JP4510417B2 - 重合体成型装置用スクリュー及びこれを用いた重合体成型装置 - Google Patents

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Description

本発明は、効率的な重合体の可塑化を実現することを可能とする重合体成型装置用スクリュー及びこれを搭載した重合体成型装置に関する。
光・レーザー技術の発展に伴い、従来、ガラス等の透明材料が使われていた光学レンズ、プリズム、導光体等の光学部材に、透明重合体材料が用いられるようになった。重合体製の光学部材は、ガラスに比べて軽量であり、かつ、ガラスでは困難であった非曲面あるいは複雑化した微細形状の光学部材を、簡便に大量生産できる利点がある。
現状、これら重合体製の光学部材を使用した光学機器は、以前と比べ格段に軽量化・小型化されてきた。
例えば、高性能カメラに搭載される望遠レンズ用光学レンズは、従来は曲面ガラスを複数枚重ねて使用していたため、望遠レンズが大型化、重量化し、取り扱いにくかった。しかし、非曲面重合体レンズを使用することによりレンズの枚数を大幅に削減することが可能になり、望遠レンズが軽量かつ小型化され、誰にでも簡単に取り扱えるようになった。
一方、最近需要が拡大している平板液晶ディスプレイにも、複雑な形状をした重合体製光学シートあるいは光学板が使用されている。これら透明重合体による光学部材がなければ、平板液晶ディスプレイの薄肉化、軽量化は不可能である。特に、最近急激に需要が拡大した画面対角が28インチ以上の大型平板液晶ディスプレイは、現状ディスプレイの主流であるCRTより、圧倒的に薄型で、かつ軽量であることが特徴であり、持ち運びが容易で、壁にかけることができ、室内の省スペース化を実現できる画期的なディスプレイである。このような大型平板液晶ディスプレイの薄型化、軽量化が実現したのも、透明重合体による光学部材が存在するからである。
このように、透明重合体の光学部材への適用例は、飛躍的に向上している。
透明重合体の光学部材は、射出成型、押出成型等、通常の重合体成型装置を用いて、加熱溶融・注型・冷却固化の工程を経て作製される。
最近の重合体製光学部材は、ますます薄型化、大型化、表面形状が微細化しており、計算された光学形状を実現するためには、成型前に重合体を、良好に可塑化する必要がある。特に、成型品の性能や外観に大きく影響する、成型体中の気泡やボイド、未溶融重合体ゲルなどの、可塑化が不十分であるために生じる不良を抑えるために、成型装置中で十分に可塑化する必要がある。
重合体を良好に可塑化するために、成型装置用のスクリューは、長尺化してきた。しかし、長尺化することで、成型装置が大型化し、設備を導入する建屋が巨大化する問題が生じてきた。
また、スクリューが長尺化することで、スクリューが重くなり、かつ、重心が中央部に来るためバランスが悪くなる。
通常、スクリューはシリンダー内に水平に配置されることが多く、軸側で片持ち支持するため、スクリューが長いと軸部への負担が大きくなる。加えて、スクリュー先端部分の回転偏芯が大きくなり、特に成型装置始動直後の最も負荷がかかる時にシリンダーに接触する機会が多くなり、スクリューあるいはシリンダーの削れによる成型品内への異物混入や装置寿命が短くなる問題が生じてきた。これは、以下の理由による。つまり、成型装置は、通常、シリンダー内に溶融重合体を充填したまま停止される。再稼働時にはシリンダーに設置されたヒーターによりシリンダー内で冷却固化した重合体を再加熱するが、熱伝導率が悪いために重合体の粘度の高い状態で始動することとなり、スクリュー先端部分の回転偏芯が大きくなる。
このような問題が生じるのは、現在使用されているスクリューのフライト間隔が一定であるためと考えられる。スクリューの一部に、傾斜角が変わったフライトを組みこむ場合があるが、このようなフライトを組み込まれた区域では、フライト間隔が一定になる。
ところで、重合体に添加剤を混入するために、スクリューを二本用いた、いわゆる二軸押出成型装置が使用される。このような二軸押出成型装置では、通常、スクリューがぶつからないようにするために、距離を離してスクリューを配置したり、同じピッチのスクリューを用いたりする(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、これでは十分な可塑化効果が得られず、添加剤を分散するために、前述同様な長いスクリューが必要となる。
実用プラスチック成形加工辞典編集委員会編集『実用プラスチック成形加工辞典』株式会社産業調査会事典出版センター出版、1997年6月30日、p176−180
