JP4514738B2 - 膜密着性評価方法 - Google Patents

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本発明は表面の少なくとも一部に膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価する膜密着性評価方法に関する。
自動車等の車輛の部品、車輛以外の機械の部品、家電製品の部品、成形用金型等の成形型、切削工具、治具等の物品では、その耐摩耗性を向上させる、摺動性を向上させる等のために目的に応じた膜で被覆することが行われている。
このような被覆膜については、実用に供するために、その密着性或いは密着強度、観点を変えて言えば膜寿命が評価されるのであるが、従来の評価方法は、スクラッチ試験やロックウエル圧痕試験によるものであった。
スクラッチ試験による膜密着性評価方法は、ダイヤモンド針(或いは圧子)に荷重を加えて評価対象物品(膜密着性評価において実際の物品に相当するものと見なし得るテストピースである場合も含む)の被膜表面に押し込み、該膜を引っかく方法であり、膜剥離が起こる荷重の大小により膜密着性を評価するものである。スクラッチ試験の中には幾つかの試験方法があるが、効率的な試験方法として、荷重漸増式スクラッチ試験が今日広く世界的に採用されている。荷重漸増式スクラッチ試験は、ダイヤモンド針(或いは圧子)に加える荷重を漸増させつつ膜を引っかき移動させることで被膜の剥離を起こさせ、被膜の剥離が開始する荷重を、膜密着性を示す臨界荷重とするものである。
ロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法は、鋼玉或いはダイヤモンド円錐体を荷重下に評価対象物品の被膜表面に押し付け、そのときにできる圧痕周囲の膜の状態(クラック、剥離等)と荷重との関係から膜密着性を評価する方法である。
このようなスクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法は例えば特開2000−176705号公報や、2001年12月14日技術情報会発行の「薄膜の機械的特性と評価制御技術」67頁,ISBN4-906317-54-5 C3058 に記載されている。
特開2000−176705号公報 2001年12月14日技術情報会発行の「薄膜の機械的特性と評価制御技術」67頁,ISBN4-906317-54-5 C3058
しかしながら、スクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法は、一時的な、且つ、ごく限られた部位に対する荷重印加による評価方法であり、被膜を形成した物品の、繰り返し荷重を受ける実際の使用での膜密着性(観点を変えれば膜寿命)を評価するには不十分である。
また、スクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による評価方法では、評価結果が膜形成された物品本体の膜形成部分の硬さ、膜自体の硬さ、膜の厚み、膜の内部応力等に左右され、物品本体の膜形成部分の硬さが高い場合、膜自体の硬さが低い場合、膜の厚みが厚い場合、膜の内部応力が低い場合等には膜密着性が良好或いは膜密着強度が高いという評価結果が得られる傾向があり、被膜を形成した物品の繰り返し荷重が加わる実使用時における膜密着性、換言すれば、実使用時の膜寿命と相関関係のある評価が得られない。
ロックウエル圧痕試験による評価方法では、試験における一時的な荷重印加のもとでは、圧痕周囲にクラックが発生しても、クラックはそれ以上進行することはないのに対し、膜形成した物品の実使用時では繰り返し荷重が加わることで当初発生したクラックが進行していく場合が多いが、そのようなことも含めて物品の実使用における膜密着性を評価することはできない。
膜形成した物品の実使用時の膜密着性の評価は、その物品を実際に使用することで行えるが、それでは評価作業が大がかりとなるとともに、長時間を要する。
