JP4520890B2 - 月桃ボード、その製造方法、該月桃ボードを用いた月桃畳 - Google Patents

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Description

本願発明は畳に関し、詳しくは、月桃の葉と茎を用いた月桃ボード、該月桃ボードの製造方法、該月桃ボードを畳床に用いた月桃畳に関する。
伝統的な畳は、天然のわらを束ねて畳床(芯材)を形成し、この畳床に畳表を貼り付けた構造を有している。
ところで、畳床に天然のわらを使用した場合、虫や卵などがわらに付着している場合があり、不衛生になるという問題点がある。また、湿気が多い場合などには虫やかびなどが発生して、畳床の腐敗や劣化などを進行させるという問題点がある。
また、近年、農作業の機械化によって、わらは直ちに畑に鋤き込まれることが多く、畳床の原料となるわらを確保することが困難になりつつあり、わらの使用にこだわればコストの増大を招く結果となる。
そこで、本願の出願人は、月桃を原料としたボードを畳床に用いた月桃畳およびその製造方法を開発し、出願している(特許文献1)。
この従来の月桃畳は、月桃の茎および/または葉を解繊した月桃解繊ファイバーを主成分とする繊維原料に、接着剤を添加、混合してボード状に成形した、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3(比重0.2〜0.4)の月桃ボードを畳床に用いたものであり、月桃ボードが防虫機能を果たすことから、衛生的であるとともに、月桃が低コストの材料であることから製品である畳のコストを低減することができるとされている。
しかしながら、上記従来の月桃畳においては、月桃の茎および/または葉を解繊して用いるようにしているため、解繊された微細な繊維は含まれているとしても、全体として粉末のような性状となり、成形後に機械的強度の向上をもたらすような繊維の絡み合いが少ない。そのため、接着剤を添加、混合し、熱圧締することにより得られる、畳床として用いられるボードの強度が必ずしも十分ではないのが実情であり、さらに機械的強度の大きい月桃ボードが望まれている。
特開2004−316119号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、例えば、畳床などの用途に好適に用いることが可能な月桃ボード、その製造方法、および該月桃ボードを用いた畳(月桃畳)を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の月桃ボードの製造方法は、
(a)搾汁し、乾燥した月桃の葉と茎の混合物を長さ3〜80mm、幅0.1〜8mmの短冊状に破砕する月桃破砕工程と、
(b)前記(a)の工程で月桃を短冊状に破砕した原料に、熱硬化性樹脂系の接着剤を添加して混合する接着剤添加混合工程と、
(c)前記(b)の工程で接着剤を添加して混合した原料をマット状に成形するマット成形工程と、
(d)マット状に成形された原料を熱圧締する熱圧締工程と
(e)前記(d)の熱圧締工程で熱圧締することにより形成されたボードの表面に、搾汁、抽出、および搾汁液または抽出液の蒸留のいずれかの方法により得た月桃エキスを付与する工程と
を具備することを特徴としている。
また、請求項2の月桃ボードの製造方法は、請求項1の発明の構成において、前記(a)の月桃破砕工程において、搾汁前に月桃の葉と茎の混合物を開繊することを特徴としている。
また、請求項3の月桃ボードの製造方法は、請求項1または2の発明の構成において、前記(d)の熱圧締工程において、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3になるように熱圧締することを特徴としている。
また、請求項4の月桃ボードの製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成において、前記(b)の接着剤添加混合工程において、接着剤の添加の対象となる原料の水分含有率が10〜20重量%の範囲にあることを特徴としている。
また、請求項の月桃ボードの製造方法は、請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成において、
前記(d)の熱圧締工程が、
マット状に成形された原料を、一対の熱板の間に挟み込んで熱圧締するホットプレス装置を用い、前記一対の熱板間の距離Dを、熱圧締工程において最終的に得られるボード厚みT1より小さくして熱圧締を行う第1熱圧締工程と、
