JP4505706B2 - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示材料として有用なネマチック液晶組成物及び、これを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
ツイストネマチック、超ねじれツイストネマチックまたはアクティブマトリックスを初めとする液晶表示素子の製造工程において、液晶表示素子表面に貼られた保護フィルムを剥離した際、素子中に静電気の電場が発生する。この電場はしばしば非点灯部の液晶組成物を配向させ、すなわち点灯状態となり、電場が放電するまでその配向状態は継続する。この電場が放電するまでに要する時間は無視できず、製造工程に限らず検査工程あるいは素子表面の汚れの拭き取り作業等の出荷工程までも、その作業を中断しなければならないようになり、タクト時間の悪化を招くことになる。
【0003】
このような問題は、例えば液晶組成物の比抵抗値を低下させることにより緩和できる(特許文献1)。つまり、比抵抗値の低い液晶組成物においては、静電気等の一時的な電圧の印加があっても、速やかに電圧無印加時の配向状態を復元させることができる。例えば、ネマチック液晶表示素子における液晶組成物の比抵抗値は、通常1×1011Ωcm以上であるが、これを1×1010Ωcm台まで低下させると、緩和は通常の作業が行える程度に速くなり、その効果を確認できるようになる。さらに1×109Ωcm台まで低下させると、緩和は非常に速くなり、静電気等の一時的な電圧の印加があっても、配向状態の変化は殆ど確認できないようになる。しかしながら、1×1011Ωcm以下となる液晶組成物を用いた液晶表示素子においては、しばしば消費電力の増大、さらには電気的に短絡し、文字の焼き付き等不良表示の原因となることがある。従って、適度に大きい比抵抗値を有し且つ液晶表示素子の静電気等の一時的な電圧の印加に対する挙動、すなわち静電気等の一時的な電圧の印加に対する緩和の十分速い液晶組成物の開発が求められている。
【0004】
上述の液晶組成物における静電気等の一時的な電圧の印加を緩和させる方法として、例えば、クリプタンド(Cryptand)等のイオン性物質を添加する方法が挙げられる(特許文献2)。しかしながら、この液晶組成物中のイオン性成分は、注入口等の一部分において液晶表示素子中のポリイミド等の高分子膜に吸着されてしまい、しばしば表示ムラの原因となるという問題を有していた。
【0005】
また、同様に一時的な電圧の印加を緩和させる方法として、エチレングリコール等のアルコールおよびこれらの共重合体、あるいはポリアルキルアミン等のアミン類を添加する方法が挙げられる(特許文献3、4)。しかしながら、その効果を十分に得るためには、大量に添加しなければならず、添加割合の増加に伴い、液晶表示素子の信頼性を示す項目の一つである、液晶組成物のネマチック−イソトロピック相転移温度が大幅に低下しまうという問題を有していた。
【0006】
あるいは、同様に一時的な電圧の印加を緩和させる方法として、環状ポリエーテル等いわゆるクラウンエーテルを添加する方法が挙げられる(特許文献5)。しかしながら、クラウンエーテル類は人間の皮膚あるいは目に対して著しい刺激を与える等の強い毒性があり、液晶表示素子製造等における作業環境に危険性を生じるおそれがあるという問題を有していた。
【0007】
又、これらの材料は添加により大幅に比抵抗を下げる傾向があるが、添加前に高い比抵抗を有する液晶組成物を使用した場合には比抵抗が1×1011Ωcm程度の液晶組成物を得ることもできる。しかしながら、比抵抗を大幅に下げる材料が添加されている場合は、比抵抗が1×1011Ωcmに満たない組成物と同様な問題が発生するため、静電気等の一時的な電圧の印加を緩和時間の短い液晶組成物の開発が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特公昭64−7640(2頁)
【特許文献2】
特願平4−28788(2頁)
【特許文献3】
特開昭51−68483(2頁)
【特許文献4】
特開平9−67577(4頁)
【特許文献5】
特表平11−508286(2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
比抵抗を大幅に低下させる材料を使用することなく、適度に大きい比抵抗値を有し且つ液晶表示素子の静電気等の一時的な電圧の印加に対する挙動を改善する液晶組成物を提供することである。すなわち、本発明は静電気等の一時的な電圧の印加に対する緩和の十分速い液晶組成物を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ポリ(オキシアルキレン)置換ベンゼン化合物を用いたネマチック液晶組成物を検討した結果、本件発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に記載の液晶組成物を提供する。
【0011】
第1成分として、一般式(I)
【化11】
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基または少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数2〜12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はそれぞれ独立してO原子が相互に直接結合しないものとして-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCO-O-により置き換えられてもよく、
【0012】
