JP4505401B2 - 受光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電気変換素子、所謂、受光素子に関する。
[受光素子一般に関して]
現在、フォトダイオード(PD)を基本原理とする半導体受光素子は、種々の用途で多用されており、その種類も千差万別である。
しかしながら、赤外から紫外に至る広い範囲の中から選ばれる所望の波長の光を受光可能な半導体受光素子を、十分な性能を確保しつつ簡素な製造工程で得るにあたっては、これまでの構造では解決できない以下の2つの課題があった。
第1の課題は、光感受層にシリコン(Si)を用いた受光素子に関するものである。
まず、一般に半導体は、バンドギャップ値以上のエネルギーを有する光子に対して感度を有する一方、バンドギャップより圧倒的に大きい光子に対しては著しく感度が下がるという特質を有している。それゆえ、例えば紫外線(Ex.波長300〜390nmの近紫外領域を電子ボルト単位で表示すると3.18〜4.13eVとなる)の受光素子の光感受層をシリコン(室温でバンドギャップが約1.12eV)で作ると、その感度が著しく低くなるという問題があった。
しかも、シリコンはバンドギャップ値が小さいことから、所望の光以下のエネルギー値をもつ光(可視光)については別途フィルタでカットしなくてはならず、そのため、さらに感度が下がるという問題があった。
この上記した第1の課題を解決するために、GaN系やInGaAlN系といわれる様なIII族窒化物材料、例えばAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)を光感受層に用いた受光素子が現時点で既に開発されている(特許文献1参照)。これは、xとyとを可変させることで、そのバンドギャップを赤外から紫外に至るすべての光子エネルギーにチューンすることができる特長を有している。従って現在は、このIII族窒化物デバイスが、紫外域或いは紫〜青〜緑色に相当する波長の光を受光可能な半導体受光素子として一般に用いられている。
ここで、上記特許文献1に挙げられた半導体受光素子は、紫外線を受光対象とするショットキー障壁型のPDである。図9に、これら従来構造の概略を示す。なお、PDには多くの受光原理に基づくものがあり、その中の1つにショットキー障壁型のPDがある。
図9に示す通り、これらのPDでは、サファイア基板上に、AlN等からなるバッファ層を介してGaN系結晶を成長させ、そのGaN系結晶上に、ショットキー電極(ショットキー障壁が形成されるように接合された電極)と、オーミック電極とを設けてPDを構成している(特許文献1の図4参照)。
図9は、従来知られた半導体受光素子の一例(70)を示す断面構造図であり、サファイアからなる基板71上に、低温成長させたバッファ層を介してn型のIII族窒化物半導体層(n−GaN)72を成長させ、その上にノンドープのIII族窒化物材料(GaN)からなる光感受層73を形成し、さらに、光感受層73の上に透明ショットキー電極75と、n型窒化物半導体層72の端縁上にオーミック電極77とを備えたものを示している。
図9において、ノンドープの窒化物材料からなる上側の層73の端縁の一部が、その下側に形成されているn型の窒化物半導体層72に達するまで抉られて所謂階段状になっている部分(74)は、メサ構造と称されるものであって、n型の窒化物半導体層72表面にオーミック電極77を設けるために形成されたものである。メサ構造は、反応性イオンエッチング(RIE)等により形成される。
尚通常、図9に示す受光素子を使用する際には、逆バイアス76が印加される。
このように、従来知られたIII族窒化物デバイスは、その殆どがサファイア基板上に、MOCVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製されている。
しかしながら、サファイアを基板として用いた場合の問題点として、サファイアは絶縁性であることから、基板側からの電極取り出しが不可能であり、結晶成長させた窒化物結晶薄膜表面側からの電極取り出しが必要となる点が挙げられる。すなわち、ダイオードの電極を、二つとも上記AlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)の表面におく必要があり、そのために窒化物結晶薄膜表面側に於いてエッチング等の煩雑な工程を加える必要があった(図9参照)。その結果、i)製造工程が複雑になるのみならず、ii)エッチングにより受光面にダメージを与えてしまうほか、さらに、iii)構造上の理由で受光面積を狭めてしまうことから、所望の受光面積を確保しようとするといきおいデバイス面積が大きくなり、コスト高につながるという問題があった。これが、第2の問題である。
その他、メサ構造となっている箇所は、受光面における盲点となり易く、受光面において受光感度のバラツキが生じる原因ともなっていた。
このように、赤外から紫外に至る広い範囲の中から選ばれる所望の波長の光を受光可能な半導体受光素子に関しては、上記の様な課題があった。
[多波長弁別型受光素子に関して]
ところで、受光素子の中には、上記の様に光の或る特定の一帯域の波長成分だけに感度を有するもののほか、素子の表面側から光を受光し、一つの素子において受光した光エネルギーの中から複数の波長帯域成分を適宜弁別して外部に取り出すことが出来るものも存在する。
ここで、光を検出するにあたって、光の波長またはエネルギを弁別して取り出したいという応用は沢山ある。例えば、高温発熱体の温度を黒体輻射として測定する場合、少なくとも2波長の強度比が必要とされる。従来、物質の発光波長の分布を計測する場合には、分光器により光をスペクトルに分解し、多数の受光素子のアレイにより発光特性を計測していた。
このように、従来知られた多波長測定器は、分光器と高感度受光器から構成されるか、または高価な干渉フィルタを施した複数の高感度光検出器から構成されていた。しかしながら、これらは何れも非常に高価であり、一般計測器として供し得るものではなかった。
この課題を解決するために、本発明者は一つの半導体素子の中で多波長を弁別することのできる受光素子を既に案出している(特許文献2参照)。
ところが、半導体のヘテロ構造からなるその素子は、上記図9同様、階段状にエッチングして電極を取り出さねばならない欠点を有していた(特許文献2、図1及び図6参照)。このために、エッチングによる受光面のダメージを生じさせ、かつ受光面積が小さくなる欠点を有していた。
ところで、III族窒化物材料からなる結晶に生じる結晶欠陥の一つである貫通転位を減少させることを目的として、結晶の内部に所謂横方向エピタキシャル成長(epitaxial lateral overgrowth; ELO)を導入する手法が知られている(特許文献3参照)。本発明の前提としてこの手法に付き簡単に説明すると、概ね次の通りである。
まず、III族窒化物材料を結晶成長させる結晶基板の表面に、その表面の一部を被覆するSiOからなる任意のマスクパターンを予め形成しておき、そののち、このマスクパターンが形成された結晶基板上にIII族窒化物材料を結晶成長させる。そうすると、初期段階ではマスク上には結晶成長は起こらず、マスクパターンで被覆されていない結晶基板の露出部のみにIII族窒化物材料の結晶成長が起こる。その後、さらにエピタキシャル成長を続けると、III族窒化物材料はマスクに沿って横方向に成長し、上記露出部だけでなくマスクを覆うようになる。更に成長を続けると、最終的には、内部にマスクパターンが埋め込まれた、平坦な表面を有するIII族窒化物材料の膜が得られる。上記した一連の手法を導入することにより、従来法によって形成された膜と比較して貫通転位が極めて少なく、より結晶性すなわち品質の高いIII族窒化物材料の膜を得ることが可能となる。
また、このマスク材料をSiO(絶縁体)から導電性材料に代え、マスク材料自身を静電誘導トランジスタ(SIT)のゲート端子として利用するといった試みも既に報告されている(特許文献4参照)。
しかしながら、この特許文献4に開示された構成では、埋め込み電極はあくまで補助的にゲート端子として利用されるのみである。特許文献4に開示された構成では、素子に主として流す電流を取り扱うドレイン及びソース電極については従来同様、階段状にエッチング等を行うことによって電極を形成すべき材料の層の表面を一々露出させ、その上に電極を形成する必要があった(特許文献4、図1参照)。
このように、特許文献4に開示された埋め込み電極は、素子に主として流す電流を取り扱う電極又は配線として利用され得るものではなかった。畢竟、特許文献4に開示された構成は、埋め込み電極を、受光素子を構成する主たる電極および配線として、すなわち公知の受光素子におけるショットキー電極やオーミック電極等と同等の役割を果し得るものとして、i)逆バイアスを光感受層に印加する用途や、ii)光電流を外部に取り出す用途に供することを想定するものでも示唆するものでもなかった。
以上をまとめると、要するに、赤外から紫外に至る広い範囲の中から選ばれる所望の波長の光を受光可能であり、しかも、受光面積を最大限に取ることが可能であり、かつ、従来よりもS/N比その他の諸特性が良好な半導体受光素子は、これまで提供されていなかったのである。
さらに、複数の波長帯域を弁別して受光するタイプの所謂多波長弁別型受光素子に関しても、受光面積を最大限に取ることが可能であり、かつ、従来よりもS/N比その他の諸特性が良好なものは、これまで提供されていなかった。
特開2003−23175号公報 特開2003−142721号公報 特開平10−312971号公報 特開2001−135828号公報
従って本発明は、受光面積を最大限に取ることが可能であり、しかも、従来よりもS/N比その他の諸特性が良好な、所望の波長の光を受光可能な半導体受光素子を提供することを課題とする。
また本発明は、外部に特殊なフィルタや分光器等を用いなくても、独自に光のエネルギ帯域を弁別して取り出すことが出来るほか、受光面積を最大限に取ることが可能であり、さらに、従来品よりもS/N比その他の諸特性が良好な多波長弁別型の受光素子を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく種々検討を行った結果、本発明者は、複数層からなる半導体受光素子の低層に形成されている所望の窒化物半導体表面にも電極を設ける必要上、上側の層の端縁の一部をエッチング等により下側に形成されている所望の層に達するまで階段状に抉り取っていたこれまでの構成を見直し、
低層に形成されている所望の窒化物半導体の表面にエッチング等の煩雑な工程を介して配置していた上記の電極を、当該窒化物半導体の内部に、所謂横方向エピタキシャル成長を利用して挿入することによって上記課題を悉く解決し得ることを見い出し、本発明を完成した。
上記課題を解決可能な本発明の受光素子は、(1)赤外から紫外に至る範囲の中から選ばれる所望の波長の光を受光可能な半導体受光素子であって、結晶基板と、前記結晶基板の上方に少なくとも1層形成された、n型のIII族窒化物半導体層と、前記n型のIII族窒化物半導体層上に形成され、前記結晶基板表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、前記埋込電極、及び前記埋込電極で被覆されていない前記n型のIII族窒化物半導体層の露出部を被覆する、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、受光面となる前記光感受層の一方側の面に備え設けられた、前記埋込電極と対になって受光素子を構成するショットキー電極と、からなることを特徴とするものである。
また本発明の受光素子は、(2)導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板と、前記結晶基板上に形成され、前記結晶基板表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、前記埋込電極、及び前記埋込電極で被覆されていない前記基板の露出部を被覆する、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、受光面となる前記光感受層の一方側の面に備え設けられた、前記埋込電極と対になって受光素子を構成するショットキー電極と、からなることを特徴とするものである。
上記(1),(2)にかかる本発明の受光素子においては、(3)前記光感受層がアンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなり、前記n型のIII族窒化物半導体層がn−AlGaIn(1−u−v)N(0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)からなることが好ましい。
