JP4520388B2 - 復調装置および受信システム - Google Patents

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Description

本発明は、入力信号に基づいて情報を示すタイミングを検出し、当該入力信号から当該タイミングに示す値を求めて出力する装置に関する。
ディジタル無線通信においてはディジタル変調信号が広く用いられる。ディジタル変調信号は、1ビットあるいは複数ビットからなるディジタル符号を一単位としたシンボル符号を、所定の時間間隔を以て、搬送波の位相、その変化量、振幅等の物理量に対応付けたものである。ディジタル変調信号の方式については、シンボル符号を対応付ける搬送波の物理量によって様々なものが考えられており、例えば、シンボル符号を搬送波の位相に対応付けたPSK変調方式、シンボル符号を搬送波の振幅および位相に対応付けたQAM変調方式等がある。
ディジタル変調信号の変調成分信号は、同相成分信号(以下、I信号とする。)と直交成分信号(以下、Q信号とする。)の2チャネルの信号によって表される。以下、この2チャネルの信号をI/Q信号とする。
I/Q信号からシンボル符号を抽出するためには、シンボル符号を搬送波の振幅または位相の少なくともいずれかに対応付けたタイミング(シンボル周期)をI信号およびQ信号から抽出する必要がある。I/Q信号の時間波形においてシンボル周期ごとに値が抽出される点は、シンボル点と称される。シンボル点は、I/Q信号に情報を対応付けたタイミングに現れる時間波形上での点であるといえる。
図4にディジタル無線通信で扱われるディジタル変調信号の構成例を示す。ディジタル変調信号は、時系列で連なる複数の単位フレーム50から構成される。受信装置は、時系列で連なる複数の単位フレーム50のうち、自らに割り当てられた単位フレーム50を受信し、シンボル符号を抽出してディジタル復調を行う。
図5に従来技術における受信装置5の構成を示す。受信装置5は、アンテナ10、無線受信部12、直交検波部14、記憶型同期復調部70、符号検波部36、フレーム検出部38、制御部40、クロック信号生成部18を備えて構成される。受信装置5は、制御部40の制御によって自らに割り当てられた単位フレーム50に対応するディジタル変調信号を復調する。また、受信装置5は、ディジタル変調信号を送信する送信装置とは独立に動作するため、ディジタル変調信号のシンボル周期と、シンボル符号を抽出するためにクロック信号生成部18が生成するクロック信号CKのクロック周期とは同期がとられていない。そこで、受信装置5は、シンボル周期と同期した、シンボル符号を得ることができるI/Q信号を再生する記憶型同期復調部70を備えることにより、ディジタル変調信号からディジタル信号を抽出することを可能としている。以下、受信装置5の具体的な動作について説明する。
無線受信部12は、アンテナ10を介して受信したディジタル変調信号に対して高周波増幅、中間周波数への周波数変換、中間周波数増幅を施し、直交検波部14に入力する。直交検波部14は、入力された単位フレーム50に対応するディジタル変調信号からI/Q信号を抽出して記憶型同期復調部70に入力する。
記憶型同期復調部70は、A/D変換部20、位相差推定部72、単位フレーム記憶部80、I/Q信号再生部82を備えて構成される。記憶型同期復調部70に入力されたI/Q信号はA/D変換部20に入力される。A/D変換部20は、I信号およびQ信号のそれぞれをクロック信号生成部18が出力するクロック信号CKの周期に従って離散化し、離散化I/Q信号として位相差推定部72および単位フレーム記憶部80に入力する。クロック信号CKの周期がシンボル周期のL分の1であるものとすると(Lは2以上の整数である。)、離散化する時間間隔は、I/Q信号のシンボル周期をL分割した時間間隔となる。
上述のように、ディジタル変調信号のシンボル周期と、クロック信号CKの周期とは同期がとられていないため、I/Q信号のシンボル点から得られる位相と離散化点(振幅時間平面上に表される離散化された点をいう。)から得られる基準信号の位相との間には差が生じる。
図6はその様子を示したものである。図6(a)の点e0〜点eN-1は離散化されたI信号の自乗と離散化されたQ信号の自乗との和である離散化された自乗和信号を、曲線Aは離散化されていない自乗和信号を表したものである。曲線A上の点E0〜EJ-1はI/Q信号のシンボル点を表す。一般に、I/Q信号には帯域制限が施されるため、シンボル点と自乗和信号の極大値が現れる点とは一致しない。ここでは説明の便宜上、I/Q信号に帯域制限が施されていない場合について考え、シンボル点E0〜EJ-1は曲線Aの極大値が現れる点と一致するものとしている。図6(b)の曲線Bは基準余弦波信号を表したものである。ここで、基準余弦波信号は、自乗和信号からシンボル周波数成分を抽出するための余弦波信号であり、単位フレーム50に対応するI/Q信号の離散化点のうち最初に現れるものを位相の零点とする。また、図6(c)の曲線Dは基準正弦波信号を表したものである。ここで、基準正弦波信号とは、自乗和信号からシンボル周波数成分を抽出するための正弦波信号であり、単位フレーム50に対応するI/Q信号の離散化点のうち最初に現れるものを位相の零点とする。
