JP4510526B2 - 赤外線体温計 - Google Patents

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Description

本発明は体温計先端部を人体に接触させて、または非接触で人体の表面温度を測る体温計に関し、特に、耳式体温計と称される、プローブ先端部を耳穴に挿入して鼓膜の温度を測る非接触式の赤外線体温計に関するものである。
サーモパイルをセンサーとして用いる赤外線体温計としては、大別して、非加熱型と加熱型に分けられる。いずれの型においても、急激な周囲温度変化やあぶられ(高温の測定対象物に長時間向けられている場合)によって出力が大きく変動したり、異常な出力特性を示したりする虞がある。
このため、非加熱型の赤外線体温計では、急激な周囲温度変化やあぶられに対する対策として、次のような対策が採られている。
(1)急激な温度変化やあぶられの影響を直接的に受けないように、センサーを金属フレームで覆う。
(2)急激な温度変化やあぶられの影響を緩和するために、センサーと測定対象との距離を保ち、可能な限り細い金属管をセンサーの前に取り付ける。
(3)センサーのリード線をできるだけ細くまたは薄くすることによってリード線の熱伝導がセンサーに影響を与えないようにする。
詳述すると、サーモパイルの赤外線吸収体(赤外線吸収膜と温接点が一体となった部分)は測定対象からの赤外線を吸収して温度が上昇するが、サーモパイルのキャン頭部からも赤外線吸収体に対して赤外線が放射されている。通常の使用法では、キャンの壁面はサーモパイル自身と同一の温度とみなすことができるが、外部から急激な温度変化が加えられると、キャンの頭部とセンサ部との間に温度差が生じ、サーモパイル出力は過渡的に不安定になり、不要な電圧を出力してしまう。このような外部からの急激な温度変化に対する対策として、サーモパイルに温度変化が均一で緩やかに加わるように、サーモパイルを熱伝導度が良い金属ホルダー内(センサーフレーム)に設置し、さらに断熱材として空気・プラスチック(プローブ)で囲むように構成されている。また、放射率が限りなく小さくなるように金メッキされた金属管をサーモパイル前面に設け、測定対象(人体)よりの熱輻射の影響を小さくしている。
冷接点(導波管)温度補償用のセンサとして半導体センサやサーミスタが用いられるが、生産コストが安く、精度が良いという理由によりサーミスタが用いられる事が圧倒的に多い。サーモパイル冷接点部とサーミスタの熱結合が悪いと、冷接点部とサーミスタの間に温度差が生じ、正確な計測ができなくなる。このため、サーミスタとサーモパイルを同一キャン内に取り付けることにより、サーモパイル冷接点部とサーミスタの熱結合度を高めている。サーミスタとサーモパイルの小型化により両者をより一層近接して配置できることは有効な方法ではある。しかしながら、同一規格のサーミスタでもB常数(抵抗温度特性で任意の2点の温度から求めた抵抗値変化の大きさを表す定数)にばらつきがあるため、広い環境温度範囲では精度を保つのは困難であり、体温計測用としてはまだ十分でない。また、このような対策を施した非加熱型の赤外線体温計は、センサーをプローブ先端に取り付けることができず、その構造が複雑になるため、コスト高となる。
一方、加熱型の赤外線体温計では、急激な周囲温度変化やあぶられに対する対策として、次のような対策が採られている。
(1)温度変化に対する安定度を増すために、センサーパッケージ全体を加熱する。
(2)センサーのパッケージに熱伝導性の良い材料を用いる。
(3)加熱ヒーターの熱がパッケージ全体に均一に行き渡ることができる構造にする。
このような対策を施された加熱型の赤外線体温計の測定精度は高い。しかしながら、パッケージ全体を加熱するために大きな電力を必要とし、加熱時間がかかるため、測定に要する時間が長くなるという問題がある。また、体温計として使用する場合、加熱電力が大きいことに伴って、異常動作時に人体に対する安全性に配慮しなければならず、製品化を行う上での障害となっている。
http://www.healthcare.omron.co.jp/medical/pdf/thermometer_2001_01.pdf
本発明は、急激な周囲温度の変化やセンサー前面からのあぶられに対してあぶられの影響を打ち消して正確に温度計測を行うことができると共に、扱い易く、より廉価に製造できる赤外線体温計を提供するものである。
