JP4509240B2 - 車両前部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前部ドア開口部のホイールハウスに沿ったサイドシルアーチ部における車両前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両の中で、特にワンボックスと称されるキャブオーバー型車両においては、運転席が車体の最前部に配置されているため、万一の前面衝突時には衝撃による変形を比較的受け易いものとなっていた。
そのようなことから、乗員の脚部周りにレイアウト状の余裕があれば、第1従来例として示す実開昭63−64580号公報に開示されたもののように、固定フロアに対して、キャブ最前部のガード部材に結合されたスライドフロアを車体の前後方向にスライド可能に構成し、前記固定フロア部に対してスライドフロアを所定以上の衝撃力により剪断される固定部材を介して結合することで、事故による衝突時には、乗員用シートを後方へスライド自在に構成して、事故の衝撃による損傷を免れることができるように構成されたものがある。
また、第2従来例として示す特開平8−295259号公報に開示されたもののように、車体前後方向に配置された左右一対のサイドメンバに直交して交差結合されたクロスメンバよりも前方に延設された前記サイドメンバの延長部に、座屈強度の低い低強度部を形成することにより、許容値を有効に活用して前面衝突時の衝突エネルギーを吸収するように構成されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の車両前部構造にあって、前記第1従来例のものでは、乗員の脚部周りにレイアウト状の余裕がある場合に限られるものであり、また、前記第2従来例のものでは、サイドメンバを前方に延設する必要があって車両長を増大させた。
したがって、特に、車体寸法に多くの制限を伴う軽自動車等の小型キャブオーバー型車両については、これらの技術を適用しにくいものにしていた。
さらに、これらの従来例のものでは、車両の前面衝突時に最も衝撃の影響を受けて変形し易いところの、乗員の脚部周りを画成する前部ドア開口部の下部、すなわちフロントピラー下部からキャブフロアを経てホイールハウスに沿ったサイドシルアーチ部にかけての範囲の構造について何らの工夫がなされていないために、キャブフロアやサイドメンバーに折角の改良を加えても、車両の前面衝突時には、前記乗員の脚部周りを画成する部分の無秩序な変形を招き易く、これによって脚部の損傷を受ける虞れが残った。
【0004】
そこで、本発明では、前記従来の車両前部構造の諸課題を解決して、万一の前面衝突時にも、乗員の脚部周りを画成する部分の安定した変形を促進して変形後の乗員の脚部周りのスペースを確保するとともに、通常の乗車時にも昇降がし易い車両前部構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、車体の最前部に配置された乗員の脚部周りを画成する前部ドア開口部のホイールハウスに沿ったサイドシルアーチ部にアーチ状補強部を形成するとともに、前記サイドシルアーチ部の上部と下部に比較的脆弱な部分として、該アーチ状補強部の上部に対応するキャブフロアを膨出させて凸ビードを形成し、該アーチ状補強部の下部に凹ビードを形成したことを特徴とするものである。
また本発明は、前記サイドシルアーチ部の下端後部が車両の前面衝突時にタイヤ前部に当接できるように構成されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするのである。
【0006】
【実施の形態】
以下、本発明における車両前部構造の1実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(A)は本発明の車両前部構造が採用されたキャブオーバ型車両の車体斜視図、図1(B)は図1(A)のB矢視要部拡大図、図2(A)は図1(A)のA−A断面図、図2(B)はキャブフロアを示した図1(A)のB矢視要部拡大図、図3(A)はサイドシルアーチ部の拡大斜視図、図3(B)は図3(A)のD矢視図、図4(A)は前面衝突時のキャビンの変形を説明する全体側面図、図4(B)は図4(A)のC部拡大図である。 図1に示すように、本発明の車両前部構造は、ワンボックスと称されるキャブオーバー型車両に特に採用される。図1(A)(B)に示すように、車体の最前部に配置された乗員の脚部周りを画成する前部ドア開口部1のホイールハウス2に沿ったサイドシルアーチ部3にアーチ状補強部4を形成するとともに、前記サイドシルアーチ部3の上部と下部に比較的脆弱な部分(5、6)として、該アーチ状補強部4の上部に対応するキャブフロア8を膨出させて凸ビード5を形成し、該アーチ状補強部4の下部に凹ビード6を形成したことを特徴とする。
【0007】
図1(A)のA−A断面図である図2(A)に示すように、サイドシルアーチ部3における車体外面側を構成するサイドシル7の縁部に沿って接合されたキャブフロア8の表面側に閉断面状のアーチ状補強部4が形成されて接合される。
このようにして形成されたサイドシルアーチ部3の側面図(B矢視図)が図2(B)であり、キャブフロア8との関連および乗員の脚部が載置されるフロアを介してサイドシルアーチ部3の前方に接続されて車体前部を構成するフロントピラー9との関連を示している。
図3はサイドシルアーチ部3の斜視図であり、前記キャブフロア8の表面側に接合された閉断面状のアーチ状補強部4を示している。
図3(A)に示すように、本発明では、サイドシルアーチ部3の上部と下部に形成される比較的脆弱な部分として、該サイドシルアーチ部3に沿って形成された前記アーチ状補強部4の上部に凸ビード5を形成し、下部に凹ビード6を形成したものである。
【0008】
前記アーチ状補強部4としては、サイドシル7に沿ってキャブフロア8の表面側に接合して形成する他、キャブフロア8自体を曲成して形成したり、適宜の方法が採用され得る。また、凸ビード5は、サイドシルアーチ部3の頂上のやや前方に形成され、図3(A)に示すように、アーチ状補強部4自体をキャブフロア8の表面から上方に立ち上がる凸状に曲成して、該凸ビード5の部分にスポンジ等の詰め物を充填してもよいし、図3(A)のD矢視図である図3(B)に示すように、キャブフロア8における対応部位を膨出させて形成してもよい。
