JP4522571B2 - 測定設定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設施工現場、屋内での内装施工作業等で位置測定及び位置設定を行う為の位置測定設定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3次元位置測定装置として最も一般的なものはGPS(汎地球測位システム)である。
【0003】
GPSは人工衛星から発せられる電波を受信して測定点の位置を決定するものである。又、自動測量機であるトータルステーションに目標対象物追尾機能を設け、目標対象物にはプリズムを設け目標対象物の位置を測量するものもある。
【0004】
前記トータルステーションを用いた測定方法では、トータルステーションから追尾光を発し、該追尾光が前記プリズムにより反射され、この反射光を前記トータルステーションが受光することで、目標対象物を検出し、測距儀により目標対象物迄の距離を測定するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記GPSの3次元測定装置を用いた測定、位置設定では人工衛星からの電波を必要とするので、室内或は電波障害のある場所等では測量に必要な電波を受信できないことから、使用が制限され、或は使用できないという問題がある。
【0006】
又、近年の追尾機能を具備したトータルステーションでは目標対象物を検出する為に、追尾光をランダムに上下左右に全周囲に亘り前記追尾光がプリズムで反射される位置が検出される迄スキャンする必要があり、作業時間が長くなる。又、トータルステーションは測距儀を具備した経緯儀を基本装置としているので、構造が複雑でコストの高いものとなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み、回転レーザ装置を使用し、簡単、安価な装置で、而も、野外、室内、電波受信に影響する障害物が存在する場所等に拘らず、確実に簡単に而も迅速に対象物の位置測定、或は所定位置への目標対象物の位置決めが行える様にするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ光線を回転照射する回転レーザ装置と測定位置を指示する測定点指標装置とからなる位置測定装置に於いて、前記回転レーザ装置は、レーザ光線を回転照射し反射光を検出する本体部と、測距光で距離を測定する独立分離可能な測距部と、前記本体部を回動させる回動装置とを備え、前記測定点指標装置は、レーザ光線の照射位置を示すと共にレーザ光線と測距光を反射する分離可能な反射プレート部と、測定位置を指示する測定点設定部と、測距光に重乗され指示する位置に関する測定データを表示する独立分離可能な表示ユニット部とを備え、前記測距部と表示ユニット部、前記反射プレート部と表示ユニット部は組合わせ可能である測定設定装置に係り、又直角に傾けた回転レーザ装置と、反射プレート部と表示ユニット部を組合わせ直角に傾けた測定点指標装置とにより、前記回転レーザ装置は平面上にある前記測定点指標装置迄の距離を測定し、該測定点指標装置はレーザ光線の位置を示すと共に前記回転レーザ装置迄の距離を表示する測定設定装置に係り、又前記回転レーザ装置が設置向きに応じて水平を検知する3次元の傾斜センサを備え、直角に傾けた時にレーザ光線を鉛直に回転照射すると共に、水平方向に測距光を照射する測定設定装置に係り、又分離した測距部と、反射プレート部と、表示ユニット部とを組合わせた測定点指標装置とにより、前記測距部は前記測定点指標装置迄の距離を測定し、前記測定点指標装置は前記回転レーザ装置迄の距離を表示する測定設定装置に係り、又分離した測距部と表示ユニット部とを組合わせ、分離した反射プレート部との間で測距可能とする測定設定装置に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
本発明は可視レーザ光線を照射、回転走査し、基準線、基準面を形成する回転レーザ装置と該回転レーザ装置からのレーザ光線を受光し、又該レーザ光線を前記回転レーザ装置に向けて反射する測定点指標装置(目標対象物)を具備し、該測定点視標装置で水平方向及び水平方向と高さ方向の位置決めをする装置である。
