(第1の実施の形態)
以下、本発明の第一の実施形態を、図面に基づいて説明する。ここでは、距離センサとしてスキャニングレーザレーダ(以下、レーザレーダという)を利用する場合について説明する。
本発明は、例えば、図1に示す如くの前方物体検出装置に適用される。
[前方物体検出装置の構成1]
図1は、前方物体検出装置の機能的な構成を示すブロック図であり、図2及び図3は、レーザレーダ1の設置位置を示した図である。この前方物体検出装置は、自車両前方に設けられたレーザレーダ(物体検出手段)1と、走行時の挙動を検出する車両挙動検出部2と、レーザレーダ1及び車両挙動検出部2より与えられる情報に基づいて、自車両前方に存在する物体を検出するための物体検出処理を行う演算部3と、提示部4を備えて構成されている。
レーザレーダ1は、図2及び図3に示すように、自車両11の前部に設置される。また、スキャニング面において所定の角度で光軸を変更することで、所定のスキャン範囲でレーザ光を走査させる。これにより、レーザレーダ1はスキャン範囲に存在する物体にレーザ光を照射する。
レーザレーダ1は、出射したレーザ光が前方に存在する物体に照射されて反射された反射レーザ光(反射波)を検出することにより、反射レーザ光の光強度に基づいた反射信号を取得する。そして、取得した反射信号に基づいた距離計測処理を行うことにより、距離計測情報を生成し、これを演算部3に出力する。
車両挙動検出部2は、自車両11のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサと、自車両左右後輪の車輪速を検出する車輪速センサと、自車両11の操舵角を検出する操舵角センサとを有する。このシフトポジションセンサ、車輪速センサ、操舵角センサからのセンサ信号を用いて、自車両位置、自車両進行方向、自車両11の向き、及び移動距離を算出する演算装置を有する。
車両挙動検出部2は、演算装置にて算出された自車両位置、自車両進行方向、自車両の向き、及び移動距離を、車両走行情報として演算部3に出力する。
演算部3は、自車両内部に搭載されたCPU(Central Processing Unit)、 RAM(Random Access Memory)、 ROM(Read Only Memory)、 入出力I/F等からなるマイクロコンピュータで構成されており、道路構造物線分検出部(道路構造物線分検出手段)31と、道路構造物モデル算出部(道路構造物モデル算出手段)32と、道路構造物検出部(道路構造物検出手段)33と、第1のグルーピング部(第1のグルーピング手段)34と、第2のグルーピング部(第2のグルーピング手段)35と、メモリ36の各機能ブロックに分割される。また、道路構造物線分検出部31は、線分算出部(線分算出手段)311と、線分分類部(線分分類手段)312と、を具備する。道路構造物モデル算出部32は、線分選択部(線分選択手段)321と、近似式次数決定部(近似式次数決定手段)322を具備する。更に、道路構造物検出部33は、道路構造物判定部(道路構造物判定手段)331と、判定基準変更部(判定基準変更手段)332と、初期道路構造物判定部(初期道路構造物判定手段)333を具備している。
また、演算部3は、レーザレーダ1及び車両挙動検出部2より得られる情報に基づいて、自車両11の前方に存在する物体を検出する物体検出処理を行い、メモリ36は、当該処理にて生成された各種情報と各種しきい値とを記憶する。なお、この物体検出処理の詳細については後述する。
提示部4は、自車両11に搭載されるディスプレイやスピーカであり、演算部3にて行われた物体検出処理の結果を自車両11の乗員等に提示する。
[前方物体検出装置の動作1]
この前方物体検出装置では、自車両11が走行している場合において、レーザレーダ1により自車両11の前方に存在する物体の距離計測処理を行う。ここで、図4に示すように、自車両11の前方方向のスキャン範囲内に物体A〜Cが存在する場合を一例として、図1〜図9を用いて説明する。ここで、図4〜図9は、検出点の検出位置等を示した説明図である。
レーザレーダ1は、スキャン範囲内にレーザ光を走査して距離計測処理をすることで、自車両11からスキャン範囲に含まれる各物体までの距離情報(位置情報)を得て、当該得られた距離情報に基づいて、自車両11に対する物体位置を示す検出点を検出する。
本例では、図4に示すように、レーザレーダ1(図中、LRで表記)は、自車両11に対する物体A〜Cの位置情報を示す検出点a〜pを検出する。同図では検出点a〜pは物体A〜Cについて得た距離に従ってプロットしている。
次いで、レーザレーダ1は検出点の位置に関する距離計測情報を生成して演算部3のメモリ36に記憶する。
車両挙動検出部2は、演算装置にて自車両位置、自車両進行方向、自車両11の向き、及び移動距離を算出し、車両走行情報として演算部3のメモリ36に記憶する。
演算部3の線分算出部311は、図5に示すように、メモリ36から距離計測情報、車両走行情報、後述する初期判定情報、及びしきい値Zt1、Zt2、Xt1を取得し、当該取得された情報等に基づいて、以下の処理を行う。
即ち、スキャン開始位置に最も近い検出点から当該検出点に隣接する検出点までのZ方向(自車両進行方向前方向)距離差を算出する。
さらに、車両走行情報に基づいて、推定走路中心を以下の式(1)〜(2)を用いて算出し、当該算出された推定走路中心Lbから当該各検出点までのX方向距離を算出する。さらに、当該X方向距離の差、即ち推定走路中心LbからのX方向距離差を算出する。
1/RH=((1/LH)/(1+AH*VH^2))*(δ/NH) …(1)
AH=−(M/2LH^2)*((LF*KF−LR*KR)/(KF*KR)) …(2)
ここで、RHは、推定走路中心Lbの曲率である。したがって、線分算出部311は、当該RHの値及び自車両11の位置等に基づいて、推定走路中心Lbを算出する。
また、LH:ホイルベース、VH:車速、δ:舵角、NH:ステアリングギア比、M:車両重量、LF・LR:前・後輪軸重心点距離、KF・KR:前・後輪タイヤコーナリングスティッフネスである。VH、及びδの値は、車両走行情報から取得される。その他のパラメータの値は固定値としてメモリ36に記憶され、推定走路中心算出の際に線分算出部311によりメモリ36から取得される。
次いで、当該算出されたZ方向距離差がしきい値Zt1以上Zt2以下で、且つ推定走路中心LbからのX方向距離差がしきい値Xt1以下である場合には、これら検出点が同一の線分(検出線)を構成すると判定する。
そして、これら検出点の一方の検出点を始点、他方の検出点を終点とした線分、即ちこれら検出点を連結する線分を算出する。なお、当該条件を満たさない検出点は、他の線分を構成する検出点または線分を構成しない独立した検出点となる。
ここで、しきい値Zt1、Zt2は、デリニエータの設置間隔程度となるように設定され、しきい値Xt1は、上述した判定条件を満たす検出点どうしが同一の線分上に実質乗るように設定される。
次いで、当該算出された線分に近接する検出点が、以下に示す条件(a1)〜(a2)の何れも満たす場合には、当該検出点を当該線分を構成すると判定する。そして、当該検出点が当該線分の延長線上にある場合には、当該線分の終点を当該検出点に更新する。そして、当該処理を、当該線分を構成する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
(a1) 検出点から自車両までのZ方向距離が、線分の始点から自車両11までのZ方向距離以上で終点から自車両11までのZ方向距離以下、または検出点から線分の始点及び終点のうち当該検出点に近い方の点までのZ方向距離がしきい値Zt1以上Zt2以下。
(a2) 線分の延長線上の点のうち、検出点のZ座標値に対応する点を算出し、当該算出点から推定走路中心LbまでのX方向距離と、検出点から推定走路中心LbまでのX方向距離と、の差がしきい値Xt1以下。
次いで、線分算出部311は、当該線分に属しない検出点が存在する場合には、当該検出点について上述した処理を繰り返す。そして、レーザレーダ1にて検出された検出点のうち、初期道路構造物判定部333による判定(道路構造物データとして利用するかどうかの判定)の対象とならなかった全ての検出点について繰り返すことにより、線分を算出する。これにより、本例では、図6に示すように、検出点a〜cで構成される線分20、検出点f〜hで構成される線分21、及び検出点n〜pで構成される線分22を算出する。検出点d、e、i〜kは、線分を構成しない。
次いで、各線分について、線分の傾きMと、線分を構成する各検出点から推定走路中心LbまでのX方向距離の平均値、即ち距離平均RXと、線分を構成する検出点の数、即ち検出点数Nと、を算出し、当該算出結果に関する線分情報を生成してメモリ36に記憶する。
演算部3の線分分類部312は、自車両11の進路方向に対して左右両側の道路構造物を検出するために、線分算出部311にて算出された線分を分類する。まず、右側の道路構造物を検出するための分類について説明する。
線分分類部312は、メモリ36から線分情報及びしきい値T1のデータを取得し、当該取得された情報等に基づいて、以下の分類を行う。
即ち、線分算出部311にて算出された線分が以下の条件(b1)を満たす場合には、当該線分を、推定走路中心Lbの右側に存在し、且つ自車両11の進行方向に平行な線分として、分類L1に分類する。
また、線分算出部311にて算出された線分が以下の条件(b2)を満たす場合には、当該線分を、推定走路中心Lbの右側に存在し、自車両11の進行方向と交差する線分として、分類L2に分類する。
また、線分算出部311にて算出された線分が以下の条件(b3)を満たす場合には、当該線分を、推定走路中心Lbの左側に存在し、自車両11の進行方向と交差する線分として、分類L3に分類する。
(b1) |M|>T1、且つRX≧0。
(b2) −T1≦M≦0、且つRX≧0。
(b3) −T1≦M≦0、且つRX<0。
ここで、しきい値T1は、例えば、高速道路上の隣接するデリニエータのZ方向距離差を、高速道路の1車線の幅を半分にした値で除算して得られた値となる。
したがって、本例では、図6に示すように、線分20を分類L1に分類し、線分21を分類L2に分類し、線分22を分類L3に分類する。
