JP4510843B2 - 生コンプラントにおける微量混和材料の添加方法 - Google Patents
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Description
従来、生コンプラントにおいて微量混和材料をコンクリート中に均一に分散させるには、ミキサによってコンクリートを練り混ぜる際に所定量の微量混和材料を添加し、十分に攪拌する方法が用いられている。しかしながらこの方法では、粉体状の微量混和材料を用いると、微量混和材料を添加する際に粉体化した微量混和材料が飛散し、ミキサ等の内面に付着したり、集塵機に捕捉されたりして、所定量の微量混和材料を確実に添加することは困難である。さらに、練り上げたコンクリートを排出しても、微量混和材料を含有するコンクリートがミキサの内面に付着・残留しており、同一ミキサを用いて次に異種のコンクリートを混練する際には、所定のコンクリート材料以外にも、これらの残留物が混入し、次に製造されるコンクリートの物性等に悪影響を及ぼすことがある。
このような悪影響を避けるためには、次に異種のコンクリートを混練する際、まずミキサを、例えば捨てバッチを入れたりして洗浄することで残留物を除去する必要があるが、生産性の大幅な低下が避けられない。
すなわち、本発明は
1.生コンプラントにおいて、コンクリートを積込みホッパーに移送し、該積込みホッパー下部に設けられた開口部を開放することで、コンクリートをアジテータ車へ流下させて積込む際に、流下しているコンクリートに対して、該積込みホッパーの上部又は下部に設けられた微量混和材料添加装置の配管より、液状又はスラリー状の微量混和材料の添加を開始し、かつ、コンクリートの全量がアジテータ車のドラム内へ流下し終るまでに、該微量混和材料の予定量の添加を完了する微量混和材料の添加方法、
2.以下の(1)〜(4)の構成部分を有する微量混和材料添加装置、
(1)液状又はスラリー状の微量混和材料を貯蔵する貯蔵槽
(2)下部に電磁弁を有する、微量混和材料の計量容器
(3)該貯蔵槽に貯蔵されている微量混和材料を該計量容器に移送する配管
(4)該計量容器内の微量混和材料を積込みホッパーの上部又は下部に移送し、流下しているコンクリートに添加する配管
を提供する。
本発明の添加方法で添加される微量混和材料は特に限定されず、収縮低減剤、流動化剤、消泡剤、防凍・耐寒剤、発泡剤、硬化促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、着色材、有機系混和材などの混和材料を挙げることができる。なかでも、収縮低減剤、着色材など、異種の後バッチに対して大きな影響を及ぼす微量混和材料について本発明の添加方法が特に好適に適用することができる。
前記収縮低減剤はアルキレンオキシド重合物を主成分とし、コンクリートの乾燥収縮を低減するものである。
前記流動化剤はナフタレン系、メラミン系、ポリカルボン酸系及びポリスチレン系のものが知られ、単位水量や単位セメント量を増すことなくコンクリートの流動性を増大させ、施工性を改善するものである。
前記消泡剤はシリコーン系、鉱物油系又は有機極性化合物系を主成分とし、エントラップドエアや水中不分離性混和剤によって連行される多量の空気を消すものである。
前記防凍・耐寒剤は亜硝酸塩などの窒素含有有機塩によりセメントの水和を促進し、減水作用を有する成分との組合せによって凝結性状や初期強度を改善し、初期凍害を防止し、厳冬期におけるコンクリートの施工を可能とするものである。
前記発泡剤はフレーク状の金属アルミニウム粉末に特殊な加工が施されたものであり、化学反応により発生したガスを利用し、コンクリート中に気泡を導入して多孔質にするか、または硬化前の収縮を補償するためのものであり、メラミンスルホン酸系化合物や特殊変性アルコール溶液と併用する場合もある。
前記硬化促進剤はチオシアン酸塩、亜硝酸塩、蟻酸カルシウムまたはトリエタノールアミンを主成分とし、コンクリートの凝結、硬化を促進し、早強強度を増大させるものである。
前記凝結遅延剤は有機系のオキシカルボン酸塩、リグニスルフォン酸塩、または無機系のケイフッ化物を主成分とし、セメントの水和反応を遅らせ、凝結に要する時間を長くするものである。
前記防錆剤は、亜硝酸カルシウムやアミノアルコールを主成分とし、コンクリート中の鋼材が腐食するのを抑制するものである。
前記着色材は0.1〜1μmの微粒子状の金属酸化物であり、コンクリートを着色するものである。
前記有機系混和材は水性ポリマーディスパージョン、再乳化形粉末樹脂、または液状ポリマーを主成分とし、コンクリート中のセメント水和物と一体化した結合組織を形成し、コンクリートの緻密性を高め、引張強度、付着強度、水密性等の諸物性を改善するものである。
