JP4509607B2 - 細胞分析装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検体に含まれる単核球を測定する細胞分析装置および方法に関する。
幹細胞移植やリンパ球療法をはじめとする細胞治療では、患者に移植する細胞として幹細胞やリンパ球を用いる。細胞治療に用いられる幹細胞やリンパ球は、主に、末梢血や臍帯血といった血液および骨髄液に含まれている。しかし、人体から採取される血液および骨髄液には、細胞治療に必要な細胞(幹細胞やリンパ球、以降はまとめて単核球と呼ぶ)以外に、治療に不要な細胞(例えば、赤血球、顆粒球、血小板などの血球成分)が含まれている。細胞材料に含まれる治療に不要な細胞は、移植時の副作用の原因となるため、できるだけ細胞材料から除去されることが望まれている。治療に不要な細胞の除去には、比重遠心法や血液分離装置などが使用されている。
さらに、治療の内容によっては、採取した細胞材料を移植時まで凍結保存することがある。この場合、採取された細胞材料を患者へ移植するまでの間には、細胞材料の凍結および解凍の工程が含まれる。
このように、細胞材料は採取されてから多くの工程を経て患者に移植されており、そのため、細胞材料に含まれる治療に必要な細胞がダメージを受けている可能性がある。ここで、ダメージを受けた細胞とは、「採取後の経時的変化」、「保存状態の不良」、さらに前記したような「不要な細胞を除去する工程」、「細胞材料の凍結および解凍の工程」などの影響により、細胞膜が損傷を受け、生育不能となった細胞(死細胞)のことをいう。そして、ダメージを受けて死細胞となっているような単核球は、移植後の生着に寄与しない。ゆえに、そのような単核球を多く含む細胞材料は、細胞治療に不適である。
以上のことから、ダメージを受けていない単核球の生細胞を豊富に含有することが、有効な細胞治療を行う上での細胞材料が満たすべき条件である。これより、細胞治療を行う際には、用いる細胞材料に関して単核球の生存状態を確認することが重要であり、そのためには細胞材料中の単核球の生細胞を検出する必要がある。
特許文献1には、白血球を測定すると同時に、細胞膜に損傷を受けたダメージ白血球などの異常細胞を分類計数する異常細胞を分類計数方法が開示されている。この方法では、蛍光色素により染色処理した血液中の各細胞について、フローサイトメーターを用いて蛍光強度および散乱光強度を検出し、蛍光強度および散乱光強度に基づき、白血球およびダメージ白血球を検出することができる。なお、特許文献1におけるダメージ白血球とは、採取後の経時的変化、保存状態の不良などの影響により、細胞膜に損傷を受けた白血球のことをいう。
しかし、特許文献1においては、幹細胞を含む単核球の生細胞を検出することは言及されていない。
単核球の生細胞を検出する方法としては、非特許文献1のような方法がある。この方法では、7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)と、蛍光標識されたCD34および蛍光標識されたCD45を用いる。7−AADは核酸を染色する蛍光色素の1つであり、この色素を用いて細胞を染色すると死細胞は生細胞よりも染色の度合いが高くなる。ゆえに、生細胞は、7−AADによる染色の度合いの差に基づいて死細胞と分けて検出することができる。一方、CD34は幹細胞の細胞表面抗原に対する抗体であり、CD45は白血球の細胞表面抗原に対する抗体である。以上のことから、CD34やCD45と7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)の両方を用いることで、単核球の生細胞を検出することができる。
しかし、上記の方法では、測定用試料を調製する際に、抗原抗体反応を利用して幹細胞や白血球の細胞表面抗原を修飾するという煩雑な工程を要し、また時間もかかる。
特開2002−148261号公報
Michael Keeney、Ian Chin-Yee、Karin Weir、Jan Popma、Rakash Nayar、D.Robert Sutherland、「Single platform flow cytometric absolute CD34+cell counts based on the ISHAGE guidelines」、Cytometry、Wiley-Liss,Inc、1998、Volume 34、Issue 2、p.61―70
本発明の課題は、簡便かつ迅速に、検体に含まれる単核球の生細胞を検出することができる細胞分析装置および方法を提供することである。
上記の課題に鑑み、本発明は、検体に細胞内物質を染色する色素による染色処理を施して測定用試料を調製する測定用試料調製部と、測定用試料中の各細胞から散乱光および蛍光を検出する検出部と、前記検出部が検出した散乱光および蛍光に基づいて、幹細胞の生細胞およびリンパ球の生細胞を単核球の生細胞として検出し、検出した単核球の生細胞を計数する分析部とを備えた細胞分析装置を提供する。
また、本発明は、検体に細胞内物質を染色する色素による染色処理を施して測定用試料を調製する測定用試料調製工程と、測定用試料中の各細胞から散乱光および蛍光を検出する光検出工程と、前記光検出工程で検出した散乱光および蛍光に基づいて、幹細胞の生細胞およびリンパ球の生細胞を単核球の生細胞として検出する細胞検出工程と、前記細胞検出工程で検出した単核球の生細胞を計数する計数工程からなる細胞分析方法を提供する。