図6では、シンボル点が現れる時刻tAj(jは0からJ−1までの整数でありJは単位フレーム50に含まれるシンボル点の数である。単位フレーム50に含まれる離散化点の数をNとすればN=LJの関係がある。)と曲線Bの極大値が現れる時刻tBjとの間には時間差Δt=tAj−tBjが生じている。これをシンボル周期Tを基準とした位相に換算すると、位相差Δθ=2πΔt/Tとなる。位相差Δθは基準余弦波信号の極大値が現れる点の位相を基準とするため、図6の場合Δθは正値となる。位相差ΔθはI/Q信号のシンボル周波数成分を表す信号と離散化点で規定される基準信号との間の位相差であるといえる。
位相差推定部72は、自乗和算出部74、余弦成分抽出部76a、正弦成分抽出部76b、逆正接算出部78を備えて構成され、次の(i)から(iii)に示す処理に従って位相差Δθを算出する。(i)自乗和信号を算出する。(ii)自乗和信号に含まれる基準余弦波成分Cおよび基準正弦波成分Sを算出する。(iii)基準正弦波成分Sの基準余弦波成分Cに対する比の逆正接に基づいて位相差Δθを算出する。
上記(i)から(iii)の処理を行うための位相差推定部72の具体的な処理について説明する。自乗和算出部74は、離散化されたI信号の自乗と離散化されたQ信号の自乗を算出し加算することで、離散化された自乗和信号を算出する。離散化された自乗和信号の離散化値ukは、離散化I/Q信号をなすI信号の離散化値IkおよびQ信号の離散化値Qkによって、次の(1)式のように表される。
(数1)u=I +Q (1)
ただし、kは0からN−1までの整数であり、Nは単位フレーム50に含まれる離散化点の数を表す。
余弦成分抽出部76aは離散化された自乗和信号に対して、次の(2)式で表される基準余弦波成分に対するフーリエ変換を行う。
(数2)C=Σukcos(2πkτ/T) (2)
ここに、Σはk=0からk=N−1までの累積加算を行うことを意味する。Tは予め定められたシンボル周期である。τは離散化の時間間隔でありτ=T/Lの関係がある。また、cos(2πkτ/T)は図6(b)に示される曲線Bで表される信号に相当するものであり、基準余弦波信号の離散化値を意味する。
正弦成分抽出部76bは離散化された自乗和信号に対して、次の(3)式で表される基準正弦波成分に対するフーリエ変換を行う。
(数3)S=Σuksin(2πkτ/T) (3)
ここに、Σはk=0からk=N−1までの累積加算を行うことを意味する。sin(2πkτ/T)は図6(c)に示される曲線Dで表される信号に相当するものであり、基準正弦波信号の離散化値を意味する。
逆正接算出部78は、余弦成分抽出部76aおよび正弦成分抽出部76bの算出結果から、次の(4−1)または(4−2)式に従って位相差Δθを算出する。位相差Δθは−π/2から3π/2までの値をとり得る。
(数4−1)Cが正およびSが正のとき、またはCが正およびSが負のとき
Δθ=arctan(S/C) (4−1)
(数4−2)Cが負およびSが正のとき、またはCが負およびSが負のとき
Δθ=arctan(S/C)+π (4−2)
ここで、arctanは−π/2からπ/2までの主値をとるものとする。
位相差推定部72は、逆正接算出部78が算出した位相差ΔθをI/Q信号再生部82に入力する。(2)式および(3)式から判るように、位相差Δθを算出するためにはk=0からk=N−1までの累積加算を行う必要がある。したがって、位相差推定部72に離散化I/Q信号が入力され位相差Δθが算出されるまでには、少なくとも累積加算を行う時間、すなわち単位フレーム50の時間長だけの時間を必要とする。
位相差推定部72が位相差Δθを算出する間、単位フレーム記憶部80は離散化I/Q信号の値を記憶して保持する。単位フレーム記憶部80は、位相差ΔθがI/Q信号再生部82に入力されると共に、記憶していた離散化I/Q信号をI/Q信号再生部82に入力する。
I/Q信号再生部82は、位相差Δθおよび離散化I/Q信号に基づいて、I信号およびQ信号のそれぞれについてシンボル点での値を算出する補間演算を行い、シンボル周期TごとにI信号およびQ信号のそれぞれについての演算結果を出力する。図6に示されるように、自乗和信号に含まれるシンボル周波数成分の信号と、離散化点によって規定される基準余弦波信号との間にはΔθだけの位相差がある。そのため、離散化I/Q信号の離散化値のいずれかを、シンボル点が示す値として抽出することができず、離散化点からΔt=TΔθ/(2π)の時間を隔てた点における値を補間演算によって算出する。
I/Q信号再生部82では、L個の離散化値ごとに一つの補間値が出力される。このような処理によって、時間Lτごと、すなわちシンボル周期Tごとに送信装置側で与えられた値に対応する値を示す再生I/Q信号が生成される。I/Q信号再生部82は、再生I/Q信号をフレーム検出部38および符号検波部36に入力する。
フレーム検出部38は、再生I信号および再生Q信号のそれぞれの波形の変化パターンと、予め記憶されている波形の変化パターンとの相関値を算出して制御部40に入力する。制御部40は、当該相関値に基づいて、受信された単位フレーム50が受信装置5に割り当てられているものであるか否かを判定し、判定結果およびクロック信号CKに基づいて、割り当てられている単位フレーム50のみを復調するよう受信装置5の各構成部を制御する。
