JPH09126896A - サーモパイルの温度補償方法 - Google Patents

サーモパイルの温度補償方法

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JPH09126896A
JPH09126896A JP30366095A JP30366095A JPH09126896A JP H09126896 A JPH09126896 A JP H09126896A JP 30366095 A JP30366095 A JP 30366095A JP 30366095 A JP30366095 A JP 30366095A JP H09126896 A JPH09126896 A JP H09126896A
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JP
Japan
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temperature
thermopile
measured
thermister
radiant energy
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JP30366095A
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English (en)
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Takeharu Nagamatsu
丈青 永松
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Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な回路構成により精度よく出力温度を補
償することのできるサーモパイルの温度補償方法を提供
する。 【解決手段】 測定対象からの放射エネルギーを検出し
て温度測定するサーモパイルを用いた放射温度計におい
て、サーモパイルの冷接点近傍に形成したサーミスタに
定電圧を印加して抵抗発熱させ、サーミスタの発熱エネ
ルギーからサーモパイルが受けるエネルギーE(To)
を、周囲温度の変化によるサーモパイルの受光エネルギ
ーεL(To)の変化と等しくなるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーモパイルをセ
ンサーとする放射温度計の温度補償方法に関するもので
ある。
【0002】サーモパイルは熱電対を多数直列に接続し
た測温素子で、温接点に相当する測定対象物からの放射
エネルギーを受光する感温部と冷接点との温度差により
発生する熱起電力を検出して温度測定するものであり、
正確な温度測定を行うためには冷接点を一定温度に保持
するか、冷接点の正確な温度を測定して補正することが
必要である。一般的には、冷接点の温度を室温などの周
囲温度を測定して補正しているが、冷接点の温度が周囲
温度と平衡状態に達するには長時間を要し、また周囲温
度が変動するため充分な測定精度を得ることが難しい。
【0003】
【従来の技術】そのため、特開昭58−140619号
公報には測定対象からの放射エネルギーが集光されるサ
ーモパイルと、このサーモパイルの周辺温度を検出する
感温センサと、上記サーモパイルからの冷接点補償され
ていない放射エネルギーL(T)に対応する信号のみを
放射率補正する放射率補正回路と、この放射率補正回路
からの信号L(T)/εと上記感温センサからの室温反
射源からの放射エネルギーL(Ta)に対応する信号とを
加算してL(T)/ε+L(Ta)に対応する信号を出力
する加算回路とを具備することを特徴とするサーモパイ
ルの冷接点補償回路が提案されている。これは、冷接点
補償される前の放射エネルギーは冷接点補償された放射
エネルギーから室温反射源からの放射エネルギーを引い
た値と等しいことを利用するもので冷接点補償と室温補
償とを行うことができるが、感温センサならびに放射率
補正回路、温度変換器での加算回路などが必要となり、
装置が複雑化する難点がある。
【0004】また、特開平3−120430号公報には
測定対象が発する熱放射エネルギーの吸収に伴って変化
する温接点の温度と冷接点の基準温度との温度差によっ
て発生するサーモパイルの熱起電力を検出することによ
って前記測定対象の温度を測定する放射温度計におい
て、温度によって変化する電気抵抗の温度特性が既知の
サーモパイルと、前記サーモパイルに定電流を供給する
定電流源と、前記定電流によって前記サーモパイルに生
じる電圧を測定する電圧測定手段とを具備し、前記定電
