JP4516641B2 - 流体圧送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円錐体と、その斜面に線状に接触し、その接触線を移動できる傾斜板と、その傾斜板の移動に伴って揺動する仕切板との作用により流体を効率よく吸入及び吐出できる形態の流体圧送装置、特に、ポンプ、エアーモータ、ブレーキなどに応用して好適な流体圧送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記形態の流体圧送装置として特公昭55−4956号「斜板ポンプ」がある。これは図6に示す如く、周壁内面が球面になっているハウジング61の内底面に設けた円錐体62と、該円錐体62の斜面に線状に接触できる受動斜板63と、前記円錐体62の中心を通る割り溝64に前記受動斜板63の傾動に従って揺動する仕切板65とを備えてなり、前記受動斜板63の傾き方向を、駆動斜板66の回転により順次変化させて行くと、前記円錐体62の斜面に、外部に連通するように設けた吸入口67、吐出口68を通して流体の吸入及び吐出を効率よく行えるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記斜板ポンプは、受動斜板63と仕切板65、受動斜板63と円錐体62によって出来る閉じた流体室が、受動斜板63の傾斜方向の移動に伴って次第に減少していき、最終的には“0”となる結果、圧縮比率の極めて高いポンプとなる点で優れていたが、吸入口67及び吐出口68に連通する流路には逆流を防止するためにチェック弁(一方向弁)が必須であり、このためには流路の断面を大きくできず流動抵抗が増加するなど、チェック弁の悪影響が出るという問題があった。また、シール部構造上、円錐体62と受動斜板63との間に密閉効果がなくなり、圧力が上がらない構造となっていた。
【0004】
本発明は、上記課題を解消するためのもので、その目的とするところは、圧縮比率の極めて高い構成を維持しつつチェック弁を省略して流動抵抗が少なく、構成至簡にして故障の少ない、完全なる密閉室を保有している、流体圧送装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、内底部に円錐体を有し、内周壁が前記円錐体の頂点を中心とする球面である、水平方向に回転可能なハウジングと、該ハウジングの頂面から挿入され、下面が前記円錐体の斜面に一致する傾斜面になっている固定傾斜ガイドと、前記固定傾斜ガイドにより前記円錐体の斜面に線状に接触できるように傾斜した状態が保持され、前記ハウジングの水平回転にしたがって前記円錐体の斜面との接触位置が移動できるように周縁がハウジングの周壁内面に摺接できる傾斜板と、前記円錐体を等配する割り溝内に挿入され、上縁を前記傾斜板の下面に設けた凹溝に嵌入し、該傾斜板の傾斜方向に直交する軸回りの回転に伴って揺動できるように外縁が円弧になっている仕切板と、を備えてなり、
前記固定傾斜ガイドの下面にその傾斜方向の中央線を挟んだ位置にハウジング外に連通する流体の吸入口及び吐出口を設けるとともに、前記傾斜板に前記吸入口及び吐出口に合致できる複数の流体通路を板厚方向に貫通して設け、
前記ハウジングの周壁内面と前記円錐体と前記傾斜板と前記仕切板にて形成された空間は、前記流体通路のうちの一つを介して前記吸入口と連通し、前記ハウジングの周壁内面と前記円錐体と前記傾斜板と前記仕切板にて形成された前記空間と異なる空間は、前記吸入口と連通した流体通路とは異なる流体通路を介して前記吐出口と連通するように構成した。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記傾斜板が、前記円錐体の頂部に球体を介して自在継手状に結合しているとともに、前記仕切板の上縁中央に前記球体との嵌合部を有することを特徴とし、前記傾斜板の傾斜方向の移動時において、該傾斜板に直径方向のずれを生じさせることなく、スムーズな傾斜板の傾動操作が可能になるように構成した。
【0007】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記仕切板の円弧状の外縁が、前記円錐体の割り溝に対応してハウジングの内周壁に設けた凹溝に嵌入していることを特徴とし、流体の吸入及び吐出時に仕切板に掛かる圧を有効に受け止め得るように構成した。