本発明による赤外線体温計は、サーモパイルとこのサーモパイルの冷接点の温度を測定するためのサーミスタとから構成されるセンサーと、センサー背面を加熱するためのヒータと、センサーのサーモパイルからのアナログ出力信号をデジタル信号に変換するためのサーモパイル出力測定AD変換回路と、センサーのサーミスタ温度を測定するとともに、このサーミスタ温度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換するためのサーミスタ温度測定AD変換回路と、ヒータによる加熱を制御するための加熱制御回路と、前記の各回路の作動を制御するとともに、サーミスタ温度測定AD変換回路からのデジタル信号に基づいて測定対象温度を表示および/または出力するためのマイクロコントローラ(MCU)とから構成される。
マイクロコントローラは、ヒータによりセンサーを加熱してサーモパイル出力がゼロになる点を検出し、そのときのサーミスタ温度を測定することにより測定対象の温度を側定するか、或いはまた、ヒータによりセンサーを加熱してサーミスタ温度変化が安定になる点を検出し、そのときのサーミスタ温度とサーモパイル出力とを測定することにより測定対象の温度を側定する。
サーミスタ温度測定AD変換回路は、マイクロコントローラにより制御されるアナログスイッチと、CR時定数回路と、前記CR時定数回路のコンデンサの充放電を制御するためのスイッチングトランジスタとにより構成される。アナログスイッチの共通接点はCR時定数回路のコンデンサに接続される。アナログスイッチの各接点はCR時定数回路のための抵抗をそれぞれ構成するセンサーのサーミスタと、このサーミスタの抵抗値よりも小さな抵抗値を有する第1基準抵抗と、サーミスタの抵抗値よりも大きな抵抗値を有する第2基準抵抗とにそれぞれ接続される。マイクロコントローラはアナログスイッチを各接点に順次に接続させる一方、各接続時にスイッチングトランジスタをオンオフしてコンデンサの放電時間を計時し、この計時した各計測値に基づいてサーミスタの抵抗値を算出することにより測定対象温度を側定する。
サーモパイル出力測定AD変換回路は、マイクロコントローラにより制御されるアナログスイッチと、CR時定数回路と、一方の入力端子をアナログスイッチの共通接点に接続されるとともに他方の入力端子をCR時定数回路に接続されたコンパレータと、前記CR時定数回路のコンデンサの充放電を制御するためのスイッチングトランジスタとにより構成される。アナログスイッチの各接点にはセンサーのサーモパイル出力とサーモパイル出力0時の電圧とサーモパイル出力最大時の電圧とがそれぞれ加えられる。マイクロコントローラはアナログスイッチを各接点に順次に接続させる一方、各接続時にスイッチングトランジスタをオンオフしてコンデンサの充電時間を計時し、該計時した各計測値に基づいてサーモパイル出力値を算出することにより測定対象温度を側定する。
上述の如く構成される本発明の赤外線体温計は、基本的に、連続測定方式と短時間測定方式の2種類の測定方式で使用される。
1.連続測定方式
この測定方式は、センサーを外耳道に長時間挿入し、鼓膜温度を連続的に計測する。マイクロコントローラはサーモパイル回路のAD変換回路を動作させて赤外線センサー出力を連続的に計測する。この測定される赤外線センサー出力をもとに加熱制御回路のタイマー出力のデューティ比を可変し、サーモパイル出力が常にゼロになるように制御する。一方、サーミスタ回路のAD変換回路を動作させて赤外線センサー内のサーミスタ温度を計測する。サーモパイル出力がゼロの状態になったとき、センサーと測定対象の間の温度差が無くなってサーミスタ温度が安定状態に達することにより、測定対象温度として読み取ることができる。測定したサーミスタ温度は表示器に表示されるかまたは外部出力データとして出力される。
2.短時間測定方式
この測定方式は、赤外線体温計の電源をONした後、測定ボタンによる計測により測定した値を保持するタイプのもの、または、体温計の電源ON後、自動的に測定した温度を保持するタイプものに適用される。電源をON時、マイクロコントローラはサーミスタ回路のAD変換回路を動作させて赤外線センサー自身の温度計測を開始する。サーミスタ温度が想定される測定対象温度より極端に低い場合はただちにセンサーの予備加熱を開始し、たとえば測定対象温度とセンサー内温度の差が10℃以内になるようにセンサーを加熱する。
マイクロコントローラの作用について説明する。測定開始時、マイクロコントローラはサーミスタ温度とサーモパイル出力を計測してセンサーの加熱状態を把握する。センサーの加熱が激しいと判断した場合、マイクロコントローラは加熱制御回路のタイマー出力のデューティ比を可変し加熱制御を行い、サーミスタ温度とサーモパイル出力から測定対象温度を求める。