【0011】
図1は回転レーザ装置1の主要部を示しており、該回転レーザ装置1は本体部2、該本体部2に回転自在に又着脱可能に設けられた回動部3、前記本体部2が取付けられ該本体部2を回動させる回動装置4、前記本体部2に着脱可能に設けられた測距部5とから構成され、前記本体部2には所定の偏光とした(好ましくは円偏光)基準レーザ光線を発光する基準光発光部6、受光部7、傾斜検出部8、制御部9(後述)、本体用電源部60が設けられている。又測定点指標装置10は前記回転レーザ装置1に対峙し測定点に立設するものである。
【0012】
前記基準光発光部6について説明する。
【0013】
該基準光発光部6は前記回動部3の回転軸と同心に設けられ、半導体レーザ素子に代表される発光素子11を具備している。該発光素子11から発せられるレーザ光線27は集光レンズ12により平行光束とされ、ハーフミラー13を透過し、1/4λ波長板20で円偏光とされ、前記回動部3に射出される。前述した測定点指標装置10から反射され、再び前記基準光発光部6に入射した前記反射レーザ光線27は前記1/4λ波長板20で再び直線偏光とされ、前記ハーフミラー13によって前記受光部7に向け反射される。
【0014】
前記受光部7について説明する。
【0015】
前記ハーフミラー13の反射光軸上に集光レンズ14、偏光ビームスプリッタ15が配設され、更に該偏光ビームスプリッタ15の透過光軸上に受光素子16a、反射光軸上に受光素子16bが配設されている。前記測定指標装置10から反射され、前記回動部3を経て入射した反射光は、前記ハーフミラー13で反射され、前記集光レンズ14で集光され、前記偏光ビームスプリッタ15によりレーザ光線27の偏光状態により前記受光素子16aに向け透過され又は前記受光素子16bに向け反射され、該受光素子16a,16bの受光面で結像し、該受光素子16a、16bにより検出される。前記受光素子16a,16bの受光信号は図示しない検出回路により、前記測定点指標装置10であることが確認され、検出される。
【0016】
前記傾斜検出部8について説明する。
【0017】
該傾斜検出部8は直交する2軸方向に一軸傾斜センサであるX軸傾斜センサ17、Y軸傾斜センサ18が配置され該X軸傾斜センサ17、Y軸傾斜センサ18に直交する様にZ軸傾斜センサ19が配置される構成を有し、装置本体を鉛直に設置する場合には、前記X軸傾斜センサ17、Y軸傾斜センサ18が水平面を検出し、前記レーザ光線27により水平のレーザ平面を形成する。又、前記回転レーザ装置1を横に設置する場合には前記Z軸傾斜センサ19とY軸傾斜センサ18が水平を検知し、前記レーザ光線27は鉛直レーザ面を形成する。
【0018】
而して、前記X軸傾斜センサ17、Y軸傾斜センサ18は図1での状態での前記回転レーザ装置1の傾斜を検出する。
【0019】
前記回動部3を説明する。
【0020】
プリズムホルダ21は前記基準光発光部6の光軸を中心に回転自在に支持され、前記プリズムホルダ21にはペンタプリズム22が固定され、該ペンタプリズム22は前記基準光発光部6からの前記レーザ光線27を直角に偏向する。前記プリズムホルダ21には走査ギア23が設けられ、該走査ギア23には駆動ギア24を介して走査モータ25が連結され、該走査モータ25によって前記ペンタプリズム22が回転される様になっている。又、前記プリズムホルダ21には該プリズムホルダ21(即ち前記ペンタプリズム22)の回転位置、回転角度を検出するエンコーダが設けられていてもよい。
【0021】
前記ペンタプリズム22は前記基準光発光部6から射出された前記レーザ光線27を水平方向に偏向すると共に前記測定点指標装置10から反射される反射レーザ光線27を前記基準光発光部6の光軸方向に偏向し、前記ハーフミラー13を経て前記受光部7に入射させる。
【0022】
前記回動装置4を説明する。
【0023】
