JP4521252B2 - エンジンの吸気還元機構 - Google Patents
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Description
このようなエンジンの具体例としては、下記特許文献1に示すようなものがある。
また、エアクリーナの送出口側は、エアクリーナと過給機との経路長による負圧の変化の影響も小さいので、ブローバイガスを吸気系統へ還元する際の還元効率を安定させることが可能となる。
したがって、エアクリーナと過給機との位置関係が仕様によって異なる場合であっても、単にエアクリーナと過給機とを接続するホースの長さを変化させることによって、継手の位置を容易に調整することが可能となる。
また、連通孔521aが円筒部材51aの内径よりも小さい径となるように形成されオリフィス状としているので、大きなオイルミストを遮断する目的と、エンジンの仕様に合わせてブローバイガスの吸入量を調節することが出来るのである。
図1を用いて、本発明のエンジンの吸気還元機構の概略構成の一例について説明する。図1は、エンジン本体1(2点鎖線)や、エアクリーナ10、排気消音器20等を斜め上方から見た図である。先ず、エンジン本体1の上部、即ちシリンダブロックの上部に配置されるシリンダヘッドには、カムや吸排気バルブ等が配置され、これらは上部カバー2により覆われて外部から遮蔽するようにしている。更に、上部カバー2の上部には、エンジン本体1のクランクケース内部の圧力と外気圧との均衡を保つためのブリーザ3が設けられている。
エンジン本体1の周囲には、混合気を生成するための空気を取入口となるエアクリーナ10と、エアクリーナ10で取り入れた空気をエンジン本体1へ過給するための過給機30と、排気ガスを外部へ送出するために消音する排気消音器20と、が設けられている。
過給機30は、例えば、エンジン本体1の排気ガスによって駆動される排気ターボ過給機である。即ち、過給機30は、内部にタービンとコンプレッサーとを具備し、排気ガスによって該タービンを回転させ、該タービンの回転力を用いてコンプレッサーを回転させることで、該コンプレッサーに吸入された空気をエンジン本体1の吸気マニホールドへ過給するものである。したがって、エンジン本体1から排出される排気ガスを、過給機30のタービンへ供給する経路が設けられている。そこで、図1に示すように、エンジン本体1から排出される排気ガスをエンジン本体1の上部カバー2上の排気マニホールドの排出口より取り出して過給機30のタービンへ接続するものとしてホース43を設ける。また、過給機30のタービン側の排出口は排気消音器20と接続される構成となっているので、タービンを回すために使用された排気ガスは排気消音器20へ排出されることとなる。一方、過給機30のコンプレッサー側はエンジン本体1とパイプ45で吸気口4に接続される構成となっている。
つまり、過給機30で圧縮された空気は、大気圧よりも圧力が高い状態でパイプ45を通ってエンジン本体1のシリンダ内へ吸入されることとなる。
エアクリーナ10において、該エアクリーナ10で取入れた空気を、過給機30側へ送出するための送出口には、ホース41の一端が接続されている。また、過給機30において、エアクリーナ10から送出される空気を取り入れるための取入口にはホース42の一端が接続されている。更に、ホース41とホース42との他端側は、継手50を介して接続される。また、この継手50は、図1に示すように三方向に接続可能なものであり、2方向は上述のとおりホース41・42に接続され、残る一方向はブリーザ3に接続されるホース44に接続される構成となっている。また、この継手50は、エアクリーナ10側に寄って設けられている。即ち、このホース44は、エンジン本体1側の吸気系統(ホース41・42等)へ空気を送出するエアクリーナ10の送出口側にて前記ブローバイガスを還元するための還元用配管の一例である。そして、該ホース44の一端はブリーザ3に連通され、他端側は継手50を介してホース41・42と連通される構成となっている。また、上記ホース41・42・44・45を耐油性、耐熱性、耐圧性等に優れた合成ゴムより成るもので製作されることが望ましい。このような合成ゴムの具体例としては、例えば、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム等があることが知られている。
