JP2006330001A - 尿中赤血球の鑑別装置および方法 - Google Patents

尿中赤血球の鑑別装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 尿中の赤血球の由来を精度良く鑑別する。
【解決手段】 尿試料をシース液に包んで尿試料流を形成するシースフローセルと、尿試料流に光を照射する光照射手段と、尿試料流中の各粒子が放出する光信号を検出する光検出手段と、検出した光信号に基づいて尿試料流中の粒子から赤血球を同定する同定手段とによって同定された赤血球の粒度分布に、赤血球の形態を保持している赤血球が残っていないのかを監視することにより赤血球の由来を精度良く鑑別する鑑別装置および方法を提供する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、尿中に含まれる粒子の分析をする装置および方法に関し、さらに詳しくは、尿中に含まれる赤血球の由来および種類を鑑別する装置および方法に関する。
尿中に赤血球が混じる血尿の原因としては2通りある。それは腎糸球体由来の血尿は腎炎などの内科的疾患によって起こり、非糸球体由来の血尿は膀胱癌、腎癌、尿路結石などの泌尿器科的疾患によって起こる。血尿の場合にはその原因を追求しなければならない。尿中赤血球を腎糸球体由来(内科的疾患)か非糸球体由来(泌尿器科疾患)かを鑑別する方法として、(a)顕微鏡を用いて赤血球の形態の違いを鑑別するという方法と(b)自動血球計数装置を用いて赤血球の大きさの違いにより鑑別する方法が従来から知られている。
しかし、(a)の方法には、検査のための作業が煩雑であり時間がかかるという問題や、人間の目視判定に基づくため信頼性を維持することが難しく熟練をようするなどの問題がある。(b)の方法には、尿試料の電気伝導度を一定にして測定する必要があるため予め遠心分離などの前処理を必要とする問題や、細菌や結晶成分などの赤血球以外のものを赤血球と誤検出し判定精度を低下させるという問題がある。
上記の課題を解決するために、(c)フローサイトメータから得られる粒子の散乱光や蛍光強度信号の光信号を処理することにより、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱および細菌を弁別して、弁別された赤血球の粒度分布の偏り状態に基づいて尿中の赤血球を鑑別する装置が新たに知られている。(特許文献1)
これは、糸球体由来の赤血球が非糸球体由来のものに比べて一般的に粒度が小さいという特徴を利用し、粒度分布が粒度の小さい方に偏ったものを糸球体由来型、大きい方に偏ったものを非糸球体由来型と分類する装置である。
具体的には赤血球粒度分布において、粒度下限値La,上限値をLz,設定値をL1とL2(La<L1<L2<Lz)とするとき、LaとLzとの間に属する赤血球数Razと、LaとL2との間に属する赤血球数Ra2と、L1とLzとの間に属する赤血球数R1zを算出する。そしてRa2/Razが第1所定値より以上であれば赤血球を糸球体由来型と判定し、Ra2/Razが第2所定値以上であれば赤血球を非糸球体由来型と判定する。また、いずれでもない場合には両者の混合型と判定し、いずれも満たす場合は非糸球体由来型と判定するとされている。
特開平8−240520号公報
従来法(c)の判定は、非糸球体由来の赤血球粒度分布はピークが大きなサイズの方にあり、糸球体由来の赤血球粒度分布はピークが小さいサイズの方にあるが、両者間にはサイズの重なる部分(オーバーラップ)が存在することより考案された方法である。即ち、サイズの重なる部分を含めたある大きさ以上の赤血球の比率により非糸球体由来赤血球を捉え、サイズの重なる部分を含めたある大きさ以下の赤血球の比率により糸球体由来赤血球を捉えて、赤血球の由来を判定する方法である。
