JP4512418B2 - ダイス及びトランスファプレス機 - Google Patents

ダイス及びトランスファプレス機 Download PDF

Info

Publication number
JP4512418B2
JP4512418B2 JP2004148786A JP2004148786A JP4512418B2 JP 4512418 B2 JP4512418 B2 JP 4512418B2 JP 2004148786 A JP2004148786 A JP 2004148786A JP 2004148786 A JP2004148786 A JP 2004148786A JP 4512418 B2 JP4512418 B2 JP 4512418B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
die
hole
die main
side support
main member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004148786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005329421A (ja
Inventor
祖父江  聡
克彦 中條
正夫 村川
雅彦 神
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2004148786A priority Critical patent/JP4512418B2/ja
Publication of JP2005329421A publication Critical patent/JP2005329421A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4512418B2 publication Critical patent/JP4512418B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Press Drives And Press Lines (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)

Description

本発明は、楕円振動モードの超音波振動が付加された状態で絞り及び/又はしごき加工を行うダイス及びトランスファプレス機に関する。
本願出願人が開発した従来のダイスは、全体として直方体形状をなし、その一側面に固定した超音波振動子から楕円振動モードの超音波振動が付与されるようになっていた。そして、ダイスをトランスファプレス機に組み付ける場合には、ダイスのうち振動振幅が最も弱いノード位置を上下方向から固定具で挟み、それら固定具を貫通したボルトをトランスファプレス機の基台の螺子孔に締め付けて固定していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−300423号公報(段落[0009]〜[0014]、第1図)
上記した従来のダイスでは、固定具がダイスのノード位置から外れた位置に取り付けられ得る構造であったので、固定具とダイスとの位置合わせ作業が必要であると共に、固定具を貫通したボルトの締め付けトルクの如何によりダイスの振動状態が変わるので、締め付けトルクの管理が必要であった。このためダイスを基台に取り付ける作業に手間がかかっていた。また、固定具がダイスのノード位置から外れて振動エネルギーのロスが発生し得るため、そのロス分を考慮して超音波振動子の出力を比較的大きく設定する必要があり、エネルギー効率が悪かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来よりも容易に基台に固定可能なダイス及びそのダイスを備えたトランスファプレス機の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るダイスにおいて、楕円振動モードの超音波振動が付加された状態で絞り及び/又はしごき加工を行うためのダイスであって、直方体状のダイス主体部材と、ダイス主体部材に形成されてパンチが突入する加工孔と、ダイス主体部材のうち加工孔の半径方向を向いた法線を有し、その法線方向に振動する超音波振動子が取り付けられる振動子固定面と、ダイス主体部材のうち振動子固定面の両隣の1対の側面にそれぞれスリットを挟んで隣接配置されかつスリットの両端又は途中部分に残された架橋部を介してダイス主体部材に連続形成された1対の側部支持部材と、各側部支持部材をダイス固定用の基台に固定するための取付孔とを備え、架橋部は、ダイス主体部材のうち振動振幅が最も弱いノード位置に配置され、取付孔は、側部支持部材のうち振動振幅が最も弱いノード位置に配置されたところに特徴を有する。
