JP4511751B2 - クロマトグラフのピーク検出方法及びクロマトグラフ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロマトグラフのピーク検出方法及びクロマトグラフ装置に関し、より詳細には、連続測定に際しての保持時間データの更新方法が改良されたクロマトグラフのピーク検出方法及びクロマトグラフ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クロマトグラフでは、測定条件が一定の場合、同じ成分はクロマトグラムの同じ溶出位置に表われる。適当な測定条件を選択すれば、予め成分と濃度が既知である標準試料のクロマトグラムと、未知の測定試料のクロマトグラムとを比較することにより、測定試料中の特定の成分の定性や定量を行うことができる。
【0003】
クロマトグラフでは、試料導入時点をスタート時点(t0)とし、該スタート時点から各成分に由来するピークの頂点までの時間が保持時間(リテンションタイム)と呼ばれている。特定の成分を検出するに際しては、この保持時間が利用されている。
【0004】
また、従来、保持時間の変動幅や他の成分との誤認識を避けるために、クロマトグラフ装置では、ある程度の幅を有する検出域が予め設定されており、溶出してきたピークが該検出域内に属する場合に、すなわち溶出してきたピークの保持時間が検出域内に存在する場合に、該ピークが測定対象成分のピークであると認識されている。
【0005】
しかしながら、連続的に測定を行う場合には、測定環境の温度変化、クロマトグラフ装置の変動、あるいは分離カラムの劣化などの様々な要因により、測定対象成分の保持時間が予め設定された検出域外に現われることがある。
【0006】
そこで、特開平8−5625号公報には、標準試料を流し、標準試料に基づき得られた各成分のピーク保持時間を参照テーブルに書き込み、参照テーブルを更新する方法が開示されている。すなわち、上述した保持時間の変動に伴う問題を解決するために、標準試料が流された際に、その都度参照テーブルを更新する方法が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術に記載の方法では、連続測定の間に前記標準試料を測定し、基準となる参照テーブルが更新されているため、以下のような問題があった。
【0008】
第1に、標準試料が高価である場合、測定コストが高くつく。第2に、標準試料を測定する分だけ、測定時間が長くなる。第3に、標準試料が不安定な場合には、保存条件などに特別な配慮が必要となる。
【0009】
特に、糖尿病検査項目であるヘモグロビンA1c(以下、HbA1c)をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で測定する際に、これらがより大きな問題となる。
【0010】
近年、測定施設間あるいは測定施設内における装置間における測定ばらつきを少なくするために、標準試料による測定装置の校正が行われている。しかしながら、標準試料による校正は、分離カラム交換時や測定装置のメンテナンスなどにより測定条件が変更した可能性のある場合に実施されるのが一般的である。
【0011】
これに対して、上述した先行技術に記載の方法では、連続測定中に標準試料を測定するため、上記測定コストの上昇及び測定時間の延長が大きな問題となる。
また、HbA1cの測定に際し、測定時間を短縮しようとすると、HbA1cの前後に溶出してくる他のヘモグロビン成分ピークとの間隔が短くなり、誤認識の可能性が高くなる。従って、より狭い検出域を設定しなければならない。
【0012】
他方、分離カラムの劣化や溶離液の濃縮などによる保持時間の変動幅を考慮し、これらの変動があった場合でも保持時間が検出域内に収まるようにする必要がある。従って、検出域を狭く設定した場合には、分離カラムの劣化や溶離液の濃縮などによる影響が大きくなるため、早めに分離カラムを変更しなければならなかったり、溶離液を早めに交換しなければならないという問題があった。そのため、測定コストが高くつくことになる。
【0013】
また、HbA1cの標準試料は一般に冷蔵保存されている。測定の度毎に、冷蔵庫から標準試料を取り出し測定する必要があるため、標準試料をかなりの頻度で測定する場合、測定作業が煩雑になるという問題もあった。さらに、測定装置の検体架設部に冷蔵機能を備えた場合には、測定装置が高価になる。