前記本体部2は前記回動装置4に回転自在に設置され、前記本体部2の下端には前記回動装置4に突出する回転軸55を具備し、該回転軸55はギア列56を介して方向制御用モータ57に連結されている。又、前記回転軸55にはエンコーダ58が設けられ、前記回動装置4と前記本体部2との相対角度を検出可能となっている。而して、前記方向制御用モータ57の駆動により、前記本体部2が回転し、該本体部2の回転角は前記エンコーダ58により検出される様になっている。尚、前記回動装置4は本体部2に対し分離可能であり、取外しできる様になっている。取外すことにより該本体部2は、レーザ基準面を形成する一般的な回転レーザ装置になる。
【0024】
前記測距部5について説明する。
【0025】
前記測距部5は測距儀29、方向検出器30と後述する測距演算部31とから構成され、前記測距部5はユニット化され、独立して作動できる様に電源部67、制御部68及び操作部69を有し、前記本体部2に対して着脱可能となっている。先ず前記測距儀29を説明する。
【0026】
該測距儀29から射出される測距光39は、前記レーザ光線27が形成する基準平面と平行となる様に射出される。光軸上にはコリメートレンズ32、プリズム33が配設され、該プリズム33を挾み一方の側に測距光発光部34が設けられ、他方の側には測距光受光部35が設けられる。
【0027】
前記測距光発光部34は前記測距光39を発する光源(LED、LD等)36を有し、該光源36は図示しない発光制御部により発光状態が制御され、前記測距光39が発光されるだけでなく、変調等の手段により通信データが重乗される様になっている。
【0028】
前記光源36からの測距光39はコリメートレンズ37、光ファイバ38を経て前記プリズム33に向かって射出され、前記光ファイバ38から射出された測距光39は光路切替えチョッパ41により前記測距光39と内部参照光39aとに切替えられ、前記測距光39は前記プリズム33に反射され、前記コリメートレンズ32で平行光束として射出される。射出された前記測距光39は後述する前記測定点指標装置10で反射され、前記コリメートレンズ32を経て前記測距儀29に入射する。
【0029】
又、前記光ファイバ38から射出され、前記光路切替えチョッパ41で前記測距光39から切替えられた前記内部参照光39aは、リレーレンズ42を透過して前記プリズム33に内面反射され、前記測距光受光部35に入光する。
【0030】
該測距光受光部35は、バンドパスフィルタ43、濃度フィルタ44を有し、該バンドパスフィルタ43、濃度フィルタ44を透過した前記測距光39は光ファイバ46、コンデンサレンズ48を介して測距受光素子49に入光する様構成されている。
【0031】
前記測距演算部31は前記光源36を駆動するドライバ(図示せず)を具備すると共に前記測距受光素子49が受光する測距光39、内部参照光39aの受光信号から前記測定点指標装置10迄の距離を演算する様になっている。
【0032】
前記方向検出器30は前記ペンタプリズム22から照射されるレーザ光線27の一部を反射する反射鏡51、該反射鏡51で反射されたレーザ光線27を収束させる集光レンズ52、方向検出用の受光センサ53から構成され、前記ペンタプリズム22の向きが前記反射鏡51の光軸と合致した時に前記ペンタプリズム22からの照射光の一部が前記受光センサ53で受光される様になっている。即ち、測距方向に対する前記ペンタプリズム22、即ち前記回動部3からのレーザ光線が測距方向に向いているかを検出する。
【0033】
前記本体部2の制御部9について図2を参照して説明する。
【0034】
該制御部9には方向検出器30及び前記エンコーダ58からの信号が入力されると共に前記受光部7、傾斜検出部8、測距演算部31からの信号が入力される。前記走査モータ25は前記制御部9からの制御信号を基にモータドライバ62によって駆動され、又前記方向制御用モータ57はモータドライバ63によって駆動される。更に、前記発光素子11は前記制御部9からの制御信号を基にドライバ61により駆動され、前記発光素子11が発光される。
【0035】
又、前記制御部9には操作部64、表示部65が接続され、前記操作部64からは作動開始停止等の作業指示の入力等が行われ、前記表示部65には装置の作動状態の表示、或は前記測定点指標装置10に送る情報等の表示等が行われる。