【0008】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、前記仕切板の下縁が、弾圧手段により上向きに押圧されていることを特徴とし、傾斜板の下面凹溝と仕切板の上縁との係合を確実にするように構成した。
また、請求項5に記載の発明は、前記円錐体の表面に、前記流体通路が嵌合する突起部を有するように構成した。
【0009】
【発明の実施の態様】
次に、本発明の実施の態様を図面に基いて説明する。図1は本願流体圧送装置の正面断面図、図2は固定傾斜ガイドと、傾斜板と、仕切板と、円錐体との4者の関係を示す分解斜視図、図3は仕切板と、円錐体と、ハウジングとの関係を示す分解斜視図、図4は固定傾斜ガイドに設けた流体の吸入口及び吐出口と、傾斜板に設けた流体通路との位置関係を示す平面図で、(a)は流体の吸入口と吐出口とを同形同大にした場合、(b)は吸入口に対して吐出口を小さくした場合、図5は本願流体圧送装置の作用を示す説明図で、(a)〜(i)は仕切板(傾斜板)の45°毎の回転状態である。
【0010】
本願流体圧送装置1は、内周壁が球面であるハウジング2が外套体3に水平方向に回転可能に保持されている。ハウジング2は前記外套体3の下板3aを貫通した軸2aを介して駆動源(図示せず)に連繋される。前記ハウジング2の内周壁の球面は、その内底部に形成した円錐体4の頂点を中心とする球面に一致している。
【0011】
前記ハウジング2の頂面には、前記外套体3の上板3bから垂下した固定傾斜ガイド5が挿入されている。該固定傾斜ガイド5はその下面5aが前記円錐体4の斜面に一致している。
【0012】
前記円錐体4の斜面には、固定傾斜ガイド5の下面5aにより傾斜保持された傾斜板(ローター)6の下面6aが線状に接触している。また、傾斜板6の周縁6bは前記ハウジング2の内周壁に摺接できるようになっている。この場合、傾斜板6の周縁6bは、図示の如く、球面(全面摺接型)にするとよい。勿論、円錐(二稜線摺接型)或いは断面山形(三稜線摺接型)にすることも可能である。なお、図示していないが、ハウジング2の内面との気密(液密)性の維持のために必要があれば、傾斜板6の周縁6bに円周方向に溝(ラビリング溝)を設けても、内燃機関のピストンリングの如きリングを嵌めてもよい。
【0013】
前記傾斜板6の下面にはその中心を通る凹溝7が設けられている。該凹溝7には前記円錐体4を等配(図面では2等配しているが、これに限らない)するように設けた割り溝8内に嵌入した仕切板9の上縁9aが係合している。該仕切板9の上縁9aと前記傾斜板6の下面の凹溝7との係合は、前記ハウジング2の水平方向の回転を円錐体4から受けて傾斜板6に伝達する機能を有する。
【0014】
前記傾斜板6が、前記ハウジング2の水平方向の回転に伴って回転する(ハウジングとの関係では静止)と、前記固定傾斜ガイド5の下面5aにより円錐体4の斜面に対して傾斜方向が順次移動する。なお、前記傾斜板6を傾斜保持する前記固定傾斜ガイド5の下面5aはその傾斜方向が一定であるため、円錐体4の斜面に対する接触線Sの位置は見掛上移動しない。
【0015】
前記仕切板9は、前記傾斜板6の傾斜方向の移動に伴って揺動できるように外縁9bが、ハウジングの内周壁の球面に合わせて円弧状になっている。この外縁9bに溝を形成してシール材を設けてもよい。また、仕切板9の下部は弾圧手段10により上向きに押圧されている。これは傾斜板6と仕切板9との係合を確実にするために有効である。この弾圧手段10として図示の場合にはバネ体10aとこれに弾圧されたコロ10bを2個所に設置し、仕切板9の下部を2点支持しているものを示しているが、これに限定されない。なお、このバネ体10a及びコロ10bは図示していない筒状ガイド内に保持するとよい。
【0016】
前記仕切板9の円弧状の外縁9bを、図3の如く、前記円錐体4の割り溝8に対応してハウジング2の内周壁に沿って設けた凹溝2bに嵌入させるように構成することもある。このようにすると、流体の吸入及び吐出時に仕切板9に掛かる圧を有効に受け止め得ることができ、仕切板9の薄肉化が可能になる。