符号検波部36は、再生I/Q信号からシンボル符号を得て、時系列で連なるシンボル符号をディジタル信号として出力する。
このような構成により、受信装置5は、ディジタル変調信号のシンボル周期とクロック信号CKのクロック周期との同期がとられていない場合であっても、ディジタル変調信号からディジタル信号を抽出することが可能となる。
ここで説明した記憶型同期復調部70と同様の構成については、次の文献に開示されている。
松本洋一、守倉正博、加藤修三、「バーストモード全ディジタル化高速クロック再生回路−蓄積型クロック再生方式−」、電子情報通信学会論文誌 B−II Vol.J75−B−II No.6 pp.354−362 1992年5月
従来技術における受信装置5では、位相差推定部72が位相差Δθを算出する間、単位フレーム記憶部80は離散化I/Q信号の値を記憶して待機する。これは、単位フレーム50ごとに位相差Δθが変動することを想定し、再生I/Q信号を生成しようとする離散化I/Q信号そのものに基づいて算出された位相差Δθを適用して再生I/Q信号を生成するためである。したがって、記憶型同期復調部70にディジタル変調信号が入力されてから再生I/Q信号が出力されるまで、少なくとも単位フレーム50の時間長だけの時間が必要となる。そのため、単位フレーム50に対応するディジタル変調信号を受信したすぐ後に、そのディジタル変調信号から抽出されたディジタル信号に基づいた処理を行うことができないという問題が受信装置5にはあった。
本発明は、このような課題に対してなされたものであり、ディジタル変調信号等の入力信号から情報を迅速に取得することが可能な復調装置を提供する。
本発明は、入力信号を離散化して離散化入力信号として出力する離散化部と、前記入力信号が情報を示すタイミングである情報タイミングに前記入力信号が示す値を、前記離散化入力信号に基づいて求めて出力する復調部と、を備える復調装置であって、前記離散化部は、有限の時間長の入力信号を離散化して有限長離散化入力信号として出力し、前記復調部は、前記有限長離散化入力信号の一部分である部分離散化入力信号を前記離散化部において離散化したタイミングに基づいて基準位相を設定し、前記部分離散化入力信号の情報タイミングから求まる位相と前記基準位相との差である位相差を算出する位相差算出手段と、前記位相差に基づいて、前記部分離散化入力信号の情報タイミングにおける値を算出する入力信号再生手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る復調装置においては、前記復調部は、前記位相差に基づいてタップ係数を決定するディジタルフィルタを備える構成とすることが好適である。
また、本発明は、入力信号を離散化して離散化入力信号として出力する離散化部と、前記入力信号が情報を示すタイミングである情報タイミングに前記入力信号が示す値を、前記離散化入力信号に基づいて求めて出力する復調部と、を備える復調装置であって、前記復調部は、前記離散化部において第1の入力信号を離散化したタイミングに基づいて基準位相を設定し、前記第1の入力信号の情報タイミングから求まる位相と前記基準位相との差である位相差を、前記第1の入力信号の離散化信号に基づいて算出する位相差算出手段と、前記位相差に基づいて、前記第1の入力信号より後に入力される第2の入力信号の情報タイミングにおける値を算出する入力信号再生手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る復調装置においては、前記復調部は、前記位相差に基づいてタップ係数を決定するディジタルフィルタを備える構成とすることが好適である。
また、本発明に係る復調装置においては、前記第1の入力信号と前記第2の入力信号は、同一の単位フレーム内に含まれる信号とすることが好適である。
また、直交変調信号を受信する無線受信部と、前記無線受信部が出力する信号からディジタル信号を抽出するディジタル復調部と、を備える本発明に係る受信システムにおいては、前記ディジタル復調部は、本発明に係る復調装置を備え、当該復調装置が出力する信号からディジタル信号を抽出する構成とすることが好適である。
本発明によれば、有限長離散化入力信号の一部分である部分離散化入力信号に基づいて位相差が算出され、これに基づいて当該部分離散化入力信号の情報タイミングにおける値が算出される。これによって、有限長離散化入力信号すべてに基づいて当該有限長離散化入力信号の情報タイミングにおける値を算出する場合に比して、処理を迅速に行うことができる。
また、本発明によれば、第2の入力信号の情報タイミングにおける値は、第1の入力信号に基づいて算出された位相差に基づいて算出される。第2の入力信号の情報タイミングを算出するに際しては、第1の入力信号に基づいて算出された位相差が適用されるため、処理時間を低減することができる。
また、本発明によれば、受信した信号から情報を迅速に取得することが可能な受信装置を実現することができる。
図1に本発明の第1の実施形態に係る受信装置1の構成を示す。受信装置1は、アンテナ10、無線受信部12、直交検波部14、分割記憶型同期復調部17、符号検波部36、フレーム検出部38、制御部40、クロック信号生成部18を備えて構成される。
無線受信部12は、アンテナ10を介して受信したディジタル変調信号に対して高周波増幅、中間周波数への周波数変換、中間周波数増幅を施し、直交検波部14に入力する。直交検波部14は、ディジタル変調信号からI/Q信号を抽出して分割記憶型同期復調部17に入力する。
