JP4517102B2 - 筆記具一体型塗膜転写具 - Google Patents

Description

本発明は、文字修正用塗膜、接着用粘着膜、装飾用塗膜等を被転写体に押圧転写する塗膜転写具と筆記具が一体に装着された筆記具一体型塗膜転写具に関する。

従来、筆記時の誤字等の訂正に修正テープを使用して誤字を覆い、即、ペンを用いて正しい文字をその覆った箇所に記入して訂正を行っている。そこで修正テープを内装した塗膜転写具とボールペンのような筆記具とを一体化した筆記具一体型塗膜転写具があれば便利である。この様に、修正テープとペンとを一体化した筆記具一体型塗膜転写具であるペン一体型転着器が、特許文献１および特許文献２の図１や明細書文内に記載されている。

このペン一体型転着器の転着器は、二分割となるケースと、このケース内に繰り出しローラと巻取ローラを回転自在に支持し、繰り出しローラに巻回された粘着剤あるいは修正剤の転着剤が積層された転写テープを被転着面に押し付け転着剤を転着する転着ヘッドを備えている。この転着器の一端と筆記具の一端とを、それらとは別体の連結部材を介して相互に着脱可能に連結されてペン一体型転着器を形成している。

また、特許文献２に示されるように、転着ヘッドが不使用時に意図しない部分に接して転写テープの転着剤が剥離されることがないように保護カバーが備えられているタイプのものも知られている。
特開平１０−２５０５６公報 特開平１０−１８１２８８公報

しかし、このように塗膜転写具を筆記具に連結部材を介して連結したペン一体型転着器は、ペンの様に上着のポケット等に入れることが多く、転写ヘッドに保護カバーがないと、転着ヘッドが意図しない部分に接して転写テープの転着剤が剥離されてポケット内を修正テープで汚したり、また、保護カバー側をポケット内に入れていても、横方向はもちろんあらゆる方向から力が掛かると保護カバーが開いてしまい、修正テープがポケット内の生地と接触して、汚してしまうという問題が生じる。

本発明の目的は、修正テープ等の塗膜を使用しない時には、確実に筆記具一体型塗膜転写具本体内に転写ヘッドを備えた塗膜転写具自体が収納されていて、塗膜が意図しない部分に転写されず、逆に、使用したいときには、容易に転写ヘッド自身が筆記具一体型塗膜転写具本体から出て被転写面に塗膜を転写できる筆記具一体型塗膜転写具を提供することである。

上記目的を達成するために、本発明は、基材テープに塗膜を備えた転写テープを繰り出す繰出部と、前記塗膜を被転写体に押圧して転写する転写ヘッドと、転写後の基材テープを巻き取る巻取部を有する塗膜転写具を筆記具と着脱可能に設けた筆記具一体型塗膜転写具において、塗膜転写具を筆記具一体型塗膜転写具の長手方向に摺動自在に操作可能にする操作部を設け、前記一体式塗膜転写具に前記操作部を保持する２箇所の保持部が設けられ、前記操作部が一方の前記保持部に保持された状態で、前記塗膜転写具の前記転写ヘッドが前記筆記具から露出して塗膜が転写可能となり、前記操作部が他方の前記保持部に保持された状態で、前記塗膜転写具の前記転写ヘッドが前記筆記具内に収納されることを特徴とする筆記具一体型塗膜転写具から構成されている。

本発明の筆記具一体型塗膜転写具は、筆記具一体型塗膜転写具本体内に塗膜転写具自体をスッポリ収納できる様にし、本筆記具の長手方向に摺動できるための操作部を塗膜転写具に備えているので、塗膜を使用しない時には、操作部を手で持って、筆記具一体型塗膜転写具本体内に転写ヘッドを備えた塗膜転写具自体を収納する方向に摺動させて格納し、使用する時には、同操作部を手で持って筆記具一体型塗膜転写具本体内に格納されている塗膜転写具自体を所定位置まで引き出して固定すると、同時に転写ヘッドも筆記具一体型塗膜転写具本体から突出されるから被転写面に転写できるようになる。よって、保護カバーを別に設ける必要もなく、筆記具一体型塗膜転写具に横方向等の外力が加わっても転写ヘッドは筆記具一体型塗膜転写具本体内に格納されているから、外部に突出することもない。

よって、不用意に筆記具一体型塗膜転写具から転写ヘッドが突出しないから、意図しない部分に塗膜が接触して剥離することがないので、ポケット内等を塗膜で汚すことがなくなる。また、使用時、不使用時には、簡単に塗膜転写具自体を筆記具一体型塗膜転写具本体内を前後に摺動させるだけで容易に使い分けができ、更に別体の保護カバーを必要としない。