そこで本発明は、表面の少なくとも一部に膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価する膜密着性評価方法であって、該物品の実使用における膜密着性を、スクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法より正確に知ることができる膜密着性評価方法を提供することを第1の課題とする。
また本発明は、表面の少なくとも一部に膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価する膜密着性評価方法であって、該物品の実使用における膜密着性を、スクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法より正確に知ることができ、しかも、膜密着性評価を、実際にその物品を使用して膜密着性を評価する場合と比べると短時間で行える膜密着性評価方法を提供することを第2の課題とする。
本発明は前記課題を解決するため次の評価方法を提供する。
すなわち、表面の少なくとも一部に膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価する膜密着性評価方法であって、該物品本体上に形成された該膜の表面に複数個のボールのそれぞれを該各ボールについて予め定めた大きさの、前記物品本体の膜形成部分に塑性変形を生じさせる荷重で押しつけつつ予め定めた同一周回軌道に沿って該膜表面に対し相対的に転動周回させることで該ボール転動周回軌道に対応する膜部分に予め定めた回数繰り返し荷重を印加し、該繰り返し荷重印加後の該膜部分の膜剥離状態を予め定めた、膜剥離状態に基づく膜密着性評価指標と照合して前記物品本体に対する膜密着性を評価する膜密着性評価方法である。
前記繰り返し荷重をかけるあたっては該膜及びボールを潤滑剤中に浸漬する。
本発明に係る評価方法によると、物品本体上に形成された膜の表面に複数個のボールのそれぞれが、該各ボールについて予め定めた大きさの荷重で押しつけられつつ予め定めた同一周回軌道に沿って該膜表面に対し相対的に転動周回させられ、それにより該ボール転動周回軌道に対応する膜部分に予め定めた回数繰り返し荷重がかけられる。そして、該繰り返し荷重印加後の該膜部分の膜剥離状態を予め定めた、膜剥離状態に基づく膜密着性評価指標と照合して前記物品本体に対する膜密着性が評価される。
本発明に係る評価方法は、このように、従来のスクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法におけるようにごく限られた膜部位に対する、且つ、一時的な荷重印加による評価方法とは異なり、ボールを膜表面に対し相対的に転動周回させることで、その転動周回軌道に対応する広い膜部分に荷重を印加し、且つ、繰り返し荷重を印加するので、それだけ、膜形成された物品の実使用における膜密着性を正確に知ることができる。
本発明に係る評価方法では、各ボールに加える荷重は、物品本体の膜形成部分に塑性変形を生じさせる荷重とするので、膜には大きい負荷が加わり、それだけ、評価を、実際にその物品を使用して膜密着性を評価する場合と比べると、また、各ボールに加える荷重を物品本体の膜形成部分に塑性変形を生じさせない範囲の荷重とする場合と比べると、短時間で行える。
例えば、膜形成された物品を製造する工場において、該物品を複数個(例えば数十個、場合よっては数百個)バッチ製造する装置が設置されており、さらにその装置が複数台設置されており、該複数台の装置から次々バッチ製造される物品につき、それに形成された膜の密着性を評価するために、各バッチにおける1個又は複数個の物品或いは、物品とともに製造した膜形成テストピースを用いて代表的に膜密着性を評価するような場合、評価に供される1個の物品或いはテストピースに要する膜密着性評価時間はできるだけ短くしたい。このようなとき、本発明に係る第2の評価方法を活用できる。
本発明に係る第2の評価方法は、膜開発、膜形成された物品の量産ラインにおける膜品質管理等にも有効である。
