図1は、記録装置1の周辺構造の一例を示す図である。この記録装置1は、インクカートリッジ2が搭載されるとともに、インク滴(液滴)を噴射する液体噴射ヘッド(以下「記録ヘッド」という)10が取付けられたキャリッジ3を備えている。
上記キャリッジ3は、タイミングベルトを介してステッピングモータに接続され、ガイドバーに案内されて記録紙の紙幅方向(主走査方向)に往復移動するようになっている。上記キャリッジ3は、上部に開放する箱型を呈し、記録紙と対向する面(この例では下面)に、記録ヘッド10のノズル面が露呈するよう取付けられるとともに、インクカートリッジ2が収容されるようになっている。
そして、上記記録ヘッド10にインクカートリッジ2からインクが供給され、キャリッジ3を移動させながら記録紙上面にインク滴を吐出させて記録紙に画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。図1において、8は印刷休止中に記録ヘッド10のノズル開口を封止することによりノズルの乾燥をできるだけ防ぐキャッピング手段としてのキャップである。また、キャリッジ3にはガイドバーが挿通されている。
上記キャップ8の下方には、キャップ8により封止されたノズル開口からインクを吸引する吸引手段である吸引ポンプ11が設けられている。また、12は上記吸引ポンプで吸引されたインクを貯留する廃インク貯留部としての廃液タンクである。
上記キャップ8には、吸引ポンプ11から吸引されたインクが流通するチューブ11aの一端が接続されており、この吸引ポンプ11の排出側は廃液タンク12に接続されている。吸引ポンプ11の動作(クリーニング動作)によってキャップ8内に排出されたインク廃液は、廃液タンク12に収納された廃液吸収材13に吸収保持されるように構成されている。
上記吸引ポンプ11は、吸引ポンプ11を駆動制御するポンプ駆動手段29の制御によりキャップ8に封止された状態の記録ヘッド10に対して負荷する吸引力(負圧)を大きくしたり、小さくするようになっている。これにより、キャップ8により封止されたノズル開口からインクを排出させる度合い(力、量、時間を含む)を変化させるようになっている。
上記記録ヘッド10では、印刷データがなくなって記録ヘッド自体が休止状態におかれた場合に、ノズル開口付近のインクが乾燥して目詰まりが生じてしまう。このため、印刷動作を行なわない間は記録ヘッド10をキャップ8で封止するようになっているが、封止されたまま長期間放置されると、ノズル開口近傍のインクの溶媒が少しずつ揮散して粘度が上昇し、すぐには印刷できなかったり、印刷品質が低下する等のトラブルが発生しやすくなる。さらに、印刷動作により連続的にインクを吐出しているノズル開口は、新しいインクが順次供給されて目詰まりはほとんど生じないが、上端や下端等に位置しインクを吐出する機会が極めて低いノズル開口では、印刷中にノズル開口付近のインクが乾燥して増粘し、目詰まりを生じやすい。したがって、未使用での放置時間が長くなったり、使用中の印字時間が長くなったりすると、ノズル開口付近のインクの増粘はより激しくなるのである。
このような問題に対処するため、印刷開始前の予備操作の1つとして、記録装置1に電源が投入された時点や、最初に印刷信号が入力された時点で、印刷とは無関係に各ノズル開口から強制的にインクを吐出させることにより、ノズル開口の目詰まりを解消し、インク滴吐出能力を回復させる「フラッシング動作」や「クリーニング動作」等のメンテナンス動作が後述のフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27により実行される。
上記「フラッシング動作」は、後述のフラッシング制御手段26の制御により実行され、上記記録ヘッド10の圧電振動子に印刷データと無関係の駆動信号を印加することにより、記録ヘッド10のノズル開口からインク滴を噴射させ、ノズル開口周辺の増粘したインクをあらかじめ排出させるものである。上記フラッシング動作では、増粘したインクをより強力に排出(吐出)させるため、圧電振動子に駆動電圧を印加する際、印刷時の電圧よりも高い電圧を最も高い周波数で印加される。
上記「クリーニング動作」は、後述のクリーニング制御手段27の制御により実行され、上記「フラッシング動作」では完全にノズル開口が回復されない場合に行なわれるもので、ノズル開口付近の増粘したインクの目詰まりを解消させるため、あるいは目詰まりを防止するために実行される。そして、吸引ポンプ11が各ノズル開口に対して負圧を与え所定の吸引度合い(吸引力、吸引量、吸引時間を含む)で記録ヘッド10のノズル開口からインクを吸引し、圧力発生室内等の増粘したインクを印刷前に強制的に排出させるものである。
このように、上記回復動作は、上記吸引ポンプ11により上記ノズル開口からインクを吸引するクリーニング動作および上記記録ヘッド10のノズル開口からインク滴を噴射させるフラッシング動作を含む。このため、例えば、ノズル開口付近のインクの増粘が激しいときはクリーニング動作により確実に目詰まりの回復を図り、それほど増粘していないときはフラッシングモード動作より少ない液体消費で目詰まりを回復させることができる。このように、インクの増粘度合いに応じた適切な回復動作により、効率的に目詰まりの回復を行なうことができるのである。
