上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の画像処理装置は、外部記憶部を着脱可能な接続部と、内部記憶部とを備え、前記接続部に接続された前記外部記憶部に記憶された画像データを前記内部記憶部に展開して画像処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段による画像処理に必要とされる記憶容量が、前記内部記憶部における空き容量よりも大きいことを検出する検出手段と、前記検出手段により画像処理に必要とされる記憶容量が前記内部記憶部における空き容量よりも大きいことが検出された場合に、前記内部記憶部に記憶されたデータの少なくとも一部を退避データとして前記外部記憶部に移すデータ退避手段と、前記データ退避手段により前記外部記憶部に移された前記退避データの消去を抑制するための消去抑制手段と、前記内部記憶部に記憶されたデータのなかから前記退避データとするデータの種別を選択する退避データ選択手段と、を有し、前記データ退避手段は、前記退避データ選択手段により選択された種別のデータを前記退避データとして前記外部記憶部に移し、前記退避データ選択手段は、選択された種別のデータが前記退避データとして前記外部記憶部に移されることにより、前記画像処理手段による画像処理に必要とされる記憶容量が前記内部記憶部に確保できるか否かを判断する判断手段を備え、前記判断手段により前記画像処理手段による画像処理に必要とされる記憶容量が確保できないと判断された場合、前記画像処理手段による画像処理に必要とされる記憶容量が確保できると判断されるまで、前記内部記憶部に記憶されたデータのなかから前記退避データとするデータの種別を選択し直すことを特徴とする。
請求項1に記載の画像処理装置によれば、データを外部記憶部に退避させる際に、そのデータが消去されないような処理を施したうえで退避させるため、外部記憶部において退避データが誤って消去されてしまうことを防止できる。さらに、退避データの種別が予め指定されるので、退避に適したデータを退避させることができ、誤消去などが起こっても問題の発生する可能性を低減できる。さらにワークメモリが確保できるかの判断は、印刷しようとする画像データの印刷データへの展開時に必要とされるメモリ容量は予め推測できるため、その容量に基づいて、選択された種別のデータを退避することでワークメモリが確保できるかを判断できる。
本発明の請求項2に記載の画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置を前提として、前記消去抑制手段は、前記退避データに隠し属性を付与する隠し属性付与手段を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の画像処理装置によれば、退避データは隠し属性の状態で外部記憶部に記憶されるため、ユーザからはその退避データを確認することができず、消去されることが防止される。
本発明の請求項3に記載の画像処理装置は、請求項1又は2に記載の画像処理装置を前提として、前記消去抑制手段は、前記退避データに読取専用属性を付与する読取専用属性付与手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の画像処理装置によれば、退避データは読取専用属性の状態で外部記憶部に記憶されるため、ユーザからはその退避データを書き換えることができず、確実なデータ保存が行える。
本発明の請求項4に記載の画像処理装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置を前提として、前記消去抑制手段は、前記外部記憶部内に、前記退避データが格納されていることを示す名称を有するフォルダを作成するフォルダ作成手段と、前記フォルダ作成手段により作成されたフォルダの中に前記退避データを格納する格納手段とを備えることを特徴とする。
請求項4に記載の画像処理装置によれば、外部記憶部においてフォルダを専用に作成して、その専用フォルダに退避させるので、誤って退避データが消去されることが抑制される。
本発明の請求項5に記載の画像処理装置は、請求項4に記載の画像処理装置を前提として、前記消去抑制手段は、前記退避データが格納された前記フォルダの名称を、前記フォルダあるいはそのフォルダ内に記憶された前記退避データの消去を抑制する名称とする名称付与手段を備えることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の画像処理装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置を前提として、前記消去抑制手段は、前記外部記憶部内に複数のパーティションを作成するパーティション作成手段と、前記パーティション作成手段により作成されたひとつのパーティション内に前記退避データを格納し、前記退避データを格納したパーティションとは異なるパーティションに、前記外部記憶部に記憶された前記退避データ以外のデータを格納する分離格納手段とを備えることを特徴とする。
請求項6に記載の画像処理装置によれば、外部記憶部にパーティションを作成して退避データ用に使い分けるので、退避データ用のエリアはユーザから確認できない状態することができ、退避データの誤消去を防止できる。
