JP4510062B2 - 家庭用薄葉紙収納容器 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。
そして、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されている家庭用薄葉紙を家庭用薄葉紙収納容器から取り出すための開口として、ミシン目を切断分離せずに家庭用薄葉紙を容器から引き出して、その容器から引き出した家庭用薄葉紙のミシン目を切断分離せしめることを可能にする取出口が形成されている容器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−217054号公報
しかしながら、上記従来技術の場合、その取出口が小さいと、その家庭用薄葉紙収納容器に新たな家庭用薄葉紙を装填した際などに、その家庭用薄葉紙の1枚目に当たる端部を小さな取出口に通し難いために、家庭用薄葉紙の詰め替え作業が煩わしいものとなることがあるという問題があった。また、家庭用薄葉紙の端部を通しやすく引き出しやすくするための大きな穴を別に設けると、容器内のウェットタイプの家庭用薄葉紙が乾燥しやすくなる問題も生じる。
一方で、取出口を大きくするだけでは、家庭用薄葉紙の1枚目の端部を通しやすくなって家庭用薄葉紙の詰め替えをし易くなるものの、容器から引き出した家庭用薄葉紙に付与される抵抗力が低下してしまうため、その引き出した家庭用薄葉紙をミシン目で切り離し難くなってしまい、家庭用薄葉紙を取り出しにくくなることがあるという問題があった。
本発明の目的は、家庭用薄葉紙の詰め替えをし易く、その取り出しが容易な家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項に記載の発明は、内側に家庭用薄葉紙を収納するとともに、収納された前記家庭用薄葉紙を外側に取り出す取出部を具備する容器本体を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、前記取出部は、前記容器本体の内部と連通するように開口し、前記家庭用薄葉紙の取り出し方向と交差する方向に長尺なスリット部と、
前記スリット部の周囲の強度を高める剛性部と、
を備え、
前記剛性部は、前記スリット部を挟んで対向する長辺部分において、前記容器本体から外部に向けて立設された一対の立設部を有し、
前記一対の立設部における、一方の立設部は他方の立設部より高く形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、家庭用薄葉紙収納容器は、スリット部と、そのスリット部の周囲の強度を高める剛性部(例えば、一対の立設部)を有する取出部を備えており、そのスリット部は、家庭用薄葉紙の取り出し方向と交差する方向に長尺な開口となっているので、詰め替え用の家庭用薄葉紙の端部を、スリット部を通じて取出部の内側から外側に向かって通しやすく、家庭用薄葉紙の詰め替え作業を容易に行うことが可能になっている。
そして、スリット部の周囲に設けられた剛性部は、引き出される家庭用薄葉紙からの作用によってスリット部の周囲が変形してしまうことを抑え、そのスリット部を通じて引き出される家庭用薄葉紙に摩擦力を付与することができるので、スリット部から引き出し中の家庭用薄葉紙と次の家庭用薄葉紙とが、その摩擦力の作用で薄葉紙の継ぎ目のミシン目に沿って切り離されることによって、家庭用薄葉紙収納容器から必要以上の家庭用薄葉紙が引き出されてしまわないようになっており、所定の長さ(サイズ)の家庭用薄葉紙を容易に取り出すことが可能になっている。
従って、この家庭用薄葉紙収納容器は、家庭用薄葉紙の詰め替えを行い易く、家庭用薄葉紙の取り出しが容易な家庭用薄葉紙収納容器として使用することができる。
以下、図を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[実施形態1]
図1は、本発明を適用した好適な実施形態1として例示する家庭用薄葉紙収納容器100を正面上方から見た斜視図であり、図2は、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100における取出部110を示す斜視図であり、図3は、図2におけるA−A断面を含む容器本体101上部の横断面図であり、図4、図5及び図6は、実施形態1における取出部110から家庭用薄葉紙Pを取り出す際の取り出し動作を示す説明図である。
本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納容器100は、図1〜図6に示すように、例えば、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納するとともに、収納された家庭用薄葉紙Pを外側に取り出す取出部110を具備する容器本体101と、この容器本体101に取出部110を開閉するように取り付けられた蓋体としての小蓋120とを備えて構成されている。
