JP7347269B2 - 成分分析装置および成分分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、試料中の成分を分析する成分分析装置および成分分析方法に関する。
ガラス室やビニルハウスなどを利用して野菜、花卉、果樹などを栽培する施設園芸において、特に植物工場の場合、一般に植物(野菜等の作物)に必要な養分を水等の溶媒に溶かした養液による養液栽培が行われる。養液栽培としては、養液が循環する循環式の水耕栽培がある。
このような循環式の水耕栽培の場合、植物の成長によって培養液を構成する各成分が消費される。そのため、培養液が循環するにつれ栽培槽に保持される培養液の組成が変化する。植物の生育は培養液成分に影響されるので、培養液の成分分析の結果に基づき、必要に応じて適宜、培養液の調整が行われる。
特許文献1には、循環式を採用した水耕栽培において、培養液の物理量を検出し、その検出結果をもとに培養液のPHや養分濃度といった栽培環境条件を調整する例が開示されている。
培養液は、植物(野菜等の作物)の成長に必要な養分(必須元素)を、吸収に適した組成と濃度で水に溶かしたものである。培養液中の養分はイオンの状態で存在し、陽イオンと陰イオンのバランスがとられている。
培養液中に養分として比較的多く含有されている多量要素は、例えば、窒素(N(NO、NH))、リン(P(PO))、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S(SO))である。一方、培養液中に養分として僅かに含まれる微量要素は、例えば、鉄(Fe)、ホウ素(B)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)である。
その他培養液中には、例えば、ナトリウムイオン(Na)、塩素イオン(Cl)、炭酸水素イオン(HCO )が含まれる。これらは溶媒である水(例えば、井戸水)に元々含まれていたり、溶媒に溶解させる上記した養分(イオン成分)を含む肥料塩に由来したりするものである。
上記のような培養液に含まれる多項目の成分を簡易に分析する方法として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:High Performance Liquid Chromatography)が知られている。HPLCは、液体の移動相をポンプなどによって加圧してカラムを通過させ、分析種を固定相及び移動相との相互作用の差を利用して高性能に分離して検出する分析方法である。
特開2015-53882号公報
HPLCに用いられるカラム(HPLCカラム)は、測定回数が増加するにつれ徐々に劣化する。劣化の主な理由は以下の通りである。
(1)培養液中の不純物によるHPLCカラムの汚染や、肥料成分の一部のHPLCカラムへの吸着量が徐々に増加することにより、移動相(肥料成分と溶離液)とHPLCカラム(固定相)との親和性が徐々に変化してしまう。
(2)HPLCカラムのコンダクタンス(流体の流れやすさ)が汚染により変化してしまう。
HPLCカラムが劣化すると、検出データ(クロマトグラム)における電気波形ピークが発生する時間やピークの高さ、半値幅が変動してしまうという問題がある。
そのため、一般的なHPLC測定の場合、都度、物質の標準溶液を用いてHPLC測定を行い、これにより得られる検出データを参照データとして用い、測定用溶液を用いたHPLC測定の検出データと比較することで測定用溶液の成分分析を行っている。すなわち、HPLC測定系のキャリブレーションを都度行っている。
しかしながら、上記のように都度キャリブレーションを行う手法では、培養液の成分分析に手間がかかり、植物工場等の養液栽培現場におけるリアルタイムでの培養液測定、分析という要請に対応できない。
そこで、本発明は、測定系の都度のキャリブレーションを要することなく、試料中の成分を簡易に分析することができる成分分析装置および成分分析方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る成分分析装置の一態様は、成分の種類と濃度とが既知である標準試料を前記成分と相互作用する分析機器要素を用いて測定された成分毎の測定結果と、前記分析機器要素を用いた前記標準試料の測定回数との相関を表す参照データを取得する参照データ取得部と、測定試料を前記分析機器要素と同等の測定用分析機器要素を用いて測定した測定結果と、前記測定用分析機器要素を用いた前記測定試料の測定回数とを含む測定データを取得する測定データ取得部と、前記測定データに含まれる前記測定回数に対応する前記参照データを用いて、前記測定データに含まれる前記測定結果をもとに、前記測定試料中の成分を分析するデータ処理部と、を備え、前記測定試料は、水耕栽培における培養液であり、前記測定結果は、クロマトグラフィー測定の結果である
このように、分析機器要素の劣化度を、当該分析機器要素を用いた測定の測定回数で近似する。そして、分析機器要素の劣化度に応じて変化する各成分の測定結果と、分析機器要素の劣化度を示す測定回数とを対応付けた参照データを用いて、測定試料の成分分析を行う。これにより、測定試料中の既知の成分について、測定系の都度のキャリブレーションを要することなく、分析機器要素の劣化度を考慮した分析を簡易に行うことができる。