なお、本発明において「基台」とは、ダイセットの下型、ボルスタ、ホルダーなど、ダイスを配置固定する剛体を含む概念である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のダイスにおいて、架橋部は、ダイス主体部材と各側部支持部材との間にそれぞれ1対ずつ設けられたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のダイスにおいて、取付孔は、各側部支持部材にそれぞれ1対ずつ設けられたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載のダイスにおいて、側部支持部材の両端に架橋部を備え、ダイス主体部材の両端を架橋部の両端より超音波振動子の振動方向に突出させたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のダイスにおいて、全体が超硬材料で構成されたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のダイスにおいて、ダイス主体部材に形成された下孔に超硬材料で形成された筒状のダイス本体を焼嵌し、そのダイス本体の軸心に貫通した孔を加工孔としたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載のダイスにおいて、加工孔の開口縁及び/又は内面にダイヤモンドコーティングを施したところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載のダイスにおいて、スリットの端部にはそのスリットの幅より直径が大きい円形孔が形成されたところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項8に記載のダイスにおいて、円形孔は、スリットを形成するためのワイヤカッタの端部を挿通可能な大きさであるところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載のダイスにおいて、スリットの端部を円弧状に折り返したところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れかに記載のダイスにおいて、側部支持部材には、ダイス固定用の基台との間で互いに当接して、ダイス主体部材全体を基台から浮かせた状態に保持する部分当接部が設けられたところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れかに記載のダイスにおいて、加工孔は、ダイス主体部材のうち加工孔の軸方向を法線とした平面の中心部に配置され、ダイス主体部材を超音波振動子の振動方向で長さL2,L1,L2の3つのブロックに区分した場合に、加工孔を中心に有した長さL1のブロックの固有振動数をf1、音速をC1、とすると、長さL2は、L2=C1/f1/2、となるように設定されたところに特徴を有する。
請求項13の発明に係るトランスファプレス機は、請求項1乃至12の何れかに記載のダイスを少なくとも1つ以上備えたところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項13に記載のトランスファプレス機において、加工孔を1つずつ備えた複数のダイス主体部材が、超音波振動子の振動方向に連続形成されかつ、それら複数のダイス主体部材がトランスファプレス機のワーク搬送方向に並べられたところに特徴を有する。
請求項15の発明は、請求項13又は14に記載のトランスファプレス機において、ダイス主体部材のうち振動振幅が最も弱くなる複数のノード位置に複数の加工孔が設けられ、それら複数の加工孔がトランスファプレス機のワーク搬送方向に並べられたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1のダイスでは、加工孔を備えたダイス主体部材と、基台に固定される側部支持部材とがスリットによって分離されかつ架橋部によって部分的に連続形成されているので、ダイス主体部材と側部支持部材との位置関係に気を遣わずに、即ち、従来のように固定具とノード位置との位置決め作業を行うことなく、側部支持部材を基台に固定することができる。しかも、側部支持部材の取付孔は、側部支持部材のノード位置に配置されているので、側部支持部材自体の振動も許容され、固定用のボルトの締め付け強度によるダイス主体部材の振動状態への影響も緩和される。これらにより、本発明の構成によれば、従来よりも容易にダイスを基台に取り付けることが可能になる。また、従来では起こり得た固定具の位置ずれによる振動エネルギーのロスが生じ得ないので、振動エネルギーを効率よくプレス加工に利用することができる。