本発明に係る評価方法においては、各ボールに加える荷重及び該ボールを介して膜に該荷重を繰り返し印加する回数は、例えば、評価対象膜の実使用における変化から実際に得た知見や評価対象膜の実使用における変化を知る実験等に基づいて、正確な膜密着性評価を行えるとみなし得るものを選択採用すればよい。
また、繰り返し荷重印加後の膜部分の状態を膜密着性評価のために照合する膜密着性評価指標は、例えば、評価対象膜の実使用における変化から実際に得た知見や評価対象膜の実使用における変化を知る実験等と、その膜変化状態での膜の実用可能性等との関係から、予め定めておけばよい。
本発明に係る評価方法においては、前記物品本体の膜形成部分に塑性変形を生じさせる荷重の代表例として、該荷重をW〔kgf〕、前記ボールと前記膜との接触半径をa〔mm〕、円周率をΠとしたとき3W/(2Πa2 )で表される最大ヘルツ接触面圧Pmax〔kgf/mm2 〕が前記物品本体の膜形成部分を構成している材料の降伏応力〔kgf/mm2 〕の1.5倍以上となる荷重を挙げることができる。
この最大ヘルツ接触面圧Pmaxは、それ自体知られているもので、3W/(2Πa2 )の計算のための接触半径aは、ここではボールを構成している材料及び物品本体の膜形成部分を形成している材料のそれぞれのヤング率及びポアソン比とボールに印加する押しつけ荷重等から算出されるものである。
すなわち、ボールのヤング率をE1〔kgf/mm2 〕、ポアソン比をν1 、物品本体の膜形成部分のヤング率をE2〔kgf/mm2 〕、ポアソン比をν2 とし、ボール(圧子)半径をR〔mm〕、荷重をW〔kgf 〕とすると、
a={3/4 ×[ (1-ν1 2 )/E1+(1-ν2 2 )/E2] ×R×W}1/3 で表される。
(例えば、東京大学出版会発行「薄膜トライボロジー」(榎本祐嗣、三宅正二郎共著)ISBN4-13-0161150-X C3050 P3708E 参照)
前記塑性変形を生じさせる荷重の上限値については、その荷重印加により膜密着性評価を行えなくなる程に膜の破壊が起こるものではなく、また、前記ボールやそれを支持する部材、さらには該ボールの転動周回軌道を破壊するものではない範囲のものであればよい。
本発明に係る評価方法においては、前記ボールは複数個としている。複数個のボールを用いると、それだけ短時間の間に所定の繰り返し荷重を膜に印加することができる。ボールはこれを静止する膜に対し転動させてもよいし、ボールの位置は一定としておき、これに対し膜を移動させてもよく、これら双方を採用してもよく、要するに、膜表面に対し相対的に転動周回させればよい。
複数個のボールを用いる場合の例として、保持器に複数のボールが保持された所謂スラストボールベアリングの該複数のボールを採用する場合を挙げることができる。かかるスラストボールベアリングは品質が安定し、安価で、入手容易である。
このようなスラストボールベアリングを採用して膜密着性評価方法を実施するにあたっては、例えば次のようにすればよい。すなわち、
前記膜表面に複数個のボールのそれぞれを該各ボールについて予め定めた大きさの荷重で押しつけつつ該膜表面における予め定めた同一軌道に沿って該膜表面に対し相対的に転動周回させることで該ボール転動周回軌道に対応する膜部分に予め定めた回数繰り返し荷重をかけるあたって、表面の少なくとも一部に膜形成した前記物品を回転駆動可能のホルダに保持させ、前記複数個のボールとして保持器に複数のボールが保持されたスラストボールベアリングの該複数のボールを採用し、該スラストボールベアリングの複数のボールを前記ホルダに保持させた前記物品の膜上に配置するとともに該各ボールに前記荷重を印加しつつ該ホルダを回転させて前記物品を回転させることで該ボールのそれぞれを前記膜に押しつけつつ該膜に対し相対的に同一軌道で転動周回させるのである。
この場合、該各ボールに前記荷重を印加するにあたっては、例えば、該各ボールに相対的に転動可能に嵌合するボール案内溝を有する押圧用部材を介して前記各ボールに前記荷重を等しく印加することができる。
