JP4513936B2 - ガスタービンの燃料流量制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電用ガスタービンの燃料流量制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電用ガスタービンエンジンは発電機の並列運転のため、制御装置で速度特性に垂下特性を持たしている。 図4はガスタービンの垂下特性を示す図で、横軸に発電電力を取り、 縦軸は回転数を取る。 回転数は最大出力時の回転数に対する比で表し、最大出力時の回転数を100%として下端に取る。垂下特性は3〜5%が採用されており、5%の場合目標回転数は105%となる。垂下特性は目標回転数と最大出力を結ぶ直線で表される。
【0003】
燃料制御には比例制御が用いられている。図5は比例制御フロー図を示す。目標回転数と実回転数(実際の回転数)の差に比例ゲインを掛けた値に基準燃料流量を加算した値を制御燃料流量としている。基準燃料流量は無負荷時における燃料流量で、無負荷状態でガスタービンを安定に運転するのに必要な燃料流量で、各ガスタービンの固有の性能である。
【0004】
図6はこのようにして比例制御されるガスタービンの出力と燃料流量の関係を示す図である。出力0、つまり、無負荷時の燃料流量は基準燃料流量で表される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ガスタービンに経年変化等により劣化が生じると、燃料流量が増大し図6で破線のように増大する。また、図4の破線で示すように垂下特性は見掛け上、下側に移動する。このため、図6に示すように同一燃料流量で得られる出力は減少し、図4に示すように最大出力が低下する。このため目標回転数を高くして燃料流量を増大し出力の減少を回避していた。しかし負荷遮断などによる回転数の急上昇を押さえるため、目標回転数よりやや高い回転数以上とならないようにするリミッタが設定されている場合が多く、出力増大のための回転数の増加もあまりできない。これにより最大出力が出せないガスタービンが存在するようになってきた。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、経年変化等で劣化し出力が減少しても最大出力を維持できるガスタービンの燃料流量制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、目標回転数と実回転数の差に比例ゲインを掛けこの値に無負荷時の燃料流量を加算した値を燃料流量とするガスタービンの燃料流量制御方法において、前記無負荷時の燃料流量を、前記目標回転数と前記実回転数との差に比例した値の無負荷時における積分値と、吸入空気温度で回転数を修正した修正回転数に応じて決められる無負荷時基準燃料流量との加算値とする。
【0008】
ガスタービンの劣化が進まないときは無負荷時、基準燃料流量を供給すると実回転数と目標回転数は一致するが、劣化が進むと両回転数の偏差は無負荷時0とならない。この状態で目標回転数を上げて負荷を掛けてゆくと、最大出力に達する前に目標回転数にリミッタが設けられているため出力上昇が止まる。そこで無負荷の状態で両回転数の偏差に比例した値を積分してこれを燃料流量に加算してゆくと偏差は実質上0になり、積分も終了する。この状態から負荷を掛けてゆけば最大出力まで達することができる。
このように劣化に応じて無負荷時の燃料流量を増加するようにしたので、目標回転数のリミッタを増加しなくても常に最大出力に達することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明のガスタービンの燃料流量制御の構成を示すブロック図である。ガスタービン6は発電機7を駆動するものとする。ガスタービンの目標回転数Ngrと実回転数Ng との偏差をとる減算器1と、この偏差に掛けられる比例ゲイン2と、目標回転数Ngrと実回転数Ng とエンジン入口空気温度から補正燃料流量を算出する燃料流量算出手段3と、比例ゲインの掛かった偏差と補正燃料流量を加算し制御燃料流量として出力する加算器4と、エンジン保護のために必要な制限により決められた制限値制御燃料流量と制御燃料流量とから現状における最も適切な燃料流量を選択する選択器5と、ガスタービン6およびこれに駆動される発電機7から構成される。
【0010】