流源の電流値と前記電圧測定手段の電圧値より得られる
前記サーモパイルの電気抵抗から前記基準温度を求める
ことを特徴とする放射温度計が提案されている。この放
射温度計によれば感温素子が不要となるが、センサーと
なるサーモパイルの抵抗値とその温度特性から得られた
温度をそのまま基準温度とするので温接点の温度上昇に
よる抵抗変化が無視できない場合には測定誤差を生じる
欠点がある。
【0005】更に、サーモパイルに外部から電流を通
じ、その電流によるペルチェ効果によって感熱部を冷却
若しくは発熱せしめるよう構成すると共に、そのサーモ
パイルに通じる電流をサーモパイルの外周雰囲気温度に
よって制御するようにしたことを特徴とするサーモパイ
ルの温度補償方法(特開昭58−52529 号公報)が提案さ
れている。この方法によれば演算器などが不要となる
が、サーモパイルの温度を一定に保持するために通電す
る電流を制御する付加回路などが必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した先
行技術における問題点を解消して、センサーの温度出力
および付加回路や演算回路などの複雑な回路構成を必要
とすることなく、簡易な構成により精度よく出力温度を
補償することができるサーモパイルの温度補償方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるサーモパイルの温度補償方法は、測定
対象からの放射エネルギーを検出して温度測定するサー
モパイルを用いた放射温度計において、サーモパイルの
冷接点近傍に形成したサーミスタに定電圧を印加して抵
抗発熱させ、サーミスタの発熱エネルギーからサーモパ
イルが受けるエネルギーE(To)を、周囲温度の変化に
よるサーモパイルの受光エネルギーεL(To)の変化と
等しくなるように制御することを構成上の特徴とする。
【0008】サーモパイルは熱電対を多数直列に接続し
た素子であり、温接点に相当する測定対象物からの放射
エネルギーを吸収するセンサーと、冷接点に相当する基
準温度を測定するセンサーとの温度差に基づく熱起電力
を検出して温度測定するものであり、一般的に冷接点は
サーモパイルの周囲温度を測定することにより求められ
ている。したがって、周囲温度が変化すれば熱起電力も
変化するので、正確な温度を測定することができない。
【0009】
【発明の実施の形態】すなわち、放射温度計により被測
定物の温度測定を行う場合、図2に示すようにサーモパ
イルをセンサーとする放射温度計1は測定対象物7から
の放射エネルギーを受光して、その温度を測定するもの
であるが測定対象物7を取り囲む壁8などが放射するエ
ネルギーすなわち周囲温度からの放射エネルギーも同時
に受光するので、周囲温度が変動すると熱起電力も変化
し測定温度に誤差を生じることとなる。例えば測定対象
物7の温度が一定の場合、冷接点である周囲温度が下が
れば熱起電力は大きくなり、逆に周囲温度が上がれば熱
起電力は小さくなる。
【0010】図2において、測定対象物7の温度をTb
、放射率をεとし、サーモパイルの温度をTo 、放射
率を1とし、また周囲温度はサーモパイルの温度To と
等しいものとした場合、センサーが受光する放射エネル
ギーPは下記 (1)式で表すことができる。但しL(T)
は温度T[k] における黒体の放射エネルギーである。 P=εL(Tb)+(1−ε)L(To)−L(To) ∴ P=εL(Tb)−εL(To) … (1)
【0011】ここで、サーモパイルの冷接点近傍にサー
ミスタを形成し、サーミスタの抵抗温度特性が負相関す
なわち温度が上がると抵抗値が小さくなるサーミスタを
用いて定電圧を印加すると、サーミスタは温度が上がる
と抵抗値が小さくなるので発熱量が増加し、この発熱エ
ネルギーを受光したサーモパイルは熱起電力が増大する
方向に機能することになる。逆に温度が下がると抵抗値
が大きくなり発熱量が減少してサーモパイルの熱起電力
を減少させる方向に機能する。このように、サーミスタ
の発熱量を増減させるとサーモパイルの温接点と冷接点
との温度差に基づく熱起電力を相殺する方向に作用する
ので、周囲温度の変化すなわち冷接点の温度変化があっ
てもサーモパイルの熱起電力が変化しないように調整す
ることが可能となる。
【0012】サーモパイルの冷接点近傍に形成したサー
ミスタに定電圧Vs を印加した場合に、サーミスタの抵
抗発熱によるサーモパイルが受けるエネルギーP′は下
記(2) 式で表すことができる。但し、E(To)はサーミ
スタの発熱によりサーモパイルが受けるエネルギーであ
る。 P′=P+E(To)=εL(Tb)−εL(To)+E(To) … (2)
【0013】サーミスタの抵抗発熱による単位時間当た
りの発熱量Wはサーミスタの抵抗値をR(To)とする
