JP4526207B2 - 車両の盗難防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施錠により車両の移動を禁止する盗難防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動力伝達系の一部を施錠手段により駆動を禁止して盗難を防止するものとして特開平11−189185号公報に記載された例がある。
同例は、スクータ型自動二輪車に適用したものであり、ユニットスイング式エンジンの伝動ケースに取付けられたロックレバーが後輪とともに回転する回転部材(遠心クラッチ)に係脱自在に設けられ、別途設けられた操作レバーの操作でロックレバーが作動するようにした盗難防止装置である。
【0003】
実施例にあるようにロックレバーがロック位置にあるときに操作レバーが他人に操作されてロック解除されないように操作レバーを固定することができる鍵等による施錠装置が必須である。
【0004】
また実施例において操作レバーとロックレバーは、操作ワイヤにより連結されて操作レバーの操作が操作ワイヤを介してロックレバーに伝達されるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記例においては、前記したようにロック機構とは別に施錠装置を必要とし、ロック解除するときは、まず施錠装置を解錠した後に操作レバーを操作してロックを解除しなければならない。
【0006】
また操作レバーとロックレバーは、操作ワイヤにより連結されているので、操作ワイヤの摺動に伴う摩擦により操作レバーの操作にある程度大きな力が要求されるとともに、この操作ワイヤを直接操作できないように構成する必要があり、コスト高となる。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ロック機構のほかに施錠装置が不要でロック解錠操作が簡単でかつ大きな力を必要とせず低コスト化を図ることができる車両の盗難防止装置を供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、内燃機関の駆動によるクランクシャフトの回転が動力伝達系を介して駆動輪に伝達されて走行することができる車両において、前記動力伝達系はドライブプーリとドリブンプーリとの間にVベルトが架渡されて無段変速して動力が伝達されるVベルト式無段変速機構と同Vベルト式無段変速機構の下流側に設けられた発進クラッチとを備え、前記動力伝達系における前記発進クラッチより下流側の駆動をロックすることにより禁止するロック機構と、前記クランクシャフトに動力を加え前記内燃機関を始動する始動用モータと、前記始動用モータによる駆動によりアクチュエータを前記ロック機構に作用させてロック解除するアンロック連動機構とを備えた車両の盗難防止装置とした。
【0009】
ロック状態では内燃機関が運転を停止して発進クラッチは切離されており、当初モータの駆動は動力伝達系の発進クラッチより上流側のみ伝達されてアクチュエータが作動して、下流側をロックしていたロック機構を円滑にロック解除することができる。
【0010】
モータを駆動させる単一操作だけで、ロック機構をロック解除することができるので、ロック解錠操作が簡単でかつ大きな力を必要としない。
ロック機構のほかに施錠装置が不要で低コスト化を図ることができる。
【0012】
始動用モータを利用することで、ロック解除用の専用モータを必要とせず低コスト化およびロック機構の小型化を図ることができる。
【0014】
始動用モータの駆動がアンロック連動機構を介してアクチュエータに伝達され、アクチュエータがロック機構に作用してロック解除を行う。
始動用モータを利用してロック解除するので、別途専用の動力源を設ける必要がなく、低コスト化を図るとともに、ロック解錠操作が簡単でかつ大きな力を必要としない。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両の盗難防止装置において、前記Vベルト式無段変速機構のドライブプーリまたはドリブンプーリに設けた突起を前記アクチュエータとして前記Vベルト式無段変速機構が前記アンロック連動機構を兼ねることを特徴とする。
【0016】
動力伝達系の一部がアンロック連動機構を構成するので、構造が簡素化し、コストの低減を図ることができる。
【0018】
ロック状態では内燃機関が運転を停止して発進クラッチは切離されており、当初始動用モータの駆動は動力伝達系の発進クラッチより上流側のアンロック連動機構を介してアクチュエータを作動して、下流側をロックしていたロック機構を円滑にロック解除することができる。
