JP4522848B2 - ロッドレンズアレイの光学性能評価方法 - Google Patents

ロッドレンズアレイの光学性能評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロッドレンズアレイの光学性能評価方法、特に、ロッドレンズアレイの結像位置ずれ量を求める方法に関する。
ロッドレンズアレイは、二枚の基板間に複数の屈折率分布型のロッドレンズを平行に規則的に配列した構造を有し、1対1結像光学系として機能する。このため、ロッドレンズアレイは、LEDプリンタ等の書き込みデバイス用の光学部品や、複写機又はファクシミリ等におけるイメージセンサ用の光学部品として広く用いられている。そして、ロッドレンズアレイの光学性能は、これら機器の品質性能に大きく影響する。
ロッドレンズアレイの光学性能を評価する方法として、従来から、ロッドレンズアレイのレスポンス関数(MTF:Modulation Transfer Function)を測定する方法が知られている。しかし、MTFを測定しても、光学性能が劣悪な場合の原因までは特定することができなかった。例えば、光学性能の劣化が、配列した個々のロッドレンズの特性のばらつきによるものなのか、それとも、ロッドレンズの配列の乱れによるものなのかを区別することができなかった。
ロッドレンズの配列が乱れると、個々のロッドレンズの結像位置がずれる。その結果、ロッドレンズアレイを伝搬した画像の歪みや色のにじみが生じたり、解像度が低下したりする。このため、特に、600dpi以上の高解像度が要求される機器に使用するロッドレンズアレイにおいては、ロッドレンズの配列の乱れは大きな問題となる。そこで、従来から、ロッドレンズの配列精度の指標となる結像位置ずれ量を測定する種々の方法が提案されている。
ロッドレンズアレイの結像位置ずれ量の測定方法の一例が、特開2001−265210号公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1に開示の方法によれば、検査対象のロッドレンズアレイを点光源アレイで照明し、ロッドレンズアレイを伝搬した光を、スリットを介して走査しながら受光し、受光量変化の周期性の乱れから位置ずれ量を測定する。
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、照明装置として使用する点光源アレイがデリケートな部品であるため、その保守作業が難しい。その上、点光源アレイの個々の点光源自身の配列精度が測定結果に影響するため、測定された結像位置ずれ量が正確性に欠ける場合がある。
また、ロッドレンズアレイの結像位置ずれ量の測定方法の他の一例が、特開2001−264210号公報(特許文献2)に開示されている。この特許文献2に開示方法によれば、検査対象のロッドレンズの両側について、それぞれ、ロッドレンズアレイを伝搬した光を、スリットを介して走査しながら受光し、受光量変化の周期性の乱れ及び両側の受光量変化の比較から位置ずれ量を測定する。
しかしながら、特許文献2に開示の方法では、ロッドレンズアレイの両側から測定する必要があるため、測定を二度行うか、或いは、受光装置及び照明装置を2セット用意する必要があり、測定及び装置が複雑となる。
また、ロッドレンズアレイの結像位置ずれ量の測定方法の他の一例が、特開2001−272302号公報(特許文献3)に開示されている。この特許文献3に開示の方法によれば、ピンホールアレイを介して検査対象のロッドレンズアレイを照明し、ロッドレンズアレイを伝搬した光を、スリットを介して走査しながら受光し、点像の周期性の乱れから位置ずれ量を測定する。
しかしながら、特許文献3に開示の方法では、ピンホール及びスリットによって、受光光量が制限される。このため、受光量を増やすために、コリメートレンズ及び集光レンズを使用するため、装置が複雑となる。さらに、円形のピンホールアレイを使用する場合には、装置が更に複雑となる。また、長尺のピンホールアレイを使用する場合には、レンズアレイに長さの変更に対応しにくいおそれがある。
特開2001−265210号公報 特開2001−264210号公報 特開2001−272302号公報
