JP4523915B2 - 輪郭抽出装置、輪郭抽出方法及び輪郭抽出プログラム - Google Patents
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Description
節点Pi(i=1,2,……,n)の座標を(xi,yi)とすると、
p(Pa+1−Pa)+Pa=q(Pb+1−Pb)+Pbの解p,qが、
p{(yb+1−ya)(xa−xb)+(xb−xb+1)(ya−yb)}/det
q{(ya+1−ya)(xa−xb)+(xa−xa+1)(ya−yb)}/det
det=(xa−xa+1)(yb+1−yb)−(xb+1−xb)
0≦p≦1、及び0≦q≦1を満たすときに、交点があると判断している。
(2)Snakeの要素同士の距離を求め、その中の最小値の距離(<Lelm)にある2つの要素Pa,Pb(Pa,Pbは隣接する要素ではない。)を求める。
(3)最短距離がある閾値以下のときには、PaからPb(反時計回り)と、PbからPa(時計回り)の2つの閉じたSnakeに分離する(図12(b)参照)。
(4)それぞれのSnakeの全長を求め、n等分し、Snakeの各要素間の距離が等しくなるように均等長に割り付ける(図12(c)参照)。これにより、Snakeは2つに分裂したことになる。後は、それぞれのSnakeについて、(1)〜(4)を繰り返す。
また、前記対象領域設定手段は、動きが検出されている画素が、第2の閾値よりも多く検出されている距離を対象距離とし、該対象距離から所定の前後幅を持つ領域内の画像を反映した画素のエッジ情報を得て、エッジの検出されている画素の累計値が最大となっている画素列を中心として対象領域を設定する(請求項3)。
また、前記対象領域設定手段は、前記中心線から左右に50cmの幅を有し、かつ、2mの高さを有する矩形領域を対象領域として設定する(請求項4)。
また、前記対象領域設定手段は、予め設定された所定数の輪郭が抽出されたか、別の対象領域が設定できなくなったと判断されるまで、新たな対象領域の設定処理を繰り返す(請求項5)。
そして、前記対象領域設定手段は、新たな対象領域を設定する際に、既に抽出した輪郭領域及び対象物が存在しないと判断された領域以外の領域から、新たな領域を設定する(請求項6)。
さらに、前記対象領域設定手段は、前記カメラから得られる色情報をも用いて前記対象領域を設定する(請求項7)。
まず、本発明に係る輪郭抽出装置3を含む輪郭抽出システムAの全体構成について図1を参照して説明する。図1は輪郭抽出システムAの全体構成を示すブロック図である。なお、ここでは、人(以下、「対象人物」という)の輪郭を抽出する場合を想定している。
カメラ1(1a,1b)はカラーCCDカメラであり、右カメラ1aと左カメラ1bは、左右に距離Bだけ離れて並設されている。ここでは、右カメラ1aを基準カメラとしている。カメラ1a,1bが所定のタイミング(1フレーム毎)で撮像した画像(撮像画像)は、フレーム毎に図示しないフレームグラバに記憶された後、撮像画像解析装置2に同期して入力される。
撮像画像解析装置2は、カメラ1a,1bから入力された画像(撮像画像)を解析して、「距離情報」、「動き情報」、「エッジ情報」を生成する装置である。撮像画像解析装置2は、「距離情報」を生成する距離情報生成部21と、「動き情報」を生成する動き情報生成部22と、「エッジ情報」を生成するエッジ情報生成部23とから構成されている(図1参照)。
距離情報生成部21は、同時刻にカメラ1a,1bで撮像された2枚の撮像画像の視差に基づいて、各画素に対応する対象物までのカメラ1からの距離を検出する。具体的には、基準カメラであるカメラ1aで撮像された第1の撮像画像と、カメラ1bで撮像された第2の撮像画像とから、ブロック相関法を用いて視差を求める。本実施形態では、視差は、画素毎に、0〜32のスカラー値として求められるようにした。なお、視差(スカラー値)は0〜32に限らず、他の範囲の値をとるようにしてもよい。つまり、視差(スカラー値)は、撮像画像解析装置2の計算能力やカメラ1の位置関係等に応じて適宜設定することができる。
動き情報生成部22は、基準カメラであるカメラ1aで時系列に撮像した「時刻t」における「撮像画像(t)」と、「時刻t+Δt」における「撮像画像(t+Δt)」との差分に基づいて、画像内の動き情報を検出する。
エッジ情報生成部23は、基準カメラであるカメラ1aで撮像された画像(撮像画像)における各画素の濃淡情報又は色情報に基づいて、その撮像画像内に存在するエッジを抽出する。