【0017】
また、前記仕切板9は上記態様では半月状のものを示しているが、半月状の半分、即ち、扇形成のものとして構成し(図示せず)、これを前記円錐体4の割り溝8内に復帰バネとともに装置し、傾斜板6の傾動に伴って個々に揺動させるようにしてもよい。このようにすると、仕切板を2枚以上用いて流体の吸入及び吐出を行わせることが可能になる。
【0018】
前記傾斜板6は、前記円錐体4の頂部に球体11を介して自在継手状に結合している。該球体11はハウジング2の回転に伴って回転する傾斜板6の傾斜方向の移動時において、該傾斜板6に直径方向のずれを生じさせないために有効である。この場合、前記円錐体4の頂部及び傾斜板6の下面の対応位置には球体11を受ける球状凹部(円錐体4の頂部のみ図示している)4aが設けられ、また、前記仕切板9の上縁中央には前記球体11との嵌合部(仕切板側を凹欠しても、球体側を凹欠しても、一体成形してもよい)が設けられる。
【0019】
前記ハウジング2内の円錐体4と傾斜板6にて作られた空間は、仕切板9により仕切られて(分割されて)二室A、Bとなる。該二室A、Bの空間(体積)はハウジング2の回転に伴って回転する傾斜板6の傾斜方向の移動(接触線Sに対する仕切板9の移動)により最大から最小“0”まで変化する。
【0020】
なお、仕切板9の上縁9aと傾斜板6の下面の凹溝7との係合部(断面円弧)は、円錐体4の回転角度によっては干渉部ができるため、これを取り除く必要がある。ところが、この干渉部を取り除くと、円錐体4の回転角度によっては仕切板9の上縁9aと傾斜板6の凹溝7との係合部に溝(スキマ)ができ、前記二室A又はBの室毎に連通してしまう虞があるが、前記“球体11”はその溝(スキマ)を遮断するために有効に作用する。
【0021】
前記傾斜板6には流体通路12が板厚方向に貫通して設けられている。該流体通路12は、図4の如く、傾斜板6の中心Pを中心とする同一円上に配置されるが、前記仕切板9の上縁9aが嵌入する凹溝7の近傍で、該凹溝7を挟んだ対称位置(基本位置)に都合4個を設ける。勿論、この基本位置を含む他の個所にも設けることを妨げない。この場合、流体通路12の間隔は自由に決定してよい。また、流体通路12の内径は流体の種類に合わせて適宜選択される。即ち、液体とガス体とでは異なることは勿論である。
【0022】
前記固定傾斜ガイド5の下面5aには、その傾斜方向の中央線(見掛上の接触線Sと一致)を挟んだ位置にハウジング2外(外套外)に連通する流体の吸入口13及び吐出口14が設けられている(ハウジング2の回転方向が反時計廻り方向であることを前提としている)。
【0023】
前記流体の吸入口13及び吐出口14の形状は、図4(a)の場合には共に長円弧状(この形状に限定する趣旨ではない)に形成し、対称に設置しているが、図4(b)の場合には流体の吸入口13は長円弧状、流体の吐出口14は小真円(非円形、スリット、その他でもよい)になっている。これは流体の粘性に応じて決定するか、用途によって決定される。
【0024】
前記固定傾斜ガイド5の下面5aは流体の吸入口13及び吐出口14を除いて傾斜板6との擦り合わせ面となるので、固定傾斜ガイド5の下面5aと傾斜板6の上面の一方又は双方には耐熱性を有する高摺動性処理を施すか、高摺動性樹脂シートを貼着しておくとよい。
【0025】
前記ハウジング2と、その上面から挿入される固定傾斜ガイド5との間には気密・液密のためのシール部材15が嵌入されている。また、ハウジング2は外套体3に対して必要個所(ラジアル荷重、スラスト荷重)にはベアリング16又は他の滑り部材が用いられている。さらに、ハウジング2の軸2aと外套体3との間には、ベアリング16に使用のオイルなどが駆動源側へ漏出しないようにシール部材15′が設けられている。
【0026】
なお、前記円錐体4の斜面と、前記傾斜板6の下面6aとは、相対的に嵌合し合う曲面或いはギア面であってもよい。曲面は円錐体4の頂点を通る二次曲線、インボリュート曲線、サイクロイド曲線、或いはスパイン曲線その他であってもよい。
【0027】