しかし、この判定を実際に検査室で用いても鏡検の観察等とあまり合致しないことがしばしば見受けられた。その原因としては、この判定が非糸球体由来赤血球は血液中と同じような形態を保持していると仮定し、赤血球の信号が小さなサイズであれば糸球体由来赤血球であると判定していた。しかし、赤血球は尿中でダメージを受けて信号のサイズが小さくなってしまうことがある。このダメージと酸性尿や低張尿などでは、膀胱内滞留中や利尿後尿試料中で起こる赤血球のダメージを指す。尚、糸球体由来型とは変形赤血球の比率が多い尿を指し、変形赤血球とは腎臓の糸球体を通過することによって、特徴的な形態となった赤血球を指し、酸性尿や低張尿などでダメージを受けた赤血球とは形態が異なる。即ち、従来法で鑑別できるのは赤血球が尿中でダメージを受けていない条件下に限られてしまう。
この発明は、酸性尿や低張尿でも尿中の赤血球の由来および種類を精度よく判定できる装置および方法を提供するものである。
この発明は尿試料をシース液に包んで尿試料流を形成するシースフローセルと、尿試料流に光を照射する光照射手段と、尿試料流中の各粒子が放出する光信号を検出する光検出手段と、検出した光信号に基づいて尿試料流中の粒子から赤血球を同定する同定手段と、同定した赤血球の粒度分布図を作成する粒度分布作成手段と、粒度分布の小さいほうからの累積赤血球数が総赤血球数の可過半数である所定値となる赤血球の大きさの値に基づいて赤血球の由来を判定する判定手段と、判定結果を出力する出力手段を備えてなる尿中赤血球の鑑別装置およびその方法によって、前記の課題の解決を提供するものである。
この発明は、酸性尿や低張尿などで赤血球がダメージを受けることがあっても尿中の赤血球の形態を監視し、赤血球の由来および種類を精度よく判定することができる。
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明が限定されるものではない。
この発明における尿試料とは、例えば、原尿あるいは尿を希釈液で希釈したのち蛍光染料を加えて染色したものである。
また、尿試料流を形成するシースフローセルとは、尿試料をシース液で包んで流すことにより流体力学効果によって細い試料流を形成させることのできるフローセルであり、これには、従来公知のものを用いることができる。
尿試料流に光を照射する光照射手段とは、尿試料流に連続的に光を照射する手段であり、これには、例えば、レーザ、ハロゲンランプ又はタングステンランプのような光源をもちいることができる。
尿試料流の各粒子とは、尿に含まれる有形成分、つまり、赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、酵母様真菌および精子などである。粒子が放出する光の強度を検出する光検出手段には、例えば、散乱光の強度を検出する光検出手段として、フォトダイオードやフォトトランジスタを、蛍光の強度を検出する光検出手段として、フォトマルチプライヤを用いることができる。
また、尿試料流中の粒子から赤血球を同定する同定手段とは、例えば、各粒子から検出された散乱光強度と蛍光強度をパラメータとして2次元スキャッタグラム(分布図)を作成し、所定の分布領域内に分布する粒子を赤血球として判定するものである。
つまり、尿試料中の粒子は、その散乱光強度と蛍光強度について、表1と図3に示すような特徴を有することが既知であるので、スキャッタグラム上において、散乱光強度40〜140ch、蛍光20〜30chの領域に含まれるものは赤血球であると同定できる。このchは散乱光強度の相対度数を表わし、100chが赤血球サイズに換算すると約5μmに相当した。なお、赤血球の同定方法は、これに限定されるものではない。
Figure 2006330001