輪郭抽出装置3は、撮像画像解析装置2で生成された「距離情報」、「動き情報」、「エッジ情報」に基づいて、対象人物Cの輪郭を抽出する装置である。輪郭抽出装置3は、「距離情報」、「動き情報」、「エッジ情報」に基づいて、対象人物Cが存在すると推測され、その輪郭抽出を行うべき領域(対象領域)を設定する対象領域設定手段31と、対象領域設定手段31によって設定された「対象領域」内から、Snakes手法を用いて対象人物Cの輪郭を抽出する輪郭抽出手段32とを備えている(図1参照)。
対象領域設定手段31は、カメラ1から対象人物Cまでの距離(対象距離)を検出する対象距離検出部31Aと、対象距離検出部31Aで検出された対象距離に応じた「対象領域」を設定する対象領域設定部31Bとから構成されている。
対象距離検出部31Aは、距離情報生成部21で生成された距離情報と、動き情報生成部22で生成された動き情報とに基づいて、カメラ1から対象人物Cまでの距離である「対象距離D1」を検出する。具体的には、0〜255のスカラー値で表現される距離毎に動きが検出されている画素の数を累計する。そして、その累計値が所定の閾値T2よりも大きい場合、その距離にある動きが検出されている画素を対象人物Cの動きを反映した画素であるとして検出する。なお、閾値T2は、[特許請求の範囲]における「第2の閾値」に相当する。
対象領域設定部31Bは、対象距離検出部31Aで検出された対象距離D1と前後±αの距離にある対象物を撮像した画素のエッジ情報を抽出する(図2(c)参照)。この際、動きが検出された画素に限らず、対象距離D1±αの距離にある画素のエッジ情報が全て抽出される。本実施形態では、「α」は人間の体の幅とマージンを考慮して50cmとした。この処理によって、対象人物Cと推測される移動物体を撮像した画素部分のみのエッジ情報が抽出された状態となる。この状態を視覚的に理解しやすいように図3(b)に示した。なお、「α」は、[特許請求の範囲]における「所定の前後幅」に相当する。
輪郭抽出手段32は、対象領域設定部31Bで設定された対象領域Aの周辺上に節点を等間隔で配置する節点配置部32Aと、輪郭を変形させる輪郭変形部32Bと、輪郭を構成する各節点の節点間距離を測定する節点間距離測定部32Cと、節点間距離測定部32Cでの測定結果に基づいて、輪郭を分裂させる接続線を設定する接続線設定部32Dとから構成されている。
節点配置部32Aは、対象領域Aの周辺上に、複数の節点Pi(i=1,2,……,n)を等間隔で配置する(図5(a)参照)。各節点Piを、その配置順に結んだものをが、輪郭Vとなる。これらの節点Piの位置情報は、輪郭変形部32Bに入力される。なお、節点数nは、輪郭抽出装置3の処理能力や、抽出しようとする対象物の形状の複雑さ、動きの速さ等に応じて適宜決定される。本実施形態では節点数nを100個とした。
輪郭変形部32Bは、節点Piを、予め定義されたエネルギ関数が最小となるように移動させることにより、輪郭Vを変形させる(図5(b)参照)。なお、「予め定義されたエネルギ関数」としては、例えば、[従来の技術]の欄における式(1)に表わしたエネルギ関数を用いることができる。式(1)の各項は具体的には、下記のようなものである。なお、1節点は1画素で構成される。
(1)対象物と他の物体とを区別するために、画像上で、対象距離D1±αの範囲内において、輝度勾配が大きい部分にある節点を移動させる。
(2)輪郭の形状を滑らかにするために、連続する3つの節点を結ぶ線分をできるだけ直線に近づける。
(3)対象物の輪郭における窪んだ部分を正確に抽出するために、輪郭が囲む閉領域をできるだけ小さくする。
(4)各節点をバランス良く配置するために、各節点間の距離を平均化させる。
節点間距離測定部32Cは、輪郭変形部32Bで変形された輪郭Vを構成する各節点Piについて、隣り合う節点同士を除く、全ての節点の組み合わせについての節点間距離D2を測定(算出)する。
接続線設定部32Dは、まず、節点間距離測定部32Cから入力された測定結果に基づいて、節点間距離D2が予め定められた距離D3以下となる「節点Piの組み合わせ」があるか否かを判定する。なお、距離D3は、[特許請求の範囲]における「第1の閾値」に相当する。
次に、輪郭抽出システムAの動作について、図1に示す輪郭抽出システムAの全体構成を示すブロック図と、図8〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。参照する図面において、図8は、輪郭抽出システムAの動作における、「撮像画像解析ステップ」と「対象領域設定ステップ」を説明するためのフローチャートである。また、図9は、輪郭抽出システムAの動作における、「輪郭抽出ステップ」を説明するための第1のフローチャートである。また、図10は、輪郭抽出システムAの動作における、「輪郭抽出ステップ」を説明するための第2のフローチャートである。