動力伝達系における発進クラッチより上流側がアンロック連動機構を兼ねるので、部品点数も少なく構造が簡素化されコストの低減を図ることができる。
【0020】
始動用モータが、実際の始動を行う前の始動準備動作による駆動でロック機構をロック解除するので、始動を円滑に行うことができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項記載の車両の盗難防止装置において、前記始動用モータが、内燃機関の運転時に発電することができる発電兼用モータであることを特徴とする。
【0022】
始動用モータが発電兼用モータであるので、始動用モータは始動、発電、ロック解除の3機能を備え、部品点数が少なく軽量化及び低コスト化が図れる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図10に基づき説明する。
本実施の形態に係る盗難防止装置50は、ペダルクランク付き自動二輪車1に適用したものであり、該ペダルクランク付き自動二輪車1の全体側面図を図1に図示する。
【0024】
ヘッドパイプ2から後方斜め下向きに延出した車体フレーム3は、後部が斜め上方に湾曲して車体ボディを構成しており、ヘッドパイプ2にステアリングシャフト4が軸支され、ステアリングシャフト4の上部に左右に展開したハンドル5が設けられ、ステアリングシャフト4から下方へ延出したフロントフォーク6に前輪7が軸支されている。
【0025】
車体フレーム3の斜め上向きになった後部にシートポスト8が嵌挿されてシートポスト8の上端にシート9が設けられている。
車体フレーム3の下部にペダルクランクシャフト10を中心に上下に揺動自在にスイングユニットケース11が後方に延出しており、前後方向に長尺のスイングユニットケース11の後半部の二股に分岐した左右アーム部11L,11Rに挟まれて後端にスポークホイール12aを備えた後輪12が軸支されている。
【0026】
ペダルクランクシャフト10には一対のクランクアーム13,13を介してペダル14,14が設けられている。
スイングユニットケース11には前側でペダルクランクシャフト10より後方に4サイクルストローク単気筒の内燃機関15が搭載されている。
【0027】
シートポスト8の後方で後輪12の上方に配設された燃料タンク16が車体フレーム3の後端に連結支持されており、その下方で内燃機関15との間には気化器17が配設されている。
【0028】
図2に図示するようにユニットスイングケース11の左側は伝動ケース18に覆われて人力伝達機構20とVベルト式無段変速機構30が設けられている。
図1および図2を参照してペダルクランクシャフト10に嵌着されたドライブスプロケット21と後輪12が嵌着された後車軸22にワンウエイクラッチ23を介して軸支されたドリブンスプロケット24との間に無端状のチェーン25が架渡されて人力伝達機構20が構成され、ペダル14をこぐ踏力がチェーン25を介して後輪12に伝達され、後輪12の回転はワンウエイクラッチ23によりペダル14には伝達されないようになっている。
【0029】
また内燃機関15のクランクシャフト31の左端部に設けられたドライブプーリ32と後車軸24の前近傍に設けられたドリブン軸36に回転自在に軸支されたドリブンプーリ33との間にVベルト34が架渡されてVベルト式無段変速機構30が構成されている。
【0030】
ドリブン軸36の左端に設けられた遠心クラッチ(発進クラッチ)35がドリブンプーリ34とドリブン軸36とを係脱し、ドリブン軸36に形成された小径ギア37と後車軸22にワンウエイクラッチ39を介して嵌合された大径ギア38とが噛合して減速ギア機構が構成されている(図2参照)。
【0031】
図2に示すようにクランクシャフト31の右端には、電動機兼用の発電機であるACGスタータ41が設けられている。
一方ペダルクランクシャフト10に回転自在に軸支された送風ファン44に一体に嵌着されたギア43と前記ACGスタータ41のアウタロータに嵌着されたギア42が噛合している。
【0032】
したがってクランクシャフト31が回転すると、ギア42,43を介して送風ファン44が回転するとともに、ドライブプーリ32が一体に回転して回転数に応じてVベルト34を介して自動変速してドリブンプーリ33が回転する。
【0033】
遠心クラッチ35が係合すれば、ドリブンプーリ33の回転はドリブン軸36に伝わり、小径ギア37と大径ギア38との噛合およびワンウエイクラッチ39を介して後車軸22を後輪12とともに回転する。
【0034】