更に本発明は、(4)波長帯域を弁別して受光する多波長弁別半導体受光素子であって、結晶基板と、前記結晶基板上方に夫々構成され、互いに検出可能な波長帯域が異なる複数の、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、前記各光感受層の間、及び最下段の前記光感受層と前記結晶基板との間に形成され、前記各光感受層を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得る複数の、p型又はn型のIII族窒化物半導体層と、前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成され、下方にある前記III族窒化物半導体層表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、最上段の前記光感受層における、受光面となる一方側の面に備え設けられたショットキー電極と、からなることを特徴とするものである。
このとき、上記(4)にかかる本発明の受光素子においては、(5)前記光感受層を3層含み、前記結晶基板上に、第3のIII族窒化物半導体層となるn型層、第3の光感受層、第2のIII族窒化物半導体層となるp型層、第2の光感受層、第1のIII族窒化物半導体層となるn型層、第1の光感受層、及び前記ショットキー電極が順次積層されてなり、さらに、前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成された前記埋込電極が、前記第1〜第3の光感受層の夫々において発生したキャリアを、前記各III族窒化物半導体層を介して夫々外部に取り出し得る様構成されていることが好ましい。
又本発明の多波長弁別半導体受光素子は、(6)導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板と、前記結晶基板上方に夫々構成され、互いに検出可能な波長帯域が異なる複数の、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、前記各光感受層の間に形成され、前記各光感受層を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得る少なくとも1層の、p型又はn型のIII族窒化物半導体層と、前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成され、下方にある前記III族窒化物半導体層又は導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、最上段の前記光感受層における、受光面となる一方側の面に備え設けられたショットキー電極と、からなることを特徴とするものである。
このとき、上記(6)にかかる本発明の受光素子においては、(7)前記光感受層を3層含み、前記結晶基板上に、第3のIII族窒化物半導体層となるn型層、第3の光感受層、第2のIII族窒化物半導体層となるp型層、第2の光感受層、第1のIII族窒化物半導体層となるn型層、第1の光感受層、及び前記ショットキー電極が順次積層されてなり、さらに、前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成された前記埋込電極が、前記第1〜第3の光感受層の夫々において発生したキャリアを、前記各III族窒化物半導体層又は導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板を介して夫々外部に取り出し得る様構成されていることが好ましい。
さらに、本発明の多波長弁別半導体受光素子は、(8)導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板と、前記結晶基板の一方側の面上に形成されたバッファ層と、前記バッファ層上方に夫々構成され、互いに検出可能な波長帯域が異なる複数の、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、前記各光感受層の間に形成され、前記各光感受層を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得る少なくとも1層の、p型又はn型のIII族窒化物半導体層と、最下段を除く前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成され、下方にある前記III族窒化物半導体層表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、最上段の前記光感受層における、受光面となる一方側の面に備え設けられたショットキー電極と、前記結晶基板の他方側の面に備え設けられた底部電極と、からなることを特徴とするものである。
上記(4)〜(8)にかかる本発明の受光素子については、(9)光入射側から見て順に、上段側にある前記III族窒化物半導体層が、それより下段にある前記光感受層のバンドギャップ値よりも大きなバンドギャップ値を有していることが好ましい。
また、上記(4)〜(9)にかかる本発明の受光素子については、(10)前記複数の光感受層が、各々x又はyの比率が異なるアンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなり、前記複数のIII族窒化物半導体層が、各々u又はvの比率が異なるp型又はn型のAlGaIn(1−u−v)N(0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)からなることが好ましい。
さらに、上記(5)にかかる本発明の受光素子については、(11)前記第1の光感受層がアンドープAlGa1−zN、前記第2の光感受層がアンドープAlGa1−yN、及び前記第3の光感受層がアンドープAlGa1−xN(0≦z≦1、0≦y≦1、0≦x≦1、z>y>x)からなり、前記第1のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−wN、前記第2のIII族窒化物半導体層がp−AlGa1−vN、及び前記第3のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−uN(0≦w≦1、0≦v≦1、0≦u≦1、w>v>u)からなること、或いは(12)前記第1の光感受層がアンドープAlGa1−zN、前記第2の光感受層がアンドープAlGa1−yN、及び前記第3の光感受層がアンドープAlGa1−xN(0≦z≦1、0≦y≦1、0≦x≦1、z>y>x)からなり、前記第1のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−vN、前記第2のIII族窒化物半導体層がp−AlGa1−uN、及び前記第3のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−uN(0≦v≦1、0≦u≦1、v>u)からなることが好ましい。ここで、(11)に係る発明の添字x,y,z,u,v,wの大小関係に関してはz≧w>y≧v>x≧u、(12)に係る発明の添字x,y,z,u,vの大小関係に関してはz>y=v>x≧uであることがより好ましい。
また、上記(1)、(4)、(5)にかかる本発明の受光素子については、(13)前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、前記n型の前記III族窒化物半導体層が、前記バッファ層の上に形成されること、或いは(14)前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、さらに、前記バッファ層の表面に任意の組成からなるIII族窒化物材料層を備え、前記n型の前記III族窒化物半導体層が、前記任意組成のIII族窒化物材料層の上に形成されることが好ましい。
同様に、上記(2)、(6)、(7)にかかる本発明の受光素子については、(15)前記埋込電極で被覆されていない前記結晶基板の露出部上にバッファ層を備え、前記光感受層が、前記バッファ層及び前記埋込電極の上に形成されること、或いは(16)前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、前記埋込電極及び前記光感受層が、前記バッファ層の上に形成されること、或いは(17)前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、さらに、前記バッファ層の表面に任意の組成からなるIII族窒化物材料層を備え、前記埋込電極及び前記光感受層が、前記任意組成のIII族窒化物材料層の上に形成されることが好ましい。
その他、上記(1)〜(7)にかかる本発明の受光素子については、(18)前記結晶基板又はn型のIII族窒化物半導体層には、前記結晶基板の他方側の面の一部を開口させ、かつ前記埋込電極の他方側の面を露出させる孔が備え設けられ、少なくとも前記孔の内壁面には導体層が被覆形成されることが好ましい。
その他、上記(13)又は(14)にかかる本発明の受光素子においては、(19)前記結晶基板がサファイア、n型SiC又はn型Siのいずれかからなり、前記バッファ層がn型AlGa1−yN(0≦y≦1)又はn型SiCからなることが好ましい。
同様に、上記(15)〜(17)にかかる本発明の受光素子においては、(20)前記結晶基板がn型SiCからなることが好ましい。
また、上記(13)〜(17)にかかる本発明の受光素子においては、(21)前記結晶基板がn型Siからなり、前記バッファ層がn型AlGa1−uN(0≦u≦1)とn型AlGa1−vN(0≦v≦1、v≠u)との超格子構造からなること、或いは、(22)前記結晶基板がn型Siからなり、前記バッファ層がn型SiCとn型AlGa1−uN(0≦u≦1)とn型AlGa1−vN(0≦v≦1、v≠u)との超格子構造からなることが好ましい。
その他、上記(1)〜(22)にかかる本発明の受光素子においては、(23)前記埋込電極が、少なくとも表面の一部にSiO又はSiN(x、yは任意の定数)からなる膜が被覆形成された多結晶、単結晶又はアモルファスのn型Siからなることが好ましい。
このとき、(24)前記埋込電極の前記SiO又はSiN(x、yは任意の定数)からなる膜は、O又はNを含むガス中でのアニール処理、化学的気相成長法(CVD)、蒸着又はスパッタから選ばれる少なくとも一つの手法により作製されることが好ましい。
その他、上記(1)〜(24)にかかる本発明の受光素子においては、(25)前記ショットキー電極が、検出対象とする光の波長に対して透明な透光性の金属薄膜からなり、前記受光面略全面を被覆する様に形成されていることが好ましい。
同様に、上記(1)〜(25)にかかる本発明の受光素子においては、(26)前記光感受層又は前記III族窒化物半導体層が、有機金属気相成長法(MOCVD)、分子線成長法(MBE)又は水素化物法(HVPE)から選ばれる少なくとも一つの成長法により作製されることが好ましい。
更に本発明は、上記本発明の受光素子を用いた受光装置に係るものであって、(27)上記(4)〜(12)に記載の受光素子と、前記受光素子に電気的に接続され、前記受光素子より出力される複数のアナログ電気信号をディジタル変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段に電気的に接続され、得られた前記ディジタル信号を情報処理して出力する演算手段と、を含んでなることを特徴とするものである。
本発明でいう受光面とは、光感受層の両面のうち光を受ける側の面を指し示すものとする。この受光面を覆うようにショットキー電極が設けられる。
ショットキー電極とは、一般的に金属と半導体との接合によってショットキー障壁と呼ばれる電位障壁が生じた状態の電極をいう。ショットキー障壁の高さqφは、一般的に金属の仕事関数φと半導体の電子親和力χとの差であるから、qφ=q(φ−χ)であり、φの比較的大きな材料が望まれる。
好ましくは、ショットキー電極には透明(透光性の金属薄膜)電極が用いられる。このとき、電極を透過した光は、電極/半導体界面接合部の空乏層や絶縁性の光感受層で吸収され,光電流を発生させる。
ここで、「透明」とは検出対象とする光の波長に対して透明(例えば、検出対象が紫外線であればUV的に透明)という意味である。