[請求項2の発明]
請求項2のダイスでは、架橋部をダイス主体部材と各側部支持部材との間にそれぞれ1対ずつ設けたので、1つだけ設けた場合に比べて各架橋部の肉厚を薄くすることができ、架橋部によるダイス主体部材への振動の影響を低減させることが可能になる。
[請求項3の発明]
請求項3のダイスでは、取付孔を各側部支持部材にそれぞれ1対ずつ設けたので、側部支持部材が基台に安定して取り付けられる。
[請求項4の発明]
請求項4のダイスでは、架橋部を配置するためにノード位置は、ダイス主体部材の両端部より約四分の1波長分、ダイス主体部材の中央側に位置することになる。そして、架橋部を側部支持部材の両端部に配置すると、ダイス主体部材の両端が架橋部の両端より超音波振動子の振動方向に突出した構造になる。即ち、側部支持部材をダイス主体部材と同じ長さにした場合に比べて、側部支持部材を短くすることができ、ダイスの小型軽量化が図られる。
[請求項5、6及び7の発明]
本発明のダイスは、全体を超硬材料で構成してもよいし(請求項5の発明)、加工孔の近傍のみを超硬材料で構成して、他の部分を超硬材料以外の材料で構成してもよい(請求項6の発明)。また、加工孔の開口縁及び/又は内面にダイヤモンドコーティングを施した構成にすれば、ダイスの寿命を長くすることができる(請求項7の発明)。ここで、全体を超硬材料で構成した場合には、設計が容易になる。また、加工孔の近傍のみを超硬材料で構成し、他の部分を超硬材料以外の材料で構成した場合には、母材からダイスを削りだす際の加工が容易になる。
[請求項8、9及び10の発明]
請求項8のダイスでは、スリットの端部に円形孔を形成したことにより、スリットの端部における応力集中を防ぐことができる。また、請求項9の構成によれば、その円形孔を、スリットを形成するためのワイヤカッタを挿通させるために利用することができる。さらに、請求項10のダイスのように、スリットの端部を円弧状に折り返して、応力集中を防いでもよい。
[請求項11の発明]
請求項11のダイスを基台に固定すると、側部支持部材に設けられた部分当接部のみが基台に当接してダイス主体部材全体が基台から浮いた状態になる。これにより、ダイス主体部材が容易に振動できるようになる。また、側部支持部材のうち部分当接部のみが基台に当接し、残りの部分が基台から浮いているので、側部支持部材も振動し易い状態に保持される。
[請求項12の発明]
請求項12のダイスの構成により、ダイス主体部材に3つのノード位置を設けることができる。そして、その真中のノード位置に加工孔を配置し、両側のノード位置に架橋部を配置することができる。
[請求項13の発明]
請求項13の発明に係るトランスファプレス機は、請求項1乃至12の何れかに記載のダイスを備えたことにより、ダイス主体部材が振動し易い構造となり、ダイス主体部材に超音波振動を効率よく付与することが可能となると共に、ダイスを容易に基台に固定すること可能になる。
[請求項14及び15の発明]
請求項14及び15の発明に係るトランスファプレス機によれば、ワーク搬送方向に並んだ複数の加工孔に、1つの超音波振動子で楕円モードの超音波振動を付与することができ、コストダウンが可能になる。しかも、請求項15のトランスファプレス機によればトランスファプレス機の小型化も図られる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
本実施形態に係るトランスファプレス機10は、上型11と下型12とを上下に対向配置して備える。上型11の下面からは、複数のパンチ13が下方に向かって突出しており、それらパンチ13は水平方向に1列に並べられている。
下型12は、基台14の中央部上面に複数のダイス15〜20を固定してなる。これらダイス15〜20は、パンチ13に対応して水平方向に1列に並べられると共に上面に開口した加工孔15A〜20A(図2参照)を有する。そして、上型11が図示しないプレスラムによって昇降されることで、各パンチ13が各加工孔15A〜20Aに突入し、これにより、ワークが各加工孔15A〜20Aに押し込まれて所定のプレス加工が施される。
なお、基台14は、図3に示すように、ボルスタ14Aと、所定のダイス用にボルスタ14Aに固定されたダイホルダー60等とからなる。また、加工孔15A〜20A内で成形されたワークは、加工孔15A〜20Aの奥部に備えられたノックアウト22(図3参照)によって加工孔15A〜20Aから押し出される。