サーミスタ温度をAD変換してMCUにデジタル数値として取り込む方法として古くから用いられて方法は、サーミスタをCR発振回路の一部として発振させ、その発振周波数をマイクロコントローラに読み込方式であった。この方式は簡単な回路で変換データの有効ビット数を長くとれるメリットを有してはいるが計数に時間がかかる欠点を有している。このため、本発明におけるサーミスタ温度測定AD変換回路は、短時間の計測で高精度の変換を可能にするもので、CR時定数回路のコンデンサを放電しながらその電圧がマイクロコントローラポートのスレッショルドレベルに達するまでの時間を計り、その時間をもってサーミスタ温度のAD変換の値としている。マイクロコントローラポートのスレッショルドレベルはMCUの電源電圧に依存する。
一方、本発明におけるサーモパイル出力測定AD変換回路は、CR時定数回路のコンデンサを充電しながらその電圧が被測定電圧に達するまでの時間を計り、その時間をサーモパイル出力のAD変換の値としている。
サーミスタの計測温度範囲対策
本発明の赤外線体温計は、測定対象温度に近づくセンサー前面からのあぶられに対して背面から加熱することにより対応している。プローブ前面に取り付けられたセンサーは前面からのあぶられによりサーミスタ温度が測定対象温度に近づく。このとき、センサーを背面から加熱することにより、サーミスタ温度は更に測定対象温度に近づくことになる。その結果、サーミスタの温度計測範囲は狭い範囲に限られ、サーミスタによる測定誤差要因を減らすことができる。
環境温度対策と環境温度変化対策
環境温度の影響による示度変化を少なくし、かつ、環境温度変化による誤差の少ない高精度な体温測定赤外線体温計を実現するために、本発明の赤外線体温計は、前面からのあぶられに対してセンサーを背面から加熱することにより、センサー温度が測定対象温度に近づき、環境温度の影響や環境温度変化の影響を激減することができる。
センサー前面からのあぶられ対策
サーモパイル出力とサーミスタ出力を監視し、サーモパイルが前面より受けているあぶられ(赤外線と熱伝導による加熱)を計測する。サーモパイルセンサーの背面に取り付けられた加熱素子に電流を流して加熱する。加熱の目安は測定対象とサーミスタ温度の差(相対温度)が10℃以内となるようにするのが好ましい。サーミスターの温度変化を一定値内(サーモパイルが大きな誤差を生じない範囲)に保ち(安定状態)、安定状態におけるサーミスタ温度とサーモパイル出力から測定対象の温度(体温)を求める。これにより、前面からのあぶられに対してセンサーを背面から加熱することにより、前面からの影響を背面から打ち消すことになり、あぶられに対する影響を大幅に減らすことが可能となる。サーミスタ温度を安定状態に保つ代わりに、サーモパイル出力がゼロになるまで加熱し、そのときのサーミスター温度から測定対象温度を求めることもできる。
本発明の実施例による赤外線体温計は、図1〜4に示すように、サーモパイルTH1とサーモパイルTH1の冷接点の温度を測定するためのサーミスタR1とから構成されるセンサー10と、センサー10の背面を加熱するためのヒータ20と、センサーのサーモパイルTH1からのアナログ出力信号をデジタル信号に変換するためのサーモパイル出力測定AD変換回路30と、センサーのサーミスタ温度(実際には、サーミスタR1の抵抗値)を測定するとともにサーミスタ温度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換するためのサーミスタ温度測定AD変換回路40と、センサーのヒータ20による加熱を制御するための加熱制御回路50と、前記の各回路の作動を制御するとともにサーミスタ温度測定AD変換回路40からのデジタル信号に基づいて測定対象温度を表示および/または出力するためのマイクロコントローラ60とから構成される。符号70で示すものは測定対象温度を表示および/または記録するための表示器または外部接続機器である。
サーモパイル出力測定AD変換回路30は、図2に示すように、マイクロコントローラ60により制御されるアナログスイッチ31と、抵抗R2とコンデンサC1により構成されるCR時定数回路と、一方の入力端子をアナログスイッチ31の共通接点PtmにオペアンプOP1を介して接続されるとともに、他方の入力端子をCR時定数回路に接続されたコンパレータCMP1と、CR時定数回路のコンデンサC1の充放電を制御するためのスイッチングトランジスタQ1とから構成される。アナログスイッチ31の3つの接点P1およびP2には、定電圧ダイオードDrefにより現出された基準電圧Vrefを抵抗R3、R4、R5によって分割することにより得られるセンサーのサーモパイル出力0時の電圧V1とサーモパイル出力最大時の電圧V2とがそれぞれ加えられ、接点P3にはサーモパイルTH1が接続されてサーモパイル出力電圧V3が加えられる。