以下で本発明の画像処理装置を具体化した実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の画像処理装置の一実施形態として例示する複合機10の斜視図を示す。この複合機10は、いわゆる多機能装置(MFP:Multi Function Peripheral)であり、外部記憶メディア制御部20をプリンタに組み込んだプリンタ複合機として構成されている。具体的には、カーソルキーやテンキー等の複数のキーが配置され、ユーザ操作により各種指示を入力するための入力部25、各種メッセージ等が表示されるLCD(表示部)11、装置前面にメディア接続用スロット20a(以下、単に「スロット」ともいう)が露出するように配設された外部記憶メディア制御部20(図2参照)を一体的に備えてなり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能及びファクシミリ機能などを有する。
なお、スロット20aには、複数種類の外部記憶メディア40(本発明の外部記憶部に相当する)に対応可能に複数のスロットが設けられる。また、メディア接続用スロットに代えて、あるいは併設して、USB接続部を備え、記憶メディアとしてのUSBメモリが接続できる構成でもよいし、無線接続部を備え、記憶メディアとしての無線機能を持ったメモリーカードを接続できる構成でもよい。
複合機10本体内部には、例えば、インクジェット方式による印刷部を備え、給紙部16から給紙される印刷媒体に対して、印刷が行われる。またスキャナ部15を備え、スキャナ部15を構成するスキャナにより原稿が読み取られ、画像データの取り込みが行われる。また、LCD11にはタッチパネル21が装備されている。これによりユーザはタッチパネル21に触れることにより、LCD11に表示されている各種メニュー項目に対して指示を入することができる。またスロット20aには外部記憶メディア40が装着可能である。
図2に複合機10の主要内部構成図を示す。複合機10は、その内部に、装置全体を制御する制御部100が装備されている。制御部100には、各構成部を制御するCPU101と、複合機10における各種機能を実行するための制御プログラムや種々のデータ等を格納するROM102、CPU101による演算の作業領域となるワークメモリを含み、ファクシミリ機能における受信データ、送信データ、通話機能における音声データ等が記憶されるRAM103(本発明の内部記憶部に相当)、電話帳データ等が記憶され、電源が切断されても記憶内容が保持さえるEEPROM104が備えられている。これらはバス107に接続されており、バス107を介して相互にデータ転送可能に構成されている。
またバス107には複合機10の各構成部との情報のやり取りに係わるASIC130が接続されている。ASIC130には上記した印刷部を構成するヘッド制御基板33、印字ヘッド8、キャリッジ38、及び駆動回路82が接続され、さらにスキャナ部15、入力部25、LCD11、タッチパネル21、外部記憶メディア制御部20(メディア接続用スロット20a)、FAX部30がそれぞれ接続されている。スロット20aに着脱可能に接続される外部記憶メディア40(メモリーカード)は、例えば、CF(コンパクトフラッシュ、登録商標)、SM(スマートメディア、登録商標)、MS(メモリースティック、登録商標)、SD(SDメモリーカード、登録商標)など、データの書込み、書き換え、消去、読出しなどが可能なフラッシュメモリを搭載したカード型記憶メディアである。
そして、複合機10は、例えば、外部接続されているPC等(図示せず)から送信される印刷データに基づき、印刷部により画像や文書を所定の用紙に印刷する印刷機能を実行可能である。また、外部記憶メディア制御部20によってスロット20aに装着された外部記憶メディア40から読み取られた印刷データに基づいても、同様に印刷部により画像や文書を所定の用紙に印刷可能である。これはいわゆる、ダイレクトプリント機能(直接印刷)と称される。また、スキャナ部15のスキャナにより読み取られた画像データをPCへ送信したり、スキャナで読み取った画像データを、印刷部を用いて印刷するコピー機能も実行可能である。
続いて、本実施形態の複合機10において実行される、スロット20aに装着された外部記憶メディア内に記憶されている画像データを所定の印刷媒体に印刷する、ダイレクトプリント処理について、図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、本処理は、ROM102に記憶されているダイレクトプリント処理プログラムに基づいて実行されるものである。
まず、スロット20aに対して、ユーザが外部記憶メディアを装着し、さらに、入力部25あるいはタッチパネル21を介して所定の指示入力を行うことにより、ユーザ設定画面(図示せず)がLCD11に表示される。そのユーザ設定画面を参照しつつ外部記憶メディアに記憶されている画像データ(例えば、デジタルカメラで撮影された写真データ)から印刷を希望する画像データを選択する。また、各種補正処理等の指示や、印刷枚数といった画像データの印刷に関する詳細設定が行われる。そして、最終的に、ユーザ設定画面上で、「印刷開始(スタートキー)」が指示されることにより、図3に示される処理が開始される。
この処理の開始されると、まずCPU101は、手順S100においてワークメモリ(本実施形態では、RAM103に確保される)に空きがあるかを判断する。具体的には、先のユーザ設定画面において、印刷を希望する画像データが選択されており、その画像データに基づいて印字部が印刷を行うための印刷データを生成する必要がある。また、最近では、赤目補正処理といった画像データ(写真データ)に対して各種処理を施すことも一般的に行われていることから、ワークメモリを用いて、これらの処理を施した印刷データを生成する。
そのために必要とされるメモリの容量は、選択された画像データの容量、保存形式等に基づいて推測することができるため、その推測されるメモリ容量に対して、ワークメモリの空き容量の方が大きければ、ワークメモリに空きがあると判断し(S100:YES)、S200へ進む。一方、ワークメモリに空きがないと判断された場合(S100:NO)にはS600へ進む。