凹ビード6は、サイドシルアーチ部3の下部、すなわち乗員の脚部が載置されるフロア8の床部分近傍に形成されるもので、アーチ状補強部4の補強機能を減ずるようにその高さを減少して形成される。
これによって、図1(B)に示すように、凹ビード6の分だけ昇降口の間口が大きくなり、乗員の靴の踵が接触する不都合を減少させるので、通常の乗降を余裕を持って行うことができる。
【0009】
そして、万一の前面衝突に遭遇した場合には、図4(A)に示すように、バンパからの衝撃を受けて車体前部のフロントピラー9が太線のように後退する。
本発明の車両前部構造では、図4(A)のC部の拡大図である図4(B)に示すように、前部ドア開口部1におけるサイドシルアーチ部3は、正常な形状(2点鎖線)から実線のような形状となる。
つまり、サイドシルアーチ部3の上部および下部に形成された凸ビード5および凹ビード6の存在によって、比較的高い強度にて構成されたアーチ状補強部4を比較的脆弱な部分である前記凸ビード5および凹ビード6を変形点として略Z字状に安定して変形させることができる。
その際、図4(A)に示すように、前記サイドシルアーチ部3の下端後部がタイヤ前部に当接できるように構成されて、変形した前部ドア開口部1の下端部の所定距離以上の後方への移動が有効に阻止される。
これにより、乗員の脚部周りの前後方向の寸法が押しつぶされることなく、前部ドア開口部1の下端部が変形することになる。したがって、キャビンフロア8における乗員の足元スペースが充分に確保することができるので、万一の際にも、従来のもののように前部ドア開口下端部の無秩序な変形によって乗員が損傷を負う虞れもなく、乗員の救出の障壁となることもない。
【0010】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で車体形状(キャブオーバ型車両等)、ドア開口部の形状、サイドシルアーチ部の形状、アーチ状補強部の形状および設置形態、凸ビードおよび凹ビードの形状等については適宜選定できる。
【0011】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明では、車体の最前部に配置された乗員の脚部周りを画成する前部ドア開口部のホイールハウスに沿ったサイドシルアーチ部にアーチ状補強部を形成するとともに、前記サイドシルアーチ部の上部と下部に比較的脆弱な部分として、該アーチ状補強部の上部に対応するキャブフロアを膨出させて凸ビードを形成し、該アーチ状補強部の下部に凹ビードを形成したことにより、万一の前面衝突に遭遇した場合には、サイドシルアーチ部の上部および下部に形成された比較的脆弱な部分を変形点として略Z字状に安定して変形させることができるので、乗員の脚部周りの前後方向の寸法が押しつぶされることなく、前部ドア開口部の下端部が変形して、乗員の足元スペースが充分に確保することができ、従来のもののように前部ドア開口下端部の無秩序な変形によって乗員が損傷を負う虞れもなく、乗員の救出の障壁となることもない。
しかも、比較的高い強度にて構成されたアーチ状補強部によって乗員の脚部周りをより確実に保護するとともに、比較的脆弱な部分である凸ビードおよび凹ビードを変形点としたサイドシルアーチ部の略Z字状への変形をより安定して行うことができる。
さらに、凸ビードをキャブフロアを膨出させて形成したことによって、キャブフロアに対するアーチ状補強部の接合の際の位置決め機能を有する他、凸ビードの形成に伴うスペースの充填機能を兼用することができる。
【0012】
また、前記サイドシルアーチ部の下端後部が車両の前面衝突時にタイヤ前部に当接できるように構成された場合は、変形した前部ドア開口部の下端部の所定距離以上の後方への移動が有効に阻止され、前部ドア開口部の後方への極端な変形が防止できる。
このように本発明によれば、万一の前面衝突時にも、乗員の脚部周りを画成する部分の安定した変形を促進して変形後の乗員の脚部周りのスペースを確保するとともに、通常の乗車時にも昇降がし易い車両前部構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における車両前部構造の1実施の形態を示すもので、図1(A)は本発明の車両前部構造が採用されたキャブオーバ型車両の車体斜視図、図1(B)は図1(A)のB矢視要部拡大図である。
【図2】本発明における車両前部構造の1実施の形態を示すもので、図2(A)は図1(A)のA−A断面図、図2(B)はキャブフロアを示した図1(A)のB矢視要部拡大図である。
【図3】本発明における車両前部構造の1実施の形態を示すもので、図3(A)はサイドシルアーチ部の拡大斜視図、図3(B)は図3(A)のD矢視図である。
【図4】本発明における車両前部構造の1実施の形態を示すもので、図4(A)は前面衝突時のキャビンの変形を説明する全体側面図、図4(B)は図4(A)のC部拡大図である。
【符号の説明】
1 前部ドア開口部
2 ホイールハウス
3 サイドシルアーチ部
4 アーチ状補強部(フレームサイドシル)
5 凸ビード
6 凹ビード
7 サイドシル
8 キャブフロア
9 フロントピラー
Claims (2)
- 車体の最前部に配置された乗員の脚部周りを画成する前部ドア開口部のホイールハウスに沿ったサイドシルアーチ部にアーチ状補強部を形成するとともに、前記サイドシルアーチ部の上部と下部に比較的脆弱な部分として、該アーチ状補強部の上部に対応するキャブフロアを膨出させて凸ビードを形成し、該アーチ状補強部の下部に凹ビードを形成したことを特徴とする車両前部構造。
- 前記サイドシルアーチ部の下端後部が車両の前面衝突時にタイヤ前部に当接できるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
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1999
- 1999-01-18 JP JP00875499A patent/JP4509240B2/ja not_active Expired - Fee Related
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