そこで、本発明は、ロッドレンズアレイの位置ずれ量を容易に精度良く測定することができるロッドレンズアレイの光学性能の評価方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明のロッドレンズアレイの光学性能評価方法は、ロッドレンズアレイの結像位置ずれ量を求める光学性能評価方法であって、(a)一定周期の格子パターン(ストライプパターン)を有するテストチャートに検査光を照射して、テストチャートを透過した検査光による基準格子パターン像を生成する工程と、(b)基準格子パターン像の、格子パターンの周期方向に沿った光量分布を測定する工程と、(c)基準格子パターン像の光量分布をフーリエ変換して、格子パターンの周期と同一周期の基準波形成分を抽出して、この基準波形成分の位相を求める工程と、(d)検査対象のロッドレンズアレイを、そのレンズ面をテストチャートに対向させて配置する工程と、(e)検査光を、テストチャートを介して、ロッドレンズアレイのレンズ面に照射し、ロッドレンズアレイを伝搬した検査光による格子パターン像を生成する工程と、(f)格子パターン像の、周期方向に沿った光量分布を測定する工程と、(g)格子パターン像の光量分布をフーリエ変換して、格子パターンの周期と同一周期の波形成分を抽出して、この波形成分の位相を求める工程と、(h)前記基準波形成分の位相及び前記波形成分の位相からロッドレンズアレイの結像位置ずれ量を求める工程と、を含むことを特徴としている。
このような本発明のロッドレンズの光学性能評価方法によれば、フーリエ変換により、格子パターン像の光量分布から特定周期の波形成分を抽出するので、微小ノイズの影響を抑制して高精度な測定を行うことができる。また、光路上にロッドレンズアレイを挿入しない場合と挿入した場合との波形成分の位相差を求めているので、複雑な機器を必要とせず、簡易な装置構成で容易に測定を行うことができる。したがって、ロッドレンズアレイの位置ずれ量を容易に精度良く測定することができる。
なお、本発明において、格子パターンの周期方向とは、テストチャート面内で、格子パターンのストライプに直交する方向をいう。
また、本発明において、好ましくは、(e)乃至(h)工程を、レンズ面のうちの検査光の照射部分をロッドレンズの配列方向に沿って順次にずらして繰り返す。
これにより、一つのテストチャートを、ロッドレンズの配列方向の長さの異なる種々のロッドレンズアレイの光学性能評価に使用することができる。
なお、照射部分を順次にずらすにあたっては、ロッドレンズをテストチャートに対して相対的に移動させるとよい。例えば、ロッドレンズを移動させてもよいし、テストチャートや受光装置を移動させてもよい。
また、本発明において、このましくは、(b)工程において、基準格子パターン像のうち、ロッドレンズアレイのロッドレンズの配列ピッチよりも狭い範囲内での基準格子パターン像部分の光量分布を測定し、(f)工程において、格子パターン像のうち、基準格子パターン像部分に対応する部分であって、配列ピッチよりも狭い範囲内での格子パターン像部分の光量分布を測定する。
これにより、隣接するロッドレンズの配列が互いに逆方向にずれている場合においても、それぞれのロッドレンズの結像位置ずれ量が相殺されてしまうことを回避して、正確な測定を行うことができる。
なお、ロッドレンズの配列ピッチは、ロッドレンズを互いに接して並べている場合、ロッドレンズの直径と実質的に等しい。
また、本発明において、このましくは、(h)工程において、結像位置ずれ量を、基準波形成分及び波形成分が互いに同一の位相値をそれぞれ示す位置間の距離として求める。
これにより、基準波形成分の位相及び波形成分の位相から結像位置ずれ量を容易に求めることができる。
また、本発明において、好ましくは、(h)工程において、結像位置ずれ量を、照射位置をずらして繰り返し求めた結像位置ずれ量の累計として求める。
これにより、位相差が格子パターンの一周期を越える場合においても、位置ずれ量を正確に求めることができる。
また、本発明において、好ましくは、(f)工程において測定した光量分布を用いて、ロッドレンズアレイのレスポンス関数(MTF:Modulation Transfer Function)を測定する。
これにより、位置ずれ量とMTFを同時に測定することができる。
また、本発明において、好ましくは、(d)工程において、ロッドレンズアレイを、そのロッドレンズアレイのレンズの配向方向が、テストパターンの周期方向と平行になるように配置する。
これにより、ロッドレンズアレイのレンズの配向方向に平行な主走査方向の位置ずれ量を容易に測定することができる。
また、本発明において、好ましくは、(d)工程において、ロッドレンズアレイを、そのロッドレンズアレイのレンズの配向方向が、テストパターンの周期方向と垂直になるように配置する。
これにより、ロッドレンズアレイのレンズの配向方向に垂直な副走査方向の位置ずれ量を容易に測定することができる。
本発明のロッドレンズの光学性能評価方法によれば、ロッドレンズアレイの位置ずれ量を容易に精度良く測定することができる。