以上のように本ペダルクランク付き自動二輪車1は、運転者がペダル14を踏む踏力を人力伝達機構20を介して後輪12に伝達して走行させることもできれば、内燃機関15の駆動をVベルト式無段変速機構20および減速ギア機構を介して後輪12に伝達して走行させることもできる。
【0035】
斯かるペダルクランク付き自動二輪車1に盗難防止装置50が設けられている。
スイングユニットケース11の後輪12のスポークホイール12aに対向する部分の前側上方位置でドリブンプーリ33の近傍に盗難防止装置50が取り付けられている。
【0036】
後輪12は、スイングユニットケース11の後半部の二股に分岐した左右アーム部11L,11R間に挟まれて後輪12が軸支されており、図3および図6,図8に示すように一方の左側アーム部11Lに左右水平方向に指向した円筒軸受部53が形成され、同円筒軸受部53に摺動自在にロックバー51が嵌挿されている。
【0037】
ロックバー51は、円柱状をなし若干拡径した右端部51aと一部切欠かれた左端取付部51bと中間の左端取付部51b寄り所定箇所に周方向に亘って形成された係止溝51cが設けられおり、左端取付部51bにはキャップ52が嵌合されピン52aで係合されている。
なお係止溝51cの右側面はテーパ面51dを形成している。
【0038】
円筒軸受部53の右端開口部にはロックバー51の右端部51aが嵌合する凹部53aが形成され、円筒軸受部53の左側開口部にはその開口端面に沿ってストッパプレート54が摺動自在に配設される。
【0039】
ストッパプレート54は、図4および図5に示すように円孔55が形成された円孔部54aと長孔56が形成された長孔部54bと長孔部54bの端部から直角に屈曲して延びた断面が円弧状をした屈曲片54cからなる。
【0040】
円孔55はロックバー51の外径より若干大きい円孔で一部凹出した処があり、長孔56の円孔55側端部に屈曲片54cと同じ側に屈曲した突起54dが形成されている。
【0041】
斯かるストッパプレート54は、円孔55を円筒軸受部53の開口に合せてロックバー51を貫通させ、長孔部54bをドリブン軸36に向け、長孔56の端部を貫通してスイングユニットケース11に螺着されたピン57と長孔56の他端の突起54dとの間に引張りスプリング58が長孔56内にあって介装され、ストッパプレート54をドリブン軸36方向に付勢する。
【0042】
このストッパプレート54の円孔部54aの上にスプリングシート59が被せられてストッパプレート54の軸(左右)方向の動きを規制している。
スプリングシート59は円孔をロックバー51に貫通されてストッパプレート54を覆い、膨出端部をボルト60でスイングユニットケース11に固着されて取付けられる。
【0043】
こうしてロックバー51に規制された状態で引張りスプリング58によりドリブン軸36方向に付勢されたストッパプレート54は、そのドリブン軸36側にある屈曲片54cがその先端をドリブンプーリ33の一方の固定側プーリ半体33aの外周縁に近接させている。
【0044】
ドリブンプーリ33は、一対の固定側プーリ半体33aと可動側プーリ半体33bが相対向する面をV字形にテーパさせて間にVベルト34を巻き掛けるようにしており(図6および図8参照)、右側の固定側プーリ半体33aは図7に図示するように外周縁の3箇所にアクチュエータである三角形状の突起33cを形成している。
【0045】
この固定側プーリ半体33aの外周縁に近接したストッパプレート54の屈曲片54cは、位置によって固定側プーリ半体33aの上記3箇所の突起33cに当接可能で、回転する突起33cに当接すると、引張りスプリング58に抗してストッパプレート54をドリブン軸36と反対方向に摺動させることができる。
【0046】
一方ストッパプレート54およびスプリングシート59の円孔を貫通するロックバー51は、スプリングシート59とロックバー51の左端のキャップ52との間に介装されたリターンスプリング61により左方向に付勢されている。
【0047】
スイングユニットケース11の左側アーム部11Lの円筒軸受部53に摺動自在に支持されるロックバー51に後輪12のスポークホイール12aを挟んで対向する右側アーム部11Rには、ロックバー51の右端部51aが嵌合する凹部62が形成されている。
この凹部62の底壁を挟んだ反対側にはリミットスイッチ63が配置され、同リミットスイッチ63の作動子63aが底壁の孔を貫通して凹部62内に突出している。
【0048】
また左側アーム部11Lの円筒軸受部53より左方に突出するロックバー51は、伝動ケース18に形成された円筒部18aに先端のキャップ52を移動自在に挿入している。
【0049】