ここで、S600において、CPU101は、スロット20aに装着されている外部記憶メディア40に十分な空き容量があるかどうかを判断する。より詳しくは、上記のような印刷データを生成するためのワークメモリを確保するために、十分な容量のデータを、ワークメモリから外部記憶メディア40へと退避させることができるだけの空き容量が外部記憶メディア40に存在するかが判断される。
そして、外部記憶メディア40に空き容量があれば(S600:YES)、S700へ進む。外部記憶メディアに空き容量がなければ(S600:NO)、S1200に進む。S1200において、CPU101は、複合機10内にワークメモリを確保できず、さらに外部記憶メディアの空き容量も足りないので、指示されたダイレクトプリントが開始できない、との意味内容をユーザに知らせる表示をLCD11に対して行うように指示する。
手順S1200を終えたらS300へと進む。これは、印刷すべき画像データが複数選択されており、先の画像データについては、例えば、画像データ自体の容量が大きかったため、ワークメモリが不足すると判断され、印刷ができなかったとしても、次の画像データは容量が小さく、現時点で確保できるワークメモリの容量で印刷可能な場合もあるため、S300に進むものである。
外部記憶メディア40に空き容量があれば、S700において、CPU101は、RAM103(ワークメモリ)に記憶されているデータを外部記憶メディア40に退避するかどうかについてのユーザによる入力を待つ。この入力は、例えば、S600において外部記憶メディア40に空きがあると判断された場合に、CPU101は、LCD11に対して、複合機10内のデータを外部記憶メディア40に退避させても良いかを問い合わせるメッセージを表示するように指示し、そのメッセージに対するユーザからの入力が入力部25を介して行われる。
データ退避を行うとの入力があれば(S700:YES)、S800へ進む。また、データ退避を行わないとの入力があれば(S700:NO)、S1200へと進む。この場合、S1200において、CPU101は、複合機10内にワークメモリを確保できず、指示されたダイレクトプリントが開始できない、との意味内容をユーザに知らせる表示をLCD11に対して行うように指示する。
一方、データ退避を行うとの入力があれば、S800において、CPU101は、「今からデータ退避を行うので外部記憶メディアを抜かないで下さい。」との意味内容の表示を行うようにLCD11に指示する。続く、S900では、退避データ種別設定処理が行われる。ここで、RAM103から退避させるデータの種別が設定されるが、その詳細については後述する。
なお、退避データの種別は複合機10において予め記憶されていてもよく、また、事前にメニュー設定によりユーザが退避データの種別を設定するような形態でもよい。そして、S900における退避データ種別設定処理が終了した段階で、RAM103内のデータのうちで退避されるデータが確定するため、次のS1000ではデータ退避処理が実行される。その詳細については後述する。
続くS1100では報知処理が行われる。この報知処理は、退避データが外部記憶メディア40内に存在することをユーザに報知する処理である。具体的には、CPU101がLCD11に対して「本体からメディアにデータを退避しています。メディアを抜かないで下さい。」との意味内容の表示を行うように指示する。そして再びS100へと進む。S1000のデータ退避処理を経てS100に移行した場合には、RAM103からのデータの退避によりワークメモリに空きが確保されている状態であるため、S100においてYESと判断され、S200の印刷処理に移行できる。
S200の印刷処理では、CPU101は、ユーザにより選択された画像データを外部記憶メディア40から読み出し、RAM103のワークメモリ内において、各種画像処理を施し、印刷データとして展開した上で印刷部に出力する。そして、印字部において所定の印刷媒体への印刷が行われる。続くS300では、上記と同様に他に印刷すべきデータがあるかが判断される。他に印刷すべきデータがある場合は(S300:YES)、S100へ再び戻り、印刷すべきデータがない場合は(S300:NO)、S400へ進む。S400では外部記憶メディア40内に退避データが存在するかどうか、すなわちデータ退避処理を行った上で印刷処理を行ったかどうかを判断する。
外部記憶メディア40内に退避データが存在する場合(S400:YES)、S500へと進み、退避データが存在しない場合(S400:NO)、本処理を終了する。S500ではデータ復旧処理が行われるが、この処理の詳細に関しては後述する。このデータ復旧処理を終えた場合も本処理を終了する。
次に先に述べたS900(図3参照)の退避データ種別設定処理の詳細について、図12,13のフローチャートに基づいて説明する。
図12の退避データ種別設定処理においては、まずS901で退避データ種別選択が行われる。この選択は、例えば、図3のS800において行ったLCD11へのメッセージ表示の後に、CPU101は、退避するデータの種別をユーザに対して選択させるための選択画面(図示せず)を表示するようにLCD11に指示する。この選択画面では、RAM103に既に記憶されているデータの種別に基づいて、例えば、受信FAXデータ、留守番録音データ、音楽データ、写真データといった選択肢が表示され、ユーザが入力部25等を用いて、退避を希望するデータ種別を選択できる。