この家庭用薄葉紙収納容器100に収納するロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目P1が施されており、そのミシン目に沿って切り離したサイズの家庭用薄葉紙Pを、ユーザが使用するようになっている。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の前後方向をX軸方向として、小蓋120が容器本体101(蓋103)に支持されている側を後側とし、その反対側を手前側とする。さらに、正面視にて左右方向(幅方向)をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
容器本体101は、容器本体101の下部をなす有底円筒形状のボトル102と、容器本体101の上部をなす蓋103とから構成されている。
ボトル102の上端には開口部102aが設けられており(図4、図5参照)、このボトル102の上端部の外周面には、周方向に沿って雄ネジ部102bが設けられている(図4、図5参照)。なお、図1、図4、図5では、ボトル102の下部(底部)の図示を省略して記載している。
本実施形態におけるボトル102は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET、ABS樹脂等から形成されている。
蓋103は、天面部103aを有するとともに下端部が開放された円筒形状をなし、開放された下端部の内周面にはボトル102の雄ネジ部102bと螺合する雌ネジ部103bが設けられている。
本実施形態における蓋103は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)等、可撓性を有する樹脂から形成されている。
そして、容器本体101は、ボトル102と蓋103とが雄ネジ部102bと雌ネジ部103bを介した脱着自在な連結構造をとり、ボトル102に対して蓋103を開閉自在としているので、ボトル102から蓋103を取り外した状態で、ボトル102の内部に家庭用薄葉紙Pを収納したり、内部から家庭用薄葉紙Pを取り出したりすることができるようになっている。なお、本実施形態では、家庭用薄葉紙Pが、上下方向(Z軸方向)に沿った軸心にロール状に巻かれた状態で容器本体101に収納されるようになっている。
また、容器本体101の一部を成す蓋103の天面部103aには、容器本体101の内部に収納された家庭用薄葉紙Pを容器本体101の外側に引き出すための開口である取出部110と、その天面部103aに回動可能に取り付けられて取出部110を開閉する小蓋120とが設けられている。
なお、取出部110は、小蓋120より前後方向(X軸方向)手前側に設けられている。つまり、小蓋120は、蓋103の天面部103aにおいて、取出部110の後方に回動可能に取り付けられており、その小蓋120は、取出部110に後方から覆い被さるようになっている。
取出部110は、例えば、図1〜図3に示すように、蓋103の天面部103aのほぼ中央部に形成された凹部104内に設けられている。
この取出部110は、その周囲に形成された、円筒環状の突起部105を有している。
そして、取出部110は、容器本体101の内部と連通するように開口し、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向と交差する方向に長尺なスリット部111と、スリット部111を挟んで対向する長辺部分において、容器本体101(蓋103)から外部に向けて立設された一対の立設部112、114とを備えている。
特に、一対の立設部112、114は、取出部110の突起部105環内における後方半分側の領域に設けられており、一対の立設部112、114に挟まれたスリット部111も取出部110(突起部105)における後方にずれた位置に設けられている。
スリット部111は、左右方向に対して長尺な略円弧形状を呈する開口であって、X軸方向の後方から前方に向かって凸となる向きに形成されている。
つまり、スリット部111は、取出部110の突起部105内における中央から外側(具体的には、X軸方向後方)にずれた位置に設けられており、そのスリット部111は、取出部110(突起部105)の中央側に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
また、換言すれば、スリット部111は、容器本体101の蓋103に設けられている小蓋120から離間する方向に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
一対の立設部112、114は、突起部105側に近い配置であって小蓋120側に位置する第一立設部112と、突起部105内の中央側に位置する第二立設部114とが対をなすように形成されている。