【0036】
前記制御部9は測距部5の制御部68との間で制御信号、データ信号等の授受が可能な様に接続一体化可能であると共に切離している状態では独立して作動が可能となっている。又、一体となる場合にはどちらか一方をメイン制御部としてもよい。制御部9、制御部68が独立して作動可能であることから前記測距部5の分離が可能となる。
【0037】
図2、図3、図4に於いて、前記測定点指標装置10を説明する。
【0038】
平板が略L字状に曲げられた形状の主フレーム70の垂直部の前記本体部2と対峙する面(正面)に反射プレート部71が固着され、前記主フレーム70の垂直部の背面には表示ユニット部72が取付けられている。
【0039】
前記反射プレート部71の両側縁には回転レーザ光線27の基準位置を示す指標71aであるV字欠切部が形成され、又正面には反射部が設けられ、該反射部は縦長短冊状の偏光保存反射面73aと偏光変換反射面73b及び偏光保存反射面74aと偏光変換反射面74bが対の状態で中心線に対して対称に設けられている。前記偏光保存反射面73a,74aには再帰反射シート等が使用され、前記レーザ光線27が入射した場合に、偏光状態を保存したまま反射するものであり、前記偏光変換反射面73b,74bは再帰反射シートの上に更に1/4λ波長板が貼設されたものであり、前記レーザ光線27が入射した場合に位相を90°偏光して反射するものである。而して、前記反射プレート部71、偏光保存反射面73a、偏光変換反射面73b、偏光保存反射面74a、偏光変換反射面74bは反射部を構成する。
【0040】
又、前記反射面73a,73b,74a,74bの下方には矩形形状の測距用反射面75が設けられ、該測距用反射面75の中心には受光窓76が穿設され、測距光39が該受光窓76を通って受光素子78に受光される様になっている。該受光素子78は表示ユニット部72に設けられ、該表示ユニット部72と反射プレート部71とは分離可能に構成され、それぞれ独立して使用することができる。
【0041】
前記表示ユニット部72は受光素子78、信号処理制御部79、表示部80及び電源81を備え、又、測定点指標装置10の傾きを検出する傾斜検出手段88を備えている。変調され測距光に重乗された測定データ(距離、方向角)を前記受光素子78で受光し、前記信号処理制御部79で復調し、前記表示部80に表示する。前記受光素子78の受光中心と前記指標71a,71aとの間隔は、前記測距光39と前記レーザ光線27との間隔に等しくなっている。又、前記表示ユニット部72は背面の表示部80に前記信号処理部79で分離抽出した情報を表示する様になっている。
【0042】
回転レーザ装置1が前記測定点指標装置10を間違いなく検出する為、前記受光部7は偏光保存反射面及び偏光変換反射面に応じて受光する2受光素子16a,16bを具備している。これはノイズ光を受光して安易に誤作動を起こさない様にする為の構成である。然し、基本的に前記反射プレート部71は図5に示す第1の変更例の様に、単なる2枚の再帰反射面73a,74aでもよい。更に、誤作動を起こさない場所であれば1枚の単なる再帰反射面で可能である。
【0043】
単なる2枚の再帰反射面の場合には、前記基準光発光部6の円偏光に変換する前記1/4λ波長板20は必要なく、前記受光部7も1受光素子で構成される。
【0044】
前記主フレーム70の水平部には測定点設定部82が設けられている。
【0045】
前記水平部に揺動リング83が第1水平軸84を介して揺動自在に設けられ、又前記揺動リング83には第2水平軸85を介してジンバルフレーム86が揺動自在に設けられている。該ジンバルフレーム86には転写機構が設けられている。以下転写機構を説明する。
【0046】
転写ロッド87が鉛直方向に移動自在に設けられている。該転写ロッド87は所要の重量を有すると共に下端は尖端で石突きとなっており、円筒面には軸心方向に沿ってスケール90が刻印されている。スケール読取り位置と前記指標71a迄の距離を予めスケールにオフセット値として加味しておけば、前記スケール90の読みが直ちに前記測定点指標装置10の高さ、即ち前記レーザ光線27の照射高さとなる。
【0047】