なお、上記チューブ11aに開閉弁を設けるとともに、当該開閉弁を開閉制御する流路開閉制御手段(例えばクリーニング制御手段27)を設け、上記クリーニング動作として、上記流路開閉制御手段により上記開閉弁を閉弁した状態で吸引ポンプ11で吸引することにより吸引ポンプ11と開閉弁との間に所定の度合いで負圧を蓄積した状態から上記開閉弁を開弁させる高負圧クリーニング動作を設定してもよい。
この場合、上記高負圧クリーニング動作が実行されると、上記ノズル開口付近に付与される負圧は短時間のうちに急激に上昇する。したがって、記録ヘッド10内の液体の吸引流速が急激に高い流速レベルに達し、上記ノズル開口からインクを一気に排出することができる。これにより、増粘したインクも強力に吸引され、新鮮なインクがノズル開口等に満たされて、良好な液体噴射が得られる。また、これと同時に、記録ヘッド10内に停滞している除去しにくい残留気泡も一気に排出することができる。このように、上記吸引ポンプ11の吸引能力を特別に高めることなく、インクの増粘度合いに応じて上記キャップ8に強力な負圧を付与することができるため、効率よく回復動作を実行することができる。
上記回復動作は、前回(最後)にクリーニング動作が実行されてから経過した時間である後述のCL経過時間や、後述の累積印字タイマ81で計時された累積印字時間が長かった場合には、インクの排出度合いの大きい回復動作が行なわれ、CL経過時間や累積印字時間が短かった場合には、インクの排出度合いの小さい回復動作が行なわれる。
本発明において「排出度合い」とは、排出力、排出量、排出時間等を含み、回復動作においてフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27が本装置の使用状態に応じて適切な排出度合いでノズル開口からインクを排出することで、フラッシング動作やクリーニング動作によるインクの排出量、排出時間、排出の際の流量等の度合いが適切な度合いとなり、インクが無駄に排出されることがなくなり、インクの消費を大幅に低減することもできるとともに、インク滴の噴射不良を確実かつ効果的に防止または解消することができる。
つぎに、記録装置1の機能について説明する。
記録装置1は、後述のRTC77により計時された時刻に基づいて、所定時間毎に装置を保守するメンテナンス動作を行なうメンテナンス手段である回復手段(フラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27)、蒸発量計算手段31や廃液量計算手段33のメンテナンス動作をメンテナンス制御手段(後述の回復制御手段61)により制御するようになっている。そして、外部装置から時刻情報を取得しなくても、時刻情報を記憶するファイルを記憶した記憶媒体71から時刻情報を取得することができ、適切なメンテナンス動作を行なうことができ、装置を効果的に保守することができるようになっている。
本実施例では、上記メンテナンス動作は、記録ヘッド10のノズル開口からインクを排出させる回復動作(図2)と、廃液タンク12に貯留された廃インクの蒸発量を計算し、当該算出した蒸発量を廃液タンク12に貯留された廃インクの総量から減算して廃液タンク12に貯留された廃インクの残量を算出する残量算出動作(図3および図4)とが設定されている。
図示のように、記録装置1は、ホストコンピュータ(PC)45と接続されている。このホストコンピュータ45には、プリンタドライバ47が搭載されており、キーボードやマウス等の入力装置49からの指令によって、用紙サイズ、モノクロ/カラー印字の選択、記録モードの選択、フォント等のデータおよび印字指令等が入力できるようになっている。
また、上記ホストコンピュータ45には、ディスプレー50が接続されており、このディスプレー50によって、上記入力装置49による入力状況が確認できるとともに、記録装置1の状態、例えば装着されている各インクカートリッジのインク残量等の情報も可視的に表示できるように構成されている。
上記記録装置1は、印字制御を行なう印字制御手段23と、記録ヘッド10のノズル開口からインクを排出させる回復動作を行なって記録ヘッド10の液体噴射性能を回復させる回復手段であるフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27と、記録ヘッド10からインク滴を吐出させるヘッド駆動手段28と、吸引ポンプ11を駆動するポンプ駆動手段29と、後述の廃液量計算手段33が計算した廃インクの量が廃液収容限界値を超えたか否かを判断し、廃液タンク12に貯留された廃インクの量が廃液収容限界値を超えたと判断したとき、エラーを出力するオーバーフロー判断手段35とを備えている。
上記印字制御手段23は、ホストコンピュータ45および回復制御手段61と接続され、ホストコンピュータ45から送信される印字データを含む印刷開始命令に基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段28を制御し、印字を行なうように構成されている。上記印字制御手段23は、印字制御を行なうと、後述の回復制御手段61に印字を行なったことを示す印字実行コマンド(印字実行指令)を送信する。この印字実行コマンドは、回復制御手段61による累積印字タイマの計時制御の契機となる。
上記フラッシング制御手段26は、電源がONになったとき等に後述の動作決定手段69で決定されたフラッシング動作に基づいてヘッド駆動手段28を制御し、当該フラッシング動作を実行する。