前記第1熱圧締工程の後、熱板間の距離Dを、前記ボード厚みT1の値より大きくして、熱圧締工程の途中にある原料の厚みを、前記ボード厚みT1以上になるまで復元させる復元工程と、
前記復元工程で前記ボード厚みT1以上になるまで厚みを復元させた原料を、最終的に厚みが前記ボード厚みT1となるような条件で熱圧締して成形する第2熱圧締工程と
を備えていることを特徴としている。
また、請求項の月桃ボードの製造方法は、請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成において、
前記(b)の接着剤添加混合工程において、熱硬化性接着剤としてイソシアネート系接着剤を添加混合してイソシアネート系接着剤添加混合原料を調製するとともに、熱硬化性接着剤としてリグニンを添加してリグニン添加混合原料を調製し、
前記(c)のマット成形工程において、前記イソシアネート系接着剤添加混合原料と前記リグニン添加混合原料を、前記イソシアネート系接着剤添加混合原料を芯層とし、前記リグニン添加混合原料を前記芯層の表裏両面側に配設された表層とする3層構造を有するマット状に成形し、
前記(d)の熱圧締工程において、マット状に成形された3層構造の原料を熱圧締すること
を特徴としている。
また、本願発明(請求項)の月桃ボードは、本願発明の月桃ボードの製造方法により製造された月桃ボードであって、月桃の葉と茎の混合物を破砕した、長さが3〜80mm、幅が0.1〜8mmの範囲にある短冊状の原料と、熱硬化性樹脂系の接着剤とを、主成分として含有し、表面に前記月桃エキスが付与されていることを特徴としている。
また、請求項の月桃ボードは、請求項の発明の構成において、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3であることを特徴としている。
また、本願発明(請求項)の月桃畳は、月桃の葉と茎の混合物を主成分とし、大部分が、長さが3〜80mm、幅が0.1〜8mmの範囲にある短冊状の原料と、熱硬化性樹脂系の接着剤とを含有し、かつ、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3の範囲にある、本願発明の月桃ボードの製造方法により製造された月桃ボードからなる畳床と、
前記畳床の上面側に配設された畳表と、
前記畳床の下面側に配設された裏シートと
を備えていることを特徴としている。
本願発明(請求項1)の月桃ボードの製造方法は、搾汁し、乾燥した月桃の葉と茎の混合物を長さ3〜80mm、幅0.1〜8mmの短冊状に破砕し、熱硬化性樹脂系の接着剤を添加して混合した後、マット状に成形し、これを熱圧締してボードに成形するようにしているので、短冊状に破砕された月桃原料が絡み合うため、十分な機械的強度を発現させることが可能になり、月桃に由来する防虫機能、防黴機能を備え、かつ、吸湿性、断熱性、機械的強度などに優れた月桃ボードを得ることが可能になる。
また、熱圧締工程で熱圧締することにより形成されたボードの表面に、月桃の搾汁、抽出、および搾汁液または抽出液の蒸留のいずれかの方法により得た月桃エキスを付与するようにしているので、月桃の有する防虫機能、防黴機能をより効率よく発揮させることが可能になる。
また、請求項2の月桃ボードの製造方法のように、請求項1の発明の構成において、搾汁の前に月桃の葉と茎の混合物を開繊することにより、月桃の葉と茎の混合物原料が繊維状に引き裂かれて、葉や茎の細胞が露出し搾汁が効率的に行われる結果、搾汁液量が増大し、その後の乾燥を容易に行うことができる。
なお、本願発明において、「開繊する」とは、例えば、月桃の茎を、その軸方向に平行に裂け目ができるように引き裂いたり、月桃の葉を繊維が短くなりすぎないように細片状にしたりして、細胞を露出させ搾汁が容易になるようにすることを意味する概念である。
また、請求項3の月桃ボードの製造方法のように、請求項1または2の発明の構成において、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3になるように熱圧締することにより、軽量で、機械的強度の大きい月桃ボードを得ることが可能になる。そして、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3の月桃ボードは、軽量で、畳床として好適に用いることができる。
なお、カサ密度を0.2〜0.4g/cm3とすることが望ましいのは、カサ密度が0.2g/cm3未満になると機械的強度が不十分になり、また、カサ密度が0.4g/cm3を超えると、例えば、得られる月桃ボードを畳床として用いる場合に、畳の製造工程で針を通すことが困難になることによる。