同定した赤血球の光信号強度に基づいて赤血球の粒度分布を作成する粒度分布作成手段とは、一般に散乱光強度、特に前方散乱光度が粒子の断面積(粒径)に対応する性質を有するため、散乱光強度をパラメータとするヒストグラムを粒度分布図として作成するようにしたものである。側方散乱光強度の場合、赤血球の形状あるいは表面状態の影響を受けやすいが、前方散乱光の代りに用いることも可能である。
粒度分布の小さいほうからの累積赤血球数が総赤血球数の可過半数である所定値となる赤血球の大きさの値に基づいて赤血球の由来を判定するとは、赤血球粒度分布の中央値(メディイアン)より大きい方に所定の値に設定された粒度分布位置の赤血球の大きさの値に基づいて、尿中の赤血球の発生源が糸球体由来か非糸球体由来かを判定することである。
この判定は、尿中の赤血球のダメージは膀胱滞留などで起こるため、赤血球によってダメージを受ける条件は異なり、赤血球の膜抵抗性自体も赤血球によって異なるため、赤血球によってはもとの形態もしくはもとに近い形態を保持しているものが残っていることに注目したものである。つまり、赤血球粒度分布の中央値(メディアン)より大きい方に設定された所定のところの赤血球の大きさの値をみることにより、形態を保持している赤血球が残っていないのかを監視する。これは、この赤血球の大きさの値が所定値より大きければ、形態を保持している赤血球が残ってるので非糸球体由来型であることを判定する。逆にこの赤血球の大きさが小さければ、形態を保持している赤血球が残っていないので非糸球体由来型であることを判定するものである。またこの赤血球の大きさの設定値を2つ設け、その間であればどちらの型とも判定されない混合型と判定することもできる。
具体的には、所定値A%(50<A<100)を設定し、赤血球粒度分布の小さいほうからの累積赤血球数が総赤血球数のA%となる個所を演算して、その位置での赤血球の大きさXchを演算する。そして赤血球の大きさの設定値Qchを設けて、X<Qであれば糸球体由来型と判定し、X≧Qであれば非糸球体由来型と判定して、判定結果を表示する。さらに第1設定値Q1chと第2設定値Q2chを設定し(Q1<Q2)、X<Q1であれば糸球体由来型と推定し、X≧Q2であれば非糸球体由来型と推定し、Q1≦X<Q2であれば糸球体由来と非糸球体由来のどちらにも推定されない混合型と判定することができる。
[赤血球鑑別装置の構成]
図1はこの発明の尿中赤血球鑑別装置であるフローサイトメータの光学系の構成を示す構成図である。図1において、シースフローセル1は、予め蛍光染色処理された尿試料をサンプルノズル2よりシース液に包んで尿試料流を形成する。アルゴンレーザ光3が尿試料流の粒子4を照射する。尿試料流を直接透過する光はビームストッパ5で遮断され、粒子4が放出する前方散乱光および前方蛍光はコレクターレンズ6で集光され、前方散乱光はダイクロイックフィルター7で反射されてフォトダイオード8により検出される。一方、前方蛍光はダイクロイックフィルター7を通過してフォトマル9により検出される。フォトダイオード8およびフォトマル9の検出信号はそれぞれ信号処理装置10に入力される。
このような構成による基本動作を図2のフローチャートを用いて説明する。まず尿を希釈液で希釈したのち染色液を加えて作成した尿試料をサンプルノズル2より、シース液と共にシースフローセル1に供給し尿試料流を形成する(ステップ1)。それと同時にアルゴンレーザ光3を尿試料流に照射し、各粒子4が発する前方散乱光と前方蛍光をそれぞれフォトダイオード8とフォトマルチプライヤ9で検出し、検出した前方散乱光強度と前方蛍光強度を信号処理装置10に格納する(ステップ2)。
