JP4509289B2 - ダンボール製パレット及び該パレットの製造方法 - Google Patents

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【発明の属する技術分野】
本発明は、重量が軽く取り扱い性に優れ、回収やリサイクルが容易で地球環境的に優しいダンボール製パレット及び該パレットの製造方法に関するものである。
【従来の技術】
従来、各種荷物を載置し、図10に示すようなフォークリフト100の爪101を挿入して各種荷物を運搬するパレットとして、図11に示すような木材又は合成樹脂材等を使用したパレット110が知られている。
しかし、このような従来のパレット110は、その材質として木材、合成樹脂材等を使用しているため、重量が重く取り扱いが不便であり、また、回収やリサイクルが容易ではなく、環境保護が謳われている昨今では地球環境的に良好なものではなかった。
また、上記木材、合成樹脂材のパレットの問題点を解消するために、従来、パレット110自体をダンボール材で形成するようにしたダンボール製パレットも存在するが、強度的な面で不十分なものであった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の事情に鑑みて開発されたものであり、重量が軽く取り扱い性に優れ、回収やリサイクルが容易で地球環境的に優しい紙製ダンボール材からなるパレット及び該パレットの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のパレットは、一辺側に間隔をおいて任意個数の脚片を突出させると共に、この脚片とは反対側の他辺側に埋め込み凹部を設けた強化ダンボールからなる複数個の脚部と、前記複数個の各脚部と直交する配置で前記脚部の各埋め込み凹部に凹状の各嵌め込み部を嵌め込み結合し、前記脚部と直交する方向の両端部を両端の脚部の外方へ突出させるとともに、前記複数個の各脚部の他辺端面と共に平坦部を形成する強化ダンボールからなる複数個の中板部と、前記複数個の脚部及び中板部が形成する平坦部に固着され、前記脚部と直交する方向の両端部を前記中板部と同様に両端の脚部の外方へ突出させた強化ダンボールからなる矩形状の天板と、を有することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパレットにおいて、前記各同一脚部の各脚片の夫々の突出端面側に、強化ダンボールからなる平坦状の補強板を接着剤を用いて固着し付加する構造としたことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のパレットにおいて、前記強化ダンボールが、紙製の表層と裏層との間にサンドイッチ状に挟まれた紙製の波層内部材からなり、これを単一層とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のパレットにおいて、前記強化ダンボールが、1又は2以上の複数層、或いは1又は2以上の複数層の混在したものである。
請求項1乃至4記載の各本発明によれば、重量が軽く取り扱い性に優れ、回収やリサイクルが容易で地球環境的に優しく、更に、荷物等の積載面積も大きいパレットを実現することができる。
請求項5記載の発明のパレットの製造方法は、一辺側に間隔をおいて任意個数の脚片が突出すると共に、この脚片とは反対側の他辺側に埋め込み凹部を設けた強化ダンボールからなる複数個の脚部を形成する工程と、前記脚部の埋め込み凹部への嵌め込み部を有し平坦形状の強化ダンボールからなる複数個の中板部を、前記複数個の脚部と直交する配置で前記脚部の各埋め込み凹部に嵌め込み、前記脚部と直交する方向の両端部を両端の脚部の外方へ突出させるとともに、複数個の脚部の他辺端面と共に平坦部を形成する工程と、前記複数個の脚部及び中板部が形成する平坦部に、強化ダンボールからなる矩形状の天板を固着し、前記脚部と直交する方向の両端部を前記中板部と同様に両端の脚部の外方へ突出させる工程と、を有することを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のパレットの製造方法において、前記強化ダンボールは、紙製の表層と裏層との間にサンドイッチ状に挟まれた紙製の波層内部材からなり、これを単一層とするものである。
請求項7記載の発明は、前記請求項5又は6記載のパレットの製造方法において、前記強化ダンボールは、1又は2以上の複数層、或いは1又は2以上の複数層の混在したものである。
請求項5乃至7記載の各発明によれば、前記請求項1乃至4記載の各発明の効果を奏するパレットを簡略な製造工程で容易に得ることができる製造方法を実現できる。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1乃至図4は、本発明の実施の形態のパレット1及びその構成要素である脚部10、中板部20、矩形状の天板30を示すものである。