これら各パンチ13及び各ダイス15〜20からなる各加工ステージ(加工工程)の間でワークを搬送するために、下型12におけるダイス15〜20の上面にはトランスファ装置21(図3参照)が設けられている。トランスファ装置21は、上型11が上下動する度に、図1及び図2における左側から右側のダイス15〜20に順次ワークを搬送する。これにより、ワークに複数回のプレス加工が施される。
詳細には、上記したダイス15〜20は、例えば、ワーク搬送方向の上流側から順番に、打抜きダイス15、深絞りダイス16、再絞り第1ダイス17、再絞り第2ダイス18、しごき加工ダイス19、トリミングダイス20になっている。そして、打抜きダイス15において板金から打ち抜かれたワークが、深絞りダイス16、再絞り第1ダイス17、再絞り第2ダイス18を経て筒状に成形され、本発明に係るしごき加工ダイス19においてしごき加工が施される。また、最後に、トリミングダイス20においてトリミングされる。
さて、しごき加工ダイス19は、図4に示すように、ダイス主体部材40の両側部に1対の側部支持部材50,50を備えた構造になっている。また、しごき加工ダイス19は、超硬材料又は、ダイス鋼(例えば、SKD鋼)等の同一材質で全体が構成されている。ダイス主体部材40は、全体として水平方向に延びた直方体形状(詳細には、角柱状)をなし、その上面及び底面の中心を加工孔19Aが上下に貫通している。加工孔19Aは、図6に示すように、ダイス主体部材40の上下方向(厚さ方向)の中間部分がしごき加工部46になっている。そして、そのしごき加工部46からダイス主体部材40の上面の開口までの間が、しごき加工部46に向かうに従って内径がテーパー状に窄んだアプローチ部45となり、しごき加工部46からダイス主体部材40の下面の開口までの間が、ダイス主体部材40の下面の開口に向かうに従って内径がテーパー状に拡がったリリーフ部47になっている。
図4に示すように、ダイス主体部材40の長手方向の一端面は、本発明に係る振動子固定面41になっている。振動子固定面41の中心には、超音波振動子23(図5参照)を取り付けるための螺子孔41Aが形成されている。ここで、振動子固定面41の法線は、加工孔19Aの半径方向を向いており、螺子孔41Aの軸方向が、その法線と一致又は平行になっている。
超音波振動子23は、図5に示すように、振動子本体24の一端にホーン25(ブースター)を備えてなる。振動子本体24は、発振器を含む超音波振動用回路(図示せず)に接続されており、例えば、10〜120KHz、振幅3〜20μmの超音波を出力する。また、ホーン25の先端面からは雄螺子25Aが突出している。そして、この雄螺子25Aを前記した螺子孔41Aにねじ込み、ホーン25の先端面を振動子固定面41に密接させた状態にして超音波振動子23がダイス主体部材40に固定されている。なお、上記したホーン25は、必ずしも必要ではない。
図4に示すように、1対の側部支持部材50,50は、ダイス主体部材40のうち振動子固定面41の両隣の1対の側面42,42にそれぞれスリット43を挟んで隣接配置されている。そして、スリット43の両端に残された架橋部48を介してこれら側部支持部材50,50とダイス主体部材40とが連続形成されている。具体的には、スリット43を形成する前の状態では、略角柱状の側部支持部材50の一側面の全体が、ダイス主体部材40の両側面42,42に連続した構造になっている。そして、図7に示すように、その側部支持部材50の長手方向の両端面55とダイス主体部材40の側面42とがなす角部55Aから僅かに離れた位置にそれぞれ円形孔44を形成し、一方の円形孔44に図示しないワイヤカッタの端部を挿入する。この状態でワイヤカッタを往復動させながら他方の円形孔44に向け移動する。これにより、スリット43が形成されると共に、上述の如く各スリット43の両端部に架橋部48が残された構造になる。そして、この円形孔44によってスリット43の端部における応力集中が防がれる。また、角部55Aは、コーナーRを備えた構造とされて、応力集中が防がれている。
各側部支持部材50には、長手方向に2つの取付孔51,51が形成されている。各取付孔51にはボルトが貫通され、そのボルトの先端が、基台14の一部を構成するダイホルダー60の螺子孔65に締め付けられている。
側部支持部材50のうちダイス主体部材40と反対側の側面には、下縁部に沿って段差部が設けられている。そして、その段差部より下側の下端側面52には、図6及び図7に示すように、各取付孔51,51の側方部分を帯状に残し、残り全体を薄く切除することで、下端側面52から側方に僅かに突出した側方当接部53(本発明に係る「部分当接部」に相当する)が形成されている。これと同様に、側部支持部材50の下面は、下端側面52の幅方向の略中央部分より外側が、取付孔51の開口部の近傍を除き、全体的に薄く切除され、これにより取付孔51の近傍には、側方当接部53と連続しかつ側方当接部53と同じ幅の下面当接部54(本発明に係る「部分当接部」に相当する)が形成されている。