【0014】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、連続測定に際し、測定コストを高めることなく、かつ測定時間を実質的に延長することなく、測定対象成分を常に正確に検出することを可能とするクロマトグラフのピーク検出方法及びクロマトグラフ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、クロマトグラムデータを解析し少なくとも1種の測定対象成分の保持時間に基づいて該測定対象成分の定性あるいは定量を行うクロマトグラフのピーク検出方法であって、測定対象成分のピークを検出した際に得られる該測定対象成分の保持時間を参照データとして次回以降の測定に際しての測定対象成分のピークの検出に利用することを特徴とする。
【0016】
本願の第2の発明は、測定対象成分の保持時間により該測定対象成分のピークを検出して測定対象成分の定性もしくは定量を行うクロマトグラフ装置であって、分離カラムと、分離カラムから流出した移動相を測定してクロマトグラムデータを出力する検出器と、測定対象成分の保持時間に応じた参照データを記憶している記憶手段と、前記検出器から与えられたクロマトグラムデータを前記参照データと比較することにより、測定対象成分のピークを検出して出力し、かつ測定対象成分のピークを検出した場合に該測定対象成分の保持時間に応じたデータを前記記憶手段に与えて前記記憶手段に記憶されている参照データを更新する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、上記測定対象成分としてヘモグロビン類が用いられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0018】
図1は、本発明にかかるクロマトグラフ装置の一実施形態の概略構成図であり、図2は制御手段としての制御部の詳細を示すブロック図である。
本実施例のクロマトグラフ装置1は、測定対象成分としてHbA1cを分離するための分離カラム2を有する。分離カラム2としては、従来より様々な測定試料に応じてクロマトグラフ装置において用いられている適宜の分離カラムを用いることができる。分離カラム2には、移動相としての溶出液3が供給される。溶出液3はポンプ4により分離カラム2に供給される。ポンプ4と分離カラム2との間には、特定試料を注入するための注入器5が接続されている。注入器5の近傍には、試料の存在の有無と同時に、試料が標準試料であるか否かを検出するセンサ5aが配置されている。センサ5aは、試料容器の存在を検出し得る、光学式センサなど適宜のものが用いられ得る。
【0019】
他方、分離カラム2の後段には検出器6が配置されており、検出器6は、分離カラム2から流出してきた溶離液を検出し、クロマトグラムデータを出力する。上記検出器6としては、分離カラム2から流れてきた移動相の電気伝導度を測定する形式の検出器、あるいは吸光度、蛍光等を測定する、適宜のクロマトグラフ装置用検出器を用いることができる。
【0020】
クロマトグラフ装置1では、制御部7により、ポンプ4、注入器5及び検出器6が駆動される。
制御部7の詳細を、図2を参照して説明する。制御部7は、制御手段としてのCPU8を有する。CPU8には、ポンプ駆動部9、注入器駆動部10、検出器駆動部11及びセンサ駆動部12が電気的に接続されている。ポンプ駆動部9、注入器駆動部10、検出器駆動部11及びセンサ駆動部12が、それぞれ、ポンプ4、注入器5、検出器6及びセンサ5aに電気的に接続されている。ポンプ駆動部9、注入器駆動部10、検出器駆動部11及びセンサ駆動部12は、CPU8から与えられる指令信号により、ポンプ4、注入器5、検出器6及びセンサ5aをそれぞれ動作させるように構成されている。
【0021】
また、検出器駆動部11は、検出器6が出力するクロマトグラムデータを受け取り、CPU8に与える。他方、センサ駆動部12は、センサ5aが出力する試料の存在の有無に応じた信号をCPUに与える。
【0022】
制御部7には、メモリ13及び入力部14が設けられている。記憶手段としてのメモリ13は、測定対象成分の保持時間に応じた参照データ、及び測定されたクロマトグラムデータ等を記憶させるのに用いられる。
【0023】
また、入力部14は、キーボードなどの適宜の入力手段に接続されており、入力部14から、初期状態において測定対象成分に応じた保持時間や検出域などの情報などがCPU8に与えられ、CPU8は、この参照データをメモリ13に記憶させる。
