JP4517137B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、パチンコ機(雀球機、アレンジボール機等も含む)等の弾球遊技機とも呼ばれることがある遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤中央に配設されたセンター役物にワープ装置を設け、遊技盤上を流下するパチンコ球をそのワープ装置に導いて一時的に目視不能とした後、始動口等の入賞口の上方に再びパチンコ球を出現させてそのパチンコ球が入賞し易くしたものが知られている。このようなパチンコ機として、例えば[特許文献1]に記載のパチンコ機が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−269543
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のパチンコ機によれば、ワープ装置によりパチンコ球を目視不能とすることで遊技性の向上を図ることができる。しかしながら、ワープ装置に入球したパチンコ球が一律に始動口の上方に現れるという結果がもたらされるに過ぎず、パチンコ球の動きが単調になって遊技者に対してそれ以上の面白みを与えるものではなかった。
【0005】
本願発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技球が入賞口に入賞するまでの経路や、遊技球がその経路を通った場合の前記入賞口への入球確率等に変化を与えることで、一層面白みのある遊技を実現できる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
遊技盤の遊技領域内に、遊技球を通入して再び前記遊技領域内に排出可能であり後側に図柄表示装置を装備してなる中央の役物装置と、入賞口を大小に変化させる左右一対の開閉部材を有して前記役物装置の遊技球排出領域の直下方に配置された図柄変動開始用の始動口が配設された遊技機において、
前記役物装置は、
前記遊技盤に取着されて中央に前記図柄表示装置の図柄透視用窓部を開口した役物本体と、
その役物本体の底部に前方向と中央方向に向けて下る緩傾斜状に形成されており、受け入れた遊技球を前縁から前記遊技領域に向けて排出し得る球転動部と、
該球転動部の上面中央部に前方向に下り傾斜の凹湾曲状に形成されて遊技球を前縁から前記遊技領域に向けて排出し得る凹部と、
前記球転動部の後側中央部に配置された遊技球用のワープ口と、
前記球転動部の中央下内部で前後の向きに貫通状に形成されて後側の開口部を前記ワープ口と連通するとともに前側に開口した球排出口を前記始動口の直上方に臨ませたワープ通路と、
前記役物本体内で前記球転動部上の左側と右側との対称位置に配置されて、前記ワープ口の左右側に対する離隔位置と近接位置との左右内外方向に移動可能に設置された球通路部材と、を備えており、
前記左右の各球通路部材は、
平面視クランク状に屈曲したレール状の部材であって、前側部に形成されて前記遊技領域を落下する遊技球を受入れ得る入口部と、後側内部に形成されて入口部から受入れた遊技球を奥内部に通入して前記ワープ口に向けて放出し得る出口部とを一連に形成するとともに、前記始動口の開閉部材の開閉動作と連動して、前記ワープ口の左右側に遊技球1個分以上の間隔をおいて離隔した第1の振り分け位置と、前記ワープ口に近接した第2の振り分け位置とに変位動作されて、
前記第1の振り分け位置では、前記入口部に受け入れられて前記出口部に通入された遊技球が該出口部の出口端と前記ワープ口との離隔間隔部内から通入して前記球転動部の上面に落下され、
前記第2の振り分け位置では、前記入口部に受け入れられて前記出口部に通入された遊技球が該出口部から前記ワープ口に落下して前記ワープ通路の球排出口から前記始動口に向けて放出されるように設定された遊技機を提供する。前記球転動部を転動する遊技球は、その球転動部から落下して、その球転動部よりも下方に配置された始動口に入球することができるように構成されている。
【0007】