以下、本発明の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
図1を参照して、ロッドレンズの結像位置ずれ量を測定するための装置構成について説明する。図1は、ロッドレンズアレイを挿入していない場合の配置図である。図1に示すように、照明装置1、テストチャート2及び受光装置3が直線上に配置されている。
まず、照明装置1について説明する。照明装置1は、光源11及び拡散板12から構成されている。
光源11は、実機に組み込まれたロッドレンズアレイを実際に照射するLED等と同一波長の光を発するものが望ましい。そのため、光源11を、例えば、白色光源11aと光線フィルタ11bとにより構成するのがよい。実施例1では、白色光源11aとして、ハロゲンランプを使用し、光線フィルタ11bとして、干渉フィルタを使用する。この干渉フィルタは、ピーク透過波長λ0=739.8nm、最大透過率TMAX=87.5%、半値幅9.9nmという特性を有する。
なお、光源として、実機と同一波長のLEDを使用する場合には、光線フィルタ11bは必要ない。
また、拡散板12は、光源から出射した光を散乱させて、テストチャート2に入射する検査光に指向性が残る可能性を無くすために設けられている。実施例1では、拡散板12として、片面フロスト型の砂番#400の拡散板を二枚重ねたものを使用する。
なお、照明装置1に拡散板12を挿入する代わりに、テストチャート2の照明装置1側表面に、拡散機能を有するような加工を施してもよい。
次に、テストチャート2について説明する。テストチャート2は、ガラス板に、図2に示すように、一定周期の格子パターン(ストライプパターン)、即ち、一定間隔の規則的な縞模様を付した構成を有する。実施例1では、MTFも同時に測定するので、格子パターンの周期は、実機で使用するLEDの配列ピッチに対応することが望ましい。
なお、実施例1では、テストチャートを、格子パターンの周期方向が、ロッドレンズアレイのレンズの配向方向、即ち、ロッドレンズアレイの長手方向と平行になるように配置した。これにより、主走査の結像位置のずれとMTFを測定することができる。
実施例1では、格子パターンの周期を、空間周波数で表す。ここで空間周波数とは、図2に示すように、白ライン(透明部分)と黒ライン(遮光部分)との組み合わせを1ラインペアとし、このラインペアが1mmの幅の中に何組設けてあるかを示すものであり、単位を「Lp/mm」と表す。そして、例えば、600dpiの実記のLEDの配列ピッチは12Lp/mmに相当し、1200dpiの配列ピッチは24Lp/mmに相当する。
なお、図2に例示するテストチャートは、6Lp/mmの格子パターンを有し、その周期は167μmである。
次に、受光装置3について説明する。受光装置3は、対物レンズ31及び受光素子32から構成されている。
対物レンズ31は、格子パターン像を拡大して、受光装置3の分解能を高めるために設けられている。ここでは、対物レンズ31によって、格子パターン像が20倍に拡大される。また、実施例1では、対物レンズ31とテストチャート2との間の距離を、対物レンズ31の焦点距離fと等しくしている。
また、受光素子32は、テストチャート2の格子パターンの周期方向に沿って素子が配列したラインセンサにより構成される。実施例1では、受光素子32として、CCDラインセンサを使用する。このラインセンサは、素子数1024、素子の配列ピッチ25μmという特性を有する。
なお、受光素子32として、例えば、CMOSやフォトダイオードのラインセンサを使用してもよい。
次に、ロッドレンズアレイの結像位置ずれ量の測定方法について説明する。
(a)まず、ロッドレンズアレイを挿入しないで、図1に示した配置において、照明装置1からテストチャート2に検査光を照射して、テストチャート2を透過した検査光による基準格子パターン像を生成する。
ここで、図3の(A)に、テストチャート2の格子パターンと、基準格子パターン像の光量分布との対応を示す。図3の(A)に折れ線Iで示すように、基準格子パターン像の光量分布は、テストチャート2の格子のパターンを再現した矩形波となる。
(b)次に、基準格子パターン像の、格子パターンの周期方向に沿った光量分布を、受光装置3のラインセンサ32によって測定する。
実施例1では、基準格子パターン像のうち、検査対象のロッドレンズアレイのロッドレンズの配列ピッチよりも狭い範囲内で基準格子パターン部分の光量分布を測定する。これは、隣り合ったロッドレンズ同士に向きの異なる配列の乱れがあった場合に、相殺されて正確な測定の妨げになることを防ぐためである。