オーミック電極とは、金属−半導体の接触が整流特性を示さず(印加する電圧の向きにかかわらずに)、接触抵抗がほとんど無視できる状態のものをいう。高濃度にドーピングされた半導体と金属との接触は、形成される空乏層幅が著しく狭まり、トンネル電流が流れやすくなるために、オーミック性になり易い。
埋込電極とは、i)n型又はp型のIII族窒化物半導体層、ii)或いは、結晶基板が導電性を示すSi系半導体等からなる場合には、後記図2又は4に例示する通り、結晶基板、若しくはその上に堆積させた任意組成のバッファ層やIII族窒化物結晶の薄膜の上に形成され、それらの表面の一部を被覆する任意のパターンの導電性材料を指し示すものとする。好適な導電性材料としては、単一金属或いは合金のほか、適宜組成や結晶構造をもつ半導体が挙げられる。また、それらの表面の一部又は全部に、適宜手法で酸化膜や窒化膜等の被覆(以下に説明する各添付図面における参照符号12,22,32が相当)が形成された材料も、好適な導電性材料として同様に使用し得る。この場合、当該埋込電極を包囲しながら結晶成長してゆくIII族窒化物材料の横方向エピタキシャル成長が、特に良好に行われる。
なお、埋込電極が酸化膜や窒化膜等が被覆形成された材料からなるものであり、しかも、当該酸化膜や窒化膜が絶縁性のものであっても、埋込電極と外部リード等との接続箇所に於て、上記接続箇所にある酸化膜や窒化膜を適宜手法で破壊することにより、埋込電極と外部リード等とを確実に電気的に接続することは可能である。
本発明によれば、窒化物結晶薄膜表面側から電極を取り出すことを目的とするエッチングを行う必要が無く、受光面へのダメージを無くすことが出来ると共に、受光面積を最大限に取ることが可能となる。さらに、本発明によれば、所望の波長の光を受光することが出来、しかも従来よりもS/N比その他の諸特性が良好な半導体受光素子を得ることが出来る。
また本発明によれば、外部に特殊なフィルタや分光器等を用いなくても、独自に光のエネルギ帯域を弁別して取り出すことが出来るほか、受光面積を最大限に取ることが可能であり、さらに、従来品よりもS/N比その他の諸特性が良好な多波長弁別型の受光素子を得ることが出来る。
以下、添付図面に基づき、本発明の受光素子の一構成例に付き説明する。なお説明の簡単のため、まず最初に、赤外から紫外に至る範囲の中から選ばれる所望の帯域の波長の光を受光可能な受光素子の一構成例について説明したのち、多波長弁別型の受光素子の一構成例について説明する。図1は本発明の、赤外から紫外に至る範囲の中から選ばれる所望の帯域の波長の光を受光可能な受光素子の一構成例を示す図であって、(a)は端面より見た斜視図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。図2は本発明の受光素子の別の構成例を示す図、図3は本発明による多波長弁別型の受光素子の一構成例を示す図、図4は本発明による多波長弁別型の受光素子の更なる別の構成例を示す図、図5は本発明による多波長弁別型の受光素子のバイアス回路及び信号検出法の一例を示す図、図6は本発明による多波長弁別型の受光素子を用いた受光装置の一構成例を示すブロック図である。図7は図3に示す積層構造を備えた本実施例の多波長弁別型受光素子に係るバンド図であって、(a)は第1−第2の光感受層間の第1のIII族窒化物半導体層まわりを拡大したバンド図、(b)は第2−第3の光感受層間の第2のIII族窒化物半導体層まわりを拡大したバンド図である。図8は本発明による多波長弁別型の受光素子の別の構成例を示すバンド図である。なお、各図におけるハッチングは、電極を識別するために施している。
[第1実施形態]
図1に示す通り、赤外から紫外に至る範囲の中から選ばれる所望の帯域の波長の光を受光可能な本実施形態の半導体受光素子(以下「受光素子」)1は、所謂MIS型の構成を採るPDである。従って、ショットキー電極と、これに対応して設けられる他方の電極とが、受光素子として機能し得る態様で配置される。この他方の電極は、本実施形態では光感受層5内に埋設された埋込電極3のかたちで提供される。各電極の詳細については後述する。ショットキー障壁を用いた光検出のメカニズム自体は、従来のショットキー障壁型のPDの場合と同様である。
本実施形態に係る受光素子1は、従来、低層に形成されている所望のIII族窒化物半導体の表面にエッチング等の煩雑な工程を介して配置していた光電流取り出し用の電極を、当該III族窒化物半導体の上方に形成される光感受層の内部に、所謂横方向エピタキシャル成長を利用して埋込形成したことを特徴とするものである。
[構成]
本発明による受光素子は、結晶基板上に適宜III族窒化物材料の層を結晶成長させてなる積層体として構成されるのが好ましい。このとき、光感受層5は積層体の最上層に位置する。この積層体の構造、および各電極(ショットキー電極6と埋込電極3)との位置関係は図1に示す通りである。
図1に於いて、2は結晶基板、8は上記結晶基板2上に形成された、n型のIII族窒化物半導体からなるバッファ層、4は上記バッファ層8の上に別途形成されたn型のIII族窒化物半導体層、3は上記n型のIII族窒化物半導体層4上に形成され、その表面の一部を被覆する埋込電極、5は上記埋込電極3及び上記埋込電極で被覆されていないIII族窒化物半導体層4の露出部の上方に形成された、絶縁性すなわちノンドープのIII族窒化物材料からなる光感受層、6は受光素子を構成する一方側の電極たる透明ショットキー電極である。図1中、Lは検出すべき光である。また、上記埋込電極3は受光素子を構成する他方側の電極となるものであり、オーミック電極として機能し得るものである。一例によれば、埋込電極3の表面(上面及び側面)には酸化膜や窒化膜等からなる絶縁性の被覆12が形成され、光感受層5に於いて横方向エピタキシャル成長(ELO)が良好に行われる様構成されている。
尚後記の通り、図1に例示したショットキー電極6は透光性の金属薄膜からなるものであり、これと外部との接続を容易にするために、ショットキー電極6の上面には、Auからなるパッド電極7が付加されている。同様に、光感受層5内に埋設された埋込電極3と外部との接続を容易にする目的で、受光素子1の端面には、パッド電極3eが埋込電極3に電気的に接触し得る態様で備えられている(図1(b)参照)。
以下、各構成要素の詳細に付き、順を追って説明する。
図1に示すように、本実施形態の受光素子1は、ノンドープのIII族窒化物材料からなる層を光感受層5として有する。さらに、この光感受層5の片側の面を受光面5aとして、該受光面5aにはショットキー電極6が設けられている。
光感受層5に用いられるIII族窒化物材料は、式AlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で決定される化合物であるのが好ましい。このようなIII族窒化物材料は、Siに比べて格段に化学結合力が強く、機械的にも熱的にも強靭な性質を有するものである。
ここで、光感受層5に用いられるIII族窒化物材料は、検出対象とする光の波長範囲のうちの長波長端の値で、その最適組成が決定される。例えば、青色領域(480nm付近)およびそれよりも短い波長域の光を対象とする時にはInGaN、紫外線でも400nm以下の短い波長域の光を対象とする時にはIn組成の少ないInGaN、365nm以下の紫外線だけを対象とする時にはGaNやAlGaNが選択され得る。
n型のIII族窒化物半導体層4は、電極と看做し得る部分であって、Si等所定のドーパントが適量添加された適宜組成の半導体から選ばれるが、好ましくは光感受層5の組成に準じたものとされる。尚その組成比率等は適宜異なっていても構わない。
本実施形態では、ショットキー電極6には透明(透光性の金属薄膜)電極が用いられる。透明とは、検出対象とする光の波長に対して透明という意味である。ショットキー電極6の材料としては、Au、Pt若しくはTiW、又はそれらの組み合わせ(Ni/Pt、Ni/Au等)などが挙げられる。この透明ショットキー電極6は、受光面5a略全面を被覆する様に形成されている。
結晶基板2は、III族窒化物材料の結晶成長が可能なものとされる。好適な基板としては、絶縁性のサファイアからなるもののほか、導電性を示すn型SiCやn型Siからなるものが挙げられる。本実施形態では、結晶基板2上に予めバッファ層8を堆積させた後、その上に別途n型のIII族窒化物半導体層4を成長させ、このIII族窒化物半導体層4の表面に埋込電極3の適宜パターンを形成し、さらに、上記埋込電極3及び上記埋込電極で被覆されていないIII族窒化物半導体層4の露出部の上方に、ノンドープのIII族窒化物材料からなる光感受層5を結晶成長させている。一例によれば、バッファ層8は、その上方に成長させる任意のIII族窒化物材料の結晶成長温度よりも低温で堆積させたものである。
なお、便宜上、サファイアやn型SiC若しくはn型Siからなる結晶基板2の表面に、III族窒化物結晶との格子定数や熱膨張係数の違いを緩和するためのn型AlGa1−yN(0≦y≦1)[n型SiC基板の場合]やn型SiC[n型Si基板の場合]等からなるバッファ層8を設けたものを基板とみなしても良く、さらにその上に上記n型のIII族窒化物半導体層4や光感受層5とは別のIII族窒化物結晶の薄膜(例えば、上記n型のIII族窒化物半導体層4等とはドーピングの濃度が異なるもの)を有するものを基板とみなしても構わない。
また、結晶基板2が導電性を示すSi系半導体(SiやSiC等)からなるものである場合には、図2に示す通り、その導電性結晶基板2が上記n型のIII族窒化物半導体層4の機能を果たし得る。
ここで、図2(a)では、結晶基板の表面の一部に埋込電極3を形成し、この埋込電極で被覆されていない結晶基板の露出部上にバッファ層8を備えているが、結晶基板2が導電性を示す場合の構成はこれに限られず、この導電性結晶基板2上に任意組成のバッファ層8や、上記n型のIII族窒化物半導体層4や光感受層5とは別のIII族窒化物結晶の薄膜(例えば上記同様、n型のIII族窒化物半導体層4等とはドーピングの濃度が異なるもの)を予め堆積させ、その上に埋込電極3、及び光感受層5を形成してゆくものであっても構わない。
いずれにしても、本実施形態では、少なくとも光感受層5と結晶基板2の間の層(n型のIII族窒化物半導体層4、バッファ層8、及び埋込電極3等)については、電極として一体的に取り扱って考えることが可能である。
次に、本実施形態では、III族窒化物半導体層4上に導電性材料の適宜パターンを形成すると共に、上記導電性材料及び(この導電性材料で被覆されていない)III族窒化物半導体層の上方に、所謂ELO(上記[背景技術]参照)技術を導入して光感受層を成長させることで、この導電性材料を、光感受層5内に埋め込まれた光電流取り出し用の電極及び配線の一部として用いている(埋込電極3)。
すなわち、この埋込電極3は、n型のIII族窒化物半導体層4、或いは上記の通り受光素子を構成する結晶基板2が導電性を示すSi系半導体(SiやSiC等)からなるものである場合にはその導電性結晶基板2(図2参照)若しくはその上に堆積させた任意組成のバッファ層8や上記III族窒化物結晶の薄膜の上に形成され、それらの表面の一部を被覆する任意のパターンの導電性材料である。
好適な導電性材料としては、金属的なもの、例えば単一金属或いは合金のほか、適宜組成や結晶構造をもつ半導体が挙げられる。また、それらの表面の一部又は全部に、適宜手法で酸化膜や窒化膜等の被覆(12)が形成された材料も、好適な導電性材料として同様に使用し得る。酸化膜や窒化膜が被覆形成された材料を埋込電極とした場合、当該埋込電極を包囲しながら結晶成長してゆくIII族窒化物材料の横方向エピタキシャル成長が、特に良好に行われる。
上記酸化膜や窒化膜は、例えばSiOやSiN(x、yは任意の定数)からなるものである。そのような酸化膜や窒化膜は、化学的気相成長法(CVD)、蒸着又はスパッタ等の手法により作製され得るほか、O又はNを含むガス中でのアニール処理、好ましくは酸素、窒素若しくはアンモニアガス中でのアニール処理により作製され得る。
なお埋込電極3が、その表面の一部又は全部に酸化膜や窒化膜等の被覆が形成された材料からなるものであり、かつ、当該酸化膜や窒化膜が絶縁性のものであっても、埋込電極3と外部リード若しくはパッド電極3eとの接続箇所に於て、上記接続箇所にある酸化膜や窒化膜を適宜手法で破壊することにより、埋込電極3と外部リード若しくはパッド電極3eとを確実に電気的に接続することが可能である。酸化膜や窒化膜の破壊手法としては、埋込電極3と外部リード等とを互いに加締め接続して酸化膜や窒化膜を機械的に破壊する手法のほか、埋込電極3と外部リード等との接続箇所にある酸化膜や窒化膜を機械的に除去する手法、さらには、埋込電極3と外部リード等とを互いに加圧しながら溶接(抵抗溶接若しくは電気溶接等)して、上記接続箇所にある酸化膜や窒化膜を熱的に或いは高圧で破壊する手法等が挙げられる。
