JP4504094B2 - 画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4504094B2
JP4504094B2 JP2004150009A JP2004150009A JP4504094B2 JP 4504094 B2 JP4504094 B2 JP 4504094B2 JP 2004150009 A JP2004150009 A JP 2004150009A JP 2004150009 A JP2004150009 A JP 2004150009A JP 4504094 B2 JP4504094 B2 JP 4504094B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
correction amount
video signal
function
input video
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004150009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005039786A5 (ja
JP2005039786A (ja
Inventor
真也 木内
淳 池田
修一 尾島
毅 平島
亮太 畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004150009A priority Critical patent/JP4504094B2/ja
Publication of JP2005039786A publication Critical patent/JP2005039786A/ja
Publication of JP2005039786A5 publication Critical patent/JP2005039786A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4504094B2 publication Critical patent/JP4504094B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、画像を扱う機器において、画像のシーンが切り替わった時に発生する画質劣化を改善する、画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法に関するものである。
情報化社会の発達により、パーソナルコンピュータや携帯電話などで、文字情報や音声情報だけなく、画像情報を簡単に送受信できるようになった。
これらの画像情報を送受する映像機器においては、画像をより美しく表示するため、画像表示装置の高画質化が図られている。
その高画質化手法の一つに、映像信号を、フレームごとに画質補正して、高画質を得る方法がある。
この方法において、映像信号の輝度や彩度の補正が頻繁に行われると、映像信号を画像表示装置に表示した時、補正に起因するチラツキが生じる場合がある。従来技術では、このようなチラツキを抑制するために、人間が知覚できないほど、補正を時間的に遅くする手法をとっている。
しかし、例えば、シーンが切り替わって映像信号がフレームによって大きく変化する場合、補正の程度が抑制されすぎると、その間、好ましい補正ができず、補正ズレが生じ、画質劣化が発生する。
この問題を解決するため、特許文献1では、映像信号のシーンの変化(例えば、画面の切り替わり)を検出するシーン検出手段を設けることで、補正の変化量を制御し、チラツキおよび補正ズレを抑制している。
以下に、特許文献1に代表される、従来技術による画質補正法を説明する。
図17は、従来の画像補正処理装置のブロック図である。従来の画像補正処理装置は、補正処理部1、目標補正量演算部2、変化量制御部3、及び、シーン変化検出部4を備える。
図17において、補正処理部1は、入力端子5に入力された入力映像信号に対して、画質補正を行い、補正後の映像信号を出力映像信号として出力端子6に出力する。この時、変化量制御部3は、目標補正量演算部2が算出した目標補正量と、シーン変化検出部4の検出結果に基づいて、上述した画質補正の補正量を算出する。シーン変化検出部4は、シーンの急激な変化(例えば、画面の切り替わり)を検出するために設けられている。すなわち、変化量制御部3は、補正処理部1の補正量を、現画面に対する補正量と、シーンの変化に合わせた補正量とを基に算出することにより、チラツキや補正ズレを抑制している。
図18は、従来の画像補正処理装置における、入力変化量と出力変化量の関係図である。すなわち、従来の画像補正処理装置においては、入力変化量と出力変化量の関係は、曲線8で与えられる。特に、入力変化量が点Pと点Qとの間にあるときは、出力変化量は一定値Rに抑制されている。これによって、シーンの急激な変化による画面のチラツキが防止される。