また、請求項4の月桃ボードの製造方法のように、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成において、接着剤の添加の対象となる原料の水分含有率が10〜20重量%の範囲となるようにした場合、接着剤添加後に、別途、水分を除去する工程を設けることなく、その後のマット成形工程、熱圧締工程を実施するだけで、効率よく月桃ボードを製造することが可能になる。
なお、水分含有率を10重量%未満にしようとすると、マット成形に支障を来たし、また、水分含有率を20重量%を超えるようにすると、別途水分を除去する工程が必要になり、設備コストやエネルギーコストの増大を招くという問題点がある。
また、請求項の月桃ボードの製造方法のように、請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成において、熱圧締工程が、マット状に成形された原料を、一対の熱板の間に挟み込んで熱圧締するホットプレス装置を用い、一対の熱板間の距離Dを、熱圧締工程において最終的に得られるボード厚みT1より小さくして熱圧締を行う第1熱圧締工程と、第1熱圧締工程の後、熱板間の距離Dを、前記ボード厚みT1の値より大きくして、熱圧締工程の途中にある原料の厚みを、ボード厚みT1以上になるまで復元させる復元工程と、復元工程でボード厚みT1以上になるまで厚みを復元させた原料を、最終的に厚みが前記ボード厚みT1となるような条件で熱圧締して成形する第2熱圧締工程とを備えた構成とすることにより、第1熱圧締工程で原料を昇温させるとともに、表面の硬化を行わせ、第2熱圧締工程で、板厚調整およびボード内部の接着剤の硬化を短時間で行わせることが可能になり、一段処理で熱圧締する場合に比べて、効率よく熱圧締を行うことが可能になる。
すなわち、特にカサ密度の小さいボードの場合、伝熱が悪く、熱圧締に時間を要するが、第1熱圧締工程において、一対の熱板間の距離Dを、熱圧締工程において最終的に得られるボード厚みT1より小さくして(高圧で)原料をプレスし、原料の密度を高めて熱圧締を行うことにより、伝熱効率の良好な状態で熱圧締を行うことが可能になり、原料(マット)の昇温を効率よく行うことが可能になるとともに、ボードの表面を硬化させることが可能になる。また、そのままでは、所望の厚みのボードが得られないため、復元工程で一旦設計値であるボード厚みT1以上になるまで厚みを復元させた後、第2熱圧締工程において、最終的に厚みが設計値であるボード厚みT1となるような条件で熱圧締することにより、全体として、極めて効率よく熱圧締を行うことが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
なお、第1熱圧締工程と第2熱圧締工程では、通常、別のホットプレス装置を用いるが、場合によっては同一のホットプレス装置を条件を変えて使用することも可能である。
また、請求項の月桃ボードの製造方法のように、接着剤添加混合工程において、熱硬化性接着剤としてイソシアネート系接着剤を添加混合してイソシアネート系接着剤添加混合原料を調整するとともに、熱硬化性接着剤として比較的硬化温度の高いリグニンを添加してリグニン添加混合原料を調製し、マット成形工程において、イソシアネート系接着剤添加混合原料とリグニン添加混合原料を、イソシアネート系接着剤添加混合原料を芯層とし、リグニン添加混合原料を芯層の表裏両面側に配設された表層とする3層構造を有するマット状に成形し、熱圧締工程において、マット状に成形された3層構造の原料を熱圧締するようにした場合、低コストのリグニンを有効に利用して、経済性に優れた月桃ボードを得ることが可能になる。
また、リグニンは、イソシアネート系接着剤のように金属への付着性がないため、熱圧締時に熱板に付着することがなく、効率よく熱圧締工程を実施することが可能になり、有意義である。
なお、リグニンは、植物体を形成する主要な天然高分子であり、その含有率は樹木で20〜30%、草本類で15〜25%である。また、本願発明において用いることが望ましいリグニンとして、稲わら原料紙の製造工程で発生する廃液を精製したものなどが経済性に優れたリグニンとして例示されるが、その他にも、木材系リグニンを用いることが可能である。
本願発明(請求項)の月桃ボードは、本願発明の月桃ボードの製造方法により製造された月桃ボードであって、月桃の葉と茎の混合物を破砕した、長さが3〜80mm、幅が0.1〜8mmの範囲にある短冊状の原料と、熱硬化性樹脂系の接着剤とを、主成分として含有し、表面に前記月桃エキスが付与されているので、短冊状に破砕された月桃原料が絡み合った構造を有することによる十分な機械的強度を備えているとともに、優れた防虫機能、防黴機能を備えた月桃ボードを実現することができる。