本発明の細胞分析装置および方法においては、簡便かつ迅速に、検体に含まれる単核球の生細胞を検出することができる。
以下、本発明の1つの実施形態における細胞分析装置について説明する。この細胞分析装置は、検体に希釈液および染色液を添加して蛍光染色処理を施して測定用試料を調製し、調製した測定用試料にレーザー照射して測定用試料から発せられた散乱光や蛍光を検出し、検出した散乱光や蛍光に基づいて検体に含まれる細胞を検出するものである。また、この細胞分析装置は、検体として血液を用いる。
(細胞分析装置の概略構成)
図1は細胞分析装置1の外観を実線で、装置内部の概略構成を破線で示したものである。装置の最前面には実線で示すように、各種設定入力を行ったり、測定結果を表示出力するための液晶タッチパネル2、測定用試料調製部カバー3およびスタートスイッチ4が備えられている。また、破線で示す装置の内部構成において、上部には装置の動作や分析処理をつかさどる制御部5が配置されている。下部の手前側には、試料液を調製するための測定用試料調製部6が配置されている。下部の奥側には試料液から信号を検出するための測定部7が配置されている。
(測定用試料調製部の構成)
図2は測定用試料調製部6を示す説明図である。測定用試料調製部6は検体セット部8、試薬セット部9、染色部10、分注装置11および送液装置12を含む。図1の測定用試料調製部カバー3を開けることにより、検体セット部8には検体の入った検体容器を、試薬セット部9には染色液の入った微量試験管13や希釈液の入った微量試験管14をそれぞれセットできるようになっている。染色部10には微量試験管15がセットされており、そこで検体に染色液と希釈液が混合されて、測定用試料が調製される。なお図には示していないが、染色部10は微量試験管15の中の溶液を一定の温度に保つための温度調節機構と微量試験管15の中の溶液を攪拌させるための攪拌機構とを備えている。分注装置11はその先端から所定量の液体を吸引・吐出するようになっており、また図示していない駆動装置によって上下左右前後に移動可能となっている。送液装置12は測定用試料を吸引するための吸引管16と、吸引管16から吸引した測定用試料を図3で示している測定部7へと送液する送液管17と、測定部7へ送液した測定用試料を排出するためのポンプ18からなる。吸引管16は染色部10にセットされた微量試験管15に挿入され、そして所定の量の測定用試料が吸引管16に吸引される。吸引された測定用試料は送液管17を通って測定部7へ送液される。
(測定部の構成)
図3は測定部7を示す説明図である。測定部7にはシースフローセル19、レーザー光源20、コンデンサレンズ21、集光レンズ22、23、ピンホール24、25、フィルタ26、フォトダイオード27およびフォトマルチプライヤーチューブ28が設けられている。シースフローセル19は、図2の測定用試料調製部6で調製された測定用試料を流すためのものである。また、図4に示すようにシースフローセル19は、測定用試料を細孔部32に向かって上方へ噴射する試料ノズル29と、シース液供給口30と廃液口31を備える。レーザー光源20は、波長633nmの赤色レーザー光を発振する。集光レンズ22、23はレーザー光を受けた試料中の細胞一個一個から得られる前方散乱光や側方蛍光といった光学的情報を集光する。フォトダイオード27は前方散乱光を受光、光電変換し、電気信号として出力する。また、フォトマルチプライヤーチューブ28は側方蛍光を受光、光電変換し、電気信号として出力する。出力された各信号は制御部5へ送られる。
(制御部の構成)
図5は制御部5の構成、および制御部5と装置各部との関係を示すブロック図である。制御部5は中央演算装置(CPU)やROM・RAM等の記憶装置を有するマイクロコンピューター、測定部7から送られてきた信号を処理する回路などを有する。制御部5は記憶部33、分析部34および動作制御部35としての機能を果たす。記憶部33は、試料中の細胞から得た信号の分析を行う分析プログラムや、装置各部の動作を制御する制御プログラムを記憶している。また、測定部7で検出された信号のデータや、分析プログラムによる処理結果を記憶する。分析部34は、分析プログラムに基づき測定部7で検出された信号を分析して、測定用試料液中に含まれる各細胞に関するデータを生成する。分析部34で生成されたデータは液晶タッチパネル2に出力される。動作制御部35は、記憶部33に記憶されている制御プログラムに基づき装置各部の動作を制御する。
以下装置の動作について詳しく説明する。まず、操作者が検体や測定用試薬を測定用試料調製部6の所定の位置にセットする。検体は、図1の測定用試料調製部カバー3を開けることにより、図2の測定用試料調製部6の検体セット部8にセットできるようになっている。また、染色液や希釈液といった試薬は、測定用試料調製部カバー3を開けることにより、測定用試料調製部6の試薬セット部9に染色液の入った微量試験管13や希釈液の入った微量試験管14をそれぞれセットできるようになっている。
このようにして、検体および試薬をセットし、スタートスイッチ4を押すと、全体制御がスタートする。図6は制御プログラムによる全体制御の流れを示すフローチャートである。スタートスイッチを押すと、ステップS1(測定用試料調製)、ステップS2(測定)、ステップS3(分析)およびステップS4(出力)が順次実行される。測定用試料調製部6、測定部7、分析部34は制御プログラムにより制御され、一連の動作が自動的に行われる。上記ステップS1、S2、S3およびS4について以下に説明する。