盗難防止装置50は、以上のような機械的構成をしており、図6および図7はロック解除状態を示しており、ロックバー51はリターンスプリング61により左方に移動して右端部51aが円筒軸受53の右端凹部53aに嵌合して後輪12は自由に回転可能で、左端のキャップ52は伝動ケース18の円筒部18aの左端開口部に位置する。
【0050】
このときストッパプレート54は、ロックバー51の通常の径部に規制されてドリブン軸36から離れた位置にあって屈曲片54cに固定側プーリ半体33aの外周縁の突起33cも接触せずにドリブンプーリ33は回転する。
【0051】
ここで伝動ケース18の円筒部18aの左端開口部に位置するキャップ52を押し、リターンスプリング61に抗してロックバー51を右方に押し込むと、ロックバー51は後輪12のスポークホイール12aを貫通して右側アーム部11Rの凹部62に嵌合する。
【0052】
するとロックバー51の係止溝51cがストッパプレート54の位置に至り、ストッパプレート54が引張りスプリング58によりドリブン軸36側に摺動して係止溝51cに嵌まりロックバー51が戻らないように係止されロック状態となる。
【0053】
すなわちロックバー51がスポークホイール12aを貫通して後輪12の回転が阻止され、このロック状態はロックバー51の凹部62への嵌合によりリミットスイッチ63の作動子63aが作動することで検知される。
【0054】
このロック状態を解除するときは、ドリブンプーリ33を回転させる。
ドリブンプーリ33が回転すると、その固定側プーリ半体33aの外周縁に設けられた三角形状の突起33cがストッパプレート54の屈曲片54cに摺接して(図7参照)ストッパプレート54をドリブン軸36から離れる方向に摺動する。
【0055】
ストッパプレート54がある程度移動してストッパプレート54の円孔55がロックバー51の係止溝51cのテーパ面51dに至ると、リターンスプリング61によりロックバー51が左方へ突出して図6および図7に示すようにロックが解除される。
【0056】
このロック解除のためドリブンプーリ33を回転させるのに、電動機兼用の発電機であるACGスタータ41が電動機として用いられる。
すなわちACGスタータ41が電動機として駆動されると、クランクシャフト31が回転し、クランクシャフト31とともに回転するドライブプーリ32がVベルト34を回動してドリブンプーリ33を回転し、前記ロックを解除する。
【0057】
このとき遠心クラッチ35は切離状態にあってドリブンプーリ33より下流には動力が伝達されない。
このACGスタータ41を制御する制御系構成図を図10に示す。
【0058】
ACGスタータ41はACGスタータ制御用ECU70により制御され、ACGスタータ制御用ECU70はACGスタータ41を直接制御するモータ駆動用制御回路71とIDコード照合手段72とからなる。
【0059】
IDコード照合手段72にはIDコード取得手段73からのコード信号が入力されるとともに、前記ロックバー51の位置を検知するリミットスイッチ63のオン・オフ信号が入力され、前記モータ駆動用制御回路71に制御信号を出力するとともに点火ユニットおよび各電装品への電力供給を制御するメインリレイ74に制御信号を出力する。
【0060】
IDコード取得手段73は赤外線受光装置であり、リモコン送信機75からの赤外線信号を受光する。
したがってロック状態でリミットスイッチ63がオンしているときに、車体のいずれかに取付けられたIDコード取得手段73に向けてリモコン送信機75のボタン操作により赤外線を出射すると、IDコード取得手段73で受光されてIDコードがACGスタータ制御用ECU70に入力され、内部のIDコード照合手段72により照合され、一致するとモータ駆動用制御回路71に制御信号が出力されて一定時間ACGスタータ41を駆動してロック解除を行う。
【0061】
ロック解除されると、リミットスイッチ63がオフするので、次にリモコン送信機75のボタン操作がなされると、今度はIDコード照合手段72が内燃機関の始動と判断してACGスタータ41を駆動してクランクシャフト31を回転させるとともにメインリレー74にオン信号を出力して点火ユニットを駆動し内燃機関15を始動する。
【0062】
なおロック解除時のACGスタータ41の駆動は、内燃機関始動時のACGスタータ41の駆動とは逆方向に短時間回転駆動され、ピストンの圧縮行程の上死点手前で停止され、実際の内燃機関15の始動の際の正回転を容易にして始動を円滑に行えるようにしている。
【0063】
リモコン操作制御は、ロック解除と内燃機関始動を自動的に順次行えるようにしてもよく、またリモコン送信機75はロック解除のみに使用し、内燃機関の始動は別途キー操作により行うようにしてもよい。
