JP4514570B2 - Rfidタグ - Google Patents

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本発明は、所定の使用周波数(例えば、13.56MHz)で動作するRFID(Radio Frequency Identification)タグの技術分野に関し、特に、フェライト材料からなるコアを用いてアンテナコイルが構成された電磁誘導方式のRFIDタグに関するものである。
物品管理などを目的として、非接触式で小型のRFIDタグが用いられている。RFIDタグは、アンテナコイルと各種回路(IC、コンデンサ等)を備え、リーダ/ライタとRFIDタグとの間で、所定の使用周波数による無線通信を行って、RFIDタグのIC等に保持されるデータの読み出しや新たなデータの書き込みを行うように構成されている。汎用的なRFIDタグとして知られている電磁誘導方式のRFIDタグに対しては、使用周波数の一つとして13.56MHzが規定されている。13.56MHzを用いるRFIDタグを構成する場合、磁性材料からなるコアの周囲に導体を巻き付けてアンテナコイルを構成するとともに、コアの形状、材質や導体の巻き数を適切に設定して共振周波数を最適化することができる。これにより、アンテナコイルの共振周波数を使用周波数である13.56MHzに合致させることができる。また、RFIDタグの回路にコンデンサを形成し、コンデンサの電極を部分的に切断することにより容量値を変え、これによりアンテナコイルの共振周波数を調整する手法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−187207号公報
上述のように所定の使用周波数に対応して調整されたRFIDタグは、実際の使用時に多様な使用環境が想定される。例えば、RFIDタグの取り付け対象物としては、金属あるいはプラスチック等の非金属の両方が考えられる。この場合、アンテナコイルの共振周波数は、近接する金属の有無により使用周波数からずれることになる。通常、アンテナコイルのQ値は高く設定されるので、使用周波数におけるインピーダンスが共振周波数の変動により急激に変動する。従って、使用環境に依存して交信距離の低下を招くという問題がある。RFIDタグを金属のみ、あるいは非金属のみに取り付けることを前提として予め共振周波数を調整することも可能であるが、この場合は多様な使用環境で使用可能なRFIDタグを実現することが困難となり利便性が低くなる。
そこで、本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、RFIDタグを金属、非金属に取り付けるなどの使用環境が変動する状況であっても、共振周波数の変動による交信距離の低下等の性能劣化を防止し、多様な使用環境に対して個別の調整が不要で安価かつ利便性の高いRFIDタグを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のRFIDタグは、所定の使用周波数で送受信動作を行うアンテナコイル及び回路を含むRFIDタグであって、前記アンテナコイルは磁性材料からなるコアの周囲に導体を巻き付けて形成され、前記磁性材料は、その複素透磁率の周波数特性の平坦領域よりも高周波側において、前記透磁率の虚数成分が実数成分よりも大きくなる領域に前記所定の使用周波数が含まれるような特性を有することを特徴とする。
この発明によれば、RFIDタグのアンテナコイルは、複素透磁率の周波数特性のうち通常使用される平坦領域よりも高周波側を使用してコアとするので、Q値の低下によりインピーダンスは共振周波数を中心に比較的緩やかに変化する。そのため、RFIDタグの取り付け対象物が金属、非金属であるかに応じて共振周波数を個別に調整することなく、環境条件の相違による交信距離の低下を避けることができ、使用環境の変化に対して安定な通信特性を保持可能で、使用環境ごとの調整なしに共用化を図ることによりコスト低減が可能なRFIDタグを実現することができる。
請求項2に記載のRFIDタグは、請求項1に記載のRFIDタグにおいて、前記磁性材料の前記複素透磁率の前記虚数成分が略200以上かつ略600以下であり、前記実数成分が略200以上であることを特徴とする