上記しごき加工ダイス19は、基台14の一部を構成するダイホルダー60に固定されている(図3参照)。このダイホルダー60は、図4に示すように直方体の上面から支持部61を突出させた構造になっている。支持部61の上面には、その両側縁部から上方に向けて1対の側部突壁62,62が起立している。また、支持部61の上面における幅方向の中央部分には、溝部63が形成され、その溝部63と各側部突壁62,62との間が、ダイス載置部64,64になっている。
ダイホルダー60のうち溝部63の中央部分には、前記したノックアウトが収容されるノックアウト孔66が形成されている。そして、図3に示すように、このノックアウト孔66とパンチ13とが同軸上に配置されるように位置合わせされてボルスタ14Aにダイホルダー60がボルト固定されている。
図5に示すように、しごき加工ダイス19は、側部突壁62,62の間に配置されて、ダイス載置部64,64上に載置される。ここで、溝部63の幅は、ダイス主体部材40の幅より大きくなっているので、ダイス主体部材40全体がダイホルダー60から浮いた状態に保持される。そして、ダイス載置部64に対しては、側部支持部材50の下面のうち取付孔51の近傍の下面当接部54(図6参照)のみが当接する。また、側部突壁62の内側面に対しては、下端側面52における側方当接部53(図6参照)のみが当接し得る状態になっている。この状態で、しごき加工ダイス19の各取付孔51に通されたボルトが、ダイス載置部64に形成された螺子孔65に締め付けられている。
上記した構成のしごき加工ダイス19のダイス主体部材40は、図8に示すように、3個のノード位置N1,N2,N3を持つように形成されている。そして、ブロック部材BL1の中央(ノード位置N2)には、ワークの加工に応じて加工孔19Aが設けられている。ダイス主体部材40を超音波振動子23の振動方向(図8の左右方向)で、隣り合った2つのノード位置N1,N2,N3の各中間の最大振幅部を境に、長さL2,L1,L2の3つのブロックBL2,BL1,BL2に区分した場合に、ブロックBL1の長さL1は、ダイス主体部材40の材質、幅、厚み、加工孔径等を基に、有限要素法による解析で最適な振動が得られるよう求められている。また、ブロックBL2の長さL2は、ブロックBL1の固有振動数をf1、音速をC1とすると、
L2=C1/f1/2
で求められている。この結果、超音波振動子23で与えられた超音波振動が、ダイス主体部材40内で往復伝搬されて増幅され、ダイス主体部材40は高効率で振動可能となっている。
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
超音波振動子23が作動し、しごき加工ダイス19に超音波振動が付与されると、しごき加工ダイス19の長手方向の伸縮と幅方向の伸縮とが交番状に発生し、楕円振動モードの超音波振動がしごき加工ダイス19に伝達する。そして、トランスファプレス機10を稼動すると、打抜きダイス15、深絞りダイス16、再絞り第1ダイス17、再絞り第2ダイス18を経て筒形に成形されたワークが、しごき加工ダイス19の加工孔19Aに押し込まれ、しごき加工が施される。これにより、ワークの筒壁が薄肉にされかつ表面が滑らかになる。ここで、しごき加工ダイス19には、楕円振動モードの超音波振動が付与されているので潤滑性が向上し、低粘度加工油を使用しても高精度なしごき加工を行うことができる。そして、しごき加工が施されたワークはトリミングダイス20でトリミングされ、トランスファプレス機10がワークに施す全ての工程が終了する。
ここで、本実施形態のしごき加工ダイス19は、上記したように従来よりも容易に基台14に取り付けられるので、不慣れな作業者がしごき加工ダイス19を基台14に固定しても、加工孔19Aとパンチ13とが容易に芯出しされ、高いプレス品質を得ることができる。また、このしごき加工ダイス19には、ダイス主体部材40と各側部支持部材50との間にそれぞれ1対ずつの架橋部48を設けたので、架橋部48を1つだけ設けた場合に比べて架橋部48を薄肉にすることができる。これにより、架橋部48によるダイス主体部材40への振動の影響を低減させることが可能になり、プレス品質が向上する。