また、試料に含まれる多項目の成分を簡易に分析することができる。また、水耕栽培における培養液は、含有される成分が既知であり、その濃度も大きく変動しない。また、水耕栽培においては、肥料成分の高精度な測定は要求されず、測定の手間を省くことの方が重要である。水耕栽培における培養液を測定試料として参照テーブルを用いた成分分析を行うことで、水耕栽培現場におけるリアルタイムでの測定、分析を簡易に行うことができる。
さらに、上記の成分分析装置において、前記参照データ取得部は、前記成分の種類毎にクロマトグラムの保持時間と前記測定回数との相関を表す第1の参照データと、前記成分の種類毎、かつ、前記成分の濃度毎に、前記クロマトグラムのピーク高さと前記測定回数との相関を表す第2の参照データと、を取得してもよい。
クロマトグラフィー測定の場合、分析機器要素は測定カラムである。測定カラムが劣化すると、移動相と固定相との親和性が変化し、測定結果(クロマトグラムの保持時間、ピーク高さ)が変動する。保持時間と測定回数との相関を表す第1の参照データと、ピーク高さと測定回数との相関を表す第2の参照データとを用いることで、測定カラムの劣化を考慮した形で適切に測定試料の成分分析を行うことができる。
また、上記の成分分析装置において、前記データ処理部は、前記第1の参照データを参照して、前記測定データに含まれる前記測定回数に対応する保持時間を分析対象成分の保持時間として導出する保持時間導出部と、前記測定データをもとに、前記保持時間導出部により導出された保持時間と等しい保持時間を有するピークを、前記分析対象成分に相当するピークとして同定し、当該ピークのピーク高さを取得するピーク高さ取得部と、前記第2の参照データを参照して、前記測定データに含まれる前記測定回数と前記分析対象成分とに対応する濃度毎のピーク高さと、前記ピーク高さ取得部により取得されたピーク高さとを比較し、前記分析対象成分の濃度を導出する濃度導出部と、を備えていてもよい。
このように、第1の参照データを、測定試料の測定結果として得られたピークの同定(どの成分に相当するピークであるかの確認)に用い、第2の参照データを、同定した成分の定量化に用いることができる。したがって、第1の参照データと第2の参照データとを用いて、容易かつ適切に測定試料の成分分析を行うことができる。
さらに、上記の成分分析装置において、前記参照データ取得部は、所定の種類かつ所定の濃度の成分の測定結果を基準として正規化された前記参照データを取得してもよい。この場合、参照データのデータ容量を削減することができるとともに、参照データを用いたデータ処理効率を向上させることができる
さらにまた、上記の成分分析装置において、前記標準試料は、窒素、リン、マグネシウム、カルシウムおよびカリウムの少なくとも1つを含んでいてもよい。このように、水耕栽培における培養液中に養分として比較的多く含有されている5大栄養素を分析対象の成分とすることで、培養液成分を適切に分析することができ、必要に応じて適宜、培養液の調整を行うことができる。
また、上記の成分分析装置において、前記参照データ取得部は、所定の濃度のマグネシウムの測定結果を基準として正規化された前記参照データを取得してもよい。マグネシウムは培養液中に養分として比較的多く含有され、適度な吸収速度を有する成分であるため、マグネシウムを基準とすることで、適切に正規化された参照データとすることができる。
また、本発明に係る成分分析方法の一態様は、成分の種類と濃度とが既知である標準試料を前記成分と相互作用する分析機器要素を用いて測定された成分毎の測定結果と、前記分析機器要素を用いた前記標準試料の測定回数との相関を表す参照データを取得するステップと、測定試料を前記分析機器要素と同等の測定用分析機器要素を用いて測定した測定結果と、前記測定用分析機器要素を用いた前記測定試料の測定回数とを含む測定データを取得するステップと、前記測定データに含まれる前記測定回数に対応する前記参照データを用いて、前記測定データに含まれる前記測定結果をもとに、前記測定試料中の成分を分析するステップと、を含み、前記測定試料は、水耕栽培における培養液であり、前記測定結果は、クロマトグラフィー測定の結果である
このように、分析機器要素の劣化度を、当該分析機器要素を用いた測定の測定回数で近似する。そして、分析機器要素の劣化度に応じて変化する各成分の測定結果と、分析機器要素の劣化度を示す測定回数とを対応付けた参照データを用いて、測定試料の成分分析を行う。これにより、測定試料中の既知の成分について、測定系の都度のキャリブレーションを要することなく、分析機器要素の劣化度を考慮した分析を簡易に行うことができる。
また、上記の成分分析方法は、前記参照データを取得するステップの後、前記測定データを取得するステップと前記成分を分析するステップとを繰り返し行うことができる。
この場合、測定試料の測定を行うたびに標準試料を測定する手間を省くことができ、リアルタイムでの成分分析を簡易に行うことができる。
本発明では、試料中の既知の成分について、測定系の都度のキャリブレーションを要することなく簡易に分析することができる。