図1に示すパレット1は、一辺側に間隔をおいて例えば3個の脚片11を突出させると共に、この脚片11とは反対側の他辺側に、埋め込み凹部13を例えば3箇所設けた強化ダンボールからなり(例えば3個の)平面形状が図2に示すような脚部10と、この各脚部10と直交する配置で、前記各埋め込み凹部13に嵌め込み部21を嵌め込み、各脚部10の他辺端面と共に平坦部を形成する強化ダンボールからなる例えば3個の略長方形状の平面形状が図3に示すような中板部20と、前記3個の脚部10及び3個の中板部20が形成する平坦部に接着剤で固着された強化ダンボールからなる平面形状が図4に示すような矩形状の天板30とを有している。
前記3個の中板部20及び矩形状の天板30は、前記脚部10と直交する方向の両端部20a、30aが、各々両端(両側)に位置する各脚部10、10の外方へ突出する構造となっている。
前記脚部10、中板部20又は天板30を形成する強化ダンボールの素材50としては、図9に示すように、紙製の表裏両層51、52の間にサンドイッチ状に挟まれた紙製内部材53の波層を一層としたもの(図9上欄)、内部材53の波層を二層としたもの(図9中欄)、内部材53の波層を三層としたもの(図9下欄)等種々の形態のものを使用できる。
次に、本実施の形態のパレット1の製造工程について図1乃至図7を参照して説明する。
まず、強化ダンボールの素材50を用意し、図示していないがコンピュータ制御のカッタ装置又はプレス(裁断機)で、この素材50をパレット1を構成する図2に示すような形状に裁断し、これを脚部10とし、この脚部10を例えば3個用意する。脚部10は、一辺側に間隔をおいて例えば3個の脚片11が突出すると共に、この脚片11とは反対側の他辺側に例えば3個の埋め込み凹部13を設けた形状としている。
次に、強化ダンボールの素材50を用意し、例えばダンボール用のプレス機又は自動切断加工機等で打ち抜き、図3に示すような形状に加工してこれを中板部20とし、この中板部20を例えば3個用意する。
この中板部20は、前記脚部10の埋め込み凹部13への嵌め込み部21を有し全体として平坦形状に形成されている。
更に、強化ダンボールの素材50を用意し、例えばダンボール用のプレス機で打ち抜き、図4に示すような矩形状に加工してこれを天板30とする。
このようにして、各脚部10、各中板部20及び天板30を用意した後、図5、図6に示すように、前記3個の中板部20を、前記各脚部10と直交する配置とし、各接合面を接着剤を用いて固着しながら前記各々嵌め込み部21を前記各埋め込み凹部13に各々嵌め込み、3個の中板部20により3個の脚部10の他辺端面と共に前記脚片11とは反対側に天板30を固着するための平坦部(平坦面)を形成する。
前記各脚部10及び各中板部20が形成する平坦部に、強化ダンボールからなる矩形状の天板30を接着剤を用いて固着し、図1に示すパレット1を製造するものである。
このような構成の本実施の形態のパレット1は、前記各脚部10、各中板部20及び天板30として強化ダンボールを使用したことと、これらの組み合わせ構造により、左右方向、横方向からの外力に対して従来製品と比較して強度が飛躍的に向上しており、また、約20トン位までの重量に耐えられることが確かめられた。
また、脚部10と直交する各中板部20の左右端20aは、脚部10よりも各々外側に表出していて、この中板部20の左右端20aに対応して天板30の左右の端部30aも外側に出ていることから、天板30上への荷物等の積載面積を多く取ることができる。
また、前記各脚部10、各中板20の配置数、サイズは、各々耐荷重設計値により自在に変更できることは勿論である。
更に、載置荷物の重量の違い、種類により、その耐荷重度から、強化ダンボールからなる素材50を1枚でパレット1を構成する他、2枚、3枚、4枚等と何枚でも積層してパレット1を構成することが可能である。また、1種類のパレットを形成する場合にも、複数種類の素材50を用いて構成できることは勿論である
た、パレット1におけるフォークリフト100の爪101が当たる部分にはその強度性を持たせるために前記素材50を複数積層して用い、他の部分でそれほど強度の必要でないような部分には前記素材50を単体で用いるという構造を採用しても良い。
更に、図8に示すように、パレット1の各脚部10の各脚片11の突出端面側に素材50からなる補強板60(図8中の点線で示す)を接着剤を用いて固着し付加する構造とすることも可能である。
本実施の形態に係るパレット1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施の形態のパレット1は、従来の木製、合成樹脂製のパレットと比較して製造コストが安価である。
本実施の形態のパレット1は、軽量であり、取り扱い性に優れる。
本実施の形態のパレット1は水分に濡れない限り再使用可能である。
本実施の形態のパレット1は破損等で使用できなくなった場合、通常のダンボール製の箱類と同じような手段で簡単に回収し、リサイクルでき、資源の再活用が可能で地球環境的に良好である。
また、本実施の形態の製造方法によれば、上記効果を奏するパレット1を簡略な製造工程で容易に得ることができる。