また、本発明に係る評価方法においては、前記ボール転動周回軌道に対応する膜部分に繰り返し荷重をかけるにあたって、ボールの転動周回を円滑化するため、該膜及びボールを潤滑剤中に浸漬する。このような潤滑剤として潤滑油を例示できる。
膜密着性評価対象物品については本発明に係る評価方法を適用できるのであれば特別の制限はないが、例えば、表面の少なくとも一部に膜形成した自動車等の車輛の部品、車輛以外の機械の部品、家電製品の部品、成形用金型等の成形型、切削工具、治具等の物品や、膜密着性評価においてかかる物品に相当し得る膜形成したテストピース(供試品)を挙げることができる。
また評価対象膜についても、本発明に係る評価方法を適用できるものであれば特別の制限はないが、代表的には物品(テストピースである場合も含む)の耐摩耗性等を向上させるための耐摩耗性膜、さらには例えば該耐摩耗性膜として物品本体の膜形成部分より硬さの大きい膜を挙げることができる。
耐摩耗性膜としては、例えば、元素周期律表におけるIVa族、Va族、VIa族に属する物質の炭化物、窒化物及び炭窒化物や、硬質炭素膜〔例えばダイアモンド状炭素膜(DLC)〕を挙げることができる。
さらに、アルミニウムや、シリコンを含んだ上記炭化物、窒化物及び炭窒化物も例示できる。
さらに、かかる炭化物、窒化物、炭窒化物のうち2以上を重ねた膜も例示できる。
上記の炭化物の具体例として、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)、炭化ハフニゥム(HfC)、炭化タンタル(TaC)を挙げることができる。
窒化物の具体例として、窒化チタン(TiN)、窒化アルミニゥム(AlN)、窒化クロム(CrN)を挙げることができる。
炭窒化物の具体例として、炭窒化チタン(TiCN)を挙げることができる。
そして、多層膜の具体例として、TiC/TiN ,AlN/CrN ,TiCN/TiCなど、それぞれ硬質膜を組み合わせたものを挙げることができる。
膜密着性評価対象物品の物品本体の膜形成部分の材質についても、本発明に係る評価方法を適用できるものであれば特別の制限はないが、物品が例えば自動車部品であると浸炭焼入鋼を、物品が例えば切削工具であると高速度鋼を、物品が例えば金型であるとダイス鋼をそれぞれ例示できる。
物品本体に該物品本体の膜形成部分より硬さの大きい耐摩耗性膜を設ける場合において、該物品本体の膜形成部分の材質が、
例えば自動車部品用の浸炭焼入鋼であるときは、耐摩耗成膜としてDLC、CrN膜、TiNの膜を例示でき、
例えば切削工具用の高速度鋼であるときは、耐摩耗成膜としてTiAl膜を例示でき、 例えば金型用のダイス鋼であるときは、耐摩耗成膜としてTiN、TiAlN、TiCN、CrN、DLCの膜を例示できる。
いずれにしても前記ボールの材質としては、膜密着性評価を行えるもの(代表的には金属材料)であればよく、より具体的な例としてJIS SUJ2(高炭素クロム軸受鋼)を挙げることができる。この材質のボールを用いると、前記物品本体の膜形成部分が例えば浸炭焼入鋼、高速度鋼、ダイス鋼等で形成されており、それに形成された膜がそれ以上の硬さを有する耐摩耗性膜である場合でも本発明に係る膜密着性評価方法を実施できる。
以上説明したように本発明によると、表面の少なくとも一部に膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価する膜密着性評価方法であって、該物品の実使用における膜密着性を、スクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法より正確に知ることができる膜密着性評価方法を提供することができる。
また本発明によると、表面の少なくとも一部に膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価する膜密着性評価方法であって、該物品の実使用における膜密着性を、スクラッチ試験やロックウエル圧痕試験による膜密着性評価方法より正確に知ることができ、しかも、膜密着性評価を、実際にその物品を使用して膜密着性を評価する場合と比べると短時間で行える膜密着性評価方法を提供することができる。