【0064】
いずれにしてもリモコン送信機75による操作がない限り、後輪12の回転を禁止するロックバー51によるロックは解除されず、外部からのいたずらによって解除されることはなく、確実に盗難を防止することができる。
【0065】
またロックがロックバー51の押し込みのワンタッチ操作でなされ、ロック解除もリモコン送信機75のワンタッチ操作でなされるので、操作し易く、大きな力も必要としない。
ロックバー51によるロック以外には施錠装置を必要とせず低コスト化を図ることができる。
【0066】
次に別の実施の形態における盗難防止装置80について図11ないし図15に基づいて説明する。
同盗難防止装置80は、同じ前記ペダルクランク付き自動二輪車1に適用したものであり、前記実施の形態ではドリブンプーリ33の回転によりストッパプレート54が作動してロック解除が行われていたが、本実施の形態ではドライブプーリ32の回転によりストッパプレート81が作動してロック解除が行われるものである。
【0067】
ストッパプレート81,ドライブプーリの固定側プーリ半体85,スプリングシート86,引張りスプリング87等以外は前記実施の形態と略同じであり、同じ部材は同じ符号を用いる。
ストッパプレート81は、図12および図13に図示するように長尺部材であり、後端部から順に、前部81a、クランク状に屈曲した屈曲部81b、長円孔82を有する長円部81c、長尺連結部81d、長孔83を有する長孔部81e、円孔84を有する円孔部81fからなり、前部81aの前端は屈曲片81gが形成され、長孔83の前端に屈曲した突起81hが形成されている。
【0068】
このストッパプレート81をスイングユニットケース11の左側アーム部11Lに沿わせて前後方向に指向させ、後端の円孔55をスイングユニットケース11の左側アーム部11Lの円筒軸受部53の開口に合せてロックバー51を貫通させ、前端をクランクシャフト31に向け、長円孔82を貫通したボルト88が左側アーム部11Lに螺着されてストッパプレート81を前後に摺動自在に支持する。
【0069】
ストッパプレート81の円孔部71f上にはスプリングシート86が被せられ、スプリングシート86とロックバー51のキャップ52との間にリターンスプリング61が介装されている。
【0070】
そしてストッパプレート81の長孔83に納まった引張りスプリング87が一端をスプリングシート86に引っ掛け、他端をストッパプレート81の突起81hに掛けてストッパプレート81をクランクシャフト31と反対方向に付勢する。
【0071】
ストッパプレート81の前端の屈曲片81gは、図14および図15にドライブプーリの固定側プーリ半体85の背面に形成された凹部開口縁85aの内側に入り込み内周面に近接する。
固定側プーリ半体85の開口縁85aの内周面に三角形状の突起85bが当間隔に3箇所形成されている。
【0072】
図14はロック解除状態を示しており、ロックバー51はリターンスプリング61により左方に移動し、ストッパプレート81はロックバー51の通常の径部に規制されてクランクシャフト31に近づいた位置にあって屈曲片81gは固定側プーリ半体85の内周縁の突起85bも接触せずにドライブプーリは回転する。
【0073】
ここでキャップ52を押し、リターンスプリング61に抗してロックバー51を右方に押し込むと、ロックバー51は後輪12のスポークホイール12aを貫通して右側アーム部11Rの凹部62に嵌合する(図15参照)。
【0074】
するとロックバー51の係止溝51cがストッパプレート81の位置に至り、ストッパプレート81が引張りスプリング87によりクランクシャフト31と反対側に摺動して係止溝51cに嵌まりロックバー51が戻らないように係止されロック状態となる。
【0075】
このロック状態を解除するときは、ACGスタータ41を駆動してクランクシャフト31を逆回転させる。
クランクシャフト31とともにドライブプーリが逆回転すると、その固定側プーリ半体85の外周縁に設けられた三角形状の突起85bがストッパプレート81の屈曲片81gに摺接して(図14参照)ストッパプレート81をクランクシャフト31側に摺動する。
【0076】
ストッパプレート81がある程度移動してストッパプレート81の円孔82がロックバー51の係止溝51cのテーパ面51dに至ると、リターンスプリング61によりロックバー51が左方へ突出して図14に示すようにロックが解除される。
ACGスタータ41の制御は前記実施の形態と同様である。
【0077】