A1およびA2はそれぞれ独立して、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-O-および/または-S-に置換されてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-N-に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)および基(c)はそれぞれ独立してCNまたはハロゲンで置換されていてもよく、
mおよびnはそれぞれ独立して、0、1または2であるが、mおよびnの和は3以下であり、
Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-または単結合であり、
【0013】
L1、L2、L3、L4およびL5は、-H、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3、一般式(I)におけるR1と同じ定義または一般式(II)
【化12】
【0014】
(式中、Z3は-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-CO-、-O-、-S-または単結合であり、
R2は一般式(I)におけるR1と同じ意味を表し、
iは2または3であり、
jは2または3である。)で表されるポリ(オキシアルキレン)基であり、
L1、L2、L3、L4およびL5のうち少なくとも1つ以上が一般式(II)で表されるポリ(オキシアルキレン)基であり、
A1、A2、Z1およびZ2が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよい。)
で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、
【0015】
第2成分として、一般式(III)
【化13】
【0016】
(式中、R3は、一般式(I)におけるR3と同じ意味を表し、B1およびB2はそれぞれ独立して、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-O-および/または-S-に置換されてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-N-に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)および基(c)はそれぞれ独立してCNまたはハロゲンで置換されていてもよく、
pおよびqはそれぞれ独立して、0、1または2であるが、mおよびnの和は3以下であり、
Z4およびZ5はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-または単結合であり、
L6およびL8はそれぞれ独立して、-H、-F、-Clであり、L7は、-H、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3であり、B1、B2、Z4およびZ5が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよい。)
で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、
【0017】
第3成分として、一般式(IV)
【化14】
【0018】
(式中、R4およびR5は、一般式(I)におけるR1と同じ意味を表し、
C1、C2およびC3はそれぞれ独立して、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-O-および/または-S-に置換されてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-N-に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)および基(c)はそれぞれ独立してCN、メチル基またはハロゲンで置換されていてもよく、r、sおよびtはそれぞれ独立して、0または1であり、かつr、sおよびtの和が1以上であり、Z6、Z7およびZ8はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-CH=N-N=CH-または単結合を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上を含有することを特徴とするネマチック液晶組成物およびこれを用いた液晶表示素子を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
【0020】
第1成分として一般式(I)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有するが、1〜10種が好ましく、1〜5種がさらに好ましい。上述の一般式(I)の化合物において、R1は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基または少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数2〜12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はそれぞれ独立してO原子が相互に直接結合しないものとして-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCO-O-により置き換えられてもよいが、炭素数1〜12のアルキル基、アルコシキ基、炭素数2〜12のアルケニル基または炭素数2〜12のアルケニルオキシ基が好ましく、中でも直鎖型アルキル基および直鎖型アルケニル基がさらに好ましく、-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3、-CH=CH2、-CH=CHCH3(E体)、-(CH2)2CH=CH2、-(CH2)2CH=CHCH3(E体)、-(CH2)4CH=CH2、-(CH2)4CH=CHCH3(E体)および-(CH2)6CH=CH2が特に好ましい。