上記クリーニング制御手段27は、電源がONになったとき等に上記動作決定手段69で決定されたクリーニング動作に基づいてポンプ駆動手段29を制御し、当該クリーニング動作を実行する。
上記ヘッド駆動手段28は、上記印字制御手段23の制御により駆動信号を発生させて、記録ヘッド10からインク滴を吐出させることができるように構成されている。また、上述のように、ヘッド駆動手段28は、印字データに基づくインク滴の吐出作用の他に、上記フラッシング制御手段26からの指令を受けて、記録ヘッド10を駆動し、上記フラッシング動作を実行する。
上記ポンプ駆動手段29は、上述のように、クリーニング制御手段27の制御により吸引ポンプ11によりキャップ8に封止された状態の記録ヘッド10に負圧を与え、全ノズル開口からインクを強制的に吸引するクリーニング動作を実行する。また、上記フラッシング動作に先立って、同じくキャップ8に封止された状態の記録ヘッド10に負圧を与え、ノズル開口部の微量なインクを吸引する予備吸引動作を実行する。
また、上記記録装置1は、各種機器の制御を行なう演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、複数種類の回復動作の中からいずれかの回復動作を決定するための回復動作決定テーブルや装置を動作させるためのプログラム等を記憶するROM(Read−Only Memory)と、プログラムの一時的な作業領域ともなるRAM(Random Access Memory)とを含んで構成された回復制御手段61を有する。
上記回復制御手段61は、上記構成により、後述のRTC77により計時された時刻に基づいて上記複数種類の回復動作の中から上記フラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27に実行させる回復動作を決定する動作決定手段69と、RTC77により計時された時刻に基づいて廃液タンク12における廃インクの蒸発量を計算する蒸発量計算手段31と、蒸発量計算手段31で計算された蒸発量に基づいて廃液タンク12に廃インクの量を計算する廃液量計算手段33しての機能を有する。
上記廃液量計算手段33は、計算したインクの残量を記憶する残量記憶手段(残量カウンタ)と、上記回復動作によって排出されたインクの総量を記憶する排出総量カウント手段(排出総量カウンタ)しての機能を有する。
上記回復制御手段61は、上記RTC77により計時された時刻に基づいて上記フラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27の回復動作を制御する。
上記回復制御手段61には、時刻情報を記憶し当該時刻情報に基づいて時刻を計時する時刻計時手段であるRTC(Real Time Clock)77と、外部装置(本実施例では、ホストコンピュータ45)から時刻情報を受信し上記RTC77が記憶する時刻情報を上記受信した時刻情報に書き換える書換手段79と、上記累積印字時間を計時する噴射時間計時手段である累積印字タイマ81と、上記フラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27が前回(最後)に回復動作を実行した時刻(LastCLTime)を記憶する回復時刻記憶手段であるLastCLTime記憶部83と、使用者が外部からの電源を供給(電源ON)したり、供給停止(電源OFF)するための電源操作手段である電源スイッチ85と、メモリカード等の記憶媒体71に記憶された情報を読み取る記憶媒体読取手段87と、使用者の操作に応じて記憶媒体読取手段87が読み取った情報やスキャナー機能により読み取った情報等を印刷するための印刷スイッチ89とが接続されている。
上記RTC77は、例えばコンデンサ等を有し、電源の供給により蓄電するよう構成され、所定時間電源の供給が停止していても時刻を計時することができるようになっている。
上記LastCLTime記憶部83は、不揮発性メモリ(EEPROM)からなる。このため、本装置の電源がOFFとなってもLastCLTime記憶部83に記憶された時刻(LastCLTime)は消去されないようになっている。
上記累積印字タイマ81は、上記クリーニング動作の実行により、累積時間がゼロリセットされ、印字動作の開始に伴って累積時間をカウントアップするよう作用する。
上記累積印字タイマ81で計時された累積印字時間(累積計時出力)は、回復制御手段61によって読み出される。上記回復制御手段61は、上記累積印字タイマ81で計時された累積印字時間に基づいて回復動作を実行するようになっている。
また、上記回復制御手段61は、クリーニング動作を制御した場合に上記累積印字タイマ81で計時された累積印字時間をゼロリセットするようになっている。このようにすることにより、前回のクリーニング動作によってほぼ完全に増粘インクの排出が行なわれた後からの累積印字時間に基づいてメンテナンス動作が実行されるため、使用状態に一層適したメンテナンス動作を実行することができる。
上記回復制御手段61は、RTC77で計時された時刻からLastCLTime記憶部83に記憶されているLastCLTime(LastCL時刻)を減算した時間であるCL(クリーニング)経過時間を算出する。そして、その算出したCL経過時間と、累積印字タイマ81で計時された累積印字時間とに基づいて回復制御手段61内のROMに記憶された回復動作決定テーブルを参照し、上記複数の回復動作の中からいずれかの回復動作を選択し、実行する回復動作を決定するようになっている。
