JP4520370B2 - 水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機 - Google Patents
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Description
しかし、冷媒方式による輻射式冷暖房システムでは、冷房時の輻射パネル表面に結露が生じるので、結露防止又は除湿対策を講じる必要がある。
例えば特許文献1の空気調和装置は、近傍にファンを設けた除湿・冷却用熱交換器とその下流に設けられた輻射パネルとが冷媒回路に接続され、室内空気の露点温度を検知するセンサと輻射パネルの表面温度を検知するセンサとの出力に基づいて、ファンの回転数を制御することにより、輻射パネルの表面温度が室内空気の露点温度より高くなるように制御している。また、特許文献2の空気調和機は、ファンを備えた室内側熱交換器と結露センサを取り付けた輻射パネルとが冷媒配管に接続され、結露センサの出力から求められる相対湿度と結露限界値とを比較して、相対湿度が結露限界値より小さいときは除湿・冷却用熱交換器をバイパスして輻射空調を行い、相対湿度が結露限界値より大きいときは輻射パネルをバイパスするものである。
冷温水システムにおいて、輻射冷暖房用水循環回路には循環水の温度を検知する水温センサmが設けられ、輻射パネル用熱交換器bをバイパスするバイパス管と冷温水循環回路の接続部に冷温水の流量を比例制御する三方電動弁nが接続している。そして、水温センサmで検知される水温に基づいて、熱交換器bを通過する冷温水の流量を三方弁nで調整して、輻射パネルeを循環する循環水の温度が冷房時に16℃に、暖房時に38℃に維持するよう制御される。
現在輻射空調が行われているのは主として事務所や図書館等における大空間であり、病院の個室又は事務所の小スペース等に個別に対応する例は少なかった。また、輻射空調を行うと冷房時の潜熱負荷に対応できないため、前述の冷媒方式による輻射式冷暖房システムと同様に、輻射パネル表面に結露が生じるという問題がある。そのため、別途除湿器を設置するかあるいは別の結露防止対策を講じる必要があり、スペースの増大又はコストアップの要因となっていた。
そこで、本発明の目的は、上述の従来技術の問題点を解消することにあり、水熱源の冷温水の配管系及び制御系を統一し、冷房と暖房の切り替えが容易であり、個別分散輻射空調が可能な水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機を提供することにある。また、本発明の別の目的は、別途除湿器を設置することなく、かつ特別大きなスペースを要することなく、冷房時の除湿を可能とする水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機を提供することにある。
本発明において、上記冷温水循環回路内の水温のみに基づいて、圧縮機を発停又はその回転数を制御するのではなく、更に室内空気の温度を検知する室温センサを設けて、室温センサで検知された室温及び水温センサで検知された水温とそれぞれの設定温度とを比較して、冷房時の室温及び水温が共に各設定温度より高い場合、また、暖房時の室温及び水温が共に各設定温度より低い場合に、定速型圧縮機を稼働させるかあるいは可変型圧縮機の回転数を高め、且つ、輻射冷暖房用輻射パネルの水温が、冷房時の設定温度の場合、又は、暖房時の設定温度の場合には、定速型圧縮機を停止させるかあるいは可変型圧縮機の回転数を上記回転数よりも低める。
また、本発明の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機は、前記四方弁と第一水熱交換器の間の冷媒配管に排気用空気熱交換器が接続され、前記第二水熱交換器と四方弁の間の冷媒配管に給気用空気熱交換器が接続されると共に、室内空気を排気用空気熱交換器と熱交換させて排出すると同時に、外気を給気用空気熱交換器と熱交換させて室内に導入することを特徴とする。
更に、上記除湿用空気熱交換器を設けた本発明の輻射パネル用空調機において、前記第二水熱交換器に複数の冷温水循環回路が接続され、この冷温水循環回路と複数の前記除湿用空気熱交換器が並列接続されると共に、上記冷温水循環回路を構成する各輻射冷暖房用輻射パネルと各除湿用空気熱交換器とを同一の空調空間に個別に配置することもできる。