また、請求項1に記載の遊技機によれば、第1の振り分け位置と第2の振り分け位置とに変位される球通路部材により構成され、前記球通路部材が第1の振り分け位置に変位されている場合には、遊技盤上を流下する遊技球が前記球通路部材を通過して前記球転動部に高い確率で振り分けられ、前記球通路部材が第2の振り分け位置に変位されている場合には、遊技盤上を流下する遊技球が前記球通路部材を通過して前記ワープ通路に高い確率で振り分けられる。ここで、「高い確率で振り分けられる」とあるのは、球通路部材が第1の振り分け位置に変位されている場合の方が、第2の振り分け位置に変位されている場合よりも相対的に高い確率で球転動部に振り分けられ、球通路部材が第2の振り分け位置に変位されている場合の方が、第1の振り分け位置に変位されている場合よりも相対的に高い確率でワープ通路に振り分けられる、という意味である。
【0008】
そして、請求項1に記載の遊技機によれば、前記球転動部に振り分けられた遊技球よりも、前記ワープ通路に振り分けられた遊技球の方が前記始動口に入球する確率が高くなるように構成されている。これにより、球通路部材が変位されている位置(第1の振り分け位置及び第2の振り分け位置)によって、遊技球が振り分けられる球転動部とワープ通路、及び、その球転動部とワープ通路を転動する遊技球の始動口への入球確率に多様な変化を与えることができるので、始動口に入球するまでのパチンコ球の動きや入球確率などが単調になることが防止され、一層面白みのある遊技を実現することができる。
【0009】
また、本願の発明は、以下の[手段2]〜[手段4]に記載した発明として構成することも可能である。
【0010】
[手段2] 請求項1に記載の遊技機であって、
前記第1の球転動部に振り分けられた遊技球は、その第1の球転動部から落下して前記入賞口に入球可能な構成とされており、
前記第2の球転動部に振り分けられた遊技球は、前記第1の球転動部よりも下方の位置でかつ前記入賞口の直上の位置に配置された球排出口から排出される構成とされている遊技機。
[手段3] 請求項1または手段2に記載の遊技機であって、
予め定める遊技状態が発生したことを条件に、第1の振り分け位置もしくは第2の振り分け位置に変位された球通路部材の停留時間が変更されることを特徴とする遊技機。
[手段4] 請求項1、手段2、手段3のうちいずれかに記載の遊技機であって、
入賞口は、開閉部材により開閉される可変入賞口により構成されており、
前記開閉部材の開閉動作と、球通路部材の変位動作とが連動していることを特徴とする遊技機。
【0011】
上記[手段2]に記載の遊技機によれば、前記第1の球転動部に振り分けられた遊技球は、その第1の球転動部から落下して前記入賞口に入球可能な構成とされており、前記第2の球転動部に振り分けられた遊技球は、前記第1の球転動部よりも下方の位置でかつ前記入賞口の直上の位置に配置された球排出口から排出される構成とされている。つまり、第2の球転動部に振り分けられた遊技球は、第1の球転動部よりも下方でかつ入賞口の直上の位置において遊技盤上に排出されることとなり、第1の球転動部に振り分けられた遊技球よりも相対的に高い確率で入賞口に入球することができる。これにより、入賞口に入球するまでのパチンコ球の動きや入球確率などが単調になることが防止され、一層面白みのある遊技を実現することができる。
【0012】
上記[手段3]に記載の遊技機によれば、予め定める遊技状態が発生したことを条件に、第1の振り分け位置もしくは第2の振り分け位置に変位された球通路部材の停留時間が変更される。ここで、「停留時間」とあるのは、第1の振り分け位置もしくは第2の振り分け位置に振り分けられた球通路部材が、その変位された位置に留まって停止している時間のことである。
したがって、遊技中における様々な遊技状態、例えば、大当たり遊技終了後に一定期間再び大当たりになる確率が高くなる「確率変動状態」等が発生したことを条件に、遊技盤上を流下する遊技球の入賞口への入球確率を大小に変化させることができるので、遊技者への利益の付与度合いを遊技状況に応じて適切に調整することが可能になる。
【0013】
上記[手段4]に記載の遊技機によれば、入賞口は、開閉部材により開閉される可変入賞口により構成される。開閉部材により可変入賞口が開かれている場合には、その可変入賞口には遊技球が入球し易い状態となる。反対に、開閉部材により可変入賞口が閉じられている場合には、その可変入賞口には遊技球が入球し難い状態となる。そして、その開閉部材による開閉動作と、球通路部材の変位動作とが連動する。