この発明によれば、RFIDタグのアンテナコイルは、複素透磁率の実数成分と虚数成分がいずれも略200以上となる周波数領域を使用してコアとするので、主に透磁率の虚数成分に連動して損失分が増え、それによりQ値が低下してインピーダンスは共振周波数を中心に比較的緩やかに変化する。そのため、請求項1に記載の発明と同様の作用により、使用環境の変化に対して安定な通信特性を保持可能で、使用環境ごとの調整なしに共用化を図ることによりコスト低減が可能なRFIDタグを実現することができる。また、コアの複素透磁率の虚数成分が略600以下となるので、損失分が極端に増大することを防止してRFIDタグの交信距離を十分に確保することができる。
請求項3に記載のRFIDタグは、請求項1または2に記載のRFIDタグにおいて、前記磁性材料は、複数の成分を含有するフェライト材料であること特徴とする。
この発明によれば、コアの磁性材料としてフェライト材料を用いたので、フェライト材料に含有される各種金属酸化物等の成分比を細かく調整することにより、透磁率を適切に調整してRFIDタグの良好な特性を容易に実現することができる。
請求項4に記載のRFIDタグは、請求項3に記載のRFIDタグにおいて、前記フェライト材料の成分として、45〜58モル%のFe と、8〜15モル%のNiOと、25〜32モル%のZnOが含有されていることを特徴とする。
この発明によれば、コアに用いるフェライト材料は、Fe 、NiO、ZnOの3種を用い、それぞれの成分比の最適な範囲を定めたので、請求項3に記載の発明に対応する透磁率を容易に調整することができる。
請求項5に記載のRFIDタグは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRFIDタグにおいて、前記所定の使用周波数は13.56MHzであることを特徴とする。
この発明によれば、電磁誘導方式のRFIDタグとして一般的な13.56MHzを使用周波数として設定したので、汎用性の高いRFIDコイルの規格において、上述のようにアンテナコイルの良好な特性を確保することができる。
本発明によれば、RFIDタグのアンテナコイルは、コアの磁性材料の透磁率の平坦領域より高周波側に使用周波数が含まれるようにし、実数成分が小さく虚数成分が大きい透磁率に調整される。これにより、アンテナコイルのQ値が低く抑えられ、環境変動に応じて共振周波数がずれる場合であっても、RFIDタグの交信距離等の性能劣化を防止することができる。よって、例えば金属、非金属の双方を取り付け対象物とする場合など多様な使用環境に対し、個別の調整を行うことなく良好な性能を確保でき、安価かつ利便性の高いRFIDタグを実現可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。本実施形態では、フェライト材料からなるコアに導線を巻き付けてアンテナコイルを構成した電磁誘導方式のRFIDタグ対し本発明を適用する場合を説明する。
図1は、本実施形態に係るRFIDタグ1の構造を示す斜視図である。図1に示すRFIDタグ1は、フェライト材料を板状に形成したコア11の周囲にFPC12が巻き付けられた構造を備えている。FPC12には、アンテナコイルの導体部分を構成する導体パターン13が形成されている。図1に示す構成により、RFIDタグ1は、所望の共振周波数を持つアンテナコイルとして動作する。一般に、図1に示すような構造を持つRFIDタグ1は、樹脂のケース内部に一体化した状態で厚みを持ったカード状に形成される。
図1において、コア11は、近傍に設置されたリーダ/ライタからの誘導電磁界に基づいて磁束を発生する磁性材料としてのフェライト材料からなる。このフェライト材料は、複数の金属酸化物等の各種材料を焼結して形成したものであり、例えば、Fe、NiO、ZnOなどの金属酸化物をそれぞれ所定の成分比で含有している。本実施形態では、フェライト材料の成分比を、その透磁率とアンテナコイルの特性の関係に応じて最適化するが、詳しくは後述する。また、コア11のサイズ及び形状についても、共振周波数等の特性に応じて適宜に定めることができる。
FPC12は、柔軟な樹脂(例えば、PET)を所定の厚さに形成した基材からなり、一方の面には線状の導体パターン13が形成されている。また、この導体パターン13には、FPC12上の所定位置に配置されたIC14とコンデンサ15が接続されている。IC14は、リーダ/ライタからの指令を受けて所定のデータを読み出して送信したり、リーダ/ライタから受信したデータを記憶保持する役割を担う。また、コンデンサ15は、アンテナコイルにおいて共振回路の一部を構成し、その容量値の調整によってアンテナコイルの共振周波数を調整する役割を担う。例えば、RFIDタグ1の製造時に、コンデンサ15の電極を部分的に切断して容量値を変えることにより、アンテナコイルの共振周波数を調整することができる。