と、下記(3) 式で示すことができ、R(To)は減少関数
であるので、Wは増加関数となる。 W=Vs2/R(To) … (3) また、このサーミスタの発熱によりサーモパイルが受け
るエネルギーEは、下記(4) 式で表され、同様に増加関
数となる。 E=E(W)=E(To) … (4)
【0014】ここで、E(To)=εL(To)となるよう
に制御すると、E=P′であるから(2) 式および(4) 式
から下記(5) 式を導くことができる。 E=E(To)=εL(Tb) … (5) したがって、(5) 式を温度変換した、下記(6) 式により
測定対象物の温度Tbを求めることができる。 Tb =L-1(E/ε) …(6)
【0015】このように、E(To)=εL(To)となる
ようにサーミスタの発熱量を制御することにより、周囲
温度の変化による熱起電力の変化を相殺することが可能
であり、センサー温度出力や温度補償回路などを用いず
に正確な温度を測定することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の1実施例を図1に示した回路
図に基づいて説明する。図1において、1は放射温度計
で、サーミスタ3を内蔵したサーモパイル2から構成さ
れており、サーミスタ3には定電圧供給装置4により定
電圧Vs が印加され、サーミスタ3の通電発熱量は可変
抵抗R1 により調整される。測定対象物からの放射エネ
ルギー5を受光したサーモパイル2の出力電圧はプリア
ンプ6により増幅され、サーモパイルの起電力Vを出力
する。
【0017】図1の回路図により測定対象物として一定
温度に保持した黒体炉を用い、その放射エネルギーを検
出して温度を測定した。可変抵抗R1 の抵抗は1 kΩ
で、定電圧Vs として5vの電圧を印加し、放射温度計
の周囲温度を0〜50℃の間で変化させて黒体炉の温度
を測定した結果、黒体炉温度が300℃の場合温度ドリ
フトは4.8℃であり、500℃では温度ドリフトは
6.1℃であった。このように、周囲温度が変化しても
温度ドリフトが小さく、精度よく温度測定できることが
判る。
【0018】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のサーモパイルの
温度補償方法によれば周囲温度を測定する感温センサー
や温度補償のための変換回路、演算回路などを用いずに
簡易な回路構成により周囲温度の変化による冷接点の補
償をすることができる。したがって、単純な回路構成に
より高精度で放射温度を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度補償方法の1実施例を例示した回
路図である。
【図2】放射温度計と測定対象物との関係説明図であ
る。
【符号の説明】
1 放射温度計 2 サーモパイル 3 サーミスタ 4 定電圧供給装置 5 放射エネルギー 6 プリアンプ 7 測定対象物 8 壁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象からの放射エネルギーを検出し
    て温度測定するサーモパイルを用いた放射温度計におい
    て、サーモパイルの冷接点近傍に形成したサーミスタに
    定電圧を印加して抵抗発熱させ、サーミスタの発熱エネ
    ルギーからサーモパイルが受けるエネルギーE(To)
    を、周囲温度の変化によるサーモパイルの受光エネルギ
    ーεL (To)の変化と等しくなるように制御することを
    特徴とするサーモパイルの温度補償方法。
JP30366095A 1995-10-27 1995-10-27 サーモパイルの温度補償方法 Pending JPH09126896A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016532086A (ja) * 2013-09-26 2016-10-13 ローズマウント インコーポレイテッド 赤外線センサ
CN109781274A (zh) * 2019-01-04 2019-05-21 浙江大学山东工业技术研究院 一种基于红外测温传感器的温度补偿方法
CN111693154A (zh) * 2020-06-19 2020-09-22 深圳蓝韵健康科技有限公司 一种红外测温传感器温度补偿方法及其装置

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CN111693154B (zh) * 2020-06-19 2021-10-08 深圳蓝韵健康科技有限公司 一种红外测温传感器温度补偿方法及其装置

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