したがって、例えば、球通路部材が第2の振り分け位置に変位されたときに、開閉部材が作動されて入賞口が開かれる、といったように、両者の動作を互いに連動させることができる。この場合、遊技球は、球通路部材によって第2の球転動部に振り分けられ、開閉部材により開かれている入賞口に向けて落下することになるので、遊技球が入賞口に極めて入球し易い状況を作り出すことができる。これにより、遊技者にとってより大きな利益が付与されるチャンスを与えることができるので、より一層の遊技意欲の向上を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、遊技機の一つであるパチンコ機に対し本発明を適用したものである。
遊技機としてのパチンコ機の所定位置に配置される遊技盤を正面で表した図1において、遊技盤10の前面の周縁部には、外レール12と内レール13とを備えた案内レール11が装着されている。案内レール11の内側には、遊技領域15が区画形成されるとともに、外レール12と内レール13との間には、球発射装置(図示しない)によって発射されたパチンコ球B(遊技球)を遊技領域15の上部に案内する球発射通路14が形成されている。遊技盤10前面の遊技領域15の略中央部には役物装置40が装着されており、その役物装置40の片側(図1に向かって左側)に位置して普通図柄始動用ゲート口20が設けられている。
【0015】
遊技盤10前面の遊技領域15内には、役物装置40の下方中央部に位置して始動口25(本発明の入賞口に対応している)が配設されている。この始動口25には、一対の開閉部材28が開閉可能に設けられ、これら開閉部材28が開いたときにはパチンコ球Bが入球し易く、開閉部材28が閉じたときにはパチンコ球Bが入球し難くなる可変入賞口として構成されている。始動口25にパチンコ球Bが入球すると、後述する図柄表示装置45において特別図柄の変動表示が開始される。また、パチンコ球Bが普通図柄始動用ゲート口20を通過すると、後述する普通図柄表示部47において普通図柄の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示部47における普通図柄の抽選結果に基づいて、始動口25の開閉部材28が所定時間(例えば、1秒間)開放され、これによって始動口25にパチンコ球Bが入球し易くなる。
【0016】
遊技盤10前面の遊技領域15内には、始動口25の下方に位置してアタッカ装置30が装着されている。このアタッカ装置30には、その略中央部に開閉扉31によって開閉される大入賞口32が設けられている。
また、遊技盤10前面の遊技領域15内には、その最下端に位置しかつアタッカ装置30の下方においてアウト口33が形成され、さらに、アタッカ装置30の左右両側方に位置して所定数(図1では4つ)の一般入賞口37が設けられている。
また、遊技盤10前面の遊技領域15内の所定箇所に風車器18が配設されるとともに、遊技領域15内の略全域にわたって多数の釘(図示しない)が打ち込まれている。
【0017】
次に、遊技領域15の略中央部に装着された役物装置40の構成について図2、図3を参照しながら説明する。ここで、図2は、役物装置40の下部を示す斜視図である。図3は、図2に示す役物装置40のA−A線に基づく縦断面図である。
図2に示すように、役物装置40の本体部をなす役物本体41は、遊技盤10の略中央部に貫設された役物装着孔の前面開口部の周縁を塞ぐようにして熱可塑性合成樹脂により箱形枠状に形成された部材である。この役物本体41はビス等によって遊技盤10の前面(盤面)に取り付けられており、略中央部に形成された開口窓の後側には、図柄表示装置45が装着されている。この図柄表示装置45の表示部46の略全域には、特別図柄が変動表示される特別図柄表示領域が設けられている。また、表示部46の左上の部分には、普通図柄が変動表示される普通図柄表示部47が設けられている(図1参照)。
【0018】
図2に示すように、役物本体41の底部には、パチンコ球Bが転動可能な第1の球転動部60が構成されている。この第1の球転動部60は、パチンコ球Bが円滑に転動できるようにその上面が滑らかに形成され、略中央部付近には、前縁部からパチンコ球Bを落下し易くするようにするための凹部61が形成されている。この凹部61に集められたパチンコ球Bは、第1の球転動部60の前縁側から落下して、役物装置40の下方に配置された始動口25にある程度の確率で入球することができる。
