JP4272538B2 - 移動物体検出装置、移動物体検出方法及び移動物体検出プログラム - Google Patents
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また、かかる構成によれば、対象領域設定手段は、前記ヒストグラムの極大点及び極小点を抽出し、当該極大点及び極小点のうちの連続する3点ごとに、両端の点の垂直方向の画素数の差と、中央の点と両端の点とをそれぞれ結んだ2つの直線の傾きの差とを計算し、前記画素数の差と前記傾きの差とが最も小さい前記3点のうちの中央の点を、最も対称性の高い点と判定することから、前記画素数の差と前記傾きの差とをヒストグラムの対称性のパラメータとして最も対称性の高い点を判定することができる。
(移動物体検出装置の構成)
図1は、本実施形態に係る移動物体検出装置の構成を示したブロック図である。図1に示すように、移動物体検出装置1は、2台のカメラ2で撮像された撮像画像から、動きを伴う物体(移動物体)を検出するものである。ここでは、移動物体検出装置1を、入力された撮像画像を解析する入力画像解析手段10と、解析された撮像画像から物体を検出する物体検出手段20とで構成した。なお、2台のカメラ2は、左右に距離Bだけ離れて配置されており、それぞれを右カメラ2a及び左カメラ2bとする。
図1に戻って、説明を続ける。
なお、この対象距離画像の生成は、基準カメラ(右カメラ2a)で撮像された撮像画像(基準撮像画像)から、対象距離(視差の範囲)に対応する画素位置のみの画素を抽出することとしてもよい。
図1に戻って、説明を続ける。
また、前記した(1)式または(4)式による平滑化処理において、次の(5)式を条件とするのが望ましい。
DSn=|SXn+2′−SXn′| ・・・ (6)
DKn=|Kn+1−Kn| ・・・ (7)
但し、Kn=|(SXn+1′−SXn′)/(Xn+1−Xn)| ・・・ (7−1)
DS1=|SX3′−SX1′|
K1 =|(SX2′−SX1′)/(X2−X1)|
K2 =|(SX3′−SX2′)/(X3−X2)|
DK1=|K2−K1|
DS2=|SX4′−SX2′|
K2 =|(SX3′−SX2′)/(X3−X2)|
K3 =|(SX4′−SX3′)/(X4−X3)|
DK2=|K3−K2|
なお、画素数の差DSnが最小となる3点と、傾きの差DKnが最小となる3点とが異なる場合には、以下に示す(8)式の計算結果Lnが最小となる3点のうちの中央の変化点を、最も対称性の高い変化点と判定するようにしてもよい。
ここで、カメラ2の垂直画角をθv、カメラ2から移動物体Mまでの距離をD、対象距離画像(a’)の縦方向の解像度をY、カメラ2の床からの高さ(カメラ高)をH、移動物体Mの床からの仮想の高さを2(m)とする。このとき、カメラ2の光軸と、カメラ2から移動物体Mの仮想の上端(床から2m)までを結んだ直線との角度θHは(9)式で表すことができる。
=Y/2−(Y/θv)tan-1((2−H)/D) …(10)
=Y/2+(Y/θv)tan-1(H/D) …(12)
ここで、カメラ2の垂直画角をθv、チルト角をθT、移動物体Mまでの距離をD、対象距離画像の縦方向の解像度をY、カメラ2の床からの高さ(カメラ高)をH、移動物体Mの床からの仮想の高さを2(m)とする。このとき、カメラ2の光軸とカメラ2から移動物体Mの仮想の上端(床から2m)までを結んだ直線との角度θHと、チルト角θTとの差分角度(θH−θT)は(13)式で表すことができる。
=Y/2−θTY/θv−(Y/θv)tan-1((2−H)/D) …(14)
=Y/2−θTY/θv+(Y/θv)tan-1(H/D) …(16)
なお、移動ロボット(図示せず)が階段等を昇降し、移動物体Mと同一の床に存在しない場合は、移動ロボット本体のエンコーダ等によって昇降量を検出し、その昇降量を移動物体Mの床からの高さに対して加算又は減算することで、移動物体Mの対象距離画像(a’又はb’)における縦方向の位置を特定することができる。あるいは、移動ロボットに地図情報を保持しておき、移動物体Mの方向及び距離で特定される床の高さを、その地図情報から取得することとしてもよい。
図1に戻って、説明を続ける。