なお、液状又はスラリー状の微量混和材料が水を含む場合、ミキサによるコンクリート練り混ぜ時には、液状又はスラリー状の微量混和材料に含まれる水分量を差し引いた量の水を配合する。
(1)液状又はスラリー状の微量混和材料を貯蔵する貯蔵槽
(2)下部に電磁弁を有する、微量混和材料の計量容器
(3)該貯蔵槽に貯蔵されている微量混和材料を該計量容器に移送する配管
(4)該計量容器内の微量混和材料を積込みホッパーの上部又は下部に移送し、流下しているコンクリートに添加する配管
また、微量混和材料を添加する配管は、微量混和材料の分散性を向上する観点及び所定量の微量混和材料を確実に添加する観点から、ホッパー上部に設けられる場合には、ホッパーの中央に微量混和材料が添加されるように設けられると好ましく、ホッパー下部に設けられる場合には、微量混和材料が流下しているコンクリートの流れに沿って添加され、コンクリートと混ざり合いながらアジテータ車のドラム内に流下するように設けられると好ましい。微量混和材料を添加する配管は、コンクリートと混合する機会が多いことから、ホッパーの上部に設けられると好ましい。
まず、セメント、骨材、水等を含むコンクリート原料を所定の割合の配合で、一軸式又は二軸式の強制練りパグミル型ミキサ、強制練りパン型ミキサ又は可傾式ミキサなどを用いて混練してコンクリートを調製する。当該コンクリートをミキサから、運搬用のアジテータ車に積込む際に一時貯蔵するために、下部に排出用のゲートを有する積込みホッパーに移送し、ここでアジテータ車に積込むコンクリートの体積を確認する。
液状の微量混和材料を用いる場合、原液のまま、又は微量混和材料1質量部に対して100質量部程度以下の水と混合して希釈液として用いる。通常、液状の微量混和材料の流下時間は短いため、コンクリートの全量が流下し終わるまでに、液状の微量混和材料の予定量を添加できる。一方、着色材料などの粉体状の微量混和材料を用いる場合には、粉体と水の質量比を1:0.5〜1:1.25としてスラリー状とする。なお、スラリー状の微量混和材料の流下時間が長く、コンクリートの全量が流下し終わるまでに、スラリー状の微量混和材料の予定量を添加できない場合には、該スラリー中にポリカルボン酸、ナフタレンスルフォン酸などのような分散剤を少量使用することで、流下時間を調整することもできる。
さらに、ホッパーから排出されたコンクリートを受けたアジテータ車のドラムを、短時間、好ましくは10〜60秒間程度、より好ましくは15〜25秒間高速攪拌させることで、微量混和材料の均一性をより向上させることができる。高速攪拌を行う時間を15秒以上とすることで、微量混和材料を十分に分散させることができ、25秒以下とすることで騒音、振動、排気ガスなどによる作業環境への影響を最小限に抑えることができる。
本発明で前記コンクリートに用いるセメントは、特に限定されず、いずれのセメントも使用することができる。例えば、普通、中庸熱、低熱、早強、超早強、耐硫酸塩など各種ポルトランドセメント、高炉セメントやフライアッシュセメントおよびシリカセメントなどの混合セメント、アルミナセメントやジェットセメントなどの超速硬セメント、アーウィン系セメントなどが挙げられる。
(使用原材料)
セメント: 早強ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
細骨材1: 千葉県富津産山砂
細骨材2: 高知県鳥形山産石灰石砕砂
粗骨材: 高知県鳥形山産石灰石砕石
水: 工業用水
収縮低減剤: テスタF(住友大阪セメント株式会社製)
顔料: EC−101(酸化鉄)(戸田工業株式会社製)
混和剤: ポゾリス78S(株式会社エヌエムビー製)
表1に示す分量の各原料を二軸式の強制練りパグミル型ミキサに投入し、混練してコンクリートを調製し、このコンクリートを積込みホッパーに移送した。コンクリートに用いたセメント100質量部に対して、液状の収縮低減剤1質量部を計量し、この収縮低減剤を原液のまま使用した。積込みホッパー下部のゲートを開き、コンクリートの流下を開始し、その1秒後に液状の収縮低減剤を、積込みホッパー上部の配管より添加を開始し、コンクリートの流下が完了する1.5秒前に、この収縮低減剤の添加を完了して、アジテータ車の最大積載量である4.5m3のコンクリートを積み込み、その後アジテータ車のドラムを20秒間高速攪拌することで、収縮低減剤の添加を行った。