【0019】
また、図2に示すように、凹部61の後側には、パチンコ球Bが入球可能なワープ口62が設けられている。第1の球転動部60の下方の位置(遊技盤10に向かったときの下方の位置)には、前記ワープ口62に入球したパチンコ球Bを遊技盤10の盤面上に排出することのできる球排出口63が設けられている。ワープ口62と球排出口63は、第1の球転動部60の床下内部を前後方向(遊技盤10に向かったときの前後方向)に貫くように設けられたワープ通路64を介して連通されている。したがって、ワープ口62に入球したパチンコ球Bは、図2中の矢印D1に示す経路を通って、球排出口63から遊技盤10の盤面上に向けて排出される。なお、ワープ口62に入球したパチンコ球Bが転がり動くことのできるワープ通路64が、本発明における「第2の球転動部」に対応している。
【0020】
また、図1及び図2に示すように、球排出口63は、始動口25の直上で且つ第1の球転動部60の下方の位置に設けられているので、この球排出口63から排出されたパチンコ球Bは、第1の球転動部60の前縁側から落下するパチンコ球Bよりも相対的に高い確率で始動口25に入球することができるように構成されている。
【0021】
また、図2に示すように、役物本体41の内部には、遊技盤10の盤面上を流下するパチンコ球Bを受け、そのパチンコ球Bを第1の球転動部60もしくはワープ通路64(ワープ口62)に振り分けるための振り分け手段となる一対の球通路部材70a,70bが設置されている。この一対の球通路部材70a,70bは、図示しないソレノイド等の駆動手段により左右方向(遊技盤10に向かって左右方向)に往復駆動される。これにより、これら一対の球通路部材70a,70bは、パチンコ球Bを第1の球転動部60に高い確率で振り分けることのできる「第1の振り分け位置」と、パチンコ球Bをワープ通路64に高い確率で振り分けることのできる「第2の振り分け位置」とにそれぞれ変位することができる。
【0022】
図4は、一対の球通路部材70a,70bが「第1の振り分け位置」に変位されている場合における役物本体41の内部の状態を示す上面図である。
図4に示すように、一対の球通路部材70a,70bは、遊技盤10の盤面上を流下するパチンコ球Bを役物本体41内の奥側にまで導くことができるようにクランク状に屈曲した断面略U型のレール状の部材として形成されており、入口部71から入球したパチンコ球Bは、球通路部材70a,70bの上面を奥側に向かって進行し、出口部72から役物本体41の内部に落下する。一対の球通路部材70a,70bが第1の振り分け位置に変位されている場合には、出口部72からワープ口62までの距離がパチンコ球Bの直径以上に離れているので、パチンコ球Bはワープ口62にほとんど入球することができずに、第1の球転動部60に落下する。
【0023】
図5は、一対の球通路部材70a,70bが「第2の振り分け位置」に変位されている場合における役物本体41の内部の状態を示す上面図である。
図5に示すように、一対の球通路部材70a,70bが第2の振り分け位置に変位されている場合には、出口部72からワープ口62までの距離がパチンコ球Bの直径未満に近接しているので、パチンコ球Bが高い確率でワープ口62に入球することができる。
【0024】
この実施の形態に係る遊技機としてのパチンコ機は上述したように構成される。したがって、遊技の際、図示しない球発射装置から球発射通路14に発射されたパチンコ球Bは、遊技領域15の上部に打ち出され、多数の釘、風車器18等に案内されながら遊技領域15の下部に向けて流れる。
遊技領域15に打ち出されたパチンコ球Bのうち、一部のパチンコ球Bは普通図柄始動用ゲート口20を通過したり、あるいは、始動口25、一般入賞口37等の入球口に流入する。また、これら入球口に流入しなかった多くのパチンコ球Bは遊技領域15の下部のアウト口33に流入し、機外に排出される。
【0025】