その場合、ロッドレンズ配列の1ピッチ幅内の、格子パターンの周期の数(ラインぺア数)は、測定精度を上げるためには多いほうが好ましく、一方、測定スピードを速くするためには少ない方が好ましい。したがって、周期の数は、測定の精度とスピードとを両立できる値を実験的に求めることが好ましい。例えば、ロッドレンズの配列ピッチが0.6mmであるのに対して、格子パターンの空間周波数が12LP/mm(1周期長83μm)の場合、例えば、3周期が好ましい。
実施例1では、ロッドレンズの配列ピッチよりも狭い範囲内で基準格子パターン部分の光量分布を測定するために、ラインセンサ32の全素子のうちの中心付近の素子により、光量データをサンプリングする。ラインセンサ32の中心付近でサンプリングする理由は、光源の出射光量分布が不均一によりフーリエ変換の結果に誤差が生じないように、できるだけ光量が均一な光源の中心の光線を使用するためである。
実施例1で使用するラインセンサ32の全素子数は1024であるので、ラインセンサの端から約半分の512番目の素子付近が中心となる。そこで、ラインセンサ32の端から数えて450番目から649番目のまでの200個の素子のうち、128個の素子で光量データをサンプリングする。
以下、便宜的に、格子パターン像の位置を、ラインセンサの端から数えた素子の番号で表す。例えば、端から450番目の素子の位置を「座標450」と表記する。そして、光量データのサンプリングの始点である座標450の位置N0を「仮の格子基準位置」N0とする。図3の(A)に、模式的に示したラインセンサ32上の座標450の位置をN0で、また、座標649の位置をE0でそれぞれ示す。
格子パターン像は、対物レンズ31によって、ラインセンサ32の位置では、約20倍に拡大されている。このため、ラインセンサ上の25μmピッチで並んだ200素子分の幅は、テストチャート2の格子パターンの250μm分に相当する。そして、テストチャート2の格子パターンの1周期長が83μmであるので、ここでは、約3周期分の格子パターン像の光量データをサンプリングしたことになる。また、ラインセンサ上の素子の配列ピッチによって決まる分解能は、ピッチ25μmに対して対物レンズの倍率が20倍であるので、1.25μmになる。
なお、実施例1では、コンピュータによりフーリエ変換処理を行うため、光量データとして、2のべき乗となる光強度の値をサンプリングする。
(c)次に、基準格子パターン像の光量分布のサンプリングデータをフーリエ変換して、格子パターンの周期と同一周期の基準波形成分を抽出して、この基準波形成分の位相を求める。
実施例1では、サンプリングした光量データxを、下記の(1)式によりフーリエ変換して周波数分解し、格子パターンの空間周波数12Lp/mmに対応した周波数k0成分のみを抽出する。
Figure 0004522848
続いて、仮の格子基準位置N0における、抽出した波形のサイン波、コサイン波の振幅の比an/bnから、下記の(2)式により、空間像の波形成分の位相を求める。
θd=tan-1(an/bn) ・・・(2)
また、図4に、基準波形成分、該基準波形成分のサイン波成分及びコサイン波成分の一例を、それぞれ、曲線Iimage、Isin、及びIcosで示す。
実施例1では、基準格子パターン像に多少のノイズが含まれることがあるので、データサンプリングとフーリエ変換等を100回繰り返し、その平均値を空間像波形の仮の格子基準位置N0における位相θd0として求める。
そして、仮の格子基準位置N0における位相θd0から、位相θd=0となるラインセンサ上の座標位置N1を求める。以下、その座標位置N1を、上述の仮の格子基準位置N0に代えて、「格子基準位置」N1とする。
ここでは、仮の格子基準位置N0における位相θd0の平均値が−86.42°であった。この位相θd0を距離に換算すると、格子パターンの一周期分の長さ83μmが位相360°に相当するので、−20.01μmとなる。さらに、この距離をラインセンサ32上の素子数に換算すると、分解能が20倍に拡大されて1.25μmであるので、−16素子となる。したがって、格子基準位置N1の座標は、仮の格子基準位置の座標450に16を加えた座標466となる。図3の(A)に、座標466の位置をN1で示す。
(d)次に、検査対象のロッドレンズアレイ4を、そのレンズ面43をテストチャート2に対向させて配置する。