次に、左側の道路構造物を検出するための分類について説明する。
即ち、線分算出部311にて算出された線分が以下の条件(b4)を満たす場合には、当該線分を、推定走路中心Lbの左側に存在し、且つ自車両11の進行方向に平行な線分として、分類L4に分類する。
また、線分算出部311にて算出された線分が以下の条件(b5)を満たす場合には、当該線分を、推定走路中心Lbの左側に存在し、自車両11の進行方向と交差する線分として、分類L5に分類する。
また、線分算出部311にて算出された線分が以下の条件(b6)を満たす場合には、当該線分を、推定走路中心Lbの右側に存在し、自車両11の進行方向と交差する線分として、分類L6に分類する。
(b4) |M|>T1、且つRX<0。
(b5) 0<M≦T1、且つRX<0。
(b6) 0<M≦T1、且つRX≧0。
なお、本例では、分類L4〜L6に分類される線分は存在しない。
次いで、線分分類部312は、当該分類の結果に関する分類情報を生成してメモリ36に記憶する。
線分選択部321は、メモリ36から分類情報を取得し、当該取得された分類情報に基づいて、線分算出部311により算出された線分のうち、分類L1、L2、L4、及びL5に分類されているものについては、各分類から距離平均RXの絶対値が最も大きい線分をそれぞれ1本ずつ選択する。また、分類L3、及びL6に分類されているものについては、各分類から線分を構成する検出点数Nの値が最も大きい線分を1本ずつ選択する。なお、このように選択することとしたのは、以下の理由による。
即ち、図6に示すように、分類L1、L2、L4、及びL5に分類される線分は、自車両11の近傍にて検出される場合が多く、推定走路中心Lb及び当該推定走路中心Lbからの距離平均RXに対する信頼性が大きいため、推定走路中心Lbから最も離れた線分が道路構造物に対応する可能性が高い。一方、分類L3、及びL6に分類される線分は、自車両11から離れた位置にて検出される場合が多く、推定走路中心Lb及び当該推定走路中心Lbからの距離平均RXに対する信頼性が小さいため、検出点数Nの数が大きい線分(遠方にて検出点が密集する部分)が道路構造物に対応する可能性が高いためである。
本例では、図6に示すように、分類L1に分類される線分から線分20を、分類L2に分類される線分から線分21を、分類L3に分類される線分から線分22をそれぞれ選択する。
次いで、線分選択部321は、当該選択された線分に関する選択情報を生成してメモリ36に記憶する。
近似式次数決定部322は、メモリ36から選択情報を取得し、当該取得された選択情報に基づいて、自車両11の右側に位置する道路構造物、左側に位置する道路構造物のそれぞれについて、近似線Laの次数を決定し、更に、当該決定された次数等に基づいて近似線Laを算出する。
まず、右側の道路構造物に対応する近似線Laの次数決定方法および近似線算出方法について説明する。
即ち、近似式次数決定部322は、線分選択部321にて選択された線分のうち、分類L1〜L3に分類される線分に着目する。
そして、近似式次数決定部322は、当該線分選択部321にて選択された線分に分類L1に分類される線分のみが含まれる場合には、道路構造物は直線路上に並んでいると判断し、当該選択された線分を構成する検出点を回帰分析し、以下の式(3)で示される近似線Laを算出する。
X=a1+b1*Z …(3)
一方、選択された線分に分類L2または分類L3に分類される線分が含まれる場合には、道路構造物は曲線上に並んでいると判断し、当該選択された線分(分類L1〜L3に分類される線分)を構成する全ての検出点を重回帰分析し、以下の式(4)で示される近似線Laを算出する。
X=a1+b1*Z+c1*Z^2 …(4)
本例では、選択された線分に分類L2または分類L3に分類される線分が含まれるので、図7に示すように、線分20〜22を構成する全ての検出点を重回帰分析し、式(4)で示される近似線Laを算出する。
同様に、近似式次数決定部322は、左側の道路構造物に対応する近似線の次数及び近似線を、以下のように決定、算出する。
即ち、近似式次数決定部322は、線分選択部321にて選択された線分のうち、分類L4〜L6に分類される線分に着目する。
そして、近似式次数決定部322は、線分選択部321にて選択された線分が分類L4に分類されるもののみである場合には、道路構造物は直線路上に並んでいると判断し、当該選択された線分を構成する検出点を回帰分析し、上述した式(3)で示される近似線Laを算出する。
一方、選択された線分に分類L5または分類L6に分類される線分が含まれる場合には、道路構造物は曲線上に並んでいると判断し、当該選択された線分(分類L4〜L6に分類される線分)を構成する全ての検出点を重回帰分析し、上述した式(4)で示される近似線Laを算出する。
なお、近似式次数決定部322は、後述する初期道路構造物判定部333により道路構造物データとして利用すると判定された検出点に基づいて、上述した近似式次数決定処理及び近似式算出処理を行う。具体的には、後述する。
次いで、近似式次数決定部322は、当該決定された近似線の次数及び算出された近似線に関する近似線情報を生成してメモリ36に記憶する。
道路構造物判定部331は、メモリ36から距離計測情報、近似線情報、及びしきい値(基準距離)T2のデータを取得し、当該取得された情報等に基づいて、以下の処理を行う。
即ち、近似式次数決定部322により算出された近似線Laから各検出点までの距離D1をそれぞれ算出する。
そして、当該算出された距離D1としきい値T2とを比較し、距離D1がしきい値T2未満である検出点を道路構造物データと判定する。
そして、道路構造物データと判定された検出点どうしをグルーピングし、これを道路構造物として検出する。さらに、道路構造物データと判定された検出点を回帰分析して、近似線Laを再度算出する。
ここで、しきい値T2は、近似線Laの次数が1次の場合には、レーザレーダ1の測定精度よりも若干大きい値に設定される。
本例では、図7に示すように、近似線Laから各検出点a〜pまでの距離D1をそれぞれ算出し、当該算出された距離D1としきい値T2とを比較する。この結果、図8に示すように、検出点a〜c、f〜h、k〜pを道路構造物データと判定する。
次いで、道路構造物として検出された検出点及び算出された近似線Laに関する道路構造物情報を生成し、メモリ36に記憶する。
判定基準変更部332は、メモリ36から近似線情報を取得し、当該取得された近似線情報に基づいて、メモリ36に記憶されるしきい値T2の値を設定する。具体的には、近似式次数決定部322により決定された次数が1次の場合には、しきい値T2を上述した値に設定し、2次の場合には、上述した値よりも大きな値(例えば、上述した値よりも1メートル大きな値)に設定する。
初期道路構造物判定部333は、レーザレーダ1にて今回検出された検出点が道路構造物データとして利用できるかどうかを判定する。即ち、初期道路構造物判定を行う。
具体的には、メモリ36から距離計測情報(今回生成されたもの)と、近似線情報(前回生成されたもの)と、しきい値T2のデータを取得し、当該取得された情報等に基づいて、前回算出された近似線Laから今回検出された各検出点までの距離D2を算出する。
そして、当該算出された距離D2としきい値T2とを比較し、距離D2がしきい値T2未満で、且つ移動物体の近傍に存在しない検出点を道路構造物データとして利用すると判定する。さらに、距離D2がしきい値T2未満で、且つ移動物体の近傍に存在する検出点を道路構造物データとして利用しないと判定する。一方、距離D2がしきい値T2以上である検出点については、当該判定の対象としない。さらに、道路構造物データとして利用すると判定された検出点については、当該判定に用いられた近似線Laの種類(自車両11に対して右側の道路構造物に対応する近似線Laか、左側の道路構造物に対応する近似線Laか)に応じて、左右何れの側の道路構造物データとして利用するのかを判定する。
ここで、検出点が移動物体の近傍に存在するかどうかの判定は、以下のようにして行う。即ち、初期道路構造物判定部333は、第2のグルーピング部35により前回検出された物体のうち、移動物体に関する第2グループデータをメモリ36から取得する。なお、第2のグルーピング部35による処理については、後述する。
次いで、初期道路構造物判定部333は、当該第2グループデータに含まれる相対速度情報に基づいて、当該移動物体の現在位置を推定し、今回検出された検出点が当該現在位置の近傍に存在する場合には、当該検出点は移動物体の近傍に存在すると判定する。一方、今回検出された検出点が当該現在位置の近傍に存在しない場合には、当該検出点は移動物体の近傍に存在しないと判定する。
次いで、当該初期道路構造物判定に関する初期判定情報を生成してメモリ36に記憶する。
ここで、当該初期道路構造物判定処理を図9に基づいて説明する。なお、図9に示す近似線Laが前回算出され、図4に示す物体B、Cが移動物体として前回検出され、検出点q〜a−1が今回検出されたものとして説明する。
初期道路構造物判定部333は、メモリ36から距離計測情報(今回生成されたもの)と、近似線情報(前回生成されたもの)と、しきい値T2のデータを取得し、前回算出された近似線Laから今回検出された各検出点q〜a−1までの距離D2を算出する。
さらに、メモリ36から物体B、Cに関する第2グループデータを取得し、当該第2グループデータに基づいて、物体B、Cの現在位置を推定する。
そして、当該算出された距離D2としきい値T2とを比較し、さらに、各検出点q〜a−1の位置と当該推定された現在位置とを比較する。この結果、検出点q、s〜w、y〜a−1については、距離D2がしきい値T2未満で、且つ当該推定された現在位置の近傍に存在しないので、道路構造物データとして利用すると判定する。
一方、検出点r、Xについては、距離D2がしきい値T2未満で、且つ当該推定された現在位置の近傍に存在するので、道路構造物データとして利用しないと判定する。