本発明の課題は、スクリュー形状を工夫することで、良好な重合体可塑化効果を得ることができる重合体成型装置用スクリュー、及びそれを用いた重合体成型装置を提供することにある。
本発明の具体的な課題は、スクリューを長くしなくても長いものと同様な重合体可塑化効果を得ることができる重合体成型装置用スクリュー、及びそれを用いた重合体成型装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、スクリューの少なくとも一部分のフライトの間隔を、スクリューの先端部から軸側に向うスクリュー全長の少なくとも80%にわたって軸側のフライトの間隔よりも狭くし、フライト枚数が同じで定フライト間隔のスクリューに比べてフライト間隔を狭くした分だけスクリュー長を短くしたことを特徴とする重合体成型装置用スクリューあるいはそのスクリューを搭載した重合体成型装置が得られる
なお、前記少なくとも一部分のフライトの間隔は、軸側から先端側に進むに従って狭くなることが好ましい。
ここで用いられるフライトの間隔が狭くなるとは、スクリューのピッチが小さくなると言うことである。また、軸側とは、スクリューを保持し回転させる駆動部側のことであり、重合体の流れで考えると上流側になる。一方、先端側とは、スクリューヘッド側、つまり重合体の流れで考えると重合体が排出される下流側のことである。
フライトの間隔は、スクリュー全体において、軸側から先端側に進むにつれて狭くなることが好ましいが、スクリューの全長にわたってそうなっている必要はなく、少なくとも一部分がそうなっていれば、効果は発現する。
軸側から先端側に進むにつれて狭くなるフライト間隔を持つ部分は、スクリュー全体の20%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%であり、100%の時が一番効果がある。
フライト間隔は、特に規定はないが、先端部と軸部の差が大きければ大きいほど効果的である。
本発明によれば、本発明のスクリューを搭載した重合体成型装置を用いることで、重合体の可塑化効率が高くなり、通常の重合体成型装置と比べ、装置を小型化できるだけでなく、重合体の混練効果も高くすることができる。
加えて、少なくとも一部分のフライトの間隔あるいは高さが軸側のフライトの間隔あるいは高さよりも小さくなっていることにより、この部分で重合体は圧縮されることとなり、重合体を投入するホッパー側で重合体に空気あるいはその他のガスが混入していたとしても上記の圧縮作用により、混入していた空気あるいはその他のガスはスクリューの軸側に戻される。その結果、成型品におけるボイドの発生を抑制することができる。
更に、スクリューの重心を軸側に近くすることができるので、スクリューの回転が安定になる。
本発明者らは、重合体成型を効率化し、重合体成型装置を小型化、軽量化する検討をしている過程において、スクリュー形状が、重合体可塑化過程において重要であることを突き止め、本発明に想到した。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は請求項1に記載された本発明の第1の実施の形態にかかるスクリューを搭載した重合体射出成型装置の一例を示す。図1において、スクリュー以外の重合体射出成型装置の構成は従来のものと同じと考えて良く、その概略を説明する。本重合体射出成型装置は、型締装置10と射出装置20とに大別される。
型締装置10は、固定金型と可動金型とを備えた金型部11、可動金型を駆動して型締を行う型締機構13、成型品エジェクト機構15等を備えている。ここでは、型締機構13としてトグル式型締機構を示しているが、これに限定されないことは言うまでも無い。
一方、射出装置20は、本発明によるスクリュー21を収容したシリンダー22、スクリュー21の軸側寄りにおいてシリンダー(加熱シリンダー)22内に重合体(樹脂材料)を供給するための投入ホッパー23、重合体の可塑化、計量のためにスクリュー21を回転させるためのスクリュー回転用モーター24、計量によってシリンダーヘッド22−1側に貯留された溶融重合体をノズル22−2を通して金型部11のキャビティ内に射出(注型)するためにスクリュー21をその軸方向に駆動するための射出用モーター25等を備える。
図2は、図1に示されたスクリュー21の一例を示す。図2において、スクリュー21は、芯棒21−1の周囲にフライト21−2が設けられて成り、先端側にはスクリューヘッド21−3と溶融重合体の逆流を防止するための逆流防止リング21−4が設けられている。特に、本形態にかかるスクリュー21においては、軸側から先端側に進むに従ってフライト21−2の間隔(スクリューのピッチ)が狭くなるようにしている。つまり、先端側のフライト間隔PA と軸側のフライト間隔PB との関係が、PA <PB である。前述した通り、軸側というのは駆動部側のことであり、先端側というのはスクリューヘッド側のことである。