上記フラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27は、動作決定手段69で決定された回復動作に基づいて、インクの排出度合い(力、量、時間を含む)が異なる回復動作を実行し、上記ノズル開口からインク(ここでは、圧力発生室内やノズル開口付近のインク)を排出させる。
上記記憶媒体読取手段87は、メモリカード等の記憶媒体71に記憶された情報から時刻情報を読み取るようになっている。
上記記憶媒体71に記憶された情報は、例えば画像データや文字データ等のファイルである。上記のようなファイルは、その作成時刻,更新時刻、アクセス時刻等の時刻情報(タイムスタンプ)を有している。上記記憶媒体読取手段87は、ファイルの作成時刻,更新時刻、アクセス時刻等の時刻情報の中から最新の時刻を読み取って、当該読み取った時刻情報を回復制御手段61に出力するようになっている。上記回復制御手段61は、上記記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報を上記回復手段の回復動作の制御や廃液の残量の算出等に用いる。
また、上記記憶媒体読取手段87は、記憶媒体71に複数のファイルが記憶されているときには、当該複数のファイルの中から最新の時刻情報を読み取るようになっている。このようにすることにより、最新の時刻情報に基づいて回復動作が行なわれるため、より一層適切な回復動作を行なって記録ヘッド10の液体噴射性能を効果的に回復させることができるようになっている。
上記印刷スイッチ89は、使用者の操作に応じて印字制御手段23に印刷開始命令を出力し、上記記憶媒体読取手段87が読み取った情報に基づいて画像や文字等の情報の印刷(印字)を開始させる。
このように、本実施例では、印刷開始命令は、ホストコンピュータ45から印字制御手段23に出力される場合と、本装置自体(具体的には、印刷スイッチ89)から印字制御手段23に送信される場合がある。
つぎに、図2〜図4のフローチャートを参照して、記録装置1の動作処理の一例について説明する。
記録装置1の動作処理は、記録装置1がROMに記憶されるプログラムを実行することによって実現される。以下において、「S」はステップを意味する。
図2は、印刷開始命令を受信すると実行される動作処理であり、図3は、フラッシング動作時に実行される動作処理であり、図4は、クリーニング動作時に実行される動作処理である。
電源スイッチ85が操作され、電源が投入されると、アクチュエータ(各種装置)に電源が供給され、回復制御手段61は、ROMに記憶されたプログラムを起動する。
図2に示すように、まず、記録装置1は、印刷開始命令を受信すると、回復制御手段61により、内蔵時計であるRTC77が動作しているか否かを判別する(S1)。ここで、RTC77が動作していると判別すると(S1で“YES”)、S7に進み、RTC77が動作していないと判別すると(S1で“NO”)、S2に進む。
ここで、「RTC77が動作していない場合(S1で“NO”)」とは、電源がOFFになってからRTC77が放電しきるほどの時間が経過したことを含む趣旨である。
内蔵時計が動作していないと(S1で“NO”)、記録装置1は、回復制御手段61により、上記受信した印刷開始命令がホストコンピュータ(PC)45からの印刷開始命令であるか否かを判別する(S2)。ここで、受信した印刷開始命令がホストコンピュータ45からの印刷開始命令であると判別すると(S2で“YES”)、S3に進み、受信した印刷開始命令がホストコンピュータ45からの印刷開始命令ではないと判別すると(S2で“NO”)、S5に進む。
「ホストコンピュータ45からの印刷命令ではない」とは、本実施例では、受信した印刷開始命令が記録装置1の印刷スイッチ89の操作に応じて出力された印刷開始命令であることを含む趣旨である。
受信した印刷開始命令がホストコンピュータ45からの印刷命令であると(S2で“YES”)、記録装置1は、回復制御手段61により、ホストコンピュータ45よりタイムスタンプ(時刻情報)を取得する(S3)。ついで、記録装置1は、回復制御手段61によりRTC77を初期化する(S4)。具体的には、記録装置1は、書換手段79により、RTC77に記憶されている時刻情報を、ホストコンピュータ45から受信した時刻情報に書き換える。この後、S7に進む。
このように、上記書換手段79は、ホストコンピュータ45から時刻情報を受信し、RTC77が記憶する時刻情報を上記受信した時刻情報に書き換える(S6)。上記回復制御手段61は、S2のような判別を行なうことで、記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報を無視し(S2で“YES”)、RTC77が計時する時刻に基づいてフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27の回復動作を制御するようになっている。このため、回復制御手段61は、記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報よりもRTC77が計時する時刻を優先して用いて回復動作を制御することができるようになっている。