図1に示す第1のグルーピング部34は、メモリ36から距離計測情報、道路構造物情報、及びしきい値Zt3、Zt4、Zt7、Xt2、Wt3のデータを取得する。そして、当該取得された情報等に基づいて、上述で道路構造物データとならなかった検出点に対して、スキャン開始位置から隣接する検出点間のZ方向距離を演算し、演算して得たZ方向距離の絶対値としきい値Zt3とを比較する。ここで、しきい値Zt3は、レーザレーダ1の測定精度よりも少し大きめの値で、且つ、T2(近似線が1次の場合)<Zt3<T2(近似線が2次の場合)となるように、設定される。
第1のグルーピング部34は、Z方向距離の絶対値がしきい値Zt3以下であると判定した場合には、距離を演算する際に使用した2つの検出点を、同一物体から反射した反射レーザ光により得たものと判定して、グルーピング対象とする。
一方、第1のグルーピング部34は、Z方向距離の絶対値がしきい値Zt3以上である場合、或いは、隣接する検出点が存在せず孤立した検出点である場合には、1つの検出点でのみでグルーピング対象とする。
第1のグルーピング部34は、上述した処理を各検出点について繰り返すことで第1グループデータを生成する。さらに、各第1グループデータについて、第1グループデータに含まれる各検出点から自車両11までのZ方向距離を平均して第1グループデータのZ方向距離を算出する。さらに、第1グループデータのX方向における中心点を算出し、第1グループデータの右端点と左端点との位置差にレーザレーダ1による単位スキャン幅を加算して物体幅を算出する。そして、当該算出結果を第1グループデータに含めて、メモリ36に記憶する。
本例では、図4に示すように、検出点d、eを第1グループデータR(1、t)として認識し、検出点i、jを第1グループデータR(2、t)として認識する。また、検出点l、mをグルーピング対象とできない第1グループデータR(3、t)及びR(4、t)として認識する。
このように、第1のグルーピング部34は、道路構造物を除いたデータに対して、レーザ光の反射に基づくグルーピング処理をし、この処理を例えば所定間隔で行うことで時間的に前後する複数の第1グループデータを得る。
また、第1のグルーピング部34は、自車両11が走行している場合において、上述の第1グルーピング処理により得た時間的に前後する第1グループデータの比較をし、時間的に前後する第1グループデータが同一の第1グループデータか否かの判定をする。そして、演算部3は、時間的に前後する同一グループデータについて自車両11に対する相対速度を計算する。
具体的には、時間的に前に相対速度を演算した第1グループデータと、今回の処理対象となる第1グループデータとの比較を行う。そして、時間的に前に相対速度を演算した第1グループデータと、今回の処理対象となる第1グループデータについて、以下に示す(c1)、(c2)の、2つの条件を満たす場合には、時間的に前後する第1グループデータが同一物体によるものであると判定する。
(c1)時間的に前に検出された第1グループデータの相対速度から推定した当該第1グループデータの現在位置から、実測した今回の第1グループデータまでのZ方向距離の絶対値がしきい値Zt4以下である。
(c2)時間的に前に検出された第1グループデータのX方向における中心点から、今回の第1グループデータのX方向における中心点までのX方向距離の絶対値がしきい値Xt2以下である。
ここで、しきい値Zt4、Xt2は、正確な相対速度を算出するために、レーザレーダ1の測定精度と同等な小さい値に設定される。
さらに、今回の処理対象となり、上述した条件(c1)〜(c2)を満たさない第1グループデータと、時間的に前に検出され、相対速度を算出されていない第1グループデータとの比較も行う。
即ち、第1のグルーピング部34は、時間的に前に検出された第1グループデータと、今回の処理対象となる第1グループデータについて、以下に示す(f1)〜(f3)の、2つの条件を満たす場合には、時間的に前後する第1グループデータが同一物体によるものであると判定する。
(f1)時間的に前に検出された第1グループデータから、実測した今回の第1グループデータまでのZ方向距離の絶対値がしきい値Zt7以下である。
(f2)時間的に前に検出された第1グループデータのX方向における中心点から、今回の第1グループデータのX方向における中心点までのX方向距離の絶対値がしきい値Xt2以下である。
(f3)時間的に前に検出された第1グループデータの物体幅と、実測した今回の第1グループデータの物体幅との差の絶対値がしきい値Wt3以下である。
第1のグルーピング部34は、時間的に前の第1グループデータと同一物体によるものと認識された今回の第1グループデータについて自車両11に対する相対速度を算出し、第1グループデータに含める。なお、相対速度の算出方法については、後述する。
また、第1のグルーピング部34は、時間的に前の第1グループデータと同一物体によるものと認識されていない第1グループデータについては、相対速度の算出ができず、メモリ36に記憶しておき、次回の第1グルーピング処理時に使用する。
図1に示す第2のグルーピング部35は、上述の第1グルーピング処理後に、第2グルーピング処理を行う。このグルーピング処理では、時間的に前に既に求められた第2グループデータと、今回検出され、相対速度が計算された第1グループデータとの比較を行う。
ここで第2のグルーピング部35は、前回の第2グループデータにおけるX方向の中心位置から左右1/2車線幅(例えば1.75m)をグルーピング範囲として決定し、この範囲内に存在する複数の検出点をグルーピングする。
具体的には、第2のグルーピング部35は、前回の第2グループデータと、今回の相対速度が計算され、上述のグルーピング範囲にX方向の中心位置が存在する第1グループデータと、しきい値Zt5、Zt6、Vt1、Wt1、Vt2、Wt2をメモリ36から取得する。
そして、前回の第2グループデータと、今回の相対速度が計算され、上述のグルーピング範囲にX方向の中心位置が存在する第1グループデータについて、以下に示す(d1)〜(d4)の4つの判定条件を全て満たす場合に、前回の第2グループデータと今回の第1グループデータとを同一物体とする。さらに、同一物体とされた第1グループデータどうしを第2グループデータとしてグルーピングする。
(d1)前回の第2グループデータの相対速度から推定した当該第2グループデータの現在位置から、今回の第1グループデータまでのZ方向距離の絶対値がしきい値Zt5以下。
(d2)前回の第2グループデータの相対速度と今回の第1グループデータの相対速度比が0より大きい。ただし前回の第2グループデータの相対速度の絶対値が所定値(例えば5m/s程度)の場合は、適用除外とする。
(d3)前回の第2グループデータの相対速度と、今回の第1グループデータの相対速度との差がしきい値Vt1以下。
(d4)グルーピング後の第2のグループデータの物体幅がしきい値Wt1以下。
ここで、しきい値Zt5、Vt1、Wt1は、上述した距離差が車両1台分に収まれば、第1グループデータと第2グループデータを同一物体として良いという考え等に基づいて、設定される。
また、条件(d2)は、前回の第2グループデータと今回の第1グループデータとが同一方向に移動しているかどうかを判断するための条件である。また、同条件の但し書き部分は、相対速度が小さいグループデータを、同一物体かどうかの判定から除外することを意味している。相対速度が小さいグループデータについては、測定誤差があることも考えられることから、各グループデータがどちらの方向に移動しているかを判断することが難しいためである。
更に、上記の判定条件を満たさずに同一物体がない第1グループデータについては、第1グループデータどうしでグルーピングを行い、以下に示す(e1)〜(e3)に示す3つの判定条件を満たす場合に、新規の第2グループデータとしてグルーピングする。
(e1)今回の第1グループデータどうしにおけるZ方向距離差の絶対値がZt6以下。
(e2)今回の第1グループデータどうしにおける相対速度差の絶対値がVt2以下。
(e3)グルーピング後の第2グループデータの物体幅がしきい値Wt2以下。
ここで、しきい値Zt6、Vt2、Wt2は、上述したZ方向距離差が車両1.5台分に収まれば、第1グループデータどうしを同一物体として良いという考え等に基づいて、設定される。即ち、本条件(e1)〜(e3)は、最初の条件(d1)〜(d4)を満たさない第1グループデータについては、条件を少し緩くして再度判定を行うことを意味している。
また、第2のグルーピング部35は、第1グループデータが上述した条件(d1)〜(d4)、(e1)〜(e3)の何れの判定条件を満たさない場合には、当該第1グループデータのみで新規に第2グループデータとする。
このような第2グルーピング処理を行うことにより、第2のグルーピング部35は、自車両11の前方に存在する物体に含まれる検出点で構成される第2グループデータを生成する。
さらに、第2グループデータに含まれる第1グループデータからZ方向距離、X方向における中心点、物体の左右端点、相対速度のそれぞれについて平均値を算出し、当該算出された平均値を、当該第2グループデータのZ方向距離、X方向における中心点、物体幅、相対速度とする。さらに当該第2グループデータに対応する過去の第2グループデータが存在する場合には、当該第2グループデータの検出回数の値を更新する。
そして、当該第2グループデータを、自車両11の前方に存在する物体によるものと判断することで、自車両11の前方に存在する物体(本例では、図4に示すように、物体B、C)を検出する。さらに、第2グループデータに含まれる相対速度情報に基づいて、当該物体が移動物体であるかどうかを判定し、当該判定の結果を第2グループデータに含める。
そして、生成された第2グループデータを、メモリ36に記憶する。
[前方物体検出装置による物体検出手順1]
図10は、演算部3により物体検出処理を行う際の処理手順を示すフローチャートである。なお、前方物体検出装置は、自車両11が走行している場合において、ステップS1以降の処理を開始する。
ステップS1において、レーザレーダ1は、スキャン範囲内にレーザ光を走査して距離計測処理をすることで、スキャン範囲に含まれる各物体までの距離情報(位置情報)を得て、当該得られた距離情報に基づいて、自車両11に対する物体位置を示す検出点を検出する(図4参照)。
次いで、レーザレーダ1は、各検出点の位置に関する距離計測情報を生成して演算部3のメモリ36に記憶する。