ステップS1(測定用試料調製)
測定用試料調製における測定用試料調製部6の動作を、図2を用いて説明する。まず分注装置11が、検体セット部8にセットされている検体容器から検体を吸引し、染色部10にセットされている微量試験管15に4.5μLを分注する。次に分注装置11が試薬セット部9にセットされている微量試験管14から希釈液を吸引し、染色部10にセットされている微量試験管15に0.8955mLを分注する。さらに分注装置11が試薬セット部9にセットされている微量試験管13から染色液を吸引し、染色部10にセットされている微量試験管15に18μLを分注する。この後染色部10が微量試験管15を温度37℃に保ちながら31秒間撹拌する。これより、微量試験管15において測定用試料が調製される。なお、測定用試料の調製には、染色液としてシスメックス株式会社製レットサーチ(II)染色液を、希釈液としてシスメックス株式会社製レットサーチ(II)希釈液を用いる。レットサーチ(II)染色液は、細胞内の核酸を特異的に染色する蛍光色素を含有しており、この色素は波長630nm付近のレーザー光を照射すると蛍光が励起される特性を有している。
測定用試料が調製されると、送液装置12により染色部10の微量試験管15から2.8μLの測定用試料が吸引され、測定部7のシースフローセル19に流される。
ステップS2(測定)
測定における測定部7の動作を、図3と図4を用いて説明する。測定用試料調製部6で調製された測定用試料はシースフローセル19に導かれ、試料ノズル29から試料液がシースフローセル内に吐出される。それと同時にシース液供給口30からシース液がシースフローセル内に吐出される。これによって試料液はシースフローセル内でシース液に包まれ、さらに細孔部32によって細く絞られて流れる。
細孔部32を流れる試料流へレーザー光源20から出射されたレーザー光がコンデンサレンズ21で絞られて照射される。レーザー光を受けた試料中の細胞一個一個から発せられる前方散乱光は集光レンズ22より集光され、ピンホール24を通過する。側方蛍光は集光レンズ23により集光され、フィルタ26およびピンホール25を通過する。そして前方散乱光はフォトダイオード27で、側方蛍光はフォトマルチプライヤーチューブ28で受光、光電変換されて、それぞれ前方散乱光信号、側方蛍光信号として出力される。各信号は制御部5へ送られ、細胞毎のデータとして記憶部33に記憶される。
ステップS3(分析)
ステップS2の測定により前方散乱光信号や側方蛍光信号が検出されると、次に分析部34が分析プログラムに基づいて各信号を分析する。ステップS3における分析プログラムの動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。フローチャートの各ステップは以下のとおりである。
ステップS5:試料中の各細胞から検出された前方散乱光信号や側方蛍光信号のデータを記憶部34から読み出す。続いてステップS6へ進む。
ステップS6:試料中の各細胞から得られた前方散乱光信号や側方蛍光信号に基づき、前方散乱光強度(Fsc)や側方蛍光強度(Sfl)を算出する。続いてステップS7へ進む。
ステップS7:ステップS6で算出した細胞毎のFscおよびSflをパラメーターとしたスキャッタグラムを作成する。これは、まずFscおよびSflを軸にとった二次元座標を展開し、次に、ステップS6で算出したFscおよびSflに基づいて、測定用試料中の各細胞に対応する座標位置を決定する。このようにしてFscおよびSflをパラメーターとしたスキャッタグラムを作成する。続いてステップS8へ進む。
ステップS8:作成したスキャッタグラム上において、単核球の生細胞(以降は生存単核球と呼ぶ)が出現する領域(これをLM領域とする)、単核球の死細胞(以降は死亡単核球と呼ぶ)が出現する領域(これをDM領域とする)、顆粒球の生細胞(以降は生存顆粒球と呼ぶ)が出現する領域(これをLG領域とする)、顆粒球の死細胞(以降は死亡顆粒球と呼ぶ)が出現する領域(これをDG領域とする)、赤血球が出現する領域(これをRBC領域とする)および血小板が出現する領域(これをPLT領域とする)をそれぞれ設定する。これらの領域がスキャッタグラム上に設定された様子を図8に示す。ここで設定されるLM領域、DM領域、LG領域、DG領域、RBC領域およびPLT領域は、予め生存単核球、死亡単核球、生存顆粒球、死亡顆粒球、赤血球および血小板であると確認されている細胞を含む各測定用試料を測定することにより、経験的に定めたものである。これより、試料中に含まれている細胞のうち生存単核球はLM領域に、死亡単核球はDM領域に、生存顆粒球はLG領域に、死亡顆粒球はDG領域に、赤血球はRBC領域に、血小板はPLT領域に出現する。なお、各領域は、記憶部33に記憶されており、ステップS8において分析プログラムによって読み出され、スキャッタグラム上に適用される。続いてステップS9へ進む。
ステップS9:各領域内のドット数を計数する。続いてステップS10へ進む。
ステップS10:ステップS9より計数された各領域内のドット数は、検体に含まれる各細胞の細胞数に対応する。ゆえに、ステップS9より計数された各領域内のドット数に基づいて、各細胞の細胞数を計数する。さらに、計数した細胞数に基づいて、「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」および「全単核球中の死亡単核球含有率」を算出する。続いてステップS11へ進む。なお、ここでいう全有核細胞とは、有核細胞が出現する領域(LM領域、DM領域、LG領域およびDG領域)に出現した全ての細胞のことをいう。また、ここでいう死細胞とは、死細胞が出現する領域(DM領域およびDG領域)に出現した全ての細胞のことをいう。また、ここでいう全単核球とは、単核球が出現する領域(LM領域およびDM領域)に出現した全ての細胞のことをいう。