上記S2の説明に戻って、受信した印刷開始命令がホストコンピュータ45からの印刷開始命令ではないと(S2で“NO”)、記憶媒体71に記憶されたファイルの中から最新ファイルの日時(時刻情報)を取得する(S5)。ついで、記録装置1は、回復制御手段61によりRTC77を初期化する(S6)。具体的には、記録装置1は、書換手段79により、RTC77に記憶されている時刻情報を、記憶媒体71に記憶された最新ファイルの時刻情報に書き換える。この後、S7に進む。
このように、書換手段79は、記憶媒体読取手段87が記憶媒体71から時刻情報を読み取ったとき、RTC77が記憶する時刻情報を上記読み取った時刻情報に書き換える。したがって、RTC77が上記書き換えられた時刻情報に基づいて時刻を計時することができる。そして、回復制御手段61は、RTC77が書き換えられた時刻情報により計時する時刻に基づいてフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27の回復動作を制御するようになっている。このため、例えばRTC77によって計時された時刻が狂ってしまっていても、上記のように時刻情報が書き換えられるため、回復制御手段61は、適切なメンテナンス動作を行なうことができ、記録ヘッド10の液体噴射性能を効果的に回復させることができる。
また、上記書換手段79は、記憶媒体読取手段87が記憶媒体71から時刻情報を読み取ったとき、RTC77による計時が停止していた場合に(S1で“NO”)、RTC77が記憶する時刻情報を記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報に書き換えるため、必要に応じてRTC77が記憶する時刻情報を書き換えることができ、装置の処理負担を軽減することができる。
RTC77が動作している(S1で“YES”)、またはRTC77を初期化すると(S4、S6)、記録装置1は、回復制御手段61により、RTC77の時刻と、メモリ(LastCLTime記憶部83)に記憶された時刻(前回クリーニング動作を行なった時刻)との差であるCL経過時間[T1]を計算する(S7)。
具体的には、回復制御手段61により、RTC77で計時されたRTC時刻からLastCLTime記憶部83に記憶されているLastCL時刻を減算し、CL経過時間を算出する(CL経過時間[T1]=RTC時刻−LastCL時刻)。
また、回復制御手段61は、RTC77による計時が動作していた場合(S1で“YES”)、上記S3およびS4や上記S5およびS6を行なわないことにより、記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報を無視するようになっている。このようにすることにより、回復制御手段61は、記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報よりもRTC77が計時する時刻を優先して用いてメンテナンス動作を制御することができる。例えば、時刻計時手段がコンデンサ等の蓄電手段を有し、蓄電により1週間動作するものであれば、1週間内に電源を投入し続ければ正確な時刻を計時し続けることができるため、本装置として正確な時間経過を検知することができる。そして、上記RTC77が計時する時刻に基づいてフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27の回復動作を制御するようになっているため、適切な回復動作が実行される。
ついで、記録装置1は、回復制御手段61により、前回の回復動作から所定時間が経過しているか否かを判別する(S8)。ここで、前回の回復動作から所定時間が経過していると判別すると(S8で“YES”)、S9に進み、前回の回復動作から所定時間が経過していないと判別すると(S8で“NO”)、つぎの処理に進む。
具体的には、前回の回復動作から所定時間が経過しているか否かの判別は、LastCLTime記憶部83が記憶する時刻と、上記記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報が示す時刻(記憶媒体71内に格納されたファイルの時刻)との差であるCL経過時間(T1)が所定時間(例えば240時間)より長いか、短いかにより行なわれる。
ここで、CL経過時間(T1)が所定時間(例えば240時間)より長い場合(すなわち、LastCLTime記憶部83が記憶する時刻から所定時間経過している場合)にはノズル開口付近の液体の粘度が高くなっていることを考慮してクリーニング動作が選択される。一方、CL経過時間(T1)が所定時間(例えば240時間)より短い場合(すなわち、LastCLTime記憶部83が記憶する時刻から所定時間経過していない場合)にはノズル開口付近の液体の粘度が高くなっていないことを考慮してフラッシング動作が選択される。
すなわち、上記回復制御手段61は、LastCLTime記憶部83が記憶する時刻と、記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報が示す時刻との差に応じてフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27の回復動作を制御する。このようにすることにより、上記のように、LastCLTime記憶部83が記憶する時刻と、上記記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報が示す時刻との差が所定時間より小さい場合にはフラッシング動作に比べてインクを多めに排出させるクリーニング動作が行なわれないようにすることができる。したがって、ノズル開口付近の液体の粘度が高くなっていないのにもかかわらず、インクの排出量の多いクリーニング動作が行なわれることを防止することができる。これにより、無駄にクリーニング動作が実行され、インクが無駄に排出されることを防止することができる。