而して、前記転写ロッド87はジンバル機構により常に鉛直方向に向く様になっており、前記ロック解除ボタン91を押込み、ロックを解除することで、前記転写ロッド87は鉛直に落下、該転写ロッド87の下端が地面に衝突することで、地面に窪みをつける等し、測定点を地面に転写する様になっており、又前記スケール90により前記測定点指標装置10の高さが分かる様になっている。
【0048】
以下作用を説明する。
【0049】
前記転写ロッド87を上昇させた状態とした前記測定点指標装置10を作業者が持ち設定点近傍に保持する。
【0050】
前記操作部64より回転レーザ装置1を駆動する。
【0051】
先ず該回転レーザ装置1の整準が行われ、前記傾斜検出部8からの傾斜検出に基づき前記回転レーザ装置1が水平の状態にセットされる。次に、前記発光素子11が発光され、前記レーザ光線27が前記ペンタプリズム22を経て水平方向に照射され、更に前記走査モータ25が駆動され、前記レーザ光線27が回転照射され、前記測定点指標装置10のサーチ状態となる。
【0052】
作業者は前記レーザ光線27が前記指標71aを通過する様に前記反射プレート部71の高さ位置を調整する。前記レーザ光線27が前記指標71aを通過する状態に位置合わせすると、前記測距光39の高さは前記受光素子78の受光中心と一致する。前記レーザ光線27が前記偏光保存反射面73a、偏光変換反射面73b、偏光保存反射面74a、偏光変換反射面74bを通過することで、前記受光素子16aが偏光が保存された反射光を受光し、前記受光素子16bが偏光が変換された反射光を受光する。
【0053】
更に、前記受光部7は前記測定点指標装置10特有のパターンに従った受光信号の出力を行い、この受光信号から前記反射プレート部71であることを認識特定することができ、又どちらの方向から前記レーザ光線27が前記測定点指標装置10を横切っているかを知ることができる。この反射面と偏光の組合わせによりノイズ光と該測定点指標装置10からの反射光を正確に区別でき誤操作が防止される。
【0054】
該測定点指標装置10からの反射光を受光した時、前記方向検出器30の受光センサ53からの出力がない場合には、前記測距儀29の射出方向が前記測定点指標装置10の方向に一致していない場合であるので、前記制御部9は前記回動装置4を作動させ、前記受光センサ53の出力がある迄前記本体部2を回転させる。
【0055】
尚、前記エンコーダ58は基準方向から前記測定点指標装置10の方向角を算出する場合にも使用する。前記制御部9は距離と方向から前記測定点指標装置10の位置を算出することになる。
【0056】
前記測距部5と測定点指標装置10とを正対させるには、前記受光部7が受光した時間と、前記方向検出器30が受光した時間とを計測し、前記ペンタプリズム22の回転速度から、前記測定点指標装置10に対する角度差を検出でき、この角度差に対応した分だけ前記方向制御用モータ57により前記本体部2を回転させればよい。
【0057】
前記測距用反射面75からの反射光が前記測距儀29に入射され、前記回転レーザ装置1と測定点指標装置10間の距離が測定される。測距情報は前記測距光39を変調する等の方法で該測距光39に重合される。
【0058】
該測距光39は前記受光素子78により受光され、更に受光信号化される。前記信号処理部79は受光信号より測距情報を分離抽出し、前記表示部80に表示させる。
【0059】
前記測定点指標装置10を保持する作業者は前記表示部80に表示された情報から前記測定点指標装置10を保持している位置が設定すべき点に合致しているかどうかを判断し、合致していなければ適正な位置となる様に移動する。
【0060】
前記測定点指標装置10が設定位置となったところで、前記ロック解除ボタン91を押込む、前記転写ロッド87の保持が解除され、自重により落下し、測定結果を地面に転写する。
【0061】
更に、前記レーザ光線27を前記指標71aに合わせた状態で、前記スケール90を読めば、基準面に対する地面の高さも即時に測定することができる。即ち、3次元の測量が簡便に而も迅速に行うことができる。又、前記転写ロッド87を既存の地点の上に設定することで、前記地点そのものの測定も可能である。