連結基Z1およびZ2は、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-または単結合を挙げることができ、中でも単結合、-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-または-CH(CH3)CH(CH3)-がより好ましく、単結合または-CH2CH2-がさらに好ましく、単結合が特に好ましい。
【0021】
環A1およびA2は式群1に示すような構造が好例として挙げられる。
【化15】
【0022】
中でも、式群2に記載した構造がより好ましい。
【化16】
【0023】
中でも、式群3に記載した構造が特に好ましい。
【化17】
【0024】
mおよびnはそれぞれ独立して、0、1または2であり、mおよびnの和が3以下であるが、mおよびnの和が0および3の場合は液晶組成物への溶解性が低下することから、mおよびnの和は1または2が好ましい。
【0025】
L1、L2、L3、L4およびL5は、-H、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3、一般式(I)におけるR1と同様の前述の直鎖型アルキル基、分岐型アルキル基、アルケニル基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換アルケニル基、アルコキシル基置換アルキル基およびそれらのアルコキシル基または-[(CH2)2O]2OCH3、-[(CH2)2O]2OCH2CH3、-[(CH2)2O]2O(CH2)2CH3、-[(CH2)2O]2O(CH2)3CH3、-[(CH2)2O]2O(CH2)4CH3、-[(CH2)3O]2OCH3、-[(CH2)3O]2OCH2CH3、-[(CH2)3O]2O(CH2)2CH3、-[(CH2)3O]2O(CH2)3CH3、-[(CH2)3O]2O(CH2)4CH3、-[(CH2)2O]3OCH3、-[(CH2)2O]3OCH2CH3、-[(CH2)2O]3O(CH2)2CH3、-[(CH2)2O]3O(CH2)3CH3、-[(CH2)2O]3O(CH2)4CH3、-[(CH2)3O]3OCH3、-[(CH2)3O]3OCH2CH3、-[(CH2)3O]3O(CH2)2CH3、-[(CH2)3O]3O(CH2)3CH3、-[(CH2)3O]3O(CH2)4CH-、-OCH2[(CH2)2O]2OCH3、-OCH2[(CH2)2O]2OCH2CH3、-OCH2[(CH2)2O]2O(CH2)2CH3、-OCH2[(CH2)2O]2O(CH2)3CH3、-OCH2[(CH2)2O]2O(CH2)4CH3、-OCH2[(CH2)3O]2OCH3、-OCH2[(CH2)3O]2OCH2CH3、-OCH2[(CH2)3O]2O(CH2)2CH3、-OCH2[(CH2)3O]2O(CH2)3CH3、-OCH2[(CH2)3O]2O(CH2)4CH3、-OCH2[(CH2)2O]3OCH3、-OCH2[(CH2)2O]3OCH2CH3、-OCH2[(CH2)2O]3O(CH2)2CH3、-OCH2[(CH2)2O]3O(CH2)3CH3、-OCH2[(CH2)2O]3O(CH2)4CH3、-OCH2[(CH2)3O]3OCH3、-OCH2[(CH2)3O]3OCH2CH3、-OCH2[(CH2)3O]3O(CH2)2CH3、-OCH2[(CH2)3O]3O(CH2)3CH3、-OCH2[(CH2)3O]3O(CH2)4CH-、-OCO[(CH2)2O]2OCH3、-OCO[(CH2)2O]2OCH2CH3、-OCO[(CH2)2O]2O(CH2)2CH3、-OCO[(CH2)2O]2O(CH2)3CH3、-OCO[(CH2)2O]2O(CH2)4CH3、-OCO[(CH2)3O]2OCH3、-OCO[(CH2)3O]2OCH2CH3、-OCO[(CH2)3O]2O(CH2)2CH3、-OCO[(CH2)3O]2O(CH2)3CH3、-O[(CH2)2O]2OCH3、-O[(CH2)2O]2OCH2CH3、-O[(CH2)2O]2O(CH2)2CH3、-O[(CH2)2O]2O(CH2)3CH3、-O[(CH2)2O]2O(CH2)4CH3、-O[(CH2)3O]2OCH3、-O[(CH2)3O]2OCH2CH3、-O[(CH2)3O]2O(CH2)2CH3、-O[(CH2)3O]2O(CH2)3CH3、-O[(CH2)3O]2O(CH2)4CH3、-O[(CH2)2O]3OCH3、-O[(CH2)2O]3OCH2CH3、-O[(CH2)2O]3O(CH2)2CH3、-O[(CH2)2O]3O(CH2)3CH3、-O[(CH2)2O]3O(CH2)4CH3、-O[(CH2)3O]3OCH3、-O[(CH2)3O]3OCH2CH3、-O[(CH2)3O]3O(CH2)2CH3、-O[(CH2)3O]3O(CH2)3CH3、-O[(CH2)3O]3O(CH2)4CH3等のポリ(オキシアルキレン)アルキル基およびそれらのアルコキシル基が好例として挙げられるが、-H、-F、-Cl、-CN、-CF3、一般式(I)におけるR1と同様の前述の直鎖型アルキル基および直鎖型アルケニル基、または-[(CH2)2O]2OCH3、-[(CH2)2O]2OCH2CH3、-[(CH2)2O]2O(CH2)2CH3、-[(CH2)2O]2O(CH2)3CH3、-[(CH2)2O]2O(CH2)4CH3およびそれらのアルコキシル基がより好ましく、