図8に示すフローチャートを参照して、まず、ステップS1では、撮像画像解析装置2に撮像画像が入力される。続いて、ステップS2では、距離情報生成部21で、ステップS1で入力された撮像画像から「距離情報」を生成する。次に、ステップS3では、動き情報生成部22で、ステップS1で入力された撮像画像から「動き情報」を生成する。そして、ステップS4では、エッジ情報生成部23で、ステップS1で入力された撮像画像から「エッジ情報」を生成する。
引き続き図8に示すフローチャートを参照して、ステップS5では、対象距離検出部31Aで、ステップS2で生成された「距離情報」と、ステップS3で生成された「動き情報」とから、カメラ1から対象人物Cまでの距離である「対象距離D1」を検出する。そして、ステップS6では、対象領域設定部31Bで、ステップS5で検出された「対象距離D1」に基づいて、輪郭抽出処理を行うための領域である「対象領域A」を設定する。なお、ステップS2,ステップS3,ステップS4の各処理は、並列に行ってもよい。
図9に示すフローチャートを参照して、ステップS7では、節点配置部32Aで、対象領域Aの周辺上に、複数の節点Pi(i=1,2,……,n)を等間隔で配置する(図5(a)参照)。各節点Piを、その配置順に結んだものをが、輪郭Vとなる。続いて、ステップS8では、ステップS7で配置された各節点Piを、予め定義されたエネルギ関数が最小となるように移動させることにより、輪郭Vを変形させる(図5(b)参照)。本実施形態では、注目している節点が位置する画素に近接している8画素のそれぞれの位置に当該節点が移動した場合に、上記エネルギがどうなるかを計算し、計算結果からエネルギが最小となると判明した画素位置を移動後の新たな節点位置とする。そして、ステップS9では、輪郭Vを構成している各節点Piについて、隣り合う節点同士を除く、全ての節点の組み合わせについての節点間距離D2を測定する(図6(a),(b),(c)参照)。
D22=(xa−xb)2+(ya−yb)2≦D32
となる場合に、「節点間距離D2≦距離D3となる節点Piの組み合わせがある」と判断している。
なお、ステップS14で、対象物ではないと判断される画像情報(距離情報)はキャンセルされる。そして、ステップS15で「NO」と判断された後に行われるステップS6の処理は、ステップS14でキャンセルされた領域及び既に輪郭抽出された領域以外の残りの画像領域に対して実行される。したがって、本発明では、複数の輪郭抽出を効率良く実行することが可能となっている。
また、ステップS3において全く動きが検出されない場合や、ステップS5において対象距離D1が設定できない場合など、輪郭抽出すべき対象物が明らかに存在しないと判断される場合は、全ての処理を終了する。
また、従来の輪郭分裂手法では、図11(a),(b)を用いて説明したように、輪郭分裂の是非を判断するのに多数の計算処理を必要とするのに対し、本発明では、ステップS10の説明で示した簡単な距離計算のみで輪郭分裂の是非を判断することができる。したがって、本発明では計算負荷が著しく軽減される。
具体的には、節点数が100個のとき、特許文献1に開示されている従来の輪郭分裂手法では、計算コストは約200msec/frameであったのに対し、本発明では、計算コストは約100msec/frameであった。
さらに、非特許文献1では、輪郭分裂させるための固定された閾値に汎用性を持たせるのが困難であったのに対し、本発明では、各画素に対して距離情報を対応付け、対象物の距離に応じて閾値距離D3を可変させるので、対象物が遠くにあっても近くにあっても必要に応じて正確にその輪郭抽出を行うことができる。
本発明によれば、計算負荷を減らしつつ同時に複数の輪郭抽出を行えるが、例えば、本発明を室内監視カメラに適用して動的輪郭抽出された領域以外の情報をキャンセルすれば、さらに情報量を削減しながら注目すべき監視対象物の画像のみを長時間保存することもできる。
また、自律二足歩行ロボットの場合、歩行制御、外部環境認識、ヒト指示への応答など多くの複雑な処理を可能な限り短時間で行う必要があるが、本発明は輪郭抽出処理の計算負荷を削減し、かつ、早いタイミングで必要な輪郭分裂を実現するので、実環境における自律二足歩行ロボットの応答性を顕著に高めることができる。
なお、連続的に抽出される対象物の輪郭を画像と共に図示しない表示装置に表示すれば、管理者が画像内の物体の有無などを把握したり、図8〜図10を用いて説明した各種閾値の調整に有効である。