導体パターン13は、FPC12をコア11に巻き付けた状態で、隣接する導線同士をFPC12の各端部(図1に示すRFIDタグ1の所定箇所)にて接続することによりコイル状に連結することができる。これにより、図1に示すように、所定の巻き数で導線がコア11に巻き付けられたアンテナコイルが構成される。ここで、連結された導体パターン13の一端と他端は、例えば、図示しない線材あるいはFPC12の他方の面に設けたクロスオーバーパターンにより電気的に接続する必要がある。FPC12をコア11に巻き付ける際の導体パターン13の巻き数は、共振周波数等の特性に応じて適宜に定めることができる。また、FPC12のコア11への巻き付け方法は、コア11に対する導体パターン13の配置がFPC12の内側、外側のいずれになるようにしてもよい。
次に、RFIDタグ1のアンテナコイルとしての特性と、フェライト材料からなるコア11の特性の関係について説明する。アンテナコイルの周波数特性は使用環境の影響を強く受け、例えば取り付け対象物が金属か非金属かなどの相違で共振周波数が変動する。そして、アンテナコイルのQ値が大きい場合は周波数特性のピークが急峻になるため、共振周波数がずれたときの特性劣化が大きくなる。そのため、アンテナコイルの特性を環境変動に対してある程度安定に保つには、Q値が大きくなり過ぎないように抑える必要があるが、その反面、Q値が低くなり過ぎるときはRFID1の交信距離の低下が問題となる。本実施形態では、Q値を低くできるフェライト材料に着目し、その透磁率の設定に基づいて、RFIDタグ1における交信距離を確保しつつ環境変動に対する適切な対策を施している。
なお、アンテナコイルのQ値は、次式により表現することができる。
Q=fc/(fh−fl)
ただし、fc:共振周波数
fh:共振周波数のレベル(電圧)から3dB低下する高周波側の周波数
fl:共振周波数のレベル(電圧)から3dB低下する低周波側の周波数
かかる式において、Q値が増大する場合には、共振周波数からずれたときのレベル低下が大きくなることがわかる。
一般に、フェライト材料等の磁性材料の透磁率は、実数成分μ'と虚数成分μ''からなる複素透磁率として表される。図2は、一般的なフェライト材料の透磁率の実数成分μ'及び虚数成分μ''の周波数特性の一例を示す図である。図2に示すように、周波数が低い場合は、透磁率の実数成分μ'は大きく、虚数成分μ''は小さい状態で、双方の周波数特性の変化が平坦な領域(以下、平坦領域と呼ぶ)となっていることがわかる。ここで、透磁率の虚数成分μ''は一般に磁性材料の損失分に相当することが知られており、図2の周波数特性においては、平坦領域で磁性材料の損失分が十分小さい状態を保つことがわかる。
一方、平坦領域よりも高周波側の領域においては、実数成分μ'、虚数成分μ''がまず増加して各々ピークを持ち、それより周波数が高くなると徐々に低下していくことがわかる。このように高周波の領域では、上述の平坦領域に比べ実数成分μ'が小さく、損失分に相当する虚数成分μ''が大きくなっている。一般には、フェライト材料の使い方として、平坦領域に使用周波数を設定し、平坦領域を超える領域には設定しない。そのため、本実施形態における使用周波数である13.56MHzは、図2に示すように平坦領域に含まれるような設定にするのが一般的には望ましいとされている。
しかし、本実施形態の場合は、平坦領域よりも高周波側の周波数特性に着目してフェライト材料の特性を定める点を特徴としているので、上述の一般的な設定とは異なっている。図3は、本実施形態で用いるフェライト材料の透磁率の実数成分μ'及び虚数成分μ''の周波数特性の一例を示す図である。図3を図2と比較すると明らかなように、図3の周波数特性は図2の周波数特性を左側にシフトした形状を有している。また、図3における透磁率の実数成分μ'、虚数成分μ''の値はいずれも図2の場合と比べてかなり大きくなっている。すなわち、本実施形態における使用周波数である13.56MHzは、平坦領域よりも高い周波数であって、さらに周波数特性のピークよりも高周波側の領域Aに含まれる設定であることがわかる。本来、この領域Aは、フェライト材料の損失分が増大して周波数特性が劣化する領域であるが、本実施形態の場合はQ値を低くする上で望ましい特性を得ることができる。本実施形態においては、以下に説明するように、フェライト材料の透磁率の実数成分μ'と虚数成分μ''の設定を最適化し、これによりRFID1の使用環境の変動に対する特性安定化を図るものである。