【0026】
-H、-F、-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3、-CH=CH2、-CH=CHCH3(E体)、-(CH2)2CH=CH2、-(CH2)2CH=CHCH3(E体)、-(CH2)4CH=CH2、-(CH2)4CH=CHCH3(E体)、-O[(CH2)2O]2OCH3、-O[(CH2)2O]2OCH2CH3、-O[(CH2)2O]2O(CH2)2CH3、-O[(CH2)2O]2O(CH2)3CH3および-O[(CH2)2O]2O(CH2)4CH3が特に好ましい。
【0027】
L1、L2、L3、L4およびL5のうち、少なくとも1つ以上が一般式(II)で表されるポリ(オキシアルキレン)アルキル基、ポリ(オキシアルキレン)アルコキシ基またはポリ(オキシアルキレン)カルボキシル基であるが、L3またはL4がこれらの基によって置換していることが好ましく、そのとき、他のL1、L2、L3、L4およびL5は-Hまたは-Fにより置換していることが好ましい。
【0028】
上述のように、一般式(I)の化合物は、そのR1、連結基Z1およびZ2、環A1およびA2、mおよびn、L1、L2、L3、L4およびL5の選択によって、非常に多種の化合物を包含しうるわけであるが、その各構造部位を選択することによってより広い用途分野に適合した化合物とすることができ、その結果、一般式(I)の化合物を用いることにより、従来知られていた方法では製造が困難であったものを含めて、適度に大きい比抵抗値且つ液晶表示素子の静電気等の一時的な電圧の印加に対する挙動を改善された液晶組成物を製造でき、非常に有用である。
【0029】
さらに詳述すると、一般式(I)の化合物の中で、特に好ましい化合物として式群4に記載した化合物を挙げることができる。なお、式群中、R1は-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3、-CH=CH2、-CH=CHCH3(E体)、-(CH2)2CH=CH2、-(CH2)2CH=CHCH3(E体)、-(CH2)4CH=CH2、-(CH2)4CH=CHCH3(E体)および-(CH2)6CH=CH2を表し、R2は-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3を表す。
【0030】
【化18】
【0031】
一般式(I)の化合物の含有率は0.01〜50質量%の範囲であるが、0.01〜40質量%の範囲が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましい。
【0032】
第2成分として一般式(III)
【化19】
【0033】
から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有するが、1〜20種が好ましく、1〜15種がさらに好ましい。一般式(III)の式中、R3は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基または少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数2〜12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はそれぞれ独立してO原子が相互に直接結合しないものとして-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCO-O-により置き換えられてもよいが、炭素数1〜12のアルキル基、アルコシキ基、炭素数2〜12のアルケニル基または炭素数2〜12のアルケニルオキシ基が好ましく、中でも直鎖型アルキル基および直鎖型アルケニル基がさらに好ましい。環B1およびB2は前述の式群1に示すような構造が好適であるが、前述の式群2に示すような構造がさらに好ましい。連結基Z4およびZ5は、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-または単結合を挙げることができ、中でも単結合、-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C≡C-、-COO-または-OCO-がより好ましく、単結合、-CH2CH2-、-C≡C-、-COO-または-OCOがさらに好ましく、単結合または-COO-が特に好ましい。L6およびL8はそれぞれ独立して、-H、-F、-Clであるが、-Hまたは-Fが好ましい。L7は、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3であるが、-F、-CN、-CF3または-OCF3が好ましく、-Fまたは-CNが特に好ましい。pおよびqはそれぞれ独立して、0、1または2であり、p+qが3以下であるが、p+qが1または2が好ましい。
【0034】
一般式(III)は、具体的には、一般式(IIIa)または一般式(IIIb)で表される化合物が好ましい。
【化20】
【0035】
さらに、具体的には、一般式(IIIa-1)〜一般式(IIIa-1)、一般式(IIIb-1)または一般式(IIIb-2)で表される化合物が特に好ましい。
【0036】
【化21】
【0037】
一般式(IIIa-1)〜一般式(IIIa-1)、一般式(IIIb-1)または一般式(IIIb-2)において、X1およびX2はそれぞれ独立して、-Hまたは-Fを表す。一般式(III)の化合物の含有率は1〜80質量%の範囲であるが、5〜60質量%の範囲が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