【0062】
図6及び図7は前記測定点指標装置10の第2、第3の変更例を示し、該測定点指標装置10は測定の途中、測定の終了後等に前記回転レーザ装置1に対して、動作命令を行う為の構成を有している。
【0063】
先ず、図6に示す第2の変更例の前記測定点指標装置10は、前記測距部5の受光部49又は前記回転レーザ装置1の受光部7に向けて拡散的に操作光を照射する発光部66を有している。前記表示ユニット部72に設けられた操作ボタン(図示せず)からの指示により、予め定められた変調に従って操作光が前記回転レーザ装置1に向けて照射される。前記受光部7が操作光を受光し、受光結果に基づき、前記回転レーザ装置1側では予め定められた動作を行う。
【0064】
図7に示す第3の変更例の前記測定点指標装置10は回転される前記レーザ光線27を利用し動作命令を行わせる。偏光保存反射面67a,67b,67c,67d及び偏光変換反射面68a,68b,68cが交互に又は幅を替えて前記レーザ光線27の回転方向に配列され、該レーザ光線27の反射光が変調される。反射光は前記回転レーザ装置1側の受光部7に受光される。而して、回転方向に配列された各列の反射面は、バーコードと同等の機能を有し、前記受光部7で検出したパターンにより、前記回転レーザ装置1側では予め定められた動作を行う。尚、各列の反射面は間隔を置いて配列しても同様な効果が得られる。
【0065】
屋外で作業をする場合、回転照射している前記レーザ光線27は視認性が悪い場合があり、精度よく前記指標71aに合わせることが難しい。図8に示す第4の変更例である前記測定点指標装置10は、作業者の視認に頼ることなく、正確に前記レーザ光線27を検知し、精度よく該測定点指標装置10を基準高さに設置できる様にしたものである。
【0066】
図8は測定点指標装置10の第4の変更例を示し、反射部105を4つの反射面106a,107b,107a,106bで構成したものであり、該反射面106a,107b,107a,106bは隣接して配置され、前記反射面106a,107aは偏光保存反射面であり、反射面106b,107bは偏光変換反射面である。又、前記反射面107bと反射面107aとの境界に幅変化部が設けられ、この幅変化部は中心を示す効果を有している。即ち、前記反射面107a,107bを水平方向に走査した場合、両者の線分長が一致した位置が中心である。
【0067】
上記した様に、前記測距部5は独立した電源を持ち、前記本体部2に対し着脱可能に取付けるユニット構成となっている。更に前記回動部4も取外せる様になっている。
【0068】
前記測定点指標装置10の反射プレート部71、表示ユニット部72も着脱可能になっており、該表示ユニット部72は独立した電源を持つユニット構成になっている。
【0069】
該表示ユニット部72は図9、図10で示す様に前記反射プレート部71と組合わせ可能であると共に、図11で示す様に前記回転レーザ装置1の本体部2から分離した前記測距部5と組合わせることが可能である。該測距部5と表示ユニット部72とは電気的接点による接続、又は前記受光素子78を介した光通信による接続でもよい。
【0070】
本発明によれば、基本的な構成である前記回転レーザ装置1と測定点指標装置10で測定した位置を更に細分化する様な場合に、各ユニットが分離できる様に構成された効力を発揮する。
【0071】
図12、図13により測定点指標装置の第5の変更例を示している。
【0072】
尚、図12、図13中、図3、図4中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
平板がL字状に曲げられた形状の主フレーム70の垂直部の前記本体部2と対峙する面(正面)に前記反射プレート部71が後述するジンバル機構92を介して取付けられ、前記垂直部の背面には表示ユニット部72が着脱可能に取付けられている。
【0074】
前記反射プレート部71の下部には矩形形状の測距用反射面75が設けられ、該測距用反射面75の中心には受光窓76aが穿設されている。該受光窓76aと対峙する様に受光窓76bが前記主フレーム70に穿設され、前記受光窓76bを通して測距光39が前記受光素子78に受光される様になっている。尚、前記受光窓76aは前記測距用反射面75中心でなくとも隣接していればよい。