本実施形態では、コア11のフェライト材料の透磁率を調整する目的で、フェライト材料に含有される金属酸化物の成分比を変える方法を用いている。ここでは、フェライト材料に含有される金属酸化物として、Fe、NiO、ZnOの3種を想定し、それらの成分比とフェライト材料の特性の関係を検証した。表1は、これら3種の金属酸化物の成分比が異なる4通りのフェライト材料をコア11として用いる場合において、フェライト材料自体の磁性材料としての特性と、RFID1のコア11にフェライト材料を用いたときの特性を示している。
Figure 0004514570
表1においては、本発明を適用した実施例1及び実施例2と、これら各実施例と比較するための比較例1及び比較例2とについて、それぞれフェライト材料及びそれを用いたRFIDタグ1の各種特性を示している。なお、表1の特性の検証に際してのフェライト材料よりなるRFIタグ1のサイズを図4に示す。また、RFIDタグ1の共振周波数は、非金属に取り付けたときの共振周波数と金属に取り付けたときの共振周波数の中央に設定している。
表1の項目のうちQ値と交信距離は、図4に示すサイズの評価用のRFIDタグ1を構成して測定を行った。図4においては、コア11のサイズを長さ60(mm)、幅20(mm)、厚さ3(mm)に設定するとともに、コア11への導体パターン12の巻き数は8ターンに設定した。また、上記評価用のRFIDタグ1の交信距離の測定は、コイル11の軸方向に沿ってリーダ/ライタ用のアンテナを設置し、RFIDタグ1とアンテナの距離を可変して行った。
実施例1、2においては、比較的低いQ値に設定するために、フェライト材料の透磁率は、図3に示す領域Aの付近に使用周波数が合致するような成分比に調整されている。これに対し、比較例1では、Q値が十分高く設定されるようにフェライト材料の成分比が調整され、比較例2では、実施例1、2よりQ値が低く設定されるようにフェライト材料の成分比が調整されている。表1からわかるように、フェライト材料の成分のうち、NiOの成分比が多いとQ値が増加し、ZnOの成分比が多いとQ値と減少する傾向がある。よって、本実施形態の場合には、一般的な特性を持たせたフェライト材料(例えば、比較例2)に比べ、NiOが多めでZnOが少なめの成分比に調整する必要がある。
また、実施例1、2については、比較例1、2のそれぞれについて、表1に示すように環境変動を考慮して交信距離の測定を行った。実施例1では、取り付け対象物が非金属、金属の両方の場合で交信距離は500(nm)が確保されており、かつその差が小さい。また実施例2についても、実施例1と同様の傾向がある。これに対し、比較例1の場合は、取り付け対象物が非金属、金属の両方の場合で交信距離が500(mm)に達していない。比較例2については、非金属、金属とも、比較例1より一層交信距離が小さくなっている。
実施例1、2においては、フェライト材料の成分比の調整によりQ値が低くなっているので、使用周波数と共振周波数が異なる場合であっても、それによる影響を抑えることができる。表1の条件では、RFIDタグ1の使用周波数が非金属と金属の2つの状態に対し、双方の共振周波数の中央に設定されるので実際には両方の状態から共振周波数がずれることになり、Q値が低いため周波数ずれの影響による交信距離の低下を抑えることができる。
これに対し、比較例1の場合は、使用周波数と共振周波数がほぼ一致した場合には大きな交信距離を確保できるが、上述の如く2つの状態に対応させるときには、Q値が高いために周波数ずれの影響が大きく交信距離が大きく低下することになる。また、比較例2の場合は、フェライト材料の透磁率は、図3の領域Aよりも一層高い周波数領域に使用周波数が合致するような設定となる。そして、比較例2のでは、実施例1、2に比べてQ値が小さくなって損失が増加するためアンテナコイルの感度の劣化が大きく、交信距離が低下する傾向がある。以上のように、フェライト材料の透磁率の設定は、アンテナコイルの特性を確保する上で最適な範囲があることが確認された。