また、本発明の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機を採用することにより、冷温水システムによる空調と輻射空調の併用が可能であり、新規建物だけでなく既存の建物にも容易に輻射空調を導入することができる。
本発明は、輻射パネルの冷熱源として水を使用するものであり、ヒートポンプの熱効率が向上するので、輻射パネルユニット及び空調機全体がコンパクトになり、省エネ及び省資源化に貢献できる。また、輻射パネルを個別分散した輻射空調が可能になる。しかも、水は熱容量が大きいので、負荷の変動に対し熱変動の小さい輻射空調が達成でき、かつ、輻射パネルを追加する場合にも、冷媒方式の輻射パネルに比較して柔軟に対応できる。また、輻射パネルを追加して設置する際の施工時に冷媒の漏洩の虞れがなく、地球環境に対して優しいシステムといえる。
請求項5に係る発明によれば、輻射空調に加えて、排気用及び給気用空気熱交換器の組合せからなる両熱交換器を外気処理機として動作させることができる。また、排気用空気熱交換器側で室内空気を熱源としてその熱の回収を給気用空気熱交換器側で行うので、冷暖房時のエネルギーロスが少なくなる。
また、請求項6に係る発明によれば、輻射パネルと除湿器として機能する空気熱交換器を個別分散したものであり、対をなす輻射パネル及び除湿用空気熱交換器を容易に増設でき、空調空間毎に輻射空調と除湿処理をきめ細かく行うことができる。
(第一の実施の形態)
図1は、本発明の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機の基本的な回路図である。図1中の符号Aは上記輻射パネル用空調機である。空調機Aの冷媒回路1は、圧縮機2、四方弁3、第一水熱交換器4、減圧弁5、第二水熱交換器6、更に四方弁3、アキュムレータ7及び圧縮機2の順に冷媒が循環する。圧縮機2としては、定速型圧縮機でもインバータ方式等の可変型圧縮機のいずれであってもよい。
また、第一水循環回路8が、第一水熱交換器4、温水ボイラ9、クーリングタワー10及び第一循環ポンプ11から形成され、第二水循環回路(冷温水循環回路)12が、第二水熱交換器6、輻射冷暖房用輻射パネル13及び第二循環ポンプ14から形成される。第一水循環回路8を形成する構成要素9〜11の接続順序は任意であり、三方弁等の切替弁を介して温水ボイラ9とクーリングタワー10を並列接続することが好ましい。第二水循環回路12の第二循環ポンプ14は往水管又は還水管のいずれに接続されていてもよい。第一水熱交換器4及び第二水熱交換器6は水−冷媒式熱交換器であり、水熱交換器4,6の内部に冷媒回路1を構成するパイプが配管接続されていて、空調機Aの運転時に冷媒の潜熱と循環水とが熱交換する。
上記輻射パネル13は、第二水循環回路12に対して、ユニット化された複数のパネルを直列接続又は並列接続してもよい。更に、図8に示す冷凍機aを第一水熱交換器4及び第二水熱交換器6に置き換えて、図8に示す1つ又は複数のファンコイルユニット群を空調機Aに併設することができる。その場合、温水ボイラは、冷温水循環回路(図8)又は第一水循環回路8(図1)のいずれに接続していてもよい。
利用側の第二水循環回路12には、サーミスタ等で構成される水温センサ15−1が取り付けられている。即ち、水温センサ15−1は、輻射パネル13の入口側水配管(往水管)又は出口側水配管(還水管)のいずれに取り付けてもよい。水温センサ15−1で検知された水温は、空調機Aのコントローラ16に記憶させている設定温度と比較される。また、圧縮機2の制御と共に、第二循環ポンプ14として可変型ポンプを用いて冷温水の循環流量を増減させることもできる。
本発明においては、室内空気の温度を検知する室温センサ15−2を更に設置して、上記水温センサ15−1との併用により、圧縮機2の発停又はその回転数を制御する。即ち、水温センサ15−1で検知された水温及び室温センサ15−2で検知された室温とそれぞれの設定温度とを比較して、冷房時の室温及び水温が共に各設定温度より高い場合、また、暖房時の室温及び水温が共に各設定温度より低い場合に、コントローラ16を介して定速型圧縮機を稼働させるかあるいは可変型圧縮機の回転数を高める。室温センサ15−2は、輻射パネル13からの輻射熱など、熱的影響をさほど受けない空調室内の壁面等に設置され、空調機として後述の除湿用空気熱交換器やファンコイル等が設けられる場合には、これらに付属する送風機の吸込み経路に配設することもできる。