上記実施態様に示した本願流体圧送装置1において、軸2aが駆動源により水平方向に回転すると、ハウジング2が外套体3内で回転し、ハウジング2と一体の円錐体4、その割り溝8に嵌入している仕切板9、及び仕切板9の上縁が係合している傾斜板6が一体的に回転する。
【0028】
前述傾斜板6が回転すると、固定傾斜ガイド5の下面5aにより傾斜保持されている傾斜板6の下面と前記円錐体9の斜面との接触線Sが移動する。尤も、この接触線Sは傾斜板6を傾斜保持した固定傾斜ガイド5の下面5aが一定方向にのみ傾斜しているため、見掛上の接触線Sは固定され、動かない。
【0029】
前記仕切板9により分割された二室A、Bの体積は、仕切板9が前記接触線Sに向かって行くにしたがって減少(流体吐出)し、接触線Sから離れて行くにしたがって拡大(流体吸入)する。
【0030】
即ち、ハウジング2の回転により吸入口13を通して前記二室A又はBに順次吸入した流体は、吐出口14を通して順次ハウジング2外に吐出され、従って、流体の吸入・吐出が連続的に行われるために脈動がなく、定量流入・定量吐出が可能となるものである。
【0031】
なお、前記傾斜板6に設けた流体通路12が前記接触線Sを通過するとき、該接触線Sを境に、一つの流体通路12が瞬間的に流体吸入側と流体吐出側になってしまう現象が生じ、その結果、吐出側から吸入側へ流体の洩れを起こすことがある。特に、流体がガス体である場合にはその影響がある。この影響を可及的に解消する一つの手段として、前記円錐体4の表面に、図2の破線で示す如く、前記傾斜板6の流体通路12が嵌合する突起部17を設けることがある。
【0032】
上記作動を図5(a)〜(i)に基づいて説明する。
(a)は、傾斜板6に接する仕切板9の一端(▲印)が、0°にある場合を示している。また、円錐体4の斜面と傾斜板6との接触線Sは180°点(見掛上固定)にある。これは吸入口13より流体(○印)が室A内に順次吸入され、吐出口14より室B内にある流体(●印)も順次吐出されている状態である。
【0033】
(b)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に45°移動した場合を示している。これは吸入口13より室A内への流体(○印)の吸入が継続され、室Bは接触線Sに向かって空間(体積)が減少し、その減少分だけ吐出口14より流体(●印)が吐出されている状態である。そして、仕切板9の他端(△印)が接触線Sを通過した室Bには前記吸入口13より新たに流体(○印)が吸入される。
【0034】
(c)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に90°移動した場合を示している。これは吸入口13より室A内への流体(○印)の吸入工程が終了し、室Bは接触線Sに向かって空間(体積)をさらに減少し、吐出口14より継続的に流体(●印)を吐出している状態である。そして、接触線Sを通過した室Bはその空間(体積)を徐々に拡大し、その拡大分だけ流体(○印)が吸入口13より吸入される。
【0035】
(d)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に135°移動した場合を示している。これは仕切板9がステップ(c)を通過した瞬間から室A内は吐出流体(●印)となって吐出口14より継続して吐出されている。また、仕切板9と接触線Sとの間の室Bにある流体(●印)も吐出口14より吐出される。そして、接触線Sを通過した室Bはその空間(体積)を更に拡大し、吸入口13より流体(○印)の吸入を拡大する。
【0036】
(e)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に180°移動した場合を示している。この状態は、ステップ(d)において、室Bにあった流体(●印)は吐出口14より全部吐出され、室AとBとが入れ替わる。このステップ(e)の状態は室AとBとが入れ替わった点を除けば、上記ステップ(a)の状態と実質的に同じである。即ち、吸入口13より流体(○印)が室B内へ吸入され、吐出口14より室A内にある流体(●印)が順次吐出されている状態である。
【0037】