第一立設部112は、凹部104から斜め上方に立ち上がる傾斜面部112aと、その傾斜面部112aからスリット部111側へ延出する平面部112bとを有している。そして、第一立設部112は、スリット部111側の端面(平面部112bの端面)が凸状の円弧形状をなしており、第一立設部112の平面部112bの端面側に、スリット部111に沿い容器本体101の内部に向けて延在する第一縁部113が形成されている。
第二立設部114は、凹部104から略真上に立ち上がる壁面部114aと、その壁面部114aからスリット部111側へ張り出す張出部114bとを有している。そして、第二立設部114は、スリット部111側の端面(張出部114bの端面)が凹状の円弧形状をなしており、第二立設部114の張出部114bの端面側に、スリット部111に沿い容器本体101の内部に向けて延在する第二縁部115が形成されている。
このように、第一立設部112と第二立設部114は、スリット部111を挟んで立設され、更にその端面が内側に折り返されたような形状の縁部113、115を有する立体構造をとるので、突起部105の内側における他の部分に比べて外力の作用により変形し難くなっている。
つまり、第一立設部112と第二立設部114は、スリット部111の周囲の変形を低減するように強度を高めることができるので、第一立設部112と第二立設部114を、スリット部111の周囲の強度を高める剛性部とすることができる。
また、一対の立設部112、114における、一方の第一立設部112は、他方の第二立設部114よりも高く形成されており、第一立設部112と第二立設部114の間には段差が生じている。
具体的には、小蓋120側に位置する第一立設部112の方が、突起部105内の中央側に位置する第二立設部114よりも高く形成されており、突起部105内における手前側の第二立設部114の方が、その後方の第一立設部112よりも低くなっている。
小蓋120は、例えば、蓋103の天面部103aにY軸方向に沿って配された図示しない回動軸により軸支され、その天面部103aに対して回動可能に配設されており、閉蓋状態(図4参照)と開蓋状態(図5参照)とに切り替えられるようになっている。
この小蓋120は、閉蓋状態(図4参照)と開蓋状態(図5参照)のそれぞれの配置において、それぞれ安定した状態に配されるように、例えば、可動範囲内における所定の回動角度(例えば、図3参照)よりも取出部110に接近された際には閉蓋状態となるように付勢され、また、上記所定の回動角度よりも取出部110から離間された際には開蓋状態となるように付勢されている。
なお、小蓋120は、天面部103aに回動軸によって軸支されていることに限らず、例えば、蓋103と一体に成形されたものであってもよく、その蓋103の天面部103aに対して、その天面部103aの厚さをY軸方向に沿って一部薄くなる折り目を形成することにより、Y軸方向に沿った折り目を軸線に折曲されるキャップとすることで、その折り目を軸心とするように回動可能にし、取出部110を開閉する構成としてもよい。
また、小蓋120の下面には、例えば、図4に示すように、取出部110を閉蓋状態とした際に突起部105と嵌合する嵌合部121が設けられている。
この嵌合部121は、小蓋120の下面から円筒環状に突設されており、取出部110を小蓋120で閉蓋する際に、取出部110の突起部105の外周が、その嵌合部121の内周と密接するように内挿されるようになっている。
ここで、実施形態1に係る家庭用薄葉紙収納容器100の作用について説明する。
家庭用薄葉紙収納容器100に家庭用薄葉紙Pを詰め替える場合、まず、家庭用薄葉紙Pを、ボトル102の開口部102aからその内部に収納する。
そして、1枚目の家庭用薄葉紙Pとなるロールペーパーの一端部を、蓋103の内側から外側に向かうように取出部110のスリット部111に挿入して通す。
その際、家庭用薄葉紙Pの一端部となるシート状部分を挿通させるスリット部111が左右方向に長尺な開口として形成されていることにより、家庭用薄葉紙Pの一端部をスリット部111に通しやすくなっている。また、取出部110におけるスリット部111を挟んだ第一立設部112と第二立設部114の間には段差があるため、スリット部111には前後方向の隙間に加えて上下方向にも隙間があるので、家庭用薄葉紙Pの一端部をより通しやすくなっている。特に、第一立設部112の平面部112bを、ユーザが指で上方外側に撓ませるようにして、一時的にスリット部111の開口(隙間)を広げるようにすれば、家庭用薄葉紙Pをより一層通しやすくなる。なお、第一立設部112の平面部112bは可撓性を有する樹脂(例えば、PEやPP等)からなるので、一時的に隙間が広げられたスリット部111の開口を元の形状、大きさに戻すように復元するようになっている。