パチンコ球Bが普通図柄始動用ゲート口20を通過すると、通過したパチンコ球Bが内部に設けられたフォトセンサ等により検出され、その検出信号が主制御基板(図示しない)に送信される。すると、主制御基板からの制御信号により、図柄表示装置45の表示部46の一部に設けられた普通図柄表示部47に普通図柄が変動表示され、普通図柄に基づく抽選結果が例えば「○○」や「○×」等の所定の態様をもって遊技者に報知される。普通図柄に基づく抽選結果が「当たり」である場合には、始動口25に設けられた開閉部材28が所定時間(例えば、1秒間)開放される。普通図柄に基づく抽選結果が「当たり」ではない場合には、始動口25に設けられた開閉部材28は開放されない。
【0026】
始動口25にパチンコ球Bが入球すると、入球したパチンコ球Bが内部に設けられたフォトセンサ等によって検出され、その検出信号が主制御基板に送信される。すると、主制御基板からの制御信号により、図柄表示装置45の表示部46に特別図柄が変動表示され、特別図柄に基づく抽選結果が例えば「7,7,7」等の所定の態様をもって遊技者に報知される。
特別図柄に基づく抽選結果が「大当たり」である場合には、アタッカ装置30の開閉扉31によって大入賞口32が開放される。大入賞口32にパチンコ球Bが10個流入するか、あるいは、30秒経過すると、1ラウンドの大当たり遊技が終了し、開閉扉31によって大入賞口32が一旦閉じられる。始動口25にパチンコ球Bが入球すると、再び大入賞口32が開放され、このような大当たり遊技が最大で16ラウンド繰り返される。
【0027】
遊技の際、遊技領域15に打ち出されたパチンコ球Bのうち、一部のパチンコ球Bは、球通路部材70a,70bに受け入れられて、第1の球転動部60に落下する。第1の球転動部60に落下したパチンコ球Bは、その第1の球転動部60の上面において転動した後、その第1の球転動部60の前縁側から始動口25の上方に落下する。
また、遊技領域15に打ち出されたパチンコ球Bのうち、一部のパチンコ球Bは、球通路部材70a,70bに受け入れられて、ワープ口62に入球する。ワープ口62に入球したパチンコ球Bは、ワープ通路64の内部を通過して、始動口25の直上に配置された球排出口63より排出される。球排出口63より排出されたパチンコ球Bは、第1の球転動部60に振り分けられたパチンコ球Bよりも相対的に高い確率で始動口25に入球することができる。
したがって、本実施の形態におけるパチンコ機によれば、一対の球通路部材70a,70bが変位されている位置(第1の振り分け位置及び第2の振り分け位置)によって、パチンコ球Bが振り分けられる球転動部(第1の球転動部60及びワープ通路64(第2の球転動部))、及び、その球転動部を転動するパチンコ球Bの始動口25への入球確率に多様な変化を与えることができる。これにより、始動口25に入球するまでのパチンコ球の動きや入球確率等が多様なものとなり、一層面白みのあるパチンコ遊技を実現することができる。
【0028】
通常の遊技時において、一対の球通路部材70a,70bは、ソレノイド等の駆動手段により、第1の振り分け位置及び第2の振り分け位置の間で往復動作を繰り返すように制御される。ただし、予め定める遊技状態、例えば、大当たり遊技の終了後に特別図柄による抽選結果が再び「大当たり」になる確率が一定期間高くなる「確率変動遊技状態」の発生などを条件に、第1の振り分け位置もしくは第2の振り分け位置に変位された球通路部材70a,70bの停留時間が変更するように制御される。ここで、「停留時間」とあるのは、第1の振り分け位置もしくは第2の振り分け位置に振り分けられた球通路部材70a,70bが、その変位された位置に留まって停止している時間のことである。このような制御は、遊技盤10の裏面に設けた主制御基板において実行される制御プログラム等により実現することができる。
【0029】
さらに具体的に説明すると、本実施の形態では、「確率変動遊技状態」が発生したことを条件に、「第2の振り分け位置」に変位された球通路部材70a,70bの停留時間が通常の遊技時よりも延長される。すると、確率変動遊技が行われている最中において、球通路部材70a,70bを通過することによってより多くのパチンコ球Bがワープ口62に入球する。ワープ口62に多くのパチンコ球Bが入球すると、始動口25に多くのパチンコ球Bが入球することになるので、図柄表示装置45において多数回の特別図柄の変動表示を行わせることができる。これにより、遊技者には「大当たり」を獲得できる大きなチャンスが与えられることになる。
