JP4519458B2 - 微粉末製造装置の回収管構造 - Google Patents

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本発明は、農産物や鉱物等の各種原料を微粉砕し気流分級して微粉末を製造するために用いられる気流分級式の微粉末製造装置の回収管構造に関するものである。
従来、農産物や鉱物等の各種原料を微粉砕し気流分級して微粉末を製造するために気流分級式の微粉末製造装置が用いられるている。
この気流分級式の微粉末製造装置は、例えば、図4及び図5に示すように、原料Mを微粉砕し気流分級する気流分級式の微粉砕機1と、微粉砕された微粉末を空気と共に吸引して微粉砕機1から排出させる吸引ファン2と、微粉砕機1の排出口31と吸引ファン2の吸込口32を接続する回収管3と、吸引ファン2から送られた気流中の微粉末を捕集するバグフィルタを内蔵する回収ホッパー4と、吸引ファン2と回収ホッパー4を接続する輸送管5とで構成されている(非特許文献1参照)。
微粉砕機1は、ケーシング10が投入側ケーシング13と、センターケーシング14と排出側ケーシング15とで構成されており、このケーシング10の内部には、投入側ケーシング13を貫通するシャフト16の前端(図上、左端)に、第一回転翼11と第二回転翼12とが所定距離互いに離隔した状態で取付けられている。シャフト16はフレーム17にベアリング18を介して回転自在に支持されており、モータ23によって回転が与えられる。
センターケーシング14は円筒形で、第一回転翼11と投入側ケーシング13との間に旋回領域、第一回転翼11と第二回転翼12の間に粉砕領域が形成されている。
投入側ケーシング13には、シャフト16に対して垂直な方向に原料Mを投入する原料投入口19が設けられており、後方に向けて径が漸減するテーパー壁20に原料供給口21が開口している。
排出側ケーシング15は、前方に向けて径が漸減するテーパー壁22を有しており、前端部には排出口31が開口している。
第一回転翼11と第二回転翼12は、ボス25、26の周囲に複数個の羽根27、28が放射状に設けられており、シャフト16の回転によって回転しケーシング10内に旋回する気流を生じさせる。なお、第一回転翼11の羽根27は、原料を旋回領域から粉砕領域へ導入しやすくするために、旋回のみでなく前方への推力も与える気流を生じさせる形状となっている。
第二回転翼12には、羽根28の先端部に排出側ケーシング15のテーパー壁22に対向する傾斜面29が設けられており、第二回転翼12と排出側ケーシング15との間およびその前方のテーパー壁22に沿って分級領域が形成されている。
原料投入口19から投入された原料Mは、原料供給口21を通ってセンターケーシング14内に入り、まず第一回転翼11の後方の旋回領域で旋回する気流によって旋回し、遠心力により半径方向外側に向かう流れが与えられる。また、吸引ファン2によって排出口31側へ吸引され、旋回領域と粉砕領域との間には差圧が生じる。
この差圧と第一回転翼11で生じる気流の前方への推力によって、原料は第一回転翼11の羽根27の間を通って粉砕領域に入り、旋回気流によって旋回する。ここで原料Mは粒子径の大きなもの程大きい遠心力が作用して周速の速い半径方向外周側に集まり、主として粒子同士の摩砕により、また粒子同士の衝突による破砕も生じて粉砕される。
粉砕された原料Mのなかで粒子径が小さく質量の小さい粒子ほど圧力の低い第二回転翼12の回転中心近傍に集まり、回収微粉末Pとして吸引ファン2で吸引され、排出口31から空気とともに排出される。この回収微粉末Pは、空気とともに回収管3を通って吸引ファン2に入り、輸送管5を経て回収ホッパー4まで輸送され、回収ホッパー4内のバクフィルタで空気と分離されて微粉末製品として回収される。
粒子径が大きく質量の大きい粒子は、吸引された空気に随伴せず、テーパー壁22に沿った分級領域の外周部に生じる後方への戻り気流によって粉砕領域に戻る。
なお、気流分級式の微粉末製造装置には、上記のように気流粉砕し気流分級を行う微粉砕機でなく、衝撃粉砕と気流粉砕とを組み合わせて粉砕し気流分級を行う微粉砕機を用いるものもある。また、衝撃粉砕と気流分級を行うことも可能である。
従来の気流分級式の微粉末製造装置では、微粉砕機1の排出口31と回収管3とは、気密に接続されており、このため、回収管3内の流速がそのまま微粉砕機1における微粉末の回収速度となっていた。