そして、取出部110のスリット部111に家庭用薄葉紙Pを挿通させた蓋103をボトル102に取り付けて(図5参照)、取出部110を小蓋120で閉じることで(図4参照)、家庭用薄葉紙Pの詰め替えが完了する。
次に、家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを引き出して取り出す場合、まず、図4に示す、閉蓋された状態の家庭用薄葉紙収納容器100の小蓋120を開け、図5に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100が開蓋された状態にする。
この開蓋された家庭用薄葉紙収納容器100において、図5に示すように、家庭用薄葉紙Pの端部が、取出部110のスリット部111から上方に僅かに突出した状態で保持されている。特に、取出部110のスリット部111を挟む一対の立設部112、114における、手前側の第二立設部114の方が後側の第一立設部112よりも低くなっているために、スリット部111から突出した家庭用薄葉紙Pの端部は、低い第二立設部114側に向かって倒れやすく、図5に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100の前方である手前側に向かって傾いた状態で保持されている。
そして、そのスリット部111から突出している家庭用薄葉紙Pを、ユーザが摘んで容器本体101内から引き上げると、図6に示すように、家庭用薄葉紙Pが長尺のスリット部111にならって広げられた状態で家庭用薄葉紙収納容器100から引き出される。
なお、スリット部111から突出した家庭用薄葉紙Pは、家庭用薄葉紙収納容器100の前方に向かって傾いた状態で保持されている(図5参照)とともに、容器の前方に向かって凸となるように円弧形状を呈しているスリット部111の形状(図1参照)が、その家庭用薄葉紙Pの引き出し方向が容器の前後方向手前側であることを示唆しているようになっているので、ユーザは、家庭用薄葉紙Pを容器の手前側に引き出すように誘導されやすくなっている。そして、取出部110における一対の立設部の手前側の第二立設部114の方が低くなる段差があるために、家庭用薄葉紙Pは容器の手前側に引き出されやすくなっている。
つまり、ユーザが、家庭用薄葉紙Pを容器の手前側に引き上げるように引き出しやすくなっている。
特に、スリット部111は、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向となる容器の前方の手前側に向かって凸となるように円弧形状を呈しているので、家庭用薄葉紙Pはスリット部111から好適に広がった状態で引き出されやすくなっている。
このとき、家庭用薄葉紙Pは、第一立設部112と第二立設部114の間を擦れながらスリット部111から引き出されることとなる。特に、一対の第一立設部112と第二立設部114が、スリット部111の周囲の強度を高める剛性部として機能することによって、家庭用薄葉紙Pに摩擦力が作用する。なお、スリット部111に沿い容器本体101の内部に向けて延在する第一縁部113と第二縁部115は、家庭用薄葉紙Pが引き出される方向に逆らう向きに延在しているため、その家庭用薄葉紙Pに摩擦力がより一層作用することとなる。この摩擦力は、引き出される家庭用薄葉紙Pを下方側(容器内)に向けて引き戻そうとする力となって作用するので、スリット部111から引き出し中の家庭用薄葉紙Pと次の家庭用薄葉紙Pとの継ぎ目であるミシン目P1の部分まで引き出された際に、そのミシン目P1に沿って家庭用薄葉紙Pが切り離されることとなる。このミシン目P1で切り離されて、家庭用薄葉紙収納容器100から取り出された家庭用薄葉紙Pを、ユーザが使用可能とする。
そして、ミシン目P1で切り離された次の家庭用薄葉紙Pの上端部がスリット部111に保持される。ここでも、家庭用薄葉紙Pの端部は低い第二立設部114側に向かって倒れやすく、図5に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100の前方である手前側に向かって傾いた状態で保持されている。
そして、図4に示すように、取出部110を小蓋120で閉じることで、家庭用薄葉紙収納容器100内に収納される家庭用薄葉紙Pであるウェットタイプのロールペーパーが乾燥してしまうことを防ぐことができる。
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを引き出す際の取り出しやすさについて、従来の家庭用薄葉紙収納容器200と比較した試験について説明する。
実施形態1における家庭用薄葉紙収納容器100の取出部110の材質はポリエチレン製であって、円弧形状を呈するスリット部111のサイズは、曲率R14.4mm、長さ(弧)20.1mm、幅0.8mmである。
これに対し、図7に示す、従来の家庭用薄葉紙収納容器200の取出部210の材質はポリエチレン製であって、その取出部210の開口220は、直径2.5mmの細孔220aと、前後方向と左右方向にそれぞれ沿った長さ9.0mm、幅0.3mmの2本のスリット220bとからなる。
そして、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器100の取出部110のスリット部111から家庭用薄葉紙Pを引き出す際の荷重(N)と、従来の家庭用薄葉紙収納容器200の取出部210の開口220から家庭用薄葉紙Pを引き出す際の荷重(N)を、引張り試験機(オリエンテック株式会社製、TENSILON RTC-1210A)によって、それぞれ測定して比較した。
なお、この試験で用いた家庭用薄葉紙Pは、スパンレース不織布(繊維組成:レーヨン/PET/PE・PP=60/20/20、大和紡績株式会社製)であって、1枚あたり長さ(ミシン目ピッチ)200mm×幅140mmのサイズを有するものである。
この家庭用薄葉紙Pを引き出す際の荷重の測定方法としては、まず、引張り試験機の下チャック部に家庭用薄葉紙収納容器(100、200)が動かないように固定する。
次いで、スリット部111又は開口220から家庭用薄葉紙Pを20mm引き出して、その家庭用薄葉紙Pの端部を試験機の上チャック部に挟持させる。
次いで、上チャック部を上昇させるようにして、速度1000mm/minで、長さ200mmの家庭用薄葉紙Pを容器の内部から引き出して取り出す。この家庭用薄葉紙Pを引き出す際の荷重変化を測定する。
なお、この試験において、家庭用薄葉紙Pを容器の内部から容器の手前側斜め上方向に引き出すようにして、荷重変化を測定した。
この荷重変化の測定を複数回(例えば、5回ずつ)行って得られた平均値を、図8に示す。
図8のグラフに示すように、従来の家庭用薄葉紙収納容器200の場合、引き出し長さ10mmにおいて8.55(N)、50mmにおいて7.35(N)、100mmにおいて6.5(N)、150mmにおいて5.44(N)、180mmにおいて4.14(N)の荷重が測定された。
それに対し、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100の場合、引き出し長さ10mmにおいて4.58(N)、50mmにおいて4.18(N)、100mmにおいて4.16(N)、150mmにおいて4.38(N)、180mmにおいて3.6(N)の荷重が測定された。
このように、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100の方が、従来の家庭用薄葉紙収納容器200より軽い力で家庭用薄葉紙Pを容器の内部から引き出すことができ、取り出しやすくなっている。
以上のように、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100は、スリット部111と、そのスリット部111を挟む一対の立設部112、114を有する取出部110を備えており、そのスリット部111は、長尺な円弧形状を呈する細長い開口となっているので、詰め替え用の家庭用薄葉紙Pの端部を、スリット部111を通じて取出部110の内側から外側に向かって通しやすく、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業を容易に行うことが可能になっている。
そして、一対の立設部112、114は、スリット部111の周囲の強度を高める剛性部として機能し、スリット部111を通じて引き出される家庭用薄葉紙Pに摩擦力を付与することができるので、スリット部111から引き出し中の家庭用薄葉紙Pと、次の家庭用薄葉紙Pとが、その摩擦力の作用で薄葉紙の継ぎ目のミシン目P1に沿って切り離されることによって、家庭用薄葉紙収納容器100から必要以上の家庭用薄葉紙Pが引き出されてしまわないようになっており、所定の長さ(サイズ)の家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが可能になっている。
このように、取出部110を備える実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100は、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを行い易く、家庭用薄葉紙Pの取り出しが容易な家庭用薄葉紙収納容器として使用することができる。
また、この家庭用薄葉紙収納容器100の取出部110の一対の立設部112、114において、その立設部間に段差が生じるように、手前側の第二立設部114が第一立設部112よりも低く形成されており、スリット部111には前後方向の隙間に加えて上下方向にも隙間が生じているので、家庭用薄葉紙Pを取出部110から上方に引き出すことに加えて、前後方向手前側に引き出しやすくなっている。つまり、家庭用薄葉紙Pを取出部110から、左右方向(Y軸方向)に長尺なスリット部111と交差する方向である上方(Z軸方向)や前方(X軸方向)に引き出しやすくなっている。
特に、取出部110のスリット部111から突出した家庭用薄葉紙Pの端部は、低い第二立設部114側に向かって倒れ、手前側に向かって傾いた状態で取出部110に保持されているので、ユーザが、その家庭用薄葉紙Pの端部を容器の手前側に引き出しやすくなっている。更に、容器の前方に向かって凸となるように円弧形状を呈しているスリット部111の形状に誘導されるように、ユーザが、その家庭用薄葉紙Pの端部を容器の手前側に引き出しやすくなっている。
このように、この家庭用薄葉紙収納容器100は、家庭用薄葉紙Pを取出部110から好適に取り出しやすい方向である、容器の手前側に引き出しやすくなっている。
[実施形態2]
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図9、図10に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100の蓋103の天面部103aには、容器本体101の内部に収納された家庭用薄葉紙Pを容器本体101の外側に引き出すための開口である取出部130と、その天面部103aに回動可能に取り付けられて取出部130を開閉する小蓋120とが設けられている。
取出部130は、容器本体101の内部と連通するように開口し、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向と交差する方向に長尺なスリット部131と、スリット部131を挟んで対向する長辺部分において、容器本体101(蓋103)から外部に向けて立設された一対の立設部132、134と、突起部105とを備えている。
スリット部131は、左右方向に対して長尺な略円弧形状を呈する開口であって、X軸方向の後方から前方に向かって凸となる向きに形成されている。
つまり、スリット部131は、取出部130の突起部105内における中央から外側にずれた位置に設けられており、そのスリット部131は、取出部130(突起部105)の中央側に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
また、換言すれば、スリット部131は、容器本体101の蓋103に設けられている小蓋120から離間する方向に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
一対の立設部132、134は、突起部105側に近い配置であって小蓋120側に位置する第一立設部132と、突起部105内の中央側に位置する第二立設部134とが対をなすように形成されている。
第一立設部132は、凹部104から斜め上方に立ち上がる傾斜面部132aと、その傾斜面部132aからスリット部131側へ延出する平面部132bとを有している。そして、第一立設部132は、スリット部131側の端面(平面部132bの端面)が凸状の円弧形状をなしており、第一立設部132の平面部132bの端面側に、スリット部131に向けて厚みを増す縁部133が形成されている。なお、この縁部133は、スリット部131に向けて徐々に厚みを増す下面部133aと、スリット部131に沿い上方に盛り上がった形状の上面部133bとを有している。
第二立設部134は、凹部104から略真上に立ち上がる壁面部134aと、その壁面部134aからスリット部131側へ張り出す張出部134bとを有している。そして、第二立設部134は、スリット部131側の端面(張出部134bの端面)が凹状の円弧形状をなしている。
そして、第一立設部132と第二立設部134は、スリット部131を挟んで立設された立体構造をとるので、突起部105の内側における他の部分に比べて外力の作用により変形し難くなっている。
つまり、第一立設部132と第二立設部134は、スリット部131の周囲の変形を低減するように強度を高めることができるので、第一立設部132と第二立設部134を、スリット部131の周囲の強度を高める剛性部とすることができる。
また、一対の立設部132、134における、一方の第一立設部132は、他方の第二立設部134よりも高く形成されており、第一立設部132と第二立設部134の間には段差が生じている。具体的には、小蓋120側に位置する第一立設部132の方が、突起部105内の中央側に位置する第二立設部134よりも高く形成されており、突起部105内における手前側の第二立設部134の方が、その後方の第一立設部132よりも低くなっている。