ステップS11:ステップS9より得られた計数結果のデータ、およびステップS10より得られた算出結果のデータを記憶する。
前記の通り、図8はステップS7およびステップS8で作成されたスキャッタグラムを説明するための図である。スキャッタグラムは,横軸にSfl、縦軸にFscをとっている。横軸においては、右へ行くほどSflの値が大きくなる。縦軸においては、上へ行くほどFscの値が大きくなる。生存単核球はLM領域に、死亡単核球はDM領域に、生存顆粒球はLG領域に、死亡顆粒球はDG領域に、赤血球はRBC領域に、血小板はPLT領域に出現する。なお、死細胞は細胞膜に損傷を受けているため、核酸染色色素で染色する場合、死細胞は生細胞よりも蛍光染色の度合いが高くなる。ゆえに、死細胞から検出される蛍光強度は生細胞から検出される蛍光強度よりも高い。そのため、死細胞が出現する領域(DM領域およびDG領域)は生細胞の出現する領域(LM領域、LG領域、RBC領域およびPLT領域)よりも蛍光強度の高い位置に設定されている。また、赤血球および血小板は、核を有さない細胞(無核細胞)であるため核酸染色色素に染まりにくい。ゆえに、これら無核細胞が出現する領域(RBC領域およびPLT領域)は、核を有する細胞(有核細胞)が出現する領域(LM領域、DM領域、LG領域およびDG領域)よりも蛍光強度の低い位置に設定されている。なお、赤血球は血小板よりも大きさが大きいため、赤血球が出現する領域(RBC領域)は血小板が出現する領域(PLT領域)よりも前方散乱光強度の高い位置に設定されている。また、白血球の中でも、顆粒球は単核球よりも大きさが大きい。ゆえに、顆粒球が出現する領域(LG領域およびDG領域)は、単核球が出現する領域(LM領域およびDM領域)よりも全体的に前方散乱光強度の高い位置に設定されている。
ステップS4(出力)
ステップS3(分析)より得られたスキャッタグラム、各種細胞の計数結果、さらに、「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」および「全単核球中の死亡単核球含有率」の算出結果を液晶タッチパネル2に出力し、表示する。なお、「全単核球中の死亡単核球含有率」は、全単核球に含まれる死亡した単核球の割合を示したものである。ゆえに、この値を単核球の死亡率として評価することができる。また、この値が小さいほど、検体に含まれている単核球の生存率が高いと判断できる。
なお、細胞分析装置1においては、実質的に一種類の蛍光色素により蛍光染色処理を施した試料中の細胞から、前方散乱光および蛍光を検出し、これらに基づいて生存単核球、死亡単核球、生存顆粒球、死亡顆粒球、赤血球および血小板とを区別して検出している。つまり、この細胞分析装置1では、細胞の分類や生死の区別をするために複数の蛍光色素を用いず、蛍光に関しては一種類の蛍光を検出することで複数種類の細胞の区別や生死の区別を可能にしている。そのため、複数種類の蛍光を検出する必要がある装置に比べ、用いる試薬の種類数を低減でき、また装置構成の簡略化を図ることができる。
以下、上記に説明してきた細胞分析装置1を用いて検体を分析した結果の例を示す。
<測定例1>
本測定例では、ヒトから採取した2種類の末梢血(I)および(II)を検体として用いた。それぞれの末梢血は別々の疾患患者から採取したもので、(I)は含有する白血球のうちリンパ球の割合が非常に高い末梢血であり、(II)は含有する白血球のうち顆粒球の割合が非常に高い末梢血である。
一般的に、採取した末梢血を室温に放置する場合、放置した経過時間とともに末梢血に含まれる細胞の死亡率は高くなる。本測定例では、(I)および(II)の末梢血を採取し、採取後室温に2時間および24時間放置した各末梢血を検体として用いた。
上記に説明した細胞分析装置1を用いて得られたスキャッタグラムを図9に示した。図9のスキャッタグラムのうち(I)は、前記末梢血(I)を検体として測定した結果であり、(II)は前記末梢血(II)を検体として測定した結果である。また、図9のスキャッタグラムのうちAは、採取後室温に2時間放置した末梢血を測定した結果であり、Bは採取後室温に24時間放置した末梢血を測定した結果である。なお、前記したように、いずれのスキャッタグラムも、横軸にSfl、縦軸にFscをとっている。横軸においては、右へ行くほどSflの値が大きくなる。縦軸においては、上へ行くほどFscの値が大きくなる。
また、表1は、上記に説明した細胞分析装置1の分析ステップ(ステップS10)により計数された「生存単核球の細胞数」、「死亡単核球の細胞数」、「生存顆粒球の細胞数」および「死亡顆粒球の細胞数」の値を示したものである。表1の各項目の値は、図9のスキャッタグラム上のLM領域、DM領域、LG領域およびDG領域に出現したドット数に基づいて計数された値である。なお、表1において、「生存単核球の細胞数」をLM、「死亡単核球の細胞数」をDM、生存顆粒球の細胞数」をLG、「死亡顆粒球の細胞数」をDGと表す。