【0024】
本実施例のクロマトグラフ装置1の特徴は、測定対象成分の検出ピークを検出した場合に、該検出ピークに応じた保持時間データが、メモリ13に与えられ、メモリ13に記憶されている参照データが更新されるように構成されていることにあり、それによって、温度変化、分離カラムの劣化、あるいは溶出液の濃縮等による変動に起因する誤認識や測定ばらつきを抑制し、高精度に測定対象成分のピークの検出を可能としたことにある。これを、本実施例のクロマトグラフ装置1による分析方法を図3に示すフローチャートを参照して説明することにより、明らかにする。
【0025】
まず、キーボードなどの入力手段を操作して、入力部14から測定開始信号をCPU8に与える。CPU8は、ポンプ駆動部9に測定開始指令信号を与え、それによってポンプ4が駆動され、溶出液3が分離カラム2に流される。また、CPU8は、検出器駆動部11に測定開始信号を与え、検出器駆動部11は、該測定開始信号に応じて、検出器6の駆動を開始する。この状態において、CPU8が、注入器駆動部10に試料を注入するための信号を与え、注入器5から試料が注入される(ステップS1)。
【0026】
次に、分離カラム2から流出された溶出液3が検出器6に至ると、検出器6により、クロマトグラムデータが出力される。ステップS2において、このクロマトグラムデータが制御部7のCPU8に与えられ、CPU8は、このクロマトグラムデータをメモリ13に記憶させる。次にステップS3において、CPU8は、メモリ13に記憶されているクロマトグラムデータの保持時間を解析する。すなわち、クロマトグラムデータに現われる複数のピークの保持時間を検出する。
【0027】
ステップS4において、CPU8は、センサ駆動部12からの情報に基づき、標準試料であるか否かを認識する。
試料が標準試料でない場合には、ステップS5において、CPU8は、クロマトグラムデータの複数のピークのうち、測定対象成分に基づくピークを同定する。
【0028】
次に、ステップS6において、測定対象成分であるHbA1cの検出域に同定されたクロマトグラムデータ中のピークが位置しているか否かを判断し、測定対象成分であるHbA1cが存在するか否かを判断する。存在する場合には、ステップS7において、該HbA1cの保持時間データに基づく新たな検出域データをメモリ13にCPU8が与え、該検出域データによりメモリ13に予め記憶されていた参照データが書き換えられ更新される。また、この時に、CPU8は測定対象成分の存在や濃度に応じた信号を図示しないプリンタなどに出力し、検出結果を与える。
【0029】
このように、メモリ13に記憶されている参照データが、実際に測定された試料中のHbA1cのピークの保持時間に基づいて更新されることになる。
なお、ステップS6において、測定対象成分が存在しない場合には、検出域の更新は行われず、後述のステップS8の動作に移動する。
【0030】
次に、ステップS8において、CPU8は試料の有無を判断する。すなわち、注入器5の部分に試料が用意されているか否をセンサ5aからの信号に基づいて判断する。試料が存在する場合には、ステップ1に戻り、測定を連続する。試料が存在しない場合には、測定を終了する。
【0031】
なお、ステップS4において、測定試料が標準試料と判断された場合には、ステップS9において標準試料に基づいて初期検出域が設定され、メモリ13に与えられる。
しかる後、ステップS8において試料の有無が再度判断される。
【0032】
上記のように、本実施例のクロマトグラフのピーク検出方法では、具体的な測定試料を測定した際に、測定対象成分のピークの保持時間に基づいて記憶手段12に記憶されている参照データが書き換えられる。従って、分離カラムが劣化したり、溶離液が濃縮したりしたとしても、常に、これらの変動状況に応じて測定対象成分の検出域データが更新されるため、高精度に測定対象成分の検出を行うことができる。
【0033】
また、標準試料が流された場合には、自動的に初期検出域が設定される。
従って、分離カラム2の劣化や溶離液3の濃縮による変動に影響されることなく、常に測定対象成分であるHbA1cを高精度に測定することができる。また、本実施例では、上記のように、実際に測定される試料中の測定対象成分のピークの保持時間に基づいて参照データが更新されるので、連続測定に際し標準試料をほとんど流す必要がないため、測定時間の短縮を図ることができるとともに、測定コストを低減することができる。