【0038】
第3成分として、一般式(IV)
【化22】
【0039】
から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有するが、1〜20種が好ましく、1〜15種がさらに好ましい。一般式(IV)の式中、R4およびR5は、それぞれ独立的に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基または少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数2〜12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個または2個以上のCH2基はそれぞれ独立してO原子が相互に直接結合しないものとして-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCO-O-により置き換えられてもよいが、炭素数1〜12のアルキル基、アルコシキ基、炭素数2〜12のアルケニル基または炭素数2〜12のアルケニルオキシ基が好ましく、中でも直鎖型アルキル基および直鎖型アルケニル基がさらに好ましい。環C1、C2およびC3は式群5
【0040】
【化23】
【0041】
に示すような構造が好適であるが、式群6
【化24】
【0042】
に示すような構造がさらに好ましい。連結基Z6、Z7およびZ8は、それぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-CH=N-N=CH-または単結合を挙げることができ、中でも単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C≡C-、-COO-、-OCO-または-CH=N-N=CH-がより好ましく、単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-または-CH=N-N=CH-がさらに好ましい。r、sおよびtはそれぞれ独立して、0または1であり、かつr、sおよびtの和が1以上であるが、r、sおよびtの和が2または3が好ましい。
【0043】
一般式(IV)は、具体的には、一般式(IVa)、一般式(IVb)または一般式(IVc)で表される化合物が好ましい。
【化25】
【0044】
さらに、具体的には、一般式(IVa-1)〜一般式(IVa-3)、一般式(IVb-1)、一般式(IVb-2)または一般式(IVc-1)で表される化合物が特に好ましい。
【化26】
【0045】
一般式(IVa-1)〜一般式(IVa-3)、一般式(IVb-1)、一般式(IVb-2)または一般式(IVc-1)において、Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立して、-H、-Fまたはメチル基を表すが、-Hが好ましい。Z10は、-CH2CH2-、-CH=CH-、-COO-、-OCO-、または単結合を表すが、-CH2CH2-、-CH=CH-または単結合が好ましい。Z11は、-C≡C-、-COO-、-OCO-または-CH=N-N=CH-を表すが、-C≡C-または-CH=N-N=CH-が好ましい。一般式(IV)の化合物の含有率は5〜95質量%の範囲であるが、10〜90質量%の範囲が好ましく、25〜90質量%がより好ましい。
【0046】
この液晶組成物はネマチック相上限温度が60℃以上であることが好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上が特に好ましい。Δnは0.06〜0.30の範囲であることが好ましく、0.07〜0.18が更に好ましい範囲であり、0.07〜0.16の範囲がTN-LCDのセル厚の設計に特に好ましく、0.12〜0.18の範囲がSTN-LCDのセル厚の設計に特に好ましい。誘電率異方性(Δε)は、1以上20以下が好ましいが、1以上15以下が特に好ましい。
【0047】
本発明の液晶組成物は、上記の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、2色性色素などを含有していてもよい。又、TN-LCDのリバースツイストドメイン防止のためやSTN-LCDの螺旋構造を誘起するため、カイラル剤を添加しても良い。カイラル剤は通常市販されているものを使用することができる。例えば、コレステリルノナノエート(CN)、メルク社製S-811、R-811、CB-15、C-15などが挙げられる。温度上昇によって誘起螺旋ピッチが長くなるものと短くなるものが知られているが、これらの一方を1種あるいは2種以上を用いても良く、両者を組み合わせて1種あるいは2種以上用いても良い。例えば、TN-LCD、STN-LCD、TFT-LCDにおいては、基板間の厚みdと誘起螺旋ピッチpの商d/pは、0.001〜24の範囲から選ぶことができるが、0.01〜12の範囲が好ましく、0.1〜2の範囲がより好ましく、0.1〜1.5の範囲が更に好ましく、0.1〜1の範囲が更により好ましく、0.1〜0.8の範囲が特に好ましい。
上記ネマチック液晶組成物はTN-LCD、STN-LCD、OCB-LCD、高分子分散型液晶表示素子、フェーズチェンジ型コレステリック液晶表示素子に有用であるが、TN-LCD、STN-LCDに特に有用である。また、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。
【0048】