図5は、ロッドレンズアレイを挿入した場合の配置図である。図5に示すように、照明装置1、テストチャート2、ロッドレンズアレイ4及び受光装置3が直線上に配置されている。そして、テストチャート2と対物レンズ31とを、(a)工程に対して相対的にロットレンズアレイ4の共役長Tcと等しい距離Tcだけ更に離す。すなわち、テストチャート2から対物レンズ31まで距離を、対物レンズ31の焦点距離fとロッドレンズアレイ4の共役長Tcとの和とする。そして、ロッドレンズアレイ4からテストチャート2までの距離をL1とし、ロッドレンズアレイ4から対物レンズ31までの距離L2をロッドレンズアレイ4からテストチャート2までの距離L1と前記対物レンズの焦点距離fとの和と等しくする。
ここで、図6に検査対象のロッドレンズアレイ4を模式的に示す。このロッドレンズアレイ4は、ロッドレンズの直径R=0.59mm、ロッドレンズ長D(=4.2mm、ロッドレンズの共役長Tc=9.1mm、そして、ロッドレンズアレイの長さW=338mmの形状を有する。
(e)次に、検査光を、テストチャートを介して、ロッドレンズアレイのレンズ面に照射し、ロッドレンズアレイを伝搬した検査光による格子パターン像を生成する。
ここで、図3の(B)に、テストチャート2の格子パターンと、格子パターン像の光量分布との対応を示す。図3の(B)に曲線IIで示すように、基準格子パターン像の光量分布は、テストチャート2の格子のパターンに対応した波形となる。
(f)次に、テストチャート2からロッドレンズアレイ4の共役長だけ離れた位置における格子パターン像の、周期方向に沿った光量分布を、受光装置3により測定する。
実施例1では、格子パターン像のうち、基準格子パターン部分に対応する部分であって、ロッドレンズの配列ピッチよりも狭い幅の格子パターン部分の光量分布を測定する。
そのため、座標466の格子基準位置N1をデータサンプリング始点として、座標665の位置までの200素子のデータのうち128個のデータをサンプリングする。図3の(B)に、模式的に示したラインセンサ32上の座標665の位置をE1で示す。
(g)次に、格子パターン像の光量分布をフーリエ変換して、格子パターンの周期と同一周期の波形成分を抽出して、この波形成分の位相を求める。
上述の(c)工程と同様にして求めた、波形成分の座標466の、格子基準位置N1における位相θd2は10.80°であった。
(h)次に、基準波形成分の位相及び波形成分の位相からロッドレンズアレイの結像位置ずれ量を求める。実施例1では、結像位置ずれ量を、基準波形成分及び波形成分が互いに同一の位相値をそれぞれ示す位置間の距離として求める。
具体的には、以下のようにして、基準波形成分及び波形成分の位相がそれぞれ0となる、ラインセンサ上の格子基準位置N1の座標位置と新たな格子基準位置N2の座標位置との差として結像位置ずれ量を求める。
格子基準位置N1における位相θd2=10.80°を長さに換算すると、2.50μmになる。これをさらにラインセンサの素子数に換算すると2素子分となる。この値2を「位相補正値」とする。
そして、ラインセンサ32上の位相θd=0°となる「新たな格子基準位置」N2の位置は、格子基準位置N1の座標466から位相補正値2を引いて求めると、座標464となる。さらに、この新たな格子基準位置N2をサンプリング始点として再度データサンプリングを行って求めた新たな格子基準位置N2における位相は0°となった。
サンプリング始点である新たな格子基準位置N2の座標位置464と、格子基準位置N1の座標466との差が結像位置のずれ量になる。したがって、結像位置のずれ量は、−2(=464―466)素子分の距離、即ち、−2.5μmになる。
さらに(e)乃至(h)工程を、レンズ面のうちの検査光の照射部分をロッドレンズの配列方向に沿って順次にずらして繰り返す。すなわち、ロッドレンズアレイ4を照明装置1、テストチャート2及び受光装置3に対して、ロッドレンズの配列方向に沿って相対的に移動させながら、測定を繰り返す。
なお、図5には、ロッドレンズアレイを相対的に移動させる機構は図示されていないが、任意好適な機構を使用することができる。
また、(h)工程において、結像位置ずれ量を、照射位置をずらして繰り返し求めた結像位置ずれ量の累計として求める。
具体的には、直前の結像位置ずれ量を位相補正値として、格子基準位置を更新してサンプリング始点とし、格子パターン像の光量分布データをサンプリングし、結像位置のずれ量を求める。フーリエ変換により求められる位相は格子の1周期分までなので、前記位相補正値を設定することにより、測定が進行するにつれて結像位置ずれが格子の1周期分以上になる場合でも正確な測定が可能となる。
このようにして求めた主走査方向の結像位置ずれ量の測定結果を図7に示す。図7のグラフに示すように、結像位置のずれの最大値は79.8μm、最小値は−4.6μmであった。
さらに、(f)工程において測定した光量分布を用いて、ロッドレンズアレイ4のレスポンス関数(MTF)を測定する。