従って、微粉末の回収速度に合わせて設定される回収管3内の流速が遅すぎる場合、微粉末の粒径が極めて小さいくなるとファンデルワールス力による吸着が生じ、あるいは回収管3に回収微粉末Pとの摩擦によって静電気が発生することもあり、回収微粉末Pが回収管3に付着してしまうという問題があった。
これに対し、回収管3内の流速を速くすることで回収微粉末Pの付着を抑制することも考えられるが、回収管3内の流速、即ち微粉末の回収速度は、回収微粉末Pの分級粒度と密接に関連しているため、付着防止のために単純に回収管3内の流速を速くすることはできない。
戸田泰寛,外4名,「遠心力場での同体摩擦粉砕システム(PNUT MILL)の開発とその特性について」,社団法人資源・素材学会平成元年度春季大会研究・業績発表講演会講演要旨集,1989年3月30日,p.433−434
本発明は、従来の気流分級式の微粉末製造装置における上記問題を解決するものであって、分級粒度を制御しながら回収管内の流速を速くして、微粉末の回収管への付着を大幅に減少させることのできる微粉末製造装置の回収管構造を提供することを目的とする。
本発明では、原料を微粉砕し気流分級する微粉砕機と微粉末を空気と共に吸引して微粉砕機から排出させる吸引ファンと、微粉砕機の排出口と吸引ファンの吸込口を接続する回収管とを備えた気流分級式の微粉末製造装置において、微粉砕機の排出口と回収管の間または二つの回収管同士の間で形成した隙間によって外気を回収管内へ導入すことにより上記課題を解決している。
本発明の微粉末製造装置の回収管構造によれば、微粉末を空気と共に微粉砕機から吸引するとき、吸引ファンは上記隙間から回収管内へ外気を導入することができる。このため、分級粒度との関係から微粉末の回収速度を遅くしなければならない場合でも、吸引ファンの回転数を上げてこの隙間から外気を取り入れることで、回収管側の流速は速くすることができる。
また、隙間から回収管内へ外気を導入することで、微粉砕機から吸引された回収微粉末は回収管の中央部側へ集められるため、回収管と回収微粉末の摩擦が減少し静電気の発生も抑制される。
従って、微粉末の回収管への付着を大幅に減少させることができる。
微粉砕機の排出口と吸引ファンの吸込口との間に外気を回収管内へ導入する隙間を気流方向に複数段配設し、一段目の隙間は外気を回収管の中心に向けて導入し、二段目以降の隙間は外気を回収管の内壁に沿う方向に向けて導入するように形成すると、一段目の隙間から導入される外気が、分級領域の付近で遠心力によって外周部に分布する傾向の強い微粉末を回収管の中心付近に集め、微粉末と回収管内壁の距離を保って微粉末の付着を防止すると共に、分級領域と回収管内の気流の状態を分断することで分級領域における分級作用を安定させる。また、二段目以降の隙間から導入される外気は、回収管の下流側で微粉末が外周部へ拡散し回収管内壁と接触するのを抑制して微粉末の付着を防止する。
隙間の配置段数や間隔は、回収管の長さや付着の状態に応じて適宜設定することができる。
外気を回収管内へ隙間に、隙間の大きさを調整する調整機構を設けると、回収微粉末の粒度調整のための微粉末の回収速度の変更に対応して、外気の導入量を容易に制御することができるようになる。
本発明の微粉末製造装置の回収管構造によれば、分級粒度を調整しながら回収管内の流速を速くして、微粉末の回収管への付着を大幅に減少させることができる。
図1は本発明の実施の一形態を示す気流分級式の微粉末製造装置の要部の縦断面図である。
この気流分級式の微粉末製造装置の基本的な構成は、図4の微粉末製造装置と同様であって、原料Mを微粉砕し気流分級する気流分級式の微粉砕機1と、微粉砕された微粉末を空気と共に吸引して微粉砕機1から排出させる吸引ファン2と、微粉砕機1の排出口31と吸引ファン2の吸込口32を接続する回収管3と、吸引ファン2から送られた気流中の微粉末を捕集するバグフィルタを内蔵する回収ホッパー(図示略)と、吸引ファン2と回収ホッパー4を接続する輸送管5とで構成されている。
微粉砕機1は、ケーシング10が投入側ケーシング13と、センターケーシング14と排出側ケーシング15とで構成されており、このケーシング10の内部には、投入側ケーシング13を貫通するシャフト16の前端(図上、左端)に、第一回転翼11と第二回転翼12とが所定距離互いに離隔した状態で取付けられている。シャフト16はフレーム17にベアリング18を介して回転自在に支持されており、モータ(図示略)によって回転が与えられる。
センターケーシング14は円筒形で、第一回転翼11と投入側ケーシング13との間に旋回領域、第一回転翼11と第二回転翼12の間に粉砕領域が形成されている。