本実施形態における成分分析システムの構成例を示す図である。 本実施形態における成分分析装置の構造例を示す図である。 切換バルブの動作例である。 切換バルブの動作例である。 一般的なHPLC測定手順を示すフローチャートである。 本実施形態のHPLC測定手順を示すフローチャートである。 相対的ピーク高さと積算被ばく量とを示すデータである。 積算被ばく量と相対的ピーク高さとの関係を示すグラフである。 標準溶液を用いたHPLC測定の結果の一例である。 参照データの一例である。 補正テーブルの一例である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、試料の成分分析を行う成分分析装置として高速液体クロマトグラフィー(HPLC:High Performance Liquid Chromatography )装置を用い、植物工場において植物(野菜等の作物)に必要な養分を水に溶かした養液の成分分析を行う成分分析システムについて説明する。
図1は、植物工場における成分分析システムの構成例を示す図である。
この成分分析システムは、施設内水耕栽培を行う養液栽培機構(水耕栽培機構)10において用いられる培養液に含まれる成分を分析するシステムである。この成分分析システムは、養液栽培機構10と、養液栽培機構10内で循環する培養液の一部を採取して成分を分析する成分分析装置20と、を備える。
養液栽培機構10は、植物11が栽培される栽培槽12と、培養液13を貯蔵する培養液タンク14と、栽培槽12と培養液タンク14との間で培養液13を循環させるための循環流路15と、循環流路15に培養液13を送液する送液ポンプ16と、を備える。
培養液13は、培養液タンク14から送液ポンプ16により植物11が育成される栽培槽12に供給される。栽培槽12内の培養液13には、植物11の地下部(根)が浸漬されている。栽培槽12にて植物11によって吸収されなかった培養液13は、排液流路17を介して培養液タンク14へ戻される。このように、培養液13は、栽培槽12と培養液タンク14との間を循環流路15および排液流路17を介して循環する。
また、循環流路15を流れる培養液13の一部は、循環流路15の一部から分岐した液体試料採取流路18を介して、例えば自動的に採取され、採取された培養液13は成分分析装置20により成分分析される。
このような循環式の水耕栽培の場合、培養液13が循環するにつれ栽培槽12に保持される培養液13の組成が変化する。植物11の生育は養液成分に影響されるので、養液分析の結果に基づき、必要に応じて適宜、培養液13の調整が行われる。
成分分析装置20は、培養液13の分析に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を採用した液体分析装置である。
図2は、成分分析装置20の構造例を示す図である。
成分分析装置20は、成分と相互作用する分析機器要素としてHPLCカラム26を備える。HPLCカラム26を溶離液とともに培養液13が流れると、培養液13に含まれる各成分(肥料成分)は、HPLCカラム26が保持する固定相と相互作用しながら移動する。この各成分とHPLCカラム26との相互作用の強さの相違により、HPLCカラム26から各成分が溶出する時間が変わる。
この原理を利用して、培養液13を成分毎に分離し、検出部27において分離成分を検出する。このとき検出部27は、各成分のHPLCカラム26での保持時間に対応して、各成分に相当する信号(パルス波形)を検出する。この検出データ(測定結果)をデータ処理部30によって解析することで、養液成分の同定や定量を行うことができる。データ処理部30による分析結果は制御部40に送出され、制御部40は、当該分析結果に基づき、養液栽培機構10における培養液13の調整を行う。
培養液の成分分析の場合、培養液成分(肥料成分)は既知であり、培養液中の未知である物質の検出は不要である。また、各肥料成分がHPLCカラムから溶出される順序や、各肥料成分の分離の度合(パルス波形における裾野の重なり具合)が事前に分かるので、必要最小限のHPLCカラム長を設定できる。つまり、成分分析装置20をコンパクトにすることができる。
図2に示すように、養液栽培機構10から液体試料採取流路18を介して採取された培養液13は、フィルタ21を介して試料注入用ポンプ(シリンジポンプ)22により採取される。試料注入用ポンプ22は、採取した培養液13を送出する際に切換バルブ23に接続される。
切換バルブ23には、試料注入用ポンプ22からの流路配管25aの他に、溶離液槽24に貯蔵されている溶離液24aを送液する送液ポンプ24bの溶離液排出側配管25bや、HPLCカラム26への注入用配管25c、サンプルループ配管25d、ドレイン配管25eが接続されている。
成分分析装置20における成分分析を行う場合、まず図3に示すように、切換バルブ23により、送液ポンプ24bにより送られてくる溶離液24aがHPLCカラム26側へ送液されるように流路が設定される。HPLCカラム26側へ送液された溶離液24aは、HPLCカラム26を通過し、図2に示す検出部27および廃液流路28を介して廃液槽29へ送られ、廃液29aとして溜められる。
一方で、切換バルブ23は、試料注入用ポンプ22からの流路配管25aと、サンプルループ配管25dと、ドレイン配管25eとが連通するように流路を設定する。この状態で試料注入用ポンプ22は、養液栽培機構10の培養液タンク14より培養液13の一部を採取する。試料注入用ポンプ22から送出される培養液13は、サンプルループ配管25d内に注入される。