分割記憶型同期復調部17は、A/D変換部20、位相差推定部23、分割フレーム記憶部44、I/Q信号再生部34を備えて構成される。
分割記憶型同期復調部17に入力されたI/Q信号はA/D変換部20に入力される。A/D変換部20は、I信号およびQ信号のそれぞれをクロック信号生成部18が出力するクロック信号CKの周期で離散化し、離散化I/Q信号として位相差推定部23および分割フレーム記憶部44に入力する。なお、A/D変換部20は、クロック信号CKの周期より短い時間でI/Q信号を離散化する補間手段を設けることにより、クロック信号CKの周期より短い時間間隔で離散化された離散化I/Q信号を出力する構成とすることも可能である。この補間手段としては、非特許文献1に記載されている中間値インタポレータを適用することが好適である。
位相差推定部23は、自乗和算出部24、余弦成分抽出部26a、正弦成分抽出部26b、逆正接算出部28を備えて構成される。図5の位相差推定部72が単位フレーム50に基づいて位相差Δθを算出するのに対し、位相差推定部23は単位フレーム50を分割した信号である分割フレーム50aに基づいて位相差Δθを算出する。図2に単位フレーム50と分割フレーム50aとの関係を示す。N個の離散化点を含む単位フレーム50は、M個の離散化点を含む分割フレーム50aを含んで構成される。単位フレーム50の最後に現れる分割フレーム50aは、NをMで除した余りだけ多くの離散化点を含むため、ME個の離散化点を含むものとする。各分割フレーム50aの最初の離散化点は、単位フレーム50の最初の離散化点からM個ごとに現れる。分割フレーム50aが含む離散化点の数Mは、単位フレーム50が含む離散化点の数N未満の範囲で任意に設定することができる。しかし、シンボルクロック周期を抽出する際の精度の観点から、Mτがシンボル周期Tの整数倍になるようにMを設定することが望ましい。
位相差推定部23には、制御部40から分割フレーム50aの受信が開始されるタイミングを示す分割フレーム情報Rが入力される。位相差推定部23は、分割フレーム情報Rが入力されたときに、分割フレーム50aに対する位相差Δθの算出を開始する。
自乗和算出部24は、離散化されたI信号の自乗と離散化されたQ信号の自乗を算出して加算することで、離散化された自乗和信号を算出する。離散化された自乗和信号の離散化値upは、離散化I/Q信号をなすI信号の離散化値IpおよびQ信号の離散化値Qpによって、次の(5)式のように表される。
(数5)u=I +Q (5)
ただし、pはqからq+M−1まで(単位フレーム50の最後に現れる分割フレーム50aについてはp=q+ME−1まで)の整数である。qは分割フレーム50aに含まれる離散化点のうち最初に現れるものの番号を示し、Mは分割フレーム50aに含まれる離散化点の数を表す。
余弦成分抽出部26aは離散化された自乗和信号に対して、次の(6)式で表される基準余弦波成分に対するフーリエ変換を行う。
(数6)C=Σupcos(2πpτ/T) (6)
ここに、Σはp=qからp=q+M−1まで(単位フレーム50の最後に現れる分割フレーム50aについてはp=q+ME−1まで)の累積加算を行うことを意味する。τは離散化の時間間隔、Tは予め定められたシンボル周期である。また、cos(2πpτ/T)は図6(b)に示される曲線Bで表される信号に相当するものであり、基準余弦波信号の離散化値を意味する。
正弦成分抽出部26bは離散化された自乗和信号に対して、次の(7)式で表される基準正弦波成分に対するフーリエ変換を行う。
(数7)S=Σupsin(2πpτ/T) (7)
ここに、Σはp=qからp=q+M−1まで(単位フレーム50の最後に現れる分割フレーム50aについてはp=q+ME−1まで)の累積加算を行うことを意味する。sin(2πpτ/T)は図6(c)に示される曲線Dで表される信号に相当するものであり、基準正弦波信号の離散化値を意味する。
逆正接算出部28は、余弦成分抽出部26aおよび正弦成分抽出部26bの算出結果から、次の(8−1)式または(8−2)式に従って位相差Δθを算出する。
(数8−1)Cが正およびSが正のとき、またはCが正およびSが負のとき
Δθ=arctan(S/C) (8−1)
(数8−2)Cが負およびSが正のとき、またはCが負およびSが負のとき
Δθ=arctan(S/C)+π (8−2)
ここで、arctanは−π/2からπ/2までの主値をとるものとする。
位相差推定部23は、逆正接算出部28が算出した位相差ΔθをI/Q信号再生部34に入力する。(6)式および(7)式から判るように、位相差Δθを算出するためにはp=qからp=q+M−1まで(単位フレーム50の最後に現れる分割フレーム50aについてはp=q+ME−1まで)の累積加算を行う必要がある。したがって、位相差推定部23に離散化I/Q信号が入力され位相差Δθが算出されるまでには、少なくとも累積加算を行う時間、すなわち分割フレーム50aの時間長だけの時間を必要とする。
位相差推定部23が位相差Δθを算出する間、分割フレーム記憶部44は離散化I/Q信号の値を記憶して保持する。分割フレーム記憶部44は、位相差ΔθがI/Q信号再生部34に入力されると共に、離散化I/Q信号をI/Q信号再生部34に入力する。
I/Q信号再生部34は、位相差Δθおよび離散化I/Q信号に基づいて、I信号およびQ信号のそれぞれについてシンボル点での値を算出する補間演算を行い、シンボル周期TごとにI信号およびQ信号のそれぞれについての演算結果を出力する。I/Q信号再生部34は、タップ係数によって特性が定まるディジタルフィルタによって構成することが好適である。
ディジタルフィルタのタップ係数は、位相差Δθに基づいて決定される。先述のように、位相差Δθは、I/Q信号のシンボル周波数成分を表す信号と、離散化点で規定される基準信号との間の位相差を表す。基準信号は、最初に現れる離散化点を位相の零点とするため、最初に現れる離散化点から位相差Δθ隔てた時刻にシンボル点が存在することとなる。
I/Q信号再生部34は、離散化時間間隔τと位相差Δθに基づいて、補間演算に寄与させるP個(Pは2以上の整数である。)の離散化点ei〜ei+P-1のうちシンボル点から最も近傍に存在する近傍離散化点を選出し、近傍離散化点とシンボル点との間の時間差δtを算出する。
次に、I/Q信号再生部34は、補間演算に寄与させる離散化点ei〜ei+P-1のそれぞれついて、近傍離散化点までの時間ti〜ti+P-1を算出する。補間演算に寄与させる離散化点ei〜ei+P-1からシンボル点までの時間は、それぞれti+δt〜ti+P-1+δtとなる。
I/Q信号再生部34は、補間演算の公式に従い、時間ti+δt〜ti+P-1+δtに基づいてタップ係数W0〜WP−1を算出する。ここで、タップ係数W0〜WP−1は、シンボル点における補間値をW0ei+W1ei+1+・・・+WP−1ei+P-1のような畳み込み演算を以て表すものである。
つまり、I/Q信号再生部34は、自らが備えるディジタルフィルタに位相差推定部23が出力する位相差Δθを参照することによって定まるタップ係数W0〜WP−1を入力し、タップ係数W0〜WP−1と入力された離散化I/Q信号との畳み込み演算を行うことでシンボル点における補間値を算出する。
I/Q信号再生部34は、クロック信号CKのパルスをカウントすることにより、L個の離散化値ごとに一つの補間値を出力する。補間値を出力する時間間隔は、クロック信号CKの周期に依存しているため、クロック信号CKの周期のL倍の時間Lτと、ディジタル変調信号が示すシンボル周期Tとの間の誤差が十分小さく抑えられていれば、1シンボル周期Tに含まれる離散化点から一つの補間値が算出され、一定時間間隔Lτ=Tごとにその値が出力されることとなる。
I/Q信号再生部34は、このような処理によって、シンボル周期Tごとに送信装置側で与えられた値に対応した値を示す再生I/Q信号を生成する。I/Q信号再生部34は、再生I/Q信号をフレーム検出部38および符号検波部36に入力する。
符号検波部36は、再生I/Q信号からシンボル符号を得て、時系列で連なるシンボル符号をディジタル信号として出力する。
フレーム検出部38は、再生I信号および再生Q信号のそれぞれの波形の変化パターンと、予め記憶されている波形の変化パターンとの相関値を算出して制御部40に入力する。制御部40は、当該相関値に基づいて、受信された単位フレーム50が受信装置1に割り当てられているものであるか否かを判定し、判定結果およびクロック信号CKに基づいて、割り当てられている単位フレーム50のみを復調するよう受信装置1の各構成部を制御する。
制御部40は、フレーム検出部38が出力する相関値に基づいて分割フレーム50aの受信が開始される時刻を検出する。複数の分割フレーム50aそれぞれの最初の離散化点が現れる時刻は、予め定められた離散化点の数Mによって推定することができる。そこで、制御部40は、単位フレーム50の受信が開始される時刻からの経過時間をクロック信号CKによって検出することで、分割フレーム50aの最初の離散化点が現れる時刻を検出する。そして、分割フレーム50aの受信が開始される時刻には、分割フレーム情報Rを位相差推定部23に入力する。
このような構成により、受信装置1は、ディジタル変調信号のシンボル周期とクロック信号CKのクロック周期との同期がとられていない場合であっても、ディジタル変調信号からディジタル信号を抽出することが可能となる。
本実施形態に係る分割記憶型同期復調部17では、(6)式および(7)式から判るように、位相差Δθを算出するためにp=qからp=q+M−1まで(単位フレーム50の最後に現れる分割フレーム50aについてはp=q+ME−1まで)の累積加算を行う。したがって、位相差推定部23に離散化I/Q信号が入力され位相差Δθが算出されるまでに要される時間は、分割フレーム50aの時間長に相当する時間となる。したがって、位相差Δθを算出するために単位フレーム50の時間長だけの時間を必要とする従来構成に係る記憶型同期復調部70に比して、位相差Δθを算出するために必要な時間を短縮することができる。また、分割記憶型同期復調部17を適用した受信装置1では、受信装置5に比してディジタル変調信号を受信してからディジタル信号を取得するまでの処理を迅速に行うことができる。
本実施形態に係る分割記憶型同期復調部17では、位相差推定部23が位相差Δθを算出する間、分割フレーム記憶部44が分割フレーム50aを記憶して待機する。そのため、分割記憶型同期復調部17にディジタル変調信号が入力されてから再生I/Q信号が出力されるまで、少なくとも分割フレーム50aの時間長だけの時間が必要となる。そこで、次に説明する本発明の第2の実施形態に係る受信装置3では、位相差Δθを算出する間に離散化I/Q信号を記憶して保持する処理を行わないこととし、再生I/Q信号を生成する処理を迅速に行うこととした。
図3に本発明の第2の実施形態に係る受信装置3の構成を示す。第1の実施形態に係る受信装置1と同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を簡略に行う。
受信装置3は、アンテナ10、無線受信部12、直交検波部14、実時間型同期復調部16、符号検波部36、フレーム検出部38、制御部40、クロック信号生成部18を備えて構成される。
無線受信部12は、アンテナ10を介して受信したディジタル変調信号に対して高周波増幅、中間周波数への周波数変換、中間周波数増幅を施し、直交検波部14に入力する。直交検波部14は、ディジタル変調信号からI/Q信号を抽出して実時間型同期復調部16に入力する。
実時間型同期復調部16は、A/D変換部20、位相差推定部22、I/Q信号再生部34を備えて構成される。
実時間型同期復調部16に入力されたI/Q信号はA/D変換部20に入力される。A/D変換部20は、I信号およびQ信号のそれぞれをクロック信号生成部18が出力するクロック信号CKの周期で離散化し、離散化I/Q信号として位相差推定部22およびI/Q信号再生部34に入力する。
位相差推定部22は、自乗和算出部24、余弦成分抽出部26a、正弦成分抽出部26b、逆正接算出部28、位相差記憶部30を備えて構成される。第1の実施形態に係る位相差推定部23と同様、位相差推定部22は単位フレーム50を分割した信号である分割フレーム50aに基づいて位相差Δθを算出する。
位相差推定部22には、制御部40から分割フレーム50aの受信が開始されるタイミングを示す分割フレーム情報Rが入力される。位相差推定部22は、分割フレーム情報Rが入力されたときに、分割フレーム50aに対する位相差Δθの算出を開始する。
位相差推定部22は、第1の実施形態に係る位相差推定部23と同様、(5)式から(8−2)式に基づいて位相差Δθを算出する。ただし、算出された位相差Δθは位相差記憶部30に入力される点が位相差推定部23と異なる。
逆正接算出部28は、算出した位相差Δθを位相差記憶部30に入力する。位相差記憶部30は、次に受信される分割フレーム50aに基づいて位相差Δθが入力されるまで、先に入力された位相差Δθを記憶して保持し、I/Q信号再生部34にその値を出力する。したがって、制御部40から、分割フレーム情報Rが入力され位相差Δθが算出されるまでは、最近において算出された位相差ΔθがI/Q信号再生部34に出力されることとなる。
また、単位フレーム50の最後に現れる分割フレーム50aに基づいて算出された位相差Δθは、次に受信される単位フレーム50の最初の分割フレーム50aに基づいて位相差Δθが入力されるまで、位相差記憶部30において保持される。
I/Q信号再生部34は、位相差Δθおよび離散化I/Q信号に基づいて、I信号およびQ信号のそれぞれについてシンボル点での値を算出する補間演算を行い、シンボル周期TごとにI信号およびQ信号のそれぞれについての演算結果を出力する。I/Q信号再生部34は、タップ係数によって特性が定まるディジタルフィルタによって構成することが好適である。ディジタルフィルタのタップ係数は、位相差Δθに基づいて決定される。具体的な処理については、第1の実施形態に係る受信装置1の説明において述べた通りである。
なお、位相差推定部22からI/Q信号再生部34に入力される位相差Δθは、I/Q信号再生部34に入力されている分割フレーム50aより一つ先の分割フレーム50aに基づいて算出されたものである。これは、第1の実施形態に係る分割記憶型同期復調部17のように、A/D変換部20とI/Q信号再生部34との間に記憶手段が設けられておらず、かつ、位相差記憶部30が、先の分割フレーム50aに基づいて算出した位相差Δθを記憶して出力するからである。また、単位フレーム50の最初の分割フレーム50aがI/Q信号再生部34に入力されているときには、先に受信された単位フレーム50の最後に現れた分割フレーム50aに基づいて算出された位相差Δθが、I/Q信号再生部34に入力される。
I/Q信号再生部34は、クロック信号CKのパルスをカウントすることにより、L個の離散化値ごとに一つの補間値を出力する。補間値を出力する時間間隔は、クロック信号CKの周期に依存しているため、クロック信号CKの周期のL倍の時間Lτと、ディジタル変調信号が示すシンボル周期Tとの間の誤差が十分小さく抑えられていれば、1シンボル周期Tに含まれる離散化点から一つの補間値が算出され、一定時間間隔Lτ=Tごとにその値が出力されることとなる。
I/Q信号再生部34は、このような処理によって、シンボル周期Tごとに送信装置側で与えられた値に対応する値を示す再生I/Q信号を生成する。I/Q信号再生部34は、再生I/Q信号をフレーム検出部38および符号検波部36に入力する。
符号検波部36は、再生I/Q信号からシンボル符号を得て、時系列で連なるシンボル符号をディジタル信号として出力する。
このような構成により、受信装置3は、ディジタル変調信号のシンボル周期とクロック信号CKのクロック周期との同期がとられていない場合であっても、ディジタル変調信号からディジタル信号を抽出することが可能となる。
本実施形態に係る実時間型同期復調部16は、位相差推定部22が現在入力されている分割フレーム50aに従って位相差Δθを算出している間は、先に入力された分割フレーム50aに基づいて算出された位相差Δθに基づいて再生I/Q信号を生成する。そのため、位相差推定部22によって位相差Δθが算出されるのを待機するために離散化I/Q信号を記憶しておく必要がなく、ディジタル変調信号を受信してからディジタル信号を取得するまでの処理を迅速に行うことができる。
実時間型同期復調部16は、先に入力された分割フレーム50aに基づいて算出された位相差Δθに基づいて再生I/Q信号を生成する。したがって、再生I/Q信号に含まれる誤差は、分割フレーム50aごとの位相差Δθの変動に依存する。すなわち、I/Q信号のシンボル周期変動またはクロック信号CKの位相変動による、分割フレーム50aごとの位相差Δθの変動が大きい程、再生I/Q信号に含まれる誤差が大きくなる。しかし、分割フレーム50aの時間長を短くすれば、先述した分割フレーム50aごとの位相差Δθの変動を小さく抑えることができるため、再生I/Q信号に含まれる誤差を小さく抑えることができる。したがって、分割フレーム50aに含まれる離散化点の数Mは、再生I/Q信号に含まれる誤差を鑑みて決定することが好ましい。
なお、I/Q信号のシンボル周期変動またはクロック信号CKの位相変動が十分小さい場合には、分割フレーム50aの時間長を十分短く設定しなくとも、再生I/Q信号に含まれる誤差は十分小さく抑えられる。
第1の実施形態に係る受信装置1および第2の実施形態に係る受信装置3では、分割フレーム50aに含まれる離散化点の数Mを最適に設定することにより、次のような問題を回避することができる。
従来構成における受信装置5には、ディジタル変調信号から抽出されたI/Q信号のシンボル周期Tの誤差、または離散化I/Q信号の離散化の時間間隔τの誤差による次のような問題があった。
受信装置5の位相差推定部72は、単位フレーム50に対応する離散化I/Q信号に基づいて位相差Δθを算出する。これは、上記(2)式および(3)式に示される累積加算処理に、なるべく多くの離散化値を寄与させた方が、雑音等に起因する規則性のない誤差を排除する効果が大きいためである。すなわち、位相差Δθの算出に寄与させることのできる最大の離散化値の数は単位フレーム50から得られるすべての離散化値であり、このすべてを位相差Δθの算出に寄与させるのである。
しかし、より多くの離散化値を位相差Δθの算出に寄与させることは、必ずしも位相差Δθの推定誤差を低減させるために有利であるとは限らない。その理由は次の通りである。
送信装置では、ディジタル変調を行う際のシンボル周期を定めるシンボルクロック信号発生部を備えている。シンボルクロック信号発生部の周波数誤差は、受信装置5においてディジタル変調信号から抽出されるI/Q信号のシンボル周期Tの誤差Δtaとなって現れる。
一方、受信装置5が備えるクロック信号生成部18は、設計で規定された周期を示すクロック信号CKを出力し、その周期は規定された周期誤差の範囲内で変動する。この周期誤差は、離散化I/Q信号の離散化の時間間隔の誤差Δtbとなって現れる。この誤差はシンボル周期当たりLΔtbとなる(Lは単位シンボルに含まれる離散化点の数である。)。そして、送信装置が備えるシンボルクロック信号発生部の設計基準とクロック信号生成部18の設計基準を異なるものとした場合、誤差Δtaと誤差LΔtbの値は異なるものとなる。
I/Q信号が示すシンボル周期と基準信号が示す周期との間の周期偏差はΔta−LΔtbと表され、誤差Δtaと誤差LΔtbの値が異なることは、シンボル周期と基準信号との間に周期偏差があることを意味する。このような周期偏差があると、自乗和信号から抽出される基準余弦波成分Cと基準正弦波成分Sに含まれる誤差が大きくなり、算出される位相差Δθの推定誤差が大きくなる。
このようなシンボル周期と基準信号との間の周期偏差に起因する位相差Δθの推定誤差は、位相差Δθの算出に寄与させる離散化値の数を増加させても小さくすることはできない。それは、位相差Δθの算出に寄与させる離散化値の数が多い程、シンボル点と基準余弦波信号が極大値をとる点との時間差の不均一が顕著になるためである。このことは、例えば図6(a)におけるシンボル点E0〜EJ-1のそれぞれと、図6(b)の基準余弦波信号の極大値をとる点tB0〜tBJ-1のそれぞれとの時間差が、離散化点の数を増加させる程不均一になることからも明らかである。
したがって、より多くの離散化値を位相差Δθの算出に寄与させることは、雑音等に起因する位相差Δθの推定誤差を低減させるためには有利であるが、シンボル周期と基準信号との間の周期偏差に起因する位相差Δθの推定誤差を低減させるためには不利であるといえる。従来構成における受信装置5は、単位フレーム50に含まれるすべての離散化値を位相差Δθの算出に寄与させている。このため、単位フレーム50に含まれる離散化点の数が多い場合には、シンボル周期と基準信号との間の周期偏差に起因する位相差Δθの推定誤差が増大してしまうという問題があった。
位相差Δθの推定誤差は、I/Q信号再生部34が出力する再生I信号および再生Q信号のそれぞれに含まれる振幅の誤差となって現れ、符号検波部36が出力するディジタル信号の誤り率が増加する傾向を強める。