図1に本発明に係る膜密着性評価方法の実施に用いることができる評価装置の1例Aを、一部を断面で示す。以下、評価装置Aの構成と評価装置Aによる膜密着性評価について説明する。
評価装置Aは、評価対象物品1を保持する物品ホルダ2、物品1の物品本体11上に形成された膜12に対して配置するスラストボールベアリング3、ベアリング3の複数のボール31に嵌合するボール案内溝41を有する押圧用部材4、該押圧用部材4に印加される荷重の大きさを検出するロードセル5等を含んでいる。
ホルダ2は、上部21が上方へ向け開放された皿状に形成されており、該皿状部分21の底部に評価対象物品1を嵌合保持することができる。スラストボールベアリング3は、保持器32に複数のボール31が等中心角度間隔で保持されたもので、ホルダ2に保持された物品1の膜12に各ボール31が当接するように配置され、該ボール31群に対し押圧用部材4が、そのボール案内溝41にてボールに上方から嵌まるように配置される。
このように配置された押圧用部材4をロードセル5を介して図示省略の押圧装置にて押圧し、各ボール31に膜密着性評価のために、予め定めた荷重W(ロードセル5で検出される荷重/ボール個数)を加え、さらに荷重Wをボール31を介して膜12面に垂直に印加する。さらにここでは、必ずしもそのようにすることを要しないが、ボール31群及び膜12を、ボール31の膜12に対する相対的転動を円滑化するために潤滑油6に浸漬する。この状態で、ホルダ2を図示省略の回転モータにてホルダ軸22を中心に所定回転速度で、所定時間回転駆動する。
かくして、スラストボールベアリング3のボール31の膜12表面における、各ボールに共通の転動周回軌跡(ここでは円軌跡)に対応する膜部分に荷重Wを繰り返し印加する。荷重Wの繰り返し印加回数は、ボール31の個数、ホルダ2の回転速度及び回転時間で定まってくる。
このように膜11に繰り返し所定荷重Wを印加した後、荷重が繰り返し印加された膜部分の状態を観察し、その状態を予め定めておいた膜密着性指標と照合して膜密着性を評価する。
膜密着性評価を短時間で行うために、荷重Wを物品本体11を塑性変形させる荷重としてもよい。かかる物品本体11を塑性変形させる荷重として、例えば、該荷重をW〔kgf〕、ボール31と膜12との接触半径をa〔mm〕、円周率をΠとしたとき3W/(2Πa2 )で表される最大ヘルツ接触面圧Pmax〔kgf/mm2 〕が物品本体11の膜形成部分を構成している材料の降伏応力〔kgf/mm2 〕の1.5倍以上となる荷重(上限については荷重印加により膜密着性評価を行えなくなる程に膜12の破壊が起こるものではなく、また、ボール31やそれを支持する保持器32、さらには該ボールの転動周回軌道を破壊するものではない範囲のもの)を挙げることができる。
次に膜密着性評価の実施例について説明する。
(1)実施例1
JIS SKD11(ダイス鋼)の焼入焼戻し材からなる40mm×40mm×(厚み)5mmのテストピース本体を12個準備するとともに各テストピース本体表面を鏡面研磨し、その鏡面研磨面に中空陰極放電(HCD)イオンプレーティング法により厚み3μmの窒化クロム膜(CrN)を形成した。その際、テストピース本体毎に、膜形成条件のうち前処理クリーニングとしてのガスイオンによるテストピース本体表面のクリーニングの時間を変化させることで、テストピース本体への密着性の異なる膜〔CrN(1) 〜CrN(12) 〕を形成した。
また、直径8mmの、JIS SKD11製の打ち抜きパンチ基体の表面にも、上記と同じ条件、同じロットで窒化クロム膜(CrN)を形成した。
JIS SKD11製のテストピース本体やパンチ基体の硬さは、マイクロビッカース硬度計による荷重25gfのもとでの測定で約620kgf/mm2 であった。形成されたCrN膜の硬さは、マイクロビッカース硬度計による荷重5gfのもとでの測定で約1730kgf/mm2 であった。