【0075】
上記した様に、前記反射プレート部71は前記ジンバル機構92を介して前記主フレーム70に取付けられ、常に鉛直維持し得る様になっている。前記ジンバル機構92について説明する。
【0076】
前記主フレーム70の垂直部中央には第1水平軸93が立設され、該第1水平軸93にジンバルフレーム94が揺動自在に取付けられている。前記反射プレート部71の背面には左右一対のブラケット95が固着され、該ブラケット95と前記ジンバルフレーム94とは前記第1水平軸93と直交する第2水平軸96を介して連結されている。前記反射プレート部71の背面下部には該反射プレート部71が鉛直姿勢でバランスする様に、重り97が固着されている。
【0077】
前記主フレーム70の水平部には測定点設定部82が垂設されている。該測定点設定部82は転写ロッド87と傾斜センサ88を有している。
【0078】
前記転写ロッド87は先端が尖った石突きとなっており、前記測定点指標装置10の位置を地表に印すものである。又、前記転写ロッド87は中空パイプを所要段に入子式としたもので伸縮可能であり、該転写ロッド87の自重により伸長する。線状材或はテープ等屈撓自在の線状部材(図示せず)を巻設した測定手段が前記転写ロッド87の内部に収納され、線状部材は該転写ロッド87の先端に固着されている。従って、該転写ロッド87が自重で伸張するに従って、前記線状部材が引出され、該線状部材の引出し量を検出することで高さ測定が可能であり、測定結果は前記測定点指標装置10の所要位置、例えば前記表示部80に表示されることで測定点或は前記測定点指標装置10の高さを測定することができる。尚、前記転写ロッド87自体に目盛を刻設し、該目盛で前記測定点指標装置10の高さを測定する様にしてもよい。
【0079】
尚、前記線状部材の引出し量と前記指標71a迄の距離を予めスケールにオフセット値として加味しておけば、前記線状部材の引出しが直ちに前記測定点指標装置10の高さ、即ちレーザ光線27の照射高さとなる。前述した様に、前記反射プレート部71はジンバル構造により鉛直に支持されるが、前記主フレーム70、転写ロッド87は一体であり、作業者により支持される。前記傾斜センサ88は作業者が前記転写ロッド87を垂直に保持する為の傾斜検出器である。
【0080】
而して、前記反射プレート部71が所望の位置に保持された状態で、前記転写ロッド87が伸長すれば、該転写ロッド87の下端が地面に衝突し、地面に窪みをつける等し、測定点を地面に転写する様になっており、又前記線状部材により前記測定点指標装置10の高さが分かる。
【0081】
図14は第1の実施例を示している。
【0082】
前記回転レーザ装置1を横にして実施する方法である。例えば、施工図面に基づいて基礎を打つ位置の設定の場合である。この位置設定では該回転レーザ装置1と前記反射プレート部71は横に使用する。
【0083】
前記本体部2と測距部5とは分離せずに使用し、前記反射プレート部71と表示ユニット部72は図12に示す様に一体に接続して使用する。この時前記回動部3は回転又はスキャンを行い反射プレート部71上に位置を示す。
【0084】
基本的構成である前記回転レーザ装置1と、反射プレート部71と表示ユニット部72とで基準となる位置を求める。その基準位置間を所定の間隔で測定して印102を付けていく。
【0085】
前記回転レーザ装置1は内蔵する前記Z軸傾斜センサ19とY軸傾斜センサ18により本体の水平が検知される。水平に設定することにより測距光が水平方向に射出される。この直角横向きの構成では、測定した2点間を更に細かく区分測定する場合等に使用される。1台の装置で引続き新たな測定が行える。
【0086】
図15は第2の実施例を示している。
【0087】
直線であることが分かっている場合である。例えば、家の基礎の柱を立てる位置を決定する場合である。
【0088】