以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１、図２は本発明の筆記具一体型塗膜転写具である。図１、図２に示すように、本実施形態の筆記具一体型塗膜転写具１は、全長の長いほぼ円筒状に形成された筆記具一体型塗膜転写具本体３とボールペン等の筆記具と転写テープ９である修正テープを装填した塗膜転写具２とから形成されている。この筆記具一体型塗膜転写具本体３の一端には、筆記具を収納し、他端には塗膜転写具２を収納部４に収納している。

この収納部４は、筆記具一体型塗膜転写具本体３の端部から所定深さの円筒状で一端が開口された中空体として形成された凹み部である。この開口された凹み部の内側面部は、塗膜転写具２の操作部５である凸部と係合が容易に行えるように溝４１が形成されている。

前記塗膜転写具２は、筆記具一体型塗膜転写具１に収納された塗膜転写具の構成が分かるように一部分を断面図とした図２に示されるように、２つの支軸を備えたケース、ケース端部に設けられて先端に押圧転写部１１を備えた転写ヘッド１０、各支軸に回転可能に係合された繰り出しロール６と巻取ロール７、この繰り出しロール６と巻取ロール７を連動回転させる無端状のゴムベルト８、および基材テープの片面に塗膜を備えた転写テープ９からなり、ケースはカバーで覆われている。繰り出しロール６に巻回された転写テープ９は引き出され、転写ヘッド１０の押圧転写部１１で転写テープ９の塗膜を被転写体に押圧して転写し、転写後の基材テープを巻取ロール７で巻き取るようになっている。筆記具一体型塗膜転写具本体３には、この塗膜転写具２の外径よりも少し大きい内径で所定長さの円筒状凹み部である収納部４が設けられている。また、この塗膜転写具２の転写ヘッド１０側に直径方向に操作部５が２カ所備えられている。この操作部５は、筆記具一体型塗膜転写具本体３内に設けられた溝４１にはめ込まれている。この溝４１の形状は、長手方向の両端に把持部５を保持する保持部５１を設け、両保持部間は自由に把持部５が往復できる構造になっている。筆記具は、通常のシャープペン、水性または油性インクのボールペン、マーカーペンおよびこれら２種以上を寄せ集めたペン等である。もちろん筆記具３の筆記部先端を保護するキャップを設けてもよい。押圧転写部１１の形状は、転写テープ９の厚さ方向から見て三角形または小さな円弧状であってもよい。
本発明の塗膜転写具２は筆記具３と一体とするため、できる限り小型化する必要があるので、繰り出しロール６と巻取ロール７とを連動回転させる連動機構には、ギヤ式連動機構よりもコストが安価であり、両ロールの外径よりも小径で連動できる無端状のゴムベルト８、例えばＯリングを使用している。

塗膜転写具２は、そのケース内に収納される転写テープ９が視認できるような透明、あるいは、半透明な樹脂で形成されるのが望ましいが、不透明な樹脂や一部紙等の材質で形成してもよく、その材質は限定されるものではない。もちろん、筆記具も同様である。

なお、塗膜転写具２を筆記具３内を往復移動するための把持部５の形状は、指で摘み易い形状であればよく、筆記具外筒より突出していても、また、面一、へこんでいても良い、さらに滑り止めの凹凸形状を設けてもよい。もちろん、ばね等で塗膜転写具を引っ張っても、逆に押してもよい。実施例において塗膜転写具２と筆記具３との摺動構成は、溝部と把持部（凸部）との係合によることとしたが、塗膜転写具側に溝を設けたり適宜変更した形状であっても、本発明より逸脱しない形状であればよく、塗膜転写具２を筆記具３との間で容易に往復し転写時に固定できる構成であればよい。

本発明の筆記具一体型塗膜転写具で塗膜を被転写面に転写する図である。 本発明の筆記具一体型塗膜転写具で塗膜転写具を収納した一部断面図である。

符号の説明

１ 筆記具一体型塗膜転写具
２ 塗膜転写具
３ 筆記具
４ 収納部
４１ 溝
５ 把持部
５１ 保持部
６ 繰り出しロール
７ 巻取ロール
８ ゴムベルト
９ 転写テープ
１０ 転写ヘッド
１１ 押圧転写部

Claims (1)

1. 基材テープに塗膜を備えた転写テープを繰り出す繰出部と、前記塗膜を被転写体に押圧して転写する転写ヘッドと、転写後の基材テープを巻き取る巻取部を有する塗膜転写具を筆記具と着脱可能に設けた筆記具一体型塗膜転写具において、塗膜転写具を筆記具一体型塗膜転写具の長手方向に摺動自在に操作可能にする操作部を設け、前記一体式塗膜転写具に前記操作部を保持する２箇所の保持部が設けられ、前記操作部が一方の前記保持部に保持された状態で、前記塗膜転写具の前記転写ヘッドが前記筆記具から露出して塗膜が転写可能となり、前記操作部が他方の前記保持部に保持された状態で、前記塗膜転写具の前記転写ヘッドが前記筆記具内に収納されることを特徴とする筆記具一体型塗膜転写具。

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