冷房運転時には、四方弁3が実線で示すように切り替えられていて、第一水熱交換器4内部の冷媒配管は凝縮器として機能し、第二水熱交換器6内部の冷媒配管は蒸発器として機能する。また、冷房時には温水ボイラ9の運転は休止していて、第一水循環回路8の第一水熱交換器4内部を冷媒が通過する際に、冷媒は循環水と熱交換して凝縮し、循環水が例えば37℃程度に加温される。加温された循環水は、クーリングタワー10で例えば32℃程度に冷却される。
一方、第二水循環回路12の第二水熱交換器6内部を冷媒が通過する際に、冷媒は循環水と熱交換して蒸発し、循環水は冷却されて例えば16℃程度の冷水となる。冷水は、室内に設置された冷房輻射パネル13で加温される。冷水が輻射パネル13内を通過する時の水温は、第二水循環回路12に設けられた水温センサ15-1で検知される。また、室温が室温センサ15-2で検知され、センサ15-1,15-2で検知された水温及び室温は前記設定温度と比較される。冷房負荷が大きく、水温センサ15-1で検知された水温が設定温度(例えば18℃)より高く、かつ、室温センサ15-2で検知された室温が設定温度より高いときは、例えば輻射パネル13出口の水温が16℃程度に低下するまで、コントローラ16からの出力信号により定速型圧縮機を稼働させるか、あるいは容量可変型圧縮機を高速回転させる。なお、例えば輻射パネル13出口の水温が16〜18℃の範囲にあるときは、圧縮機2の運転を停止するか又は低速回転させる。
また、第二水熱交換器6内部を冷媒が通過する際に、冷媒は循環水と熱交換して凝縮し、これにより加熱される循環水は例えば38℃程度の温水となる。暖房輻射パネル13内を通過する温水は、室内を加温しながら室内空気によって冷却され、その水温が前記水温センサ15-1で検知される。また、室温が室温センサ15-2で検知され、センサ15-1,15-2で検知された水温及び室温は、コントローラ16に記憶された設定温度と比較される。暖房負荷が大きく、水温センサ15-1で検知された水温が設定温度(例えば36℃)より低く、かつ、室温センサ15-2で検知された室温が設定温度より低いときは、例えば輻射パネル13出口の水温が39℃程度に上昇するまで、コントローラ16からの出力信号により定速型圧縮機を運転させるか、あるいは容量可変型圧縮機を高速回転させる。なお、例えば輻射パネル13出口の水温が36〜39℃の範囲にあるときは、圧縮機2の運転を停止するか又は低速回転させる。
ここで、容量可変型圧縮機としてインバータ方式の圧縮機2を採用することにより、第二水熱交換器6からの送水温度をよりきめ細かく制御することができる。また、冷暖房負荷の増大、例えば空調すべき居室の増設等で圧縮機2の能力の増強が必要になったときなど、空調機を新たに追加することなく素早く対応できる。
図2は、本発明の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機の第一変形例の回路図である。なお、図1に示す構成部材と同様の構成部材には図2以降の図面にも同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
図2に示す空調機Bは、前記空調機Aにおいて、除湿機能を持たせるために、第二水熱交換器6と四方弁3の間の冷媒配管に除湿用空気熱交換器17を接続すると共に、空気熱交換器17に室内空気を送風する除湿用ファン18を追加したものである。空調機Bによれば、空気熱交換器17で室内空気を冷却して、輻射パネル13で処理できない潜熱負荷の処理を可能にするものである。
輻射パネル13と除湿用空気熱交換器17とを備えた空調機Bでは、冷房開始時に室内空気が所定の温度に低下するまで強制対流により室内を冷房し、その後空気熱交換器17による弱冷房と輻射パネル13による輻射冷房を組み合わせることが好ましい。