【0034】
なお、上記参照データの更新方法については、様々な方法を用いることができる。
すなわち、上記実施例のように、1回の測定により得られたクロマトグラムデータに基づいて参照データを書き換える方法の他、それ以前の測定により得られたクロマトグラムデータをも用いて参照データを更新する方法などを用いることができる。このように複数回の測定により得られたクロマトグラムデータを用いる場合、複数回の測定により得られた保持時間データの単純平均を用いる方法、あるいは重み付け平均で得られた値を用いる方法などが挙げられる。この更新方法の具体的な例として、以下の第1及び第2の更新方法を図4〜図9のクロマトグラムデータ及び下記の表1を参照して説明する。
【0035】
なお、第1,第2の更新方法のいずれにおいても、図4に示す標準試料1のクロマトグラムデータ、すなわち最初に標準試料を流した場合のクロマトグラムデータで、初期設定検出域として、T0±R0を設定しておく。この場合、R<R0としておく。なお、Rは、測定対象成分に応じて適宜定められる数値である。
【0036】
次に、下記の表1に示す標準試料2及び未知試料1〜4を連続的に分析する。標準試料2、未知試料1〜4を測定した場合のクロマトグラムデータを図5〜図9に示す。
【0037】
第1の更新方法では、前2回の測定により得られた保持時間を反映した重み付け平均を用いて、参照データが更新される。下記の表1に示すように、標準試料2を流すことにより、図5に示すクロマトグラムデータが得られ、クロマトグラムデータでは、HbA1cの保持時間はTSである。従って、下記の表1に示すように、更新される保持時間データとしてT1=(T0+TS)/2がCPU8により得られ、CPU8は新たな検出域データとしてT1±Rをメモリ13に与えて、参照データを更新する。
【0038】
従って、次の測定試料である未知試料1が測定されると、図6に示すクロマトグラムデータが得られるが、ここでは、検出域として、T1±Rが設定されているので、図6の保持時間U1のピークが検出域内に属するため、HbA1cに属すると判断される。そして、次にCPU8により、保持時間T2=(T1+U1)/2が求められ、更新検出域データとしてT2±Rがメモリ13に与えられる。
【0039】
従って、次の未知試料2を測定し、クロマトグラムデータ(図7)が得られた場合、検出域はT2±Rであり、図7の保持時間U2のピークがHbA1cと判断される。そして、新たに更新すべき保持時間データT3=(T2+U2)/2が求められ、これに基づく更新検出域データT3±Rがメモリ13に与えられる。
【0040】
次に、未知試料3を流した場合、図8に示すクロマトグラムデータが得られる。ここで、検出域はT3±Rと設定されており、図8から明らかなように、この検出域にピークは存在しない。この場合、CPU8は、検出域データを更新しない。従って、検出域はT3±Rのままとされる。
【0041】
次に、未知試料4を測定し、図9に示すクロマトグラムデータが得られたとする。この場合、検出域は更新されていないのでT3±Rであり、図9の保持時間U4のピークがこの検出域に属する。従って、保持時間U4のピークがHbA1cと判断される。そして、CPU8は、新たな保持時間データとして、T4=(T3+U4)/2を計算し、かつ更新検出域データとしてT4±Rをメモリ13に与える。
【0042】
このように、第1の更新方法では、前2回の測定により得られた保持時間データを反映した重み付け平均値を用いて更新すべき参照データが求められる。
他方、第2の更新方法は、上記実施例と同様に、1回の測定で得られた測定対象成分のピーク保持時間に基づき、参照データを書き換える方法であり、下記の表1に示す通りとなる。
【0043】
【表1】
【0044】
なお、表1から明らかなように、第1,第2の更新方法のいずれにおいても、未知試料3を測定した場合のように特定対象成分が検出されなかった場合には、参照データの更新は行わない。
【0045】
上記第1,第2の更新方法は、あくまでも本発明における保持時間データの更新方法の例にすぎず、本発明においては、測定対象成分の保持時間データをもとに、様々な方法で参照データの更新を行ってもよい。すなわち、3回以上の測定により得られた保持時間データを平均することにより参照データを得てもよい。
【0046】