サーミスタ温度測定AD変換回路40は、図3に示すように、マイクロコントローラ60により制御されるアナログスイッチ41と、サーミスタR1或いは抵抗R7またはR8とコンデンサC2とから構成されるCR時定数回路と、CR時定数回路のコンデンサC2の充放電を制御するためのスイッチングトランジスタQ2とから構成される。アナログスイッチ41の共通接点PthはCR時定数回路のコンデンサC2に接続される。アナログスイッチの3つの接点P4、P5、P6はそれぞれセンサーのサーミスタR1と、サーミスタR1の抵抗値よりも小さな抵抗値を有する第1基準抵抗R7と、サーミスタの抵抗値よりも大きな抵抗値を有する第2基準抵抗R8とに接続される。コンデンサC2は点線で示すような位置に接続することもできる。
ヒータ20は、図4に示すように、センサー10の背面に設置されたダイオードD1により構成される。加熱制御回路50は、ヒータとなるダイオードD1への通電をオンオフするためのスイッチングトランジスタQ3により構成される。スイッチングトランジスタQ3はマイクロコントローラ60から送出されるパルスにより制御される。
次に、マイクロコントローラ60が行う各回路の制御関係について説明する。
サーミスタ温度校正サイクル
図5はサーミスタ温度測定AD変換回路40の動作を説明するための図である。アナログスイッチ41を接点P4(第1基準抵抗R7)に接続する一方、スイッチングトランジスタQ2をONにしてコンデンサC2を放電する。コンデンサC2の放電によって点Aにおける電圧VAは上昇し、マイクロコントローラ60のポートの高レベル入力電圧以上となり、最終的にほぼ電源電圧Vccまで上昇する。コンデンサC2の放電完了時に、スイッチングトランジスタQ2をOFFにすると同時に、マイクロコントローラ60内のタイマーをスタートさせる。第1基準抵抗R7によりコンデンサC2が充電されるとともにVAは下降し、マイクロコントローラ60のポートの高レベル入力電圧以下となる。マイクロコントローラ入力ポートのスレッショルドレベルに達したとき、マイクロコントローラ60のタイマーを自動的に停止させる。マイクロコントローラ60のタイマー停止によりマイクロコントローラ60に割り込みをかけ、タイマーの計数値を読み取り、その値を計数値1とする。
同様に、アナログスイッチをP5の位置にし、スイッチングトランジスタQ2をONにして第2基準抵抗R8によりコンデンサC2を放電する。スイッチングトランジスタQ2をOFFにすると同時にマイクロコントローラ60内のタイマーをスタートさせる。コンデンサC2が充電されるとともにA点の電圧VAは下降し、マイクロコントローラ60のポートのスレッショルドレベルに達してマイクロコントローラ60のタイマーを自動的に停止させる。マイクロコントローラ60のタイマー停止によりマイクロコントローラ60に割り込みをかけてタイマーの計数値を読み取り、その値を計数値2とする。
サーミスタ温度測定サイクル
次に、アナログスイッチをP6の位置にする。スイッチングトランジスタQ2をONにしてコンデンサC2を放電する。スイッチングトランジスタQ2をOFFにすると同時にマイクロコントローラ60内のタイマーをスタートさせる。コンデンサC2が充電されるとともにA点の電圧は下降し、マイクロコントローラ60のポートのスレッショルドレベルに達してマイクロコントローラ60のタイマーを自動的に停止させる。マイクロコントローラ60のタイマー停止によりマイクロコントローラ60に割り込みをかけ、タイマーの計数値を読み取る。その値を計数値3とする。これにより、第1および第2基準抵抗R7およびR8の抵抗値並びにコンデンサC2の容量は既知であるから、計数値1、計数値2、計数値3の値からセンサー10内のサーミスタR1の抵抗値を求めることができる。ここにおいて、サーミスタの抵抗値はサーミスタ温度を意味することに留意されたい。
サーミスタ温度測定時に校正サイクルを含めることにより測定回路電圧Vccの変動、コンデンサC2の温度変化による変動、マイクロコントローラ60のポートの温度によるスレッショルドレベル変動の誤差要因を取り除くことができ、また、校正サイクルを含め3サイクルのタイマーカウントで精度の高いサーミスタ温度測定が可能である。
