JP4506271B2 - 光電式エンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、光学的に移動信号を生成し、これらの光電変換信号を変位情報として用いる光電式エンコーダに関する。
従来、光ヘテロダイン干渉のビート信号を利用し、移動スケールの移動方向およびギャップ方向の検出が可能な位置検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この位置検出装置では、レーザ出射光に含まれる周波数f1の光と周波数f2の光を分離し、それらの光を±1次回折光が発生する入射角度で移動スケールに入射させる。そして、移動格子の法線方向に出射する±1次回折光を干渉させてビート信号を発生させ、この信号位相差に移動スケールの移動情報をのせている。
一方、ギャップ方向の計測では、周波数f2の光を3次回折光が発生する角度で移動スケールに入射させると、周波数f1の+1次回折光とf2の−1次回折光とが干渉してビート信号が発生する。このビート信号には移動スケールの移動情報とギャップ情報とがのっているので、ここで得られる位相情報から上記移動情報を減算(または加算)することでギャップ情報を取得するようにしている。
特公平6−63739号公報
しかしながら、上述した従来の装置では、光源として横ゼーマンレーザ等を用いているため装置が大型になり、かつ高価であった。また、光路途中に多数の偏光素子やミラーが必要なために、光路が非常に長くなり装置が不安定になる可能性があった。
請求項1の発明による光電式エンコーダは、光源と、光源の光から、互いに異なる方向に進む少なくとも第1および第2の光束を生成する光学系と、第1および第2の光束が入射し、第1および第2の光束の各々について0次光を含む複数の回折光をそれぞれ生成する第1の回折格子と、第1の光束から生成された複数の回折光のいずれか一つと他の一つとにより生じる第1の干渉光と、第2の光束から生成された複数の回折光のいずれか一つと他の一つとにより生じる第2の干渉光とを生成する第2の回折格子と、第1の干渉光を検出する第1の検出部と、第2の干渉光を検出する第2の検出部と、第1および第2の検出部の検出結果から算出される位相情報に基づく演算を行う演算部とを備え、第1および第2の回折格子のうちの一方は可動物体に固定された移動格子であって、演算部は、移動格子の移動により散乱される光のドップラーシフトを利用して、移動格子の移動方向の変位および移動格子に垂直な方向の変位を演算することを特徴とする。
請求項2の発明による光電式エンコーダは、光源と、光源の光から、互いに異なる方向に進む第1、第2および第3の光束を生成する光学系と、第1、第2および第3の光束が入射し、第1、第2および第3の光束の各々について0次光を含む複数の回折光をそれぞれ生成する第1の回折格子と、第1の光束から生成された複数の回折光のいずれか一つと、第2の光束から生成された複数の回折光のいずれか一つとにより第1の干渉光を生成するとともに、第2の光束から生成された複数の回折光の内で第1の干渉光を生じた回折光とは異なる回折光と、第3の光束から生成された複数の回折光のいずれか一つにとより第2の干渉光を生成する第2の回折格子と、第1の干渉光を検出する第1の検出部と、第2の干渉光を検出する第2の検出部と、第1および第2の検出部の検出結果から算出される位相情報に基づく演算を行う演算部とを備え、第1および第2の回折格子のうちの一方は可動物体に固定された移動格子であって、演算部は、移動格子の移動により散乱される光のドップラーシフトを利用して、移動格子の移動方向の変位および移動格子に垂直な方向の変位を演算することを特徴とする。
本発明によれば、移動格子の2軸方向の変位を測定でき、従来と比較して光学部品点数の非常に少ない、小型で安価な光電式エンコーダを提供することができるとともに、光路が短いため動作安定度の高い光電式エンコーダを実現できる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明による光電式エンコーダの第1の実施の形態を示す図であり、エンコーダの主要構成を示したものである。本実施の形態のエンコーダは、光源1,コリメートレンズ2,光束分割素子として機能する回折格子4,位置測定の対象物に固定される移動格子5,干渉光を生成するためのインデックス格子6,干渉光を検出する受光素子A,Bおよびエンコーダ処理回路7を備えている。なお、エンコーダ処理回路7はエンコーダ側に設けられても良いし、エンコーダの出力信号に基づいて制御されるアクチュエータの制御回路に含まれるようにしても良い。
図1に示すエンコーダでは、後述するように移動格子5のx方向およびz方向の移動情報を検出して、基準位置からのx位置およびz位置を測定する。光源1から出射された光は、コリメートレンズ2により平行光とされる。なお、光源1にはレーザ光源や発光ダイオード(LED)等が用いられる。コリメートレンズ2により平行光とされた光束3は、光束分割素子として機能する透過型の回折格子4に入射する。光束3は回折格子4により±1次回折を受け、回折格子4からは−1次回折光である光束11と+1次回折光である光束12とが出射される。
光束11は移動格子5およびインデックス格子6により順に回折を受け、それらの回折光の干渉により生じる干渉光強度を受光素子Aで検出する。すなわち、光束11は移動格子5の回折を受け、移動格子5から0次光である光束110と+1次回折光である光束111とが出射される。
後述するように光束110は干渉の際の参照光として用いられる光であり、インデックス格子6で+1次回折されて受光素子Aに入射する。一方、光束111については、インデックス格子6の0次回折光が信号光として受光素子Aに入射する。言い換えれば、受光素子Aは、光束110,111の干渉光が検出される位置に配置される。
光束12についても移動格子5およびインデックス格子6により順に回折を受け、それらの回折光の干渉により生じる干渉光強度を受光素子Bで検出する。光束12は移動格子5の回折を受け、移動格子5から参照光として用いられる0次回折光の光束120と信号光として用いられる−1次回折された光束121とが出射される。光束120はインデックス格子6で−1次回折されて受光素子Bに入射し、光束121についてはインデックス格子6の0次回折光が信号光として受光素子Bに入射する。言い換えれば、受光素子Bは、光束120,121の干渉光が検出される位置に配置される。
なお、図1では、光束11,12以降の光束については、光束の中心軸のみを記載した。このように、本実施の形態では、異なる2種類の干渉光が受光素子A,Bでそれぞれ検出される。受光素子A,Bから出力される受光信号はエンコーダ処理回路7に入力され、エンコーダ処理回路7において後述する干渉光強度の位相情報等の演算が行われる。
以下では、移動格子5の格子ピッチとインデックス格子6の格子ピッチとが同一ピッチpであるとして説明するが、必ずしも同一ピッチである必要はない。また、光束分離素子である回折格子4の格子ピッチは任意に選んで良い。
《原理の説明》
上述したように、本発明のエンコーダでは、移動格子5に2つの光束11,12を入射し、各々の光束11,12に関して得られる干渉光をそれぞれ受光素子A,Bで検出して移動格子5のx方向(移動方向)への移動およびz方向への移動を検出するようにしている。その際、移動する格子により散乱される光のドップラーシフトを利用して、移動格子の移動情報に基づいて計測を行っている。そこで、図1のエンコーダにおける計測方法を説明する前に、レーザドップラーシフトの原理について、図2の原理図を参照しながら説明する。
図2はドップラーシフトを説明する図であり、100は被測定物体である。まず、被測定物体100がx軸プラス方向に速度ベクトルVで移動している場合について考える。この被測定物体100に波数ベクトルKの光が角度αで入射し角度β方向に散乱された光(波数ベクトルK)のドップラーシフトfDXは、以下のようにして算出される。ここでは、図2に示したようにベクトルV,K,Kが同一平面(xz平面)内にある場合を考え、角度α、βはz軸との成す角を表している。
このとき、ドップラーシフトfDXは次式(1)で表される。式(1)において、右辺第1式はベクトル(K−K)とベクトルVとの内積式であり、右辺第2式、第3式は内積を具体的に計算したものである。ここで、角度θはベクトル(K−K)とx軸との成す角を表している。また、kは波数ベクトルK,Kの絶対値である波数を表しており、その値は2π/λである。vはベクトルVの絶対値である。
2πfDX=(K−K)・V
=|K−K|×|V|×cosθ
=[2kcos(α/2−β/2)]×vcosθ …(1)
ここで、図2の角度θを角度α、βで表すと次式(2)のようになるので、式(1)は式(3)のように変形できる。
θ=π/2−(α/2+β/2) …(2)
2πfDX=2kvcos(α/2−β/2)×cos[π/2−(α/2+β/2)]
=kv×[sin(α)+sin(β)] …(3)
次に、被測定物体100がz軸プラス方向に速度ベクトルV(|V|=v)で移動している場合について考える。この場合も速度ベクトルVの場合と同様に計算することにより散乱光のドップラーシフトfDZが得られ、それは次式(4)のように表される。
2πfDZ=[2kcos(α/2−β/2)]×vcos(π/2−θ)
=2kvcos(α/2−β/2)×cos(α/2+β/2)
=kv×[cos(α)+cos(β)] …(4)
式(3),(4)は振動数シフト量と移動速度との関係を示したものであるが、これらの両辺に時間Δtを乗算すると、次式(5),(6)で表されるような被測定物体100の位置変化Δx,Δzと位相変化φ,φとの関係が得られる。そして、被測定物体100がx方向およびz方向の両方向に移動している場合には、φとφとの和が散乱光の位相シフト量φとなり、式(7)のように表される。
φ=kΔx×[sin(α)+sin(β)] …(5)
φ=kΔz×[cos(α)+cos(β)] …(6)
φ=kΔx×[sin(α)+sin(β)]+kΔz×[cos(α)+cos(β)] …(7)
ここで、被測定物体100がピッチpの回折格子の場合を考える。第1の光束は回折格子に入射角度α1で入射し、出射角度β方向にn次回折光が出射される。第2の光束は回折格子に入射角度α2で入射し、同じ出射角度β方向にm次回折光が出射される。各回折光の位相シフト量φ1,φ2は式(7)を用いて算出され、次式(8),(9)で与えられる。
φ1=kΔx×[sin(α1)+sin(β)]+kΔz×[cos(α1)+cos(β)] …(8)
φ2=kΔx×[sin(α2)+sin(β)]+kΔz×[cos(α2)+cos(β)] …(9)
出射角度β方向に出射された位相シフト量φ1の光束と位相シフト量φ2の光束とが干渉した場合、干渉光の位相情報ψは次式(10)で表される。なお、ψはcos関数の位相項であるので、位相情報は絶対値情報として得られる。
ψ=φ1−φ2
=kΔx・[sin(α1)+sin(β)]+kΔz・[cos(α1)+cos(β)]
−kΔx・[sin(α2)+sin(β)]−kΔz・[cos(α2)+cos(β)]
=kΔx×[sin(α1)−sin(α2)]+kΔz×[cos(α1)−cos(α2)]…(10)
ここで、格子のピッチはpなので、入射角度α1とn次回折光の出射角度βとの間には次式(11)の関係が成り立ち、入射角度α2とm次回折光の出射角度βとの間には次式(12)の関係(回折条件)が成り立つ。そして、式(11),(12)を式(10)に代入すると、位相情報ψとして式(13)を得る。
sin(α1)+sin(β)=nλ/p …(11)
sin(α2)+sin(β)=mλ/p …(12)
ψ=kΔx×[sin(α1)−sin(α2)]+kΔz×[cos(α1)−cos(α2)]
=2π(n−m)Δx/p+kΔz×[cos(α1)−cos(α2)] …(13)
《エンコーダにおける測定方法の説明》
図1に示した本実施の形態のエンコーダでは、上述したような原理に基づいて、具体的には式(10),(13)により得られる位相情報を用いることによって、移動格子5のx方向およびz方向の移動情報を検出するようにしている。図3は回折格子4以降の光束の様子を図1のy軸マイナス方向から見た模式図であり、この図3を参照しながら受光素子A,Bにおける干渉光強度について説明する。
(受光素子A)
まず、受光素子Aの干渉光強度について説明する。回折格子4で−1次回折を受けて角度a方向に出射される光束11は、入射角度aで移動格子5に入射する。ここで、入射角度および出射角度については、垂線から右回りの角度をプラス方向とする。光束11が入射角度aで移動格子5に入射すると、+1次回折された光束111は角度bで出射され、0次回折光である光束110は入射角度aでインデックス格子6に入射する。
インデックス格子6に入射した光束110は+1次回折され、角度bで出射して受光素子Aに入射する。一方、移動格子5で+1次回折された光束111はインデックス格子6を直進して受光素子Aに入射する。上述したように、移動格子5およびインデックス格子6は同一格子ピッチpを有しており、+1次回折の際の入射角度aと出射角度bとの間には回折条件である次式(14)が成り立っている。
sin(a)+sin(b)=λ/p …(14)
移動格子5の0次回折光である光束110は、移動格子5の移動の影響であるドップラーシフトを受けない。すなわち、光束110の場合には入射光11の波数ベクトルKと散乱光110の波数ベクトルKとが等しいので、ベクトル(K−K)はゼロベクトルとなる。その結果、ドップラーシフトfDX,fDZはいずれもゼロとなって、光束110の位相シフト量もゼロとなる。
すなわち、移動格子5の移動の影響を受けるのは移動格子5で±1次回折された光だけであり、本実施の形態では移動格子5で±1次回折された光(光束111,121)を信号光として用い、移動格子6を直進してインデックス格子6で±1次回折された光(光束110,120)を参照信号として用いる。
そのため、図3のように、受光素子Aの右側にずれた光束111の位相シフト量をφ1、受光素子Aの左側にずれた光束110の位相シフト量をφ2とすると、受光素子Aで生じる信号光と参照光との干渉強度の位相情報ψは、上述した式(10)においてφ2=0として計算すれば良い。そして、式(10)でα1=a、β=bとおき、式(14)を用いると、位相情報ψは次式(15)のように表される。
ψ=φ1
=kΔx・[sin(a)+sin(b)]+kΔz・[cos(a)+cos(b)]
=kΔx・λ/p+kΔz・[cos(a)+cos(b)]
=2πΔx/p+kΔz・[cos(a)+cos(b)] …(15)
(受光素子B)
次に、受光素子Bの干渉光強度について説明する。回折格子4で+1次回折を受けて角度−a方向に出射される光束12は、入射角度−aで移動格子5に入射する。光束12が入射角度−aで移動格子5に入射すると、−1次回折された光束121は角度−bで出射され、0次回折光である光束120は入射角度−aでインデックス格子6に入射する。
インデックス格子6に入射した光束120は−1次回折され、角度−bで出射して受光素子Aに入射する。一方、移動格子5で−1次回折された光束121はインデックス格子6を直進して受光素子Aに入射する。光束120,121の場合も、−1次回折の際の入射角度−aと出射角度−bとの間には上述した式(14)が成り立っている。
光束120も上述した光束110の場合と同様に移動格子5で0次回折された光なので、散乱の際にドップラーシフトを受けず位相シフト量はゼロである。そのため、図3のように、受光素子Bの右側にずれた光束120の位相シフト量をφ1、受光素子Bの左側にずれた光束121の位相シフト量をφ2とすると、受光素子Bで生じる信号光と参照光との干渉強度の位相情報ψは、上述した式(10)においてφ1=0として計算すれば良い。そして、式(10)でα1=−a、β=−bとおき式(14)を用いると、位相情報ψは次式(16)のように表される。
ψ=−φ2
=−kΔx・[sin(−a)+sin(−b)]−kΔz・[cos(−a)+cos(−b)]
=kΔx・[sin(a)+sin(b)]−kΔz・[cos(a)+cos(b)]
=2πΔx/p−kΔz・[cos(a)+cos(b)] …(16)
このようにして、受光素子A,Bのそれぞれについて干渉光強度の位相情報ψ,ψが得られる。図1のエンコーダ処理回路7は干渉信号の位相角を計算して出力するようになっているので、各受光素子A,Bの出力を処理した後にそれらの信号の和算および減算を行うと、上述した位相情報ψ,ψに基づく移動格子5のx軸移動情報およびz軸移動情報、すなわち2自由度の情報を得ることができる。
(x軸移動情報)
ψ+ψ=4πΔx/p
(z軸移動情報)
ψ−ψ=2kΔz・[cos(a)+cos(b)]
これらの値Δx,Δzは所定時間あたりの移動量を表しており、例えば、所定時間間隔で繰り返し検出する場合には時間間隔あたりの移動量を表している。そのため、移動格子5のx位置およびz位置は、これらの移動情報と予め取得した基準位置とから算出することができる。基準位置としては、例えばエンコーダの電源投入時の位置などが選ばれる。また、図1に示した例では光源側から移動格子5、インデックス格子6の順に配置したが、逆に、インデックス格子6、移動格子5の順に配置しても良い。なお、上述した実施の形態では、参照光として0次回折光を用いたが必ずしも0次回折光でなくても良く、次数の異なる回折光を参照光および信号光として用いれば良い。
[変形例]
上述した実施の形態では、移動格子5およびインデックス格子6を透過した光束を受光素子A,Bで受光する透過型のエンコーダを構成したが、本発明は図4に示すような反射型エンコーダにも適用することができる。この場合、移動格子15をハーフミラーで構成し、透過率が50%で反射率が50%になるようにする。なお、エンコーダ処理回路7については図示を省略した。
回折格子4を出射した光束11の一部は移動格子15で回折反射されて受光素子Aに入射し、移動格子5を透過した光はインデックス格子16で回折反射され、その一部が移動格子5を透過して受光素子Aに受光される。一方、光束12の一部は移動格子15で回折反射されて受光素子Bに入射し、移動格子5を透過した光はインデックス格子16で回折反射され、その一部が移動格子5を透過して受光素子Bに受光される。位相情報および移動情報については上述した実施の形態と同様に算出されるので、ここでは説明を省略する。
−第2の実施の形態−
図5は本発明による光電式エンコーダの第2の実施の形態を示す図であり、エンコーダの主要構成を示したものである。なお、図1の同一部分には同一符号を付し、以下では異なる部分を中心に説明する。本実施の形態では、光束分割素子は2つの回折格子4A,4Bから成る。コリメートレンズ2により平行光とされた光束3は、第1の光束分割素子である回折格子4Aで0次および±1次回折を受けて3光束21,22,23が生成される。
−1次回折光である光束21は角度a1で出射されて第2の光束分割素子である回折格子4Bに入射し、回折格子4Bで+1次回折されて角度0で出射される。また、+1次回折光である光束23は角度−a1で出射されて回折格子4Bに入射し、回折格子4Bで−1次回折されて角度0で出射される。一方、0次回折光である光束22は回折格子4Bに垂直に入射し、回折格子4Bで±1次回折を受けて光束22a,22bがそれぞれ角度a1,−a1で出射される。
回折格子4Bを出射した光束21,23は、移動格子5を直進して受光素子A,Bにそれぞれ入射する。すなわち、光束21,23の0次回折光が、それぞれ受光素子A,Bに入射する。一方、角度a1で移動格子5に入射した光束22aは移動格子5により+1次回折を受け、角度0で出射されて受光素子Aに入射する。また、角度−a1で移動格子5に入射した光束22bは移動格子5により−1次回折を受け、角度0で出射されて受光素子Bに入射する。このとき、移動格子5の格子ピッチはpなので、角度a1と格子ピッチpとの間には次式(17)の関係が成立する。
sin(a1)=λ/p …(17)
なお、本実施の形態では、移動格子5に対して光束21,23は角度0で入射し、光束22aは角度a1で入射し、光束22bは角度−a1で入射するように構成したが、このような構成に限定されない。重要なのは、4つの光束21a,21b,22a,22bの中の少なくとも3光束の移動格子入射角度が異なり、かつ、移動格子5に入射する際の光束21,22aの入射角度平均値と光束22b,23の入射角度平均値とが異なっていることであり、それにより上述したようなx軸移動情報とz軸移動情報とを得ることができる。図5に示す例では、光束21,22aの入射角度平均値はa1/2で、光束22b,23の入射角度平均値−a1/2である。
第1の実施の形態で説明したように、移動格子5を直進する光束21,23は移動格子5の移動の影響を受けないのでドップラーシフトは発生しない。一方、移動格子5により±1次回折される光束22a,22bにはドップラーシフトが生じる。受光素子Aは光束21(参照光)と光束22a(信号光)との干渉光を受光することになり、そのときの干渉強度の位相情報は上述した式(10)により得られる。ここでは、式(10)のφ1を光束22aの位相シフト量、φ2を光束21の位相シフト量とし、α1=a1、α2=0および式(17)を用いると、位相情報ψは次式(18)により得られる。
ψ=kΔx×sin(a1)+kΔz×[cos(a1)−1]
=2πΔx/p−kΔz×[1−cos(a1)]
=2πΔx/p−kΔz×[1−{1−(λ/p)1/2
≒2πΔx/p−πλΔz/p …(18)
一方、受光素子Bは光束23(参照光)と光束22b(信号光)との干渉光を受光することになり、そのときの干渉強度の位相情報は受光素子Aの場合と同様にた式(10)により得られる。ただし、式(10)のφ1を光束23の位相シフト量、φ2を光束22bの位相シフト量とする。そして、α1=0、α2=−a1および式(17)を用いると、位相情報ψは次式(19)により得られる。
ψ=kΔx×[sin(0)−sin(−a1)]+kΔz×[cos(0)−cos(−a1)]
=kΔx×sin(a1)+kΔz×[1−cos(a1)]
≒2πΔx/p+πλΔz/p …(19)
このようにして、受光素子A,Bのそれぞれについて干渉光強度の位相情報ψ,ψが得られる。第1の実施の形態と同様に、各受光素子A,Bの出力を処理した後にそれらの信号の和算および減算を行うと、上述した位相情報ψ,ψに基づく移動格子5のx軸移動情報およびz軸移動情報を得ることができる。
(x軸移動情報)
ψ+ψ=4πΔx/p
(z軸移動情報)
ψ−ψ=2πλΔz/p
[変形例]
上述した第2の実施の形態では、移動格子5を透過した光束を受光素子A,Bで受光する透過型のエンコーダを構成したが、本発明は図6に示すような反射型エンコーダにも適用することができる。この場合、移動格子25は反射型の回折格子であり、例えば、移動格子5の裏面側に反射コーティングを施す。なお、エンコーダ処理回路7は樹脂を省略した。
回折格子4Bから出射された光束21,22aは、移動格子25により回折反射されて受光素子Aに入射する。一方、回折格子4Bから出射された光束22b、23は、移動格子25により回折反射されて受光素子Bに入射する。位相情報および移動情報については上述した実施の形態と同様に算出されるので、ここでは説明を省略する。
上述した実施の形態は本発明の一例を説明したものであり、格子ピッチや回折光次数は一例であった2種類の干渉強度が得られる光学系であれば、同様の効果を奏することができる。そして、上述した以外にも様々な実施形態が可能であり、例えば、2光束分割素子として回折格子を用いたが、プリズムやハーフミラー等を用いても良い。
また、移動格子5とインデックス格子6を同一格子ピッチpとしたが、必ずしも同一ピッチでなくても良い。さらに、入射光は必ずしも平行光でなくても良いし、また、2光束分割素子に入射する光束は垂直入射でなくても良い。ただし、垂直入射でない場合には、格子出射角度は対称等角とはならない。干渉光を得るための光学系としては、モアレ方式や格子ピッチが異なるバーニア方式を採用して受光素子A,Bに多分割受光素子を用いるようにしても良い。
また、上述した第1の実施の形態では、移動格子5,15に関して入射角度と出射角度との絶対値の大きさが異なっていたが、同じ大きさとなるように設定してもよい。すなわち、透過型の場合には入射角度aに対して出射角度を−aとし、反射型の場合には入射角度aに対して出射角度をaとする。このように設定すると、光路長差がゼロとなるためLED等のインコヒーレント光源を使用することができる。
なお、光源に横ゼーマンレーザ等を用いることも当然可能であり、ヘテロダイン干渉計を構築することにより高分解能なエンコーダを構成することができる。また、本光学系構成を2組用いることによって、3軸方向の計測が可能な3自由度エンコーダを構成することも可能である。さらにまた、上述したように本発明ではレーザドップラーシフトの原理を利用して移動情報を取得しているので、本光学系構成で2自由度または3自由度のレーザドップラー速度計を構築することも可能である。なお、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
上述したように、本実施の形態の光電式エンコーダでは半導体レーザやLED等を光源として使用することができ、かつ、従来の装置と比較すると光学素子の数が非常に少ないので、装置の小型化を図ることができるとともに安価に製造することができる。また、光学素子の数が非常に少ないことから、光路を非常に短くすることができ動作が安定するという効果を有している。
なお、図1,3,4,5,6において、格子6,16,4Bを移動格子としても良く、同様の計算により移動量が算出される。以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、回折格子4は請求項1の光学系を、光束11,12は請求項1の第1および第2の光束を、インデックス格子6は第2の回折格子を、受光素子Aは第1の検出部を、受光素子Bは第2の検出部を、エンコーダ処理回路7は演算部を、光束21,22,23は請求項2の第1〜第3の光束を、回折格子4Aは請求項2の光学系を、回折格子4Bは請求項2の第1の回折格子を、移動格子5は請求項1の第1の回折格子および請求項2の第2の回折格子をそれぞれ構成する。
本発明による光電式エンコーダの第1の実施の形態を示す図であり、エンコーダの主要構成を示したものである。 ドップラーシフトの原理を説明する図である。 回折格子4以降の光束の様子を、図1のy軸プラス方向から見た模式図である。 第1の実施の形態の変形例を示す図である。 本発明による光電式エンコーダの第2の実施の形態を示す図であり、エンコーダの主要構成を示したものである。 第2の実施の形態の変形例を示す図である。
符号の説明
1 光源
2 コリメートレンズ
3,11,21,22a,22b,23,110,111,120,121 光束
4,4A,4B 回折格子
5 移動格子
6 インデックス格子
7 エンコーダ処理回路
A,B 受光素子

Claims (2)

  1. 光源と、
    前記光源の光から、互いに異なる方向に進む少なくとも第1および第2の光束を生成する光学系と、
    前記第1および第2の光束が入射し、前記第1および第2の光束の各々について0次光を含む複数の回折光をそれぞれ生成する第1の回折格子と、
    前記第1の光束から生成された前記複数の回折光のいずれか一つと他の一つとにより生じる第1の干渉光と、前記第2の光束から生成された前記複数の回折光のいずれか一つと他の一つとにより生じる第2の干渉光とを生成する第2の回折格子と、
    前記第1の干渉光を検出する第1の検出部と、
    前記第2の干渉光を検出する第2の検出部と、
    前記第1および第2の検出部の検出結果から算出される位相情報に基づく演算を行う演算部とを備え、
    前記第1および第2の回折格子のうちの一方は可動物体に固定された移動格子であって、前記演算部は、前記移動格子の移動により散乱される光のドップラーシフトを利用して、前記移動格子の移動方向の変位および前記移動格子に垂直な方向の変位を演算することを特徴とする光電式エンコーダ。
  2. 光源と、
    前記光源の光から、互いに異なる方向に進む第1、第2および第3の光束を生成する光学系と、
    前記第1、第2および第3の光束が入射し、前記第1、第2および第3の光束の各々について0次光を含む複数の回折光をそれぞれ生成する第1の回折格子と、
    前記第1の光束から生成された前記複数の回折光のいずれか一つと、前記第2の光束から生成された前記複数の回折光のいずれか一つとにより第1の干渉光を生成するとともに、前記第2の光束から生成された前記複数の回折光の内で前記第1の干渉光を生じた回折光とは異なる回折光と、前記第3の光束から生成された前記複数の回折光のいずれか一つにとより第2の干渉光を生成する第2の回折格子と、
    前記第1の干渉光を検出する第1の検出部と、
    前記第2の干渉光を検出する第2の検出部と、
    前記第1および第2の検出部の検出結果から算出される位相情報に基づく演算を行う演算部とを備え、
    前記第1および第2の回折格子のうちの一方は可動物体に固定された移動格子であって、前記演算部は、前記移動格子の移動により散乱される光のドップラーシフトを利用して、前記移動格子の移動方向の変位および前記移動格子に垂直な方向の変位を演算することを特徴とする光電式エンコーダ。
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