参考のため、上記のCrN膜を形成したテストピースのそれぞれについて、且つ、後ほどの本発明評価方法の実施に妨げのない膜領域を用いて、ロックウエル圧痕試験機により、ロックウエルCスケールで荷重150kgfのもとに該膜領域に圧子を押し込み圧痕を形成し、該圧痕外周の膜の剥離状態を光学顕微鏡で観察した。圧痕外周に膜剥離が観察されたときは膜密着性不良(×)と評価し、圧痕外周に膜剥離が観察されないときは膜密着性良好(○)と評価した。
また、参考のため、同じテストピースのそれぞれにつき、且つ、後ほどの本発明評価方法の実施に妨げのない膜領域を用いて、アコースティックエミッション(音発生)が急激に発生する荷重を臨界荷重とするスクラッチ試験法(2001年12月14日技術情報会発行の「薄膜の機械的特性と評価制御技術」、67頁、ISBN4-906317-54-5 C3058 参照)による膜密着性の評価を行った。アコースティックエミッションが急激に発生する臨界荷重が40N以下の場合は膜密着性良好(○)と評価し、該臨界荷重が40Nを超えると膜密着性不良(×)と評価した。
さらに、参考のため、CrN膜形成した前記パンチを用いてJIS SS400材(一般構造用圧延鋼材)からなる厚み5mmの板体を打ち抜きすることで膜寿命試験も行った。該板体を500ショット以上支障無く打ち抜ける場合を膜密着性良好(○)と評価し、そうでない場合を膜密着性不良(×)と評価した。
そして、上記と同じテストピースを用いて、図1に示す評価装置Aにより膜密着性の評価を行った。該評価においては、スラストボールベアリング3におけるボール31は、直径16分の3インチのJIS SUJ2製ボールとし、個数は10個とし、周回円軌道径を17mmとした。また、各ボールに加える押しつけ荷重Wは45kgf(最大ヘルツ接触面圧Pmaxがテストピース本体材料の降伏応力の7.2倍)とし、テストピースの回転数は毎分1500回転とし、使用潤滑油はエンジンオイル(5W−30SL)(油温度30℃〜40℃)とし、テストピースを20分間回転させることで膜12に繰り返し荷重を印加した。荷重Wが繰り返し印加された後の膜部分の状態を光学顕微鏡で観察し、膜密着性を評価した。膜密着性評価指標として、ボールの相対的転動に伴って略円形に発生する膜剥離のうち最大直径が0.1mmを超える剥離が5個以下のときは膜密着性良好(○)とし、5個より多いときは膜密着性不良(×)とした。
この評価方法から分かるように、評価装置Aによる膜密着性の評価においては、膜密着性評価指標と照合すべき繰り返し荷重印加後の膜の状態として膜剥離状態を観察し、膜密着性評価指標は膜剥離状態に基づいて作成されたものを採用している。この点は後述する実施例2における評価装置Aによる膜密着性の評価においても同様である。
評価結果を表1に示す。
表1から分かるように、ロックウエル圧痕試験やスクラッチ試験による膜密着性の評価の結果は、物品の実使用に相当するパンチによる板体の打ち抜きにおける膜密着性評価結果と一致し難いところがあるが、図1の評価装置Aを用いた本発明の膜密着性評価方法による評価結果は、物品の実使用に相当するパンチによる板体の打ち抜きにおける膜密着性評価結果とよく一致し、本発明の膜密着性評価方法は物品の実使用における膜密着性の評価に適することが分かる。
(2)実施例2
JIS SKH51(高速度鋼)の焼入焼戻し材からなる直径30mm×(厚み)5mmのテストピース本体を12個準備するとともに各テストピース本体表面を鏡面研磨し、その鏡面研磨面に陰極アーク放電式イオンプレーティング法により厚み1μmのダイアモンド状炭素膜(DLC膜)を形成した。その際、テストピース本体毎に、膜形成条件のうち前処理クリーグとしてのガスイオンによるテストピース本体表面のクリーニングの時間を変化させることで、テストピース本体への密着性の異なる膜〔DLC(1) 〜DLC(12) 〕を形成した。
また、サイズ6mm径の高速度鋼(SKH51)製のドリル基体の表面にも、上記と同じ条件、同じロットでDLC膜を形成した。