このように還元用配管の一例であるホース44の一端が、エアクリーナ10の送出口側に設けられているので、過給機30を具備する仕様又は具備しない仕様の何れの場合であっても、ブローバイガスをエアクリーナ10の送出口側から吸気系統へ還元することが可能となり、エンジンの仕様が相違してもエアクリーナ10が共通であれば、部品形状や仕様を変更する必要がなくなり、部品点数の増加を抑制することが可能となる。また、エアクリーナ10の送出口側は、エアクリーナ10と過給機30との経路長による負圧の変化の影響も小さいので、ブローバイガスを吸気系統へ還元する際の還元効率を安定させることが可能となる。
また、ホース44は、言わばエアクリーナ10と過給機30と連通するホース41・42に連通される構成となっている。つまり、エアクリーナ10と過給機30とを接続する経路と、還元用配管の一例であるホース44と、が共に変形が容易な合成ゴム等の可撓性のホースで構成されているので、図1に示すようなエンジンを組み立てる際や、メンテナンス時における作業性が向上し、ホース自体の交換も容易に可能となる。更に、具体的には図1に示すように、エアクリーナ10と過給機30とを接続するホース41・42に、継手50を介してホース44が連通される構成としても良い。この場合、ホース41または42の長さを変化させることによって自在に継手50の位置を定めることが可能となり、また、継手50を回転させてホース44入口の方向を変更することが可能となって、設計上の自由度を増すことが可能となる。したがって、エアクリーナ10と過給機30との位置関係が仕様によって異なる場合であっても、単にホース41またはホース42の長さを変更することによって、継手50の位置を容易に調整することが可能となり、また、継手50の向きを変更することによって、接続が最短となる方向や、他の部品との干渉を避ける方向にホース44を接続することができる。
上述においては、エアクリーナ10の送出口と継手50とは、ホース41を介して接続されているが、直接的にエアクリーナ10の送出口に継手50を設ける構成としても良い。つまり、エアクリーナ10の送出口に直接的に継手50を設けているので、エアクリーナ10と継手50とを一体的に構成することが可能となり、部品点数を減らすことが可能となる。また、上述したホース41を用いる場合と比較して、更にエアクリーナ10の送出口側に寄せてホース44を接続することが容易に可能となる。
次に、図2を用いて、図1の場合とは異なる構成例について説明する。尚、この図2(a)はエアクリーナ10aと継手50aとの概略構成を示したものであり、図2(b)は図2(a)に示した継手50aをA−A´方向の断面で切った断面図である。エアクリーナ10aは、円筒形状を有し、その円筒の側面に空気を取り入れるための取入口11aが設けられ、更に、その円筒の底部にエンジンの吸気系統へ空気を送出するための送出口12aが設けられている。この送出口12aは、図1の場合とは異なって、送出方向をエアクリーナ10aの側面に対して垂直方向に送出できるように構成されている。また、送出口12aには短めのホース41aの一端が接続され、他端側は継手50aの円筒部材52aに接続されている。この継手50aは、図2に示すように、主として2つの円筒部材51aと円筒部材52aとから構成されている。円筒部材52aは、エアクリーナ10aの送出口12aから送出される空気を過給機等の吸気系統(ホース42aの延伸方向)への送出経路となる。他方、円筒部材51aは、ブリーザから排出されるブローバイガスを吸気系統へ吸入するために円筒部材52aの側面に設けられる連通孔521aに対して囲うように一体形成されている。ここで、連通孔521aが円筒部材51aの内径よりも小さい径となるように形成されオリフィス状としているのは、大きなオイルミストを遮断する目的と、エンジンの仕様に合わせてブローバイガスの吸入量を調節するためである。また、円筒部材52aの他端側にはホース42aを接続することによって、エアクリーナ10aの送出口12aから送出される空気を過給機等の吸気系統へ導いている。このように構成されているので、ブリーザからのブローバイガスの経路となるホースを円筒部材51aに接続することで、ブローバイガスを容易に過給機等の吸気系統へ導くことが可能となる。