つまり、遊技中における様々な遊技状態に応じて、遊技盤10の盤面上を流下するパチンコ球Bの始動口25への入球確率を大小に変化させることができるので、遊技者への利益の付与度合いを遊技状況に応じて適切に調整することが可能になる。
【0030】
なお、停留時間を変更させる条件となる「遊技状態」としては、上記に例示した「確率変動遊技状態」以外にも、例えば、普通抽選に基づく抽選結果が「当たり」になる確率が通常の遊技時よりも高くなり、且つ、一対の開閉部材28による始動口25の開放時間が通常の遊技時よりも延長される「時短遊技状態」などを採用することができる。この場合にも、パチンコ球Bの始動口25への入球確率を高くすることができ(あるいは、低くすることもできる)、遊技者には「大当たり」を獲得できる大きなチャンスが与えられることになる。
【0031】
また、本実施の形態におけるパチンコ機では、一対の開閉部材28による開閉動作と、一対の球通路部材70a,70bの変位動作とを連動させている。
例えば、一対の球通路部材70a,70bが第2の振り分け位置に変位されたときに、一対の開閉部材28が作動されて始動口25が開かれる、といったように、両者の動作を互いに連動させている。この場合、パチンコ球Bは、球通路部材70a,70bによってワープ通路64に振り分けられ、一対の開閉部材28が作動されて開かれている状態の始動口25に向けて落下することになるので、パチンコ球Bが始動口25に極めて入球し易い状況を作り出すことができる。これにより、遊技者にとってより大きな利益が付与されるチャンスを与えることができるので、より一層の遊技意欲の向上を図ることができる。
なお、球通路部材70a,70bと開閉部材28とを連動させる態様としては、その他にも、例えば、以下の[表1]に示す4つの態様(連動パターン(1)〜(4))を採用することもできる。上記に例示した態様は、球通路部材70a,70bが「第2の振り分け位置」に変位されたときに、開閉部材28が作動されて始動口25が開かれる態様の連動パターンなので、[表1]中の連動パターン(3)に対応している。
【0032】
【表1】
【0033】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、球通路部材70a,70bが第1の振り分け位置に変位される場合に、それら一対の球通路部材70a,70bが左右両側に広がるように作動され、また、球通路部材70a,70bが第2の振り分け位置に変位される場合に、それら一対の球通路部材70a,70bが中央側に向けて近づくように作動される例を示したが、このような態様に限定するものではない。すなわち、一対の球通路部材70a,70bは、上記実施の形態のように左右対称に作動されるだけでなく、例えば、左側もしくは右側に向けてそれぞれ同じ方向に作動されるようにしてもよい。
一例として、左側の球通路部材70aが左側に作動されたときに、右側の球通路部材70bが同じく左側に作動されるようにした場合には、パチンコ球Bが役物装置40の右側を流下した方が、第2の振り分け位置に変位されている球通路部材70bを通過することでパチンコ球Bが始動口25に入球できる確率が高くなる。この場合、遊技者は、パチンコ球Bを役物装置40の右側に打ち分けた方が、「大当たり」になるチャンスを多く獲得できるので、球発射強度の調整能力を問われることから遊技者の遊技技量によって有利になる度合いを異ならすことができ、よりパチンコ遊技の興趣を向上させることができる。
また、一対の球通路部材70a,70bのうちいずれか一方の球通路部材のみを第1の振り分け位置に固定しておき、他方の球通路部材を第1の振り分け位置と第2の振り分け位置とに変位させるようにしても良く、そのような変位動作を交互に切り替えるような態様で作動させても良い。
【0034】
上記実施の形態では、球排出口63の下方に配置される本発明の「入賞口」として、パチンコ球Bが入球すると図柄表示装置45において特別図柄の変動表示が開始される始動口25が配置される例を示したが、このような態様に限定するものではない。本発明の「入賞口」としては、パチンコ球B(遊技球)が入球することで遊技者に対して何らかの有利な効果が発生する「入賞口」が配置されればよく、例えば、遊技者に対して所定数の賞球を払出す普通入賞口や、遊技者に対して大当たり遊技を付与する第2種パチンコ機におけるいわゆるVゾーン等が「入賞口」として配置される場合であっても本発明を適用し得る。