空調機Bの暖房運転時には、除湿用ファン18の駆動を停止して空気熱交換器17での室内空気との熱交換を行わない。暖房時にも冷媒は空気熱交換器17内を流れるので、必要に応じて、三方弁又は電磁開閉弁及び逆止弁を接続したバイパス回路を設けて、空気熱交換器17をバイパスするようにしてもよい。
図3は、本発明の輻射パネル用空調機の第二変形例の回路図である。図3に示す空調機Cは、前記空調機Bにおいて、吹出温度の低下を防止するために、四方弁3と第一水熱交換器4の間の冷媒配管に再熱用空気熱交換器19を接続したものである。
空調機Cの冷房運転時には、冷媒は、圧縮機2から四方弁3を通り、空気熱交換器19及び第一水熱交換器4で凝縮し、減圧弁5を経て減圧され、第二水熱交換器6及び除湿用空気熱交換器17で蒸発し、四方弁3及びアキュムレータ7を経由して圧縮機2に戻り、冷媒回路1を循環する。この間、室内空気は、空調機Bと同様に、除湿用空気熱交換器17で冷却されて冷房に供され、その露点温度が空気熱交換器17内の冷媒の蒸発温度以上のときは除湿される。更に、冷却・除湿された室内空気は、除湿用ファン18によって再熱用空気熱交換器19に送風され、冷媒と熱交換して再熱された後、空調機Cの吹出口から室内に送風される。
空調機Cの暖房運転時には、除湿用ファン18の駆動を停止して空気熱交換器17及び空気熱交換器19での室内空気との熱交換を行わない。暖房時でも冷媒は空気熱交換器17,19内を流れるので、必要に応じて、三方弁又は電磁開閉弁及び逆止弁を接続したバイパス回路を設けてもよい。
上述の空調機Cは、冷却・除湿機能と再熱機能を備えているので、例えば梅雨時に除湿運転のみを行うことができる。
図4は、本発明の輻射パネル用空調機の第三変形例の回路図である。図4に示す空調機Dは、前記空調機Bにおいて、第一水熱交換器4及び減圧弁5の間の冷媒配管と四方弁3及びアキュムレータ7の間の冷媒配管とをバイパス管20で接続し、バイパス管20に電磁開閉弁21及び副減圧弁22を接続したものである。
空調機Dの冷暖房運転は、空調機Bと同様に行われる。ただし、空調機Dは、前記空調機Cの再熱用空気熱交換器19に代えてバイパス管20を設けたものであり、冷房時に前記水温センサ15-1で検知された水温が設定温度、例えば16℃より低いときに電磁開閉弁21を開弁させる。また、室温センサ15-2で検知された室温が設定温度より低いときに、あるいは、センサ15-1,15-2で検知された水温及び室温が共に設定温度より低いときに、電磁開閉弁21を開弁させてもよい。電磁開閉弁21が開弁すると、除湿用空気熱交換器17に流れる冷媒量が減少し、空気熱交換器17内の冷媒の蒸発温度が上昇する。従って、空調機Dは、空気熱交換器17による弱冷房運転を行いながら、室内空気の除湿処理を行うことができる。
図5は、本発明の輻射パネル用空調機の第四変形例の回路図である。図5に示す空調機Eは、図1に示す空調機Aにおいて、外気処理機能を持たせるために、四方弁3及び第一水熱交換器4と第二水熱交換器6及び四方弁3との間の冷媒配管に、それぞれ排気用空気熱交換器23及び給気用空気熱交換器24を接続すると共に、排気ファン25及び給気ファン26をそれぞれ排気用空気熱交換器23及び給気用空気熱交換器24に追加したものである。
空調機Eの冷房運転時には、四方弁3が実線で示すように切り替えられていて、排気用空気熱交換器23は凝縮器として機能し、給気用空気熱交換器24は蒸発器として機能する。そして、給気ファン26によって室内に導入される外気を給気用熱交換器24で熱交換して冷房・除湿に供すると同時に、室内空気を排気ファン25によって排気用熱交換器23で熱交換して室外に排出する。
空調機Eの暖房運転時には、四方弁3が破線で示すように切り替えられ、給気用空気熱交換器24は凝縮器として機能し、排気用空気熱交換器23は蒸発器として機能する。そして、給気ファン26によって室内に導入される外気を給気用熱交換器24で熱交換して暖房に供すると同時に、室内空気を排気ファン25によって排気用熱交換器23で熱交換して室外に排出する。