一方、車両挙動検出部2は、演算装置にて自車両位置、自車両進行方向、自車両11の向き、及び移動距離を算出し、車両走行情報として演算部3のメモリ36に記憶する。
次いで、判定基準変更部332は、メモリ36に近似線情報が記憶されているかどうか、即ち、前回の物体検出処理において、道路構造物モデル算出部32により近似線Laが算出されているかどうかを判定する。
この結果、記憶されている場合には、ステップS2の処理に移行し、記憶されていない場合には、ステップS3の処理に移行する。
ステップS2にて、判定基準変更部332は、メモリ36から近似線情報を取得し、当該近似線情報に基づいて、メモリ36に記憶されるしきい値T2の値を設定する。
次いで、初期道路構造物判定部333は、上述した初期道路構造物判定を行う(図9参照)。
具体的には、メモリ36から、今回生成された距離計測情報と、前回生成された近似線情報と、しきい値T2のデータを取得し、当該取得された情報等に基づいて、前回算出された近似線Laから今回検出された各検出点までの距離D2を算出する。
さらに、第2のグルーピング部35により前回検出された物体のうち、移動物体に関する第2グループデータをメモリ36から取得する。
次いで、当該第2グループデータに含まれる相対速度情報に基づいて、当該移動物体の現在位置を推定し、今回検出された検出点が当該現在位置の近傍に存在する場合には、当該検出点は移動物体の近傍に存在すると判定する。一方、今回検出された検出点が当該現在位置の近傍に存在しない場合には、当該検出点は移動物体の近傍に存在しないと判定する。
次いで、当該算出された距離D2としきい値T2とを比較し、距離D2がしきい値T2未満で、且つ移動物体の近傍に存在しない検出点を道路構造物データとして利用すると判定する。さらに、距離D2がしきい値T2未満で、且つ移動物体の近傍に存在する検出点を道路構造物データとして利用しないと判定する。一方、距離D2がしきい値T2以上である検出点については、当該判定の対象としない。
次いで、当該初期道路構造物判定に関する初期判定情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、演算部3は、道路構造物データとして利用すると判定された検出点についてはステップS6以降の処理を、道路構造物データとして利用しないと判定された検出点についてはステップS10以降の処理を、当該判定の対象とならなかった検出点についてはステップS3以降の処理を行う。
次いで、ステップS3にて、線分算出部311は、メモリ36から距離計測情報及び初期判定情報を取得し、当該情報に基づいて、初期道路構造物判定部333による判定の対象とならなかった検出点を認識する。
次いで、当該検出点について上述した線分算出処理を行い(図5及び図6参照)、当該処理により算出された各線分について、線分の傾きMと、線分を構成する各検出点から推定走路中心Lbまでの距離の平均値、即ち距離平均RXと、線分を構成する検出点の数、即ち検出点数Nと、を算出する。次いで、当該算出結果に関する線分情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、ステップS4にて、線分分類部312は、メモリ36から線分情報及びしきい値T1のデータを取得し、当該取得された情報等に基づいて、線分算出部311にて算出された全ての線分について、上述した線分分類処理を行う(図6参照)。次いで、当該分類の結果に関する分類情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、ステップS5にて、線分選択部321は、メモリ36から分類情報を取得し、当該取得された分類情報に基づいて、上述した線分選択処理を行う。次いで、当該選択された線分に関する選択情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、ステップS6にて、近似式次数決定部322は、メモリ36から選択情報及び初期判定情報を取得し、当該取得された情報に基づいて、自車両11の右側に位置する道路構造物、左側に位置する道路構造物のそれぞれについて、近似線Laの次数を決定する。
次いで、ステップS7にて、当該決定された次数に基づいて、近似線Laを算出し(図7参照)、当該決定された近似線Laの次数及び算出された近似線Laに関する近似線情報を生成してメモリ36に記憶する。
具体的には、右側の道路構造物に対応する近似線Laについては、線分選択部321にて選択された線分に分類L1に分類される線分のみが含まれる場合、またはステップS2にて右側の道路構造物データとして利用すると判定された検出点について、自車両11から最も近い検出点から最も遠い検出点までのX方向距離が所定距離(例えば3メートル)未満である場合には、次数を1次と決定する。さらに、当該選択された線分を構成する検出点及び右側の道路構造物データとして利用すると判定された検出点を回帰分析して、式(3)で示される近似線Laを算出する。
一方、当該選択された線分に分類L2またはL3に分類される線分が含まれる場合、または上述したX方向距離が所定距離以上である場合には、次数を2次と決定する。さらに、当該選択された線分を構成する全ての検出点及び右側の道路構造物データとして利用すると判定された検出点を重回帰分析して、式(4)で示される近似線Laを算出する。
同様に、左側の道路構造物に対応する近似線Laについては、線分選択部321にて選択された線分に分類L4に分類される線分のみが含まれる場合、または左側の道路構造物データとして利用すると判定された検出点について、上述したX方向距離が所定距離未満である場合には、次数を1次と決定する。さらに、当該選択された線分を構成する検出点及び左側の道路構造物データとして利用すると判定された検出点を回帰分析して、式(3)で示される近似線Laを算出する。
一方、当該選択された線分に分類L5またはL6に分類される線分が含まれる場合、または上述したX方向距離が所定距離以上である場合には、次数を2次と決定する。さらに、当該選択された線分を構成する全ての検出点及び左側の道路構造物データとして利用すると判定された検出点を重回帰分析して、式(4)で示される近似線Laを算出する。
次いで、ステップS8にて、判定基準変更部332は、近似線情報をメモリ36から取得し、当該近似線情報に基づいて、メモリ36に記憶されるしきい値T2の値を設定する。
次いで、道路構造物判定部331は、メモリ36から距離計測情報、近似線情報、及びしきい値T2のデータを取得する。
次いで、当該取得された情報等に基づいて、近似式次数決定部322により今回算出された近似線Laからレーザレーダ1にて今回検出された各検出点までの距離D1をそれぞれ算出する。
次いで、当該算出された距離D1としきい値T2とを比較し、距離D1がしきい値T2未満である検出点を道路構造物データと判定する(図7及び図8参照)。
次いで、演算部3は、道路構造物データと判定された検出点については、ステップS9以降の処理を行い、道路構造物データと判定されなかった検出点については、ステップS10以降の処理を行う。
ステップS9にて、道路構造物判定部331は、道路構造物データと判定された検出点どうしをグルーピングし、これを道路構造物として検出する。さらに、道路構造物データと判定された検出点を回帰分析して、近似線Laを再度算出する。
次いで、道路構造物として検出された検出点及び算出された近似線に関する道路構造物情報を生成し、メモリ36に記憶する。さらに、提示部4にて当該道路構造物情報を自車両11の乗員等に提示する。その後、ステップS1の処理に戻る。
ステップS10にて、第1のグルーピング部34は、メモリ36から距離計測情報、道路構造物情報、及びしきい値Zt3、Zt4、Zt7、Xt2、Wt3のデータを取得する。
次いで、第1のグルーピング部34は、当該情報等に基づいて、ステップS2において道路構造物データとして利用しないと判定された検出点、及びステップS8において道路構造物データと判定されなかった検出点に対して上述した第1グルーピング処理を行う。
即ち、第1のグルーピング部34は、例えばスキャン範囲において自車両11から見た右側の端部から検出点間のZ方向距離を演算し、演算して得たZ方向距離の絶対値がしきい値Zt3以下である場合は、当該検出点どうしをグルーピングして第1グループデータとする。
次いで、第1のグルーピング部34は、Z方向距離の絶対値がしきい値Zt3を超える位置、或いは、隣接する検出点が存在しない位置まで検出点の比較をすることで、第1グループデータを更新する。
次いで、各第1グループデータについて、第1グループデータに含まれる各検出点から自車両11までのZ方向距離を平均して第1グループデータのZ方向距離を算出する。さらに、第1グループデータのX方向における中心点を算出し、第1グループデータの右端点と左端点との位置差にレーザレーダ1による単位スキャン幅を加算して物体幅を算出する。
次いで、当該算出結果を第1グループデータに含めてメモリ36に記憶し、ステップS11に進む。
ステップS11において、第1のグルーピング部34は、上述した時間的に前後する第1グループデータの比較を行う。
具体的には、第1のグルーピング部34は、今回生成された第1グループデータと、前回生成された第1グループデータのうち、相対速度が計算されている第1グループデータと、をメモリ36から取得する。
次いで、今回の第1グループデータと、前回生成された第1グループデータとを比較し、上述した判定条件(c1)〜(c2)を満たす場合には同一物体とする。
そして、第1のグルーピング部34は、判定条件(c1)〜(c2)を満たす第1グループデータについては、後のステップで相対速度を計算するために、当該第1グループデータに過去2点の距離情報(Z方向距離、及びX方向中心点の情報)を追加して、ステップS13以降の処理を行う。
また、第1のグルーピング部34は、判定条件(c1)〜(c2)を満たさない今回の第1グループデータについては、相対速度が検出されている前々回の第1グループデータをメモリ36から取得し、当該前々回の第1グループデータと判定条件(c1)〜(c2)を満たすか否かを判定する。