本実施形態では、埋込電極3を、n型のIII族窒化物半導体層4の上にSiをスパッタ或いはCVDを用いて適宜パターンで形成し、その上(上面及び側面)に熱酸化膜を設けたものとしている。ここで、Siは導電性を有する多結晶、単結晶又はアモルファスのn型Siとすることが好ましい。又一例によれば、n型Siに係るドーピング濃度は3×1018[cm]以上であることが好ましい。
上記熱酸化膜とは、SiOからなる絶縁体膜であり、埋込電極3の上面及び側面に被覆12のかたちで形成されている。このとき、光感受層5−埋込電極3間は、被覆12により電気的に絶縁される(図1参照)。かかる構成であっても、埋込電極3の下方に形成されたn型のIII族窒化物半導体層4が導電性を有しており、上記光感受層5を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得ることから、光感受層5で光吸収が起こることによって発生したキャリア(この例の場合は電子)を、上記III族窒化物半導体層4を一端経由して、オーミック電極となる埋込電極3に光電流として確実に取り出すことが可能である。以下に説明する各例でも同様である。
上記Si上の熱酸化膜に関しては、公知の手法で形成することが可能であるが、本実施形態では適宜パターンのn型Si又はこれによって表面の一部が被覆されたIII族窒化物半導体層4等を、酸素雰囲気中で800℃前後の温度でアニールしてSiを熱酸化することにより形成している。
また、III族窒化物半導体層4等の上に形成される導電性材料(上記埋込電極3に相当)のパターンは、所謂ストライプ状とすることが好ましい。従って、III族窒化物半導体層4等の表面には通常、並行して延びる複数本の直線状ストライプ電極が形成されることとなる。ただ、夫々のストライプについては必ずしも直線状である必要は無く、途中で曲がっていても良いほか、クランクその他の屈曲が幾つも入っていても構わない。
ところで、一般的にはショットキー電極6が逆バイアスになる様に電圧が印加されるため、ショットキー電極に対応して設けられる他方の電極(埋込電極3)がショットキー障壁を持っていても大きな問題にはならない。このことは、両電極をショットキー電極で形成した場合であっても、受光面の電極に逆バイアスの電圧を印加して使用することにすれば、他方の電極には順バイアスが印加された状態となり、その結果、この他方の電極がオーミック電極と同等の働きをすることを意味している。
他方、本実施形態では、片側電極(埋込電極3)をオーミック電極としたことによって、内部電界を利用することができ、印加電圧が0でも電子正孔対の分離がなされるという原理的利点が得られる。すなわち、本実施形態によれば、片側電極がオーミック電極であることにより、印加電圧がなくても内部電界によりキャリアが分離され、光電流として外部に取り出せることが期待できる。
本実施形態の受光素子が受光の対象とする光の波長については、光感受層5に用いられるIII族窒化物材料の組成に応じて任意のものとすることが出来るが、青色から紫外線・X線に至る短い波長の光を対象とするとき、本実施形態の有用性は特に顕著となる。
例えば、KrFエキシマレーザー装置から発せられる波長248nmの光や、ArFエキシマレーザー装置から発せられる波長193nmの光など、極めて短い波長をもつ紫外光は、強烈なエネルギーを持つものであるため、その受光素子には従来より高い耐久性と信頼性が強く求められていた。
しかるに、本実施形態によれば、電極を取り出す為にエッチング等の複雑な製造工程を行う必要が無く、シンプルでしかも受光面積を最大限に取ることが出来る構造の素子を、光感受層に紫外線のような短波長の光の受光にも十分耐え得るIII族窒化物材料を使用して作製出来るため、耐紫外線性のほか、耐久性と信頼性に優れた受光素子を得ることができる。
なお、図2(b)に示すとおり、結晶基板2或いは、図1に示す積層構造の場合はそれに加えてIII族窒化物半導体層4やバッファ層8には、上記結晶基板2の他方側の面の一部を開口させ、かつ上記埋込電極の他方側の面を露出させる孔Hを備え設け、さらに、少なくともその孔Hの内壁面に導体層11を被覆形成しておいても良い。これにより、埋込電極から外部への通電をより確実に行うことが可能となる。
[動作]
又以下では、本実施形態の受光素子1の動作につき説明する。まず、透明ショットキー電極6側に負電圧、n型層4側すなわち埋込電極3に正電圧を印加して、素子を逆バイアス状態とする。図1の上方より入射する光Lは、透明ショットキー電極6を透過し、光感受層5に達すると吸収され、伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を発生させる。このとき、電子は電界によりn型のIII族窒化物半導体層4に移動する一方、正孔は透明ショットキー電極6に移動し、これらは各電極を通じて光電流として外部に取り出される。換言すれば、電子は結局埋込電極3に、正孔はショットキー電極6に導かれ、光電流として外部に取り出される。
ここで、逆バイアス電圧を大きくすることにより、アバランシェ効果を起こさせ、電流増幅型素子として用いられることもある。
[第2実施形態]
引き続き、本発明による多波長弁別型の受光素子の一構成例について説明する。
図3にその一構成例を示す通り、本実施形態の受光素子は、検出すべき複数の波長帯域の各々に光吸収をもつ複数の光感受層が、光入射側から吸収エネルギ若しくはバンドギャップの大なる順に配置され、さらに、その間を隔離する半導体層(図3に例示するp型又はn型の、第1〜第3のIII族窒化物半導体層14,24,34に相当する)が積層され、各々の光感受層で発生した電子正孔による電流または起電力を、それら光感受層(15,25,35)内に埋設された埋込電極、及びショットキー電極を利用して外部に取り出し得る様に構成されたものである。
すなわち、本実施形態の受光素子50は、波長帯域を弁別して受光する多波長弁別型の半導体受光素子であって、結晶基板2と、結晶基板2上方に夫々構成され、互いに検出可能な波長帯域が異なる複数の、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層(図3に例示する第1〜第3の光感受層15,25,35に相当する)と、各光感受層の間、及び最下段の光感受層と結晶基板2との間に形成され、各光感受層を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得る複数の、p型又はn型のIII族窒化物半導体層(図3に例示する第1〜第3のIII族窒化物半導体層14,24,34に相当する)と、各光感受層内に埋め込まれる態様で形成され、下方にある上記III族窒化物半導体層表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極(図3に例示する第1〜第3の埋め込み電極13,23,33に相当する)と、最上段の光感受層における、受光面となる一方側の面(図3に例示する第1の光感受層15の一方側の面15a)に備え設けられたショットキー電極6と、からなることを特徴とするものである。
ここで、光入射側から見て順に、上段側にあるIII族窒化物半導体層は、それより下段にある光感受層のバンドギャップ値よりも大きなバンドギャップ値を有している(後述)。また後記の通り、本素子は、目的とする所望の波長選択性をもった単一の受光素子が上下に複数個積層されたものと等価である。図3に示す例では、光感受層は結晶基板2上に3層形成されている。
図3は本発明による多波長弁別型受光素子の一実施形態を示す断面図であり、この素子50は、第1〜第3の波長弁別部(10,20,30)に大まかに分けることが出来る。図3において、2は結晶基板であり、その上に予めバッファ層8を堆積させた後、第3のIII族窒化物半導体層となるn型層34、第3の光感受層35、第2のIII族窒化物半導体層となるp型層24、第2の光感受層25、第1のIII族窒化物半導体層となるn型層14、第1の光感受層15、及びショットキー電極6が順次積層されている。さらに、上記各光感受層15,25,35内には、これらに埋め込まれる態様で埋込電極(第1〜第3の埋込電極)13,23,33が形成されている。好ましくは第1実施形態同様、各埋込電極の上面及び側面には絶縁性の被覆12,22,32が形成される。この場合であっても、第1〜第3の埋込電極13,23,33は、後記の通り、第1〜第3の光感受層15,25,35の夫々において発生したキャリアを、第1〜第3のIII族窒化物半導体層14,24,34を経由して外部に光電流として取り出し得る様構成されている。
第1実施形態同様、結晶基板2は絶縁性のサファイアのほか、導電性を示すn−SiCやn−Siからなり得る。結晶基板2が導電性を示すn−SiCやn−Si等のSi系半導体からなる場合には、後段にて説明する図4に示す様な構成も採用し得る。なお、上記p型層にはMg等、n型層にはSi等のドーパントが、それぞれ適量添加されている。
また、図3における参照符号6は透明ショットキー電極、7はショットキー電極の一部の上方に積層されたAuパッド電極である。さらに、受光素子50の端面には、外部リードとの接続を容易にする目的で、各埋込電極13,23,33に電気的に接続された不図示のパッド電極が、図1と同じ態様で備えられている。透明ショットキー電極6は、第1実施形態同様、受光面積比率の向上および拡がり抵抗の低減化等の目的で形成されている。
埋込電極に関し、第3のIII族窒化物半導体層34上には第3の埋込電極33が、第2のIII族窒化物半導体層24上には第2の埋込電極23が、そして第1のIII族窒化物半導体層14上には第1の埋込電極13が、それぞれ任意のパターンで形成される。好ましくは、この電極パターンはストライプ状のものとされる(図3参照)。形成されるストライプの方向、幅、電極ピッチ、高さその他については、第1〜第3のIII族窒化物半導体層上に成長させるIII族窒化物材料(光感受層等)の転位のレベルを低減させ得る範囲で適当な値が選択される。各埋込電極表面(上面及び側面)の絶縁被覆12,22,32も、同様の見地から形成されている。 図3に示す通り、上下に重ねて形成される埋込電極のパターンを互いにずらしたりすることで、貫通転位の更なる低減を図ることも可能である。
埋込電極のパターンは、蒸着法、スパッタ法、CVD法のほか、フォトレジストパターンを形成した後エッチングを行うフォトリソグラフィー法、或いはこれらの組み合わせによって形成される。
第1実施形態同様、図3に示す例では、結晶基板2上にバッファ層8を堆積させたのち、その上にn型層である第3のIII族窒化物半導体層34を成長させ、その後、このn型層の上に第3の埋込電極33の適宜パターンを形成し、さらに、上記埋込電極33及び上記埋込電極で被覆されていない第3のIII族窒化物半導体層34の露出部の上に、ノンドープのIII族窒化物材料からなる第3の光感受層35・・・を成長させている。
また、第1実施形態の欄で説明した通り、結晶基板2の表面にバッファ層を設けたものを一体的に基板とみなしても良く、さらにその上にIII族窒化物半導体層や光感受層とは別の組成を持つIII族窒化物結晶の薄膜(例えば、ドーピング濃度が異なるもの)を設けたものを基板とみなしても構わない。
複数の光感受層(図3に示す例では第1〜第3の光感受層15,25,25)及び複数のIII族窒化物半導体層(図3に示す例では第1〜第3のIII族窒化物半導体層14,24,34)に係るIII族窒化物材料の組成に関しては、基本的に上記第1実施形態と同様の基準で選ばれる。
ただし、多波長弁別型の受光素子を実現する必要上、本実施形態では、上記複数の光感受層が夫々x又はyの比率が異なるアンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなり、上記複数のIII族窒化物半導体層が夫々u又はvの比率が異なるp型又はn型のAlGaIn(1−u−v)N(0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)からなり、さらに、光入射側から見て順に、上段側にあるIII族窒化物半導体層が、それより下段にある光感受層のバンドギャップ値よりも大きなバンドギャップ値を有している様構成されている。