また、請求項の月桃ボードのように、請求項の発明の構成において、カサ密度を0.2〜0.4g/cm3とすることにより、軽量で、機械的強度の大きい月桃ボードを得ることが可能になる。なお、このカサ密度が0.2〜0.4g/cm3の月桃ボードは、軽量で、畳床として好適に用いることができる。
また、本願発明(請求項)の月桃畳は、月桃の葉と茎の混合物を主成分とし、大部分が、長さが3〜80mm、幅が0.1〜8mmの範囲にある短冊状の原料と、熱硬化性樹脂系の接着剤とを含有し、かつ、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3の範囲にある、本願発明の月桃ボードの製造方法により製造された月桃ボードを畳床として用い、この畳床の上面側に畳表を配設し、下面側に裏シートを配設するようにしているので、月桃に由来する防虫機能、防黴機能を備え、かつ、軽量で、機械的強度にも優れた畳(月桃畳)を提供することが可能になる。
なお、畳床に用いる月桃ボードはその厚みに応じて所定枚数重ねて使用することが可能である。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[月桃ボードおよびその製造方法]
(1)まず、月桃の茎および葉を開繊して、月桃の茎の軸方向に平行に裂け目ができるようにほぐすとともに、月桃の葉を繊維が短くなりすぎないように細片状にする。
それから、細胞を露出して搾汁が容易になった開繊後の月桃を搾汁した後、乾燥する。
そして、乾燥後の月桃の葉と茎の混合物を長さ20〜40mm、幅1〜3mmの短冊状に破砕する。
なお、月桃の葉と茎は、短冊状に破砕された後の月桃(破砕原料)の水分含有率が、約10〜20重量%の範囲となるようにした。
また、粉砕は、直径が20mmの貫通孔が形成されたスクリーンを備えた破砕機を用い、月桃の葉と茎の混合物を、該貫通孔を通過させることにより行い、月桃の葉と茎の混合物を短冊状に破砕した。
(2)次に、水分が約10〜20重量%になるように乾燥された月桃(乾燥月桃)に、熱硬化性樹脂系の接着剤を添加して混合する。
なお、この実施例では、この接着剤添加混合工程において、熱硬化性接着剤としてイソシアネート系接着剤を8重量%の割合で添加混合してイソシアネート系接着剤添加混合原料を調製するとともに、熱硬化性接着剤としてリグニンを15重量%の割合で添加してリグニン添加混合原料を調製した。
(3)それから、イソシアネート系接着剤添加混合原料とリグニン添加混合原料を、イソシアネート系接着剤添加混合原料を芯層とし、リグニン添加混合原料を芯層の表裏両面側に配設された表層とする3層構造を有するマット状に成形する。
この実施例では、熱圧締工程の終了後に最終的に得られるボードにおいて、表裏両面側の表層の厚みがそれぞれ5mm、芯層の厚みが15mmとなるようなマット状の成形体を形成した。
(4)その後、マット状に成形された3層構造の原料を熱圧締する。
熱圧締を行うにあたっては、まず、マット状に成形された原料を、一対の熱板の間に挟み込んで熱圧締するホットプレス装置を用い、前記一対の熱板間の距離Dを、熱圧締工程において最終的に得られるボード厚みT1(25mm)より小さい値(この実施例では7mm)として、200℃、1MPa(熱板の面圧)の条件で10秒間保持して熱圧締(第1熱圧締工程)を実施する。なお、この実施例の条件では、第1熱圧締工程(面圧1MPa、200℃)を、10秒を超えて実施すると、熱圧締(加圧)を停止しても、原料(ボード)の厚みがT1(25mm)まで復帰しなくなるので好ましくない。また、この実施例の条件では、第1熱圧締工程(面圧1MPa、200℃)を5秒以下にすると、第2熱圧締工程を300秒以上実施しても、芯層の接着剤の硬化が不十分となり、ボードの厚み方向中央部で剥離が生じるため好ましくない。
それから、熱板間の距離Dを、ボード厚みT1(25mm)の値より大きくして(この実施例では27mm以上で圧力がかからない状態)、熱圧締工程の途中にある原料の厚みを、最終目標とするボード厚みT1(25mm)以上になるまで復元させる(この実施例では27mmまで復元させる)復元工程を実施する。