図11に示す様に前記回転レーザ装置1から分離した前記測距部5を前記表示ユニット部72に接続し、一体となった測距部5、表示ユニット部72と分離した反射プレート部71とを使用する。一体に構成した測距部5と表示ユニット部72を基準位置に設置し、前記反射プレート部71を直線に沿って移動していく。図面の指示する寸法の距離で印を付けていく。
【0089】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、測定設定装置を構成する部位が分離可能で、各部位を適宜組合わせることができるので、種々の用途に対して使用可能であり、又使い勝手が向上し、測定点の設定、所定点についての測量を容易に而も作業場所に限定されず行うことができ、作業効率が向上するという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成概略図である。
【図2】同前実施の形態の制御ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態で使用される測定点指標装置の正面図である。
【図4】同前測定点指標装置の側断面図である。
【図5】本発明の測定点指標装置の第1の変更例を示す要部正面図である。
【図6】本発明の測定点指標装置の第2の変更例を示す要部正面図である。
【図7】本発明の測定点指標装置を第3の変更例を示す要部正面図である。
【図8】本発明の測定点指標装置の第4の変更例を示す要部正面図である。
【図9】本発明の測定点指標装置の組合わせ変更例を示す正面図である。
【図10】図9のB−B矢視図である。
【図11】本発明の測定点指標装置の他の組合わせ変更例を示す要部説明図である。
【図12】本発明の測定点指標装置の第5の変更例を示す要部正面図である。
【図13】同前測定指標装置の側断面図である。
【図14】第1の実施例を示す説明図である。
【図15】第2の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 回転レーザ装置
2 本体部
3 回動部
4 回動装置
5 測距部
6 基準光発光部
7 受光部
8 傾斜検出部
10 測定点指標装置
25 走査モータ
27 レーザ光線
29 測距儀
30 方向検出器
39 測距光
57 方向制御用モータ
58 エンコーダ
71 反射プレート部
72 表示ユニット部
75 測距用反射面
79 信号処理部
80 表示部
Claims (5)
- レーザ光線を回転照射する回転レーザ装置と測定位置を指示する測定点指標装置とからなる位置測定装置に於いて、前記回転レーザ装置は、レーザ光線を回転照射し反射光を検出する本体部と、該本体部に対して着脱可能であり、測距光で距離を測定する測距部と、前記本体部を回動させる回動装置とを備え、
前記測定点指標装置は、レーザ光線の照射位置を示すと共にレーザ光線と測距光を反射する分離可能な反射プレート部と、測定点を地面に転写する測定点設定部と、受光素子を有し、該受光素子で受光した測距光に重乗された測定データを表示する独立分離可能な表示ユニット部とを備えたことを特徴とする測定設定装置。 - 直角に傾けた回転レーザ装置と、反射プレート部と表示ユニット部を組合わせ直角に傾けた測定点指標装置とにより、前記回転レーザ装置は平面上にある前記測定点指標装置迄の距離を測定し、該測定点指標装置はレーザ光線の位置を示すと共に前記回転レーザ装置迄の距離を表示する請求項1の測定設定装置。
- 前記回転レーザ装置が設置向きに応じて水平を検知する3次元の傾斜センサを備え、直角に傾けた時にレーザ光線を鉛直に回転照射すると共に、水平方向に測距光を照射する請求項2の測定設定装置。
- 表示ユニット部の前記受光素子が設けられた受光面側に、分離した測距部と、反射プレート部とをそれぞれ着脱可能とすると共に、表示ユニット部と前記分離した測距部とを組合わせ一体化し、表示ユニット部から分離した反射プレート部を移動させ、反射プレート部を介して測定点の印付けを行う様にした請求項1の測定設定装置。
- 分離した測距部と表示ユニット部とを組合わせ、分離した反射プレート部との間で測距可能とする請求項1の測定設定装置。
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