CPU101は、ユーザからデータ種別が入力されると、入力されたデータ種別に基づき、そのデータがRAM103から退避されることで、ワークメモリが確保できるかを判断する(S902)。なお、退避させるデータの種別は、S900においてユーザに選択させる方式に限定されるものではなく、事前にメニュー設定において、退避させるデータの種別が設定されており、それを参照するような方式であってもよい。また、CPU101の判断で自動的に選択される方式であってもよい。
ワークメモリが確保できるかの判断は、先に述べたように、印刷しようとする画像データの印刷データへの展開時に必要とされるメモリ容量は予め推測できるため、その容量に基づいて、選択された種別のデータを退避することでワークメモリが確保できるかを判断できる。
ワークメモリを確保できると判断される場合(S902:YES)、S903へ進む。S903では退避データ全体が外部記憶メディアに格納できるかどうかを判断する。これは、選択された種別のデータ全てを退避させようとした場合、容量の大きさによってはメディアの空きエリアに記憶しきれない可能性があるため、事前にメディアの空き容量を確認し、退避データ全体が格納できるだけの容量があるかをチェックするものである。退避データ全体がメディアに格納できると判断される場合(S903:YES)、その退避データを確定し、退避データ種別設定処理を終了する。
また、退避データ全体がメディアに格納できないと判断される場合(S903:NO)再びS901へ進む。一方、ワークメモリが確保できないと判断される場合も(S902:NO),再びS901へ戻る。この手順を繰り返して、ワークメモリが確保でき、かつ外部記憶メディア40に格納できる退避データ種別が選択されるまで、この手順を繰り返す。
なお、一つのデータ種別の退避でワークメモリが確保できない場合は、複数の種別を退避データとして選択するようにしてもよい。また、S903において、選択された種別の退避データ全体をメディアに格納できない場合は、その退避データを小分けすることが可能であれば、格納できるサイズに分けて退避データを確定するように構成してもよい。
次に退避データ種別設定処理のその他の例について、図13のフローチャートに基づいて説明する。まず、S910で退避データ種別優先順位設定が行われる。この優先順位の設定は、上記の退避するデータの種別をユーザに対して選択させるための選択画面(図示せず)を表示する代わりに、CPU101は、例えば、受信FAXデータ、留守番録音データ、音楽データ、及び写真データといった退避データの候補を表示させ、ユーザが入力部25等を用いて、退避を希望するデータ種別の優先順位を指定することができる画面をLCD11に表示させる。
CPU101は、ユーザから退避データの優先順位が入力されると、その入力された順位を例えば、EEPROM104の所定領域に記憶しておく。なお、退避させるデータ種別の優先順位は、事前にメニュー設定において、ユーザにより設定され、記憶されており、それを参照するような方式であってもよい。
次に、S911へ進み、S910において設定された優先順位に基づいて、退避データが確定される。図13の処理の場合、図12におけるワークメモリの確保や退避データ全体がメディアに格納できるかどうかに関しては、これらの条件を満たすように、S910において設定された優先順位に基づいて、CPU101が退避データを選択して、最終的に確定する形式とすればよい。
なおS910の退避データ種別優先順位設定においては、FAXデータを自動的に優先順位の最上位としてもよい。この場合、FAXデータはワークメモリのなかの大きな容量を占めることがあるため、有効にワークメモリを確保することができる。
このようにして、外部記憶メディア40への退避データが確定すると、次に先に述べたS1000(図3)のデータ退避処理を行う。このデータ退避処理の詳細について、図4〜図11のフローチャートに基づいて説明する。
図4に、データ退避処理の流れを示す。まず、S1010で、CPU101は「これからデータ退避を行いますので外部記憶メディアを抜かないようにして下さい。」との意味内容の表示を行うようにLCD11に対して指示する。なお、同じ表示を図3におけるS800においても行っているため、この表示は必ずしも行う必要はなく、いずれか一方のタイミングで行われるものであってもよい。また、この表示は、データ退避処理が完了するまで、継続するものであってもよい。
次にS1030でパーティション作成処理を行う。このパーティション作成処理においては外部記憶メディア40内に、確定された退避データを退避させるためのパーティションを作成する。S1030パーティション作成処理の詳細は後述する。
次にS1040でフォルダ作成処理を行う。S1040フォルダ作成処理においては外部記憶メディア40内に確定された退避データを退避させるためのフォルダを作成する。フォルダ作成処理の詳細は後述する。
次にS1050で、データ退避を実行する。S1050のデータ退避において退避するデータは、S900の退避データ種別設定処理の終了時に確定した退避データである。S1050のデータ退避における退避先は、S1030でパーティションを作成した場合には、データ退避用のパーティションと設定される。また、S1040でデータ退避用のフォルダを作成した場合には、データ退避用のフォルダと設定される。
さらに、S1030でパーティションを作成すると共にデータ退避用のパーティション内にデータ退避用のフォルダを作成した場合には、データ退避用のパーティション内のデータ退避用のフォルダと設定される。また、S1030でパーティションもデータ退避用のフォルダも作成されなかった場合には、外部記憶メディアのルートディレクトリに設定される。S1050の処理を終了するとS1060へ進む。