また、本発明においては、上記のように標準試料を頻繁に流すことなく、具体的な測定試料に基づき参照データの更新が行われるが、測定時間の延長を厭わないのであれば、連続的に未知試料を複数測定する際に、その間に標準試料を流し、参照データを更新してもよい。
さらに、本発明は、HbA1cの測定だけでなく、様々な成分の検出に広く用いられ得る。
【0047】
【発明の効果】
本発明にかかるクロマトグラフのピーク検出方法では、測定対象成分のピークを検出した際に得られる該測定対象成分の保持時間データを、次回以降の測定に際し、参照データとして測定対象成分のピークの検出に利用する。従って、分離カラムが劣化したり、溶離液が濃縮したりし、クロマトグラフ装置の状況が変動した場合であっても、このような状況の下に測定された保持時間データに基づき測定対象成分を検出するための参照データが更新されることになるため、周囲の温度変化、分離カラムの劣化または溶離液の濃縮等が生じた場合であっても、高精度に測定対象成分のピークを検出することができる。
【0048】
しかも、測定試料を連続測定する際に上記のように参照データの更新が行われるので、測定時間の実質的な延長をもたらすこともなく、かつ高価な標準試料の消費を軽減でき、測定コストの低減を図ることができる。
【0049】
特に、HbA1cの測定では、実際に用意されるほとんどの測定試料に測定対象成分であるHbA1cが存在しているのが普通であるため、本発明に係るクロマトグラフのピーク検出方法が効果的である。
【0050】
また、本発明に係るクロマトグラフ装置では、分離カラム、検出器、記憶手段及び制御手段を備え、制御手段が、検出器から与えられたクロマトグラムデータを参照データと比較することにより測定対象成分のピークを検出するが、測定対象成分のピークを検出した場合に、該測定対象成分の保持時間に基づいて次回以降の測定に利用される参照データが記憶手段に与えられるので、本発明にかかるクロマトグラフのピーク検出方法を利用して、測定対象成分を高精度に、安価にかつ短時間で測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクロマトグラフ装置の概略構成図。
【図2】図1に示した実施形態のクロマトグラフ装置の制御部を説明するための概略ブロック図。
【図3】本発明の一実施形態におけるクロマトグラフのピーク検出方法のフローチャートを示す図。
【図4】標準試料1のクロマトグラムデータを示す図。
【図5】標準試料2のクロマトグラムデータを示す図。
【図6】未知試料1のクロマトグラムデータを示す図。
【図7】未知試料2のクロマトグラムデータを示す図。
【図8】未知試料3のクロマトグラムデータを示す図。
【図9】未知試料4のクロマトグラムデータを示す図。
【符号の説明】
1…クロマトグラフ装置
2…分離カラム
3…溶離液
4…ポンプ
5…試料注入器
5a…センサ
6…検出器
7…制御部
8…制御手段としてのCPU
9…ポンプ駆動部
10…注入器駆動部
11…検出器駆動部
12…センサ駆動部
13…メモリ
14…入力部
Claims (2)
- クロマトグラムデータを解析し少なくとも1種の測定対象成分の保持時間に基づいて該測定対象成分の定性あるいは定量を行うクロマトグラフのピーク検出方法であって、
測定対象成分がヘモグロビン類であり、かつ、
測定対象成分のピークを検出した際に得られる該測定対象成分の保持時間を参照データとして次回以降の測定に際しての測定対象成分のピークの検出に利用することを特徴とするクロマトグラフのピーク検出方法。 - 測定対象成分の保持時間により該測定対象成分のピークを検出して測定対象成分の定性もしくは定量を行うクロマトグラフ装置であって、
測定対象成分がヘモグロビン類であり、かつ、
分離カラムと、
分離カラムから流出した移動相を測定してクロマトグラムデータを出力する検出器と、
測定対象成分の保持時間に応じた参照データを記憶している記憶手段と、
前記検出器から与えられたクロマトグラムデータを前記参照データと比較することにより、測定対象成分のピークを検出して出力し、かつ測定対象成分のピークを検出した場合に該測定対象成分の保持時間に応じたデータを前記記憶手段に与えて前記記憶手段に記憶されている参照データを更新する制御手段とを備える
ことを特徴とするクロマトグラフ装置。
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