1 カメラ
2 撮像画像解析装置
3 輪郭抽出装置
31 対象領域設定手段
31A 対象距離検出部
31B 対象領域設定部
32 輪郭抽出手段
32A 節点配置部
32B 輪郭変形部
32C 節点間距離測定部
32D 接続線設定部
Claims (9)
- カメラによって対象物を撮像した画像から、前記対象物の輪郭を抽出するための装置であって、
前記画像内において、前記対象物を含む領域の周縁に、複数の節点を配置する節点配置部と、
前記節点を予め定義されたエネルギ関数が最小となるように移動させることにより、前記節点を所定の順序で連結して形成される輪郭を変形させる輪郭変形部と、
隣り合う節点同士を除く、全ての節点の組み合わせについての節点間距離を測定する節点間距離測定部と、
前記節点間距離が第1の閾値以下となる2つの節点が検出された場合、その一方の節点から他方の節点の先頭側又は後ろ側にある隣の節点に新たな接続線を設定することで前記輪郭を分裂させる接続線設定部と、を備え、
前記第1の閾値は、前記対象物までの距離が近いほど大きくなるように設定されることを特徴とする輪郭抽出装置。 - 前記画像から生成した前記対象物の距離情報、動き情報及びエッジ情報に基づいて、前記対象物の画素を含む領域を設定する対象領域設定手段をさらに備え、
前記節点配置部は、前記対象領域設定手段によって設定された対象領域の周辺上に、複数の節点を配置することを特徴とする請求項1に記載の輪郭抽出装置。 - 前記対象領域設定手段は、動きが検出されている画素が、第2の閾値よりも多く検出されている距離を対象距離とし、該対象距離から所定の前後幅を持つ領域内の画像を反映した画素のエッジ情報を得て、エッジの検出されている画素の累計値が最大となっている画素列を中心として対象領域を設定することを特徴とする請求項2に記載の輪郭抽出装置。
- 前記対象領域設定手段は、前記中心線から左右に50cmの幅を有し、かつ、2mの高さを有する矩形領域を対象領域として設定することを特徴とする請求項3に記載の輪郭抽出装置。
- 前記対象領域設定手段は、予め設定された所定数の輪郭が抽出されたか、別の対象領域が設定できなくなったと判断されるまで、新たな対象領域の設定処理を繰り返すことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の輪郭抽出装置。
- 前記対象領域設定手段は、新たな対象領域を設定する際に、既に抽出した輪郭領域及び対象物が存在しないと判断された領域以外の領域から、新たな領域を設定することを特徴とする請求項5に記載の輪郭抽出装置。
- 前記対象領域設定手段は、前記カメラから得られる色情報をも用いて前記対象領域を設定することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の輪郭抽出装置。
- カメラによって対象物を撮像した画像から、前記対象物の輪郭を抽出するための方法であって、
前記画像内において、前記対象物を含む領域の周縁に、複数の節点を配置する節点配置ステップと、
前記節点を予め定義されたエネルギ関数が最小となるように移動させることにより、前記節点を所定の順序で連結して形成される輪郭を変形させる輪郭変形ステップと、
隣り合う節点同士を除く、全ての節点の組み合わせについての節点間距離を測定する節点間距離測定ステップと、
前記節点間距離が、前記対象物までの距離が近いほど大きくなるように設定される第1の閾値以下となる2つの節点が検出された場合、その一方の節点から他方の節点の先頭側又は後ろ側にある隣の節点に新たな接続線を設定することで前記輪郭を分裂させる接続線設定ステップと
を含むことを特徴とする輪郭抽出方法。 - カメラによって対象物を撮像した画像から、前記対象物の輪郭を抽出するために、コンピュータを、
前記画像内において、前記対象物を含む領域の周縁に、複数の節点を配置する節点配置手段と、
前記節点を予め定義されたエネルギ関数が最小となるように移動させることにより、前記節点を所定の順序で連結して形成される輪郭を変形させる輪郭変形手段と、
隣り合う節点同士を除く、全ての節点の組み合わせについての節点間距離を測定する節点間距離測定手段と、
前記節点間距離が、前記対象物までの距離が近いほど大きくなるように設定される第1の閾値以下となる2つの節点が検出された場合、その一方の節点から他方の節点の先頭側又は後ろ側にある隣の節点に新たな接続線を設定することで前記輪郭を分裂させる接続線設定手段と
として機能させることを特徴とする輪郭抽出プログラム。
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