本実施形態の多波長域受光素子におけるp型又はn型のIII族窒化物半導体層や光感受層の結晶成長には、有機金属気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシ法(MBE)、ハイドライド法(HVPE)その他の公知の手法が用いられ得る。
その他、バッファ層8の各種構成例、埋込電極3の材料やその上に形成され得る酸化膜や窒化膜等からなる被覆12の組成や作成法、ショットキー電極6の組成等、或る特定帯域の(単一)波長成分を検出する受光素子(1)と多波長弁別型受光素子(50)との間で共通する構成要素や項目については、第1実施形態の欄で説明した通りの内容をそのまま適用することが出来る。
また、前記第1実施形態の項で図2を用いて説明したのと同様に、結晶基板2が導電性を示すSi系半導体(SiやSiC等)からなるものである場合には、図4(a)〜(c)に示す通り、その導電性結晶基板2が最下段のIII族窒化物半導体層(本実施形態ではn型層である第3のIII族窒化物半導体層34)の機能を果たし得る。
ここで、図4(a)では、この導電性結晶基板2上に任意組成のバッファ層8或いは更にその上に適宜組成を持つIII族窒化物結晶の薄膜を予め堆積させ、その上に第3の埋込電極33、第3の光感受層35を順次形成して行く例を示している。
図4(b)は、上記図2(a)同様、導電性結晶基板2の表面の一部に第3の埋込電極33を形成し、この埋込電極で被覆されていない結晶基板の露出部上にバッファ層8を備え、さらに、それら埋込電極及びバッファ層の上方に、第3の光感受層35を形成して行く例を示している。
さらに、図4(c)は、第3の光感受層35内に埋込電極を形成することに代えて、導電性結晶基板2の他方側の面にオーミック電極となる導体層11を備える例を示している。かかる構成であっても、結晶基板2が導電性を有していることから、後記の通り第3の光吸収層35で光吸収が起こることによって発生した電子を、n型層である結晶基板2を経由して、オーミック電極となる上記導体層11から光電流として取り出すことが可能である。
[動作]
次に、動作について説明する。本実施形態に示す多波長弁別型受光素子50は、素子の表面側から光Lを受光し、一つの素子内において受光した光エネルギーの中から3つの波長帯域成分を適宜弁別して外部に取り出すことができる3波長帯域弁別型受光素子である。各光感受層における吸収波長の範囲の広狭に係る相対関係を図3(a)に、各光感受層におけるバンドギャップの大小に係る相対関係を図3(b)に示す。
また、図3(c)は、本実施形態に係る多波長弁別型受光素子50の積層構造について、等価回路的に半導体素子の記号で表示したものである。以下の説明を円滑にすべく、ショットキー電極6及び第1〜第3の埋込電極13,23,33の夫々には、符号A〜Dが割り当てられている。ここで、図3における積層構造を示す断面図及び等価回路を示す図3(c)ではバイアスを印加する様子を示していないが、実用に供する際には逆バイアスとすることが望ましい。これについては後ほど、図5を参照しながら説明する。
以下、図3(a)〜(c)を参照しつつ本実施形態に示す多波長弁別型受光素子の動作につき説明する。
まず最初に、検出対象となる波長成分を包含する光Lが上方より入射すると、光は透明ショットキー電極6を透過し、第1の光感受層15に浸入する。光感受層の厚みは、この層の光吸収係数に応じて適当な値とされる。
すると、第1の光感受層15における吸収波長の長波長端の値よりも短い波長成分は第1の光感受層15で吸収され(図3(a)参照)、電子が伝導帯に、正孔は価電子帯に生成される。
このとき、第1の光感受層15はショットキー電極6とn型層である第1のIII族窒化物半導体層14とに挟まれて内部電界が生じており、電子は第1のIII族窒化物半導体層14に一旦移動した後、第1の埋込電極13を経由して光電流として外部に取り出される。正孔はショットキー電極6に収集され、同様に光電流として外部に取り出される。
なお、第1の光感受層15における吸収波長の範囲内に入る波長成分は、第1の光感受層15と第1のIII族窒化物半導体層14とを通過する間に消失し、残りの波長成分を包含する光線が第2の光感受層25を通過する。
本実施形態では、第2の光感受層25における吸収波長の範囲は、第1の光感受層15における吸収波長の範囲よりも長波長側に広くなる様構成され、また第3の光感受層35における吸収波長の範囲は、第2の光感受層25における吸収波長の範囲よりも長波長側に広くなる様構成されている。
したがって、第2の光感受層25は、第2の光感受層25における吸収波長の範囲に含まれ、かつ、第1の光感受層15には吸収されなかった波長成分(図3(a)参照)を吸収して電子と正孔とを生じ、電子はn型層である先の、第1のIII族窒化物半導体層14を経由して上述した第1の埋込電極13から取り出される。一方、正孔による光電流は、p型層である第2のIII族窒化物半導体層24を経由して第2の埋込電極23より取り出される。ここで、各光吸収層に生じる光電流の大きさを、ショットキー電極及び第1〜第3の埋込電極13,23,33(電極A〜D)を利用して検知する手法については、図5を参照しながら別途後段にて説明する。
上記同様、第2の光感受層25における吸収波長の範囲内に入る波長成分は、第2の光感受層25と第2のIII族窒化物半導体層24とを通過する間に消失し、残りの波長成分を包含する光線が第3の光感受層35を通過する。
第3の光感受層35における吸収波長の範囲は、第2の光感受層25における吸収波長の範囲よりも長波長側に広くなる様構成されており、従って第3の光感受層35は、第3の光感受層35における吸収波長の範囲に含まれ、かつ、第2の光感受層25には吸収されなかった波長成分(図3(a)参照)を吸収して電子と正孔とを生じ、電子はn型層である第3のIII族窒化物半導体層34を経由して第3の埋込電極33から取り出される。一方、正孔による光電流は、p型層である先の第2のIII族窒化物半導体層24を経由して、上述した第2の埋込電極23より取り出される。
こののち、第3の光感受層35における吸収波長の範囲に含まれず、それより長い波長成分に係る光は、第3のIII族窒化物半導体層34及び結晶基板2等を透過して素子の外部に抜け出て行く。すなわち、この素子の動作は、第1〜第3の光感受層15,25,35各々における吸収波長の範囲に含まれず、それらより長波長成分をもつ光(例えば、第1〜第3の光感受層各々の吸収波長が紫外域の範囲のものである場合における可視光など)の存在に全く影響されない。
次に、本実施形態の受光素子にバイアス印加する態様の一例を図5に示す。図中には、第1〜第3の波長弁別部(10,20,30)を等価回路で表わしたダイオードの記号が示されている。図5でも、各電極の符号(A〜D)は図3と共通である。A1〜A3は第1〜第3の電流計である。I〜Iは第1〜第3の波長弁別部に生じる光電流を示しており、夫々、流れる方向を擬制したことに伴って正負の符号が付されている。本実施形態では、A→Bに流れる電流をI、B→Cに流れる電流を−I(C→B間に順電流Iが流れ得る)、C→Dに流れる電流をIとしている。
9p、9mはバイアス電源であり、端子Bに正のバイアスを、端子A及びCに負のバイアスを夫々印加している。一例によれば、バイアス電圧は±3V程度とされる。
図5からも明らかな通り、第1〜第3の電流計A1〜A3では夫々、I、−I+I、Iの電流の大きさが測定され得る。したがって、各電流計の指示値から、光電流I〜I夫々の大きさを検知することが可能である。
このように、図5に示したバイアス構成等を採用することにより、各光吸収層に生じる光電流の各々の大きさを検知することが可能となる。なお、本実施形態の受光素子50は各光吸収層に逆バイアスが印加される構成であり、光吸収がないときには光電流は発生しない。
なお、本実施形態で示したバイアス条件とは別に0バイアスで動作させることもできる。また、0バイアスの条件では、光起電力を測定することもできる。この場合、電流計Aに相当するものはDC電圧計に置換される。
ところで、本実施形態では、光感受層を3層とした3波長帯域受光素子の一構成例に付き説明したが、光感受層の層数はこれに限定されず、2層であっても良いほか、4層以上とすることも可能である。
2波長帯域受光素子を構成するには、図3の第1の光感受層15より上を備えない構成とするか、或いは第2のIII族窒化物半導体層(p型)24の下方に結晶基板2が来る様構成すれば良い。
一方、光感受層を4層以上とする場合、i)図3のパッド電極7及びショットキー電極6を除いた第1の光感受層15の上に、第1の埋込電極13及び第1のIII族窒化物半導体層(n型)14〜第2のIII族窒化物半導体層(p型)24までと同じ組合わせのもの(♯1)、そしてその上に第1の光感受層15、更にその上に、第1の埋込電極13及び第1のIII族窒化物半導体層(n型)14〜第2のIII族窒化物半導体層(p型)24までと同じ組合わせのもの(♯1)、を繰り返し交互に積層して行けば、4層以上の光感受層をもつ受光素子を作製することが出来る。このとき、光感受層が5,7・・奇数層となる構成であれば、最上位に来る光感受層の上にショットキー電極を形成すれば良い。
或いは、ii)図3の結晶基板2を除いたn型の第3のIII族窒化物半導体層(埋込電極33を包含するもの。以下において、バッファ層については考慮しない)34の下に、第2の光感受層25〜第2のIII族窒化物半導体層(p型)24までと同じ組合わせのもの(♯2)、そしてその下に第3の光感受層35〜第3のIII族窒化物半導体層(n型)34までと同じ組合わせのもの(♯3)、更にその下に、第2の光感受層25〜第2のIII族窒化物半導体層(p型)24までと同じ組合わせのもの(♯2)を繰り返し交互に積層して行けば、同様に4層以上の光感受層をもつ受光素子を作製することが出来る。
以上説明したように、本実施形態によれば、入射光は100%波長弁別されて各光感受層に吸収される。それゆえ、従来必要としていた干渉フィルタや光吸収フィルタ或いは分光器による波長弁別機構が不要となり、装置の小型簡素化、高効率化及び低コスト化をさらに進めることが可能となる。このほか、小型化が進むことによって、適用範囲を更に拡大することも十分可能である。
[第3実施形態]
次に、上記した本発明の多波長弁別型受光素子を用いた受光装置の一構成例を図6に示す。
本実施形態に係る受光装置60は、多波長弁別型受光素子から出力される信号の処理に係るシステムに関するものであって、上記[第2実施形態]として説明した多波長弁別型受光素子50と、この受光素子50に増幅回路等を介して電気的に接続され、受光素子50より出力される複数のアナログ電気信号をディジタル変換するA/D変換手段62と、A/D変換手段62に電気的に接続され、得られたディジタル信号を情報処理して出力する演算手段63と、を含んでなることを特徴とするものである。
具体的な構成及び動作は図6に示す通りであり、まずはじめに、増幅及びサンプル・ホールド部61にて受光素子50から出力された複数のアナログ電気信号を増幅し、サンプル・ホールド回路に蓄積する。受光素子50から出力された複数のアナログ電気信号は、例えば図5における電流計A1〜A3からの出力等とすることが出来る。次に、この増幅及びサンプル・ホールド部61から出力されたアナログ電気信号をA/D変換部62に供給してディジタル信号に変換する。その後、得られたディジタル信号を情報処理部63に入力し、情報処理部63により必要な演算を行ってからその結果を表示部64に表示する。必要な演算の中には例えば、基準値と比較したり、又は相対値を生成したりする演算も含まれる。図6に示す通り、情報処理部63には入力部65と送受信部66を併せ備えることが可能であり、得られたディジタル信号を処理する際に入力部から必要な指令を与えることや、情報処理部63による処理後のデータ、例えば、各光感受層に流れる光電流I〜Iの大きさを個々に弁別したデータを外部に送出したりすることも可能となる。
その他、図5に示したバイアス構成等を採用して各光吸収層に生じる光電流の大きさを検知するとしても、実際には、接触抵抗やオージェ効果などによるロスや、さらに各領域で吸収し切れなかった光が次の領域に達する効果による誤差が発生する可能性がある。しかし、本実施形態に示すシステム等を利用し、例えばさまざまな連続スペクトルの光を入力して較正して使用する構成とすれば、かかる誤差の影響についても十分配慮したより高性能な受光素子を提供することが可能となる。