(f)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に225°移動した場合を示している。この状態は、上記ステップ(b)の状態と実質的に同じである。即ち、吸入口13より流体(○印)が室B内に継続して吸入され、室Aは接触線Sまでの空間(体積)が減少し、その減少分だけ吐出口14より流体(●印)を吐出する。そして仕切板9の一端(▲印)が接触線Sを通過した室Aには前記吸入口13より新たに流体(○印)が吸入される。
【0038】
(g)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に270°移動した場合を示している。この状態は、上記ステップ(c)の状態と実質的に同じである。即ち、吸入口13より室B内への流体(○印)の吸入工程が終了し、室Aは接触線Sまでの空間(体積)がさらに減少し、その分だけ流体(●印)は吐出口14より順次吐出される。そして、室Aは徐々に拡大し、その拡大分だけ吸入口13より流体(○印)の吸入が拡大する。
【0039】
(h)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に315°移動した場合を示している。この状態は、上記ステップ(d)の状態と実質的に同じである。即ち、仕切板9がステップ(g)を通過した瞬間から室B内は吐出流体(●印)となって吐出口14より継続して吐出されている。また、仕切板9と接触線Sとの間の室Aにある流体(●印)も吐出口14より吐出される。そして、接触線Sを通過した室Aはその空間(体積)を更に拡大し、吸入口13より流体(○印)の吸入を拡大する。
【0040】
(i)は、仕切板9の一端(▲印)が、反時計方向に360°移動した場合を示している。この状態は、上記ステップ(e)の状態と実質的に同じである。即ち、ステップ(h)において、室Aにあった流体(●印)は吐出口14より全部吐出され、室AとBとが入れ替わる。このステップ(i)の状態は、上記ステップ(a)とは全く同じである。即ち、吸入口13より流体(○印)が室A内へ順次吸入され、吐出口14より室B内にある流体(●印)が順次吐出されている状態である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明は、内底部に円錐体を有し、内周壁が前記円錐体の頂点を中心とする球面である、水平方向に回転可能なハウジングと、該ハウジングの頂面から挿入され、下面が前記円錐体の斜面に一致する傾斜面になっている固定傾斜ガイドと、該固定傾斜ガイドにより前記円錐体の斜面に線状に接触できるように傾斜した状態が保持され、前記ハウジングの水平回転に従って前記円錐体の斜面との接触位置が移動できるように周縁がハウジングの周壁内面に摺接できる球面になっている傾斜板と、前記円錐体を等配する割り溝内に挿入され、上縁を前記傾斜板の下面に設けた凹溝に嵌入し、該傾斜板の傾斜方向の移動に伴って揺動できるように下縁が円弧になっている仕切板と、を備えてなり、前記固定傾斜ガイドの傾斜面になっている下面にその傾斜方向の中央線を挟んだ位置にハウジング外に連通する流体の吸入口及び吐出口を設けるとともに、前記傾斜板に前記吸入口及び吐出口に合致できる流体通路を板厚方向に貫通して設けたことを特徴としているから、ハウジングの水平回転により一体的に(円錐体、仕切板を介して)回転(ハウジングとの関係では回転せず、揺動のみ)する傾斜板が、固定傾斜ガイドによって円錐体の斜面との接触位置を移動することにより流体の吸入及び吐出を行うため、チェック弁が不要になるという優れた効果を奏するものである。
【0042】
また、請求項2に記載の発明は、前記傾斜板が、前記円錐体の頂部に球体を介して自在継手状に結合しているとともに、前記仕切板の上縁中央に前記球体との嵌合部を有することを特徴としているから、前記傾斜板の傾斜方向の移動時において、該傾斜板に直径方向のずれを生じさせることなく、スムーズな傾斜板の傾動操作が可能になるという優れた効果を奏するものである。
【0043】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記仕切板の円弧状の外縁が、前記円錐体の割り溝に対応してハウジングの内周壁に設けた凹溝に嵌入していることを特徴としているから、流体の吸入及び吐出時に仕切板に掛かる圧を有効に受け止め得るという優れた効果を奏するものである。