ストッパプレート81は伝動ケース18の内部にあっていたずらされることもなく、よってリモコン送信機75による操作がない限り、後輪12の回転を禁止するロックバー51によるロックは解除されず確実に盗難を防止することができる。
またロックおよびロック解除がワンタッチ操作でなされるので、操作し易い。
【0078】
次にペダルクランク付き自動二輪車に適用されたさらに別の実施の形態について図16に基づき説明する。
同実施の形態は、ユニットスイングケース90のペダルクランクシャフト91に軸支されたドライブプーリ92と後車軸の前近傍に設けられたドリブン軸93に回転自在に軸支されたドリブンプーリ94との間にVベルト95が架渡されてVベルト式無段変速機構が構成されている。
【0079】
そして内燃機関100のクランクシャフト101に設けられたドライブスプロケット102とペダルクランクシャフト91に軸支されたドリブンスプロケット103との間にチェーン104が架渡されている。
【0080】
したがってペダル踏力による人力は、Vベルト式無段変速機構を介して後輪96に伝達されて走行し、他方内燃機関100の駆動はチェーン104を介してドリブンスプロケット103を回転し、ドリブンスプロケット103からドライブプーリ92に伝達された後、Vベルト式無段変速機構により後輪96に伝達されて走行する。
【0081】
斯かるペダルクランク付き自動二輪車において、ドリブン軸93に設けられた遠心クラッチ97のクラッチアウタ97aの外周近傍に前記図1ないし図10に示した実施の形態と同じ盗難防止装置105が設けられている。
すなわち引張りスプリング107に付勢されたストッパプレート106にロックバー108の係止溝に係止してロックするようになっている。
【0082】
ストッパプレート106の屈曲片106aが遠心クラッチ97のクラッチアウタ97aの外周面には滑らかな膨出部97bが複数個周方向に設けられている。
ロックバー108が押し込まれて係止溝にストッパプレート106が嵌り形成されたロック状態からACGスタータを駆動してクランクシャフト101を逆回転させると、チェーン104およびVベルト式無段変速機構を介してドリブンプーリ94および遠心クラッチ97のクラッチアウタ97aが回転し、クラッチアウタ97aの外周面の膨出部97bがストッパプレート106に作用してストッパプレート106を移動すると、ロックバー108がリターンスプリングにより左方に戻りロックが解除される。
【0083】
このように動力伝達機構が異なるペダルクランク付き自動二輪車にも本発明は、適用することができる。
【0084】
また図17は、スクータ型自動二輪車110に適用した場合のスクータ型自動二輪車110の全体斜視図を示す。
本スクータ型自動二輪車110は、ユニットスイング式内燃機関を搭載したものであり、ユニットスイングケース111内の構造は、前記スクータ型自動二輪車110における人力駆動機構を除いたVベルト式無段変速機構による動力伝達が行われる構造のもので、同様の盗難防止装置が設けられている。
【0085】
図17には盗難防止装置のロックバー左端のキャップ112が図示されている。このキャップ112を押してロックバーを移動してロックすることができ、リモコン送信機を操作してACGスタータを駆動し、Vベルト式無段変速機構を介してドリブンプーリの回転でストッパプレートが作動されロックが解除される。
【0086】
スクータ型自動二輪車110の場合は、ロックバーが戻りロック解除されたことをリミットスイッチ等で検知すると、自動的にスタータを再度駆動しメインリレーをオンして内燃機関を始動する。
したがってリモコン送信機を一度操作するとロック解除と内燃機関の始動を順次自動的に行うことができ、運転者の手間が省ける。
【0087】
以上のほかユニットスイング式内燃機関を供えた車両には本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスクータ型自動二輪車の全体側面図である。
【図2】ユニットスイングケースの一部省略した側面図である。
【図3】同断面図である。
【図4】ストッパプレートの平面図である。
【図5】図4においてV−V線に沿って切断した断面図である。
【図6】ロック解除状態のユニットスイングケースの後方要部断面図である。
【図7】同要部側面図である。
【図8】ロック状態のユニットスイングケースの後方要部断面図である。
【図9】同要部側面図である。
【図10】ACGスタータを制御する制御系構成図である。
【図11】別の実施の形態におけるユニットスイングケースの一部省略した側面図である。
【図12】ストッパプレートの平面図である。
【図13】図12においてXIII−XIII線に沿って切断した断面図である。