S1060では隠し属性処理を行う。S1060の隠し属性処理では、退避データに隠し属性を付与する処理を行う。S1060隠し属性処理の詳細は後述する。
次にS1070で読取専用属性処理を行う。S1070の読取専用属性処理においては、退避データに読取専用属性を付与する処理を行う。S1070読取専用属性処理の詳細は後述する。
次にS1080で名称処理を行う。S1080の名称処理においては、退避データの名称をユーザに誤消去防止の注意を喚起する名称とする処理を行う。S1080名称処理の詳細は後述する。このS1080名称処理を終えると、S1000のデータ退避処理を終了する。
次に図5に基づいて、先のS1030「パーティション作成処理」の手順について説明する。まず、CPU101は、S1031でパーティション作成を行うかどうかを判断する。これは、例えば、CPU101が、LCD11に対して、「退避データを格納するためのパーティションを作成するか?」といったメッセージを表示させ、その表示に基づいて、ユーザにより入力部25を介して入力される、作成する・しないの指示に基づいて判断する。
パーティションを作成すると判断された場合(S1031:YES)、S1032へ進み、パーティション作成を行う。ここで、パーティション作成のイメージを図20に示す。図20に示すように、外部記憶メディア40が2つのパーティション202と203に分けられている。このうちパーティション202には画像データ201が記憶されている。そしてパーティション203がデータ退避用に作成されたパーティションであり、退避データ204が退避されることとなる。
なお、パーティション203はパーソナルコンピュータに外部記憶メディア40を装着した場合に通常では見えない構成とすることも可能である。それにより、パーティション203内の退避データ204がパーソナルコンピュータからの操作で消去されることを防止できる。
S1032においてパーティション作成を終了したら、パーティション作成処理を終了する。また、S1031でパーティションを作成しないと判断された場合も(S1031:NO)、パーティション作成処理を終了する。
次に図6に基づいて、先のS1040「フォルダ作成処理」の手順について説明する。まず、CPU101は、S1041でフォルダ作成を行うかどうかを判断する。この判断も、CPU101が、LCD11に対して、「退避データを格納するためのフォルダを作成するか?」といったメッセージを表示させ、その表示に基づいて、ユーザにより入力部25を介して入力される、作成する・しないの指示に基づいて判断する。
S1041でフォルダを作成すると判断された場合(S1041:YES)、S1042へ進み、フォルダ作成を行う。ここで、フォルダ作成のイメージを図21及び図22に示す。図21及び図22に示されるとおり、外部記憶メディア40内にフォルダ210が作成されている。図21はS1030でパーティションが作成されなかった場合である。図22はS1030でパーティションが作成された場合であり、データ退避用パーティション203内にフォルダ210が作成されている。
フォルダ210は画像データ201等を避けて、作成すればよい。S1042においてフォルダ210の作成を終えたらS1043へ進む。S1043では、CPU101は、フォルダ210に対して、名称を付与するかどうかを判断する。ここでは、退避データ204を格納することとなるフォルダに対して名称を付与設定することができる。例えば、現在、本複合機10を使用しているユーザだけでなく他のユーザから見ても、退避データ204を格納したフォルダを消去しにくい名称に設定することができる。一例としては、「退避ファイル用フォルダ_消去禁止」等のようにユーザによる誤消去を防止するための注意を喚起するものがあげられる。
なお、S1043での判断においては、ユーザ自身がLCD11の表示内容に基づいて、フォルダ210に対して名称を付与するかどうかの指示を入力したり、具体的な名称を入力できるように構成し、その入力に基づいて、CPU101がS1043の判断を行うような形態でもよい。また、それらの情報が複合機10において予め記憶されていてもよく、また、事前にメニュー設定により、フォルダ210を作成した場合に名称を付与すること、どのような名称とするかを設定してEEPROM104等に記憶しておくような形態でもよい。そして、その情報をもとにCPU101がフォルダ210に対して名称を付与することになる。
S1043でフォルダ210に名称を付与すると判断された場合(S1043:YES)、S1044へ進み、CPU101は、ユーザにより指定されたフォルダ名(例えば、ユーザによる誤消去を防止するための注意を喚起する名称)をフォルダ210に付与する。S1044を終えたら、S1040フォルダ作成処理を終了する。一方、S1041でフォルダを作成しないと判断された場合(S1041:NO)、また、S1043でフォルダ210に対して名称を付与しないと判断された場合(S1043:NO)、S1040フォルダ作成処理を終了する。
次に、先のS1050「データ退避実行」について、図20から23に基づいて説明する。図20は、手順S1030でパーティション202,203が作成され、S1040でフォルダ210が作成されなかった場合の外部記憶メディア40内を模式的に示している。この場合、S1050では、パーティション203内に退避データ204を退避させる処理が実行される。
図22は、手順S1030でパーティション202,203が作成され、さらにS1040でフォルダ210が作成された場合の外部記憶メディア40内を模式的に示している。この場合、S1050では、パーティション203内のフォルダ210内に退避データ204を退避させる処理が実行される。