このように、本実施形態のしごき加工ダイス19では、加工孔19Aを備えたダイス主体部材40と、基台14に固定される側部支持部材50とがスリット43によって分離されかつ架橋部48によって部分的に連続形成されているので、ダイス主体部材40と側部支持部材50との位置関係に気を遣わずに、即ち、従来のように固定具とノード位置との位置決め作業を行うことなく、側部支持部材50を基台14に固定することできる。しかも、側部支持部材50の取付孔51は、側部支持部材50のノード位置に配置されているので、側部支持部材50自体の振動も許容され、固定用のボルトの締め付け強度によるダイス主体部材40の振動状態への影響も緩和される。これらにより、従来よりも容易にしごき加工ダイス19を基台14に取り付けることが可能になる。また、側部支持部材50は、ダイス主体部材40に一体形成されているので、従来のように固定具がノード位置からずれることによる振動エネルギーのロスが起こらないので、超音波振動子23の振動エネルギーを効率よくプレス加工に利用することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態のしごき加工ダイス19は、超硬材料又はダイス鋼(例えばSKD鋼)等の同一材料で全体が構成されていたが、ダイス主体部材40に加工孔19Aより大きな下孔を加工しておき、そこに超硬材料で形成された筒状のダイス本体を焼嵌して、そのダイス本体の軸心に貫通した孔を加工孔19Aとしてもよい。このような構成にすれば、ダイス全体を超硬材料とした場合に比べて、母材から容易にダイスを削り出すことができる。一方、ダイス全体を超硬材料とした場合には、ダイスの設計が容易になる。
(2)また、加工孔19Aの開口縁及び/又は内面にダイヤモンドコーティングを施してもよい。
(3)また、本発明に係るダイスは、トランスファプレス機以外のプレス機に取り付けられるものであってもよい。
(4)前記実施形態では、しごき加工ダイス19に形成されたスリット43の両端部に円形孔44を設けたことにより応力集中を防いでいたが、図9に示すようにスリット43の端部を円弧状に折り返してなる湾曲スリット43Aを設けて、応力集中を防いでもよい。
(5)前記実施形態のしごき加工ダイス19は、ダイス主体部材40より側部支持部材50が短くなっていたが、側部支持部材50をダイス主体部材40と同じ長さにしてもよい。但し、前記実施形態のように、ダイス主体部材40より側部支持部材50を短くすることで小型軽量化が図られる。
(6)前記実施形態のトランスファプレス機10には、楕円振動モードの超音波振動が付与されるダイス19が1つしか設けられていなかったが、そのようなダイスを複数備えた構成にしてもよい。
(7)また、図10に示すように前記実施形態におけるダイス主体部材40を長手方向に延ばし、ダイス主体部材40に4つ以上のノード位置N1,N2,N3,N4,・・・を備えた構成とし、そのダイス主体部材40の複数のノード位置N2,N3,N4に加工孔19Aを設けた構成にしてもよい。また、これら複数の加工孔19Aをトランスファ装置のワーク搬送方向に並べた構成にしてもよい。
(8)また、加工孔を1つずつ備えた複数のダイス主体部材を、超音波振動子の振動方向に連続形成し、それら複数のダイス主体部材をトランスファプレス機のワーク搬送方向に並べてもよい。
(9)さらには、図11に示すように、ダイス主体部材40に4つ以上のノード位置N1,N2,N3,N4,・・・を備えた構成とすると共に、そのうちの3つ以上のノード位置に架橋部48を設けて、スリット43を長手方向に分断した構成としてもよい。
本発明の一実施形態に係るトランスファプレス機の正面図 下型の平面図 トランスファプレス機の側断面図 ダイス及びダイホルダーの分解斜視図 ダイス及びダイホルダーを組み付けた状態の斜視図 ダイスの正断面図 ダイスにおける側部支持部材の平面図 ダイスが振動した状態の概念図 ダイスの変形例を示した斜視図 ダイスの変形例を示した平面図 ダイスの変形例を示した平面図
符号の説明
10 トランスファプレス機
13 パンチ
14 基台
19 加工ダイス
19A 加工孔
23 超音波振動子
40 ダイス主体部材
41 振動子固定面
43 スリット
48 架橋部
50 側部支持部材
51 取付孔
53 側方当接部(部分当接部)
54 下面当接部(部分当接部)

Claims (15)

  1. 楕円振動モードの超音波振動が付加された状態で絞り及び/又はしごき加工を行うためのダイスであって、
    直方体状のダイス主体部材と、
    前記ダイス主体部材に形成されてパンチが突入する加工孔と、
    前記ダイス主体部材のうち前記加工孔の半径方向を向いた法線を有し、その法線方向に振動する超音波振動子が取り付けられる振動子固定面と、
    前記ダイス主体部材のうち前記振動子固定面の両隣の1対の側面にそれぞれスリットを挟んで隣接配置されかつ前記スリットの両端又は途中部分に残された架橋部を介して前記ダイス主体部材に連続形成された1対の側部支持部材と、