その後、図4に示すように、切換バルブ23は、送液ポンプ24bの溶離液排出側配管25bと、サンプルループ配管25dと、HPLCカラム26への注入用配管25cとが連通するように流路を設定する。なお、試料注入用ポンプ22からの流路配管25aは、ドレイン配管25eと接続される。
この状態で送液ポンプ24bから溶離液24aを送液すると、溶離液24aは、サンプルループ配管25dを通り、サンプルループ配管25d内に注入されている培養液13とともにHPLCカラム26に注入される。
まず、HPLC装置による一般的なHPLC測定手順について、図5を参照しながら説明する。ここで、HPLC装置は、例えば図2に示す成分分析装置20と同様の構成とすることができる。
ステップS1では、標準溶液(標準試料)を採取する。ここで、標準溶液は、栽培槽に最初に投入する培養液であり、含有されている成分の種類(肥料成分種)と成分の濃度(肥料成分の濃度)とは既知である。
ステップS2では、標準溶液を用いてクロマトグラフィー測定(HPLC測定)を行い、検出データをもとに、必要最小限のHPLCカラム長を決定する。
ステップS3では、ステップS2において決定されたカラム長を有するHPLCカラムを用いて標準溶液のHPLC測定を行い、これにより得られた検出データを「参照データ」として記憶する。ここで、検出データは、HPLCカラムによって成分分離された溶液を検出部によって検出して得られる電気パルスデータ(クロマトグラム)である。すなわち、検出データは、時間対電気信号の特性データとなる。
次にステップS4では、実際の水耕栽培時の培養液の一部を測定試料として採取する。
ステップS5では、採取した測定試料を用いて、上記標準溶液を測定したときと同じ測定系においてHPLC測定を行う。
ステップS6では、測定試料を用いたHPLC測定を行って得られた検出データを「測定データ」として取得する。
ステップS7では、ステップS6において取得された測定データと、ステップS3において記憶した参照データとを比較する。そして、参照データにおける物質(肥料成分)Aに相当する電気パルスのピーク時点と同じ時点における測定データのピークを物質Aに相当するピークとして同定し、そのピークの大きさ(高さ)を参照データのピークの大きさ(高さ)と比較して、物質Aの濃度を算定する。同様の手順で他の肥料成分の濃度も算定する。
ステップS8では、培養液の分析を終了するか否かを判定する。そして、分析を継続すると判定した場合はステップS3に戻り、分析を終了すると判定した場合には図5の処理を終了する。
なお、ここでは標準溶液が変わらないことを前提とし、ステップS1およびS2を1回だけ行う場合について説明したが、標準溶液が変わる場合は、標準溶液が変わるたびにステップS1およびS2の処理を実施するものとする。
上記のように、一般的なHPLC測定では、測定試料の成分分析を行う場合、都度、標準溶液を用いたHPLC測定を行って参照データを取得し、測定データと参照データとを比較して各成分の濃度を算定する。このように、HPLC測定系のキャリブレーションを都度行うことにより、HPLCカラムの劣化によって測定データにおける電気波形ピークが発生する時間やピークの高さ、半値幅が変動した場合であっても、適切な成分分析が可能となる。
しかしながら、上記のように、都度、標準溶液を用いたHPLC測定を行う手法では、培養液の成分分析に非常に手間がかかる。
本実施形態における成分分析装置20は、測定試料となる培養液の成分(肥料成分)の種類が既知であり、各肥料成分の濃度があまり変動しないことを利用し、都度、検量線をとらずとも、HPLCカラムの劣化を考慮した形で簡易に成分分析を行うようにしたものである。
図6は、本実施形態の成分分析装置20におけるHPLC測定手順を示すフローチャートである。
ステップS11では、成分分析装置20は、標準溶液を採取する。ここで、標準溶液は、栽培槽に最初に投入する培養液であり、肥料成分種や各肥料成分の濃度は既知である。
ステップS12では、成分分析装置20は、標準溶液を用いてクロマトグラフィー測定(HPLC測定)を行い、検出データをもとに、必要最小限のHPLCカラム長を決定する。
ステップS13では、成分分析装置20は、ステップS12において決定されたカラム長を有するHPLCカラムを用いて標準溶液のHPLC測定を複数回繰り返し行う。そして、これにより得られた検出データをHPLC測定の測定回数(HPLCカラムに溶液を通した回数)と対応付けて「参照データ」として記憶する。ここで、検出データは、HPLCカラムによって成分分離された培養液を検出部によって検出して得られる電気パルスデータ(クロマトグラム)である。すなわち、検出データは、時間対電気信号の特性データとなる。
このステップS13では、成分分析装置20は、標準溶液を用いたHPLC測定を、HPLCカラムの劣化がある程度進むまで(例えば、300回)繰り返し行う。
本実施形態では、検出データとして、クロマトグラムの保持時間と、クロマトグラムのピーク高さとを取得する。ここで、保持時間は、HPLC測定開始からピークの頂点までの時間(リテンションタイム)である。そして、参照データとして、成分の種類毎に保持時間と測定回数とを対応付けたデータと、成分の種類毎にピーク高さと測定回数とを対応付けたデータとを記憶する