なお、図示されたスクリュー21は、通常使用されるステンレス鋼、炭素鋼等、あるいは通常使用される鋼材で構成されている。また、重合体の劣化を防ぐため、スクリュー21の表面、場合によってはシリンダー22の内面もアルミナや酸化クロムで覆われていることが好ましい。
さて、スクリュー以外については上記の構成を持つ射出成型装置を用い、スクリューを本発明によるものを使用した場合と従来品のものを使用した場合とに変えて成型試験を行い、成型品中の気泡、ボイドの数を調査した。
勿論、スクリューの長さが異なる場合、シリンダーも交換して、成型試験を行った。
使用した射出成型装置は、一般的に使用される型締力350tのものを用い、対角が17インチ、厚さが1mmであるシクロオレフィン製透明板を成型し、評価を行った。
本発明によるスクリュー21の全長は600mmであり、フライト間隔は、軸部のフライト間隔PB が300mmであり、先端に行くに従って等比で小さくなり、先端部のフライト間隔PA は5mmであった。
比較のために、フライト間隔が100mmと一定である、全長1000mmと600mmの従来品によるスクリュー(スクリューS1000、スクリューS600 と呼ぶ)を使用した。
使用したスクリューは、全て直接酸化アルミナ処理が施された。
成型温度は、全て380℃で行われた。
シリンダー中は、酸素、水分濃度がそれぞれ1ppb以下の高純度窒素でパージされ、完全に酸素や水分を遮断した。
成型品中の気泡、ボイドの数は、目視で確認できるもののみをカウントした。
評価の結果、スクリュー21とスクリューS1000で成型した成型品中の気泡、ボイドの数は、それぞれ0であった。一方、スクリューS600 で成型した成型品中の気泡、ボイドの数は、20個以上であった。
このような結果から、本発明によるスクリュー21によれば、全長が600mmと短いにもかかわらず、全長の長い1000mmの従来品と同等の効果を得ることができることが明らかとなった。
なお、フライト間隔は、スクリュー全体において、軸側から先端側に進むにつれて狭くなることが好ましいが、全体がそうなっている必要はなく、少なくとも一部分がそうなっていれば、効果は発現する。スクリューの一部分のみについて本発明を適用する場合には、この部分は重合体がペレット(固体)から溶融状態(液状)に相変化する中央部(可塑部)にあることが好ましい。また、軸側から先端側に進むにつれて狭くなるフライト間隔を持つ部分は、スクリュー全体の20%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%であり、勿論、100%の時が一番効果がある。フライト間隔は、特に規定はないが、先端部と軸部の差が大きければ大きいほど効果的である。更に言えば、少なくとも一部分のフライトの間隔が軸側のフライトの間隔よりも狭くなっている場合であっても効果は発現する。
いずれにしても、上記のような効果が得られるのは、フライト間隔が軸側から先端側に進むにつれて狭くなる部分がスクリューに存在することから、溶融された重合体が先端側に送られるにつれて圧縮される度合いが定間隔のフライトの場合に比べて大きくなり、溶融重合体の粘度が均一になるからであると考えられる。そして、フライト間隔が狭くなっていることから間隔を狭くした分だけスクリュー長を短くできる。換言すれば、フライトの枚数が従来品と同じであるとすれば、フライト間隔を狭くした分だけスクリュー長が短くなると言える。
上記の形態は、本発明を重合体射出成型装置に適用した場合であるが、本発明は重合体射出成型装置に限らず、後述される重合体押出成型装置のスクリューは勿論のこと、重合体ブロー成型装置のスクリューに適用した場合にも同等の効果が得られることは言うまでも無い。
図3は、請求項5に記載された本発明の第2の実施の形態にかかるスクリューを搭載した重合体押出成型装置の一例を示す。この重合体押出成型装置については、シリンダー(加熱シリンダー)、スクリュー以外の構成については従来の重合体押出成型装置と同じと考えて良い。
図3において、本重合体押出成型装置は、押出し部30を備える。押出し部30は、本発明によるスクリュー31を収容したシリンダー32、スクリュー31の軸側寄りにおいてシリンダー32内に重合体(樹脂材料)を供給するための投入ホッパー33、重合体の可塑化のためにスクリュー31を回転させるための回転用モーター34等を備え、溶融重合体をシリンダーヘッド32−1におけるノズル、ダイ35を通して、例えばフィルム状にして押し出す。押し出された重合体は、冷却用バス36で冷却され、巻き取り機37で巻き取られる。