図21は、手順S1030でパーティション202,203が作成されず、S1040でフォルダ210が作成された場合の外部記憶メディア40内を模式的に示している。この場合、S1050では、フォルダ210内に退避データ204を退避させる処理が実行される。そして、図23は、手順S1030でパーティション202,203が作成されず、さらにS1040でもフォルダ210が作成されなかった場合の外部記憶メディア40内を模式的に示している。この場合、S1050では、外部記憶メディア40のルートディレクトリに退避データ204を退避させる処理が実行される。
次に、図7に基づいて、先のS1060「隠し属性処理」の手順について説明する。まず、CPU101は、S1061で外部記憶メディア40内に退避した退避データ204に隠し属性を付与するかどうかを判断する。この判断も、CPU101が、上記他の処理と同様に、LCD11に対して選択メッセージを表示させ、その表示に基づいて、ユーザにより入力部25を介して入力される指示に基づいて判断する。
S1061で退避データ204に隠し属性を付与すると判断された場合(S1061:YES)、S1062へ進み、外部記憶メディア40内の退避データ204に隠し属性が付与される。これにより、外部記憶メディア40をパーソナルコンピュータに装着し、その内容を表示するように指示しても、退避データ204がユーザから見えない状態となる。S1062の隠し属性付与が終了したら、S1060隠し属性処理を終了する。また、S1061で隠し属性を付与すると判断されなかった場合も(S1061:NO)、S1060隠し属性処理を終了する。
次に、図8に基づいて、先のS1070「読取専用属性処理」の手順について説明する。まず、CPU101は、S1071で外部記憶メディア40内に退避した退避データ204に読取専用属性を付与するかどうかを判断する。この判断も、CPU101が、上記他の処理と同様に、LCD11に対して選択メッセージを表示させ、その表示に基づいて、ユーザにより入力部25を介して入力される指示に基づいて判断する。
S1071で退避データ204に読取専用属性を付与すると判断された場合(S1071:YES)、S1072へ進み、外部記憶メディア40内の退避データ204に読取専用属性が付与される。これにより、外部記憶メディア40をパーソナルコンピュータに装着し、ユーザがその内容を参照して、退避データ204の内容を書き換えようとしても、書き換えが許可されない状態となる。
なお、通常は、先のS1060において退避データ204に対して隠し属性が付与された場合には、パーソナルコンピュータのユーザからは、その退避データを見ることができないため、書き換え自体が発生しないと考えられる。従って、S1060の処理、及びS1070の処理はいずれか一方が実行されることで退避データ204を保護することは可能である。図4のフローチャートでは、説明の簡易化のために、その両方を記載しているが、両方の処理を必ずしも実行する必要はない。
そして、S1072の読取専用属性付与が終了したら、S1070の読取専用属性処理を終了する。また、S1071で読取専用属性を付与すると判断されなかった場合も(S1071:NO)、S1070読取専用属性処理を終了する。
次に、図9に基づいて、先のS1080「名称処理」の手順について説明する。まず、CPU101は、S1081で外部記憶メディア40内に退避した退避データ204に名称を付与するかどうかを判断する。この判断も、CPU101が、上記他の処理と同様に、LCD11に対して選択メッセージを表示させ、その表示に基づいて、ユーザにより入力部25を介して入力される指示に基づいて判断する。
S1081で退避データ204に名称を付与すると判断された場合(S1081:YES)、S1082へ進み、CPU101は、ユーザにより指定された名称(例えば、ユーザによる誤消去を防止するための注意を喚起する名称)を退避データ204に付与する。S1082を終えたら、S1080名称処理を終了する。一方、S1081で名称を付与しないと判断された場合(S1081:NO)、S1080名称処理を終了する。
S1081では、上記S1043と同様に、CPU101は、退避データ204に対してユーザ自身が名称を指定することができる。例えば、現在、本複合機10を使用しているユーザだけでなく他のユーザから見ても、退避データ204を消去しにくい名称に指定することができる。一例としては、「退避データ_消去禁止」等のようにユーザによる誤消去を防止するための注意を喚起するものがあげられる。
なお、S1081での判断においては、ユーザ自身が退避データ204に対して名称を付与するかどうかの指示を入力したり、具体的な名称を入力できるように構成し、その入力に基づいて、CPU101がS1081の判断を行うような形態でもよい。また、それらの情報が複合機10において予め記憶されていてもよく、また、事前にメニュー設定により、退避データ204を生成した場合に名称を付与すること、どのような名称とするかを設定してEEPROM104等に記憶しておくような形態でもよい。そして、その情報をもとにCPU101が退避データ204に対して名称を付与することになる。
次に、データ退避処理の変形例について、図10のフローチャートに基づいて説明する。図4のフローチャートと異なる点は、図10においては、S1020「消去抑制方式選択処理」が付加されている点である。その消去抑制方式選択処理について、図11に基づいて説明する。
消去抑制方式選択処理では、上記データ退避処理(図3におけるS1000)において行われる、S1030パーティション作成処理、S1040フォルダ作成処理、S1060隠し属性処理、S1070読取専用属性処理、及びS1080名称処理におけるそれぞれについて、実行するか否かを個別に選択するものである。