しかしながら、従来のシーン変化検出方法は、シーン変化の有無を検出し、それによって画質補正を行うため、シーン変化の強弱を考慮した画質補正を行うことはできず、高性能の画質補正を行えない。
また、シーンの変化を検出する際、実際はシーンが変化しているにも拘わらず、シーン変化検出信号が発信されなかったり、シーンが変化していないにも拘わらず、シーン変化検出信号が発信されたりする、いわゆる誤検出が生じると、補正の変化量が本来の変化量と非常に大きく異なり画質劣化が生じる。
さらに、このような誤検出を完全になくすことは、高度なシーン検出方法を用いても、難しい。
特開2002−262303号公報
そこで本発明は、画像信号の画質を補正するにあたって、シーンの変化の程度を検出し、より高性能の画質補正を行う、画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の画像処理装置は、目標補正量演算部と、映像信号記録部と、シーン変化量演算部と、補正量演算部と、補正処理部とを備え、目標補正量演算部は、現フレームの入力映像信号を基に、目標補正量を演算し、映像信号記録部は、入力映像信号を格納し、シーン変化量演算部は、現フレームの入力映像信号と、映像信号記録部に格納されている現フレームの前のフレームの入力映像信号とを基に、シーン変化量を演算し、補正量演算部は、目標補正量とシーン変化量を基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算し、補正処理部は、補正量を用いて、現フレームの入力映像信号を補正処理し、出力映像信号として出力する。
この構成によれば、現在のシーンに対する画質補正だけでなく、シーンの変化度合いを考慮したより高精度の画質補償が可能となる。その結果、シーンの急激な変化による画質劣化を防止できる。
請求項2記載の画像処理装置は、目標補正量演算部と、シーン変化量演算部と、補正量メモリを有する補正量演算部と、補正処理部とを備え、目標補正量演算部は、現フレームの入力映像信号を基に、目標補正量を演算し、シーン変化量演算部は、目標補正量演算部が演算した目標補正量と、補正量演算部に格納されている、現フレームの前のフレームの入力映像信号に対する補正量とを基に、現フレームの入力映像信号に対するシーン変化量を演算し、補正量演算部は、目標補正量演算部が演算した目標補正量と、シーン変化量演算部が演算したシーン変化量とを基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算して、出力するとともに、補正量メモリに格納し、補正処理部は、補正量演算部が出力した補正量を用いて、現フレームの入力映像信号を補正処理し、出力映像信号として出力する。
この構成によれば、現フレームの入力映像信号に対するシーン変化量を、現フレームの前のフレームの入力映像信号に対する補正量を基に演算して、現フレームの入力映像信号に対する補正量を決定することができる。その結果、シーンの急激な変化による過剰な補正を抑制でき、画質劣化を防止できる。
請求項3記載の画像処理装置は、特徴量検出部と、目標補正量演算部と、映像信号記録部と、シーン変化量演算部と、補正量演算部と、補正処理部とを備え、特徴量検出部は、現フレームの入力映像信号から、その特徴量を検出し、目標補正量演算部は、特徴量検出部が検出した特徴量を基に、目標補正量を演算し、映像信号記録部は、入力映像信号を格納し、シーン変化量演算部は、現フレームの入力映像信号と、映像信号記録部に格納されている、現フレームの前のフレームの入力映像信号とに基づいて、シーン変化量を演算し、補正量演算部は、目標補正量とシーン変化量を基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算し、補正処理部は、補正量を用いて、現フレームの入力映像信号を補正処理し、出力映像信号として出力する。
この構成によれば、例えば、入力映像信号のフレーム全体の平均輝度あるいは平均彩度を、入力映像信号の特徴量として捉え、それを基に、目標補正量を演算して、画質補償することが可能となる。さらには、フレーム内のある特定の領域の輝度あるいは彩度を、入力映像信号の特徴量として捉え、それを基に、目標補正量を演算して、画質補償することも可能となる。このように、この構成によれば、多様でかつ精度の高い画質補正が可能となる。
請求項4記載の画像処理装置では、特徴量検出部が検出する特徴量は、現フレームの入力映像信号の平均輝度、最大輝度、平均彩度、最大彩度のうちの少なくとも一つを含む。
この構成によれば、入力映像信号のフレーム全体の平均輝度あるいは平均彩度を、入力映像信号の特徴量として捉え、請求項3記載の画像処理装置と、同様の特徴を享受できる。さらに、入力映像信号のフレーム内の最大輝度あるいは最大彩度を、入力映像信号の特徴量として捉え、それを基に、目標補正量を演算して、画質補償することも可能となる。
請求項5記載の画像処理装置では、補正量演算部は、シーン変化量が予め定められた閾値よりも小さい時には、現フレームの入力映像信号を基に演算した目標補正量と、現フレームの前のフレームの入力映像信号に対する補正量とを基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算し、シーン変化量が予め定められた閾値よりも大きい時には、現フレームの入力映像信号を基に演算した目標補正量のみを基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算する。
この構成によれば、シーン変化量に対する閾値を予め定めることにより、補正量を決定することができる。この閾値は、表示された画像を見て設定しなおせば、利用者の好みにより合った画質が提供できる。
請求項6記載の画像処理装置では、補正量演算部は、関数発生部と、最大変化量演算部と、比較演算部と、補正量メモリとを有し、関数発生部は、関数を発生し、最大変化量演算部は、入力されるシーン変化量を変数として、関数発生部において発生された関数の関数値を求め、補正量の最大変化量を算出し、比較演算部は、入力される目標補正量と、補正量の最大変化量と、補正量メモリに格納されている、現フレームの前のフレームの入力映像信号に対する補正量とを基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算する。
この構成によれば、あらかじめプログラムされた関数を利用して、シーン変化量に対する補正の最大変化量を求め、この最大変化量と目標変化量とを比較して、最適な補正量を決定することができる。したがって、シーン変化に対して画面のチラツキを低減するような関数形を与えることにより、容易に高精度の画質補償が可能となる。また、複数の関数形を用意しておき、適用する機器ごとに最適な関数形を選択するようにすれば、きわめて汎用性の高い画像処理装置を提供できる。
請求項7記載の画像処理装置では、関数発生部が発生する関数は、一次微分可能な一変数単調増加連続関数であり、変数の存在する区間を「0」から「N」(N>0)とし、数値「0」と関数の数値「0」に対する関数値とから与えられる点と、数値「N」と関数の数値「N」に対する関数値とから与えられる点と、を結ぶ直線の勾配を直線傾斜値と定義して、区間「0」から「N」の間のある数値「α」と「β」(α<β)について、数値「α」に対する関数の一次微分値が直線傾斜値より小さく、数値「β」に対する関数の一次微分値が直線傾斜値より大きい。
この構成によれば、シーン変化に対して画面のチラツキを最小にするような理想形に近い補正用関数を発生できる。その結果、高精度の画質補償が可能となる。
請求項8記載の画像処理装置では、関数発生部が発生する関数は、正の一変数連続関数であり、変数の存在する区間を「−N」から「N」(N>0)とし、ある数値「α」(0<α<N)に対して、数値「−α」に対する関数値が、数値「α」に対する関数値よりも小である。
この構成によれば、高輝度から低輝度へ変化するシーンの変化と、低輝度から高輝度へ変化するシーンの変化とに、ともに対応できる画質補正が可能となる。
請求項4記載の画像処理装置では、関数発生部が発生する関数は、一次微分可能な多項式で与えられる。
この構成によれば、複数の関数形を、多項式の係数のみの変更で発生することが可能となり、関数発生部の構成を簡略化できる。したがって、開発製造コストの削減ができる。
請求項10記載の画像処理装置では、関数発生部が発生する関数は、請求項7記載の関数あるいは請求項8記載の関数を、複数の線分を接続して構成される折れ線で近似する。
この構成によれば、関数発生部の構成をさらに簡略化でき、更なる開発製造コストの削減ができる。
請求項11記載の画像処理装置では、補正量演算部は、定数設定部と、最大変化量セレクタと、比較演算部と、補正量メモリとを有し、定数設定部は、シーン変化量の全変化範囲を複数の小区間に分割して、それぞれの小区間に対応して、補正量の最大変化量を規定する複数の定数を設定し、最大変化量セレクタは、定数設定部が設定する複数の定数から、入力されたシーン変化量に対応する1つの定数を選択して、補正量の最大変化量とし、比較演算部は、入力される目標補正量と、補正量の最大変化量と、補正量メモリに格納されている、現フレームの前のフレームの入力映像信号に対する補正量とを基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算する。
この構成によれば、シーン変化量に対する補正量の最大変化量を、定数で制御することが可能となり、定数設定部が設定する複数の定数を変更することにより、多様な画質補償が可能となる。