表1の(I)は前記末梢血(I)を検体として測定した場合、(II)は前記末梢血(II)を検体として測定した場合である。また、表1の(A)は、採取後室温に2時間放置した末梢血を測定した結果であり、(B)は採取後室温に24時間放置した末梢血を測定した結果である。
Figure 0004509607
図9および表1において、AおよびBを比較すると、(I)(II)のいずれの場合も、Bにおいて死細胞(死亡単核球および死亡顆粒球)の細胞数が増加していることがわかる。さらに、(I)のBでは、主に死亡単核球の細胞数が増加しており、一方、(II)のBでは、主に死亡顆粒球の細胞数が増加していることがわかる。
表2は、上記に説明した細胞分析装置1の分析ステップ(ステップS10)により算出された「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」、および「全単核球中の死亡単核球含有率」の値を示したものである。表2の各項目の値は、表1の「生存単核球の細胞数」、「死亡単核球の細胞数」、「生存顆粒球の細胞数」および「死亡顆粒球の細胞数」を用いて、以下に示す式から算出された値である。式1は、「全有核細胞中の死細胞含有率」を求める計算式であり、式2は「全有核細胞中の単核球死細胞含有率」を求める計算式である。式3は「全単核球中の死亡単核球含有率」を求める計算式である。この「全単核球中の死亡単核球含有率」は、全単核球に含まれる死亡した単核球の割合を示したものである。ゆえに、この値が小さいほど、検体に含まれている単核球の生存率は高いと判断できる。なお、式中において、「生存単核球の細胞数」をLM、「死亡単核球の細胞数」をDM、「生存顆粒球の細胞数」をLG、「死亡顆粒球の細胞数」をDGと表す。
式1:(DM+DG)/(LM+LG+DM+DG) ×100(%)
式2:DM/(LM+LG+DM+DG) ×100(%)
式3:DM/(LM+DM) ×100(%)
表2の(I)は前記末梢血(I)を検体として測定した場合、(II)は前記末梢血(II)を検体として測定した場合である。また、表1の(A)は、採取後室温に2時間放置した末梢血を測定した結果であり、(B)は採取後室温に24時間放置した末梢血を測定した結果である。
Figure 0004509607
表2の各項目の(A)および(B)の値を比較すると、いずれの項目についても(B)の値の方が高い。さらに、表2の(I)について、(B)の「全有核細胞中の死細胞含有率」の値および「全有核細胞中の死亡単核球含有率」の値を比較することにより、死亡顆粒球よりも死亡単核球の方の含有率が高いということがわかる。一方、(II)について、(B)の「全有核細胞中の死細胞含有率」の値および「全有核細胞中の死亡単核球含有率」の値を比較することにより、死亡単核球よりも死亡顆粒球の方の含有率が高いということがわかる。
図9、表1および表2の結果より、末梢血を放置した経過時間が長いほど末梢血に含まれる細胞の死亡率は高くなるということが確認できた。さらに、リンパ球の割合が非常に高い末梢血(I)について、長時間放置された末梢血には、主に死亡単核球が含まれるということが確認できた。また、顆粒球の割合が非常に高い末梢血(II)について、長時間放置された末梢血には、主に死亡顆粒球が含まれるということが確認できた。
<測定例2>
本測定例では、健常人から末梢血を採取し、採取後室温に2時間および32時間放置した各末梢血を検体として用いた。
上記に説明した細胞分析装置1を用いて得られたスキャッタグラムを図10に示した。図10のスキャッタグラムのうちAは、採取後室温に2時間放置した末梢血を測定した結果であり、Bは採取後室温に32時間放置した末梢血を測定した結果である。
また、表3は、上記に説明した細胞分析装置1の分析ステップ(ステップS10)により計数された「生存単核球の細胞数」、「死亡単核球の細胞数」、「生存顆粒球の細胞数」および「死亡顆粒球の細胞数」の値を示したものである。表1の各項目の値は、図10のスキャッタグラム上のLM領域、DM領域、LG領域およびDG領域に出現したドット数に基づいて計数された値である。なお、表3において、「生存単核球の細胞数」をLM、「死亡単核球の細胞数」をDM、生存顆粒球の細胞数」をLG、「死亡顆粒球の細胞数」をDGと表す。また、表1の(A)は、採取後室温に2時間放置した末梢血を測定した結果であり、(B)は採取後室温に32時間放置した末梢血を測定した結果である。
Figure 0004509607
図10および表3において、AおよびBを比較すると、Bにおいて死細胞(死亡単核球および死亡顆粒球)の細胞数が増加していることがわかる。
表4は、上記に説明した細胞分析装置1の分析ステップ(ステップS10)により算出された「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」、および「全単核球中の死亡単核球含有率」の値を示したものである。表4の各項目の値は、表3の「生存単核球の細胞数」、「死亡単核球の細胞数」、「生存顆粒球の細胞数」および「死亡顆粒球の細胞数」を用いて、前記<測定例1>で用いた式から算出された値である。なお、表4の(A)は、採取後室温に2時間放置した末梢血を測定した結果であり、(B)は採取後室温に32時間放置した末梢血を測定した結果である。
Figure 0004509607
表4の各項目の(A)および(B)の値を比較すると、いずれの項目についても(B)の値の方が高い。さらに、(B)の「全有核細胞中の死細胞含有率」の値および「全有核細胞中の死亡単核球含有率」の値を比較することにより、死亡単核球よりも死亡顆粒球の方の含有率が高いということがわかる。