具体的には、退避データ204を外部記憶メディア40に退避させる際に、その退避データ204の消去を抑制するために、どのような処理を施すかを選択させるものである。これは、例えば、LCD11に、ユーザ選択画面を表示させ、その選択画面において、上記データ退避処理に含まれる6つの処理のうち、どれを実施するかをユーザが選択できる構成が考えられる。
その選択内容に基づいて、CPU101は、S1021、S1022、S1023、S1024、S1025、S1026の各ステップにおいて、「パーティション作成処理」、「フォルダ作成処理」、「フォルダ名称付与処理」、「隠し属性付与処理」、「読取専用属性付与処理」、及び「名称付与処理」についてそれぞれ実行か、非実行かを検出し、実行すべき処理を設定する。
そして、図10のデータ退避処理におけるS1030以降では、S1020の消去抑制方式選択処理において、実行することが設定された処理のみが実際に実行されることになる。
次に、外部記憶メディア40に退避した退避データ204の復旧、あるいは返送について図14から図19に基づいて説明する。
図3におけるS500「データ復旧処理」のフローチャートを図14に示す。まず、S510で返送データの選択が行われる。これについては後述する。次にS550に進んで、データ返送が実行される。
次に、図14のS510「返送データ選択」のフローチャートを図15に示す。まず、CPU101は、S511で変数Nに数値1を格納する。次にS512で、外部記憶メディア40に退避させたデータのうち、N番目の退避データ204をLCD11に表示するように指示する。なお、説明の都合上、退避データ204は、識別番号を順に付加して管理されているものとする。ここでの表示は、データの内容そのものであっても、データを識別できるような名称であってもよい。特に音声データのような場合は、名称で表示されることになる。
次にS513で、そのN番目の退避データ204を返送するか否かを選択する。これは、例えば、LCD11に表示されたN番目の退避データ204に基づく画像の内容をユーザが確認し、複合機10への返送指示を入力部25を介して入力したか否かにより判断される。そして、その判断結果に基づき、返送指示が入力された場合には、CPU101は、その退避データ204(N番目)を返送すべきデータとして設定する。この設定は、例えば、返送すべきデータの番号や識別するための情報をRAM103内の所定領域に記憶しておくことで実現される。
次にS514で、退避データ204がまだあるか判断する。退避データ204がまだある場合(S514:YES)、S515へ進み、Nを1加算してS512へ戻り、同様の処理を繰り返す。退避データ204がもうない場合(S514:NO)返送データ選択の処理を終了する。
そして、図14におけるS550では、CPU101は、先にRAM103に記憶された退避データの番号に基づき、外部記憶メディア40に記憶されている退避データ204の中から返送することが指示された退避データ204を抽出し、複合機10に返送する。返送されたデータはRAM103(ワークメモリ)に再記憶される。
これにより、外部記憶メディア40に退避させたデータのうち、ユーザが複合機10へ返送する必要があると判断したものを確実に複合機10側に返送させ、元の状態に復旧させることができる。
次に、S500「データ復旧処理」の変形例について、図16に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、S530で、返送・消去データを選択する。この手順については後述する。次にS550で、返送すると選択された退避データ204の返送を実行する。この処理は、図14のS550と同様である。次にS570において、消去すると選択された退避データ204の消去を実行する。
ここで、図16のS530「返送・消去データ選択」のフローチャートを図17に示す。この「返送・消去データ選択」のフローチャートと、図15の「返送データ選択」のフローチャートとの相違点は、S535において、退避データ204に対して消去するか否かを選択できる点にある。外部記憶メディア40に記憶されている退避データ204を順次表示させ、N番目の退避データについて、S534では、CPU101は、複合機10へ返送するか否かを入力部25を介したユーザの指示に基づいて判断し、続くS535では、消去するか否かをユーザの指示に基づいて判断する。
その判断結果に基づき、消去指示が入力された場合には、CPU101は、その退避データ204(N番目)を消去すべきデータとして設定する。この設定は、例えば、先の返送すべきデータの番号とは区別可能にRAM103内の所定領域に記憶しておく。また、S535で、N番目の退避データとして表示されるデータは、S534の処理において、返送しないことが指示されたデータが対象となる。
そして、図16におけるS570では、CPU101は、先にRAM103に記憶された退避データの番号に基づき、外部記憶メディア40に記憶されている退避データ204の中から消去することが指示された退避データ204を抽出し、外部記憶メディア40から消去する。これにより、外部記憶メディア40に退避させたデータのうち、ユーザが複合機10へ返送する必要がないと判断したものが消去されることになる。
次に、S530「返送・消去データ選択」の変形例について、図18に示すフローチャートに基づいて説明する。図18のフローチャートと、図17の「返送・消去データ選択」のフローチャートとの相違点は、S532とS534の間にS533として「FAXデータ処理」の手順が存在する点のみである。ここで、FAXデータ処理の手順について図19に基づいて説明する。