【0044】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、前記仕切板の下縁が、弾圧手段により上向きに押圧されていることを特徴とし、傾斜板の下面凹溝と仕切板の上縁との係合を確実にするという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願流体圧送装置の正面断面図である。
【図2】固定傾斜ガイドと、傾斜板と、仕切板と、円錐体との4者の関係を示す分解斜視図である。
【図3】仕切板と、円錐体と、ハウジングとの関係を示す分解斜視図である。
【図4】固定傾斜ガイドに設けた流体の吸入口及び吐出口と、傾斜板に設けた流体通路との位置関係を示す平面図で、(a)は流体の吸入口と吐出口とを同形同大にした場合、(b)は吸入口に対して吐出口を小さくした場合である。
【図5】本願流体圧送装置の作用を示す説明図で、(a)〜(i)は傾斜板の45°毎の回転状態である。
【図6】従来装置の正面断面図である。
【符号の説明】
1 本願流体圧送装置
2 ハウジング
2a ハウジングの軸
3 外套体
3a 外套体の下板
3b 外套体の上板
4 円錐体
4a 球状凹部
5 固定傾斜ガイド
5a 固定傾斜ガイドの下面
6 傾斜板(ローター)
6a 傾斜板の下面
6b 傾斜板の周縁
7 凹溝
8 割り溝
9 仕切板
9a 仕切板の上縁
9b 仕切板の外縁
S 接触線
10 弾圧手段
10a バネ体
10b コロ
11 球体
A、B 二室
12 流体通路
13 流体の吸入口
14 流体の吐出口
15、15′ シール部材
16 ベアリング
17 突起部
61 ハウジング
62 円錐体
63 受動斜板
64 割り溝
65 仕切板
66 駆動斜板
67 吸入口
68 吐出口
Claims (5)
- 内底部に円錐体を有し、内周壁が前記円錐体の頂点を中心とする球面である、水平方向に回転可能なハウジングと、該ハウジングの頂面から挿入され、下面が前記円錐体の斜面に一致する傾斜面になっている固定傾斜ガイドと、前記固定傾斜ガイドにより前記円錐体の斜面に線状に接触できるように傾斜した状態が保持され、前記ハウジングの水平回転にしたがって前記円錐体の斜面との接触位置が移動できるように周縁がハウジングの周壁内面に摺接できる傾斜板と、前記円錐体を等配する割り溝内に挿入され、上縁を前記傾斜板の下面に設けた凹溝に嵌入し、該傾斜板の傾斜方向に直交する軸回りの回転に伴って揺動できるように外縁が円弧になっている仕切板と、を備えてなり、
前記固定傾斜ガイドの下面にその傾斜方向の中央線を挟んだ位置にハウジング外に連通する流体の吸入口及び吐出口を設けるとともに、前記傾斜板に前記吸入口及び吐出口に合致できる複数の流体通路を板厚方向に貫通して設け、
前記ハウジングの周壁内面と前記円錐体と前記傾斜板と前記仕切板にて形成された空間は、前記流体通路のうちの一つを介して前記吸入口と連通し、前記ハウジングの周壁内面と前記円錐体と前記傾斜板と前記仕切板にて形成された前記空間と異なる空間は、前記吸入口と連通した流体通路とは異なる流体通路を介して前記吐出口と連通することを特徴とする流体圧送装置。 - 前記傾斜板が、前記円錐体の頂部に球体を介して自在継手状に結合しているとともに、前記仕切板の上縁中央に前記球体との嵌合部を有することを特徴とする請求項1に記載の流体圧送装置。
- 前記仕切板の円弧状の外縁が、前記円錐体の割り溝に対応してハウジングの内周壁に設けた凹溝に嵌入していることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体圧送装置。
- 前記仕切板の下部が、弾圧手段により上向きに押圧されていることを特徴とする請求項1〜3のうちの1に記載の流体圧送装置。
- 前記円錐体の表面に、前記流体通路が嵌合する突起部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体圧送装置。
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