン13及び第2コネクタピン13’が付設されている。
そして、図3、図4に示すように、樹脂モールド15の第1ボビン部12における外周下部及び第2ボビン部12’における外周上部にはそれぞれ、樹脂モールド15の外周部分に第1,2ステータカバー11,11’が位置する部分まで延設して突出部15a,15aが形成されている。また、第1,2ステータカバー11,11’が、第1ボビン部12と第2ボビン部12’に装着されるときに、上記突出部15a,15aが超音波により変形可能な状態で第1,2ステータカバー11,11’が一体化(圧入)され、密着力が高い状態となる。
次に、その製造工程を説明する。
図2に示すように、電磁コイル10は、先ず、4部材、即ち、第1ボビン部12、第1極磁板14、下極磁板14’及び、第2ボビン部12’が準備され、これらが一体化されて、樹脂によりモールドされて樹脂モールド15が形成される。また、第1極磁板14における底板14aの外端縁14bには段部が形成される。
この製造工程の状態は、図3に示されており、樹脂モールド15の外周部の一側には、コネクタ支持部15bが形成されると共に、上記コネクタ支持部15b以外の樹脂モールド15においては、第1ボビン部12の外周下部及び第2ボビン部12’の外周上部で後述の第1,2ステータカバー11,11’の外周板11a,11’aが当接する位置に段状に突出部15a,15aが一体に形成される。また、外周板11a,11’aの下端11b,上端11’bには、前記外端縁14b,14’bに係合可能な段部が形成される。そして、図3に示すように、更に、第1ステータカバー11、第2ステータカバー11’、コネクタ16及びコネクタケース17が準備され、一体化される。
この一体化は、図3の状態から図4の組み立てた状態に示すように、第1ボビン部12に対して第1ステータカバー11を上から下へ押圧・嵌合し、また、第2ボビン部12’に対して、第2ステータカバー11’を下から上へ押圧・嵌合し、同時に、該突出部15a,15aを超音波により変形可能な状態にさせステータカバー11,11’を圧入させるようにしている。
また、上記工程と前後して、コネクタ支持部15bには、コネクタ16及びコネクタケース17が装着される。そして、外周板下端11b及び上端11’bが前記外端縁14b,14’bに係合させた状態で工程は完了する。本実施例1の係る電磁コイル10は、上記構成により、溶接、カシメ等が不要となるために締結部に錆止めの対策が不要で、且つ、別途専用継手部材が不要となるので、工数・コストがかからない、等の効果がある。
なお、上記突出部15a,15aは、樹脂モールド15の外周部分の全体に形成してもよいが、部分的に複数ヶ所としてもよい。また、突出部15a,15aの形状も適宜選択できるものとする。
次に、実施例を図面を用いて説明する。図はその実施例の電磁コイルの縦断面図、図は同電磁コイルの組立工程の第1段階を示す断面図、図は第2段階を示す断面図、図8は同実施例の電磁コイルの平面図、そして、は同組立工程の要部を示す説明図である。
このステッピングモータの電磁コイル30は、図5、図6に示すように、第1ボビン本体32aに第1コイル32bを巻線し、該第1コイル32bの外周部分を樹脂モールド35で覆った第1ボビン部32と、第2ボビン本体32’aに第2コイル32’bを巻線し、該第2コイル32’bの外周部分を樹脂モールド35で覆った第2ボビン部32’と、第1ボビン部32と第2ボビン部32’との間に挟着させた2枚の磁極板34,34’と、第1,2ステータカバー31,31’と、コネクタ36と、コネクタケース37と、からなる。
そして、図7、図8に示すように、樹脂モールド35においては、第1ボビン部32の外周下部の複数個所及び第2ボビン部32’の外周上部の複数個所には上下方向に連続した突出部35aが形成され、ステータカバー31,31’を被せるに当たって、ステータカバー31,31’には、前記突出部35aが嵌合するスリット31b,31’b及び該スリット31b,31’bに続く拡大部31c,31’c(図9において31cのみ図示)が上記被せる方向に形成され、前記圧入嵌合後、突出部35a,35aの側面に超音波を印加することにより変形させ、抜け止め部として形成される。
次に、その製造工程を説明する。
に示すように、電磁コイル30は、先ず、4部材、即ち、第1ボビン部32、第1極磁板34、下極磁板34’及び、第2ボビン部32’が準備され、これらが一体化されて、樹脂により一体的にモールドされて樹脂モールド35が形成される。また、第1極磁板34及び下極磁板34’における底板34a,34’aの位置合わせ部34b,34’bには段部が形成される。