MTFは、各測定点おいて空間像の光量分布データの極大値(imax)、極小値(imin)から下記の(3)式により求める。
MTF(%)=[(imax−imin)/(imax+imin)]*100 ・・・(3)
実施例1では、MTF=72.5%であった。
図8に示すように、実施例2では、テストチャート2、及びラインセンサ32をそれぞれ90°回転させ、格子パターンの周期方向が、ロッドレンズアレイのレンズの配向方向と垂直(ロッドレンズアレイの厚み方向、つまり副走査方向と平行になるよう)に配置した点以外は、上述の実施例1のものと同様に配置した。そして、副走査方向の結像位置のずれ量とMTFを測定した。
このようにした求めた副走査方向の結像位置のずれ量の測定結果を図9に示す。図9のグラフに示すように、結像位置のずれ量の最大値は−2.3μm、最小値は―36.0μmであった。
さらに、上述の実施例1と同様にして求めた副走査のMTFは、73.5%であった。
このように、格子パターン像の光量分布の検出光量波形から、フーリエ変換処理により、格子パターンの空間周波数に対応した成分だけを抽出しているので、微小なノイズを排除して高精度に結像位置のずれ量を求めることができる。また、これにより、MTFによる光学性能評価だけでは区別できなかった、レンズ素子特性のばらつきと結像位置のずれの区別が可能となった。
また、照明装置が光源と拡散板からなるシンプルな構造なので管理や取り扱いが容易にできる。また、被検査レンズアレイのみを格子と照明装置と受光装置に対してそのレンズ素子配列方向に相対的に移動させる構造で、測定する空間周波数に対応した格子板をいくつか用意しておくことにより、測定条件の変更にも容易に対応することができる。
ロッドレンズアレイを挿入しない場合の実施例1の配置を示す模式図である。 テストチャートの一例を示す図である。 (A)は、テストチャートの格子パターンと、基準格子パターン像の光量分布と、ラインセンサの素子との対応を示す図であり、(B)は、テストチャートの格子パターンと、格子パターン像の光量分布と、ラインセンサの素子との対応関係を示す図である。 波形成分の位相の説明図である。 ロッドレンズアレイを挿入した場合の実施例1の配置を示す模式図である。 検査対象のロッドレンズアレイを斜視図である。 実施例1における結像位置ずれ量の測定結果を示すグラフである。 ロッドレンズアレイを挿入した場合の実施例2の配置を示す模式図である。 実施例2における結像位置ずれ量の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 照明装置
2 テストチャート
3 受光装置
4 ロッドレンズアレイ
11 光源
11a 白色光源
11b 光線フィルタ
12 拡散板
31 対物レンズ
32 受光素子、ラインセンサ
41 基板
42 ロッドレンズ
43 レンズ面

Claims (2)

  1. ロッドレンズアレイの結像位置ずれ量を求める光学性能評価方法であって、
    (a)一定周期の格子パターンを有するテストチャートに検査光を照射して、前記テストチャートを透過した検査光による基準格子パターン像を生成する工程と、
    (b)前記基準格子パターン像の、前記格子パターンの周期方向に沿った光量分布を測定する工程と、
    (c)前記基準格子パターン像の光量分布をフーリエ変換して、前記格子パターンの周期と同一周期の基準波形成分を抽出して、該基準波形成分の位相を求める工程と、
    (d)検査対象のロッドレンズアレイを、そのレンズ面を前記テストチャートに対向させて配置する工程と、
    (e)検査光を、前記テストチャートを介して、前記ロッドレンズアレイのレンズ面に照射し、前記ロッドレンズアレイを伝搬した検査光による格子パターン像を生成する工程と、
    (f)前記格子パターン像の、前記周期方向に沿った光量分布を測定する工程と、
    (g)前記格子パターン像の光量分布をフーリエ変換して、前記格子パターンの周期と同一周期の波形成分を抽出して、該波形成分の位相を求める工程と、
    (h)前記基準波形成分の位相及び前記波形成分の位相からロッドレンズアレイの結像位置ずれ量を求める工程と、
    を含むことを特徴とする、ロッドレンズアレイの光学性能評価方法。
  2. 前記(e)乃至(h)工程を、前記レンズ面のうちの前記検査光の照射部分をロッドレンズの配列方向に沿って順次にずらして繰り返す、ことを特徴とする請求項1記載のロッドレンズアレイの光学性能評価方法。
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