    前記各側部支持部材をダイス固定用の基台に固定するための取付孔とを備え、
    前記架橋部は、前記ダイス主体部材のうち振動振幅が最も弱いノード位置に配置され、 前記取付孔は、前記側部支持部材のうち振動振幅が最も弱いノード位置に配置されたことを特徴とするダイス。
  2. 前記架橋部は、前記ダイス主体部材と前記各側部支持部材との間にそれぞれ1対ずつ設けられたことを特徴とする請求項1に記載のダイス。
  3. 前記取付孔は、前記各側部支持部材にそれぞれ1対ずつ設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のダイス。
  4. 前記側部支持部材の両端に前記架橋部を備え、前記ダイス主体部材の両端を前記架橋部の両端より前記超音波振動子の振動方向に突出させたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のダイス。
  5. 全体が超硬材料で構成されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のダイス。
  6. 前記ダイス主体部材に形成された下孔に超硬材料で形成された筒状のダイス本体を焼嵌し、そのダイス本体の軸心に貫通した孔を前記加工孔としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のダイス。
  7. 前記加工孔の開口縁及び/又は内面にダイヤモンドコーティングを施したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のダイス。
  8. 前記スリットの端部にはそのスリットの幅より直径が大きい円形孔が形成されたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のダイス。
  9. 前記円形孔は、前記スリットを形成するためのワイヤカッタの端部を挿通可能な大きさであることを特徴とする請求項8に記載のダイス。
  10. 前記スリットの端部を円弧状に折り返したことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のダイス。
  11. 前記側部支持部材には、前記ダイス固定用の基台との間で互いに当接して、前記ダイス主体部材全体を前記基台から浮かせた状態に保持する部分当接部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載のダイス。
  12. 前記加工孔は、前記ダイス主体部材のうち前記加工孔の軸方向を法線とした平面の中心部に配置され、前記ダイス主体部材を前記超音波振動子の振動方向で長さL2,L1,L2の3つのブロックに区分した場合に、前記加工孔を中心に有した前記長さL1のブロックの固有振動数をf1、音速をC1、とすると、前記長さL2は、
    L2=C1/f1/2
    、となるように設定されたことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のダイス。
  13. 請求項1乃至12の何れかに記載のダイスを少なくとも1つ以上備えたことを特徴とするトランスファプレス機。
  14. 前記加工孔を1つずつ備えた複数の前記ダイス主体部材が、前記超音波振動子の振動方向に連続形成されかつ、それら複数のダイス主体部材がトランスファプレス機のワーク搬送方向に並べられたことを特徴とする請求項13に記載のトランスファプレス機。
  15. 前記ダイス主体部材のうち振動振幅が最も弱くなる複数のノード位置に複数の前記加工孔が設けられ、それら複数の加工孔がトランスファプレス機のワーク搬送方向に並べられたことを特徴とする請求項13又は14に記載のトランスファプレス機。
JP2004148786A 2004-05-19 2004-05-19 ダイス及びトランスファプレス機 Expired - Fee Related JP4512418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004148786A JP4512418B2 (ja) 2004-05-19 2004-05-19 ダイス及びトランスファプレス機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004148786A JP4512418B2 (ja) 2004-05-19 2004-05-19 ダイス及びトランスファプレス機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005329421A JP2005329421A (ja) 2005-12-02