第1の実施形態に係る分割記憶型同期復調部17および第2の実施形態に係る実時間型同期復調部16では、分割フレーム50aが含む離散化点の数Mを任意に設定することができる。すなわち、(6)式および(7)式による位相差Δθの算出に寄与させる離散化値の数Mを最適に設定することができる。
分割フレーム50aが含む離散化点の数Mを大きくすると、雑音等に起因する位相差Δθの推定誤差を排除する効果が大きくなり、分割フレーム50aが含む離散化点の数Mを小さくすると、シンボル周期と基準信号との間の周期偏差に起因する位相差Δθの推定誤差を排除する効果が大きくなる。したがって、離散化点の数Mは、雑音等に起因する位相差Δの推定誤差を排除すべき程度と、シンボル周期と基準信号との間の周期偏差に起因する位相差Δの推定誤差を排除すべき程度の両者を鑑みて設定することが好ましい。
なお、非特許文献1では、1つのバーストに最大1200シンボルが含まれるものを例としてとりあげている。本実施形態ではこれに対し、例えば64シンボル〜512シンボル程度で分割フレームに含まれるシンボル点の数を決定することが好ましい。
本発明の第1の実施形態に係る受信装置の構成を示す図である。 単位フレームと分割フレームとの関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る受信装置の構成を示す図である。 ディジタル無線通信で扱われるディジタル変調信号の構成例を示す図である。 従来技術における受信装置の構成を示す図である。 自乗和信号、基準余弦波信号、および基準正弦波信号を示す図である。
符号の説明
1,3,5 受信装置 10 アンテナ、12 無線受信部、14 直交検波部、16 実時間型同期復調部、17 分割記憶型同期復調部、18 クロック信号生成部、20 A/D変換部、22,23,72 位相差推定部、24,74 自乗和算出部、26a,76a 余弦成分抽出部、26b,76b 正弦成分抽出部、28,78 逆正接算出部、30 位相差記憶部、34,82 I/Q信号再生部、36 符号検波部、38 フレーム検出部、40 制御部、44 分割フレーム記憶部、50 単位フレーム、50a 分割フレーム、70 記憶型同期復調部、80 単位フレーム記憶部。

Claims (6)

  1. 入力信号を離散化して離散化入力信号として出力する離散化部と、
    前記入力信号が情報を示すタイミングである情報タイミングに前記入力信号が示す値を、前記離散化入力信号に基づいて求めて出力する復調部と、
    を備える復調装置であって、
    前記離散化部は、
    有限の時間長の入力信号を離散化して有限長離散化入力信号として出力し、
    前記復調部は、
    前記有限長離散化入力信号の一部分である部分離散化入力信号を前記離散化部において離散化したタイミングに基づいて基準位相を設定し、前記部分離散化入力信号の情報タイミングから求まる位相と前記基準位相との差である位相差を算出する位相差算出手段と、
    前記位相差に基づいて、前記部分離散化入力信号の情報タイミングにおける値を算出する入力信号再生手段と、
    を備えることを特徴とする復調装置。
  2. 請求項1に記載の復調装置であって、
    前記復調部は、前記位相差に基づいてタップ係数を決定するディジタルフィルタを備えることを特徴とする復調装置。
  3. 入力信号を離散化して離散化入力信号として出力する離散化部と、
    前記入力信号が情報を示すタイミングである情報タイミングに前記入力信号が示す値を、前記離散化入力信号に基づいて求めて出力する復調部と、
    を備える復調装置であって、
    前記復調部は、
    前記離散化部において第1の入力信号を離散化したタイミングに基づいて基準位相を設定し、前記第1の入力信号の情報タイミングから求まる位相と前記基準位相との差である位相差を、前記第1の入力信号の離散化信号に基づいて算出する位相差算出手段と、
    前記位相差に基づいて、前記第1の入力信号より後に入力される第2の入力信号の情報タイミングにおける値を算出する入力信号再生手段と、
    を備えることを特徴とする復調装置。
  4. 請求項3に記載の復調装置であって、
    前記復調部は、前記位相差に基づいてタップ係数を決定するディジタルフィルタを備えることを特徴とする復調装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の復調装置であって、
    前記第1の入力信号と前記第2の入力信号は、同一の単位フレーム内に含まれる信号であることを特徴とする復調装置。
  6. ディジタル変調信号を受信する無線受信部と、
    前記無線受信部が出力する信号からディジタル信号を抽出するディジタル復調部と、
    を備える受信システムであって、
    前記ディジタル復調部は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の復調装置を備え、
    前記復調装置が出力する信号からディジタル信号を抽出することを特徴とする受信システム。
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