テストピース本体やドリル基体の硬さは、マイクロビッカース硬度計による荷重25gfのもとでの測定で約630kgf/mm2 であった。形成されたDLC膜の硬さは、マイクロビッカース硬度計による荷重5gfのもとでの測定で約3480kgf/mm2 であった。
参考のため、上記のDLC膜を形成したテストピースのそれぞれについて、且つ、後ほどの本発明評価方法の実施に妨げのない膜領域を用いて、ロックウエル圧痕試験機により、ロックウエルCスケールで荷重150kgfのもとに該膜領域に圧子を押し込み圧痕を形成し、該圧痕外周の膜の剥離状態を光学顕微鏡で観察した。圧痕外周に膜剥離が観察されたときは膜密着性不良(×)と評価し、圧痕外周に膜剥離が観察されないときは膜密着性良好(○)と評価した。
また、参考のため、同じテストピースのそれぞれにつき、且つ、後ほどの本発明評価方法の実施に妨げのない膜領域を用いて、アコースティックエミッション(音発生)が急激に発生する荷重を臨界荷重とするスクラッチ試験法による膜密着性の評価を行った。アコースティックエミッションが急激に発生する臨界荷重が30N以上の場合は膜密着性良好(○)と評価し、該臨界荷重が30Nを下回ると膜密着性不良(×)と評価した。
さらに、参考のため、DLC膜形成した前記ドリルを用いてJIS ADC12(アルミニウム合金ダイカスト)からなる厚み20mmの板体に孔開け加工することで膜密着性を評価した。該板体に500個以上支障無く孔開けできる場合を膜密着性良好(○)と評価し、そうでない場合を膜密着性不良(×)と評価した。
そして、上記と同じテストピースを用いて、図1に示す評価装置Aにより膜密着性の評価を行った。該評価においては、スラストボールベアリング3におけるボール31は、直径16分の3インチの鋼製ボールとし、個数は10個とした。また、各ボールに加える押しつけ荷重Wは350kgf(最大ヘルツ接触面圧Pmaxがテストピース本体材料の降伏応力の1.8倍)とし、テストピースの回転数は毎分1500回転とし、使用潤滑油はエンジンオイル(5W−30SL)(油温度30℃〜40℃)とし、テストピースを7分間回転させ、DLC膜に繰り返し荷重を印加した。荷重Wが繰り返し印加された後の膜部分の状態を光学顕微鏡で観察し、膜密着性を評価した。膜密着性評価指標として、ボールの相対的転動に伴って略円形に発生する膜剥離のうち最大直径が0.2mmを超える剥離が4個以下のときは未だ膜密着性良好(○)とし、5個以上となると膜密着性不良(×)とした。
評価結果を表2に示す。
表2から分かるように、ロックウエル圧痕試験やスクラッチ試験による膜密着性の評価の結果は、物品の実使用に相当するドリルによる板体の孔開けにおける膜密着性評価結果と一致し難いところがあるが、図1の評価装置Aを用いた本発明の膜密着性評価方法による評価結果は、物品の実使用に相当するドリルによる板体の孔開けにおける膜密着性評価結果とよく一致し、本発明による膜密着性評価方法は物品の実使用における膜密着性の評価に適することが分かる。
以上の他、上記と同じテストピースを準備し、図1に示す評価装置Aにより、ベアリング3におけるボール31は、直径16分の3インチの鋼製ボールとし、個数は10個とし、周回円軌道径を17mmとし、各ボールに加える押しつけ荷重Wについては50kgf(テストピース本体の降伏応力の0.6倍)とし、テストピースの回転数は毎分1500回転とし、使用潤滑油はエンジンオイル(5W−30SL)(油温度30℃〜40℃)とし、テストピースを10分間ずつ断続的に回転させ、10分連続回転後ごとに、荷重が繰り返し印加された膜部分の状態を光学顕微鏡で観察した。膜密着性評価指標として、ボールの相対的転動に伴って略円形に発生する膜剥離のうち最大直径が0.2mmを超える剥離が4個以下のときは未だ膜密着性良好(○)とし、5個以上となると膜密着性不良(×)とした。
このようにボールへの押しつけ荷重を小さくしても物品の実使用における膜密着性を評価できるが、膜密着性不良と評価するまでに60分を要した。また、最大ヘルツ接触面圧がテストピース本体の降伏応力の1.0倍、1.2倍、1.5倍のとき、それぞれ20分、15分、10分の時間を要した。これに対し、押しつけ荷重Wを350kgf(最大ヘルツ接触面圧Pmaxがテストピース本体材料の降伏応力の1.8倍)とした前記評価方法では、前記のように7分で膜密着性を評価できる。