まず、対象領域内の画素値の変化に基づいてエッジを検出する。例えば、ある画素の近傍領域の画素に対して重み係数を持つオペレータ(係数行例:Sovelオペレータ、Kirschオペレータ等)を画素毎に乗算することで、エッジの検出を行う。そして、この検出されたエッジに対して、適当な閾値によって2値化を行い、メディアンフィルタ等によって孤立点の除去を行う。このように2値化されたエッジを連結することで、対象領域内から移動物体の輪郭を抽出することができる。なお、エッジから輪郭を抽出する手法として、動的輪郭モデル(SNAKES)を適用することとしてもよい。これによって、例えば、図11に示したように、対象距離画像TDEの中で移動物体が一つ(一人)に限定された対象領域T内で輪郭Oを抽出することができる。
次に、図1乃至図3を参照して、移動物体検出装置1の動作について説明する。図2及び図3は、移動物体検出装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、移動物体検出装置1は、同期した2台のカメラ2から時系列に撮像画像を入力する(ステップS1)。なお、ここでは、ある時刻tに右カメラ2a(基準カメラ)と左カメラ2bとから入力された撮像画像と、次の時刻t+1(例えば、1フレーム後)に右カメラ2a(基準カメラ)から入力された撮像画像とに基づいて、移動物体の輪郭を抽出するものとする。
そして、移動物体検出装置1は、距離情報生成部11によって、時刻tに、右カメラ2a(基準カメラ)と左カメラ2bとから入力された2枚の撮像画像から、撮像対象までの視差(距離)を埋め込んだ距離画像を生成する(ステップS2)。
さらに、移動物体検出装置1は、動き情報生成部12によって、右カメラ2a(基準カメラ)で時刻tと時刻t+1に撮像された2枚の撮像画像(基準撮像画像)の差分をとり、差(動き)のあった画素を画素値“1”、差のなかった画素を画素値“0”とした差分画像を生成する(ステップS3)。
そして、移動物体検出装置1は、エッジ画像生成部13によって、右カメラ2a(基準カメラ)で時刻tに撮像された撮像画像(基準撮像画像)からエッジを抽出したエッジ画像を生成する(ステップS4)。
また、移動物体検出装置1は、対象距離設定部21によって、ステップS2及びステップS3で生成した距離画像及び差分画像から、距離画像で表された視差(距離)毎に、動きのあった画素数を累計する(ステップS5)。例えば、距離画像から、ある視差(距離)の画素のみを抽出し、この抽出された画素と対応する差分画像の画素の画素値を累計する。そして、この動き(差分)のある画素数の累計が最大となる距離を、検出する移動物体の対象距離として設定する(ステップS6)。
そして、移動物体検出装置1は、対象距離画像生成部22によって、距離画像から対象距離±αに対応する画素を抽出した対象距離画像を生成する(ステップS7)。なお、ここでは人物を検出することと仮定して、αを数十cmとする。
そして、移動物体検出装置1は、ヒストグラム生成部23aによって、ステップS7で生成した対象距離画像の垂直方向(縦方向)の画素数をカウントしてヒストグラムを生成する(ステップS8)。このとき、生成したヒストグラムを平滑化するのが望ましい。
また、移動物体検出装置1は、変化点抽出部23bによって、ステップ8で生成したヒストグラム上の変化点(極大点及び極小点)を、抽出する(ステップS9)。例えば、ある水平方向位置(Xn)における画素数(SXn′)を、その前後の水平方向位置における画素数と比較することにより、当該位置において画素数が増加から減少に転じている場合には、当該位置を極大点として抽出し、その水平方向位置Xnと画素数SXn′とをメモリに記憶する。また、極小点についても同様の方法で抽出する。
そして、移動物体検出装置1は、対称性抽出部23cによって、ステップ9で抽出した変化点(極大点及び極小点)Pnの座標(Xn,SXn′)に基づいて、連続する3つの変化点Pn、Pn+1、Pn+2ごとに、画素数の差DSnと、傾きの差DKnとを、対称性パラメータとして抽出する(ステップS10)。
また、移動物体検出装置1は、対称性判定部23dによって、ステップ10において抽出した対称性パラメータに基づいて、ヒストグラムHI′の中から、対称性が最も高い3点を判定する(ステップS11)。
そして、移動物体検出装置1は、水平範囲設定部23eによって、ステップS7で生成した対象距離画像内に、最も対称性が高い3点の中央の変化点を中心に、特定量(例えば0.5〜0.6(m))の左右範囲を対象領域の水平方向の範囲として設定する(ステップS12)。