JP4512418B2 true JP4512418B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=35484410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004148786A Expired - Fee Related JP4512418B2 (ja) 2004-05-19 2004-05-19 ダイス及びトランスファプレス機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4512418B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107825179A (zh) * 2017-12-13 2018-03-23 内蒙金属材料研究所 一种工程用节点加工模具

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6221427A (ja) * 1985-07-18 1987-01-29 Mitsubishi Electric Corp 深絞り加工方法およびその装置
JP2716868B2 (ja) * 1990-11-29 1998-02-18 株式会社東芝 金型の製造方法
JP3707123B2 (ja) * 1996-01-30 2005-10-19 マツダ株式会社 絞り成形用ダイスの修理方法
JPH09253770A (ja) * 1996-03-22 1997-09-30 Mitsubishi Electric Corp 金 型
JPH11277160A (ja) * 1998-03-27 1999-10-12 Asahi Seiki Mfg Co Ltd プレス用ダイヤモンド被覆絞りダイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005329421A (ja) 2005-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6408728B1 (en) Punching apparatus for stamping and method for producing the same
JP4512418B2 (ja) ダイス及びトランスファプレス機
BR0115753A (pt) Alto-falantes
JP6194498B2 (ja) ブースタホーン及びブースタホーンを用いた超音波溶着装置
TW548759B (en) Transducer and bonding device
JPS63283802A (ja) 超音波振動切削装置
JP2013111676A (ja) 圧入方法および圧入装置
JP6774812B2 (ja) 超音波接合装置
JP2005193293A (ja) 金型および金型を用いた成形加工方法
JP2008162004A (ja) バイトホルダー
JP3530019B2 (ja) 振動プレス加工方法および振動プレス金型
JP4213712B2 (ja) ホーンユニット及びそれを用いたボンディング装置
JP4213711B2 (ja) ホーン、ホーンユニット及びそれを用いたボンディング装置
JP2020116641A (ja) 超音波接合装置
US10583609B2 (en) Vertical vibration joining apparatus
RU2293012C2 (ru) Комбинированный способ обработки отверстий и устройство для его осуществления
JP7273528B2 (ja) プレス加工の金型、プレス加工装置およびプレス加工の金型のパンチ
KR102665938B1 (ko) 외부 전원 공급 방식의 초음파 스핀들 가공 장치
JP2014151399A (ja) 加工装置
JP4213713B2 (ja) ホーンの使用方法及びホーンユニットの使用方法並びにボンディング装置
JP2001277058A (ja) レーザ加工とプレス加工を含む複合板金加工方法
KR20240068792A (ko) 초음파 소노트로드, 초음파 소노트로드 제조 방법 및 용접 방법
JPH04146099A (ja) 極薄板の打ち抜き加工法
JPH09216195A (ja) 超音波カッター用ナイフホルダー
JP2005233843A (ja) 加振装置および振動台テーブル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees