JP4506395B2 - 基板検査装置並びにそのパラメータ設定方法およびパラメータ設定装置 - Google Patents

基板検査装置並びにそのパラメータ設定方法およびパラメータ設定装置 Download PDF

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Description

本発明は、基板検査装置で用いられるパラメータを自動生成するための技術に関する。
従来より、多数の電子部品が実装されたプリント基板の実装品質を検査するための基板検査装置が提案されている。この種のプリント基板において「電子部品の電極部とランドを半田付けした際の半田盛りの形状」を半田フィレットと呼ぶが、電子部品の電極部の濡れ上がりによっては、半田フィレットが形成されているように見えて、実は電子部品と半田フィレットが未接触な場合もある。よって、半田付けの良否を検査するには、自由曲線からなる半田フィレットの形状を正確に捉える必要がある。
しかしながら、従前の基板検査装置では、モノクロ(単色)単一照明を光源に用いていたために、半田フィレットの3次元形状を画像解析するのが困難であった。それゆえ、半田付けの良否を判定することができず、基板検査装置として実用に耐えるものではなかった。
このような課題を解決するため、本出願人は、図21に示す方式の基板検査装置を提案した(特許文献1参照)。この方式は3色光源カラーハイライト方式(もしくは単にカラーハイライト方式)とよばれるもので、複数の色の光源で検査対象を照らすことによって半田フィレットの3次元形状を疑似カラー画像として得る技術である。
プリント基板の自動検査の実用化は、実質、このカラーハイライト方式技術の登場以降であると言われている。特に、電子部品が小型化する現在では、半田フィレット形状を目視で判別することも困難であり、カラーハイライト方式の基板検査装置なしでは基板検査が成り立たないと言うこともできる。
図21に示すように、カラーハイライト方式の基板検査装置は、基板110上の検査対象107に異なる入射角で三原色光を照射する投光部105と、検査対象107からの反射光を撮像する撮像部106と、を備える。この投光部105は、異なる径を有し、かつ制御処理部からの制御信号に基づき赤色光、緑色光、青色光を同時に照射する3個の円環状光源111,112,113により構成されている。各光源111,112,113は、検査対象107の真上位置に中心を合わせ、かつ検査対象107から見て異なる仰角に対応する方向に配置されている。
かかる構成の投光部105で検査対象(半田フィレット)107を照射すると、撮像部106には、検査対象107の表面の傾斜に応じた色の光が入射する。よって、図22に示すように、電子部品の半田付けが良好であるとき/部品が欠落しているとき/半田不足の状態であるときなど、半田フィレットの形状に応じて、撮像画像の色彩パターンに明確な差異が現れる。これにより、半田フィレットの3次元形状を画像解析するのが容易になり、電子部品の有無や半田付けの良否を正確に判定することができるようになる。
カラーハイライト方式の基板検査装置では、「あるべき良品の色」や「あるべき不良品の色」を表す色パラメータ(色条件)を予め設定しておき、検査画像の中から色パラメータに該当する色領域を抽出し、その抽出された領域のもつ種々の特徴量(例えば、面積や長さ)に基づいて良否の判定を行う。したがって、実際の検査に先立ち、検査に用いる色パラメータ、特徴量の種類、良品と不良品とを切り分けるための判定条件(たとえば、しきい値)などを設定しておく必要がある。この色パラメータ、特徴量および判定条件を合
わせて検査ロジックもしくは検査パラメータと呼び、また検査ロジックを設定・調整することを一般にティーチングと呼ぶ。
検査精度を向上するためには、良品の示す特徴量と不良品の示す特徴量との間に有意かつ明確な差異が現れるように色パラメータを設定することが肝要である。すなわち、色パラメータのティーチングの善し悪しが検査精度を直接左右すると言える。
そこで本出願人は、図23に示すように、カラーハイライト方式における色パラメータの設定を支援するためのツールを提案している(特許文献2参照)。このツールでは、色パラメータとして、赤、緑、青の各色相比ROP、GOP、BOPおよび明度データBRTのそれぞれの上限値および下限値の設定が可能である。図23の入力画面には、色パラメータの設定値を入力するための色パラメータ設定部127とともに、設定された各色パラメータにより抽出される色彩の範囲を表示するための設定範囲表示部128が設けられている。この設定範囲表示部128には、所定の明度の下で得られるすべての色彩を示した色合い図134が表示されており、オペレータが各色パラメータの上限値、下限値を設定すると、色合い図134上には、設定された色パラメータにより抽出される色彩を囲むような確認領域135が表示される。また、2値化表示ボタン129を押すと、現在の色パラメータによる抽出結果が二値画像で表示される。このツールによれば、オペレータは、確認領域135や二値画像を見ながら、適切な抽出結果が得られるまで色パラメータの追い込みを行うことができる。
ところで、両面実装基板において、面面と裏面を配線する役割を果たすものに、スルーホールがある。両面実装は、基板の高密度化に大きく貢献しており、スルーホールは基板の両面を接続する重要な役割を果たす。しかし、画像処理を基本とする視覚センサを用いた基板検査においては、スルーホールは部品や配線パターンとの誤認識を起こしやすく、検査性能に悪影響を与えることが多い。そこで従来は、スルーホールによる検査性能の劣化を防ぐために、基板検査の前処理段階でスルーホールを除去することが一般的であった。特許文献3、4には、スルーホール加工前の画像と加工後の画像を組み合わせることにより、スルーホールを画像から消去する技術が開示されている。
特開平2−78937号公報 特開平9−145633号公報 特開平4−120448号公報 特開平7−20061号公報
基板検査装置は、プリント基板の実装品質について一度に複数の検査項目を高速かつ正確に検査することが出来るという利点がある。ただし、基板検査装置の実稼動にあたっては、個別の検査対象に合わせて検査ロジック各々のティーチングを行い、不良品の見逃しがなく、かつ、良品を不良品と判定してしまう過検出が許容値(あらかじめ想定する値)以下に抑え込めるまで、判定精度を十分に高めなければならない。
ところが、カラーハイライト方式の基板検査装置では、実用に耐え得る高度な基板検査が可能な反面、不良品の見逃しと過検出を目標値まで抑え込むためのティーチングが難しい。上述した色パラメータ設定支援ツールを利用したとしても、結局、色パラメータの追い込みはオペレータの経験と勘に頼る部分が大きいため、設定ミスの発生は避けられない。しかも、どれだけ優れたオペレータでも試行錯誤的に調整を繰り返さなければならず、非効率的であり、多大な労力と調整時間を要してしまうという問題がある。
商品ライフサイクルの短命化が進む変化の激しい製造環境では、ティーチング作業の軽
減、さらにはティーチングの自動化が強く望まれている。
また、カラーハイライト方式に固有の問題として、次のような現象が生じることがある。図24に示すように、撮像部106には、通常、光源から照射された光の反射光(一次反射光)のみが入射する。ところが、希に、近傍にある他の半田やスルーホールで反射された光が撮像対象の半田に照射され、その反射光(二次反射光)が撮像部106に入射することがある。この場合、図24のように、本来青色に撮像されるはずの半田部分に青色と赤色の混色(マゼンタ系色)の領域が現れることとなり、半田フィレット形状を正確に反映した色彩パターンが得られなくなる。
このような二次反射の影響を含む良品画像を教師画像としてティーチングを行った場合、従来の方法では、二次反射によるマゼンタ色も「あるべき良品の色」であるとの誤認識を招きやすく、良品と不良品とを高精度に切り分けられる色パラメータの設定が困難であった。なお、二次反射の影響は部品間距離が小さくほど生じやすくなるため、基板の高密度実装が進む最近の状況からすると、二次反射光への対処は重要な課題となりつつある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、基板検査装置に用いられるパラメータを生成するに際し、二次反射の影響を除去することのできる技術を提供することにある。
基板上の実装部品に異なる入射角で複数の色の光(以下、光源光という)を照射した場合、各色の光について二次反射が起こり得る。ただし、すべての色の二次反射を考慮する必要はない。二次反射を引き起こす一次反射光(基板上の実装部品に到達し得る一次反射光)は、基板にほぼ平行な光路をもつものに限られるため、どの光源光よりも部品に対する入射角が大きくなる。したがって、二次反射の影響は、部品の撮像画像中でも、入射角の最も大きい光源光(以下、入射角最大光という)の色が支配的となる領域にしか現れない。このことからすると、二次反射光の元となった光源光の入射角が大きいほど、二次反射の影響は目立たず、逆に、二次反射光の元となった光源光の入射角が小さいほど、二次反射の影響が顕著に現れることになる。よって、入射角の最も小さい光源光(以下、入射角最小光という)の二次反射の影響を除去すれば十分な効果が得られるといえる。
かかる二次反射の影響を除去するためには、予め、良品画像の中から二次反射光成分を含む画素を除去してやればよい。しかしながら、光の二次反射は部品配置や光の当たり具合などの種々の条件が重なったときにしか現れないため、ティーチングのために、そのような二次反射の影響を含んだサンプル画像(教師画像)を多数準備することは不可能に近い。とはいえ、画像の色調は撮像環境や機器のバラツキ等によって変わるため、教師画像無しに二次反射光成分を含む画素の色を正確に予測することは困難である。
そこで本発明者らは、良品基板を撮像した画像から、「入射角最小光の二次反射光成分を含む画素の色」に近い色を抽出できないか検討した。その結果、スルーホール周辺の金属部分が比較的近い色で撮像されることを見出した。スルーホール周辺の金属部分は表面が平坦(基板表面に対して平行)であるため、入射角最小光の色を呈するのである。スルーホールは両面実装基板であれば必ず存在するし、また、スルーホールは形状および大きさが既知のため画像認識による判別や色の抽出が容易であるため、教師画像として利用するのに都合がよい。
以上の検討に基づき、本発明では、スルーホール周辺に現れる色から二次反射光成分を含む画素の色を推定することによって、二次反射の影響を除去する構成を採用する。
具体的には、本発明のパラメータ設定装置は、画像取得手段、スルーホール画像取得手段、二次反射色範囲推定手段、二次反射領域特定手段、二次反射領域除去手段、パラメータ生成手段を有する。これらの機能は情報処理装置のプログラムによって実現される。
パラメータ設定装置では、画像取得手段が、半田付けの良好な部品を撮像して得られた複数の良品画像を取得し、スルーホール画像取得手段が、基板上のスルーホールを撮像して得られた複数のスルーホール画像を取得し、二次反射色範囲推定手段が、前記スルーホール画像におけるスルーホール周辺画素の色分布から、良品画像の画素のうち入射角の最も小さい光の二次反射光成分を含む画素がとり得る色範囲である二次反射色範囲を推定する。そして、二次反射領域特定手段が、前記良品画像の中から前記二次反射色範囲内の色をもつ画素で構成される二次反射領域を特定し、二次反射領域除去手段が、特定された二次反射領域を前記良品画像から除去し、パラメータ生成手段が、二次反射領域除去後の良品画像を教師画像として、基板検査で用いられるパラメータを生成する。
これにより、基板検査装置に用いられるパラメータを生成するに際し、二次反射の影響を除去することができ、高精度なパラメータ生成が可能である。
厳密にいえば、スルーホール周辺に現れる色と、二次反射光成分を含む画素の色とは若干相違する。そこで、その相違を緩和もしくは補正すべく、二次反射色範囲を次のように決定することが好ましい。
まず、二次反射色範囲としては、少なくとも、入射角の最も大きい光の色相の彩度の範囲と、明度の範囲とを規定するものを採用するとよい。良品画像では、通常、入射角最大光の色相が支配的となるため、その色相の彩度が非常に高くなる。一方、スルーホール周辺に現れる色と二次反射光成分を含む画素の色とは互いに色相が若干異なるものの、いずれも入射角最小光の影響を受けているため、入射角最大光の色相に限って考えると、その彩度は共に非常に小さな値をとる。したがって、入射角最大光の色相の彩度に着目すれば、良品画像における通常の画素と二次反射光成分を含む画素との切り分けを容易かつ明確に行うことができる。
また、二次反射色範囲推定手段が、前記スルーホール周辺画素の色分布範囲を求め、その色分布範囲の明度方向の値域を補正することによって前記二次反射色範囲を決定するとよい。このように明度補正を行うことによって、より本物(二次反射光成分を含む画素)に近い二次反射色範囲を求めることができる。
ここで、二次反射色範囲推定手段は、前記スルーホール周辺画素の色分布範囲の明度の上限を明度最大値まで拡大したものを前記二次反射色範囲とするとよい。二次反射の影響がある画素は一次反射光成分と二次反射光成分とを含むため、スルーホール周辺の画素に比べて明度が高くなり、その上限は明度の最大値付近まで達する傾向にある、という知見に基づいている。
パラメータ(色条件、判定条件)の生成手法は種々考えられる。たとえば、画像取得手段が、半田付けの不良な部品を撮像して得られた複数の不良品画像を取得し、パラメータ生成手段が、二次反射領域除去後の前記良品画像における半田領域の各画素の色を良点として、前記不良品画像における半田領域の各画素の色を不良点として、それぞれ色空間にマッピングし、前記色空間を分割する色範囲であって、そこに含まれる良点の数と不良点の数の差が最大となるような色範囲を求め、求められた前記色範囲を基板検査で用いられる色条件として設定してもよい。この場合、パラメータ生成手段は、前記良品画像および前記不良品画像のそれぞれから前記色条件を満たす画素領域を抽出して、その画素領域のもつ特徴量についての特徴量ヒストグラムを作成し、前記特徴量ヒストグラムの度数分布
に基づいて前記良品画像の特徴量と前記不良品画像の特徴量とを分離するためのしきい値を算出し、算出された前記しきい値を基板検査で用いられる判定条件として設定するとよい。
あるいは、パラメータ生成手段は、二次反射領域除去後の前記良品画像の各画素の色分布範囲に基づいて、基板検査で用いられる色条件を決定してもよい。この場合、パラメータ生成手段は、前記良品画像における半田領域から前記色条件を満たす画素領域を抽出して、その画素領域のもつ特徴量についての特徴量ヒストグラムを生成し、前記特徴量ヒストグラムの度数分布に基づいて前記良品画像における半田領域の特徴量を判別するためのしきい値を算出し、算出された前記しきい値を基板検査で用いられる判定条件として設定するとよい。
なお、上記色空間は、明度、色相、彩度の3軸から少なくともなる多次元色空間であってもよいが、たとえば、良好な半田領域に多く含まれ、かつ、不良な半田領域にほとんど含まれない傾向にある色相についての彩度軸と明度軸からなる2次元色空間を用いることも好ましい。2次元色空間を採用することにより、色範囲の探索処理が簡単になる。また、2次元色空間において、色条件を彩度の下限と上限、および、明度の下限と上限から構成すれば、色範囲が矩形領域となり、色範囲の探索処理が一層簡単になる。
また、特徴量としては、画素領域の面積、面積比、長さ、最大幅、重心、形状など種々のものが想定される。検査により検出すべき対象に応じて好ましい特徴量を1つまたは2つ以上採用すればよい。
このように自動生成されたパラメータ(色条件と判定条件)は基板検査装置の記憶部に格納され、基板検査処理に供される。
なお、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む基板検査装置のパラメータ設定方法、または、かかる方法を実現するためのプログラムとして捉えることができる。また、本発明は、上記処理を実行する手段の少なくとも一部を有する基板検査装置のパラメータ設定装置、または、かかる装置を備えた基板検査装置として捉えることもできる。上記手段および処理の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、二次反射の影響を除去できるため、基板検査装置に用いられるパラメータを精度良く生成することができ、ティーチング作業の軽減、さらにはティーチングの自動化を図ることが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
<第1実施形態>
(基板検査システムの構成)
図1は、本発明の実施形態に係る基板検査システムのハードウェア構成を示している。
基板検査システムは、基板検査処理を実行する基板検査装置1と、この基板検査装置1の基板検査処理において用いられるパラメータを自動生成するパラメータ設定装置2とから構成される。基板検査装置1とパラメータ設定装置2は、有線もしくは無線のネットワーク、または、MOやDVDなどの記録媒体を介して、画像やパラメータなどの電子データの受け渡しを行うことができる。なお、本実施形態では基板検査装置1とパラメータ設定装置2が別体構成となっているが、基板検査装置本体にパラメータ設定装置の機能を組
み込んで一体構成とすることも可能である。
(基板検査装置の構成)
基板検査装置1は、カラーハイライト方式により基板20上の実装部品21の実装品質(半田付け状態など)を自動検査する装置である。基板検査装置1は、概略、Xステージ22、Yステージ23、投光部24、撮像部25、制御処理部26を備えている。
Xステージ22およびYステージ23は、それぞれ制御処理部26からの制御信号に基づいて動作するモータ(図示せず)を備える。これらモータの駆動によりXステージ22が投光部24および撮像部25をX軸方向へ移動させ、またYステージ23が基板20を支持するコンベヤ27をY軸方向へ移動させる。
投光部24は、異なる径を有しかつ制御処理部26からの制御信号に基づき赤色光,緑色光,青色光を同時に照射する3個の円環状光源28,29,30により構成されている。各光源28,29,30は、観測位置の真上位置に中心を合わせかつ観測位置から見て異なる仰角に対応する方向に配置されている。かかる配置により、投光部24は基板20上の実装部品21に異なる入射角で複数の色の光(本実施形態では、R,G,Bの3色)を照射する。
撮像部25はカラーカメラであって、観測位置の真上位置に下方に向けて位置決めしてある。これにより基板表面の反射光が撮像部25により撮像され、三原色のカラー信号R,G,Bに変換されて制御処理部26へ供給される。
制御処理部26は、A/D変換部33、画像処理部34、検査ロジック記憶部35、判定部36、撮像コントローラ31、XYステージコントローラ37、メモリ38、制御部(CPU)39、記憶部32、入力部40、表示部41、プリンタ42、通信I/F43などで構成される。
A/D変換部33は、撮像部25からのカラー信号R,G,Bを入力してディジタル信号に変換する回路である。各色相毎のディジタル量の濃淡画像データは、メモリ38内の画像データ格納エリアへと転送される。
撮像コントローラ31は、制御部39と投光部24および撮像部25とを接続するインターフェイスなどを備える回路であり、制御部39の出力に基づき投光部24の各光源28,29,30の光量を調整したり、撮像部25の各色相光出力の相互バランスを保つなどの制御を行う。
XYステージコントローラ37は制御部39とXステージ22およびYステージ23とを接続するインターフェイスなどを備える回路であり、制御部39の出力に基づきXステージ22およびYステージ23の駆動を制御する。
検査ロジック記憶部35は、基板検査処理に用いられる検査ロジックを記憶する記憶部である。基板検査装置1では、半田形状を検査するフィレット検査や部品の欠落を検査する欠落検査など、複数種類の検査処理を行うことができる。検査ロジックは、検査の種類ごとに用意されるものであって、画像から所定の色彩パターン(画素領域)を抽出するための色パラメータ(色条件)、その色彩パターンから抽出する特徴量の種類、その特徴量に関する良否の判定条件などから構成される。
画像処理部34は、基板20上の部品21を撮像して得られた画像から色パラメータを満たす領域を抽出する処理、および、抽出された領域から所定の特徴量を算出する処理を
実行する回路である。判定部36は、画像処理部34で算出された特徴量を受け取り、その特徴量が所定の判定条件を満たすか否かで部品の実装状態の良否を判定する処理を実行する回路である。
入力部40は、操作情報や基板20に関するデータなどを入力するのに必要なキーボードやマウスなどから構成されている。入力されたデータは制御部39へ供給される。通信I/F43は、パラメータ設定装置2や他の外部装置などとの間でデータの送受信を行うためのものである。
制御部(CPU)39は、各種演算処理や制御処理を実行する回路である。記憶部32は、ハードディスクやメモリから構成される記憶装置であって、制御部39にて実行されるプログラムの他、基板のCAD情報、基板検査処理の判定結果などが格納される。
図2に基板検査装置1の機能構成を示す。基板検査装置1は、指示情報受付機能10、基板搬入機能11、CAD情報読込機能12、ステージ操作機能13、撮像機能14、検査ロジック読込機能15、検査機能16、判定結果書込機能17、基板搬出機能18を有する。これらの機能は、制御部39が記憶部32に格納されたプログラムに従って上記ハードウェアを制御することによって実現されるものである。また、記憶部32の内部には、CAD情報を記憶するCAD情報記憶部32aと判定結果を記憶する判定結果記憶部32bが設けられている。
(基板検査処理)
次に、上記基板検査装置1における基板検査処理について述べる。ここでは、基板検査処理の一例として、フィレット検査を説明する。フィレット検査とは、半田フィレットの形状が良好か否かを判定する処理である。
図3の上段に示すように、良品の半田フィレットでは、部品21から基板20上のランドにかけて山の裾野のような広い傾斜面が形成される。これに対し、欠落不良の場合には半田フィレットがランド上に盛り上がった形状となる。
これらの半田フィレットを基板検査装置1で撮像すると、それぞれ図3の中段に示すような画像が得られる。赤色,緑色,青色の照射光はそれぞれ異なる角度で半田フィレットに入射するため、半田フィレットの傾斜に応じて撮像部25に入射する反射光の色相が変化する。つまり、傾斜の急な部分では入射角度の最も大きい青色光の反射光が支配的となるのに対し、傾斜がほとんどない部分では赤色光の反射光が支配的となる。したがって、良品の半田フィレットでは青色の色相の領域が大きくなり、不良品の半田フィレットでは青色以外の色相の領域が大きくなるのである。
本実施形態のフィレット検査では、このような色彩パターンの傾向を利用し、青色領域の大きさ(面積)に基づいて半田フィレットの良否判定を行う。以下、図4のフローチャートに沿って、フィレット検査の処理の流れを具体的に説明する。
指示情報受付機能10は、基板検査の実行を指示する指示情報が入力されるまで待ち状態にある(ステップS100;NO、ステップS101)。入力部40の操作により、もしくは、通信I/F43を介して外部機器から指示情報が入力されると、指示情報受付機能10が指示情報を、基板搬入機能11、CAD情報読込機能12および検査ロジック読込機能15に送る(ステップS100;YES)。この指示情報には検査対象となる基板の情報(型番など)が含まれている。
検査ロジック読込機能15は、基板の型番に対応する検査ロジックを検査ロジック記憶部35から読み込む(ステップS102)。ここではフィレット検査用の検査ロジックが読み込まれる。検査ロジックには色パラメータ(色条件)およびしきい値(判定条件)が含まれる。
また、基板搬入機能11は、指示情報に基づいてプリント基板搬入部から検査対象となる基板20をコンベヤ27上に搬入し(ステップS103)、CAD情報読込機能12は、基板の型番に対応するCAD情報をCAD情報記憶部32aから読み込む(ステップS104)。
次に、ステージ操作機能13は、読み込まれたCAD情報から基板20の寸法、形状、部品の配置などの情報を得て、基板20上に実装された複数の部品21が順に観測位置(撮像位置)に位置合わせされるように、XYステージコントローラ37を介してXステージ22およびYステージ23を操作する(ステップS105)。
一方、撮像機能14は、撮像コントローラ31を介して投光部24の3個の光源28,29,30を発光させ、赤色、緑色、青色の光を同時に基板20上に照射する。また、撮像機能14は、撮像コントローラ31を介して撮像部25を制御し、ステージ22,23の操作に同期して基板20上の部品21を撮像する(ステップS106)。撮像された画像はメモリ38に取り込まれる。
次に、検査機能16が、画像処理部34によって撮像画像から半田領域を抽出する(ステップS107)。半田領域の抽出はたとえばテンプレートマッチングにより自動で行うことができる。
続いて、検査機能16は、抽出された半田領域を色パラメータを用いて二値化する(ステップS108)。ここで用いられる色パラメータは、青色の彩度の下限と上限、および、明度の下限と上限の4つの値で構成されている。二値化処理では、色パラメータで定義された色範囲内に含まれる画素が白画素に、それ以外の画素が黒画素に変換される。
図3の下段は、二値化後の半田領域を示している。色パラメータで二値化することにより、半田領域中の青系色の領域のみが白画素として抽出され、良品画像と不良品画像の間の差異(特徴)が明確化していることがわかる。
続いて、検査機能16は、画像処理部34にて、白画素領域の特徴量を抽出する。ここでは特徴量として白画素領域の面積(画素数)が計算される。そして、検査機能16は、白画素領域の面積値を判定部36に引き渡し、判定部36にて白画素領域の面積値としきい値とを比較する(ステップS109)。面積値がしきい値を超えた場合には(ステップS109;YES)、当該部品21の実装品質が良好と判定され(ステップS110)、面積値がしきい値以下の場合には(ステップS109;NO)、当該部品21の実装品質が不良と判定される(ステップS111)。
判定結果書込機能17は、上記判定結果をロケーションID(部品を特定するための情報)とともに判定結果記憶部32bに書き込む(ステップS112)。
基板20上のすべての部品について検査を行ったら、基板搬出機能18がプリント基板搬送部によって基板20を搬出し、基板検査処理を終了する(ステップS113)。
以上述べた基板検査処理によれば、2次元画像に現れる色彩パターンによって半田フィレットの3次元形状を的確に把握でき、それに基づき半田実装品質の良否を正確に判定可
能となる。
ところで、不良品の見逃しがなく、かつ、過検出が許容値以下になるような高い判定精度を実現するためには、予め検査ロジックの色パラメータ(色条件)およびしきい値(判定条件)を検査対象に合わせて最適な値に設定しておく必要がある。本実施形態では、これらのパラメータの生成(ティーチング)は、パラメータ設定装置2によって自動的に行われる。以下、詳しく説明する。
(パラメータ設定装置の構成)
パラメータ設定装置2は、図1に示すように、CPU、メモリ、ハードディスク、I/O制御部、通信I/F、表示部、情報入力部(キーボードやマウス)などを基本ハードウェアとして備える汎用のコンピュータ(情報処理装置)によって構成される。
図5および図6に、パラメータ設定装置2の機能構成を示す。図5は、二次反射光成分を含む画素がとり得る色範囲(二次反射色範囲)を推定するための機能部分を示し、図6は、パラメータを生成するための機能部分を示している。
パラメータ設定装置2は、図5に示すように、基板画像読込機能50、CAD情報読込機能51、スルーホール画像取得機能52、スルーホール周辺画素マッピング機能53、外れ値削除機能54、色分布範囲設定機能55、色分布範囲補正機能56、二次反射色情報書込機能57を備える。これらのうちスルーホール周辺画素マッピング機能53、外れ値削除機能54、色分布範囲設定機能55および色分布範囲補正機能56により二次反射色範囲推定機能が構成されている。また、パラメータ設定装置2は、図6に示すように、指示情報受付機能60、教師画像情報読込機能61、画像取得機能62、振分機能63、二次反射色情報読込機能64、二次反射領域特定機能65、二次反射領域除去機能66、マッピング機能67、色範囲探索機能68、二値化機能69、特徴量ヒストグラム生成機能70、しきい値決定機能71、検査ロジック生成機能72、検査ロジック書込機能73を備える。これらのうちマッピング機能67、色範囲探索機能68、二値化機能69、特徴量ヒストグラム生成機能70、しきい値決定機能71および検査ロジック生成機能72によりパラメータ生成機能が構成されている。これらの機能は、メモリもしくはハードディスクに格納されたプログラムがCPUに読み込まれ実行されることによって実現されるものである。
また、パラメータ設定装置2のハードディスク内には、二次反射色範囲推定機能によって推定された二次反射色範囲を記憶する二次反射色情報記憶部58と、ティーチングに用いる教師画像情報を記憶する教師画像情報DB74とが設けられている。教師画像情報は、基板検査装置1によって撮像された実装部品の画像と、その画像が良品か不良品かを示す教師情報(ティーチングデータ)とからなる。ティーチングの信頼性を高めるためには、数十〜数千の教師画像情報を準備することが好ましい。
(二次反射色範囲推定処理)
本実施形態の基板検査装置1では、基板に対する入射角が大きい順に、青色、緑色、赤色の3つの光源30,29,28を用いているため、各色の光について二次反射が起こり得る。しかしながら、青色光と緑色光の二次反射を考慮する必要はなく、入射角の最も小さい赤色光の二次反射の影響を考慮すれば足りる。その理由を図7に示す。
二次反射を引き起こす一次反射光(基板上の実装部品に到達し得る一次反射光)は、基板にほぼ平行な光路をもつものに限られるため、どの光源光よりも部品に対する入射角が大きくなる。よって、平坦もしくは傾斜角の小さい半田表面で反射された二次反射光が撮像部に入射する可能性は極めて低い。すなわち、二次反射の影響は、部品の撮像画像中で
も、入射角の最も大きい青色光の色が支配的となる領域にしか現れないのである。
このような領域の画素の色成分は、元々、青色>緑色>>赤色という構成になっていることから、そこに青色や緑色の二次反射光成分が加わったとしてもその影響はあまり目立たない。その一方で、元々青系色であった画素に、赤色の二次反射光成分が加わると、その影響が顕著に現れることになる。以上のことから、入射角の最も小さい赤色光の二次反射の影響を除去すれば十分な効果が得られる、といえる。
では、図8のフローチャートに沿って、スルーホール画像におけるスルーホール周辺画素の色分布から、良品画像の画素のうち入射角の最も小さい光(赤色光)の二次反射光成分を含む画素がとり得る色範囲(二次反射色範囲)を推定する処理について説明する。
まず、基板画像読込機能50が、基板検査装置1の撮像部25または画像情報DBから、プリント基板の撮像画像(基板画像)を読み込む(ステップS200)。ここで撮像するプリント基板としては、半田状態の良好な良品のサンプル基板を用いてもよいし、部品実装前のベアボードを用いてもよい。
次に、CAD情報読込機能51が、基板検査装置1のCAD情報記憶部32aから、読み込んだ基板画像に対応するプリント基板のCAD情報を読み込む(ステップS201)。このCAD情報には、プリント基板上のスルーホールの位置、寸法などの情報が含まれている。
スルーホール画像取得機能52は、基板画像から複数のスルーホール画像を取得する(ステップS202)。具体的には、図9に示すように、CAD情報を参照して基板画像中のスルーホール80の存在範囲82を大まかに特定した後、その存在範囲82の中から画像認識処理によってスルーホール80の詳細位置83を特定する。スルーホール80では光が反射されないため、カラーハイライト方式の基板検査装置1で撮像された画像ではスルーホール80が黒く写る。よって、黒い色(明度および彩度が低い色)を対象とした一般的な円形探索アルゴリズムを適用することによって、スルーホール80の詳細位置83を容易に特定することができる。詳細位置83が特定されたら、スルーホール画像取得機能52は、スルーホール80の周辺を含む部分画像をスルーホール画像として抽出する。
スルーホール80の周囲には、表面の配線パターンと裏面の配線パターンとを電気的に接続するための金属環81が取り付けられている。この金属環81の表面は平ら(基板表面と略平行)であるため、青色および緑色の反射光は撮像部25にほとんど入射せず、もっぱら赤色の反射光が撮像部25に入射する。よって、図9に示すように、スルーホール80の周辺(金属環81の部分)には赤系色が現れる。
次に、スルーホール周辺画素マッピング機能53が、スルーホール画像から、スルーホール80の周辺画素を複数点サンプリングし、それらの周辺画素の色を色ヒストグラムにマッピングする(ステップS203)。このとき、複数のスルーホール画像から十数点〜数百点の周辺画素をサンプリングするとよい。
色ヒストグラムとは、色空間内の各点に画素の度数(個数)を記録したものである。色ヒストグラムにより、画素の色分布を把握することができる。なお、ここで言うところの画素とは、画像の最小解像度のことである。複数の画素でまとめてマッピング処理を実行すると混色が発生するため、画素ごとの処理が好ましい。
一般に、色空間は、少なくとも色相、彩度、明度の多次元空間からなる。よって、画素の色分布を正確に把握するには、多次元色空間に画素の色をマッピングした多次元色ヒス
トグラムを用いることが好ましい。ただし、カラーハイライト方式では、光源に赤・青を使用していることから、得られる色彩パターンは赤や青などの色が明確に現れる。したがって、スルーホール周辺画素の色分布を把握する目的や、良好な半田領域に現れる色と不良な半田領域に現れる色を分離するための色パラメータを決定する目的などであれば、1色(たとえば青色)または2色(たとえば青色と赤色)を考慮すれば十分といえる。
ここでは、良品画像における通常の画素と二次反射光成分を含む画素との切り分けを容易かつ明確に行うために、入射角の最も大きい光の色相である青色を選択する。そして、青色の彩度軸と明度軸からなる2次元色空間に画素の色をマッピングした2次元色ヒストグラムを用いる。これにより、二次反射色範囲を求めるアルゴリズムが極めて簡単化される。
図10に、色ヒストグラムの一例を示す。ここでは、青色の彩度軸と明度軸からなる2次元色ヒストグラムが用いられる。スルーホール周辺画素は赤系色であるため、青色成分をあまり含まない。よって、青色の彩度がゼロ前後、明度が低〜中明度のあたりに、ある程度固まって分布する。その色分布から明らかに外れた点(外れ値)はノイズである。
上記外れ値は、スルーホール周辺画素の色分布を規定するにあたり邪魔な存在なので、外れ値削除機能54によって前もって削除する(ステップS204)。具体的には、外れ値削除機能54は、階層的クラスタリングによって色分布の主たる塊を把握するか、色重心から数σの範囲を色分布の主たる塊と定義し、その塊から外れる点を外れ値とみなして色ヒストグラムから削除する。そして、色分布範囲設定機能55が、外れ値削除後に残った全ての点を囲む矩形範囲を計算する(ステップS205)。この矩形範囲が、スルーホール周辺画素の色分布範囲84を表す。
本発明者らの実験により、スルーホールの周囲に現れる色と、二次反射光成分を含む画素の色とは、明度が相違することが判っている。二次反射の影響がある画素は一次反射光成分(青色光成分)と二次反射光成分(赤色光成分)とを含むため、スルーホール周辺の画素に比べて明度が高くなり、その上限は明度の最大値付近まで達する傾向にある。
そこで、色分布範囲補正機能56が、スルーホール周辺画素の色分布範囲84の明度方向の値域を補正することによって二次反射色範囲85を算出する(ステップS206)。本実施形態では、色分布範囲84の明度の上限を明度最大値LMaxまで拡大したものを二次反射色範囲85とする。
以上の処理により、スルーホール周辺画素の色分布に基づいて二次反射色範囲を近似することができる。二次反射色範囲は、二次反射色情報書込機能57によって二次反射色情報記憶部58に格納され(ステップS207)、以下のパラメータ設定処理に供される。
(パラメータ設定処理)
図11のフローチャートに沿って、推定された二次反射色範囲を用いたパラメータ設定処理の流れを説明する。なお、本実施形態では、上述したフィレット検査で用いられる検査パラメータを生成する例を挙げる。
指示情報受付機能60は、検査ロジックの自動生成を指示する指示情報が入力されるまで待ち状態にある(ステップS300;NO、ステップS301)。情報入力部から指示情報が入力されると、指示情報受付機能60は教師画像情報読込機能61に指示情報を伝える(ステップS300;YES)。この指示情報には検査ロジック生成の対象となる教師画像情報を特定する情報、および、検査ロジックの種類などが含まれている。
教師画像情報読込機能61は、指示情報に従って、作成すべき検査ロジックに対応する教師画像情報を教師画像情報DB74から読み込む(ステップS302)。教師画像情報には、良品画像(部品の実装位置が正常な画像)と不良品画像(部品の実装位置が正常でない画像)とが含まれる。これらの画像には教師情報が付与されている。
図12に良品画像と不良品画像の例を示す。良品画像では、部品90が設計通りの位置に実装されており、部品90両端のランド領域91に良好な半田フィレットが形成されている。この画像には教師情報「良」が付与されている。一方、不良品画像では、部品が欠落しており、ランド領域92には扁平な半田フィレットが形成されている。この画像には教師情報「不良」が付与されている。
教師画像情報が読み込まれたら、画像取得機能62が、教師情報の付与された画像から半田領域を抽出する(ステップS303)。画像取得機能62は、図13に示すように、ランドウィンドウ93と部品本体ウィンドウ94から構成されるテンプレートを有しており、テンプレートを拡大/縮小したり、ランドウィンドウ93と部品本体ウィンドウ94の相対位置をずらしたりしながら、各ウィンドウ93,94を画像中のランド領域91,92および部品90に合わせ込む。なお、図13の不良品画像のように部品が欠落している場合には、両端のランドウィンドウ93の中間に部品本体ウィンドウ94を仮配置する。ウィンドウの合わせ込みには、例えば、テンプレートマッチングなどの手法を利用すればよい。これにより、良品画像と不良品画像それぞれについてランド領域91,92が特定される。そして、ランドウィンドウ93から部品本体ウィンドウ94との重なり部分を除いた領域が半田領域として抽出される(図13の斜線部分参照)。なお、ランド領域自体(ランドウィンドウ93全体)を半田領域として扱ってもよい。
次に、振分機能63が、教師情報に基づき、抽出された半田領域を良品画像と不良品画像とに振り分ける(ステップS304)。つまり、教師情報「良」が付与された半田領域が良品画像とされ、教師情報「不良」が付与された半田領域が不良品画像とされる。
ここで抽出された良品画像は実装状態の良好な半田フィレットを表しており、不良品画像は実装状態の不良な半田フィレットを表している。よって、フィレット検査用の最適な色パラメータを作成することは、良品画像の画素の色(青系色)をなるべく多く包含し、かつ、不良品画像の画素の色をほとんど排除できるような色範囲の最適解を求めることと等価である。
本実施形態では、まず、良品画像から二次反射の影響を含む画素を除去するための前処理を実行する。具体的には、二次反射色情報読込機能64が、二次反射色情報記憶部58から二次反射色範囲を読み込む(ステップS305)。そして、二次反射領域特定機能65が、図14に示すように、良品画像を二値化して、二次反射色範囲内に含まれる画素を白画素に、それ以外の画素を黒画素に変換した後、隣接する白画素をつなぎ合わせて1つの領域と見なす「ラベリング」を実行する(ステップS306)。ラベリングされた領域のうち、予め定められた基準値以下の面積(画素数)のものはノイズとして無視し、基準値を超える面積の領域を二次反射領域として特定する(ステップS307)。
このようなラベリング処理を行うのは、二次反射領域がある程度の大きさをもった塊として現れるという知見に基づいている。また、基準値以下の白画素は、二次反射に起因するものではなく、数も少なく且つ白色ノイズ的に散在するにすぎないため、パラメータの精度に影響を与えることはほとんど無いと考えられるからである。なお、上記基準値は固定値でもよいし、ランド面積に応じて動的に値を決定してもよい。また基準値の値の形式は、画素数でもよいし、ランド面積に対する比率でもよい。
続いて、二次反射領域除去機能66が、特定された二次反射領域を良品画像から除去する(ステップS308)。これにより、良品画像には、二次反射の影響の無い画素だけが残る。
次に、マッピング機能67が、二次反射領域除去後の良品画像と不良品画像の全画素の色を色ヒストグラムにマッピングする(ステップS309)。このとき、良品画像の画素は「良点」として、不良品画像の画素は「不良点」として、互いに区別可能な形式でマッピングが行われる。ここでは、良品画像(良好な半田領域)に多く含まれ、かつ、不良品画像(不良な半田領域)にほとんど含まれない傾向にある色相として青色を選択し、赤色の彩度軸と明度軸からなる2次元色空間に画素の色をマッピングした2次元色ヒストグラムを用いる。これにより、色パラメータの最適解を求めるアルゴリズムが極めて簡単化される。
図15(a)は、2次元色ヒストグラムの一例を示している。横軸が青の彩度を表しており、プラスの値が大きくなるほど青成分が強くなり、マイナスの値が大きくなるほど青の補色である黄成分が強くなる。縦軸は明度を表しており、値が大きくなるほど明るさが強くなる。ヒストグラム中の白丸(○)が良点を表し、黒三角(▲)が不良点を表している。良点と不良点では色分布に違いがあることがわかる。
図15(b)は、比較例として、二次反射領域除去前の良品画像と不良品画像の全画素の色をマッピングした色ヒストグラムを示したものである。二次反射領域の画素は、青色の彩度がゼロ前後の付近に分布しており、不良点との区別が付けづらいことがわかる。なお、本実施形態では、マッピングの前に良品画像から二次反射領域を除去したが、マッピング後に良点の中から二次反射領域に該当するものを除去したり、二次反射領域に該当する良点を不良点に変更したりすることでも、同様の結果を得ることができる。
次に、色範囲探索機能68が、2次元色ヒストグラムに基づいて、良点の色分布と不良点の色分布とを最適に切り分ける色範囲を探索する(ステップS310)。本実施形態では、アルゴリズムの簡単化のため、図16(a)に示すように、彩度の下限(BInf)と上限(BSup)、および、明度の下限(LInf)と上限(LSup)からなる矩形の色範囲を考える。ここで求めるべき最適解は、良点(○)をなるべく多く包含し、かつ、不良点(▲)をほとんど含まないような色範囲である。
具体的には、色範囲探索機能68は、BInf、BSup、LInf、LSupそれぞれの値を変えながら、各色範囲について度数合計値Eを算出し(式1参照)、度数合計値Eが最大となる色範囲を求める。度数合計値Eは、色範囲に含まれる良点の数(度数)と不良点の数(度数)の差を表す指標である。図16(b)は、度数合計値Eが最大となる色範囲を示している。
Figure 0004506395
そして、色範囲探索機能68は、度数合計値Eが最大となる色範囲を検査用の色パラメータ(色条件)として設定する。このように、本実施形態によれば、良品画像と不良品画像とを適切に切り分ける色パラメータを自動的に生成することができる。
次に、上記色パラメータを用いて、検査用のしきい値(判定条件)を自動生成する処理が実行される。
まず、二値化機能69が、上記色パラメータを用いて、良品画像および不良品画像のすべての半田領域を二値化する(ステップS311)。この二値化処理では、色パラメータで定義された色範囲内に含まれる画素が白画素に、それ以外の画素が黒画素に変換される。
図17に示すように、良品画像では白画素の領域が非常に大きく、不良品画像では白画素の領域がきわめて小さくなる。よって、このような二値化画像を利用すると、良品・不良品を識別するための特徴量を定量的に計算するのが容易になる。特徴量としては、白画素領域の面積、面積比、重心、長さ、最大幅、形状などが挙げられるが、ここでは面積を特徴量として選ぶ。
特徴量ヒストグラム生成機能70は、良品画像の特徴量の分布傾向と不良品画像の特徴量の分布傾向との違いを把握するため、良品画像、不良品画像のそれぞれについて、白画素領域の面積値に関する面積ヒストグラムを作成する(ステップS312)。図18は、良品画像と不良品画像の面積ヒストグラム(以下、単に「良品ヒストグラム」「不良品ヒストグラム」とよぶ。)の一例を示している。良品画像の特徴量分布と不良品画像の特徴量分布に明確な違いが現れていることがわかる。
次に、しきい値決定機能71が、良品ヒストグラムおよび不良品ヒストグラムの度数分布に基づいて、良品画像の特徴量と不良品画像の特徴量を最適に分離するためのしきい値を算出する(ステップS313)。特徴量ヒストグラムに現れた2つの山を最適に分離する手法は種々提案されており、ここではどの方法を採用してもよい。たとえば、大津の判別分析法を利用してもよいし、あるいは、経験に基づき良品画像の山の端から3σだけ離れた点をしきい値に決めてもよい。このようにして、良品と不良品を判別するためのしきい値が生成される。
そして、検査ロジック生成機能72が、色パラメータ、特徴量の種類(本例では面積)、しきい値から検査ロジックを生成し(ステップS314)、検査ロジック書込機能73が、その検査ロジックを基板検査装置1の検査ロジック記憶部35に書き込む(ステップS315)。
以上述べた処理によれば、部品のフィレット検査で用いられる検査ロジック(パラメータ)が自動で生成されるので、ティーチングに要する時間と負荷を大幅に削減することができる。
しかも、上述したアルゴリズムによって二次反射の影響が除去され、最適な色パラメータとしきい値とが算出されるので、カラーハイライト方式による良否判定を高精度に行うことが可能となる。なお、色パラメータとしきい値の信頼性は、最初に与える教師画像情報の数が多くなるほど向上する。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、教師画像として良品画像と不良品画像を用いている。しかし、
現実的には、基板実装ラインにおいて生じ得る不良を予測することも、ティーチングのためだけにわざわざ大量の不良品を製造することも困難である。よって、良品画像のみからティーチングを行わざるを得ないことも多い。そこで、本発明の第2実施形態では、良品画像だけからパラメータを生成する手法を提案する。
なお、パラメータ設定装置2の構成は第1実施形態のものとほぼ同様であるため、図示を省略する。また、二次反射色範囲の推定処理も、第1実施形態と同じアルゴリズムである。
(パラメータ設定処理)
以下、図19のフローチャートに沿って、第2実施形態におけるパラメータ設定処理の流れを説明する。なお、第1実施形態と同様の処理については同一のステップ番号を付し、詳しい説明を省略する。
検査ロジックの自動生成を指示する指示情報が入力されると、検査ロジックに対応する教師画像情報が教師画像情報DB74から読み込まれる(ステップS300〜S302)。教師画像情報には、良品画像のみが含まれる。
画像取得機能62は、テンプレートマッチングなどにより良品画像から半田領域を抽出する(ステップS400)。一方、二次反射色情報読込機能64が、二次反射色情報記憶部58から二次反射色範囲を読み込み(ステップS305)。そして、二次反射領域特定機能65が、第1実施形態と同様のアルゴリズムにより、良品画像の中から二次反射領域を特定し(ステップS306、S307)、二次反射領域除去機能66が、二次反射領域を除去する(ステップS308)。
続いて、マッピング機能67が、二次反射領域除去後の良品画像の全画素の色を色ヒストグラムにマッピングする(ステップS401)。そして、色範囲探索機能68は、色ヒストグラム上の全ての点を内包するような最小矩形で構成される色範囲を算出し、その色範囲を検査用の色パラメータ(色条件)として設定する(ステップS402)。
続いて、上記色パラメータを用いて、検査用のしきい値(判定条件)を自動生成する処理が実行される。
二値化機能69が、上記色パラメータを用いて、良品画像のすべての半田領域を二値化し(ステップS403)、特徴量ヒストグラム生成機能70が、良品画像の白画素領域の面積値に関する面積ヒストグラムを作成する(ステップS404)。図20は、面積ヒストグラムの一例を示している。
しきい値決定機能71は、面積ヒストグラムの度数分布に基づいて良品画像における半田領域の特徴量(面積値)を判別するためのしきい値を算出する(ステップS405)。ただし、本処理の場合は面積ヒストグラムの中に良品画像の山しか含まれていないため、大津の判別分析法のように2つの山を分離する手法は使用できない。そこでこの場合は、良品を不良品と誤判定(過検出)しないよう十分なマージンを確保して、しきい値を決定すればよい。具体的には、良品ヒストグラムの端点(上限)から経験的なマージンをとってもよいし、良品ヒストグラムの中心から6σの距離にしきい値を設定するなどの統計的手法を用いてもよい。このようにして、良品と不良品を判別するためのしきい値が生成される。
そして、検査ロジック生成機能72が、色パラメータ、特徴量の種類(本例では面積)、しきい値から検査ロジックを生成し(ステップS314)、検査ロジック書込機能73
が、その検査ロジックを基板検査装置1の検査ロジック記憶部35に書き込む(ステップS315)。
以上述べた処理によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。しかも、本処理は、不良品のサンプルが無い場合であっても、半田のフィレット検査で用いられる検査ロジック(パラメータ)を自動で生成することができるという利点がある。
<変形例>
上述した実施形態は本発明の一具体例を例示したものにすぎない。本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
たとえば、上記実施形態では2次元の色ヒストグラム(色空間)を用いたが、多次元(色相、彩度、明度)の色ヒストグラムを用いてもよい。また、2次元色ヒストグラムについても、青の彩度軸ではなく、青、緑、黄など他の色相の彩度軸を用いたり、彩度軸ではなく色相軸を用いたりしてもよい。色ヒストグラムの軸の選択は、基板検査装置で撮像された部品画像がもつ色彩パターンの傾向に合わせて決定すればよい。
また、色範囲は矩形に限らず、円形、多角形、自由曲線図形などを用いてもよい。さらに、色ヒストグラムが多次元の場合には、色範囲も多次元形状にするとよい。
また、上記実施形態ではフィレット検査用のパラメータを生成する処理を例に挙げたが、本発明は、二次反射の影響が問題となるパラメータ生成処理であれば、他の検査用パラメータの生成処理にも適用可能である。
また、上記実施形態では特徴量として面積を用いたが、良否判定に用いる特徴量としては他にも、面積比、長さ、最大幅、重心などを好ましく採用できる。面積比とは、ランドウィンドウ内で二値化された面積の占有率である。たとえばランド領域に対して部品がずれて半田付けされていると、半田領域の面積が大小するため、面積比が変化する。これを特徴量として捉えれば、部品ずれの検査に有効である。また、長さとは、白画素領域の縦方向や横方向の長さであり、最大長は、白画素領域の長さの中で最大の値である。また、重心とは、白画素領域の重心のランドウィンドウに対する相対位置である。
良否を精度良く判定できるものであればどの特徴量を用いてもよく、精度向上のために複数種類の特徴量を組み合わせることも好ましい。また、パラメータ設定処理において複数種類の特徴量を抽出し、その中で良品と不良品とが最もよく分離されるものを特徴量として採用するといったことも可能である。なお、上記実施形態では判定条件(しきい値)の決定に面積ヒストグラム(面積値ヒストグラム)を用いたが、特徴量の種類が異なればそれに合わせた特徴量ヒストグラム(面積比ヒストグラム、長さヒストグラム、最大幅ヒストグラム、重心ヒストグラムなど)を用いることになる。例えば、面積値ヒストグラムの替わりに面積比ヒストグラムを用いれば、ランドウィンドウにおける色パラメータで二値化された画素の占有率によって良否判定を実行するので、部品がズレたり傾いたりしてランドウィンドウの大きさが小さくなったり大きくなったりした場合でも、ランドウィンドウの大きさに影響されない判定処理が可能となる。
また、パラメータ設定装置が、指示情報もしくは教師情報を参照して不良品画像の有無を判断し、不良品画像有りの場合は第1実施形態のパラメータ設定処理を実行し、不良品画像無しの場合は第2実施形態のパラメータ設定処理を実行するというように、自動的に処理を切り替えるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る基板検査システムのハードウェア構成を示す図。 基板検査装置の機能構成を示す図。 半田フィレットの形状と撮像パターンと二値化画像の関係を示す図。 基板検査処理の流れを示すフローチャート。 第1実施形態に係るパラメータ設定装置の機能構成を示す図。 第1実施形態に係るパラメータ設定装置の機能構成を示す図。 二次反射の影響について説明する図。 二次反射色範囲推定処理の流れを示すフローチャート。 スルーホール画像の抽出処理を示す図。 二次反射色範囲推定処理を示す図。 第1実施形態におけるパラメータ設定処理の流れを示すフローチャート。 良品画像と不良品画像の一例を示す図。 半田領域の抽出処理を示す図。 二次反射領域特定処理を示す図。 パラメータ設定処理における2次元色ヒストグラムの一例を示す図。 色範囲の探索処理を示す図。 良品画像と不良品画像の二値化結果の一例を示す図。 良品および不良品の面積ヒストグラムとしきい値決定処理を示す図。 第2実施形態におけるパラメータ設定処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態におけるしきい値決定処理を示す図。 カラーハイライト方式の基板検査装置の構成を示す図。 撮像画像に現れる色彩パターンの一例を示す図。 色パラメータの設定支援ツールを示す図。 二次反射の影響について説明する図。
符号の説明
1 基板検査装置
2 パラメータ設定装置
10 指示情報受付機能
11 基板搬入機能
12 CAD情報読込機能
13 ステージ操作機能
14 撮像機能
15 検査ロジック読込機能
16 検査機能
17 判定結果書込機能
18 基板搬出機能
20 基板
21 実装部品
22 Xステージ
23 Yステージ
24 投光部
25 撮像部
26 制御処理部
27 コンベヤ
28 赤色光源
29 緑色光源
30 青色光源
31 撮像コントローラ
32 記憶部
32a CAD情報記憶部
32b 判定結果記憶部
33 A/D変換部
34 画像処理部
35 検査ロジック記憶部
36 判定部
37 XYステージコントローラ
38 メモリ
39 制御部
40 入力部
41 表示部
42 プリンタ
50 基板画像読込機能
51 CAD情報読込機能
52 スルーホール画像取得機能
53 スルーホール周辺画素マッピング機能
54 外れ値削除機能
55 色分布範囲設定機能
56 色分布範囲補正機能
57 二次反射色情報書込機能
58 二次反射色情報記憶部
60 指示情報受付機能
61 教師画像情報読込機能
62 画像取得機能
63 振分機能
64 二次反射色情報読込機能
65 二次反射領域特定機能
66 二次反射領域除去機能
67 マッピング機能
68 色範囲探索機能
69 二値化機能
70 特徴量ヒストグラム生成機能
71 しきい値決定機能
72 検査ロジック生成機能
73 検査ロジック書込機能
80 スルーホール
81 金属環
82 スルーホールの存在範囲
83 スルーホールの詳細位置
84 スルーホール周辺画素の色分布範囲
85 不良色範囲
90 部品
91,92 ランド領域
93 ランドウィンドウ
94 部品本体ウィンドウ

Claims (17)

  1. 基板上の実装部品に異なる入射角で複数の色の光を照射し、その反射光を撮像して得られた画像から所定の色条件を満たす領域を抽出し、抽出された領域のもつ特徴量が所定の判定条件を満たすか否かで前記部品の実装状態を検査する基板検査装置において用いられるパラメータである色条件および判定条件を教師画像から生成する方法であって、
    情報処理装置が、
    半田付けの良好な部品を撮像して得られた複数の良品画像を取得し、
    基板上のスルーホールを撮像して得られた複数のスルーホール画像を取得し、
    前記スルーホール画像におけるスルーホール周辺画素の色分布から、良品画像の画素のうち入射角の最も小さい光の二次反射光成分を含む画素がとり得る色範囲である二次反射色範囲を推定し、
    前記良品画像の中から前記二次反射色範囲内の色をもつ画素で構成される二次反射領域を特定し、
    特定された二次反射領域を前記良品画像から除去し、
    板検査で用いられるパラメータである色条件および判定条件を生成するパラメータ設定処理において、二次反射領域除去後の良品画像を教師画像として用いる
    基板検査装置のパラメータ設定方法。
  2. 前記二次反射色範囲は、少なくとも、入射角の最も大きい光の色相の彩度の範囲と、明度の範囲とを規定する
    請求項1記載の基板検査装置のパラメータ設定方法。
  3. 前記情報処理装置は、
    前記スルーホール周辺画素の色分布範囲を求め、その色分布範囲の明度方向の値域を補正することによって前記二次反射色範囲を決定する
    請求項1または2記載の基板検査装置のパラメータ設定方法。
  4. 前記情報処理装置は、
    前記スルーホール周辺画素の色分布範囲の明度の上限を明度最大値まで拡大したものを前記二次反射色範囲とする
    請求項3記載の基板検査装置のパラメータ設定方法。
  5. 前記情報処理装置は、
    半田付けの不良な部品を撮像して得られた複数の不良品画像を取得し、
    二次反射領域除去後の前記良品画像における半田領域の各画素の色を良点として、前記不良品画像における半田領域の各画素の色を不良点として、それぞれ色空間にマッピングし、
    前記色空間を分割する色範囲であって、そこに含まれる良点の数と不良点の数の差が最大となるような色範囲を求め、
    求められた前記色範囲を基板検査で用いられる色条件として設定する
    請求項1〜4のうちいずれか1項記載の基板検査装置のパラメータ設定方法。
  6. 前記情報処理装置は、
    前記良品画像および前記不良品画像のそれぞれから前記色条件を満たす画素領域を抽出して、その画素領域のもつ特徴量についての特徴量ヒストグラムを作成し、
    前記特徴量ヒストグラムの度数分布に基づいて前記良品画像の特徴量と前記不良品画像の特徴量とを分離するためのしきい値を算出し、
    算出された前記しきい値を基板検査で用いられる判定条件として設定する
    請求項5記載の基板検査装置のパラメータ設定方法。
  7. 前記情報処理装置は、
    二次反射領域除去後の前記良品画像の各画素の色分布範囲に基づいて、基板検査で用いられる色条件を決定する
    請求項1〜4のうちいずれか1項記載の基板検査装置のパラメータ設定方法。
  8. 前記情報処理装置は、
    前記良品画像における半田領域から前記色条件を満たす画素領域を抽出して、その画素領域のもつ特徴量についての特徴量ヒストグラムを生成し、
    前記特徴量ヒストグラムの度数分布に基づいて前記良品画像における半田領域の特徴量を判別するためのしきい値を算出し、
    算出された前記しきい値を基板検査で用いられる判定条件として設定する
    請求項7記載の基板検査装置のパラメータ設定方法。
  9. 基板上の実装部品に異なる入射角で複数の色の光を照射し、その反射光を撮像して得られた画像から所定の色条件を満たす領域を抽出し、抽出された領域のもつ特徴量が所定の判定条件を満たすか否かで前記部品の実装状態を検査する基板検査装置において用いられるパラメータである色条件および判定条件を教師画像から自動生成するための装置であって、
    半田付けの良好な部品を撮像して得られた複数の良品画像を取得する画像取得手段と、
    基板上のスルーホールを撮像して得られた複数のスルーホール画像を取得するスルーホール画像取得手段と、
    前記スルーホール画像におけるスルーホール周辺画素の色分布から、良品画像の画素のうち入射角の最も小さい光の二次反射光成分を含む画素がとり得る色範囲である二次反射色範囲を推定する二次反射色範囲推定手段と、
    前記良品画像の中から前記二次反射色範囲内の色をもつ画素で構成される二次反射領域を特定する二次反射領域特定手段と、
    特定された二次反射領域を前記良品画像から除去する二次反射領域除去手段と、
    二次反射領域除去後の良品画像を教師画像として用いて、基板検査で用いられるパラメータである色条件および判定条件を生成するパラメータ生成手段と、
    を備える基板検査装置のパラメータ設定装置。
  10. 前記二次反射色範囲は、少なくとも、入射角の最も大きい光の色相の彩度の範囲と、明度の範囲とを規定する
    請求項9記載の基板検査装置のパラメータ設定装置。
  11. 前記二次反射色範囲推定手段は、
    前記スルーホール周辺画素の色分布範囲を求め、その色分布範囲の明度方向の値域を補正することによって前記二次反射色範囲を決定する
    請求項9または10記載の基板検査装置のパラメータ設定装置。
  12. 前記二次反射色範囲推定手段は、
    前記スルーホール周辺画素の色分布範囲の明度の上限を明度最大値まで拡大したものを前記二次反射色範囲とする
    請求項11記載の基板検査装置のパラメータ設定装置。
  13. 前記画像取得手段は、半田付けの不良な部品を撮像して得られた複数の不良品画像を取得し、
    前記パラメータ生成手段は、
    二次反射領域除去後の前記良品画像における半田領域の各画素の色を良点として、前記不良品画像における半田領域の各画素の色を不良点として、それぞれ色空間にマッピングし、
    前記色空間を分割する色範囲であって、そこに含まれる良点の数と不良点の数の差が最大となるような色範囲を求め、
    求められた前記色範囲を基板検査で用いられる色条件として設定する
    請求項9〜12のうちいずれか1項記載の基板検査装置のパラメータ設定装置。
  14. 前記パラメータ生成手段は、
    前記良品画像および前記不良品画像のそれぞれから前記色条件を満たす画素領域を抽出して、その画素領域のもつ特徴量についての特徴量ヒストグラムを作成し、
    前記特徴量ヒストグラムの度数分布に基づいて前記良品画像の特徴量と前記不良品画像の特徴量とを分離するためのしきい値を算出し、
    算出された前記しきい値を基板検査で用いられる判定条件として設定する
    請求項13記載の基板検査装置のパラメータ設定装置。
  15. 前記パラメータ生成手段は、
    二次反射領域除去後の前記良品画像の各画素の色分布範囲に基づいて、基板検査で用いられる色条件を決定する
    請求項9〜12のうちいずれか1項記載の基板検査装置のパラメータ設定装置。
  16. 前記パラメータ生成手段は、
    前記良品画像における半田領域から前記色条件を満たす画素領域を抽出して、その画素領域のもつ特徴量についての特徴量ヒストグラムを生成し、
    前記特徴量ヒストグラムの度数分布に基づいて前記良品画像における半田領域の特徴量を判別するためのしきい値を算出し、
    算出された前記しきい値を基板検査で用いられる判定条件として設定する
    請求項15記載の基板検査装置のパラメータ設定装置。
  17. 請求項14または16記載のパラメータ設定装置により設定された色条件および判定条件を記憶する記憶部と、
    基板上の実装部品に異なる入射角で複数の色の光を照射する投光手段と、
    その反射光を撮像して得られた画像から、前記色条件を満たす領域を抽出する領域抽出手段と、
    抽出された領域のもつ特徴量が、前記判定条件を満たすか否かで前記部品の半田付け状態を検査する検査手段と、
    を備える基板検査装置。
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