このような取出部130を備える実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器であっても、詰め替え用の家庭用薄葉紙Pの端部を、スリット部131を通じて取出部130の内側から外側に向かって通しやすく、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業を容易に行うことが可能になっている。
また、一対の立設部132、134間のスリット部131から引き出し中の家庭用薄葉紙Pと、次の家庭用薄葉紙Pとが、その継ぎ目のミシン目P1に沿って摩擦力の作用で切り離されることによって、所定の長さ(サイズ)の家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが可能になっている。
このように、取出部130を備える実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器100は、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを行い易く、家庭用薄葉紙Pの取り出しが容易な家庭用薄葉紙収納容器として使用することができる。
[実施形態3]
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図11、図12に示すように、家庭用薄葉紙収納容器100の蓋103の天面部103aには、容器本体101の内部に収納された家庭用薄葉紙Pを容器本体101の外側に引き出すための開口である取出部150と、その天面部103aに回動可能に取り付けられて取出部150を開閉する小蓋120とが設けられている。
取出部150は、容器本体101の内部と連通するように開口し、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向と交差する方向に長尺なスリット部151と、そのスリット部151が形成されている立設台部155と、突起部105とを備えている。立設台部155は、略円錐台形状を呈しており、天面部103aにおける突起部105の環内で小蓋120側に寄った位置に設けられている。
スリット部151は、立設台部155の傾斜面であって、突起部105環内における中央側の円錐状傾斜面(前傾斜面部156)に、左右方向に対して長尺な略円弧形状を呈するように形成された開口であって、X軸方向の後方から前方に向かって凸となる向きに形成されている。
つまり、スリット部151は、取出部150の突起部105内における中央から外側にずれた位置に設けられており、そのスリット部151は、取出部150(突起部105)の中央側に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
また、換言すれば、スリット部151は、容器本体101の蓋103に設けられている小蓋120から離間する方向に向けて凸となるように略円弧形状を呈している。
立設台部155は、スリット部151を挟んで対向する長辺部分において、容器本体101(蓋103)から立設された一対の立設部152、154を備えている。
一対の立設部152、154は、突起部105側に近い配置であって小蓋120側に位置する第一立設部152と、突起部105内の中央側に位置する第二立設部154とが対をなすように形成されている。
第一立設部152は、凹部104から斜め上方に前方に傾斜して立ち上がる後傾斜面部152aと、その後傾斜面部152aからスリット部151側へ延出する平面部152bとを有している。そして、第一立設部152は、スリット部151側の端面(平面部152bの端面)が凸状の円弧形状をなしており、第一立設部152の平面部152bの端面側に、スリット部151に沿い容器本体101の下部に向けて延在する縁部153が形成されている。
第二立設部154は、凹部104から斜め上方に立ち上がる形状を有している。この第二立設部154は、スリット部151側の端面が凹状の円弧形状をなしている。
なお、スリット部151は、凹部104から斜め上方に後方に傾斜して立ち上がっている前傾斜面部156に形成されており、第一立設部152の縁部153と、第二立設部154とは、前傾斜面部156の一部を構成するようになっている。
そして、第一立設部152と第二立設部154は、スリット部151を挟んだ立体構造をとるので、突起部105の内側における他の部分に比べて外力の作用により変形し難くなっている。
つまり、第一立設部152と第二立設部154は、スリット部151の周囲の変形を低減するように強度を高めることができるので、第一立設部152と第二立設部154を、スリット部151の周囲の強度を高める剛性部とすることができる。
また、一対の立設部152、154における、一方の第一立設部152は、他方の第二立設部154よりも高く形成されており、第一立設部152と第二立設部154の間には段差が生じている。具体的には、小蓋120側に位置する第一立設部152の方が、突起部105内の中央側に位置する第二立設部154よりも高く形成されており、突起部105内における手前側の第二立設部154の方が、その後方の第一立設部152よりも低くなっている。