次に、信号処理装置10は、前方蛍光強度と前方散乱光強度とをパラメータとする2次元スキャッタグラムを作成して表示する(ステップ3)。図3は本装置の「蛍光一散乱光」強度の2次元分布図(スキャッタグラム)の例を示す。FSCは前方散乱光強度で細胞の断面積を、FLは蛍光の染色強度を表わす。核染色ではDNA、RNAの量を反映する。染色は核染色のみでは結晶と核を持たない物と赤血球を区別できないので膜染色も同時に行っている。このようにして粒子の大きさと蛍光強度より赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、真菌、円柱、結晶成分を明確に分けることが可能であり、各々の数を測定できる(ステップ4)。
次に同定された赤血球の粒度分布図、ここでは前方散乱光強度をパラメータとするヒストグラムが作成される(ステップ5)。前方散乱光強度について、赤血球の大きさの値に対する第1設定値Q1ch、第2設定値Q2chおよび赤血球の大きさの幅に対する第3設定値Wchを設定する(ステップ6)。赤血球粒度分布の大きさが小さい方からの赤血球累積数が赤血球総数のA%(50<A≦100)となるところの赤血球の大きさXchと、粒度分布の中央に赤血球総数のB%となる領域の赤血球の大きさの幅Ychとが、それぞれ算出される(ステップ7)。
次に設定値Q1ch、Q2ch、Wchが設定されるとLA<Q1の場合には赤血球は糸球体由来型、Q1≦X<Q2の場合には赤血球は非糸球体由来と糸球体由来の混合型、Q2≦XかつY<Wの場合には赤血球は非糸球体由来型、Q2≦XかつW<Yの場合には赤血球は非糸球体由来と糸球体由来の混合型、と判定され、判定結果が表示される(ステップ8)。
鑑別の試料としては、病院の検査室にて糸球体由来型、非糸球体由来型および混合型の当日尿66検体を上記の装置にて測定した。鑑別結果の対照としては、レーザ顕微鏡を用い、変形赤血球が70%以上含まれている尿を糸球体由来型、変形赤血球が30%以上70%未満含まれている尿を混合型、変形赤血球が30%未満しか含まれていない尿を非糸球体由来型と分類した。
まず、従来法にてこの試料の赤血球鑑別を行なってみた。設定条件としては、実施例にあげられている設定値である、L1を84ch、L2を126chとして、Ra2/Raz≧0.8以上であれば糸球体由来型、Ra1/Raz≧0.8以上であれば非糸球体由来型と判定し、いずれでもない場合は混合型、いずれも満たす場合は非糸球体由来型と判定するようにした結果を表2に示す。鏡検による非糸球体由来型と判定された34検体のうち、14検体を糸球体由来型と従来法では誤判定してしまう。
Figure 2006330001
実施例1
粒度分布の中心より大きい方に設定された所定の粒度分布値が、大きさの保持された非糸球体由来赤血球の存在を反映するように、赤血球粒度分布の大きさが小さい方からの赤血球累積数が赤血球総数A%となる位置とする。Aの値については、Aが50%に近い値では粒度の中心と同様な値となりダメージを受けた赤血球の影響を受けやすく、100%に近い値では極少数の非糸球体由来赤血球の影響を受けるため精度が出にくく、Aは60〜90%が好ましい。Aの値を70%と設定して、その粒度分布値の赤血球の大きさXchを表わしたのが図4である。
糸球体由来型と判定する第1設定値Q1を80chとし、非糸球体由来型と判定する第2設定値Q2を100chとして、その間を混合型と判定した結果が表3である。従来法では非糸球体由来型34検体のうち14検体をも糸球体由来型と誤判定していたが、本判定では糸球体由来型と誤判定したものは4検体と大幅な改善がみられた。
Figure 2006330001
図5は本装置の分析による非糸球体由来型の典型的な粒度分布を示す。この検体は非糸球体由来赤血球が尿中でダメージを受けておらず、その分布の中心が大きなサイズの方にあり、分布幅も狭い粒度分布となる。このような検体は粒度分布が大きいサイズに偏っているので従来法でRa2/Raz=0.07、Ra1/Raz=0.99で非糸球体由来型と正しく判定される。本法でもX=148chで非糸球体由来型と正しく判定される。