投入側ケーシング13には、シャフト16に対して垂直な方向に原料Mを投入する原料投入口19が設けられており、後方に向けて径が漸減するテーパー壁20に原料供給口21が開口している。
排出側ケーシング15は、前方に向けて径が漸減するテーパー壁22を有しており、前端部には排出口31が開口している。
第一回転翼11と第二回転翼12は、ボス25、26の周囲に複数個の羽根27、28が放射状に設けられており、シャフト16の回転によって回転しケーシング10内に旋回する気流を生じさせる。なお、第一回転翼11の羽根27は、原料を旋回領域から粉砕領域へ導入しやすくするために、旋回のみでなく前方への推力も与える気流を生じさせる形状となっている。
第二回転翼12には、羽根28の先端部に排出側ケーシング15のテーパー壁22に対向する傾斜面29が設けられており、第二回転翼12と排出側ケーシング15との間およびその前方のテーパー壁22に沿って分級領域が形成されている。
なお、原料供給口21と第一回転翼11の間や、第一回転翼11と第二回転翼12との間には、必要に応じて補助的な回転翼を設けることも可能である。
原料投入口19から投入された原料Mは、原料供給口21を通ってセンターケーシング14内に入り、まず第一回転翼11の後方の旋回領域で旋回する気流によって旋回し、遠心力により半径方向外側に向かう流れが与えられる。また、吸引ファン2によって排出口31側へ吸引され、旋回領域と粉砕領域との間には差圧が生じる。
この差圧と第一回転翼11で生じる気流の前方への推力によって、原料は第一回転翼11の羽根27の間を通って粉砕領域に入り、旋回気流によって旋回する。ここで原料Mは粒子径の大きなもの程大きい遠心力が作用して周速の速い半径方向外周側に集まり、主として粒子同士の摩砕により、また粒子同士の衝突による破砕も生じて粉砕される。
このとき、第二回転翼12は、粉砕領域の原料の分級領域への移動をブロックする。このブロック作用は、第二回転翼12の表面に形成される気流のカーテンによって発生するので、粉砕は粒子同士の同体粉砕作用によって行われ、原料に熱変性は生じない。
粉砕された原料Mのなかで粒子径が小さく質量の小さい粒子ほど圧力の低い第二回転翼12の回転中心近傍に集まり、回収微粉末Pとして吸引ファン2で吸引され、排出口31から空気とともに排出される。この回収微粉末Pは、空気とともに回収管3を通って吸引ファン2に入り、輸送管5を経て回収ホッパーまで輸送され、回収ホッパー内のバクフィルタで空気と分離されて微粉末製品として回収される。
粒子径が大きく質量の大きい粒子は、吸引された空気に随伴せず、テーパー壁22に沿った分級領域の外周部に生じる後方への戻り気流によって粉砕領域に戻る。
この微粉末製造装置において、回収管3は、微粉砕機1の排出口31側の内筒33と吸引ファン2の吸込口32側の外筒34とで構成されており、回収管3内に外気を導入するため、排出口31と内筒33との間に一段目の隙間35、内筒33と外筒34との間に二段目の隙間36が設けられている。
ここで、一段目の隙間35は、外気を回収管3の中心に向けて導入するよう、回収管3の周壁に垂直な方向に形成されており、二段目の隙間36は外気を回収管の内壁に沿う方向に向けて導入するよう回収管3の周壁に平行な方向に形成されている。
これにより、一段目の隙間35から導入される外気が、分級領域の付近で遠心力によって外周部に分布する傾向の強い微粉末を回収管3の中心付近に集め、微粉末と回収管3内壁の距離を保って微粉末の付着を防止すると共に、分級領域と回収管3内の気流の状態を分断することで分級領域における分級作用を安定させる。
また、二段目の隙間36から導入される外気は、回収管3の下流側で回収微粉末Pが外周部へ拡散し回収管3内壁と接触するのを抑制して回収微粉末Pの付着を防止する。
排出口31と内筒33との間の隙間35には隙間調整用のシム37が装着されている。隙間35の大きさは、内筒33をスライドさせ、厚さの異なる隙間調整用のシム37を装着することで容易に調整することができる。
この回収管3の構造により、微粉末を空気と共に微粉砕機1から吸引するとき、吸引ファン2は隙間35、36から外気を導入することができる。
そして、分級粒度との関係から微粉末の回収速度を遅くしなければならない場合でも、隙間35の大きさを調整すると共に吸引ファン2の回転数を上げて隙間35、36から外気を導入することで、適切な回収速度を維持しつつ回収管3側の流速は速くすることができる。