また、空調機Eによれば、冷房時には室外空気ではなく冷却された室内空気により排気用空気熱交換器23で熱交換されるものであるから、凝縮温度が低下し、給気用熱交換器24の冷房性能が向上する。一方、暖房時には室外空気ではなく暖かい室内空気が排気用空気熱交換器23で熱交換されるものであるから、給気用熱交換器24の暖房性能が向上する。従って、排気用空気熱交換器23側で室内空気を熱源とし、その熱源を給気用空気熱交換器側で回収するので、空調機E全体のエネルギーロスが少なくなる。
図6は、本発明の輻射パネル用空調機の第五変形例の回路図である。図6に示す空調機Fは、図2に示す空調機Bにおいて、各部屋毎に冷暖房及び除湿処理が行えるよう、輻射パネル13及び除湿用空気熱交換器17を互いに並列に接続した輻射パネル用空調機の回路図である。
空調機Fは、第二水熱交換器6に第二水循環回路12a〜12cが併設され、水循環回路12a〜12cにはそれぞれ冷暖房用輻射パネル13a〜13c及び第二循環ポンプ14a〜14cが接続されると共に、各水循環回路12a〜12cに水温センサ15-1a〜15-1cが取り付けられている。また、第二水熱交換器6と四方弁3の間の冷媒配管に除湿用空気熱交換器17a〜17cが並列に接続し、この並列回路と上記冷媒配管との接続部に三方弁27a,27bを接続して空気熱交換器17a〜17cをバイパスできるようなっている。各空気熱交換器17a〜17cには、室内空気を送風する送風機18a〜18cが付設されており、各熱交換器17a〜17cの入口に接続する冷媒配管に電磁弁28a〜28cが介装されている。更に、各部屋毎に又は各送風機18a〜18cの吸込み経路に室温センサ15-2a〜15-2cが設置されている。
このような空調機Fは、輻射パネル13aと送風機18a及び除湿用空気熱交換器17aとが1つの部屋に設置され、同様に、輻射パネル13b,…と送風機18b,…及び除湿用空気熱交換器17b,…とが別の1つ又は複数の部屋に設置される。
空調機Fの暖房運転時には、空気熱交換器17a〜17cを利用しないので、圧縮機2により加圧された冷媒は四方弁3を通過して三方弁27bから直接三方弁27aに流れ、第二水熱交換器6で凝縮される。そして、前記空調機Bと同様にして、第二循環ポンプ14a,14b,…の駆動による1つ又は複数の部屋の輻射暖房が行われる。
本発明において、図3に示す再熱用空気熱交換器19を前記除湿用空気熱交換器17a〜17cと同様に並列接続し、複数の各再熱用空気熱交換器を個別の部屋に設置して、前記空調機Fと組み合わせることにより、各部屋毎に吹出温度の低下を防止してもよい。同様に、図5に示す排気用空気熱交換器23及び給気用熱交換器24をそれぞれ並列接続し、これらの各排気用及び給気用空気熱交換器を個別の部屋に設置して、各部屋毎に外気処理を行えるようにしてもよい。
図7は、本発明の輻射パネル用空調機の第六変形例の回路図である。図7に示す空調機Gは、図1に示す水熱源ヒートポンプ式空調機Aを複数並列に接続して、第一水熱交換器4の水配管系を統合したものである。
具体的には、符号30は図1に示す冷媒回路1からなる水熱源ヒートポンプであり、第二水熱交換器6と四方弁3の間の冷媒配管に冷暖房用空気熱交換器(図示せず)が接続されている。ヒートポンプ30-1a,30-1b,…,30-1n;30-2a,30-2b,…,30-2nの各々には、第二水熱交換器6、輻射冷暖房用輻射パネル13-1a〜13-1n;13-2a〜13-2n及び第二循環ポンプ14-1a〜14-1n;14-2a〜14-2nからなる第二水循環回路12-1a〜12-1n;12-2a〜12-2nが形成されている(便宜上、図7にはヒートポンプ30-1n,30-2nにしか図示していない)。
一方、ヒートポンプ群30-1a〜30-1n及びヒートポンプ群30-2a〜30-2nの第一水熱交換器4は並列接続していて、これらの第一水熱交換器4の水配管系は1つの第一水循環回路31に統合されている。第一水循環回路31には、クーリングタワー32、温水ボイラ33及び第一循環ポンプ34が接続している。更に、第一水循環回路31には、クーリングタワー32をバイパスする第一バイパス管35、及び温水ボイラ33をバイパスする第二バイパス管36が接続している。第一バイパス管35及び第二バイパス管36と第一水循環回路31の接続部には、それぞれ第一の三方弁37及び第二の三方弁38が接続している。第一水循環回路31内の循環水は、冷房時にクーリングタワー32により約32℃に冷却され、暖房時に温水ボイラ33により約25℃に加熱される。