図6は本装置の分析による糸球体由来型の典型的な粒度分布を示す。この分布の中心が小さいサイズの方にあり、分布幅が広い粒度分布となる。このような検体は粒度分布が小さいサイズに偏っているので従来法でRa2/Raz=0.97、Ra1/Raz=0.14で糸球体由来型と正しく判定される。本法でもX=61chで糸球体由来型と正しく判定される。
図7は本装置の分析による尿中でダメージを受けた非糸球体由来型の粒度分布の例を示す。この検体は粒度分布分布は全体的に小さいサイズの方にシフトした例である。このような検体は粒度分布は小さいサイズに偏っているため従来法ではRa2/Raz=0.92、Ra1/Raz=0.70で糸球体由来型と誤判定してしまう。しかしある程度形態を保持した赤血球が残っているので本法ではX=113chで非糸球体由来型と正しく判定される。
図8は本装置の分析による尿中でダメージを受けた非糸球体由来型の別の粒度分布例を示す。この検体はダメージを大きく受けた度合いが赤血球によって異なり2つのピークができた例である。従来法ではこのような検体は粒度分布が小さいサイズの方に偏っているためRa2/Raz=0.89、Ra1/Raz=0.44と糸球体由来型赤血球と判定してしまう。しかしある程度形態を保持した赤血球が残っているので本法ではX=103chで糸球体由来型と正しく判定される。
実施例2
赤血球の種類を判定するため、赤血球の粒度分布の幅情報として、粒度分布の中央に赤血球累積数が総赤血球数のB%となる領域を設定し、その領域の赤血球の大きさの分布幅Yを判定に用いた。Bの値については、粒度分布全般が反映されるように、50〜90%が好ましい。Bの値を60%と設定して、その粒度分布値の赤血球の分布幅Ychを表わしたのが図10である。
赤血球の種類を判定する設定値Wを40chとして、Y≧40を多彩型、Y<40を単一型と判定した結果が表4である。この判定によって、赤血球が糸球体由来もしくは非糸球体由来かの単一型かどちらの由来とも判定されない混合型である多彩型かを判定することができる。非糸球体由来型の検体で多彩型と判定されているのは、非糸球体由来赤血球であるが、ダメージを受けて形態を保持していない状態にあることを示す。
Figure 2006330001
実施例3
さらにこの粒度分布の幅Yと大きさXを組み合わせることにより、赤血球の形態を反映した情報により由来および種類をより精度良く判定することができる。この赤血球の分布幅Ychと実施例1の赤血球の大きさXchとをプロットしたのが図10である。具体的には、赤血球の大きさXchがX≧100chである非糸球体由来型の領域を、赤血球の幅Ychにて、Y<50chであれば単一型である非糸球体由来型、これはダメージをあまり受けず形態が保持されている非糸球体由来赤血球の単一な型と判定し、Y≧50chであれば多彩型である混合型、ダメージをうけた赤血球が含まれる混合型と判定することができる。尚、図8の検体は赤血球の幅Yが68chのため、多彩型である混合型と判定される。このようにして判定した結果を表5に示す。
Figure 2006330001
臨床的な運用としては、X≧Q2かつY<Wとなる領域に現れる検体は形態を保持した非糸球体由来型と判定し、それ以外の領域に現れる検体を形態の保持されていない検体として、レーザ顕微鏡で赤血球の形態を調べるようにすれば、効率的かつ精密に検査を行うことができる。
実施例4
また、この分布幅Yと赤血球の由来との関係に注目してみると、この分布幅Yの値だけでも赤血球の由来を判定することができる。単一型と判定された検体をさらに調べてみると非糸球体由来型は糸球体由来型よりもこの分布幅Yの値が小さい。具体的には赤血球の由来を判定するための設定値として、第1設定値W1を40ch、第2設定値W2を32chとして、Y≧W1を混合型、W1>Y≧W2を糸球体由来型、W2>Yを非糸球体由来型と分類することができる。その結果を表わしたものが表6である。