また、当該今回の第1グループデータが前々回の第1のグループデータとの間で判定条件(c1)〜(c2)を満たさない場合には、当該前々回の第1グループデータを削除する。
一方、満たす場合には、当該今回の第1グループデータと、前々回の第1グループデータとを同一物体とし、当該今回の第1グループデータについては、過去2点の距離情報を追加して、ステップS13以降の処理を行う。
また、第1のグルーピング部34は、相対速度が検出されている前回、前々回の第1グループデータとの間で判定条件(c1)〜(c2)を満たさない今回の第1グループデータについては、相対速度が計算されていない前回の第1グループデータをメモリ36から取得し、当該前回の第1グループデータと判定条件(f1)〜(f3)を満たすか否かを判定する。
この結果、判定条件(f1)〜(f3)を満たさない今回の第1グループデータについては、ステップS12以降の処理を行う。
一方、満たす場合には、今回の第1グループデータと、前回の第1グループデータとを同一物体とし、当該第1グループデータについては、過去2点の距離情報を追加して、ステップS13以降の処理を行う。
ステップS12において、第1のグルーピング部34は、ステップS11で過去の第1グループデータと同一物体によるものでないと判定された今回の第1グループデータのZ方向距離、X方向における中心点、物体幅をメモリ36に記憶して、ステップS1に戻る。なお、この場合記憶した各種情報は、次回以降のステップS11の時系列判断で使用する。
ステップS13において、第1のグルーピング部34は、過去の第1グループデータとの間で時系列判断をするための判定条件を満たした第1グループデータについて、今回、前回及び前々回の距離情報を用いて相対速度を計算する。次いで、計算した相対速度情報を今回の第1グループデータに追加して、メモリ36に記憶する。
第1のグルーピング部34は、上述のステップS11〜ステップS13までの処理をステップS10で検出した全ての第1グループデータについて行い、以降のステップS14〜ステップS16の処理に移行する。
ステップS14において、第2のグルーピング部35は、メモリ36から、ステップS11で相対速度が計算された第1グループデータと、過去の第2グループデータと、しきい値Zt5、Zt6、Vt1、Wt1、Vt2、Wt2のデータを取得する。
次いで、当該情報等に基づいて、当該第1グループデータと第2グループデータとを比較して、同一物体と判定するための判定条件(d1)〜(d4)を満たす第1グループデータが存在するか否かを判定する。
次いで、判定条件(d1)〜(d4)を満たすと判定された第1グループデータについては、ステップS16以降の処理を行い、満たさないと判定された第1グループデータについては、ステップS15以降の処理を行う。
ステップS15にて、第2のグルーピング部35は、ステップS14にて過去の第2グループデータとの間で判定条件を満たない第1グループデータどうしを比較し、同一物体するための判定条件(e1)〜(e3)を満たす場合にはグルーピングを行い、新規に第2グループデータを生成する。
一方、判定条件(e1)〜(e3)を満たさない場合には1つの第1グループデータで新規に第2グループデータを生成してメモリ36に記憶し、ステップS17に処理を進める。
ステップS16において、第2のグルーピング部35は、第2グループデータに含まれる第1グループデータからZ方向距離、X方向における中心点、物体の左右端点、相対速度のそれぞれについて平均値を算出する。
次いで、当該算出された平均値を、当該第2グループデータのZ方向距離、X方向における中心点、物体幅、相対速度として当該第2グループデータに含め、メモリ36に記憶する。
次いで、当該第2グループデータに対応する過去の第2グループデータが存在する場合には、当該第2グループデータの検出回数の値を更新する。
次いで、当該第2グループデータを、自車両11の前方に存在する物体によるものと判断することで、自車両11の前方に存在する物体を検出する。さらに、第2グループデータに含まれる相対速度情報に基づいて、当該物体が移動物体であるかどうかを判定し、当該判定の結果を第2グループデータに含める。
このようなステップS14〜ステップS16までの処理を、ステップS13で相対速度が計算された全ての第1グループデータに対して行い、ステップS17の処理に移行する。
ステップS17において、第2のグルーピング部35は、ステップS14〜ステップS16の処理で得た第2グループデータを、自車両11の乗員等が認識できるような形態にして提示部4にて提示する。
以上により、本第1の実施の形態では、演算部3は、レーザレーダ1にて検出された検出点に基づき、互いに近接する検出点どうしを連結する線分を検出する。そして、当該検出された線分に基づいて、当該検出線どうしを連結する近似線Laを算出し、当該算出された近似線Laの近傍に存在する検出点どうしをグルーピングし、これを道路構造物として検出する(図10に示すステップS3〜ステップS9参照)。
これにより、演算部3は、検出点の連続性が途切れた場合であっても、道路構造物に対応する検出点をグルーピングし、これを道路構造物として検出することができる。
さらに、検出点の相対速度を参照することなく道路構造物を検出するので、検出点が密集して検出された場合等のように、検出点どうしの時間的な対応付けが容易でなく、検出点の相対速度を算出することが容易でない場合であっても、道路構造物をより正確に検出することができる。
また、演算部3は、算出された線分を分類L1〜L6に分類し、当該分類に基づいて近似線Laを算出する(ステップS4〜ステップS7参照)。したがって、演算部3は、当該分類を利用して近似線Laを算出することができるので、近似線Laを迅速に算出することができる。
具体的には、演算部3は、当該分類された線分のうち、所定の線分を選択し、当該選択された線分の分類に応じて、近似線Laの次数を決定し、当該決定された次数に基づいて近似線Laを算出する(ステップS4〜ステップS7参照)。
したがって、当該分類を参照して線分を選択するので、選択すべき線分を当該分類から迅速に決定することができる。即ち、効率的に線分を選択することができる。これにより、近似線Laの次数を迅速に決定することができる。
さらに、当該次数に基づいて、近似線Laの形状を迅速に決定することができるので、近似線Laを迅速に算出することができる。
特に、本実施の形態では、線分分類部312による各分類から線分を一つ選択し、当該選択された線分に基づいて、近似線Laを算出する。したがって、近似線Laの算出に要する線分の数を減らすことができるので、近似線Laを迅速に算出することができる。
具体的には、分類L1〜L3に分類される線分が含まれる場合には、当該線分に基づいて右側の道路構造物に対応する近似線Laを算出する。また、分類L4〜L6に分類される線分が含まれる場合には、当該線分に基づいて左側の道路構造物に対応する近似線Laを算出する。
これにより、演算部3は、左右両側の当該道路構造物に対応する近似線Laを迅速に算出することができる。
また、演算部3は、道路構造物データとしての信頼性が大きい線分を選択するので、より正確な近似線Laを算出することができる。
また、演算部3は、近似線Laから各検出点までの距離D1を算出し、当該算出された距離D1がしきい値T2未満である検出点を道路構造物データであると判定する。そして、道路構造物データと判定された検出点どうしをグルーピングして、これを道路構造物として検出する(ステップS8〜ステップS9参照)。
したがって、近似線La周辺の一定領域に存在する検出点をグルーピングすることができるので、道路構造物に対応する検出点をより正確にグルーピングし、これを道路構造物として検出することができる。
特に、本実施の形態では、演算部3は、当該グルーピングされた検出点に基づいて、近似線Laを再度算出して、当該算出された近似線Laを提示部4にて提示するので、より正確な近似線Laを提示することができる。
また、初期道路構造物判定部333は、近似線Laを算出する前に、前回算出された近似線Laから今回検出された各検出点までの距離D2を算出する。そして、当該算出された距離D2がしきい値T2未満で、且つ移動物体の近傍に存在しない検出点を道路構造物データとして利用し、当該算出された距離がしきい値T2未満で、且つ移動物体の近傍に存在する検出点を道路構造物データとして利用しないと判定する(ステップS2参照)。
そして、演算部3は、当該道路構造物データとして利用すると判定された検出点に基づいて、近似線Laを算出する(ステップS7参照)。
これにより、演算部3は、オクルージョン(検出点が検出できたり、できなかったりする場合が頻繁に起こること)の影響により、道路構造物に対応する検出点が少なく、今回の検出において線分を算出することができない場合であっても、近似線Laを算出することができる。したがって、このような場合であっても、道路構造物を検出することができる。
さらに、初期道路構造物判定部333は、移動物体から検出された可能性のある検出点を道路構造物データか否かの判定から除外することができるので、移動物体の非検出や道路構造物の誤検出を防止することができる。
さらに、当該検出処理も、検出点の相対速度を参照することなく行うので、検出点どうしの時間的な対応付けが容易でなく、検出点の相対速度を算出することが容易でない場合であっても、道路構造物をより正確に検出することができる。
また、演算部3は、しきい値T2を、当該決定された次数に基づいて設定するので、近似線Laの形状に応じて、上述した一定領域を変更することができる。
特に、本実施の形態では、次数が大きいほどしきい値T2の値、即ち一定領域を大きくするので、近似線Laの次数が大きくなり、検出点の検出位置にバラツキが生じやすくなっても、道路構造物データとなる検出点をより正確にグルーピングすることができる。
また、演算部3は、道路構造物として検出されなかった検出点のうち、互いに隣接する検出点をグルーピングして第1グループデータを生成する。そして、今回生成された第1グループデータに対応するデータが、前回の第2グループデータに含まれている場合には、これを第2グループデータとし、当該第2グループデータを自車両前方に存在する物体によるものであると判断する。