その後、復元工程でボード厚みT1以上になるまで厚みを復元させた原料を、最終的に厚みがボード厚みT1(25mm)となるような条件、(すなわち、厚みが25mmのスペーサを使用して、200℃、0.1MPa(熱板の面圧)の条件で300秒保持する条件)で熱圧締(第2熱圧締工程)を実施することにより、図1に示すように、表裏両面側の表層1a,1bの厚みがそれぞれ5mm、芯層2の厚みが15mmの3層構造を有する、総厚みが25mmで、カサ密度が0.26g/cm3の月桃ボード3を得た。なお、上記スペーサの厚みを調整することにより、任意のカサ密度の月桃ボードを製造することができる。
上述のようにして製造した月桃ボードの物性値および性状を表1に示す。
Figure 0004520890
表1より、この実施例の方法により製造された月桃ボードは、上述の密度(カサ密度)、曲げ強さ、含水率について、JIS A 5905のタタミボードの規格を満足することが確認された。
また、月桃ボードのカサ密度と曲げ強さの関係を図2に示す。
図2に示すように、カサ密度が0.24〜0.35g/cm3の範囲では、カサ密度が高くなるのに伴って、曲げ強さが向上することが確認された。
また、得られた月桃ボードの表面に、搾汁、抽出、および搾汁液または抽出液の蒸留のいずれかの方法により得た月桃エキスを付与することにより、月桃の有する防虫機能、防黴機能をより効率よく発揮させるようにすること可能である。なお、下記の[月桃畳]においても、月桃エキスを付与した月桃ボードを用いることが望ましい。
[月桃畳]
図3は上述の方法により製造した月桃ボードを畳床として用いた本発明の一実施例にかかる畳(月桃畳)の構造を示す断面図である。
この月桃畳14は、畳床11と、畳床11の上面側に配設された、イグサを編んで形成した畳表12と、畳床の下面側に配設されたポリ塩化ビニル樹脂系の裏シート13とを備えている。そして、畳床11としては、上述のようにして作製した、カサ密度が0.26g/cm3の月桃ボード3が用いられている。なお、月桃ボード3は厚みが25mmであることから、2枚重ねることにより畳床11として用いられている。
この月桃畳14は、上述のように、月桃ボード3(図1)を畳床11として用い、この畳床11の上面側に畳表12を配設し、下面側に裏シート13を配設することにより形成されており、月桃に由来する防虫機能、防黴機能を備えているとともに、軽量で、機械的強度にも優れている。
なお、厚みの大きい月桃ボードを製造して、一枚の月桃ボードで畳床を構成することも不可能ではないが、月桃ボードの厚みをあまり厚くしようとすると、熱圧締工程に要する時間が長くなって生産性が低下するため、通常は、15〜25 mm程度の厚みの月桃ボードを作製し、必要な枚数だけ重ねて使用することが望ましい。
また、上記実施例では、イソシアネート系接着剤添加混合原料を芯層とし、リグニン添加混合原料を芯層の表裏両面側に配設された表層とする3層構造を有する月桃ボードを製造する場合を例にとって説明したが、本願発明においては、イソシアネート系接着剤添加混合原料のみを用いて、一層構造の月桃ボードを製造することも可能である。
さらに、上記実施例では、芯層用の接着剤としてイソシアネート系接着剤を用いているが、接着剤は、イソシアネート系接着剤に限られるものではなく、他の種々の熱硬化性樹脂系の接着剤を用いることが可能である。
また、上記実施例では、月桃ボードのカサ密度を低くして、畳床に利用する場合を例にとって説明したが、本願発明にかかる月桃ボードは畳床に限らず、建築物の内装材、床材などの種々の用途にも適用することが可能であり、機械的強度が要求される場合には、カサ密度を上記実施例の場合よりも大きくして対応することができる。
本願発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、月桃原料として用いられる月桃の茎と葉の割合、月桃の破砕工程の実施方法、熱圧締条件などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本願発明によれば、成長が早く、経済性に優れた原料である月桃を用いて、防虫機能、防黴機能を備え、かつ、吸湿性、断熱性、必要な機械的強度などを備えたボード(月桃ボード)を効率よく製造することが可能になる。
したがって、本願発明は、ボードの製造分野、月桃ボードを畳床とする畳の製造分野、月桃ボードを内装材や床材として用いる建材の分野などに広く適用することが可能である。
本願発明の一実施例にかかる月桃ボードを示す断面図である。 本願発明の一実施例にかかる月桃ボードのカサ密度と曲げ強さの関係を示す図である。 本願発明の一実施例にかかる月桃ボードを用いた月桃畳の構成を示す断面図である。
1a,1b 表層
2 芯層
3 月桃ボード
11 畳床