請求項12記載の画像処理装置では、定数設定部が設定する複数の定数は、「0」以上の実数であり、その階差が漸次増大する数列で与えられる。
この構成によれば、シーン変化に対して画面のチラツキを最小にするような、理想形に近い補正用関数を容易に模擬できる。したがって、構成が簡単となり、開発製造コストを削減できる。
請求項13記載の画像処理装置は、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分である入力差分値を変数xとし、現フレームの出力映像信号と、現フレームの前のフレームの出力映像信号との差分である出力差分値を関数値yとする、関数 y=f(x) を発生する、関数発生部と、関数発生部が発生する関数値を用いて、現フレームの入力映像信号を補正し出力映像信号を出力する補正処理部とを備え、関数f(x)は、入力差分値のとり得る値Nに対して、値N未満の変数xの区間の第1部分と、値N以上の変数xの区間の第2部分とを有する。
この構成によれば、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分の程度によって、異なる画質補正を行ない、最適化を図ることができる。
請求項14記載の画像処理装置では、関数f(x)は、第1部分において、下に凸である。
請求項15記載の画像処理装置では、関数f(x)は、第1部分において、sを正の定数として、
f(x/s)<f(x)/s
を満たす。
これらの構成によれば、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分が大きい場合は、補正量を大きくし、差分が小さい場合は、補正量を小さきできるので、フレーム間のチラツキを抑制できる。また、多値のシーン変化量に対応できるので、シーン変化の誤検出を減らすことができる。
請求項16記載の画像処理装置では、関数f(x)の第1部分は、下に凸であって、第2部分の勾配とは異なり、「0」でない勾配を持つ線分を少なくとも1つ含む。
この構成によれば、簡単な構成で、多値のシーン変化量に対応できるので、シーン変化の誤検出を減らすことができる。
請求項17記載の画像処理装置では、フレームを構成する全画素に対して同じ信号値を有し、現フレームの前のフレームまで同じ信号値で入力され、現フレームにおいて、前のフレームの信号値とは異なる信号値で入力される映像信号の場合、変数xとなる入力差分値は、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分であり、関数値yとなる出力差分値は、現フレームの出力映像信号と、現フレームの前のフレームの出力映像信号の差分である。
この構成によれば、全画面が同じ明るさの同じ色を連続的に表示している状態から突然画面が切り替わるような、特に画面のチラツキが目立ちやすい場合のチラツキ抑制に効果を発揮できる。
請求項18記載の画像処理装置は、画像信号の画質を補正する画像処理装置であって、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分である入力差分値を変数xとし、現フレームの出力映像信号と、現フレームの前のフレームの出力映像信号との差分である出力差分値を関数値yとする、関数 y=g(x) を発生する関数発生部と、関数発生部が発生する関数値を用いて、現フレームの入力映像信号を補正し出力映像信号を出力する補正処理部とを備え、関数 y=g(x) は、異なる変数xに対して同じ関数値yを与える組合せを、少なくとも2組含む。
この構成によれば、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分を、段階的に区分して、効果的な画質補正を実行できる。また、多値のシーン変化量に対応できるので、シーン変化の誤検出を減らすことができる。
請求項19記載の画像処理装置では、関数y=g(x)は、入力差分値のとり得る値Nに対して、値N未満の変数xの区間の第1部分と、値N以上の変数xの区間の第2部分とを有し、第1部分において、同じ関数値を与える変数の中で最も小さい変数xと、その変数xに対応する関数値yとからなる複数の組合せ点を連結した曲線は、連結した組合せ点の存在する区間において、下に凸である。
請求項20記載の画像処理装置では、関数 y=g(x) の第1部分において、同じ関数値を与える変数の中で最も小さい変数xと、その変数xに対応する関数値yとからなる複数の組合せ点を連結した曲線 y=h(x) は、連結した組合せ点の存在する区間において、sを正の定数として、 h(x/s)h(x)/s を満たす。
これらの構成によれば、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分が大きい場合は、補正量を大きくし、差分が小さい場合は、補正量を小さきできるので、フレーム間のチラツキを抑制できる。また、多値のシーン変化量に対応できるので、シーン変化の誤検出を減らすことができる。
