JP4511330B2 - 高架道路の雨水遮蔽板 - Google Patents
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Description
そして、上下線の高架橋梁の上を車両が通過したり風が強いと、その振動によりそれぞれの車線に浮き沈みが発生する。この浮き沈みにより、中央分離帯部分の境目では、上下線の道路の間に段差が生じてしまう。
また、このような高架道路では、中央分離帯部分の隙間から雨水が浸入して、コンクリートや内部鉄骨の腐食を引き起こすと共に、高架道路の下に雨漏りが生じるという問題がある。
この雨漏りを防止するために、高架道路の下側に隙間に沿って、樋等の排水路を設けて、雨を受け止めることも可能である。
しかしながら、樋の取付け作業では、道路の裏側への取付けになるため、足場の組み立て作業等により、手間を要するという問題があった。
特に、高架道路の直下には電車やモノレールが通過する場合もあり、そのような足場の組立てスペース、樋の配設スペースを確保することが困難な状況もある。
そこで、このような中央分離帯部分の隙間を閉塞する技術として特開平8−27723号記載の技術が知られている。
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、道路同士の隙間部分に雨水遮蔽板を取付けて雨水の浸入を防止し、さらに、高架道路の撓みにより道路間に段差が生じる場合であっても、その段差に接触しないようにして確実に雨水の浸入を阻止する高架道路の雨水遮蔽板を提供することにある。
請求項1記載の高架道路の雨水遮蔽板においては、道路同士の隙間部分に、雨水の浸入を阻止する遮蔽板を取付けるので、隙間部分からの雨水の浸入を阻止し、構造物内部の腐食、劣化を防止する。
そして、遮蔽板の屋根板を、ある程度の高さを確保して取付けたので、道路が振動により下方に撓んだ場合でも、隣接道路の段差に接触しない。
また、弾性部材が段差に対応して伸縮するので、確実に隙間を閉塞することができる。
また、ゴム板を湾曲させることによって、形成されるU字部の開口を下向きとしたことにより、雨水がU字部に溜まらずに排水される。
このような道路は、中央分離帯によって、上下線が仕切られ、この中央分離帯は、コンクリート材が台形に隆起し、そのコンクリート材の上面に支柱14が突設され、その支柱14にガードレール15が架け渡されている。
前記台形のコンクリート材は、図1、2に示すように、道路を仕切る分離壁8を構成し、路面から50〜60cmの高さを有している。
この分離壁8は車線の側部を隆起させたものであり、斜めに隆起して、上面は水平に形成され、その水平部分が連続して、いずれか一方側にガードレールの支柱14が突設されている。
これらの分離壁8の端面は垂直にカットされ、その垂直の端面同士がすり合わされ、分離壁同士が対面してその間に溝(隙間7)が形成され、溝(隙間7)を境に当接している。そして、隣接する分離壁同士の頂点は水平にカットされている。
道路に振動のない状態では、分離壁8同士の頂点は水平に維持されるが、振動が起こると、この水平部分に段差が生じることになる。
第1実施例に係る雨水遮蔽板1は、図1〜図3に示すように、道路へ固定する固定部2と、その固定部2から上方に延びた側板3と、その側板3の上端から水平に折りまがった屋根板4と、その屋根板4から斜め下方に折りまがった傾斜板5と、その傾斜板5の裏側に取付けられたゴム板6を有し、この雨水遮蔽板1を一つのユニットとして、このユニットを横に連続設置して、隙間7からの雨水浸水を防止するものである。
遮蔽板1の厚さは1〜2cm程度であり、大きさは適用する道路の形状等によって設定されるが、一例として、長さ4m程度とされ、この4mの遮蔽板が横に連続して隙間7を閉塞する構成となっている。
また、素材はFRPに限らず、他の合成樹脂、金属等によることも可能である。
側板3の高さは固定部2から10〜20cm程度であり、この高さによって、隣接道路との間に段差が生じても、屋根板4と分離壁8の頂点が衝突しない空間が確保されている。
前記ゴム板6は、遮蔽板1と同一長さを有する一連の板状材であり、このゴム板を長さ方向にU字状に折り曲げて、傾斜板5と分離壁8の間に挟み込んだ状態とされている。
傾斜板5の中央帯には、ビス13の挿通孔が所定間隔で形成され、その孔にビス13を通し、傾斜板5の裏側のゴム板6を貫通して、ビスの先端にナットを締着して、ゴム板6の一端を固定する。
ゴム板6は取付け部から傾斜板5の裏面に沿って斜め上に伸びながら徐々に下向きに湾曲し、その先方面が分離壁8の傾斜面に当接している。
このように、ゴム板6はU字状に湾曲しながら、その反発力によって、分離壁8の傾斜面に当接している。従って、道路の浮き沈みにより、段差が生じてもU字部分が伸縮して、傾斜板5と分離壁8の空間を確実に閉塞する。
また、本実施例では、上述したゴム板6を採用したので、道路の浮き沈みに柔軟に対応して確実に隙間を閉塞し、水の浸入により、雨水遮蔽板本体の劣化等も生じない。
例えば、前記実施例では、並行走行する上下線道路について説明したが、上下線に限らず、隣接走行する道路であれば適用可能である。
また、前記実施例で説明した、ゴム板6に代わる他の閉塞構造を採用する場合であっても本発明に含まれる。
2 固定部
3 側板
4 屋根板
5 傾斜板
6 ゴム板
7 隙間
8 分離壁
9 取付け孔
10 アンカーボルト
11 ナット
12 隙間
13 ビス
14 支柱
15 ガードレール
Claims (4)
- 隣接走行する道路同士の間に隙間が形成され、路上を走行する車両等の振動により、隣接走行する道路が独立して撓む構成の高架道路において、
前記道路同士の隙間部分に、雨水の浸入を阻止する遮蔽板を取付け、
その遮蔽板を、道路が振動により下方に撓んだ場合に、隣接道路の淵との間に生じる段差に接触しない空間を確保して取付けたことを特徴とする高架道路の雨水遮蔽板。 - 道路同士の隙間に沿って一方側の道路へ取付ける取付部と、その取付部から上方に伸びる支持部と、その支持部の上端から水平に折れ曲がって隙間の上方を覆う屋根板とを備えたことを特徴とする請求項1記載の高架道路の雨水遮蔽板。
- 屋根板から、隣接車線側へ斜めに傾斜板を延ばし、傾斜板と反対車線側との間に生じる隙間に弾性部材を配置し、その弾性部材によって、段差に応じて上下する隙間を閉塞したことを特徴とする請求項2記載の高架道路の雨水遮蔽板。
- 傾斜板の裏側にU字状にゴム板を湾曲させて取付け、U字部の開口を下向きとしたことを特徴とする請求項3記載の高架道路の雨水遮蔽板。
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