【図14】ロック解除状態の要部断面図である。
【図15】ロック状態の要部断面図である。
【図16】また別の実施の形態におけるユニットスイングケースの一部省略した側面図である。
【図17】さらに別の実施の形態に係るスクータ型自動二輪車の斜視図である。
【符号の説明】
1…ペダルクランク付き自動二輪車、2…ヘッドパイプ、3…車体フレーム、4…ステアリングシャフト、5…ハンドル、6…フロントフォーク、7…前輪、8…シートポスト、9…シート、10…ペダルクランクシャフト、11…ユニットスイングケース、12…後輪、13…クランクアーム、14…ペダル、15…内燃機関、16…燃料タンク、17…気化器、18…伝動ケース、 20…人力伝達機構、21…ドライブスプロケット、22…後車軸、23…ワンウエイクラッチ、24…ドリブンスプロケット、25…チェーン、 30…Vベルト式無段変速機構、31…クランクシャフト、32…ドライブプーリ、33…ドリブンプーリ、34…Vベルト、35…遠心クラッチ、36…ドリブン軸、37…小径ギア、38…大径ギア、39…ワンウエイクラッチ、 41…ACGスタータ、42…ギア、43…送風ファン、44…ギア、 50…盗難防止装置、51…ロックバー、52…キャップ、53…円筒軸受部、54…ストッパプレート、55…円孔、56…長孔、57…ピン、58…引張りスプリング、59…スプリングシート、60…ボルト、61…リターンスプリング、62…凹部、 70…ACGスタータ制御用ECU、71…モータ駆動用制御回路、72…IDコード照合手段、73…IDコード取得手段、75…リモコン送信機、 80…盗難防止装置、81…ストッパプレート、82…長円孔、83…長孔、84…円孔、85…固定側プーリ半体、86…スプリングシート、87…引張りスプリング、88…ボルト、 90…ユニットスイングケース、91…ペダルクランクシャフト、92…ドライブプーリ、93…ドリブン軸、94…ドリブンプーリ、95…Vベルト、96…後輪、 100…内燃機関、101…クランクシャフト、102…ドライブスプロケット、103…ドリブンスプロケット、104…チェーン、 105…盗難防止装置、106…ストッパプレート、107…引張りスプリング、108…ロックバー、 110…スクータ型自動二輪車、111…ユニットスイングケース、112…キャップ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の駆動によるクランクシャフトの回転が動力伝達系を介して駆動輪に伝達されて走行することができる車両において、
    前記動力伝達系はドライブプーリとドリブンプーリとの間にVベルトが架渡されて無段変速して動力が伝達されるVベルト式無段変速機構と同Vベルト式無段変速機構の下流側に設けられた発進クラッチとを備え、
    前記動力伝達系における前記発進クラッチより下流側の駆動をロックすることにより禁止するロック機構と、
    前記クランクシャフトに動力を加え前記内燃機関を始動する始動用モータと、
    前記始動用モータによる駆動によりアクチュエータを前記ロック機構に作用させてロック解除するアンロック連動機構とを備えたことを特徴とする車両の盗難防止装置。
  2. 前記Vベルト式無段変速機構のドライブプーリまたはドリブンプーリに設けた突起を前記アクチュエータとして前記Vベルト式無段変速機構が前記アンロック連動機構を兼ねることを特徴とする請求項1記載の車両の盗難防止装置。
  3. 前記ロック機構は、ロック解除方向に付勢されロック位置で前記駆動輪の回転を阻止するロックバーと、前記ロックバーの移動をロック位置で規制するストッパプレートとを備え、
    前記アンロック連動機構は、前記アクチュエータが前記ストッパプレートに作用して前記ロックバーのロック位置での規制を解きロック解除することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の盗難防止装置。
  4. 前記始動用モータのロック解除時の駆動は、内燃機関の始動時のモータの駆動方向とは逆方向に回転することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の車両の盗難防止装置。
  5. 前記始動用モータは、内燃機関の運転時に発電することができる発電兼用モータであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載の車両の盗難防止装置。
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