12 畳表
13 裏シート
14 月桃畳

Claims (9)

  1. (a)搾汁し、乾燥した月桃の葉と茎の混合物を長さ3〜80mm、幅0.1〜8mmの短冊状に破砕する月桃破砕工程と、
    (b)前記(a)の工程で月桃を短冊状に破砕した原料に、熱硬化性樹脂系の接着剤を添加して混合する接着剤添加混合工程と、
    (c)前記(b)の工程で接着剤を添加して混合した原料をマット状に成形するマット成形工程と、
    (d)マット状に成形された原料を熱圧締する熱圧締工程と
    (e)前記(d)の熱圧締工程で熱圧締することにより形成されたボードの表面に、搾汁、抽出、および搾汁液または抽出液の蒸留のいずれかの方法により得た月桃エキスを付与する工程と
    を具備することを特徴とする月桃ボードの製造方法。
  2. 前記(a)の月桃破砕工程において、搾汁の前に月桃の葉と茎の混合物を開繊することを特徴とする請求項1記載の月桃ボードの製造方法。
  3. 前記(d)の熱圧締工程において、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3になるように熱圧締することを特徴とする請求項1または2記載の月桃ボードの製造方法。
  4. 前記(b)の接着剤添加混合工程において、接着剤の添加の対象となる原料の水分含有率が10〜20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の月桃ボードの製造方法。
  5. 前記(d)の熱圧締工程が、
    マット状に成形された原料を、一対の熱板の間に挟み込んで熱圧締するホットプレス装置を用い、前記一対の熱板間の距離Dを、熱圧締工程において最終的に得られるボード厚みT1より小さくして熱圧締を行う第1熱圧締工程と、
    前記第1熱圧締工程の後、熱板間の距離Dを、前記ボード厚みT1の値より大きくして、熱圧締工程の途中にある原料の厚みを、前記ボード厚みT1以上になるまで復元させる復元工程と、
    前記復元工程で前記ボード厚みT1以上になるまで厚みを復元させた原料を、最終的に厚みが前記ボード厚みT1となるような条件で熱圧締して成形する第2熱圧締工程と
    を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の月桃ボードの製造方法。
  6. 前記(b)の接着剤添加混合工程において、熱硬化性接着剤としてイソシアネート系接着剤を添加混合してイソシアネート系接着剤添加混合原料を調製するとともに、熱硬化性接着剤としてリグニンを添加してリグニン添加混合原料を調製し、
    前記(c)のマット成形工程において、前記イソシアネート系接着剤添加混合原料と前記リグニン添加混合原料を、前記イソシアネート系接着剤添加混合原料を芯層とし、前記リグニン添加混合原料を前記芯層の表裏両面側に配設された表層とする3層構造を有するマット状に成形し、
    前記(d)の熱圧締工程において、マット状に成形された3層構造の原料を熱圧締すること
    を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の月桃ボードの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の月桃ボードの製造方法により製造された月桃ボードであって、月桃の葉と茎の混合物を破砕した、長さが3〜80mm、幅が0.1〜8mmの範囲にある短冊状の原料と、熱硬化性樹脂系の接着剤とを、主成分として含有し、表面に前記月桃エキスが付与されていることを特徴とする月桃ボード。
  8. カサ密度が0.2〜0.4g/cm3であることを特徴とする請求項9記載の月桃ボード。
  9. 月桃の葉と茎の混合物を主成分とし、大部分が、長さが3〜80mm、幅が0.1〜8mmの範囲にある短冊状の原料と、熱硬化性樹脂系の接着剤とを含有し、かつ、カサ密度が0.2〜0.4g/cm3の範囲にある、請求項1〜6のいずれかに記載の方法により製造された月桃ボードからなる畳床と、
    前記畳床の上面側に配設された畳表と、
    前記畳床の下面側に配設された裏シートと
    を備えていることを特徴とする月桃畳。
JP2005109063A 2005-04-05 2005-04-05 月桃ボード、その製造方法、該月桃ボードを用いた月桃畳 Expired - Fee Related JP4520890B2 (ja)

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