なお、パレット1の製造に使用する紙製ダンボールの種類は、強化ダンボールの他、通常のダンボールを使用することもできる。
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、重量が軽く取り扱い性に優れ、重量物用のパレットとしての耐圧強度もあり、木製パレット或いは樹脂製パレットの代替品として十分対応でき、しかも、回収やリサイクルが容易で地球環境的に優しく、更に、本パレット自体が軽量であることから結果的に荷物等の積載重量の軽減に寄与し、運送費の削減に寄与するところ大であるパレットを提供することができる。
また、本発明によれば、上記効果を奏するパレットを簡略な製造工程で容易に得ることができる製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のパレットを示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態のパレットの脚部を示す平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態のパレットの中板部を示す平面図である。
【図4】 本発明の実施の形態のパレットの天板を示す平面図である。
【図5】 本発明の実施の形態のパレットの製造工程を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態のパレットの製造工程を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態のパレットの製造工程を示す図である。
【図8】 本発明の異なる実施の形態のパレットを示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態のパレットを構成する強化ダンボールの構造例を示す説明図である。
【図10】 フォークリフトの外観を示す斜視図である。
【図11】 従来のパレットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パレット
10 脚部
11 脚片
13 埋め込み凹部
20 中板部
20a 中板部の左右の端部
21 嵌め込み部
30 天板
30a 中板部の左右端に対応する天板の左右の端部
50 素材
51 表層
52 裏層
53 内部材
60 補強板

Claims (7)

  1. 一辺側に間隔をおいて任意個数の脚片を突出させると共に、この脚片とは反対側の他辺側に埋め込み凹部を設けた強化ダンボールからなる複数個の脚部と、
    前記複数個の各脚部と直交する配置で前記脚部の各埋め込み凹部に凹状の各嵌め込み部を嵌め込み結合し、前記脚部と直交する方向の両端部を両端の脚部の外方へ突出させるとともに、前記複数個の各脚部の他辺端面と共に平坦部を形成する強化ダンボールからなる複数個の中板部と、
    前記複数個の脚部及び中板部が形成する平坦部に固着され、前記脚部と直交する方向の両端部を前記中板部と同様に両端の脚部の外方へ突出させた強化ダンボールからなる矩形状の天板と、
    を有することを特徴とするパレット。
  2. 前記各同一脚部の各脚片の夫々の突出端面側には、強化ダンボールからなる平坦状の補強板を接着剤を用いて固着し付加する構造としたことを特徴とする請求項1記載のパレット。
  3. 前記強化ダンボールは、紙製の表層と裏層との間にサンドイッチ状に挟まれた紙製の波層内部材からなり、これを単一層とするものである請求項1又は2記載のパレット。
  4. 前記強化ダンボールは、1又は2以上の複数層、或いは1又は2以上の複数層の混在したものである請求項1乃至3のいずれかに記載のパレット。
  5. 一辺側に間隔をおいて任意個数の脚片が突出すると共に、この脚片とは反対側の他辺側に埋め込み凹部を設けた強化ダンボールからなる複数個の脚部を形成する工程と、
    前記脚部の埋め込み凹部への嵌め込み部を有し平坦形状の強化ダンボールからなる複数個の中板部を、前記複数個の脚部と直交する配置で前記脚部の各埋め込み凹部に嵌め込み、前記脚部と直交する方向の両端部を両端の脚部の外方へ突出させるとともに、複数個の脚部の他辺端面と共に平坦部を形成する工程と、
    前記複数個の脚部及び中板部が形成する平坦部に、強化ダンボールからなる矩形状の天板を固着し、前記脚部と直交する方向の両端部を前記中板部と同様に両端の脚部の外方へ突出させ
    する工程と、
    を有することを特徴とするパレットの製造方法。
  6. 前記強化ダンボールは、紙製の表層と裏層との間にサンドイッチ状に挟まれた紙製の波層内部材からなり、これを単一層とするものである請求項5記載のパレットの製造方法。
  7. 前記強化ダンボールは、1又は2以上の複数層、或いは1又は2以上の複数層の混在したものである請求項5又は6記載のパレットの製造方法。
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