即ち、演算部3は、道路構造物からの検出点、即ち時間的な対応付けが困難な検出点を除き、残りの検出点をグルーピングして物体を検出するので、自車両11前方に存在する物体をより正確に検出することができ、且つ物体の分類をより正確に行うことができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図面に基づいて説明する。ここでは、距離センサとしてレーザレーダを利用する場合について説明する。
本発明は、例えば、図11に示す如くの前方物体検出装置に適用される。
[前方物体検出装置の構成2]
図11は、前方物体検出装置の機能的な構成を示すブロック図である。この前方物体検出装置は、第一の実施形態と同様に自車両前方に設けられたレーザレーダ(物体検出手段)1と、走行時の挙動を検出する車両挙動検出部2と、レーザレーダ1及び車両挙動検出部2より与えられる情報に基づいて、自車両前方に存在する物体を検出するための物体検出処理を行う演算部3と、提示部4を備えて構成されている。
レーザレーダ1及び車両挙動検出部2の構成については第一の実施形態と同様のため説明を省略する。
演算部3は、自車両内部に搭載されたCPU(Central Processing Unit)、 RAM(Random Access Memory)、 ROM(Read Only Memory)、 入出力I/F等からなるマイクロコンピュータで構成されており、第一の実施形態と同様に道路構造物線分検出部31と、道路構造物モデル算出部32と、道路構造物検出部33と、第1のグルーピング部34と、第2のグルーピング部35と、メモリ36の各機能ブロックに分割される。また、道路構造物線分検出部31は、検出点水平位置検出部(検出点水平位置検出手段)313と、道路形状線分算出部(道路形状線分算出手段)314と、を具備する。道路構造物モデル算出部32は、分岐路検出部(分岐路検出手段)323と、複合カーブ路検出部(複合カーブ路検出手段)324と形状近似式次数決定部(近似式次数決定手段)325を具備する。道路構造物検出部33は、第一の実施形態と同様に道路構造物判定部331と、判定基準変更部332と、初期道路構造物判定部333と、更に、分岐路構造物判定部(分岐路構造物判定手段)334と、を具備している。
また、演算部3は、レーザレーダ1及び車両挙動検出部2より得られる情報に基づいて、自車両11の前方に存在する物体を検出する物体検出処理を行い、メモリ36は、当該処理にて生成された各種情報と各種しきい値とを記憶する。なお、この物体検出処理の詳細については後述する。
提示部4は、自車両11に搭載されるディスプレイやスピーカであり、演算部3にて行われた物体検出処理の結果を自車両11の乗員等に提示する。
[前方物体検出装置の動作2]
この前方物体検出装置では、自車両11が走行している場合において、レーザレーダ1により自車両11の前方に存在する物体の距離計測処理を行う。ここで、図12に示すように、自車両11の前方方向のスキャン範囲内に物体A−1〜E−1が存在する場合を一例として、図11〜図15を用いて説明する。ここで、図12〜図15は、検出点の検出位置等を示した説明図である。
レーザレーダ1は、スキャン範囲内にレーザ光を走査して距離計測処理をすることで、自車両11からスキャン範囲に含まれる各物体までの距離情報(位置情報)を得て、当該得られた距離情報に基づいて、自車両11に対する物体位置を示す検出点を検出する。
本例では、図12に示すように、レーザレーダ1(図中、LRで表記)は、自車両11に対する物体A−1〜E−1の位置情報を示す検出点a−2〜n−1を検出する。同図では検出点a−2〜n−1は物体A−1〜E−1について得た距離情報に従ってプロットしている。
次いで、レーザレーダ1は検出点の位置に関する距離計測情報を生成して演算部3のメモリ36に記憶する。
車両挙動検出部2は、演算装置にて自車両位置、自車両進行方向、自車両11の向き、及び移動距離を算出し、車両走行情報として演算部3のメモリ36に記憶する。
演算部3の検出点水平位置検出部313は、メモリ36から距離計測情報及び初期判定情報を取得し、これらの情報に基づいて、各検出点のX方向距離を算出する。そして、初期判定情報及び距離計測情報、即ち、検出点をスキャン右端方向からX方向距離順に並べ替えて、メモリ36に記憶する。
演算部3の道路形状線分算出部314は、図12〜図13に示すように、自車両11の前方の道路構造物を複数検出するために、右カーブ路、左カーブ路、直線路の順に各道路形状を示す線分を算出する。
具体的には、道路形状線分算出部314は、メモリ36からX方向距離順に並べ替えられた距離計測情報及び初期判定情報と、しきい値Zt1、Zt2、Xt1のデータとを取得し、当該取得された情報等に基づいて、初期道路構造物判定部333による判定(道路構造物データとして利用するかどうかの判定)の対象とならなかった全ての検出点について以下の処理を行う。
まず、右カーブ路を示す線分の検出について説明する。
道路形状線分算出部314は、X方向距離が一番大きい検出点から、以下の条件(g1)〜(g2)を満たす検出点の対(一の検出点と当該一の検出点の左側に隣接する他の検出点)を検索する。
(g1) 他の検出点のZ方向距離が一の検出点のZ方向距離に対してZt1以上Zt2以下の範囲で減少している。
(g2) 他の検出点のX方向距離が一の検出点のX方向距離に対してXt1以上減少している。
この結果、条件(g1)〜(g2)を満たす検出点の対が存在する場合には、これらの検出点が同じ第1の右カーブ路線分を構成すると判定する。そして、同じ第1の右カーブ路線分を構成する検出点のうち、左端の検出点を最近点、右端の検出点を最遠点とした第1の右カーブ路線分、即ちこれら検出点を連結する第1の右カーブ路線分を算出する(以下、「第1の右カーブ路算出処理」と称する)。なお、当該条件(g1)〜(g2)を満たさない検出点は、他の線分を構成する検出点または線分を構成しない独立した検出点となる。そして、当該算出された第1の右カーブ路線分の最近点と、当該最近点の左側に隣接する検出点が条件(g1)〜(g2)を満たすかどうか判定し、満たす場合にはこれらの検出点について第1の右カーブ路算出処理を行って当該第1の右カーブ路線分を延長する。以上の処理を、当該第1の右カーブ路線分を構成する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、以上の処理を、いずれかの第1の右カーブ路線分に属する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、当該算出された第1の右カーブ路線分のうち、第1の右カーブ路線分を構成する検出点が3点以上で、且つ、最も検出点が多い線分を選択し、当該選択された第1の右カーブ路線分の最近点及び最遠点に関する(即ち、算出結果に関する)線分情報を生成してメモリ36に記憶する。
そして、道路形状線分算出部314は、いずれの線分にも属していない検出点と算出された線分の最近点のうち、X方向距離が一番小さい検出点から、以下の条件(h1)〜(h2)を満たす検出点の対(一の検出点と当該一の検出点の右側に隣接する他の検出点)を検索する。
(h1) 他の検出点のZ方向距離が一の検出点のZ方向距離に対してZt1以上Zt2以下の範囲で増加している。
(h2) 他の検出点のX方向距離が一の検出点のX方向距離に対してXt1以上増加している。
この結果、条件(h1)〜(h2)を満たす検出点の対が存在する場合には、これらの検出点が同じ第2の右カーブ路線分を構成すると判定する。そして、同じ第2の右カーブ路線分を構成する検出点のうち、左端の検出点を最近点、右端の検出点を最遠点とした第2の右カーブ路線分、即ちこれら検出点を連結する第2の右カーブ路線分を算出する(以下、「第2の右カーブ路算出処理」と称する)。なお、当該条件(h1)〜(h2)を満たさない検出点は、他の線分を構成する検出点または線分を構成しない独立した検出点となる。そして、当該算出された第2の右カーブ路線分の最遠点と、当該最遠点の右側に隣接する検出点が条件(h1)〜(h2)を満たすかどうか判定し、満たす場合にはこれらの検出点について第2の右カーブ路算出処理を行って当該第2の右カーブ路線分を延長する。以上の処理を、当該第2の右カーブ路線分を構成する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、以上の処理を、いずれかの第2の右カーブ路線分に属する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、算出された第2の右カーブ路線分のうち、第2の右カーブ路線分を構成する検出点が3点以上で、最も検出点が多い第2の右カーブ路線分を選択し、当該選択された第2の右カーブ路線分の最近点と最遠点に関する線分情報をメモリ36に記憶する。
次いで、左カーブ路を示す左カーブ路線分の検出について説明する。
道路形状線分算出部314は、いずれの線分にも属していない検出点と算出された線分の最近点のうち、X方向距離が一番大きい検出点から、以下の条件(i1)〜(i2)を満たす検出点の対(一の検出点と当該一の検出点の左側に隣接する他の検出点)を検索する。
(i1) 他の検出点のZ方向距離が一の検出点のZ方向距離に対してZt1以上Zt2以下の範囲で増加している。
(i2) 他の検出点のX方向距離が一の検出点のX方向距離に対してXt1以上減少している。
この結果、条件(i1)〜(i2)を満たす検出点の対が存在する場合には、これらの検出点が同じ第1の左カーブ路線分を構成すると判定する。そして、同じ第1の左カーブ路線分を構成する検出点のうち、右端の検出点を最近点、左端の検出点を最遠点とした第1の左カーブ路線分、即ちこれら検出点を連結する第1の左カーブ路線分を算出する(以下、「第1の左カーブ路算出処理」と称する)。なお、当該条件(i1)〜(i2)を満たさない検出点は、他の線分を構成する検出点または線分を構成しない独立した検出点となる。そして、当該算出された第1の左カーブ路線分の最遠点と、当該最遠点の左側に隣接する検出点が条件(i1)〜(i2)を満たすかどうか判定し、満たす場合にはこれらの検出点について第1の左カーブ路算出処理を行って当該第1の左カーブ路線分を延長する。以上の処理を、当該第1の左カーブ路線分を構成する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、以上の処理を、いずれかの第1の左カーブ路線分に属する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、算出された第1の左カーブ路線分のうち、第1の左カーブ路線分を構成する検出点が3点以上で、最も検出点が多い第1の左カーブ路線分を選択し、当該選択された第1の左カーブ路線分の最近点と最遠点に関する線分情報をメモリ36に記憶する。