さらに、垂直範囲設定部23fでは、カメラ2から入力されるチルト角、床(設置面)からの高さ等のカメラパラメータに基づいて、対象領域の垂直(上下)方向の範囲を設定する(ステップS13)。なお、前記ヒストグラム生成ステップから前記水平・垂直領域設定ステップまでが、請求項9にいう「対象領域設定ステップ」に相当する。
また、移動物体検出装置1は、輪郭抽出部24によって、ステップS7で生成した対象距離画像において、ステップS12及びステップS13で設定した対象領域内で輪郭の抽出を行う(ステップS14)。例えば、対象領域内でエッジを検出し、そのエッジに対して動的輪郭モデル(SNAKES)を適用することによって輪郭の抽出を行う。
このステップS14で輪郭の抽出に成功した場合(Yes)は、ステップS16へ進む。一方、輪郭の抽出に失敗した(あるいは抽出を行わない)場合(No)は、本動作を終了する。
そして、移動物体検出装置1は、距離情報更新部25によって、ステップS14で抽出した輪郭内(輪郭を含んだ内部領域)に対応する距離画像を更新する(ステップS16)。例えば、輪郭を含んだ内部領域に対応する距離画像の画素値を“0”にする。これによって、すでに抽出を終わった移動物体の領域が距離画像から削除されることになる。そして、ステップS5へ戻って、処理を継続する。
2 カメラ
10 入力画像解析手段
11 距離情報生成部
12 動き情報生成部
13 エッジ画像生成部
20 物体検出手段
21 対象距離設定部
22 対象距離画像生成部
23 対象領域設定部
23a ヒストグラム生成部
23b 変化点抽出部
23c 対称性抽出部
23d 対称性判定部
23e 水平範囲設定部
23f 垂直範囲設定部
24 輪郭抽出部
25 距離情報更新部
HI、HI′ ヒストグラム
T 対象領域
TDE 対象距離画像
Claims (8)
- 同期した複数のカメラで、撮像対象を撮像した複数の撮像画像から、前記撮像対象内に存在する移動物体を検出する移動物体検出装置であって、
前記複数の撮像画像の視差に基づいて、前記撮像対象までの距離を距離情報として生成する距離情報生成手段と、
前記複数のカメラの中の少なくとも一つのカメラから、時系列に入力される撮像画像の差分に基づいて、前記移動物体の動きを動き情報として生成する動き情報生成手段と、
前記距離情報に含まれる距離毎に、前記動き情報に含まれる動きのあった画素値を累計し、前記累計値が最大となる距離を、前記移動物体が存在する対象距離として設定する対象距離設定手段と、
前記距離情報に基づいて、前記対象距離設定手段で設定された対象距離に対応する画素からなる対象距離画像を生成する対象距離画像生成手段と、
前記対象距離画像内に、少なくとも前記対象距離に対応して、前記移動物体を検出する対象となる対象領域を設定する対象領域設定手段と、
この対象領域設定手段で設定された対象領域から輪郭を抽出することで、前記移動物体を検出する輪郭抽出手段と、
を備え、
前記対象領域設定手段は、前記対象距離画像において、水平方向の座標毎に垂直方向の画素数をカウントしてヒストグラムを生成した後、前記ヒストグラムの極大点及び極小点を抽出し、当該極大点及び極小点のうちの連続する3点ごとに、両端の点の垂直方向の画素数の差と、中央の点と両端の点とをそれぞれ結んだ2つの直線の傾きの差とを計算し、前記画素数の差と前記傾きの差とが最も小さい前記3点のうちの中央の点を、最も対称性の高い点と判定し、この最も対称性が高い点に基づいて前記対象領域を設定することを特徴とする移動物体検出装置。 - 前記対象距離画像生成手段は、少なくとも前記対象距離を基準として奥行き方向の所定範囲内に存在する画素からなる対象距離画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の移動物体検出装置。
- 前記対象領域設定手段は、前記ヒストグラムにおいて、最も対称性が高いと判定された極大点又は極小点の水平方向の座標から所定範囲を、前記対象領域の水平方向の範囲として設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動物体検出装置。
- 前記対象領域設定手段は、少なくとも前記カメラのチルト角及び設置面からの高さに基づいて、前記対象領域の垂直方向の範囲を設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の移動物体検出装置。