このような取出部150を備える実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器であっても、詰め替え用の家庭用薄葉紙Pの端部を、スリット部151を通じて取出部150の内側から外側に向かって通しやすく、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業を容易に行うことが可能になっている。
また、一対の立設部152、154間のスリット部151から引き出し中の家庭用薄葉紙Pと、次の家庭用薄葉紙Pとが、その継ぎ目のミシン目P1に沿って摩擦力の作用で切り離されることによって、所定の長さ(サイズ)の家庭用薄葉紙Pを容易に取り出すことが可能になっている。
このように、取出部150を備える実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器100は、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを行い易く、家庭用薄葉紙Pの取り出しが容易な家庭用薄葉紙収納容器として使用することができる。
なお、上記各実施形態においては、家庭用薄葉紙Pをロール状とし、その家庭用薄葉紙Pが上下方向(Z軸方向)に沿った軸心に巻かれた状態で容器本体101に収納されている場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、家庭用薄葉紙Pは、前後方向(X軸方向)や左右方向(Y軸方向)の軸心に巻かれた状態で容器本体101に収納されていてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明を適用した実施形態1として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。 実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器における取出部を示す斜視図である。 図2におけるA−A断面を含む容器上部(蓋)の横断面図である。 実施形態1の取出部における家庭用薄葉紙の挿通状態を示す説明図である。 実施形態1の取出部における家庭用薄葉紙の挿通状態を示す説明図である。 実施形態1の取出部における家庭用薄葉紙の挿通状態を示す説明図である。 従来の家庭用薄葉紙収納容器における取出部を示す斜視図である。 家庭用薄葉紙を取出部から引き出す際の荷重変化に関する測定結果を示すグラフである。 実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器における取出部を示す斜視図である。 図9におけるB−B断面を含む容器上部(蓋)の横断面図である。 実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器における取出部を示す斜視図である。 図11におけるC−C断面を含む容器上部(蓋)の横断面図である。
符号の説明
100 家庭用薄葉紙収納容器
101 容器本体
102 ボトル
103 蓋
105 突起部
110 取出部
111 スリット部
112 第一立設部(立設部、剛性部)
113 第一縁部(縁部)
114 第二立設部(立設部、剛性部)
115 第二縁部(縁部)
120 小蓋(蓋体)
130 取出部
131 スリット部
132 第一立設部(立設部、剛性部)
133 縁部
134 第二立設部(立設部、剛性部)
150 取出部
151 スリット部
152 第一立設部(立設部、剛性部)
153 縁部
154 第二立設部(立設部、剛性部)
155 立設台部
P 家庭用薄葉紙
P1 ミシン目

Claims (1)

  1. 内側に家庭用薄葉紙を収納するとともに、収納された前記家庭用薄葉紙を外側に取り出す取出部を具備する容器本体を備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
    前記取出部は、
    前記容器本体の内部と連通するように開口し、前記家庭用薄葉紙の取り出し方向と交差する方向に長尺なスリット部と、
    前記スリット部の周囲の強度を高める剛性部と、
    を備え、
    前記剛性部は、前記スリット部を挟んで対向する長辺部分において、前記容器本体から外部に向けて立設された一対の立設部を有し、
    前記一対の立設部における、一方の立設部は他方の立設部より高く形成されていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
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