この状態は、図7,図8に示されており、樹脂モールド35の外周部の一側にはコネクタ支持部35bが形成されると共に、他側には上下方向に長い所定幅の突出部35aが複数ヶ所形成される(1ヶ所でもよい。)。また、第1ステータカバー31の外周板31aの上記突出部35aが位置する部分には、スリット31b及び該スリット31bに続く拡大部31cが上記被せる方向に形成される。図示しないが、第2ステータカバー31’にも、同様のスリット及びそれに続く拡大部を形成することができる。また、図に示すように、第1ステータカバー31、第2ステータカバー31’、コネクタ36及びコネクタケース37が準備され、一体化される。
この一体化は、図の状態から、第1ボビン部32に対して第1ステータカバー31を上から下へ押圧し、また、第2ボビン部32’に対して、第2ステータカバー31’を下から上へ押圧し、同時に、図に示すように、該突出部35aを、スリット31b及び該スリット31bに続く拡大部31cにスライド圧入、或いは、第1ステータカバー31と第2ステータカバー31’に超音波を印加しながらスライド圧入させて挿通させ、スリット31bの挿通端部を拡大部31c内で、超音波を印加することにより変形させ、ステータカバー31,31’との抜け止めとしている。
本実施例の係る電磁コイル30は、上記構成により、締結部に錆止めの対策が不要で、且つ別途専用継手部材が不要となるので、工数・コストがかからない、等の効果がある。なお、上記突出部35aの形状は、ステータカバー31,31’の軸線に対して適宜傾斜させて形成してもよい。また、実施例1〜において、変形可能とする手段として超音波を印加させる手段を用いたが、他の手段を採用してもよい。
本発明の実施例1の電磁コイルの縦断面図。 図1に示す電磁コイルの組立工程の第1段階を示す断面図。 同組立工程の第2段階を示す断面図。 同組立工程の要部を示す説明図。
本発明の実施例2の電磁コイルの縦断面図。 図5に示す電磁コイルの組立工程の第1段階を示す断面図。 同組立工程の第2段階を示す断面図。 同実施例2の電磁コイルの平面図。 同組立工程の要部を示す説明図。 従来の電磁コイルの縦断面図。
10・・電磁コイル(実施例1) 11・・第1ステータカバー
11a・・外周板 11b・・外周板下端 12・・第1ボビン部
12a・・第1ボビン本体 12b・・第1コイル 13・・第1コネクタピン
14・・第1極磁板 14a・・底板 14b・・外端縁
11’・・第2ステータカバー 11’a・・外周板 12’・・第2ボビン部
12’a・・第2ボビン本体 12’b・・第2コイル
13’・・第2コネクタピン 14’・・下極磁板 14’a・・上底板
14’b・・外端縁 15・・樹脂モールド 15a・・突出部
15b・・コネクタ支持部 16・・コネクタ 17・・コネクタケース
30・・電磁コイル(実施例) 31・・第1ステータカバー
31a・・外周板 31b・・スリット 31c・・拡大部(抜止め部)
32・・第1ボビン部 32a・・第1ボビン本体 32b・・第1コイル
34・・第1極磁板 34a・・底板 34b・・位置合わせ部
31’・・第2ステータカバー 31’a・・外周板 31’b・・スリット
32’・・第2ボビン部 32’a・・第2ボビン本体 32’b・・第2コイル
34’・・下極磁板 34’a・・上底板 35・・樹脂モ−ルド
35a・・突出部 35b・・コネクタ支持部 36・・コネクタ
37・・コネクタケース

Claims (3)

  1. 第1ボビン本体に第1コイルを巻線した第1ボビン部と、第2ボビン本体に第2コイルを巻線した第2ボビン部と、両ボビン部の間に挟着される磁極板と、両ボビン部にその外側から被せられるステータカバーとを備えるステッピングモータ電磁コイルの製造方法であって
    前記第1ボビン部と、前記第2ボビン部と、前記両ボビン部の間に挟着させた磁極板とを樹脂モールドすることによって一体化してなる樹脂モールド体を形成し、
    前記樹脂モールド体の外周部分に前記ステータカバーが位置する部分まで突出部を延設形成しておき、
    前記突出部に前記ステータカバーを押し当てつつ超音波を印加することによって、前記樹脂モールド体と前記ステータカバーとを一体に連結させる
    ことを特徴とするステッピングモータ電磁コイルの製造方法
  2. 前記突出部は前記樹脂モールドの外周部分にステータカバーを被せる方向に形成してあり、且つ、前記ステータカバーには前記突出部と嵌合するスリットを前記被せる方向に形成してあることを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ電磁弁コイルの製造方法
  3. 前記突出部に側面から超音波を印加させることにより、前記樹脂モールド体と前記ステータカバーとを一体に連結させることを特徴とする請求項1又は2記載のステッピングモータ電磁コイルの製造方法
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