次に、以上に説明した、所望の帯域の波長の光を受光可能な第1実施形態の構成を持つ受光素子及び多波長弁別型となる第2実施形態の構成を持つ受光素子を、共に紫外域の光を受光の対象とする紫外線センサとして実際に作成した例に付き説明する。先ず最初に、所望の帯域の波長の光を受光可能な受光素子に係る実施例について説明したのち(実施例1)、多波長弁別型受光素子に係る実施例につき説明する(実施例2)。
[第1例]
以下に説明する第1例及び第2例は、上記[第1実施形態]の基本構成を備え、赤外から紫外に至る範囲の中から選ばれる所望の帯域の波長の光を受光可能な受光素子である。
上記第1実施形態同様、本実施例の受光素子1は、図1に示す構造をもつものであり、サファイア基板2上にn型AlGa1−yN(0≦y≦1)からなるバッファ層8を堆積させたのち、その上にn−AlGaIn(1−u−v)N(0≦u≦1、0≦v<1、u+v≦1)からなるn型のIII族窒化物半導体層4を結晶成長させ、その後、このn型のIII族窒化物半導体層4上に、その表面の一部を被覆する任意のパターンの埋込電極3を形成し、さらに、上記埋込電極3及び上記埋込電極で被覆されていないn型のIII族窒化物半導体層4の露出部の上方に、絶縁性のノンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y<1、x+y≦1)からなる光感受層5を積層し、その上に、Ni/Auから成る透明ショットキー電極6を形成したMIS型受光素子である。上記第1実施形態同様、埋込電極3の表面(上面及び側面)には、絶縁性の被覆12が形成されている。
本実施例では、上記の積層構造を、公知の手法を導入して有機金属気相成長法(MOCVD)により作製した。
なお、光感受層5を構成する絶縁性のノンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)III族窒化物材料に関しては、検出対象とする光の波長帯域に応じてその最適組成が決定される。n型のIII族窒化物半導体層4についても同様である。n型のIII族窒化物半導体層4は、好ましくは光感受層5の組成に準じたものとされるが、その組成比率等は適宜異なっていても構わない。ここで、検出対象とする光の波長帯域に対応したx及びyの比率その他に関しては従来公知である。本実施例では、紫外域にある約340nmの波長の光に対して感度をもつセンサを得るべく、光感受層5をAlGaNから形成した。
埋込電極3は、n型のIII族窒化物半導体層4上に、任意のパターンで形成されるが、本実施例では所謂ストライプ状のものとした。n型のIII族窒化物半導体層4上に構成されるストライプの方向、幅、電極ピッチ、高さその他については、基板上に成長させたIII族窒化物材料の転位のレベルを低減させ得る範囲で適当な値が選択される。
一例によれば、このストライプ電極は、幅は数μm、電極ピッチはストライプ電極幅と同程度或いは電極幅よりも少し広い程度、そして電極高さは1μm以下の値で構成される。
又図1に示す通り、透明ショットキー電極6の受光面の一部には、Auからなるパッド電極7が形成されているほか、受光素子1の端面には、埋込電極3に電気的に接触し得る様パッド電極3eが備えられている。
本実施例の受光素子1では、上方から透明ショットキー電極6に向けて光(紫外線)Lが入射すると、キャリアが発生し、電極6,3から光電流が取り出される。
[第2例]
第1例に引き続き、同一積層構造からなる第2例を作製した。
この第2例の受光素子1は、結晶基板2をサファイアに代えてn型SiC又はn型Siからなるものとし、その上に、上記と同様の積層構造を備え設けたものである。
第1例同様、第2例においても、上の積層構造を有機金属気相成長法(MOCVD)を用いて形成した。光感受層5の組成は、第1例と同様のものとした。
SiC結晶基板上にIII族窒化物の結晶を成長させるにあたり、本実施例では、まず昇華法等で作製したn型SiC基板2上にn型AlGa1−yN(0≦y≦1)からなるバッファ層8を堆積させたのち、その上にn−AlGaIn(1−u−v)N(0≦u≦1、0≦v<1、u+v≦1)からなるn型のIII族窒化物半導体層4を結晶成長させ、その後、このn型のIII族窒化物半導体層4上に、その表面の一部を被覆する任意のパターンの埋込電極3を形成し、さらに、上記埋込電極3及び上記埋込電極で被覆されていないn型のIII族窒化物半導体層4の露出部の上方に、絶縁性のノンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y<1、x+y≦1)からなる光感受層5を順次結晶成長させる構成としている。
次に、Si基板上にn型SiC(3C−SiC)からなるバッファ層を介してIII族窒化物の結晶を成長させる手法は、T.Takeuchi他による報告(J. Cryst. Growth 115, 634(1991年)参照)等により公知である。
又Si結晶基板上にIII族窒化物の結晶を成長させる手法に関しては、上記のほか、i)Si等の基板上に少なくともInを含むGaN系半導体からなるバッファ層を堆積し、その上にGaN系半導体層を結晶成長させる方法(特開平11−145514号公報参照)や、ii)Si基板の上に、MBE法によりGa薄膜を形成し、その後、このGa薄膜上に窒化層を形成し、さらに、その上にGaN結晶を成長させる方法(特開平9−134878号公報参照)、iii)Siと(バッファ層上に形成しようとする)III族窒化物半導体との中間の格子定数を有するII−III−VI族化合物半導体、I−III−VI族化合物半導体及びII−IV−V族化合物半導体、並びにGaN系窒化物半導体の中から選ばれる少なくとも2種の化合物半導体を、超格子構造を構成するように積層してバッファ層を形成し、これを介在させて、Si基板上にIII族窒化物半導体を成長させる方法(特開2004−63762号公報参照)、iv)AlNやAlGaN/AlNからなる中間層を介在させる方法(梅野他「Si基板上へテロエピタキシー」、応用物理第72巻 第3号 P280−281(2003年)参照)などが、現在までに報告、提案されている。
さらに、v)Si基板上に、AlGaN/AlN超格子を用いてガスソースMBE法により高品質のAlGaNを成長させる方法(S. A. Nikishin他、Appl. Phys. Lett. 76, 3028(2000年)参照)や、vi)Si基板上にAlGaN/GaN多層膜を導入してGaInN/GaNデバイス(MQW LED)を作製した例について報告例がある(A.Dadgar他、Appl. Phys. Lett. 78, 2211(2001年)参照)。
このように、Si結晶基板上にIII族窒化物の結晶を成長させる手法は種々存在するが、好適な方法としては、n型AlGa1−uN(0≦u≦1)とn型AlGa1−vN(0≦v≦1、v≠u)との超格子構造からなるバッファ層を用いる方法や、n型SiCとn型AlGa1−uN(0≦u≦1)とn型AlGa1−vN(0≦v≦1、v≠u)との超格子構造からなるバッファ層を用いる方法が挙げられる。
なお、超格子構造とは、ヘテロ接合を数〜数10原子層厚の一定周期で繰り返して形成される人工的な構造を言う。十分に短い周期で半導体超格子を構成したとき(短周期超格子)、その積層構造は実効的に超格子の寸法で決まる平均組成の混晶とほぼ等しい働きをすることが知られている。
第1例及び第2例として得られた本実施例の紫外線センサに関し、両電極6,3間に逆バイアスをかけた状態で、受光面に対して垂直な方向から種々の波長の光を照射し、受光の性能を調べたところ、紫外域の光、すなわち約340nm以下の波長の光に対して感度があることがわかった。340nm以下の波長域については、従来技術にあっては基板側から光を入射させていた場合に問題となるAlGaNの光吸収特性が、本発明では逆にそのまま受光感度に寄与することになるので、フラットな特性となった。また、340nmよりも長い波長域の光については、光感受層5が感応しないため、全く感度がないほか、これによる素子の顕著な温度上昇も看られなかった。
さらに、本実施例の紫外線センサでは、メサ構造を採用せずに済むため、受光面に盲点もなく、受光面における受光感度のバラツキも解消されている。
上記の通り、本実施例の受光素子は、光感受層にIII族窒化物材料を用いているために紫外線に対して優れた耐性を有する。又本実施例の受光素子は、透光性の金属薄膜からなる透明電極を用いたショットキー障壁型のPDであり、ショットキー電極の上面側からの光を受光する構造となっている。すなわち、受光すべき光は、基板層を通過することなく、透明電極側から直接的に光感受層に入射することが可能である。かかる構造であっても、本実施例の受光素子では最大限の受光面積が確保される。
以上に説明したように、本実施例によれば、青色〜紫外域の波長の光に対しても優れた感度を有する受光素子が得られる。又本実施例によれば、特に、波長が短くなっても感度が減少することがないという顕著な作用効果が得られる。
その他、本実施例の紫外線センサでは、埋込電極3を実現するにあたって横方向エピタキシャル成長法(ELO)を導入していることから、埋込電極3を包囲してその上に形成される光吸収層5については、従来法によって形成された場合と比較して貫通転位が極めて少なく、より純粋で結晶性の高いものが得られる。それゆえ、本実施例によれば、従来品よりも、転位が少ない分、S/N比その他の諸特性が良好な紫外線センサを得ることが可能となる。
尚本実施例でも、埋込電極3の表面(上面及び側面)には絶縁性の被覆12が形成されており、これにより横方向エピタキシャル成長が良好に行われる様になっている。
又以下に説明する2つ目の実施例は、上記[第2実施形態]の基本構成を備えた多波長弁別型の受光素子に関するものである。
[構成]
本実施例の多波長弁別型の受光素子50の積層構造は図3に示す通りであり、サファイアからなる結晶基板2上に、第3のIII族窒化物半導体層となるn型層34、第3の光感受層35、第2のIII族窒化物半導体層となるp型層24、第2の光感受層25、第1のIII族窒化物半導体層となるn型層14、第1の光感受層15、及びショットキー電極6が順次積層されている。又各光感受層15,25,35内には、これらに埋め込まれる態様で第1〜第3の埋込電極13,23,33が形成されている。又本実施例では、サファイア基板2上にIII族窒化物材料を結晶成長させるに当たり、バッファ層8を予め堆積させて、その上に第3のIII族窒化物半導体層34等を成長させている。
本実施例では、(1)第1の光感受層15が波長290nm以下の所謂UVC紫外線(以下、相対的な意味で短波長光ともいう)を検知するもの、(2)第2の光感受層25が波長320nmから290nmの所謂UVB紫外線(以下、相対的な意味で中波長光ともいう)を検知するもの、そして(3)第3の光感受層35が波長400nmから320nmの所謂UVA紫外線(以下、相対的な意味で長波長光ともいう)を検知するものとして素子が構成されている。
光感受層に関しては、一般にAl組成が多いほうがバンドギャップが大となり、短波長成分吸収に適することに鑑み、本実施例ではAl組成が多いものを上位層に置く構成としている。すなわち本実施例では、図7に示す通り、光入射側から順に、第1の光感受層15がアンドープAlGa1−zN、第2の光感受層25がアンドープAlGa1−yN、及び第3の光感受層35がアンドープAlGa1−xN(0≦z≦1、0≦y≦1、0≦x≦1、z>y>x)からなるものとしている。同様に、III族窒化物半導体層についても、本実施例では第1のIII族窒化物半導体層14がn−AlGa1−wN、第2のIII族窒化物半導体層24がp−AlGa1−vN、及び前記第3のIII族窒化物半導体層34がn−AlGa1−uN(0≦w≦1、0≦v≦1、0≦u≦1、w>v>u)からなるものとしている。ここで、上記光感受層及びIII族窒化物半導体層の組成比率に係る添字x,y,z,u,v,wの大小関係に関してはz≧w>y≧v>x≧uであることが好ましい。尚図7に示す例では、z=w,y=v,x=uとしている。
かかる構成とすることにより、本実施例の受光素子50では、光入射側から見て順に、上段側にあるIII族窒化物半導体層は、それより下段にある光感受層のバンドギャップ値よりも大きなバンドギャップ値を有する様になっている。
なお、各光感受層及び各III族窒化物半導体層のバンドギャップについては、図7に示すバンド図に詳細に開示されている。ここで、図7(a)は、第1−第2の光感受層間の第1のIII族窒化物半導体層14まわりを拡大したバンド図、図7(b)は、第2−第3の光感受層間の第2のIII族窒化物半導体層24まわりを拡大したバンド図である。