以上のような水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機Gは、冷房と暖房の切り替えが個別に行える。特に、中間期等に冷房及び暖房運転の空調機が混在すると、水熱源の第一水熱交換器4に接続するクーリングタワー32又は温水ボイラ33の負荷が軽減され、空調機の省エネ運転が可能となる。しかも、水熱源の冷温水の配管系及び空調機の制御系が統一されているので、従来の冷温水システムと異なって、輻射空調を行うための別系統の配管を敷設する必要がなく、輻射冷暖房用輻射パネル13を比較的簡単に付設ないしは増設できる。また、ヒートポンプ30の利用側水熱交換器である各第二水熱交換器6に輻射パネル13が個別に配管接続されるため、輻射パネル13を追加する場合、冷媒方式の輻射パネルに比較して柔軟に対応できる。
空調機Gにおいて、各ヒートポンプ30の冷媒回路1中に、図2に示す除湿用空気熱交換器17を介在させてもよい。あるいは、上記冷暖房用空気熱交換器を除湿用空気熱交換器として利用することもできる。更に上記除湿用空気熱交換器17に加えて、図3に示す再熱用空気熱交換器19、図4に示すバイパス管20、又は図5に示す排気用空気熱交換器23及び給気用熱交換器24を冷媒回路1中に介在させることもできる。
Claims (6)
- 圧縮機として定速型圧縮機又は可変型圧縮機を用い、圧縮機、四方弁、第一水熱交換器、減圧弁、第二水熱交換器、四方弁及び圧縮機の順に冷媒が循環する冷媒回路と、第二水熱交換器に輻射冷暖房用輻射パネル及び循環ポンプが接続された冷温水循環回路とからなり、室内空気の温度を検知する室温センサ及び冷温水循環回路を循環する冷温水の温度を検知する水温センサがそれぞれ設けられ、室温センサで検知された室温及び水温センサで検知された水温とそれぞれの設定温度とを比較して、冷房時の室温及び水温が共に各設定温度より高い場合、また、暖房時の室温及び水温が共に各設定温度より低い場合に、定速型圧縮機を稼働させるかあるいは可変型圧縮機の回転数を高め、且つ、輻射冷暖房用輻射パネルの水温が、冷房時の設定温度の場合、又は、暖房時の設定温度の場合には、定速型圧縮機を停止させるかあるいは可変型圧縮機の回転数を上記回転数よりも低めることを特徴とする水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機。
- 前記第二水熱交換器と四方弁の間の冷媒配管に、除湿用空気熱交換器が接続されていることを特徴とする請求項1記載の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機。
- 前記四方弁と第一水熱交換器の間の冷媒配管に、再熱用空気熱交換器が接続されていることを特徴とする請求項2記載の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機。
- 前記第一水熱交換器及び減圧弁の間の冷媒配管と四方弁及び吸入側の圧縮機の間の冷媒配管とをバイパス管で接続し、バイパス管に開閉弁及び副減圧弁が接続されていることを特徴とする請求項2記載の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機。
- 前記四方弁と第一水熱交換器の間の冷媒配管に排気用空気熱交換器が接続され、前記第二水熱交換器と四方弁の間の冷媒配管に給気用空気熱交換器が接続されると共に、室内空気を排気用空気熱交換器と熱交換させて排出すると同時に、外気を給気用空気熱交換器と熱交換させて室内に導入することを特徴とする請求項1記載の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機。
- 前記第二水熱交換器に複数の冷温水循環回路が接続され、複数の前記除湿用空気熱交換器が並列接続されると共に、上記冷温水循環回路を構成する各輻射冷暖房用輻射パネルと各除湿用空気熱交換器とが同一の空調空間に個別に配置されていることを特徴とする請求項2記載の水熱源ヒートポンプ式輻射パネル用空調機。
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