そして、道路形状線分算出部314は、いずれの線分にも属していない検出点と算出された線分の最近点に対して、X方向距離が一番小さい検出点から、以下の条件(j1)〜(j2)を満たす検出点の対(一の検出点と当該一の検出点の右側に隣接する他の検出点)を検索する。
(j1) 他の検出点のZ方向距離が一の検出点のZ方向距離に対してZt1以上Zt2以下の範囲で減少している。
(j2) 他の検出点のX方向距離が一の検出点のX方向距離に対してXt1以上増加している。
この結果、条件(j1)〜(j2)を満たす検出点の対が存在する場合には、これらの検出点が同じ第2の左カーブ路線分を構成すると判定する。そして、同じ第2の左カーブ路線分を構成する検出点のうち、右端の検出点を最近点、左端の検出点を最遠点とした第2の左カーブ路線分、即ちこれら検出点を連結する第2の左カーブ路線分を算出する(以下、「第2の左カーブ路算出処理」と称する)。なお、当該条件(j1)〜(j2)を満たさない検出点は、他の線分を構成する検出点または線分を構成しない独立した検出点となる。そして、当該算出された第2の左カーブ路線分の最近点と、当該最近点の右側に隣接する検出点が条件(j1)〜(j2)を満たすかどうか判定し、満たす場合にはこれらの検出点について第2の左カーブ路算出処理を行って当該第2の左カーブ路線分を延長する。以上の処理を、当該第2の左カーブ路線分を構成する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、以上の処理を、いずれかの第2の左カーブ路線分に属する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、算出された第2の左カーブ路線分のうち、第2の左カーブ路線分を構成する検出点が3点以上で、最も検出点が多い第2の左カーブ路線分を選択し、当該選択された第2の左カーブ路線分の最近点と最遠点に関する線分情報をメモリ36に記憶する。
次いで、直線路を示す線分の検出について説明する。
道路形状線分算出部314は、いずれの線分にも属していない検出点と算出された線分の最近点のうち、X方向距離が一番大きい検出点から、以下の条件(k1)〜(k2)を満たす検出点の対(一の検出点と当該一の検出点の左側に隣接する他の検出点)を検索する。
(k1) 他の検出点のZ方向距離と一の検出点のZ方向距離との差がZt1以上Zt2以下の値となる。
(k2) 他の検出点のX方向距離と一の検出点のX方向距離との差がXt1以下の値となる。
この結果、条件(k1)〜(k2)を満たす検出点の対が存在する場合には、これらの検出点が同じ第1の直線路線分を構成すると判定する。そして、同じ第1の直線路線分を構成する検出点のうち、自車両11に近い検出点を最近点、自車両11から遠い点を最遠点とした第1の直線路線分、即ちこれら検出点を連結する第1の直線路線分を算出する(以下、「第1の直線路算出処理」と称する)。なお、当該条件(k1)〜(k2)を満たさない検出点は、他の線分を構成する検出点または線分を構成しない独立した検出点となる。そして、当該算出された左端の検出点とその検出点と左側に隣接する検出点が条件(k1)〜(k2)を満たすかどうか判定し、満たす場合にはこれらの検出点について第1の直線路算出処理を行って当該第1の直線路線分を延長する。以上の処理を、当該第1の直線路線分を構成する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、以上の処理を、いずれかの第1の直線路線分に属する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、算出された第1の直線路線分のうち、第1の直線路線分を構成する検出点が3点以上で、最も検出点が多い第1の直線路線分を選択し、当該選択された直線路線分の最近点と最遠点に関する線分情報をメモリ36に記憶する。
そして、道路形状線分算出部314は、いずれの線分にも属していない検出点と算出された線分の最近点に対して、X方向距離が一番小さい検出点から、上述した条件(k1)〜(k2)を満たす検出点の対(一の検出点と当該一の検出点の右側に隣接する他の検出点)を検索する。
この結果、条件(k1)〜(k2)を満たす検出点の対が存在する場合には、これらの検出点が同じ第2の直線路線分を構成すると判定する。そして、同じ第2の直線路線分を構成する検出点のうち、自車両11に近い検出点を最近点、自車両11から遠い点を最遠点とした第2の直線路線分、即ちこれら検出点を連結する第2の直線路線分を算出する(以下、「第2の直線路算出処理」と称する)。なお、当該条件(k1)〜(k2)を満たさない検出点は、他の線分を構成する検出点または線分を構成しない独立した検出点となる。そして、当該算出された右端の検出点とその検出点と右側に隣接する検出点が条件(k1)〜(k2)を満たすかどうか判定し、満たす場合にはこれらの検出点について第2の直線路算出処理を行って当該第2の直線路線分を延長する。以上の処理を、当該第2の直線路線分を構成する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、以上の処理を、いずれかの第2の直線路線分に属する検出点が存在しなくなるまで繰り返す。
そして、算出された第2の直線路線分のうち、第2の直線路線分を構成する検出点が3点以上で、最も検出点が多い第2の直線路線分を選択し、当該選択された第2の直線路線分の最近点と最遠点に関する線分情報をメモリ36に記憶する。
上記のような検出手順で処理を行うことにより、本例では、図13に示すように、検出点a−2〜c−1で構成される直線路線分Lb−3、検出点i−1、h−1、g−1、f−1で構成される直線路線分Lb−2、及び検出点i−1、k−1、m−1、n−1で構成される左カーブ路線分Lb−1を算出する。検出点d−1、e−1、j−1、l−1は線分を構成しない。
演算部3の分岐路検出部323は、分岐路を検出するために、メモリ36から線分情報を取得し、当該取得された線分情報に基づいて、以下の処理を行う。即ち、分岐路検出部323は、同じ最近点を持つ線分は、分岐路を構成する線分であると判定し、当該分岐路を構成する線分に関する分岐路情報をメモリ36に記憶する。これにより、同じ最近点を持つ線分を分岐路として検出する。本例では、図14に示すように、左カーブ路線分Lb−1と直線路線分Lb−2が分岐路として検出される。
演算部3の複合カーブ路検出部324は、複合カーブ路、即ち、カーブ路線分と直線路線分の結合を検出する。
ここで、図14では、該当する例が存在しないため、図15に示すように、図4の例に置き換えて複合カーブ路検出について説明する。
この場合、図16に示すように、演算部3は道路形状線分算出部314で検出点f、g、h、k、n、o、pを左カーブ路線分Lb−4、検出点a〜cを直線路線分Lb−5として算出する。そして、当該算出された線分Lb−4〜Lb−5の最近点及び最遠点に関する線分情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで演算部3は分岐路検出部323の処理を行うが、該当する線分は存在しないため、複合カーブ路検出部324の処理に移行する。
複合カーブ路検出部324は、線分情報及びしきい値Zt8、Xt3を取得し、当該取得された線分情報等に基づいて、以下の処理を行う。
即ち、カーブ路線分の最近点と直線路線分の最遠点のZ方向距離差がZt8以下で、X方向距離差がXt3以下である場合には、これらの検出点が同一の複合カーブ路線分を構成すると判定して、これらを結合する。これにより、複合カーブ路線分を算出する。ここで、しきい値はZt8>Zt1、Xt3>Xt1となるように設定する。
そして、複合カーブ路検出部324は、道路形状線分算出部314で算出されたカーブ路と直線路に対して、上述した処理を繰り返し行い、複合カーブ路線分を算出する。これにより、本例では図15に示すように、左カーブ路線分Lb−4と直線路線分Lb−5を結合して、複合カーブ路線分を算出する。言い換えれば、直線路線分及びカーブ路線分を複合カーブ路として検出する。
そして、複合カーブ路検出部324は、複合カーブ路線分の最遠点を当該複合カーブ路線分を構成するカーブ路線分の最遠点とし、複合カーブ路線分の最近点を当該複合カーブ路線分を構成する直線路線分の最遠点として、複合カーブ路線分の最近点及び最遠点に関する線分情報をメモリ36に記憶する。そして、直線路線分の情報はメモリ36から削除する。
形状近似式次数決定部325は、メモリ36から線分情報を取得し、当該取得された線分情報に基づいて、自車両11の前方に位置する道路構造物それぞれについて、近似線Laの次数を決定し、更に、当該決定された次数等に基づいて近似線Laを算出する。
具体的には、形状近似式次数決定部325は、直線路線分のうち、複合カーブ路検出部324で結合対象とならなかった直線路線分については、近似線Laの次数を1次と決定する。そして、当該直線路線分を構成する検出点を回帰分析し、式(3)で示される近似線Laを算出する。
また、カーブ路線分または複合カーブ路線分については、近似線Laの次数を2次と決定する。そして、これらカーブ路線分及び複合カーブ路線分を構成する検出点を重回帰分析して、式(4)で示される近似線Laを算出する。
さらに、メモリ36から初期判定情報及びしきい値T1のデータを取得し、初期道路構造物判定部333にて道路構造物として利用すると判定された検出点のうち最近点と最遠点に基づいて、これら検出点で構成される線分の傾きMを算出する。