次に図19の手順ではまず、CPU101は、S601で表示されたN番目の退避データ204がFAXデータであるかどうかを判断する。N番目の退避データ204がFAXデータである場合(S601:YES)は、S602へ進む。N番目の退避データがFAXデータでない場合(S601:NO)は、FAXデータ処理を終了する。
次にS602では、CPU101は、FAXデータであるN番目の退避データ204を印刷するか・しないかを判断する。これは、例えばLCD11に表示されているN番目の退避データ204であるFAXデータの内容を確認したユーザが印刷指示を入力部25を介して入力したか、非印刷指示を入力したかにより判断される。
そして、S603において、CPU101は、印刷が選択されたかどうかを判断する。印刷が選択された場合(S603:YES)は、S604へ進み、N番目の退避データであるFAXデータの印刷が実行される。一方、印刷が選択されなかった場合(S603:NO)は、そのままFAXデータ処理を終了する。なお、印刷が選択されなかった場合には、図18のフローチャートに戻り、続くS534、あるいはS535の処理において、複合機10へ返送するか否か、FAXデータ(退避データ)そのものを外部記憶メディア40から消去するか否かの選択がなされ、その選択に応じてCPU101は処理を実行する。
また、図15、17、18に示される、「返送データ選択」、「返送・消去データ選択」の処理は、図3中のS200における印刷処理と並行して実行できるように構成されていてもよい。これにより、印刷処理の待ち時間を利用して、退避データ204をどのように扱うかをユーザが選択することができる。また上述のS532においてはFAXデータのみを表示する形態であってもよい。
このように、本実施形態の複合機10においては、ダイレクトプリント機能において、複合機10のRAM103(ワークメモリ)の空き容量が少なくて、画像データの印刷を実行できない場合に、RAM103内のデータを外部記憶メディア40に退避させる。その際、退避させたデータが消去されないような処理を施したうえで退避させるため、外部記憶メディア40において退避データ204が誤って消去されてしまうことを防止できる。
消去されないための処理としては、退避データ204に隠し属性を付与する処理が選択可能である。これによれば、退避データは隠し属性の状態で外部記憶メディア40に記憶されるため、ユーザからはその退避データを確認することができず、消去されることが防止される。
また、消去されないための他の処理としては、退避データ204に読取専用属性を付与する処理が選択可能である。これによれば、退避データ204は読取専用属性の状態で外部記憶メディア204に記憶されるため、ユーザからはその退避データを書き換えることができず、確実なデータ保存が行える。
また、消去されないための他の処理としては、外部記憶メディア40内に、退避データ204が格納されていることを示す名称を有するフォルダを作成し、そのフォルダの中に退避データ204を格納する処理が選択可能である。これによれば、外部記憶メディアにおいてフォルダを専用に作成して、その専用フォルダに退避データ204を退避させるので、誤って退避データ204が消去されることが抑制される。
また、消去されないための他の処理としては、退避データ204が格納された上記フォルダの名称を、フォルダあるいはそのフォルダ内に記憶された退避データ204の消去を抑制するような名称を付与する処理が選択可能である。これによれば、退避データ用のフォルダの名称を消去されないような名称に工夫することで、ユーザによる退避データの誤消去を抑制できる。
また、消去されないための他の処理としては、外部記憶メディア40内に複数のパーティションを作成し、そのパーティション内の一つを退避データ204を格納するための専用のパーティションに割り当てる処理が選択可能である。これによれば、外部記憶メディア40にパーティションを作成して退避データ用に使い分けるので、退避データ用のエリアはユーザから確認できない状態することができ、退避データの誤消去を防止できる。
そして、上記した複数の消去されないための処理の中から、ユーザ希望する処理を一つあるいは複数選択して、退避データ204を退避する際に適用できる。さらに、本実施形態の複合機10においては、退避データ204が外部記憶メディア40に記憶されていることをLCD11において表示により報知するので、ユーザが退避データ204の存在を把握することができ、退避データ204の誤消去を抑制できる。
また、複合機10のRAM103内に記憶されているデータの中から退避データとするデータの種別を選択することができるので、退避に適した種別のデータを選択して退避させることができ、誤消去などが起こっても問題の発生する可能性を低減できる。なお、退避するデータの優先順位を予め設定しておき、その優先順位に従って、データを退避させることもでき、その場合は、一つの種別のデータの退避だけでは、十分なメモリ容量を確保できない場合にも、柔軟に対応できる。また、データ量の比較的大きいFAXデータを優先的に退避データ204とすることで、効率よくワークメモリを確保することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様を取り得るものである。
例えば、図4に示される「データ退避処理」の説明においては、S1030〜S1080の各処理について、実行するか否かをLCD11のメッセージに基づいて、その都度ユーザに選択させる例を説明した。これに対し、予め、複合機10のEEPROM104等に、「データ退避処理」が実行される場合に、S1030〜S1080の処理について、実行する否かをメニュー設定を介してEEPRPM104等に記憶しておき、その記憶内容を参照しながら処理を進める形態であってもよい。