ステップS14では、成分分析装置20は、参照データの取得を終了するか否かを判定する。ここでは、予め決められた異なる複数の成分濃度の標準溶液を用いたHPLC測定が、すべて終了しているか否かを判定する。そして、成分分析装置20は、すべてのHPLC測定が終了していないと判定した場合にはステップS11に戻り、成分濃度の異なる標準溶液を用いたHPLC測定を行う。一方、成分分析装置20は、すべてのHPLC測定が終了していると判定した場合には、参照データの取得を終了すると判定してステップS15に移行する。
このように、所定の成分濃度を有する標準溶液を用いたHPLC測定を、未使用のHPLCカラムがある程度劣化するまで繰り返し行うことを、成分濃度が異なる複数の標準溶液を用いて行い、参照データを取得する。このとき取得される参照データは、成分の種類毎に保持時間と測定回数との相関を表す第1の参照データと、成分の種類毎、かつ、成分の濃度毎に、ピーク高さと測定回数との相関を表す第2の参照データと、を含む。
ステップS15では、成分分析装置20は、参照データをもとに参照テーブルを作成する。参照テーブルは、測定回数と検出データとの相関を示すテーブルであり、HPLCカラムの劣化に対する補正テーブルである。参照テーブルは、所定の種類かつ所定の濃度の成分の所定の測定回数での検出データを基準として正規化(規格化)された参照データである。参照テーブルは、例えば、参照データを所定の成分の初回測定時の検出データを1として正規化(規格化)することで作成することができる。
以下、参照データおよび参照テーブルについて詳細に説明する。
HPLCカラムの劣化は、培養液中の不純物によるHPLCカラムの汚染や、肥料成分の一部のHPLCカラムへの吸着量の増加によって進む。具体的には、HPLCカラムの劣化度は、HPLCカラムが当該HPLCカラムと相互作用する物質に暴露される量(積算被ばく量(累積曝露量))に相関がある。
1回の測定でHPLCカラムと相互作用する物質の量(各物質の総量)をm、1回の測定でのHPLCカラムと上記物質との接触時間をtとするとき、1回の測定でのHPLCカラムの被ばく量(曝露量)は、m×tとなる。
したがって、n回の測定での積算被ばく量は、以下のように表される。
積算被ばく量=m×t+m×t+・・・+m×t ………(1)
そして、HPLCカラムの劣化度rは積算被ばく量に比例する(正の相関がある)ので、劣化度rは以下のように表すことができる。
r∝(m×t+m×t+・・・+m×t) ………(2)
ただし、同条件のHPLCカラムで複数回測定する場合、各測定における物質の接触時間は等しいため、
=t=・・・=tn-1=t ………(3)
となる。
また、例えば、施設園芸や植物工場の場合、培養液に含まれる成分(肥料成分)は既知であり、また全肥料成分の変動率も小さい。よって、実質的に、各測定における物質量は等しいと考えることができる。
=m=・・・=mn-1=m ………(4)
つまり、施設園芸や植物工場の場合、
=t=・・・=tn-1=t=t
=m=・・・=mn-1=m=m
とすると、HPLCカラムの劣化度rは、
r∝(m×t)×n ………(5)
と表すことができる。つまり、HPLCカラムの劣化度rは、測定回数nで近似できるといえる。
図7(a)は、測定成分がマグネシウム(Mg)である場合の、測定回数が1回、100回、300回での電気パルスのピーク高さを示す表である。この図7(a)に示すピーク高さの値は、Mg濃度を10ppm、100ppm、1000ppmとしてそれぞれピーク値を300回測定し、Mg濃度が10ppmであるときの初回測定時のピーク値を1として正規化した相対ピーク値(相対的ピーク高さ)である。
また、図7(b)は、積算被ばく量を示す表である。この図7(b)に示す積算被ばく量の値は、濃度×測定回数により算出される値である。
図8は、図7(a)の相対的ピーク高さと図7(b)の積算被ばく量との関係を示すグラフである。この図8からも明らかなように、積算被ばく量と相対的ピーク高さとの間には相関関係があることが分かる。
図9は、水耕栽培における培養液中の主成分であるナトリウム(Na)、アンモニウム(NH)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)を含む標準溶液を用いたHPLC測定の結果(電気パルスデータ)を示す図である。この図9に示すように、測定回数が増加するにつれ、各成分に相当する電気パルスのピーク高さ(強度)は低くなることがわかる。また、測定回数が増加するにつれ、各成分の保持時間が長くなる(電気パルスのピークが得られるまでに時間がかかる)こともわかる。
つまり、HPLC測定において、HPLCカラムの劣化は、保持時間およびピーク高さ(強度)に影響を及ぼす。
そこで、本実施形態では、HPLCカラムの劣化度を示す測定回数と、検出データ(保持時間、ピーク高さ)との相関を示す参照テーブルを取得し、この参照テーブルを参照して、測定試料の成分分析を行う。
図10は、ナトリウム(Na)、アンモニウム(NH)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)を含む標準溶液を用いたHPLC測定により取得される参照データの一例である。
このような参照データを取得する場合には、上述した図6のステップS13では、上記の既知の成分が含まれる標準溶液を用いて、HPLCカラムの劣化が生じるまで繰り返しHPLC測定を行い、検出データ(保持時間、ピーク高さ)を得る。