次に、上述したように円筒部材51aと円筒部材52aとを一体形成して継手を構成するのではなく、図3に示すように2つの円筒部材を別体として形成して、組み合わせることによって継手を構成する場合について説明する。尚、図3(a)は、円筒部材51bを、ブローバイガスの経路となるホース等の還元用配管が接続される方向から見た図であり、図3(b)は該円筒部材51bを側面方向から見た図である。この場合に、円筒部材51bは、主として部位511b、鍔部512b、部位513bの3つの部位から成るものである。この円筒部材51bの上段部分には、ブローバイガスの経路となるホース等の還元用配管44を接続するための部位511bが形成されている。この部位511bにおいて、部位511bの上端部側の外径は下部の外径よりも大きく、傘状に形成されているので、ホース等を接続した場合にホース等が部位511bから抜けにくい構造となっている。また、円筒部材51bの中段部分であって部位511bの下部には、側面に対して垂直方向に突出する鍔部512bが形成されている。更に、円筒部材51bの下段部分であって鍔部512bの下部には、例えば図3(b)に示すような円筒部材52b(2点鎖線で外形を示している)の孔に差し込まれる部位513bが形成されている。即ち、部位513bの側面と円筒部材52bの孔の内側にネジを形成することで、部位513bを円筒部材52bにネジ込んで固定できるようにしている。このように円筒部材51bが形成されているので、部位513bを円筒部材52bに対して鍔部512bの下面が接触するまでネジ込むことで、継手50bを構成することが可能となる。即ち、円筒部材51bと円筒部材52bとを別体のものとして構成し、これらを組み合わせることで、継手50や継手50aと同様の継手50bを構成することが可能となる。また、部位513bの下端部には、図2を用いて説明した連通孔521aと同様の役割を果たす連通孔5131bが形成されている。
次に、上述における円筒部材51・51a・51bに相当する円筒部材の長さを比較的短く形成した場合の一例について、図4を用いて説明する。図4に示す継手50cは、上述した継手50・50a・50b等と比較して、ブローバイガスの経路となる還元用配管を接続するための円筒部材51cの長さが短く形成されている。このように構成されているので、ホース等の還元用配管をエアクリーナ側で接続するスペースがないような場合であっても、ホース等の還元用配管の振り回しが利くので、容易に継手50cに接続することが可能となる。
2 上部カバー
3 ブリーザ
4 取出口
10 エアクリーナ
20 排気消音器
30 過給機
41・42・44・45 ホース
50 継手
51a 円筒部材
52a 円筒部材
Claims (1)
- ブローバイガスを吸気側へ還元するエンジンの吸気還元機構において、エンジン本体(1)側の吸気系統へ空気を送出するエアクリーナ(10)の送出口側にて、前記ブローバイガスを還元する構成とし、前記ブローバイガスを吸気側へ還元するための還元用配管であるホース(44)の一端はブリーザ(3)に連通し、該還元用配管であるホース(44)の他端は、前記エアクリーナ(10)と過給機(30)とを接続するホース(42)に継手(50a)を介して連通し、該継手(50a)は、直交する2つの円筒部材(51a)と円筒部材(52a)とから構成し、一方の円筒部材(52a)の一端側には、エアクリーナ(10)の送出口(12a)から送出される短めのホース(41a)の一端を接続し、該一方の円筒部材(52a)の他端側には、前記過給機(30)の吸気系統へのホース(42a)を接続し、他方の円筒部材(51a)には、前記ブリーザ(3)からの還元用配管のホース(44)を接続し、該他方の円筒部材(51a)は前記ブリーザ(3)から排出されるブローバイガスを、吸気系統へ吸入するために設けられた連通孔(521a)を囲うように形成し、該連通孔(521a)を円筒部材(51a)の内径よりも小さい径に形成してオリフィス状とし、大きなオイルミストを遮断し、該エンジン本体(1)の仕様に合わせてブローバイガスの吸入量を調節可能とすることを特徴とするエンジンの吸気還元機構。
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