サーモパイル出力校正サイクル
図6はサーモパイル出力測定AD変換回路の動作を説明するための図である。アナログスイッチ31を接点P1に接続すると、接点P1の電圧はオペアンプOP1により増幅され、コンパレータCMP1の比較対象電圧/被測定電圧(VC)となる。スイッチングトランジスタQ1をONにしてコンデンサC1を放電すると、コンパレータCMP1の他方の入力電圧VBは0Vとなる。コンデンサC1の放電完了時に、スイッチングトランジスタQ1をOFFにすると同時に、マイクロコントローラ60内のタイマーをスタートさせる。コンデンサC1が充電されるとともに電圧VBは上昇してコンパレータCMP1のもう一方の入力電圧レベルVCに達し、コンパレータ出力を反転させる。マイクロコントローラのポート入力の反転によりマイクロコントローラのタイマーを自動的に停止させる。マイクロコントローラのタイマー停止によりマイクロコントローラに割り込みをかけ、タイマーの計数値を読み取って、その値を計数値4とする。
同様に、アナログスイッチ31を接点P2の位置にし、スイッチングトランジスタQ1をONにしてコンデンサC1を放電する。スイッチングトランジスタQ1をOFFにすると同時にマイクロコントローラ内のタイマーをスタートさせる。コンデンサC1が充電されるとともに電圧VBは上昇し、コンパレータCMP1のもう一方の入力電圧レベルVCに達してコンパレータ出力を反転させる。マイクロコントローラ60のポート入力の反転によりマイクロコントローラのタイマーを自動的に停止させる。マイクロコントローラのタイマー停止によりマイクロコントローラに割り込みをかけ、タイマーの計数値を読み取る。その値を計数値5とする。
サーミスタ出力測定サイクル
アナログスイッチ31を接点P3の位置にし、スイッチングトランジスタQ1をONにしてコンデンサC1を放電する。スイッチングトランジスタQ1をOFFにすると同時にマイクロコントローラ内のタイマーをスタートさせる。コンデンサC1が充電されるとともに電圧VBは上昇してコンパレータCMP1のもう一方の入力電圧レベルVCに達し、コンパレータ出力を反転させる。マイクロコントローラ60のポート入力の反転によりマイクロコントローラのタイマーを自動的に停止させる。マイクロコントローラ60のタイマー停止によりマイクロコントローラに割り込みをかけてタイマーの計数値を読み取り、その値を計数値6とする。このとき、接点P2とP3に加えられる電圧V1とV2の値は、基準電圧Vrefを基準抵抗R3、R4、R5によって分圧された正確で安定なものあるから、計数値1、計数値2、計数値3の値からオペアンプOP1の出力を求めることができ、オペアンプOP1の出力からセンサー10のサーモパイル出力を求めることができる。センサーのサーモパイル出力はマイクロコントローラ内部で温度に換算する。
サーモパイル出力測定時に校正サイクルを含めることにより、コンデンサC1の温度変化による変動、コンパレータCMP1の温度によるオフセット電圧変動、コンパレータCMP1のオフセット誤差、オペアンプOP1の温度によるオフセット電圧変動、オペアンプOP1のオフセット誤差、オペアンプ増幅回路のゲイン(N)誤差などの誤差要因を取り除くことができる。このため、校正サイクルを含む3サイクルのタイマーカウントで精度の高いサーモパイル出力測定が可能である。
加熱回路20にはマイクロコントローラ60のタイマー出力が積分回路(抵抗R9、コンデンサC3)を介してスイッチングトランジスタQ3のベースに接続されている。スイッチングトランジスタQ3のエミッタに抵抗R10を介してセンサー加熱用のダイオードD1が接続されており、スイッチングトランジスタQ3のベース電圧が上昇すると加熱電流が増えるエミッタホロワ回路となっている。マイクロコントローラ60のタイマー出力のデューテイ比を可変することによりダイオードD1に流れる電流を精密に制御できる。ダイオードD1の加熱制御は積分回路を通さなくても可能であるが、不用意なノイズをセンサー回路に混入するのをさけるためにタイマー出力を積分するのが好ましい。
本発明で提案した構成は、赤外線体温計だけでなく、非接触式の種々の温度計に適用することができる。その場合、抵抗値や容量等の種々の値については測定対象に応じた値に変更して使用することは容易に理解されよう。また、サーモパイル出力測定AD変換回路30およびサーミスタ温度測定AD変換回路40における基準抵抗の数は、上述の説明では測定予定値の上下の値をそれぞれ1つずつ用いたが、基準抵抗の数を増加することによってより正確な測定値を算出するように構成できことも容易に理解されよう。