図4は、図3に示された押出し部30を拡大して示す。後述するように、スクリュー31は、そのフライトの高さが軸側から先端側に進むに従って低くなるようにされているので、シリンダー32の内径もスクリュー31のフライトの高さに応じて軸側から先端側に進むに従って小さくなるようにされている。
図5は、図4に示されたスクリュー31の一例を示す。図5において、スクリュー31は、芯棒31−1の周囲にフライト31−2が設けられて成り、先端側にはスクリューヘッド31−3が設けられている。特に、本形態にかかるスクリュー31においては、軸側から先端側に進むに従ってフライト31−2の高さが小さくなるようにしている。つまり、先端側のフライト高さHA と軸側のフライト高さHB との関係が、HA <HB である。
なお、図示されたスクリュー31は、通常使用されるステンレス鋼、炭素鋼等、あるいは通常使用される鋼材で構成される。また、重合体の劣化を防ぐため、スクリュー31の表面、場合によってはシリンダー32の内面もアルミナや酸化クロムで覆われていることが好ましい。
さて、シリンダー、スクリュー以外については上記の構成を持つ押出成型装置を用い、スクリューを本発明によるものを使用した場合と従来品のものを使用した場合とに変えて成型試験を行い、厚さ30ミクロンのフィルムを作成した。
勿論、スクリューの形状が異なる場合、シリンダーも交換して、成型試験を行った。
使用したスクリュー31の全長は500mmであり、フライト31−2の高さは、軸部の高さHB が20mmであり、先端に行くに従って等比で小さくなり、先端部の高さHA は3mmであった。なお、芯棒31−1の直径は50mmであり、フライトの直径で言えば、軸部側が90mm、先端部側が56mmである。
比較のために、フライトの高さが10mmと一定である、全長1000mmと500mmの従来品のスクリュー(スクリューSS1000、スクリューSS500 )を使用した。なお、芯棒の直径は40mmであり、フライトの直径で言えば、軸部側、先端部側共に60mmである。
使用したスクリューは、全て直接酸化アルミナ処理が施された。
成型温度は、全て300℃で行われた。
シリンダー中は、酸素、水分濃度がそれぞれ1ppb以下の高純度窒素でパージされ、完全に酸素や水分を遮断した。
重合体は、シクロオレフィン重合体を使用した。
成型されたフィルムは、目視で粒状透明異物を観察し、その数を数えることで評価した。
本第2の形態によるスクリュー31と従来品のスクリューSS1000で成型した成型品中の透明異物の数は、それぞれ10個以下であった。一方、従来品のスクリューSS500 で成型した成型品中の透明異物の数は、50個以上であった。
このフィルムの異物を含んだ一部をシクロヘキサンに溶解したところ、溶解したため、この異物は、可塑化不足による未溶融重合体であることが判明した。
このような結果から、本発明によるスクリュー31によれば、全長が500mmと短いにもかかわらず、全長の長い1000mmの従来品と同等の効果を得ることができることが明らかとなった。
以上のように、射出成型装置とは異なり、スクリュー31が前後に移動しない押出成型装置やブロー成型装置においては、シリンダー32を先端部に向けて内径が小さくなるようテーパー化し、その角度に合わせてフライト31−2の高さを、軸部より先端部が低くなるように設定することで、より効率的な可塑化効果が得られる。
テーパー部分は、効果的な可塑化効果を得るため、スクリュー全体の20%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上であり、勿論、100%の時が一番効果的である。また、少なくとも一部分のフライトの高さが軸側のフライトの高さよりも低くなっている場合であっても効果は発現する。フライトの高さは、特に規定はないが、先端部と軸部との差が大きければ大きいほど効果的である。
本形態においても、上記のような効果が得られるのは、フライトの高さが軸側から先端側に進むにつれて低くなる部分がスクリューに存在することから、溶融された重合体が先端側に送られるにつれて圧縮される度合いが同じ高さのフライトの場合に比べて大きくなり、溶融重合体の粘度が均一になるからであると考えられる。その結果、スクリュー長を短くしてもスクリュー長の大きな従来品と同じ効果が得られる。
本第2の形態によるスクリューは、重合体押出成型装置のみならず、重合体ブロー成型装置にも適用可能である。