本発明の評価方法で短時間(例えば10分以下)で膜密着性を評価するには、押しつけ荷重Wを、最大ヘルツ接触面圧Pmaxが物品本体の膜形成部分の降伏応力の1.5倍以上程度とすればよい。
本発明は膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価することに利用できる。特に物品の実使用における膜密着性、換言すれば膜寿命を比較的正確に知るための膜密着性評価に利用できる。
本発明に係る膜密着性評価方法の実施に用いることができる評価装置を、一部を断面で示す図である。
符号の説明
A 評価装置
1 膜密着性評価対象物品
11 物品1の本体
12 膜
2 物品ホルダ
21 ホルダ上部
22 ホルダ軸
3 スラストボールベアリング
31 ボール
32 保持器
4 押圧用部材
41 ボール案内溝
5 ロードセル
6 潤滑油

Claims (6)

  1. 表面の少なくとも一部に膜形成した物品における該膜の物品本体への密着性を評価する膜密着性評価方法であって、該物品本体上に形成された該膜の表面に複数個のボールのそれぞれを該各ボールについて予め定めた大きさの、前記物品本体の膜形成部分に塑性変形を生じさせる荷重で押しつけつつ予め定めた同一周回軌道に沿って該膜表面に対し相対的に転動周回させることで該ボール転動周回軌道に対応する膜部分に予め定めた回数繰り返し荷重を印加し、該繰り返し荷重をかけるあたっては該膜及びボールを潤滑剤中に浸漬し、該繰り返し荷重印加後の該膜部分の膜剥離状態を予め定めた、膜剥離状態に基づく膜密着性評価指標と照合して前記物品本体に対する膜密着性を評価することを特徴とする膜密着性評価方法。
  2. 前記物品本体の膜形成部分に塑性変形を生じさせる荷重は、該荷重をW〔kgf〕、一つの前記ボールと前記膜との接触半径をa〔mm〕、円周率をΠとしたとき3W/(2Πa 2 )で表される最大ヘルツ接触面圧Pmax〔kgf/mm 2 〕が前記物品本体の膜形成部分を構成している材料の降伏応力〔kgf/mm 2 〕の1.5倍以上となる荷重である請求項1記載の膜密着性評価方法。
  3. 前記膜表面に複数個のボールのそれぞれを該各ボールについて前記予め定めた大きさの荷重で押しつけつつ該膜表面における予め定めた同一周回軌道に沿って該膜表面に対し相対的に転動周回させることで該ボール転動周回軌道に対応する膜部分に予め定めた回数繰り返し荷重をかけるあたっては、表面の少なくとも一部に膜形成した前記物品を回転駆動可能のホルダに保持させ、前記複数個のボールとして保持器に複数のボールが保持されたスラストボールベアリングの該複数のボールを採用し、該スラストボールベアリングの複数のボールを前記ホルダに保持させた前記物品の膜上に配置するとともに該各ボールに前記荷重を印加しつつ該ホルダを回転させて前記物品を回転させることで該ボールのそれぞれを前記膜に押しつけつつ該膜に対し相対的に同一軌道で転動周回させ、該各ボールに前記荷重を印加するにあたっては、該各ボールに相対的に転動可能に嵌合するボール案内溝を有する押圧用部材を介して前記各ボールに前記荷重を印加する請求項1又は2記載の膜密着性評価方法。
  4. 膜密着性評価対象である前記表面の少なくとも一部に膜形成した物品は、車輛部品、車輛以外の機械の部品、家電製品の部品、成形型、切削工具及び治具から選ばれた物品又は膜密着性評価において該物品に相当し得る膜形成したテストピースである請求項1、2又は3記載の膜密着性評価方法。
  5. 前記膜は耐摩耗性膜であり、前記物品本体の膜形成部分は、硬さが該耐摩耗性膜より小さい材料で形成されている請求項1から4のいずれかに記載の膜密着性評価方法。
  6. 前記耐摩耗性膜はダイアモンド状炭素膜である請求項5記載の膜密着性評価方法。
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