得られたコンクリートから100×100×400mmの角柱供試体を3個作製した。角柱供試体は材齢1日で脱型し、20℃で養生し、JIS A 1129−3(2001)「モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法」に準じた乾燥収縮ひずみ試験を実施した。これらの試験結果の上限値、平均値及び下限値を表2に示す。
コンクリートが流下している間に収縮低減剤を添加せずに、アジテータ車にコンクリートを積み込んだ後、アジテータ車の上部受け口より収縮低減剤を添加し、高速攪拌を10秒間行った以外は実施例1と同様にしてコンクリートを製造し、得られたコンクリートから角柱供試体を作製し、乾燥収縮ひずみ試験を実施した。これらの試験結果の上限値、平均値及び下限値を表2に示す。
高速攪拌を10秒行う代わりに、60秒間行った以外は比較例1と同様にして、コンクリートを製造し、得られたコンクリートから角柱供試体を作製し、乾燥収縮ひずみ試験を実施した。これらの試験結果の上限値、平均値及び下限値を表2に示す。
表1に示す分量の各原料を二軸式の強制練りパグミル型ミキサに投入し、混練してコンクリートを調製し、このコンクリートを積込みホッパーに移送した。コンクリートに用いたセメント100質量部に対して、顔料(酸化鉄)2質量部を計量し、この顔料と水を1:0.6の質量比で混合してスラリー状とした。積込みホッパー下部のゲートを開き、コンクリートの流下を開始し、その1秒後にスラリー状の顔料を、積込みホッパー上部の配管より添加を開始し、コンクリートの流下が完了する1.5秒前に、このスラリーの添加を完了し、アジテータ車の最大積載量である4.5m3のコンクリートを積み込み、その後アジテータ車のドラムを20秒間高速攪拌することで、微量混和材料の添加を行った。
得られたコンクリートからφ150mm×300mmの円柱供試体を3個作製した。円柱供試体は材齢1日で脱型し、20℃で封緘養生し、材齢7日で上面より7.5cm、下面より7.5cm及び高さ方向の中央で水平に割裂し、破断面の色むらを目視で確認し、下記の基準で評価した。この評価結果を表3に示す。
<色むらの評価基準>
◎:均一で色むら無し。
○:ほぼ均一で色むらは少ない。
△:やや色むらがある。
×:不均一で色むらが目立つ。
コンクリートが流下している間に顔料を添加せずに、アジテータ車にコンクリートを積み込んだ後、アジテータ車の上部受け口よりスラリー状の顔料を添加し、高速攪拌を10秒間行った以外は実施例2と同様にしてコンクリートを製造し、得られたコンクリートから円柱供試体を作製し、破断面の色むらを目視で確認した。この評価結果を表3に示す。
高速攪拌を10秒行う代わりに、60秒間行った以外は比較例3と同様にして、コンクリートを製造し、得られたコンクリートから円柱供試体を作製し、破断面の色むらを目視で確認した。この評価結果を表3に示す。
一方、本発明のコンクリート製造方法を用いず、10秒間高速攪拌した比較例3では、色むらが目立ち、また60秒間高速攪拌した比較例4も、破断面によって色むらがあり、実施例2に劣った。
Claims (2)
- 生コンプラントにおいて、コンクリートを積込みホッパーに移送し、該積込みホッパー下部に設けられた開口部を開放することで、コンクリートをアジテータ車へ流下させて積込む際に、流下しているコンクリートに対して、該積込みホッパーの上部又は下部に設けられた微量混和材料添加装置の配管より、液状又はスラリー状の微量混和材料の添加を開始し、かつ、コンクリートの全量がアジテータ車のドラム内へ流下し終るまでに、該微量混和材料の予定量の添加を完了する微量混和材料の添加方法。
- 以下の(1)〜(4)の構成部分を有する微量混和材料添加装置。
(1)液状又はスラリー状の微量混和材料を貯蔵する貯蔵槽
(2)下部に電磁弁を有する、微量混和材料の計量容器
(3)該貯蔵槽に貯蔵されている微量混和材料を該計量容器に移送する配管
(4)該計量容器内の微量混和材料を積込みホッパーの上部又は下部に移送し、流下しているコンクリートに添加する配管
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JP2007094124A JP4510843B2 (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 生コンプラントにおける微量混和材料の添加方法 |
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JPS59159307A (ja) * | 1983-03-03 | 1984-09-08 | 清水建設株式会社 | 流動化コンクリ−トの製造方法 |
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