図6は、請求項8に記載された、本発明の第3の実施の形態にかかる重合体用二軸押出成型装置における二軸スクリューの一部を破断図にて示す。図6から明らかなように、2つのスクリュー61、62のフライト61−2、62−2が不等比ピッチで形成されている。なお、スクリュー61、62は互いにかみ合っているので、互いに対応し合う部分は、例えば図6に示すように、フライトが互いにぶつかり合わないように設計されている。言い換えれば、スクリュー61、62のフライトは、互いにぶつかり合わないように形成されていれば、形状は特に限定されない。
図示されたスクリュー61、62は、通常使用されるステンレス鋼、炭素鋼等、あるいは通常使用される鋼材で構成される。また、重合体の劣化を防ぐため、スクリュー61、62の表面はアルミナや酸化クロムで覆われていることが好ましい。
本発明による二軸スクリューを搭載した二軸押出成型装置と、従来品の二軸スクリュー、つまり等比ピッチのフライトを持つ二軸スクリューを搭載した二軸押出成型装置とを用い、重合体と添加剤の混練試験を行った。
本発明によるスクリュー61、62は、図6の断面形状を持つ、長さ1000mmのスクリューを使用した。
比較のために、通常使用される同形状の二軸スクリューで構成される、長さ1000mmのスクリュー(スクリューSW1000と呼ぶ)を使用した。
重合体はシクロオレフィン重合体を用い、添加剤として、カーボンブラックを0.0001wt%添加されるよう添加した。
使用したスクリューは、全て直接酸化アルミナ処理が施された。
成型温度は、全て300℃で行われた。
シリンダー中は、酸素、水分濃度がそれぞれ1ppb以下の高純度窒素でパージされ、完全に酸素や水分を遮断した。
成型品は、ペレット化され、そのペレットを一つずつ100個を熱プレスでシート化し、目視によりカーボンブラックの分散状態を調べた。
本第3の形態によるスクリュー61、62を用いた場合は、100個のペレットから成型されたシート中に、均一にカーボンブラックが混入し、きれいに分散していた。しかし、従来品によるスクリューSW1000を用いた場合、カーボンブラックが混入したシートと混入していないシートが存在し、カーボンブラックが存在したシートには、多量のカーボンブラックの塊が見受けられた。
この結果から、本発明による不等比ピッチのフライトを持つ二軸スクリューの有効性が明らかとなった。
上記の効果も、本形態におけるスクリューには不等比ピッチのフライト部分が存在することから、溶融された重合体の圧縮される度合いが等ピッチのフライトの場合に比べて大きくなり、溶融重合体の粘度が均一になるからであると考えられる。
なお、本発明による成型装置において使用される重合体としては、熱可塑性樹脂に限らず、例えば熱硬化性樹脂等も使用可能である。
本発明は、電動式、油圧式等の別を問わず、重合体の可塑化、混練のためのスクリューを搭載した重合体成型装置全般、例えば射出成型装置、押出成型装置、ブロー成型装置へ適用することでその効果を発揮する。
本発明の第1の実施の形態にかかるスクリューを搭載した、重合体射出成型装置の一例を示した図である。 図1に示されたスクリューの一例を示した図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるスクリューを搭載した、重合体押出成型装置の一例を示した図である。 図3に示された押出し部を拡大して示した図である。 図4に示されたスクリューの一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる二軸押出成型装置用の二軸スクリューの一部を破断して示した図である。
符号の説明
10 型締装置
11 金型部
13 型締機構
15 成型品エジェクト機構
20 射出装置
21、31、61、62 スクリュー
21−2、31−2、61−2、62−2 フライト
22、32 シリンダー
23、33 投入ホッパー
24 計量用モーター
25 射出用モーター
30 押出し部
34 回転用モーター
35 冷却バス
37 巻き取り機

Claims (5)

  1. スクリューの少なくとも一部分のフライトの間隔を、スクリューの先端部から軸側に向うスクリュー全長の少なくとも80%にわたって軸側のフライトの間隔よりも狭くし、フライト枚数が同じで定フライト間隔のスクリューに比べてフライト間隔を狭くした分だけスクリュー長を短くしたことを特徴とする重合体成型装置用スクリュー。
  2. 前記少なくとも一部分のフライトの間隔は、軸側から先端側に進むに従って狭くなることを特徴とする請求項1に記載の重合体成型装置用スクリュー。
  3. 請求項1又は2に記載されたスクリューを搭載した重合体射出成型装置。
  4. 請求項1又は2に記載されたスクリューを搭載した重合体押出成型装置。
  5. 請求項1又は2に記載されたスクリューを搭載した重合体ブロー成型装置。
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