そして、図10に示すように、成分毎に、検出データを測定回数(1回、100回、300回)と対応付けて記憶する。図10の上段に示す表は、成分の種類毎に、測定回数と保持時間とを対応付けた第1の参照データであり、図10の下段に示す表は、成分の種類毎、かつ、成分の濃度毎に、測定回数とピーク高さとを対応付けた第2の参照データである。図10に示す例では、各成分の濃度は2ppm、5ppm、10ppmとしている。
図11は、図10の参照データをもとに作成された参照テーブルである。
図11の上段に示す表は、保持時間に関する第1の参照テーブルであり、図11の下段に示す表は、ピーク高さに関する第2の参照テーブルである。第1の参照テーブルは、図10の上段に示す第1の参照データを、マグネシウム(Mg)の1回目の測定のときの保持時間を1として正規化したものである。また、第2の参照テーブルは、図10の下段に示す第2の参照データを、マグネシウム(Mg)の1回目の測定で、濃度が2ppmのときのピーク高さを1として正規化したものである。
ここで、マグネシウム(Mg)を基準として参照テーブルを作成する理由について説明する。
測定試料を水耕栽培における培養液には、肥料成分の他に、阻害成分も含まれる。上記の成分のうち、アンモニウム(NH)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)は肥料成分、ナトリウム(Na)は塩害となり得る阻害成分である。
ナトリウムは、培養液を循環して使用する過程で溜まっていく成分であり、本来、無い方が好ましい。つまり、もともと培養液に含まれていない(もしくは殆ど含まれていない)。そのため、ナトリウムは正規化の基準として適当ではない。
また、アンモニアは肥料成分であるが、植物がすぐに吸収してしまう(吸収速度が速い)成分である。そのため、基準としては適当ではない。
これに対して、マグネシウムは肥料成分であり、植物が程よく吸収し、かつ、程よく電気パルス信号を出す成分である。そのため、基準として適している。
なお、ここでは、測定試料を水耕栽培における培養液とし、測定対象とする成分(標準溶液に含まれる既知の成分)を、ナトリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムとして説明したが、測定対象とする成分は上記に限定されない。測定対象とする成分は、培養液中に養分として比較的多く含有されている5大栄養素(窒素、リン、マグネシウム、カルシウム、カリウム)の少なくとも1つを含めばよい。
参照テーブルを使用して測定試料の成分の濃度定量化を行う場合には、成分分析装置20は、実際の水耕栽培時の培養液の一部を測定試料として採取する(図6のステップS16)。
そして、図6のステップS17では、成分分析装置20は、採取した測定試料に対して、標準溶液を測定したときと同じHPLC測定系を用いてHPLC測定を行う。このときHPLC測定で用いるHPLCカラム26(測定用分析機器要素)は、標準溶液のHPLC測定で用いたHPLCカラムと同等のHPLCカラムである。ここで、同等のHPLCカラムとは、成分分離能(カラムの大きさ、長さ等)が同等であることをいい、同一成分かつ同一濃度の試料を測定した場合に同様の検出データが得られるHPLCカラムのことをいう。
ステップS18では、成分分析装置20は、測定試料を用いてHPLC測定を行って得られた検出データ(保持時間、ピーク高さ)と、測定試料を用いたHPLC測定の測定回数と、を含むデータを「測定データ」として取得する。
ステップS19では、成分分析装置20は、測定データをもとに、参照テーブルを参照して、測定試料に含まれる各成分の濃度定量化を行う。
具体的には、第1の参照テーブルを参照して、測定データに含まれるHPLC測定の測定回数に対応する各成分の保持時間を導出する。そして、測定データをもとに、第1の参照テーブルから導出された保持時間と等しい保持時間を有するピークを、分析対象の成分に相当するピークとして同定する。例えば、測定回数が100回である場合、図11の第1の第1の参照テーブルを参照して、初回のマグネシウムに相当するピークの1.04倍の位置にあるピークを、マグネシウムに相当するピークとして同定する。
次に、測定データから各成分のピーク高さを読み取る。そして、第2の参照テーブルを参照して、読み取ったピーク高さに対応する濃度を取得する。例えば、同定したマグネシウムのピーク高さが、初回の測定であって、濃度が2ppmのときのマグネシウムに相当するピーク高さの1.03倍である場合、図11の第2の参照テーブルを参照して、測定試料中のマグネシウムの濃度は5ppmであると判断する。
同様の手順で他の成分についても濃度を算定する。
なお、本実施形態においては、参照データを正規化(規格化)して作成された参照テーブルを使用して測定試料の成分の濃度定量化を行う場合について説明したが、正規化(規格化)する前の参照データをそのまま使用して測定試料の成分の濃度定量化を行ってもよい。ただし、正規化(規格化)された参照テーブルを使用した方が、データ容量を削減することができるとともに、データ処理効率を向上させることができるため、好ましい。