<測定例3>
臍帯血は、骨髄と同様に、造血幹細胞を豊富に含むことが明らかになっている。そこで、本測定例では、健常人における分娩時の臍帯から採取した臍帯血を用いた。なお、測定には、採取後遠心(回転数:およそ3000rpm、時間:20分、温度:10℃)により赤血球を除去した臍帯血を検体として用いた。
上記に説明した細胞分析装置1を用いて得られたスキャッタグラムを図11に示した。
また、表5は、上記に説明した細胞分析装置1の分析ステップ(ステップS10)により計数された「生存単核球の細胞数」、「死亡単核球の細胞数」、「生存顆粒球の細胞数」および「死亡顆粒球の細胞数」の値を示したものである。表5の各項目の値は、図11のスキャッタグラム上のLM領域、DM領域、LG領域およびDG領域に出現したドット数に基づいて計数された値である。なお、表3において、「生存単核球の細胞数」をLM、「死亡単核球の細胞数」をDM、生存顆粒球の細胞数」をLG、「死亡顆粒球の細胞数」をDGと表す。
Figure 0004509607
さらに、上記に説明した細胞分析装置1の分析ステップ(ステップS10)により算出された「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」、および「全単核球中の死亡単核球含有率」の値を表6に示した。これらは、表5の「生存単核球の細胞数」、「死亡単核球の細胞数」、「生存顆粒球のの細胞数」および「死亡顆粒球の細胞数」を用いて、前記<測定例1>で用いた式から算出された値である。
Figure 0004509607
図11のスキャッタグラム上のDM領域(死亡単核球が出現する領域)に出現したドット数、表5のDM(死亡単核球の細胞数)の値、および、表6の「全有核細胞中の死亡単核球含有率」の値より、本測定例で用いた検体における死亡単核球の含有率は非常に低いということがわかる。さらに、表6の「全単核球中の死亡単核球含有率」の値より、本測定例で用いた検体における全単核球中の死亡単核球含有率は低い、つまり単核球の生存率は高いということがわかる。
また、図11のスキャッタグラム上の赤血球の出現領域(RBC領域)におけるドット数より、採取後に行った遠心操作後も、いくらかの赤血球が検体中に残存しているということがわかる。また、図11のスキャッタグラム上の血小板の出現領域(PLT領域)および顆粒球の出現する領域(LG領域およびDG領域)におけるドット数より、本測定例で用いた検体には血小板や顆粒球も含まれることが分かった。このように、本実施形態では単核球を検出するのと同時に、赤血球、血小板および顆粒球といった血球成分を検出することができる。これより、検体中に治療に必要な単核球がどの程度含まれているのかということと同時に、検体中に細胞治療に不要な各細胞がどの程度含まれているのかということも確認することができる。
なお、上記の各測定例では、検体として末梢血または臍帯血を用いているが、本発明はこれに限定されない。本発明では、単核球を含有すると思われる液体を用いることができる。例えば、幹細胞を培養して得られる培養液が挙げられる。
また、上記の各測定例では、染色液としてシスメックス株式会社製レットサーチ(II)染色液を用いているが、本発明はこれに限定されない。本発明の染色液としては、膜透過性を有する核酸染色色素を含む染色液を用いることができる。膜透過性を有する核酸染色色素としては、例えば、オーラミンOやオキサジン750などが挙げられる。
また、本実施形態の細胞分析装置1は、分析のステップにおいてスキャッタグラムを作成し、作成したスキャッタグラム上に各細胞が出現する領域を設定することにより各種の細胞を検出しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、予め各種の細胞について、前方散乱光強度の所定の値および蛍光強度の所定の値を設定し、そして、これら所定の値と測定して得られた前方散乱光強度および蛍光強度の値を比較することにより、各種の細胞を検出してもよい。
また、本実施形態の細胞分析装置1は、分析のステップにおいて「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」および「全単核球中の死亡単核球含有率」を算出しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、「全細胞中の死細胞含有率」を算出してもよい。
「全細胞中の死細胞含有率」を算出する計算式としては、例えば式4のような計算式が挙げられる。なお、細胞の総数としては、スキャッタグラム上に出現した全ドット数に基づいて計数される細胞数を用いることができる。あるいは、スキャッタグラム上のLM領域、DM領域、LG領域、DG領域、RBC領域およびPLT領域に出現したドット数に基づいて計数される細胞数を合計し、その数を細胞の総数として用いることができる。
式4:(DM+DG)/細胞の総数 ×100(%)
また、本発明では「単核球の生存率」を算出してもよい。
「単核球の生存率」を算出する計算式としては、例えば全単核球に含まれる生存単核球の割合(「全単核球中の生細胞含有率」)を示す式6のような計算式が挙げられる。
式6:LM/(LM+DM) ×100(%)
また、本発明では「全細胞中の各細胞(生存単核球、死亡単核球、生存顆粒球、死亡顆粒球赤血球および血小板)の含有率」を算出してもよい。