本発明の実施例による赤外線体温計のブロック図である。 本発明の赤外線体温計におけるサーモパイル出力測定AD変換回路の概要を示す図である。 本発明の赤外線体温計におけるサーミスタ温度測定AD変換回路の概要を示す図である。 本発明の赤外線体温計における加熱回路の概要を示す図である。 サーミスタ温度測定AD変換回路の動作を説明するための図である。 サーモパイル出力測定AD変換回路の動作を説明するための図である。
符号の説明
10 センサー 20 ヒータ
30 サーモパイル出力測定AD変換回路
40 サーミスタ温度測定AD変換回路
50 加熱制御回路 60 マイクロコントローラ
70 表示器または外部接続機器
TH1 サーモパイル R1 サーミスタ

Claims (1)

  1. サーモパイルと該サーモパイルの冷接点の温度を測定するためのサーミスタとから構成されるセンサーと、前記センサー背面を加熱するためのヒータと、前記センサーのサーモパイルからのアナログ出力信号をデジタル信号に変換するためのサーモパイル出力測定AD変換回路と、前記センサーのサーミスタ温度を測定するとともに当該サーミスタ温度を示すアナログ信号をデジタル信号に変換するためのサーミスタ温度測定AD変換回路と、前記ヒータによる加熱を制御するための加熱制御回路と、前記各回路の作動を制御するとともにサーミスタ温度測定AD変換回路からのデジタル信号に基づいて測定対象温度を表示および/または出力するためのマイクロコントローラとから構成され、
    前記サーミスタ温度測定AD変換回路はマイクロコントローラにより制御されるアナログスイッチと、CR時定数回路と、前記CR時定数回路のコンデンサの充放電を制御するためのスイッチングトランジスタとから構成され、前記アナログスイッチの共通接点はCR時定数回路のコンデンサに接続され、前記アナログスイッチの各接点はCR時定数回路のための抵抗をそれぞれ構成するセンサーのサーミスタと該サーミスタの抵抗値よりも小さな抵抗値を有する第1基準抵抗とサーミスタの抵抗値よりも大きな抵抗値を有する第2基準抵抗とにそれぞれ接続され、
    前記サーモパイル出力測定AD変換回路はマイクロコントローラにより制御されるアナログスイッチと、CR時定数回路と、一方の入力端子をアナログスイッチの共通接点に接続されるとともに他方の入力端子をCR時定数回路に接続されたコンパレータと、前記CR時定数回路のコンデンサの充放電を制御するためのスイッチングトランジスタとから構成され、前記アナログスイッチの各接点にはセンサーのサーモパイル出力とサーモパイル出力0時の電圧とサーモパイル出力最大時の電圧とがそれぞれ加えられ、
    前記マイクロコントローラは、前記サーミスタ温度測定AD変換回路のアナログスイッチを各接点に順次に接続させる一方、各接続時にスイッチングトランジスタをオンオフしてコンデンサの放電時間を計時し、該計時した各計測値に基づいてサーミスタの抵抗値を算出し、前記サーモパイル出力測定AD変換回路のアナログスイッチを各接点に順次に接続させる一方、各接続時にスイッチングトランジスタをオンオフしてコンデンサの充電時間を計時し、該計時した各計測値に基づいてサーモパイル出力値を算出することにより測定対象温度を側定し
    前記マイクロコントローラは、サーモパイル出力測定AD変換回路を動作させて赤外線センサー出力を連続的に計測し、この測定される赤外線センサー出力をもとに加熱制御回路のタイマー出力のデューティ比を可変することによりサーモパイル出力が常にゼロになるように制御する一方、サーミスタ温度測定AD変換回路を動作させて赤外線センサー内のサーミスタ温度を計測し、サーモパイル出力がゼロの状態になったときのサーミスタ温度を読み取る連続測定方式と、電源ON時にサーミスタ温度測定AD変換回路を動作させて赤外線センサー自身の温度計測を開始し、サーミスタ温度が想定される測定対象温度より極端に低い場合はただちにセンサーの温度が所定の温度となるように予備加熱し、サーミスタ温度の変動がなくなったとき、サーモパイル出力測定AD変換回路のCR時定数回路のコンデンサを充電し、その電圧が被測定電圧に達するまでの時間を計測して温度を測定する短時間測定方式とを必要に応じて切り替える、
    赤外線体温計。
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