Figure 2006330001
尚、鏡検での判定基準については現状統一されていなく、由来型を判定する変形赤血球の比率もまちまちである。よって、この判定方法も目的とする感度に合わせ判定値を変えて運用してゆくことができる。
実施例の装置の光学系を示す構成説明図。 実施例の装置の基本動作を示すフローチャート。 実施例の装置の「蛍光―散乱光」強度のスキャッタグラムの例。 実施例の判定パラメータである赤血球の大きさXの説明図。 実施例の装置による赤血球粒度分布例 実施例の装置による赤血球粒度分布例 実施例の装置による赤血球粒度分布例 実施例の装置による赤血球粒度分布例 実施例の判定パラメータである赤血球の幅Yの説明図。 実施例の判定パラメータである赤血球の大きさXと赤血球の幅Yをプロットしたグラフ。
符号の説明
1 シースフローセル
2 サンプルノズル
3 アルゴンレーザー光
4 粒子
5 ビームストッパー
6 コレクターレンズ
7 ダイクロックフィルター
8 フォトダイオード
9 フォトマル
10 信号処理装置
11 赤血球出現領域
12 細菌出現領域
13 酵母様真菌・精子出現領域
14 白血球出現領域

Claims (7)

  1. 尿試料をシース液に包んで尿試料流を形成するシースフローセルと、
    尿試料流に光を照射する光照射手段と、
    尿試料流中の各粒子が放出する光信号を検出する光検出手段と、
    検出した光信号に基づいて尿試料流中の粒子から赤血球を同定する同定手段と、
    同定した赤血球の粒度分布図を作成する粒度分布作成手段と、
    粒度分布の小さいほうからの累積赤血球数が総赤血球数の過半数である所定値となる赤血球の大きさの値に基づいて赤血球の由来を判定する判定手段と、
    判定結果を出力する出力手段を備えてなる尿中赤血球の鑑別装置。
  2. 前記判定手段は、赤血球の大きさの設定値と、前記赤血球の大きさの値とを比較して、赤血球の由来を判定する請求項1記載の尿中赤血球の鑑別装置。
  3. 前記判定手段は、赤血球の大きさXと設定値Qとの関係が、X<Qである場合には糸球体由来と判定し、X≧Qである場合には非糸球体由来と判定する請求項2記載の尿中赤血球の鑑別装置。
  4. 前記判定手段は、赤血球の大きさXと第1設定値Q1又は第2設定値Q2との関係が、X<Q1である場合には糸球体由来と判定し、X≧Q2である場合には非糸球体由来と判定し、Q1≦X<Q2である場合には糸球体由来と非糸球体由来の混合と判定する請求項2記載の尿中赤血球の鑑別装置。
  5. 判定手段として、粒度分布の小さいほうからの累積赤血球数が総赤血球数の過半数である所定値となる赤血球の大きさの値と、赤血球粒度分布の中央部領域分布幅の値に基づいて赤血球の由来及び種類を判定する判定手段を備えてなる請求項1乃至4のいずれかに記載の尿中赤血球の鑑別装置。
  6. 尿試料をシースフローセル内でシース液に包んで尿試料流を形成し、
    光照射手段により尿試料に光を照射し、
    尿試料流中の各粒子が放出する光信号を光検出手段により検出し、
    検出した光信号に基づいて同定手段により尿試料流中の粒子から赤血球を同定し、
    粒度分布作成手段により同定された赤血球の粒度分布図を作成し、
    粒度分布の小さいほうからの累積赤血球数が総赤血球数の過半数である所定値となる赤血球の大きさの値に基づいて赤血球の由来を判定する尿中赤血球の鑑別方法。
  7. 判定手段として、粒度分布の小さいほうからの累積赤血球数が総赤血球数の過半数である所定値となる赤血球の大きさの値と、赤血球粒度分布の中央部領域分布幅の値に基づいて赤血球の由来及び種類を判定する請求項6記載の尿中赤血球の鑑別方法。
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