また、本実施形態では、標準溶液を用いたHPLC測定を繰り返し行って参照データを取得し、参照テーブルを作成する場合について説明したが、予め分析センター等で作成された参照テーブル(参照データ)を予め成分分析装置20に記憶させておいてもよいし、成分分析装置20がネットワーク経由で参照テーブル(参照データ)を取得できる構成であってもよい。
図6に戻って、ステップS20では、成分分析装置20は、標準溶液を測定したときと同じ測定系でのHPLC測定を終了するか否かを判定する。そして、HPLC測定を終了すると判定した場合には、図6の処理を終了する。一方、HPLC測定を継続すると判定した場合には、ある程度培養液が循環したあと、ステップS16に戻って再び測定試料を採取し、測定試料に対するHPLC測定を行う。つまり、測定試料の成分分析を行う実測段階では、都度、標準溶液のHPLC測定を行う必要がなく、測定試料を用いたHPLC測定を繰り返し行うことができる。
以上説明したように、本実施形態における成分分析装置20は、標準溶液(標準試料)をHPLC測定して得られる成分毎の測定結果と、標準試料の測定回数との相関を表す参照データを取得し、その参照データから作成された参照テーブルを用いて、測定試料の成分分析を行う。このように、HPLCカラムの劣化度を、HPLC測定の測定回数で近似し、HPLCカラムの劣化度に応じて変化する各成分の測定結果と、HPLCカラムの劣化度を示す測定回数とを対応付けた参照データ(参照テーブル)を用いて、測定試料の成分分析を行う。
これにより、測定試料中の既知の成分について、測定系の都度のキャリブレーションを要することなく、HPLCカラムの劣化度を考慮した分析を簡易に行うことができる。また、都度のキャリブレーションの手間を省くことができるので、リアルタイムでの成分分析が可能である。
ここで、参照データは、成分の種類毎にクロマトグラムの保持時間と測定回数との相関を表す第1の参照データと、成分の種類毎、かつ、成分の濃度毎に、クロマトグラムのピーク高さと測定回数との相関を表す第2の参照データとを含む。
クロマトグラフィー測定おいて、HPLCカラムが劣化すると、移動相と固定相との親和性が変化し、クロマトグラムの保持時間やピーク高さが変動する。上記のように、保持時間と測定回数との相関を表す第1の参照データと、ピーク高さと測定回数との相関を表す第2の参照データとを用いることで、HPLCカラムの劣化を考慮した形で適切に測定試料の成分分析を行うことができる。
測定試料の成分分析を行う際には、まず、第1の参照データを参照して、測定試料の測定回数に対応する保持時間を分析対象成分の保持時間として導出し、導出された保持時間と等しい保持時間を有するピークを、分析対象成分に相当するピークとして同定する。つまり、測定試料の検出データ(測定結果)に含まれる電気パルスのピークのうち、第1の参照データにおける成分Aに相当するピーク時点と同じ時点にあるピークを、成分Aのピークとして同定する。次に、測定試料の検出データをもとに、同定した分析対象成分のピーク高さを取得する。そして、第2の参照データを参照して、測定試料の測定回数と分析対象成分とに対応する濃度毎のピーク高さと、測定試料の検出データから取得した分析対象成分のピーク高さとを比較し、分析対象成分の濃度を導出する。
このように、第1の参照データを、測定試料の測定結果として得られたピークの同定(どの成分に相当するピークであるかの確認)に用い、第2の参照データを、同定した成分の定量化に用いることで、容易かつ適切に測定試料の成分分析を行うことができる。
また、本実施形態では、測定試料は、水耕栽培における培養液とする。水耕栽培における培養液は、含有される成分が既知であり、その濃度も大きく変動しない。
一方、一般的なHPLC分析では、測定対象に未知の物質が存在する場合が多い。未知の物質の挙動は予測できないので、本実施形態において適用したような参照テーブル(補正テーブル)を準備することができない。
本実施形態にように、測定対象が植物工場などの養液栽培における培養液である場合、上述したように培養液中の肥料成分とその濃度とは確定しているので、適切な参照テーブル(補正テーブル)を準備することができる。
なお、厳密には、水耕栽培における作物(植物)の成長過程において、当該植物から排出される有機酸等が培養液内に含有されるようになる。この有機酸等は、標準溶液には含有されない物質である。
しかしながら、作物(植物)毎に排出される有機酸等は判明しており、そのデータも予め知ることが可能である。さらに、そもそも上記の有機酸等の濃度は極めて薄いので、HPLC測定への影響を無視することもできる。
また、水耕栽培においては、季節(日照条件)や気温、作物(植物)の育成段階に応じて、肥料濃度を途中で変更することも考えられる。上述した実施形態では、劣化度rを測定回数nで近似して参照データを作成する場合について説明したが、肥料濃度が途中で変更し得る場合には、上記(1)式で表される物理量m(濃度)を含めた累積曝露量(積算被ばく量)をパラメータとして参照データを作成してもよい。
ただし、水耕栽培においては、肥料成分の高精度な測定は要求されず、測定の手間を省くことの方が重要である。また、水耕栽培では、肥料濃度を途中で大幅に変更することは考えにくい。そのため、物理量m(濃度)を考慮せずに作成した参照データをそのまま使用しても測定精度には殆ど影響はない。