また、隙間35から外気を取り入れることで、微粉砕機1から吸引された回収微粉末Pは回収管3の中央部側へ集められるため、回収管3と回収微粉末Pの摩擦が減少し静電気の発生も抑制される。
従って、微粉末の回収管3への付着を大幅に減少させることができる。
図2は本発明の他の実施の形態を示す気流分級式の微粉末製造装置の要部の縦断面図である。
この微粉末製造装置の回収管3では、二段目の隙間36に、隙間調整用のスリーブ38が設けられている。スリーブ38は断面テーパー状であり、内筒33に沿ってスライドさせることで隙間36の大きさを容易に調整することができる。その他の構成は図1のものと同様である。
この回収管3の構造により、微粉末を空気と共に微粉砕機1から吸引するとき、一段目の隙間35だけでなく、二段目の隙間36から導入される外気の量も調整可能となり、回収管3内の気流をより適切に制御でき、微粉末の回収管3への付着を効果的に減少させることができる。
図3は本発明のさらに他の実施の形態を示す気流分級式の微粉末製造装置の要部の縦断面図である。
この微粉末製造装置の回収管3は、微粉砕機1の排出口31側の内筒33と吸引ファン2の吸込口32側の外筒34との間に中間筒39が設けられており、中間筒39と外筒34との間に三段目の隙間40が設けられている。三段目の隙間40も外気を回収管の内壁に沿う方向に向けて導入するよう回収管3の周壁に平行な方向に形成されている。
三段目の隙間40にも隙間調整用のスリーブ41が設けられており、隙間40の大きさは、スリーブ41を中間筒39に沿ってスライドさせることで容易に調整することができる。その他の構成は図2のものと同様である。
なお、中間筒39は、吸引ファン2側からジョイント42で支持されているが、支柱等を設けて下方から支持するように構成してもよい。
この回収管3の構造により、微粉末を空気と共に微粉砕機1から吸引するとき、一段目の隙間35、二段目の隙間36に加えて、さらに下流側の三段目の隙間40からも外気を導入でき、且つ導入される外気の量も調整可能となる。上流側で導入された外気の流速は下流側へ進むにつれて低下し、付着防止効果が低下するが、この回収管3では下流側でも外気が導入されるので、微粉末の回収管3への付着をさらに効果的に減少させることができる。
本発明の実施の一形態を示す気流分級式の微粉末製造装置の要部の縦断面図である。 本発明の他の実施の形態を示す気流分級式の微粉末製造装置の要部の縦断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態を示す気流分級式の微粉末製造装置の要部の縦断面図である。 従来の気流分級式の微粉末製造装置の構成図である。 従来の気流分級式の微粉末製造装置の要部の縦断面図である。
符号の説明
1 微粉砕機
2 吸引ファン
3 回収管
5 輸送管
10 ケーシング
11 第一回転翼
12 第二回転翼
13 投入側ケーシング
14 センターケーシング
15 排出側ケーシング
16 シャフト
17 フレーム
18 ベアリング
19 原料投入口
20 テーパー壁
21 原料供給口
22 テーパー壁
25、26 ボス
27、28 羽根
29 傾斜面
31 排出口
32 吸込口
33 内筒
34 外筒
35 隙間
36 隙間
37 シム
38 スリーブ
39 中間筒
40 隙間
41 スリーブ
M 原料
P 回収微粉末

Claims (3)

  1. 原料を微粉砕し気流分級する微粉砕機と、微粉末を空気と共に吸引して微粉砕機から排出させる吸引ファンと、微粉砕機の排出口と吸引ファンの吸込口を接続する回収管とを備えた気流分級式の微粉末製造装置において、
    微粉砕機の排出口と回収管の間または二つの回収管同士の間で形成した隙間によって外気を回収管内へ導入すことを特徴とする微粉末製造装置の回収管構造。
  2. 微粉砕機の排出口と吸引ファンの吸込口との間に外気を回収管内へ導入する隙間を気流方向に複数段配設し、一段目の隙間は外気を回収管の中心に向けて導入し、二段目以降の隙間は外気を回収管の内壁に沿う方向に向けて導入するように形成したことを特徴とする請求項1記載の微粉末製造装置の回収管構造。
  3. 外気を回収管内へ導入する隙間に、隙間の大きさを調整する調整機構を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微粉末製造装置の回収管構造。
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