より詳しく説明すると、上記のような回復動作の選択は、回復制御手段61の動作決定手段69により、上記回復動作決定テーブルを参照して行なわれる。詳細には、回復制御手段61の動作決定手段69は、上記回復動作決定テーブルを参照して、複数種類の回復動作の中からいずれかの回復動作を選択し、実行する回復動作を決定するようになっている。
回復動作決定テーブルでは、CL経過時間(T1)と累積印字時間(T3)とが相関関係を有し、回復制御手段61により算出されたCL経過時間(T1)および累積印字タイマ81で計時された累積印字時間(T3)の値に基づいて使用状態により適した回復動作が決定されるようになっている。
例えば上記CL経過時間(T1)や累積印字時間(T3)が短い場合には、ノズル開口のインクの乾燥があまり進行していないことを考慮してインクの排出度合いの小さい回復動作を実行することができ、CL経過時間(T1)や累積印字時間(T3)が長い場合には、ノズル開口のインクの乾燥が進行していることを考慮してインクの排出度合いの大きい強力な回復動作を実行することができる。これにより、目詰まりが十分に解消されなかったり、必要以上の回復動作(メンテナンス動作)を実行させることによりインクを無駄に消費させてしまうことを防止することができる。
したがって、上記フラッシング制御手段26とクリーニング制御手段27により制御される回復動作は、CL経過時間(T1)や累積印字時間(T3)等の使用状態によって変化するノズル開口付近のインクの粘度に応じて適切に実行される。例えば、回復動作において上記ノズル開口から少量のインクを排出することでインク滴の噴射不良を防止または解消することができるにもかかわらず、多量のインクを排出してしまうことを防止し、一方、多量のインクを排出しなければインク滴の噴射不良を防止または解消することができないにもかかわらず、少量のインクしか排出されずにインク滴の噴射不良を効果的に防止または解消することができないということを防止することができる。このように、回復動作において、ノズル開口から排出されるインクは、使用状態に応じて適切な排出度合いで自動的に排出されるため、インクが無駄に排出されることがなくなり、インクの消費を大幅に低減することもできるとともに、インク滴の噴射不良を効果的に防止または解消することができる。
このように、上記回復制御手段61は、記憶媒体読取手段87が読み取った時刻情報に基づいてフラッシング制御手段26やクリーニング制御手段27の回復動作を制御するため、時間の経過によって変化するノズル開口付近のインクの粘度に応じた適切な回復動作を自動的に実行することができる。例えば、回復動作においてノズル開口から少量のインクを排出することでインク滴の噴射不良を防止または解消することができるにもかかわらず、多量のインクを排出してしまうことを防止し、一方、多量のインクを排出しなければインク滴の噴射不良を防止または解消することができないにもかかわらず、少量のインクしか排出されずにインク滴の噴射不良を効果的に防止または解消することができないということを防止することができる。このように、回復動作において、ノズル開口から排出されるインクは、時間の経過に応じて適切な排出度合いで自動的に排出されるため、インクが無駄に排出されることがなくなり、インクの消費を大幅に低減することもできるとともに、インク滴の噴射不良を効果的に防止または解消することができる。
また、上記回復制御手段61は、LastCLTime記憶部83が記憶する時刻に基づいてクリーニング制御手段27等の回復動作を制御するようになっている。したがって、CL経過時間(T1)を直接的に計時するのではなく、回復動作を実行した時刻を記憶し、上記のようにCL経過時間(T1)を算出するため、例えば電源の供給が停止したとしても、LastCLTime記憶部83が記憶する時刻を読み出し適切な回復動作を行なって記録ヘッド10の液体噴射性能を効果的に回復させることができる。
前回の回復動作から所定時間が経過していると(S8で“YES”)、記録装置1は、回復制御手段61により、上記クリーニング制御手段27を制御し上記決定したクリーニング動作を実行する(S9)。
「前回の回復動作から所定時間が経過している(S8で“YES”)」とは、回復制御手段61の動作決定手段69により、上記回復動作決定テーブルが参照され、複数種類の回復動作の中からクリーニング動作が決定されたことを含む趣旨である。
ついで、記録装置1は、回復制御手段61により、LastCLTime記憶部83に記憶されているLastCL時刻を、RTC77が計時するRTC時刻に書き換える。
つぎに、図3および図4を参照して上記RTC77により計時された時刻に基づいて上記残量算出手段の残量算出動作を制御する動作処理について説明する。
図3は、廃液タンク12内に貯留されているインクの残量を計算する動作処理(インク残量計算処理)を示す。