以上のように、本実施形態では、従来のような都度のHPLC測定系のキャリブレーションを行うことなく、参照テーブル(補正テーブル)を用いて測定試料の成分分析を行うので、水耕栽培現場におけるリアルタイムでの成分分析を簡易に行うことができる。
(変形例)
上記実施形態においては、試料の成分分析の手法として、液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いる場合について説明したが、試料によっては、例えばガスクロマトグラフィーを用いることもできる。さらに、成分分析の手法は、クロマトグラフィーに限定されるものではない。つまり、成分と相互作用する分析機器要素は、カラムに限定されない。測定回数が増加するにつれて劣化し、測定結果が変化し得る分析機器要素(例えば、電極を有するものなど)であれば適用可能である。
また、上記実施形態においては、測定試料が水耕栽培における培養液である場合について説明したが、測定試料は細胞培養液であってもよい。また、既知の成分の測定に限定すれば、培養液以外の水質測定にも適用できる。
10…養液栽培機構(水耕栽培機構)、11…植物、12…栽培槽、13…培養液、14…培養液タンク、15…循環流路、16…送液ポンプ、17…排液流路、18…液体試料採取流路、20…成分分析装置、21…フィルタ、22…試料注入用ポンプ、23…切換バルブ、24…溶離液槽、24a…溶離液、26…HPLCカラム、27…検出部、28…廃液流路、29…廃液槽、29a…廃液、30…データ処理部、40…制御部

Claims (8)

  1. 成分の種類と濃度とが既知である標準試料を前記成分と相互作用する分析機器要素を用いて測定された成分毎の測定結果と、前記分析機器要素を用いた前記標準試料の測定回数との相関を表す参照データを取得する参照データ取得部と、
    測定試料を前記分析機器要素と同等の測定用分析機器要素を用いて測定した測定結果と、前記測定用分析機器要素を用いた前記測定試料の測定回数とを含む測定データを取得する測定データ取得部と、
    前記測定データに含まれる前記測定回数に対応する前記参照データを用いて、前記測定データに含まれる前記測定結果をもとに、前記測定試料中の成分を分析するデータ処理部と、を備え
    前記測定試料は、水耕栽培における培養液であり、
    前記測定結果は、クロマトグラフィー測定の結果であることを特徴とする成分分析装置。
  2. 前記参照データ取得部は、
    前記成分の種類毎にクロマトグラムの保持時間と前記測定回数との相関を表す第1の参照データと、
    前記成分の種類毎、かつ、前記成分の濃度毎に、前記クロマトグラムのピーク高さと前記測定回数との相関を表す第2の参照データと、を取得することを特徴とする請求項に記載の成分分析装置。
  3. 前記データ処理部は、
    前記第1の参照データを参照して、前記測定データに含まれる前記測定回数に対応する保持時間を分析対象成分の保持時間として導出する保持時間導出部と、
    前記測定データをもとに、前記保持時間導出部により導出された保持時間と等しい保持時間を有するピークを、前記分析対象成分に相当するピークとして同定し、当該ピークのピーク高さを取得するピーク高さ取得部と、
    前記第2の参照データを参照して、前記測定データに含まれる前記測定回数と前記分析対象成分とに対応する濃度毎のピーク高さと、前記ピーク高さ取得部により取得されたピーク高さとを比較し、前記分析対象成分の濃度を導出する濃度導出部と、を備えることを特徴とする請求項に記載の成分分析装置。
  4. 前記参照データ取得部は、
    所定の種類かつ所定の濃度の成分の測定結果を基準として正規化された前記参照データを取得することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の成分分析装置。
  5. 前記標準試料は、窒素、リン、マグネシウム、カルシウムおよびカリウムの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の成分分析装置。
  6. 前記参照データ取得部は、
    所定の濃度のマグネシウムの測定結果を基準として正規化された前記参照データを取得することを特徴とする請求項に記載の成分分析装置。
  7. 成分の種類と濃度とが既知である標準試料を前記成分と相互作用する分析機器要素を用いて測定された成分毎の測定結果と、前記分析機器要素を用いた前記標準試料の測定回数との相関を表す参照データを取得するステップと、
    測定試料を前記分析機器要素と同等の測定用分析機器要素を用いて測定した測定結果と、前記測定用分析機器要素を用いた前記測定試料の測定回数とを含む測定データを取得するステップと、
    前記測定データに含まれる前記測定回数に対応する前記参照データを用いて、前記測定データに含まれる前記測定結果をもとに、前記測定試料中の成分を分析するステップと、を含み、
    前記測定試料は、水耕栽培における培養液であり、
    前記測定結果は、クロマトグラフィー測定の結果であることを特徴とする成分分析方法。
  8. 前記参照データを取得するステップの後、
    前記測定データを取得するステップと前記成分を分析するステップとを繰り返し行うことを特徴とする請求項に記載の成分分析方法。
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