「全細胞中の生存単核球の含有率」を算出する計算式としては、例えば式7のような計算式が挙げられる。
式7:LM/細胞の総数 ×100(%)
「全細胞中の死亡単核球の含有率」を算出する計算式としては、例えば式8のような計算式が挙げられる。
式8:DM/細胞の総数 ×100(%)
「全細胞中の生存顆粒球の含有率」を算出する計算式としては、例えば式9のような計算式が挙げられる。
式9:LG/細胞の総数 ×100(%)
「全細胞中の死亡顆粒球の含有率」を算出する計算式としては、例えば式10のような計算式が挙げられる。
式10:DG/細胞の総数 ×100(%)
「全細胞中の赤血球の含有率」を算出する計算式としては、例えば式11のような計算式が挙げられる。
式11:RBC/細胞の総数 ×100(%)
「全細胞中の血小板の含有率」を算出する計算式としては、例えば式12のような計算式が挙げられる。
式12:PLT/細胞の総数 ×100(%)
なお、上記の「全細胞中の生存顆粒球の含有率」、「全細胞中の死亡顆粒球の含有率」、「全細胞中の赤血球の含有率」および「全細胞中の血小板の含有率」は、治療に不要な細胞がどの程度の割合で検体に含まれているかを示したものである。細胞材料に混入した治療に不要な細胞は、副作用や拒絶反応などを引き起こす原因となる。ゆえに、「全細胞中の生存顆粒球の含有率」、「全細胞中の死亡顆粒球の含有率」、「全細胞中の赤血球の含有率」および「全細胞中の血小板の含有率」の値を確認することは、安全な細胞治療を行う上で重要であると考えられる。
また、本発明ではヘマトクリット値を算出しても良い。ヘマトクリット値とは、血液に含まれる赤血球の容積の割合を示したものである。よって、ヘマトクリット値は、「全細胞中の赤血球の含有率」の値と同様に、赤血球がどの程度の割合で検体に含まれているかを示しており、この値を確認することは安全な細胞治療を行う上で重要であると考えられる。ヘマトクリットを算出するには、例えば、次のような方法がある。まず、赤血球として分類・計数された各細胞の容積を前方散乱強度に基づき算出し、算出した各赤血球の容積を合計し、検体に含まれる赤血球の容積(RV)を求める。そして、RVおよび検体の容積(V)を用いた式11のような計算式によりヘマトクリット値(%)が算出できる。
式11:RV/V ×100(%)
また、本実施形態の細胞分析装置1の分析のステップでは、スキャッタグラムにLM領域、DM領域、LG領域、DG領域、RBC領域およびPLT領域を設定し、各領域内の細胞数を計数するようになっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作者が各細胞について計数するか否かを選択できるようにしてもよい。この方法としては、操作者がLM領域、DM領域LG領域、DG領域、RBC領域およびPLT領域について「スキャッタグラム上に設定するか否か」を選択できるような分析プログラムを図5の記憶部33に記憶させ、この分析プログラムに基づいて分析部34により分析処理を行い、設定した領域内の細胞数を計数する方法を用いることができる。
また、本実施形態の細胞分析装置1の分析のステップでは、スキャッタグラム上に出現した細胞数の計数、および「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」および「全単核球中の死亡単核球含有率」の算出を行っているが、本発明はこれに限定されない。さらに、前記したような計数結果および算出結果に基づいて、「検体が細胞治療に有効な検体か否か」の判別を行うようにしてもよい。
「検体が細胞治療に有効な検体か否か」の判別を行う1つの方法としては、次のような方法が挙げられる。前記した式7で算出される「全細胞中の生存単核球含有率」の値について、予め所定の値を設定する。そして、算出された「全細胞中の生存単核球含有率」の値が、所定の値未満である場合は「細胞治療に有効な検体ではない」と判断し、所定の値以上の場合は「細胞治療に有効な検体である」と判断する。
また、別の方法としては、次のような方法が挙げられる。前記した式7で算出される「全細胞中の生存単核球含有率」の値、および、前記した式6で算出される「全単核球中の生存単核球含有率」の値について、それぞれ予め所定の値を設定する。まず、算出された「全細胞中の生存単核球含有率」の値が、「全細胞中の生存単核球含有率」の所定の値未満である場合は「細胞治療に有効な検体ではない」と判断する。一方、算出された「全細胞中の生存単核球含有率」の値が、所定の値以上の場合については、さらに、算出された「全単核球中の生存単核球含有率」の値と「全単核球中の生存単核球含有率」の所定の値とを比較する。そして、算出された値が、所定の値未満である場合は「細胞治療に有効な検体ではない」と判断し、所定の値以上の場合は「細胞治療に有効な検体である」と判断する。