また、各光感受層(15,25,35)及びIII族窒化物半導体層(14,24,34)の組成に関しては、上記のものに限定されず、例えば図8に示すようなものであっても構わない。図8は、本発明による多波長弁別型の受光素子の別の構成例を示すバンド図である。
この図8に示す例について順に説明すると、光感受層に関しては上記同様、光入射側から順に、第1の光感受層15がアンドープAlGa1−zN、第2の光感受層25がアンドープAlGa1−yN、及び第3の光感受層35がアンドープAlGa1−xN(0≦z≦1、0≦y≦1、0≦x≦1、z>y>x)からなるものとしている。
一方、III族窒化物半導体層については、図8に示す例では第1のIII族窒化物半導体層14がn−AlGa1−vN、第2のIII族窒化物半導体層24がp−AlGa1−uN、及び前記第3のIII族窒化物半導体層34がn−AlGa1−uN(0≦v≦1、0≦u≦1、v>u)からなるものとしている。ここで、上記光感受層及びIII族窒化物半導体層の組成比率に係る添字x,y,z,u,vの大小関係に関してはz>y=v>x≧uであることが好ましい。尚図7に示す例では、y=vのほか、x=uとしている。
かかる構成であっても、素子の表面側から光Lを受光し、一つの素子において受光した光エネルギーの中から3つの波長帯域成分を適宜弁別して外部に取り出すことができる3波長帯域弁別型受光素子を得る事が可能である。
その他、バッファ層の各種構成例、埋込電極の材料やその上に形成され得る酸化膜や窒化膜の組成や作成法、ショットキー電極の組成等、或る特定帯域の(単一)波長成分を検出する受光素子と多波長弁別型受光素子との間で共通する構成要素や項目については、上記各実施形態並びに実施例1の欄で説明した通りの内容をそのまま適用することが出来る。埋込電極を採用することによって得られる作用効果についても、実施例1に示したものと略同様である。尚本実施例でも、埋込電極3の表面(上面及び側面)には絶縁性の被覆12が形成されており、これにより横方向エピタキシャル成長が良好に行われる様になっている。
[動作]
本実施例では、図5に示すバイアス構成により、各光吸収層に生じる光電流の大きさを検知している。従って本実施例では、電極は第1〜第3の波長弁別部で兼用のものとされる。
図5に示す通り、本実施例では;
i) 素子上面の透明ショットキー電極6(以下Aと称する)に−3Vを印加し、
ii) 第1の波長弁別部10と第2の波長弁別部20の間にある第1の埋込電極13(以下Bと称する)に+3Vを印加し、
iii) 第2の波長弁別部20と第3の波長弁別部30の間にある第2の埋込電極23(以下Cと称する)に−3Vを印加している。一方、
iv) 第3の光感受層35内に埋設された第3の埋込電極33(以下Dと称する)は、グラウンドに落とした状態とされている。
このとき、(1)第1の波長弁別部10を構成するアンドープAlGa1−zN_ショットキーダイオードに−6Vの逆バイアスが掛かった状態、(2)第2の波長弁別部20を構成するアンドープAlGa1−yN_pinダイオードに−6Vの逆バイアスが掛かった状態、そして(3)アンドープAlGa1−xN_pinダイオードに−3Vの逆バイアスが掛かった状態、が実現される。
この状態で素子上面から光が入射し、各光吸収層に光が入ると、(1)短波長光[UVC紫外線]による電子正孔対数に対応する光電流I、(2)中波長光[UVB紫外線]による電子正孔対数に対応する光電流I、そして(3)長波長光[UVA紫外線]による電子正孔対数に対応する光電流Iが発生し、これにより、原理的にA→BにはIの電流、B→Cには−Iの電流、そしてC→DにはIの電流が流れることとなる。
又本実施例では、図5に示す電流計A1〜A3からの出力を、図6に示す受光装置60を用いて信号処理している。
このように、本実施例では図5に示す様な電流計A1〜A3からの出力を、多波長弁別型受光素子50の後段に備えられた受光装置60における情報処理部63の論理回路等を用いて適宜処理することによって、素子の各端子A〜Dより得られる出力を各光吸収層に生じる光電流の大きさに各々弁別している。
[変形例]
以上、本発明につき一実施形態等を用いて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態等に記載の構成に限定されず、種々の設計変更が可能である。
例えば、上記各実施例では、光感受層(5、15,25,35)を紫外線に対して感度をもつ組成からなるものとしたが、光感受層の組成についてはこれに限られず、検出対象とする光の波長帯域に対応した最適な組成のものとして構わない。一般式も、AlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)や、AlGa1−xN(0≦x≦1)に限定されない。p型又はn型のIII族窒化物半導体層(4、14,24,34)の組成についても同様である。
例えば、上記各実施例は太陽紫外線の検出素子の構成であったが、AlGaIn(1−x−y)As(1−z−w) (0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦w≦1)を材料系として用いることにより、可視光線や赤外光の多波長域受光素子を構成することも可能である。この場合、V族の混晶によりバンドギャップの大きな低下が生じ、赤外域までの素子作製が可能となる。
又上記第1実施形態の欄で説明したタイプの受光素子を構成する場合であっても、光感受層は、1層からなるものに限らず、組成等が相異なる複数層を積層して構成されたものであっても構わない。
バッファ層8及びその形成手法についても、上記各実施例に記載したものに限定されず、現在までに報告、提案されている種々のものの中から適当なものを用い得る。
上記各例では、結晶基板2はサファイアのほか、n−SiCやn−Siからなり得るものとしたが、これらに限定されず、ZnO、リチウムガレートなどの酸化物、ZrBなどの金属ホウ化物、またはGaAsなどのIII−V族半導体からなる基板を用いることができる。
上記各例では、結晶基板2やn型のIII族窒化物半導体層4等の上に形成される導電性材料のパターンは、所謂ストライプ状のものと規定したが、これに限られず、導電性材料のパターンは、菱網状或いは碁盤状等のメッシュパターンをはじめとした適当な幾何学パターンを構成するものとして構わない。導電性材料のパターンを適宜選択することにより、ストライプ状のパターンとするよりも更に転位が少なく、より純粋な結晶を得ることが可能となる。これにより、転位が少ない分、S/N比その他の諸特性がより優れた受光素子を得ることが可能となる。
上記各例では、埋込電極3の表面(上面及び側面)に絶縁性の被覆12を形成し、これにより光感受層の横方向エピタキシャル成長が良好に行われる様構成したが、埋込電極3の表面処理方法についてはこれに何ら限定されず、別の表面処理を行った後、或いは特に表面処理を行わないまま光感受層を結晶生長させる構成としても構わない。
また上記した通り、受光素子1を形成する他方側の電極となる埋込電極3については、ショットキー障壁を持った所謂ショットキー電極であっても構わない。
さらに、上記各実施例では結晶基板上における積層構造を有機金属気相成長法(MOCVD)により形成するものとしたが、積層構造を形成する手法についてはこれに限られず、従来知られた別の結晶成長法、例えば分子線成長法(MBE)または水素化物法(HVPE)を用いても構わない。
電極材料も、上記各例に記載のものに限定されない。n型又はp型半導体とするためのドーピングの度合いも、上記した値に何ら限定されない。また、各層の膜厚や電極の厚さに関しても、上記各実施例に記載のものに限定されず適当な値を選択して構わない。
その他上記第1実施形態では、受光素子1を、結晶基板2の上に、n型のIII族窒化物半導体層4と、埋込電極3が埋設されたノンドープの光感受層5と、及びショットキー電極6とを順次積層して形成するMIS型の構成としたが、光感受層5の上にp型のIII族窒化物半導体、又その上に適当な電極(例えば、オーミック電極)を備えたPIN型構成とする等、受光素子の具体的な積層構造については種々の変更をなし得る。
また、上記第2実施形態として示された多波長弁別型の受光素子50に対しても同様の変更を行うことが可能であり、例えば図3に示された最上層の光感受層15の上にp型のIII族窒化物半導体、又その上に適当な電極を備えることも可能である。なお、ここに言うp型のIII族窒化物半導体としては、任意の組成比率をもつAlGaN等を用い得る。p型層は、1層からなるものに限られず、組成やドーピング比率が相異なる複数層を積層して構成されたものであっても構わない。
また、上記実施例2等において、電極は第1〜第3の波長弁別部で兼用のものとされたが、これに限定されず、例えば第1の波長弁別部10と第2の波長弁別部20の間の電極(第1の埋込電極13)を、第1の波長弁別部10用と第2の波長弁別部20用に夫々電気的に二分し、第1の波長弁別部10と第2の波長弁別部20に生じる光電流を夫々独立に取り出す様な構成としても構わない。
このように、本発明は上記実施形態等に記載の構成に限定されるものではなく、当業者であれば、以上に開示された基本的技術思想及び教示に基づき、種々の変形例を想到出来る事は自明である。
以上に説明した通り、本願発明は、所望の帯域の波長の光を受光可能なタイプ及び多波長弁別型の受光素子に関し、受光面積を最大限に取ることが可能であり、さらに、従来品よりもS/N比その他の諸特性が良好な受光素子を提供する、新規かつ有用なるものであることが明らかである。
本発明の受光素子の一構成例を示す図であって、(a)は端面より見た斜視図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。 本発明の受光素子の別の構成例を示す図である。 本発明による多波長弁別型の受光素子の一構成例を示す図である。 本発明による多波長弁別型の受光素子の更なる別の構成例を示す図である。 本発明による多波長弁別型の受光素子のバイアス回路及び信号検出法の一例を示す図である。 本発明による多波長弁別型の受光素子を用いた受光装置の一構成例を示すブロック図である。 図3に示す積層構造を備えた本実施例の多波長弁別型受光素子に係るバンド図である。(a)は、第1−第2の光感受層間の第1のIII族窒化物半導体層まわりを拡大したバンド図、(b)は、第2−第3の光感受層間の第2のIII族窒化物半導体層まわりを拡大したバンド図である。 本発明による多波長弁別型の受光素子の別の構成例を示すバンド図である。 従来構成を示す図である。
符号の説明
A1〜A3 第1〜第3の電流計
L 入射光
H 孔
1 受光素子
2 結晶基板
3 埋込電極
3e パッド電極
4 III族窒化物半導体層
5 光感受層
5a 受光面
6 ショットキー電極
7 パッド電極
8 バッファ層
9m,9p バイアス電源
10,20,30 第1,第2,第3の波長弁別部
11 導体層
12,22,32 被覆
13,23,33 第1,第2,第3の埋込電極
14,24,34 第1,第2,第3のIII族窒化物半導体層
15,25,35 第1,第2,第3の光感受層
50 多波長弁別型受光素子
60 受光装置
61 増幅及びサンプル・ホールド部
62 A/D変換部
63 情報処理部
64 表示部
65 入力部
66 送受信部
70 受光素子
71 基板
72 n−GaN層
73 光感受層
74 メサ構造
75 ショットキー電極
76 バイアス電源
77 オーミック電極

Claims (27)

  1. 半導体受光素子であって、
    結晶基板と、
    前記結晶基板の上方に少なくとも1層形成された、n型のIII族窒化物半導体層と、
    前記n型のIII族窒化物半導体層上に形成され、前記結晶基板表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、
    前記埋込電極、及び前記埋込電極で被覆されていない前記n型のIII族窒化物半導体層の露出部を被覆する、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、
    受光面となる前記光感受層の一方側の面に備え設けられた、前記埋込電極と対になって受光素子を構成するショットキー電極と、
    からなることを特徴とする受光素子。
  2. 半導体受光素子であって、
    導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板と、
    前記結晶基板上に形成され、前記結晶基板表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、