- 前記撮像画像の各画素の色情報又は濃淡情報に基づいて、その撮像画像のエッジを抽出したエッジ画像を生成するエッジ画像生成手段を備え、
前記対象距離画像生成手段が、前記距離情報に基づいて、前記対象距離に対応する前記エッジ画像の画素を抽出して、前記対象距離画像を生成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の移動物体検出装置。 - 前記輪郭抽出手段で抽出された輪郭の内部領域を、前記移動物体の抽出済領域として、前記距離情報を更新する距離情報更新手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の移動物体検出装置。
- 同期した複数のカメラで、撮像対象を撮像した複数の撮像画像から、前記撮像対象内に存在する移動物体を検出する移動物体検出方法であって、
前記複数の撮像画像の視差に基づいて、前記撮像対象までの距離を距離情報として生成する距離情報生成ステップと、
前記複数のカメラの中の少なくとも一つのカメラから、時系列に入力される撮像画像の差分に基づいて、前記移動物体の動きを動き情報として生成する動き情報生成ステップと、
前記距離情報に含まれる距離毎に、前記動き情報に含まれる動きのあった画素値を累計し、前記累計値が最大となる距離を、前記移動物体が存在する対象距離として設定する対象距離設定ステップと、
前記距離情報に基づいて、前記対象距離設定ステップで設定された対象距離に対応する画素からなる対象距離画像を生成する対象距離画像生成ステップと、
前記対象距離画像内に、少なくとも前記対象距離に対応して、前記移動物体を検出する対象となる対象領域を設定する対象領域設定ステップと、
この対象領域設定ステップで設定された対象領域から輪郭を抽出することで、前記移動物体を検出する輪郭抽出ステップと、
を備え、
前記対象領域設定ステップは、前記対象距離画像において、水平方向の座標毎に垂直方向の画素数をカウントしてヒストグラムを生成した後、前記ヒストグラムの極大点及び極小点を抽出し、当該極大点及び極小点のうちの連続する3点ごとに、両端の点の垂直方向の画素数の差と、中央の点と両端の点とをそれぞれ結んだ2つの直線の傾きの差とを計算し、前記画素数の差と前記傾きの差とが最も小さい前記3点のうちの中央の点を、最も対称性の高い点と判定し、この最も対称性が高い点に基づいて前記対象領域を設定することを特徴とする移動物体検出方法。 - 同期した複数のカメラで、撮像対象を撮像した複数の撮像画像から、前記撮像対象内に存在する移動物体を検出するために、コンピュータを、
前記複数の撮像画像の視差に基づいて、前記撮像対象までの距離を距離情報として生成する距離情報生成手段、
前記複数のカメラの中の少なくとも一つのカメラから、時系列に入力される撮像画像の差分に基づいて、前記移動物体の動きを動き情報として生成する動き情報生成手段、
前記距離情報に含まれる距離毎に、前記動き情報に含まれる動きのあった画素値を累計し、前記累計値が最大となる距離を、前記移動物体が存在する対象距離として設定する対象距離設定手段、
前記距離情報に基づいて、前記対象距離設定手段で設定された対象距離に対応する画素からなる対象距離画像を生成する対象距離画像生成手段、
前記対象距離画像内に、少なくとも前記対象距離に対応して、前記移動物体を検出する対象となる対象領域を設定する対象領域設定手段、
この対象領域設定手段で設定された対象領域から輪郭を抽出することで、前記移動物体を検出する輪郭抽出手段、
として機能させ、
前記対象領域設定手段は、前記対象距離画像において、水平方向の座標毎に垂直方向の画素数をカウントしてヒストグラムを生成した後、前記ヒストグラムの極大点及び極小点を抽出し、当該極大点及び極小点のうちの連続する3点ごとに、両端の点の垂直方向の画素数の差と、中央の点と両端の点とをそれぞれ結んだ2つの直線の傾きの差とを計算し、前記画素数の差と前記傾きの差とが最も小さい前記3点のうちの中央の点を、最も対称性の高い点と判定し、この最も対称性が高い点に基づいて前記対象領域を設定することを特徴とする移動物体検出プログラム。
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