次いで、傾きMが条件(l1)を満たすときには、直線路と判定し、当該検出点を回帰分析して、式(3)で示される近似線Laを算出する。
また、Mが条件(l2)を満たすときには、カーブ路と判定し、当該検出点を重回帰分析し、式(4)で示される近似線Laを算出する。
(l1) |M|>T1
(l2) |M|≦T1
次いで、形状近似式次数決定部325は、当該決定された近似線の次数及び算出された近似線Laに関する近似線情報を生成してメモリ36に記憶する。
分岐路構造物判定部334は、メモリ36から距離計測情報、分岐路情報、近似線情報を取得し、当該取得された情報等に基づいて、以下の処理を行う。
即ち、図14に示すように、分岐路検出部323で分岐路と判定された線分に対応する近似線Laに基づいて、これら近似線La囲まれる領域を算出し、その領域内に存在する検出点を分岐路内に存在する道路構造物(以下、「分岐構造物」と称する)として検出する。
本例では、左カーブ路線分Lb−1と直線路線分Lb−2で囲まれた斜線部分領域に存在する検出点j−1、l−1を分岐構造物として検出する。
次いで分岐路構造物判定部334は、当該検出結果に関する分岐構造物判定情報を生成してメモリ36に記憶する。
道路構造物判定部331、判定基準変更部332、初期道路構造物判定部333、第1のグルーピング部34、第2のグルーピング部35の処理については、第1の実施形態と同様な処理のため、説明は省略する。
[前方物体検出装置による物体検出手順2]
図16は、演算部3により物体検出処理を行う際の処理手順を示すフローチャートである。なお、前方物体検出装置は、自車両11が走行している場合において、ステップS21以降の処理を開始する。
ステップS21において、レーザレーダ1は、スキャン範囲内にレーザ光を走査して距離計測処理をすることで、スキャン範囲に含まれる各物体までの距離情報(位置情報)を得て、当該得られた距離情報に基づいて、自車両11に対する物体位置を示す検出点を検出する(図12参照)。
次いで、レーザレーダ1は、各検出点の位置に関する距離計測情報を生成して演算部3のメモリ36に記憶する。
一方、車両挙動検出部2は、演算装置にて自車両位置、自車両進行方向、自車両11の向き、及び移動距離を算出し、車両走行情報として演算部3のメモリ36に記憶する。
次いで、判定基準変更部332は、メモリ36に近似線情報が記憶されているかどうか、即ち、前回の物体検出処理において、道路構造物モデル算出部32により近似線Laが算出されているかどうかを判定する。
この結果、記憶されている場合には、ステップS22の処理に移行し、記憶されていない場合には、ステップS23の処理に移行する。
ステップS22にて、判定基準変更部332は、メモリ36から近似線情報を取得し、当該近似線情報に基づいて、メモリ36に記憶されるしきい値T2の値を設定する。
次いで、初期道路構造物判定部333は、上述した初期道路構造物判定を行い(図9参照)、当該初期道路構造物判定に関する初期判定情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、演算部3は、道路構造物データとして利用すると判定された検出点についてはステップS27以降の処理を、道路構造物データとして利用しないと判定された検出点についてはステップS32以降の処理を、当該判定の対象とならなかった検出点についてはステップS23以降の処理を行う。
次いで、ステップS23にて、検出点水平位置検出部313は、メモリ36から距離計測情報及び初期判定情報を取得し、当該情報に基づいて、初期道路構造物判定部333による判定の対象とならなかった検出点を認識する。
次いで、当該検出点について上述した検出点水平位置算出処理を行い、当該処理により算出されたX方向距離に基づいて、距離計測情報及び初期判定情報をスキャン右端方向からX方向距離順に並べ替える。そして、当該並べ替えられた距離計測情報及び初期判定情報をメモリ36に記憶する。
次いで、ステップS24にて、道路形状線分算出部314は、メモリ36からX距離方向順に並べ替えられた距離計測情報及び初期判定情報を取得し、当該情報に基づいて、初期道路構造物判定部333による判定の対象とならなかった検出点を認識する。
次いで、メモリ36からしきい値Zt1、Zt2、Xt1のデータを取得し、当該検出点について上述した道路形状線分算出処理を行い(図13及び図14参照)、当該算出結果に関する線分情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、ステップS25にて、分岐路検出部323は、メモリ36から線分情報を取得し、当該取得された線分情報に基づいて、上述した分岐路検出処理を行い、当該検出された分岐路に関する分岐路情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、ステップS26にて、複合カーブ路検出部324は、メモリ36から線分情報およびしきい値Zt8、Xt3のデータを取得し、当該取得された情報に基づいて、上述した複合カーブ路検出処理(図15参照)を行い、当該検出された複合カーブ路に関する線分情報を生成してメモリ36に記憶する。
次いで、ステップS27にて、形状近似式次数決定部325は、メモリ36から線分情報および初期判定情報を取得し、当該取得された情報に基づいて、自車両11の前方に位置する道路構造物それぞれについて、近似線Laの次数を決定する。
次いで、ステップS28にて、当該決定された次数に基づいて、近似線Laを算出し、当該決定された近似線Laの次数及び算出された近似線Laに関する近似線情報を生成してメモリ36に記憶する。
具体的には、直線路線分のうち、複合カーブ路として検出されなかった直線路線分については次数を1次と決定する。また、ステップS22にて道路構造物データとして利用すると判定された検出点であって、自車両11から最近点から最遠点までのX方向距離が所定距離(例えば3メートル)未満であるものについても、次数を1次と決定する。そして、当該直線路線分を構成する検出点及び道路構造物データとして利用すると判定された検出点を回帰分析して、式(3)で示される近似線Laを算出する。
一方、カーブ路線分及び複合カーブ路線分については、次数を2次と決定する。また、ステップS22にて道路構造物データとして利用すると判定された検出点であって、上述したX方向距離が所定距離以上である検出点についても、次数を2次と決定する。そして、カーブ路線分または複合カーブ路線分を構成する全ての検出点及び道路構造物データとして利用すると判定された検出点を重回帰分析して、式(4)で示される近似線Laを算出する。
次いで、ステップS29にて、分岐路構造物判定部334は、メモリ36から距離計測情報と分岐路情報を取得し、当該情報に基づいて、分岐路を構成する線分に囲まれた領域に存在する検出点を分岐構造物として検出する。
次いで、当該検出結果に関する分岐構造物情報を生成し、メモリ36に記憶する。さらに、提示部4にて当該分岐構造物情報を自車両11の乗員等に提示する。その後、ステップS21の処理に戻る。また、分岐構造物として検出されなかった検出点については、ステップS30以降の処理を行う。
次いで、ステップS30にて、判定基準変更部332は、近似線情報をメモリ36から取得し、当該近似線情報に基づいて、メモリ36に記憶されるしきい値T2の値を設定する。
次いで、道路構造物判定部331は、メモリ36から距離計測情報、近似線情報、及びしきい値T2のデータを取得する。
次いで、当該取得された情報等に基づいて、形状近似式次数決定部325により今回算出された近似線Laからレーザレーダ1にて今回検出された各検出点までの距離D1をそれぞれ算出する。
次いで、当該算出された距離D1としきい値T2とを比較し、距離D1がしきい値T2未満である検出点を道路構造物データと判定する(図7及び図8参照)。
次いで、演算部3は、道路構造物データと判定された検出点については、ステップS31以降の処理を行い、道路構造物データと判定されなかった検出点については、ステップS32以降の処理を行う。
ステップS31にて、道路構造物判定部331は、道路構造物データと判定された検出点どうしをグルーピングし、これを道路構造物として検出する。さらに、道路構造物データと判定された検出点を回帰分析して、近似線Laを再度算出する。
次いで、道路構造物として検出された検出点及び算出された近似線に関する道路構造物情報を生成し、メモリ36に記憶する。さらに、提示部4にて当該道路構造物情報を自車両11の乗員等に提示する。その後、ステップS1の処理に戻る。
ステップS32〜ステップS39にて、第1のグルーピング部34及び第2のグルーピング部35は、ステップS22において道路構造物データとして利用しないと判定された検出点、及びステップS30において道路構造物データと判定されなかった検出点に対して、図10に示すステップS10〜ステップS17と同様の処理を行う。
以上により、本第2の実施の形態では、演算部3は、レーザレーダ1にて検出された検出点に基づき、互いに近接する検出点どうしを所定の手順に従い連結することで線分を算出する。そして、当該算出された線分の形状に基づいて、近似線Laを算出し、当該算出された近似線Laの近傍に存在する検出点どうしをグルーピングし、これを道路構造物として検出する(図16に示すステップS23〜ステップS31参照)。
このように、演算部3は、道路形状毎に線分を検出するため、自車両11前方の道路環境が複数種類の道路が存在するような複雑な道路環境である場合でも、効率よく且つ正確に道路形状を表す線分を算出することができる。したがって、近似線Laを効率よく且つ正確に算出することができるので、道路構造物を正確に検出することができる。
特に本実施形態では、道路形状別の線分をスキャン両側から算出するため、Z方向の距離が異なり、X方向の距離がオーバーラップするような配置にある道路構造物であっても、正確に道路構造物を検出することができる。また、一の道路の左右両側に存在する道路構造物を確実に検出することができる。
また、分岐路を構成する線分は、互いに最近点を共有するところ、演算部3は、道路形状線分の最近点を比較することで分岐路を検出するので、道路構造物の誤検出が発生しやすい分岐路を精度良く検出することができる。