    前記埋込電極、及び前記埋込電極で被覆されていない前記基板の露出部を被覆する、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、
    受光面となる前記光感受層の一方側の面に備え設けられた、前記埋込電極と対になって受光素子を構成するショットキー電極と、
    からなることを特徴とする受光素子。
  3. 前記光感受層がアンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなり、
    前記n型のIII族窒化物半導体層がn−AlGaIn(1−u−v)N(0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の受光素子。
  4. 波長帯域を弁別して受光する多波長弁別半導体受光素子であって、
    結晶基板と、
    前記結晶基板上方に夫々構成され、互いに検出可能な波長帯域が異なる複数の、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、
    前記各光感受層の間、及び最下段の前記光感受層と前記結晶基板との間に形成され、前記各光感受層を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得る複数の、p型又はn型のIII族窒化物半導体層と、
    前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成され、下方にある前記III族窒化物半導体層表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、
    最上段の前記光感受層における、受光面となる一方側の面に備え設けられたショットキー電極と、
    からなることを特徴とする受光素子。
  5. 前記光感受層を3層含み、
    前記結晶基板上に、第3のIII族窒化物半導体層となるn型層、第3の光感受層、第2のIII族窒化物半導体層となるp型層、第2の光感受層、第1のIII族窒化物半導体層となるn型層、第1の光感受層、及び前記ショットキー電極が順次積層されてなり、さらに、
    前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成された前記埋込電極が、前記第1〜第3の光感受層の夫々において発生したキャリアを、前記各III族窒化物半導体層を介して夫々外部に取り出し得る様構成されていることを特徴とする請求項4に記載の受光素子。
  6. 波長帯域を弁別して受光する多波長弁別半導体受光素子であって、
    導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板と、
    前記結晶基板上方に夫々構成され、互いに検出可能な波長帯域が異なる複数の、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、
    前記各光感受層の間に形成され、前記各光感受層を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得る少なくとも1層の、p型又はn型のIII族窒化物半導体層と、
    前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成され、下方にある前記III族窒化物半導体層又は導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、
    最上段の前記光感受層における、受光面となる一方側の面に備え設けられたショットキー電極と、
    からなることを特徴とする受光素子。
  7. 前記光感受層を3層含み、
    前記結晶基板上に、第3のIII族窒化物半導体層となるn型層、第3の光感受層、第2のIII族窒化物半導体層となるp型層、第2の光感受層、第1のIII族窒化物半導体層となるn型層、第1の光感受層、及び前記ショットキー電極が順次積層されてなり、さらに、
    前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成された前記埋込電極が、前記第1〜第3の光感受層の夫々において発生したキャリアを、前記各III族窒化物半導体層又は導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板を介して夫々外部に取り出し得る様構成されていることを特徴とする請求項6に記載の受光素子。
  8. 波長帯域を弁別して受光する多波長弁別半導体受光素子であって、
    導電性を示すSi系半導体からなる結晶基板と、
    前記結晶基板の一方側の面上に形成されたバッファ層と、
    前記バッファ層上方に夫々構成され、互いに検出可能な波長帯域が異なる複数の、絶縁性のIII族窒化物材料からなる光感受層と、
    前記各光感受層の間に形成され、前記各光感受層を貫く光束により発生したキャリアを分離して取り出し得る少なくとも1層の、p型又はn型のIII族窒化物半導体層と、
    最下段を除く前記各光感受層内に埋め込まれる態様で形成され、下方にある前記III族窒化物半導体層表面の一部を被覆する、任意のパターンの導電性材料からなる埋込電極と、
    最上段の前記光感受層における、受光面となる一方側の面に備え設けられたショットキー電極と、
    前記結晶基板の他方側の面に備え設けられた底部電極と、
    からなることを特徴とする受光素子。
  9. 光入射側から見て順に、上段側にある前記III族窒化物半導体層が、それより下段にある前記光感受層のバンドギャップ値よりも大きなバンドギャップ値を有していることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の受光素子。
  10. 前記光感受層が、各々x又はyの比率が異なるアンドープAlGaIn(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなり、
    前記III族窒化物半導体層が、各々u又はvの比率が異なるp型又はn型のAlGaIn(1−u−v)N(0≦u≦1、0≦v≦1、u+v≦1)からなることを特徴とする請求項4〜9の何れか1項に記載の受光素子。
  11. 前記第1の光感受層がアンドープAlGa1−zN、前記第2の光感受層がアンドープAlGa1−yN、及び前記第3の光感受層がアンドープAlGa1−xN(0≦z≦1、0≦y≦1、0≦x≦1、z>y>x)からなり、
    前記第1のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−wN、前記第2のIII族窒化物半導体層がp−AlGa1−vN、及び前記第3のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−uN(0≦w≦1、0≦v≦1、0≦u≦1、w>v>u)からなることを特徴とする請求項5に記載の受光素子。
  12. 前記第1の光感受層がアンドープAlGa1−zN、前記第2の光感受層がアンドープAlGa1−yN、及び前記第3の光感受層がアンドープAlGa1−xN(0≦z≦1、0≦y≦1、0≦x≦1、z>y>x)からなり、
    前記第1のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−vN、前記第2のIII族窒化物半導体層がp−AlGa1−uN、及び前記第3のIII族窒化物半導体層がn−AlGa1−uN(0≦v≦1、0≦u≦1、v>u)からなることを特徴とする請求項5に記載の受光素子。
  13. 前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、前記n型の前記III族窒化物半導体層が、前記バッファ層の上に形成されてなることを特徴とする請求項1、4又は5のいずれか1項に記載の受光素子。
  14. 前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、さらに、前記バッファ層の表面に任意の組成からなるIII族窒化物材料層を備え、前記n型の前記III族窒化物半導体層が、前記任意組成のIII族窒化物材料層の上に形成されてなることを特徴とする請求項1、4又は5のいずれか1項に記載の受光素子。
  15. 前記埋込電極で被覆されていない前記結晶基板の露出部上にバッファ層を備え、前記光感受層が、前記バッファ層及び前記埋込電極の上に形成されてなることを特徴とする請求項2、6又は7のいずれか1項に記載の受光素子。
  16. 前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、前記埋込電極及び前記光感受層が、前記バッファ層の上に形成されてなることを特徴とする請求項2、6又は7のいずれか1項に記載の受光素子。
  17. 前記結晶基板の表面にバッファ層を備え、さらに、前記バッファ層の表面に任意の組成からなるIII族窒化物材料層を備え、前記埋込電極及び前記光感受層が、前記任意組成のIII族窒化物材料層の上に形成されてなることを特徴とする請求項2、6又は7のいずれか1項に記載の受光素子。
  18. 前記結晶基板又はn型のIII族窒化物半導体層には、前記結晶基板の他方側の面の一部を開口させ、かつ前記埋込電極の他方側の面を露出させる孔が備え設けられ、少なくとも前記孔の内壁面には導体層が被覆形成されてなることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の受光素子。
  19. 前記結晶基板がサファイア、n型SiC又はn型Siのいずれかからなり、前記バッファ層がn型AlGa1−yN(0≦y≦1)又はn型SiCからなることを特徴とする請求項13又は14に記載の受光素子。
  20. 前記結晶基板がn型SiCからなることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の受光素子。
  21. 前記結晶基板がn型Siからなり、前記バッファ層がn型AlGa1−uN(0≦u≦1)とn型AlGa1−vN(0≦v≦1、v≠u)との超格子構造からなることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の受光素子。
  22. 前記結晶基板がn型Siからなり、前記バッファ層がn型SiCとn型AlGa1−uN(0≦u≦1)とn型Al
    1−vN(0≦v≦1、v≠u)との超格子構造からなることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の受光素子。
  23. 前記埋込電極が、少なくとも表面の一部にSiO又はSiN(x、yは任意の定数)からなる膜が被覆形成された多結晶、単結晶又はアモルファスのn型Siからなることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の受光素子。
  24. 前記埋込電極の前記SiO又はSiN(x、yは任意の定数)からなる膜が、O又はNを含むガス中でのアニール処理、化学的気相成長法(CVD)、蒸着又はスパッタの、少なくとも一つの手法により作製されることを特徴とする請求項23に記載の受光素子。
  25. 前記ショットキー電極が、検出対象とする光の波長に対して透明な透光性の金属薄膜からなり、前記受光面略全面を被覆する様に形成されていることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の受光素子。
  26. 前記光感受層又は前記III族窒化物半導体層が有機金属気相成長法(MOCVD)または分子線成長法(MBE)または水素化物法(HVPE)の、少なくとも一つの成長法により作製されることを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の受光素子。
  27. 請求項4〜12の何れか1項に記載の受光素子と、
    前記受光素子に電気的に接続され、前記受光素子より出力される複数のアナログ電気信号をディジタル変換するA/D変換手段と、
    前記A/D変換手段に電気的に接続され、得られた前記ディジタル信号を情報処理して出力する演算手段と、
    を含んでなることを特徴とする受光装置。
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