本発明のTN液晶表示素子は目的に応じて、ねじり角を80°から130°の範囲で選択することができ、85°から110°が好ましい。本発明のSTN液晶表示素子は目的に応じて、ねじり角を180°から270°の範囲で選択することができ、220°から260°が好ましい。
【0049】
本発明の液晶組成物を使用することにより、適度に大きい比抵抗値を有し、かつ液晶表示素子に対して一時的に静電気で印加された電圧が十分速い時間で緩和することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。又、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0051】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
TN-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δε :誘電率異方性(25℃)
Δn :複屈折率(25℃)
ρ :比抵抗値(Ω・cm)
帯電時間:液晶組成物をセルに注入し、静電気ガンを用いて点灯状態にした後、元の電圧無印加状態に戻るまでの時間(秒)
【0052】
化合物記載に下記の略号を使用する。
-n 数字 :-CnH2n+1 (アルキル側鎖は数字、代表するときはRとする。)
-On :-OCnH2n+1
-ndm :-(CnH2n+1-CH=CH-(CH2)m-1)
ndm- :CnH2n+1-CH=CH-(CH2)m-1-
-Od(m)n :-O(CnH2n+1-CH=CH-(CH2)m-2)
d(m)nO- :CnH2n+1-CH=CH-(CH2)m-2O-
連結基
-VO- :-COO- -T- :-C≡C-
-2- :-CH2CH2-
置換基
-CN :-C≡N -F :-F
環
Ph :1,4-フェニレン基 Ph1:3-フルオロ-1,4-フェニレン基
Ph2:3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基
Ma :ピリミジン-2,5-ジイル基
Cy :1,4-シクロヘキシレン基
【0053】
(実施例1、実施例2、比較例1、比較例2)
以下に示すネマチック液晶組成物(LC1)および(LC2)を調製し、その物性値を測定し、その結果を表1に示す。
【表1】
得られた液晶組成物LC1およびLC2は、高い比抵抗値を示している。次に、上述のネマチック液晶組成物LC1およびLC2に、化合物(Ib-2)
【0054】
【化27】
を加えた液晶組成物(LC3〜LC6)を調製した。また、比較のために、ネマチック液晶組成物LC1およびLC2にクラウンエーテル(18K6)
【化28】
【0055】
を加えた液晶組成物(LC7〜LC10)を調製した。また、別の比較のために、アミン化合物(3CPN)
【化29】
を加えた液晶組成物(LC11〜LC14)を調製した。それらの比抵抗値ならびに8.3μmのTNセルに注入したときの帯電特性を測定し、その結果を表2および表3に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
ネマチック液晶組成物LC3、LC4は、液晶組成物LC1と比較し、高い比抵抗値を保持しながら、帯電時間を大幅に短縮することができた。それに対し、化合物(Ib-2)の代わりにクラウンエーテル18K6を加えた場合は、実施例1同様の帯電時間を短縮する効果は認められるが、比抵抗値が、LC1の比抵抗値と比較して約1/100と大幅に低下してしまった。また、化合物(Ib-2)の代わりにアミン化合物3CPNを加えた場合は、実施例1同様の帯電時間を短縮する効果は認められるが、比抵抗値が、LC1の比抵抗値と比較して約1/10と大幅に低下し、さらに時間経過とともに黄変してしまった。
【0058】
【表3】
ネマチック液晶組成物LC5、LC6は、液晶組成物LC2と比較し、高い比抵抗値を保持しながら、帯電時間を大幅に短縮することができた。それに対し、化合物(Ib-2)の代わりにクラウンエーテル18K6を加えた場合は、実施例2同様の帯電時間を短縮する効果は認められるが、比抵抗値が、LC1の比抵抗値と比較して約1/100と大幅に低下してしまった。また、化合物(Ib-2)の代わりにアミン化合物3CPNを加えた場合は、実施例1同様の帯電時間を短縮する効果は認められるが、比抵抗値が、LC1の比抵抗値と比較して約1/10と大幅に低下し、さらに時間経過とともに黄変してしまった。
【0059】
(実施例3、実施例4)
さらに、ネマチック液晶組成物(LC15)および(LC16)を調製し、その物性値を測定し、その結果を表4に示す。
【表4】
得られた液晶組成物LC15およびLC16は、高い比抵抗値を示している。実施例1、2と同様に、液晶組成物LC15に化合物(Ib-2)を加えた液晶組成物(LC17、LC18)を調製し、その比抵抗値ならびに8.3μmのTNセルに注入したときの帯電特性を測定し、その結果を表5に示す。
【0060】
【表5】
ネマチック液晶組成物LC17、LC18は、液晶組成物LC15と比較し、高い比抵抗値を保持しながら、帯電時間を大幅に短縮することができた。
【0061】
実施例1、2と同様に、液晶組成物LC16に化合物(Ib-2)を加えた液晶組成物(LC19、LC20)に、さらにd/p=0.5となるようにカイラル化合物S-811を調製し、その比抵抗値ならびに6.0μmの240度ツイストSTNセルに注入したときの帯電特性を測定し、その結果を表6に示す。
【0062】
【表6】
ネマチック液晶組成物LC19、LC20は、液晶組成物LC16と比較し、高い比抵抗値を保持しながら、帯電時間を大幅に短縮することができた。
【0063】
【発明の効果】