本実施形態のRFIDタグ1においてアンテナコイルの良好な特性を確保する上で、コア11を形成するフェライト材料の透磁率の範囲に着目し、必要な条件を検討した。フェライト材料の透磁率として、実数成分μ'、虚数成分μ''のいずれも、略200以上に設定することが望ましい。虚数成分μ''がこれより低い透磁率では、Q値が大きくなり過ぎ、実数成分μ'がこれより低い透磁率ではQ値が小さくなり過ぎるなど、いずれの場合も良好な特性を得られなくなる。表1に示されるように、実施例1、2はいずれもこの条件を満たし、比較例1、2はいずれもこの条件を満たさないことがわかる。また、フェライト材料の虚数成分μ''は、略600以下に設定することが望ましい。このように設定することにより、コア11の損失分が大きくなり過ぎてRFID1の交信距離が劣化することを防止することができる。
一方、本実施形態のRFIDタグ1において、アンテナコイルの特性を確保する上で、コア11を形成するフェライト材料の成分比に着目し、必要な条件を検討した。フェライト材料に含有されるFe、NiO、ZnOに3種の金属酸化物に関して、Feの成分比が45〜58モル%の範囲、NiOの成分比が8〜15モル%の範囲、ZnOの成分比が25〜32モル%の範囲にそれぞれ設定することが望ましい。表1に示されるように、実施例1、2はいずれもこの条件を満たし、比較例1、2はいずれもこの条件を満たさないことがわかる。
なお、上述の条件ではフェライト材料の成分としてFe、NiO、ZnOのみを想定しているが、この3種に限られることなく他の成分を用いることができる。例えば、3種の材料に加えてフェライト材料の焼成温度を下げるためのCuを添加してもよい。
以上説明したように、本実施形態においては、金属あるいは非金属のいずれに取り付ける場合であっても、個別の調整を行うことなく所定の使用周波数に対応するRFIDタグ1を構成することができる。この場合、RFIDタグ1の共振周波数は、金属取り付け時、非金属取り付け時、あるいは両者の中間などいずれに設定してもよく、状況に応じて適宜に設定すればよい。いずれの設定であっても、異なる環境条件においてRFIDタグ1の共振周波数がずれた際、Q値が低いためインピーダンス変動によるレベル低下を抑えることができ、多様な使用環境で個別の調整なしに共用し得るRFIDタグ1を実現可能とし、コスト低減及び利便性の向上を図ることができる。
本実施形態に係る板状のRFIDタグの構造を示す斜視図である。 一般的なフェライト材料の透磁率の実数成分μ'及び虚数成分μ''の周波数特性の一例を示す図である。 本実施形態で用いるフェライト材料の透磁率の実数成分μ'及び虚数成分μ''の周波数特性の一例を示す図である。 表1の特性の検証に際してのフェライト材料よりなるRFIタグのサイズを示す図である。
符号の説明
1…RFIDタグ
11…コア
12…FPC
13…導体パターン
14…IC
15…コンデンサ

Claims (5)

  1. 所定の使用周波数で送受信動作を行うアンテナコイル及び回路を含むRFIDタグであって、
    前記アンテナコイルは磁性材料からなるコアの周囲に導体を巻き付けて形成され、前記磁性材料は、その複素透磁率の周波数特性の平坦領域よりも高周波側において、前記透磁率の虚数成分が実数成分よりも大きくなる領域に前記所定の使用周波数が含まれるような特性を有することを特徴とするRFIDタグ。
  2. 前記磁性材料の前記複素透磁率の前記虚数成分が略200以上かつ略600以下であり、前記実数成分が略200以上であることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
  3. 前記磁性材料は、複数の成分を含有するフェライト材料であること特徴とする請求項1または2に記載のRFIDタグ。
  4. 前記フェライト材料の成分として、45〜58モル%のFe と、8〜15モル%のNiOと、25〜32モル%のZnOが含有されていることを特徴とする請求項3に記載のRFIDタグ。
  5. 前記所定の使用周波数は13.56MHzであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRFIDタグ。
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