以上のような判別工程を実行する分析プログラムを記憶部33に記憶させ、その分析プログラムに基づいて分析部34により分析処理することで、自動的に「検体が細胞治療に有効な検体か否か」の判別を行うことができる。また、これより得られた判別結果を、スキャッタグラム、各種細胞の計数結果、さらに、「全有核細胞中の死細胞含有率」、「全有核細胞中の死亡単核球含有率」および「全単核球中の死亡単核球含有率」などの算出結果とともに液晶タッチパネル2に出力し、表示するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に関する細胞分析装置の装置構成を示す図である。 本発明の一実施形態に関する細胞分析装置の測定用試料調製部を示す図である。 本発明の一実施形態に関する細胞分析装置の測定部を示す図である。 本発明の一実施形態に関する細胞分析装置のシースフローセル部分を示す図である。 本発明の一実施形態に関する細胞分析装置の制御部と各装置部との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に関する細胞分析装置の全体制御のフローを示す図である。 本発明の一実施形態に関する分析のフローを示す図である。 本発明の一実施形態で得られるスキャッタグラムを示した図である。 本発明の一実施形態の測定例1で得られるスキャッタグラムを示した図である。 本発明の一実施形態の測定例2で得られるスキャッタグラムを示した図である。 本発明の一実施形態の測定例3で得られるスキャッタグラムを示した図である。
符号の説明
1 細胞分析装置
2 液晶タッチパネル
3 測定用試料調製部カバー
4 スタートスイッチ
5 制御部
6 測定用試料調製部
7 測定部
8 検体セット部
9 試薬セット部
10染色部
11分注装置
12送液装置
19シースフローセル

Claims (17)

  1. 検体に細胞内物質を染色する色素による染色処理を施して測定用試料を調製する測定用試料調製部と、
    測定用試料中の各細胞から散乱光および蛍光を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した散乱光および蛍光に基づいて、幹細胞の生細胞およびリンパ球の生細胞を単核球の生細胞として検出し、検出した単核球の生細胞を計数する分析部とを備えた細胞分析装置。
  2. 前記細胞内物質を染色する色素が核酸染色色素である請求項1に記載の細胞分析装置。
  3. 前記染色処理は、細胞内物質を染色する色素のみを用いて抗原抗体反応を用いることなく実施される請求項1又は2に記載の細胞分析装置。
  4. 前記検出部が検出する蛍光は一種類の蛍光である請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
  5. 前記分析部は、散乱光の強度および蛍光の強度に基づいて二次元分布図を作成し、二次元分布図に基づいて単核球の生細胞を検出する請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
  6. 前記分析部は、前記検出部が検出した散乱光および蛍光に基づいて、さらに、単核球の死細胞を検出する請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
  7. 前記分析部は、前記二次元分布図に基づいて、さらに、単核球の死細胞を検出する請求項に記載の細胞分析装置。
  8. 前記分析部は、さらに、検出した単核球の死細胞を計数する請求項6又は請求項7に記載の細胞分析装置。
  9. 前記分析部は、単核球の生細胞および単核球の死細胞の計数結果に基づいて単核球の死亡率又は生存率を算出する請求項8に記載の細胞分析装置。
  10. 前記分析部は、前記検出部が検出した散乱光および蛍光に基づいて、さらに、単核球の死細胞、顆粒球の生細胞、顆粒球の死細胞、赤血球および血小板の中から少なくとも一種類の細胞を検出し、検出した細胞を計数する請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
  11. 前記分析部は、顆粒球の生細胞および顆粒球の死細胞を検出し、検出した細胞を計数し、さらに、その計数結果に基づいて顆粒球の死亡率又は生存率を算出する請求項10に記載の細胞分析装置。
  12. 前記分析部は、単核球の生細胞、単核球の死細胞、顆粒球の生細胞および顆粒球の死細胞を検出し、検出した細胞を計数し、さらに、その計数結果に基づいて、単核球と顆粒球の総数に対する、単核球の死細胞と顆粒球の死細胞の総数の割合を算出する請求項10に記載の細胞分析装置。
  13. 前記分析部は、赤血球を検出し、検出した細胞を計数し、さらに、その計数結果に基づいて、ヘマトクリットを算出する請求項10に記載の細胞分析装置。
  14. 前記分析部は、さらに、前記検出部が検出した散乱光および蛍光に基づいて検体に含まれる細胞の総数を計数する請求項1〜13のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
  15. 前記分析部は、計数された細胞の総数に対する、計数された各細胞のうち少なくとも一種類の細胞の数の割合を算出する請求項14に記載の細胞分析装置。
  16. 前記分析部は、各計数結果又は各算出結果に基づいて、前記検体が細胞治療に有効か否かを判別する請求項1〜15のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
  17. 検体に細胞内物質を染色する色素による染色処理を施して測定用試料を調製する測定用試料調製工程と、
    測定用試料中の各細胞から散乱光および蛍光を検出する光検出工程と、
    前記光検出工程で検出した散乱光および蛍光に基づいて、幹細胞の生細胞およびリンパ球の生細胞を単核球の生細胞として検出する細胞検出工程と、
    前記細胞検出工程で検出した単核球の生細胞を計数する計数工程からなる細胞分析方法。
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