本発明のネマチック液晶組成物は、比抵抗値が低下する等の信頼性を損なうことなく、液晶表示素子の静電気等の一時的な電圧の印加に対する挙動を改善することができる。そのため、液晶表示素子の製造工程で発生する静電気による帯電をすみやかに緩和することができる。
Claims (12)
- 第1成分として、一般式(I)
A1およびA2はそれぞれ独立して、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-O-および/または-S-に置換されてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-N-に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)および基(c)はそれぞれ独立してCNまたはハロゲンで置換されていてもよく、
mおよびnはそれぞれ独立して、0、1または2であるが、mおよびnの和は1以上3以下であり、
Z1およびZ2はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-または単結合であり、
L1、L2およびL5は、-H、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3、一般式(I)におけるR1と同じ定義であり、
L3およびL4は、-H、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3、一般式(I)におけるR1と同じ定義または一般式(II)
R2は一般式(I)におけるR1と同じ意味を表し、
iは2または3であり、
jは2または3である。)で表されるポリ(オキシアルキレン)基であるが、
L3又はL4が一般式(II)で表されるポリ(オキシアルキレン)基であり、
A1、A2、Z1およびZ2が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよい。)
で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、
第2成分として、一般式(III)
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-O-および/または-S-に置換されてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-N-に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)および基(c)はそれぞれ独立してCNまたはハロゲンで置換されていてもよく、
pおよびqはそれぞれ独立して、0、1または2であるが、pおよびqの和は1、2又は3であり、
Z4およびZ5はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-または単結合であり、
L6およびL8はそれぞれ独立して、-H、-F、-Clであり、L7は、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3であり、B1、B2、Z4およびZ5が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよい。)
で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、
第3成分として、一般式(IV)
C1、C2およびC3はそれぞれ独立して、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-O-および/または-S-に置換されてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基は-N-に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)および基(c)はそれぞれ独立してCN、メチル基またはハロゲンで置換されていてもよく、
r、sおよびtはそれぞれ独立して、0または1であり、r、s及びtの和は2又は3であり、
Z6、Z7およびZ8はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-、-SCO-、-CH=N-N=CH-または単結合を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上を含有することを特徴とするネマチック液晶組成物。 - 一般式(IIIa-1)、一般式(IIIa-2)、一般式(IIIa-3)、一般式(IIIa-4)、一般式(IIIa-5)、一般式(IIIb-1)および一般式(IIIb-2)
- 一般式(IV)が一般式(IVa-1)、一般式(IVa-2)、一般式(IVa-3)、一般式(IVb-1)、一般式(IVb-2)および一般式(IVc-1)
- 一般式(I)、一般式(Ia)、一般式(Ib)、一般式(Ic)または一般式(Id)の化合物の含有率が0.01〜50質量%の範囲である請求項1〜7の何れか一項に記載のネマチック液晶組成物。
- 誘電率異方性(Δε)が1以上20以下の範囲である請求項1〜8の何れか一項に記載のネマチック液晶組成物。
- 請求項1〜9の何れか一項に記載の液晶組成物を用いることを特徴とする液晶表示素子。
- 請求項1〜9の何れか一項に記載の液晶組成物を用い、ねじれ角が180°〜270°であることを特徴とする超捩れネマチック(STN)液晶表示素子。
- 請求項1〜9の何れか一項に記載の液晶組成物を用い、ねじれ角が80°〜130°であることを特徴とする捩れネマチック(TN)液晶表示素子。
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