【0035】
上記実施の形態では、遊技盤10の盤面(前面)上を流れるパチンコ球Bを受け入れる球通路部材70a,70bが役物本体41の左右両側部にそれぞれ設けられている場合を例示したが、役物本体41の左右片側にのみ球通路部材が設けられる場合においても本発明を適用することができる。
【0036】
上記実施の形態では、遊技機としての第1種パチンコ機に本発明を適用した例を示したが、第2種パチンコ機や第3種パチンコ機に対しても本発明を適用し得る。また、パチンコ機以外の他の遊技機(例えばスロットマシン,アレンジボール機,雀球遊技機,テレビゲーム機等)であって、球転動部や入賞口を有するものに対しても本発明を適用し得る。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、遊技球が入賞口に入球するまでの経路や、遊技球がその経路を通った場合の入賞口への入球確率等に変化を与えることで、一層面白みのある遊技を実現できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤全体を示す正面図である。
【図2】同じく役物装置の下部を示す斜視図である。
【図3】図2に示す役物装置のA−A線に基づく縦断面図である。
【図4】一対の球通路部材が「第1の振り分け位置」に変位されている場合における役物本体の内部の状態を示す上面図である。
【図5】一対の球通路部材が「第2の振り分け位置」に変位されている場合における役物本体の内部の状態を示す上面図である。
【符号の説明】
10 遊技盤
15 遊技領域
25 始動口
28 開閉部材
40 役物装置
41 役物本体
45 図柄表示装置
60 球転動部
61 凹部
62 ワープ口
63 球排出口
64 ワープ通路
70a,70b 球通路部材
71 入口部
72 出口部
B パチンコ球(遊技球)
Claims (1)
- 遊技盤の遊技領域内に、遊技球を通入して再び前記遊技領域内に排出可能であり後側に図柄表示装置を装備してなる中央の役物装置と、入賞口を大小に変化させる左右一対の開閉部材を有して前記役物装置の遊技球排出領域の直下方に配置された図柄変動開始用の始動口が配設された遊技機において、
前記役物装置は、
前記遊技盤に取着されて中央に前記図柄表示装置の図柄透視用窓部を開口した役物本体と、
その役物本体の底部に前方向と中央方向に向けて下る緩傾斜状に形成されており、受け入れた遊技球を前縁から前記遊技領域に向けて排出し得る球転動部と、
該球転動部の上面中央部に前方向に下り傾斜の凹湾曲状に形成されて遊技球を前縁から前記遊技領域に向けて排出し得る凹部と、
前記球転動部の後側中央部に配置された遊技球用のワープ口と、
前記球転動部の中央下内部で前後の向きに貫通状に形成されて後側の開口部を前記ワープ口と連通するとともに前側に開口した球排出口を前記始動口の直上方に臨ませたワープ通路と、
前記役物本体内で前記球転動部上の左側と右側との対称位置に配置されて、前記ワープ口の左右側に対する離隔位置と近接位置との左右内外方向に移動可能に設置された球通路部材と、を備えており、
前記左右の各球通路部材は、
平面視クランク状に屈曲したレール状の部材であって、前側部に形成されて前記遊技領域を落下する遊技球を受入れ得る入口部と、後側内部に形成されて入口部から受入れた遊技球を奥内部に通入して前記ワープ口に向けて放出し得る出口部とを一連に形成するとともに、前記始動口の開閉部材の開閉動作と連動して、前記ワープ口の左右側に遊技球1個分以上の間隔をおいて離隔した第1の振り分け位置と、前記ワープ口に近接した第2の振り分け位置とに変位動作されて、
前記第1の振り分け位置では、前記入口部に受け入れられて前記出口部に通入された遊技球が該出口部の出口端と前記ワープ口との離隔間隔部内から通入して前記球転動部の上面に落下され、
前記第2の振り分け位置では、前記入口部に受け入れられて前記出口部に通入された遊技球が該出口部から前記ワープ口に落下して前記ワープ通路の球排出口から前記始動口に向けて放出されるように設定されたことを特徴とする遊技機。
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