目標回転数Ngrは先に説明したようにガスタービンの速度の垂下特性により決められ、垂下特性は3〜5%に設定されていることから、最大出力時の回転数の1.03〜1.05倍になる。補正燃料流量とは基準燃料流量を補正したものであり、基準燃料流量とは無負荷状態でガスタービンを安定に運転するのに必要な燃料流量で、ガスタービン入口空気温度と回転数によりきまる。この流量はガスタービンの基本性能を示す流量である。また、制限値制御燃料流量とは、エンジン(ガスタービン)を保護するために選択される燃料流量で、タービン入口温度と出口温度、圧縮機出口の空気圧力、出力電力などを適切な値に保持するのに必要な燃料流量であり、それらに異常がある場合、該当する制限値制御燃料流量が制御燃料流量に優先して選択される。
【0011】
図2は燃料流量算出手段の構成を示すブロック図である。減算器31はガスタービンの目標回転数Ngrと実回転数Ng との偏差をとる。積分器32はこの偏差に積分ゲインを掛け燃料流量の次元として積分を行なう。積分は無負荷状態で偏差が0になるまで行なう。偏差判定手段33は目標回転数Ngrと実回転数Ng との偏差が実質上0になるときを判断し、メモリ34はこの偏差0の判断を受けて積分器32の積分値を記憶する。
【0012】
回転数修正手段35は実回転数Ng をガスタービンの入口で取り入れた空気温度tに基づく修正を行い、修正回転数:Ng / √(Θ)を得る。
ここでNg は実回転数、Θ=(t+273.15)/288.15は絶対温度で表された基準温度15℃に対する空気温度の比である。
基準流量算出手段36には基準燃料流量Wfsoと修正回転数Ng / √(Θ)の関係を示す基準燃料流量図またはテーブルが記憶されており、これより基準燃料流量Wfsoを読み出す。この基準燃料流量Wfsoは加算器37でメモリ34の積分値と加算され補正燃料流量として出力される。
【0013】
図3は基準燃料流量図で横軸に修正回転数:Ng / √(Θ)、縦軸に基準燃料流量:Wfsoを示す。基準燃料流量Wfsoは各ガスタービン固有の基本的特性を示すもので、ガスタービン設計の基本データであり、製造完成テストで確認し、修正回転数:Ng / √(Θ)をパラメータとしてルックアップテーブルや図の形で記憶されている。
【0014】
ガスタービンが製作時の性能を維持している段階では、無負荷時、基準燃料流量Wfsoの供給により、実回転数Ng は目標回転数Ngrに近づき、その偏差が実質的に0になる。この状態で負荷を掛けてゆくと、先に説明した垂下特性により最大出力まで出すことができる。しかるにガスタービンの劣化等が進むと燃料流量が多く必要になり、基準燃料流量では無負荷時、実回転数Ng は目標回転数Ngrまで上がらず、この状態で負荷をかけても最大出力まで達することができない。本発明では、図2に示す積分器32により、無負荷時両回転数の偏差が0になるまでこの偏差に比例する量を積分し、この積分値を加算器37で基準燃料流量に加算して補正燃料流量とするので、無負荷時、実回転数Ng を目標回転数Ngrまで上げることができ、この状態で負荷をかけて最大出力を出すことができる。
【0015】
なお、燃料流量算出手段3で算出される補正燃料流量を記憶し、長期的に解析することにより、ガスタービンの劣化具合を予測できるので、予知保全に利用できる。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、無負荷時、目標回転数と実回転数の偏差が0になるまでこの偏差に比例する量を積分し、この積分値を基準燃料流量に加算して補正燃料流量とすることにより、経年変化等での性能劣化に対応でき、規定の出力を出すことができる。また、補正燃料流量を記憶し、長期的に解析することにより、ガスタービンの劣化具合を予測できるので、予知保全に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】燃料流量算出手段の構成を示すブロック図である。
【図3】基準燃料流量算出図の一例を示す図である。
【図4】ガスタービンの垂下特性を示す図である。
【図5】比例制御のブロック図である。
【図6】ガスタービンの出力と燃料流量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1,31 減算器
2 比例ゲイン
3 燃料流量算出手段
4,37 加算器
6 ガスタービン
32 積分器
33 偏差判定手段
34 メモリ
35 回転数修正手段
36 基準燃料流量算出手段
Claims (1)
- 目標回転数と実回転数の差に比例ゲインを掛けこの値に無負荷時の燃料流量を加算した値を燃料流量とするガスタービンの燃料流量制御方法において、
前記無負荷時の燃料流量を、前記目標回転数と前記実回転数との差に比例した値の無負荷時における積分値と、吸入空気温度で回転数を修正した修正回転数に応じて決まる無負荷時基準燃料流量との加算値とすることを特徴とするガスタービンの燃料流量制御方法。
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