上記記録装置1は、フラッシング動作が行なわれると、廃液タンク12における蒸発後のインクの残量(A)を計算する(S11)。具体的には、上記記録装置1は、まず、蒸発量計算手段31により、LastCLTime記憶部83が記憶している最新の時刻から上記RTC77により計時された時刻を減算した蒸発時間ET(ET:Evaporation Time)に、インクの蒸発率(EC:Evaporation Coefficient)を乗じて、上記廃液タンク12内に貯留されてから上記蒸発時間ET中の蒸発量を計算する。そして、廃液量計算手段33により、当該廃液量計算手段33に記憶されたインクの残量から上記蒸発時間ET中の蒸発量を減算した液体の残量を計算し、廃液タンク12における蒸発後のインクの残量を計算するようになっている(A=前回のA−ET×蒸発率)。
上記フラッシング動作は、12seg/9sでインク滴を吐出する定期フラッシング動作、10000seg/2000sでインク滴を吐出する定期まとめ打ちフラッシング動作、印字終了時にキャップ8からの蒸発インクを補う休止時フラッシング動作、印字開始前にノズル開口の増粘インクを除去する印字開始前フラッシング動作等である。
上記「前回のA」は、前回に実行したインク残量計算処理(図3)のS14において廃液量計算手段35が計算した廃液タンク12における蒸発後のインクの残量(A)に、フラッシング動作において排出された生インク量とを加算して算出したインク量である。
ついで、記録装置1は、廃液量計算手段33により、記憶されているインクの総量(前回のSA)に対して、上記インクが最大限蒸発したときに残るインクの割合である蒸発残率(ERR:Evaporation Residual Rate)を乗じることにより、上記廃液タンク12におけるインクの第1の最低残量を計算し、上記廃液量計算手段33が計算したインクの残量(A)が上記第1の最低残量よりも少ない(A<SA×蒸発残率)か否かを判別する(S12)。ここで、上記廃液量計算手段33が計算したインクの残量が上記第1の最低残量よりも少ないと判別すると(S12で“YES”)、S13に進み、上記廃液量計算手段33が計算したインクの残量が上記第1の最低残量よりも多いと判別すると(S12で“NO”)、S14に進む。
上記「前回のSA」は、前回のインク残量計算処理のS23において廃液量計算手段33が記憶している生インクの総量(SA)に、フラッシング動作において排出された生インク量とを加算して算出したインク量である。
上記廃液量計算手段33が計算したインクの残量が上記第1の最低残量よりも少ないと(S12で“YES”)、記録装置1は、廃液量計算手段35により、計算したインクの残量(A)を上記第1の最低残量に置き換える(S13)。すなわち、廃液量計算手段33は、上記の機能により、廃インクの蒸発後の残量をインクの蒸発残率よりも少ない割合で算出した場合に、理論上の最低限の残量で適切に置き換えることができる。このようにすることにより、廃液量計算手段33が計算したインクの残量を実際よりも少なく計算することを防止し、装置からインクが溢れることをより確実に防止することができる。
上記廃液量計算手段33が計算したインクの残量が上記第1の最低残量よりも多いと(S12で“NO”)、記録装置1は、廃液量計算手段33により、排出された生インクの総量(現在のSA)と、上記廃液タンク12内に貯留されているインクの総残量(現在のA)を算出する(S14)。具体的には、上記廃液量計算手段33により、上記フラッシング動作によって新たに排出されたインクの排出量(生インク量)を、上記記憶しているインクの総量(前回のSA)に加算することによって、上記生インクの総量(現在のSA)を算出する(現在のSA=前回のSA+今回排出された生インク量)。
これとともに、廃液量計算手段33により、上記フラッシング動作によって新たに排出されたインクの排出量(生インク量)を、上記計算したインクの残量(A)に加算することによって、インクの総残量(現在のA)を算出する(現在のA=前回のA+今回排出された生インク量)。
上記廃液量計算手段33は、インクの総残量(現在のA)を記憶するとともに、生インクの総量(現在のSA)を記憶する。ここで、記憶したインクの総残量(現在のA)や生インクの総量(現在のSA)は、つぎにインク残量計算処理を実行するときに用いられる。
ここで、図4を参照して、廃液タンク12に貯留された廃インクの量を計算する動作処理(廃液カウント処理)について説明する。
廃インク量計算処理は、定期空吸引または空吸引を行なったときに、実行される処理である。
空吸引は、上記クリーニング動作により行なわれる動作であり、定期空吸引は、廃液タンク12へ上記キャップ8に保持されているインクを廃インクとして排出する動作である。
定期空吸引は、廃液量計算手段33により、算出されたインクの総残量(現在のA)が上記キャップ8の保持限界値を超えたか否かを判別され、当該インクの総残量が上記キャップ8の保持限界値を超えたとき、実行される。具体的には、定期空吸引では、廃液量計算手段33により、クリーニング制御手段27を制御して吸引ポンプ11を駆動しキャップ8内に保持されているインクを廃液タンク12に貯留する。このようにすることにより、適切なタイミングでキャップ8に保持されているインクを廃液タンク12へ排出することができ、キャップ8からインクが溢れることを防止することができる。
まず、記録装置1は、回復制御手段61により、クリーニング動作を実行したか否かを判別する(S21)。ここで、クリーニング動作を実行したと判別すると(S21で“YES”)、S22に進み、クリーニング動作を実行していないと判別すると(S21で“NO”)、S23に進む。
クリーニング動作を実行すると(S21で“YES”)、記録装置1は、廃液量計算手段33により、クリーニング動作時に排出されたインク量を図3のS14の「今回排出されたインク量」に加算する(S22)。
クリーニング動作を実行していないと(S21で“NO”)、記録装置1は、廃液量計算手段33により、廃液タンク12に貯留されている廃インクの量(Amain)を算出するとともに、記憶している生インクの総量(SA)とインクの総残量(A)をリセットする(S23)。
具体的には、廃液タンク12に貯留されている廃インクの量(現在のAmain)は、廃液タンク12に貯留されている廃インクの量(前回のAmain)を、上記計算したインクの総残量(現在のA)に加算することによって算出される(現在のAmain=前回のAmain+現在のA)。
これとともに、廃液量計算手段33の残量カウンタに記憶されているインクの残量(現在のA)と、上記排出総量カウンタに記憶されているインクの総量を“0”にする。
ここで、記録装置1は、オーバーフロー判断手段35により、上記廃液量計算手段33で算出した廃インクの総量が廃液収容限界値を超えたか否かを判断し、廃液タンク12に貯留された廃インクの量(現在のAmain)が廃液収容限界値を超えたと判断したとき、エラーを出力する。このようにすることにより、適切なタイミングで廃インクの増加を防止することができ、廃インクが装置から溢れることを防止することができる。
このように、上記メンテナンス手段である蒸発量計算手段31や廃液量計算手段33は、上記メンテナンス動作として、廃液タンク12に貯留された廃液の蒸発量を計算し、当該算出した蒸発量を廃液タンク12に貯留された廃インクの総量から減算して廃液タンク12に貯留された廃インクの残量を算出する残量算出動作を行なう(図3のS11)残量算出手段としての機能を果たす。そして、上記メンテナンス制御手段である回復制御手段61は、上記RTC77により計時された時刻に基づいて上記残量算出手段の残量算出動作を制御する。したがって、廃液タンク12における廃インクの蒸発量を減算することができるため、正確に廃液タンク12に貯留された廃インクの残量を算出することができる。したがって、廃液タンク12の液体収容能力を最大限に利用することができるとともに、廃液タンク12から機外へ廃液が溢れることを防止することができる。また、廃液タンク12における廃インクの残量を正確に算出することができるため、廃液タンク12を小型化することができ、装置全体をコンパクトにすることができる。
また、オーバーフロー判断手段35を備えているため、適切なタイミングで廃インクの増加を防止することができ、廃インクが装置から溢れることを防止することができる。
なお、図示していないが、記憶装置1に電源が供給されると、上記のように記憶媒体71から取得した時刻情報に基づいて適切な回復動作が自動的に実行されるようにしてもよい。このようにすることにより、対象物へのインク滴の噴射を開始する前に自動的に記録ヘッド10に対する回復動作を効果的に実行することができ、インク滴の噴射不良の発生を未然に防止することができる。
また、上記実施例では、外部装置は、ホストコンピュータ45であるが、これに限定されるものではなく、例えば携帯電話機やリモコン等の時刻情報を記憶する装置であってもよい。
また、上記記憶装置の制御をプログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカード等のコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスク等の記録媒体に記録させて、プログラムを提供することもできる。また、電気通信回線や衛星通信回線等のネットワークを通じて、プログラムを提供することもできる。提供されるプログラム製品は、ハードディスク等のプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
上記実施例は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によって得られた液体噴射装置は、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施例では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレー,FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
1 記録装置,2 インクカートリッジ,3 キャリッジ,8 キャップ,10 液体噴射ヘッド(記録ヘッド),11 吸引ポンプ,11a チューブ,12 廃液タンク, 13 廃液吸収材,23 印字制御手段,26 フラッシング制御手段,27 クリーニング制御手段,28 ヘッド駆動手段,29 ポンプ駆動手段,31 蒸発量計算手段,33 廃液量計算手段,35 オーバーフロー判断手段,45 ホストコンピュータ, 47 プリンタドライバ,49 入力装置,50 ディスプレー,61 回復制御手段,69 動作決定手段,71 記憶媒体,77 RTC,79 書換手段,81 累積印字タイマ,83 LastCLTime記憶部,85 電源スイッチ,87 記憶媒体読取手段,89 印刷スイッチ