請求項21記載の画像処理装置では、フレームを構成する全画素に対して同じ信号値を有し、現フレームの前のフレームまで同じ信号値で入力され、現フレームにおいて、前のフレームの信号値とは異なる信号値で入力される映像信号の場合、入力差分値xは、現フレームの入力映像信号と、現フレームの前のフレームの入力映像信号との差分であり、出力差分値yは、現フレームの出力映像信号と、現フレームの前のフレームの出力映像信号の差分である。
この構成によれば、全画面が同じ明るさの同じ色を連続的に表示している状態から突然画面が切り替わるような、特に画面のチラツキが目立ちやすい場合のチラツキ抑制に効果を発揮できる。
請求項22記載の画像表示装置は、請求項1から21記載の画像処理装置と、画像表示ユニットとを備え、画像処理装置は、外部からの入力映像信号を、そのシーン変化に応じて補正し、画像表示ユニットは、画像処理装置が補正した画像を表示する。
請求項23記載の画像表示装置では、画像表示ユニットは、液晶ディスプレイ、及び/又は、プラズマディスプレイである。
これらの構成によれば、請求項1から21記載の画像処理装置を採用することによって、その画像処理装置の特徴を持つ画像表示装置を実現できる。さらに、現在最も多く利用されている画像表示ユニットを用いて、高画質の画像を表示できる。特に、これら画像表示ユニットにおいて問題である、コントラストの不足、あるいは、画像のいわゆるツブレを改善できる。
本発明によれば、画像信号の画質を補正するにあたって、シーンの変化の程度を検出し、現在のシーンに対する画質補正だけでなく、シーンの変化度合いを考慮した、より高精度の、かつ、適応的な画質補償が可能となる。その結果、シーンの急激な変化による画質劣化を防止できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像処理装置のブロック図である。
本形態の画像処理装置は、補正処理部20、目標補正量演算部30、補正量演算部40、フレームメモリ50、及び、シーン変化量演算部60を備える。
入力端子10に入力された入力映像信号は、補正処理部20により画質補正され、出力映像信号として出力端子11に出力される。この時の画質補正量は、補正量演算部40において求められる。補正量演算部40は、目標補正量演算部30において算出された目標補正量と、シーン変化量演算部60において算出されたシーン変化量を基に、補正量を算出する。
以下に、各構成要素の動作をさらに詳細に説明する。
今、入力端子10にフレーム(n)の入力映像信号Z(n)が、入力されているものとする。(以下、このフレームを現フレーム、あるいは、(n)フレームと呼ぶ。)目標補正量演算部30は、この入力映像信号Z(n)を分析して、現フレームの入力映像信号Z(n)に対する目標補正量X(n)を算出する。
一方、フレームメモリ50には、現フレームの一つ前のフレーム(以下、このフレームを前フレーム、あるいは、(n−1)フレームと呼ぶ。)の入力映像信号Z(n−1)が格納されている。
シーン変化量演算部60は、現フレームの入力映像信号Z(n)と、フレームメモリ50から読み出した前フレームの入力映像信号Z(n−1)とに基づいて、シーン変化量λを算出する。
一例として、入力映像信号Z(n)の輝度レベルに着目した、シーン変化量λ算出の具体例を説明する。今、輝度レベルが、8ビット表現されているものとして、「0」(もっとも暗い画面)から「255」(もっとも明るい画面)の間で変化すると仮定する。(i、j)番目の画素の(n)フレームにおける輝度をInt(i、j;n)、(n−1)フレームにおける輝度をInt(i、j;n−1)とした時、シーン変化量λは、
λ=Σ(|A|/|B|)
として与えられる。
ここに、分子Aと分母Bは、
A=Int(i、j;n)−Int(i、j;n−1)
B=Max[Int(i,j;n−1),255−Int(i,j;n−1)]
として与えられる。分子Aは、(i、j)番目の画素における、(n)フレームと(n−1)フレームの輝度のレベル差を表しており、分母Bは、(i、j)番目の画素における、輝度が最大に変化し得る値を表す。
なお、記号Σは、iとjを全画面にわたってスキャンして、( )内の値の和を求めることを表し、記号Maxは、[ ]内の2つの値の打ち、大きい方の値をとることを表す。
これらの式を用いることにより、シーンの変化度合いを、シーン変化量λとして、定量化できる。例えば、画面全体の輝度レベルが変化しない場合は、シーン変化量λ=0となる。画面全体の輝度レベルが半分変化した時は、シーン変化量λ=0.5となる。また、画面全体の輝度レベルが最大に変化した時は、シーン変化量λ=1.0となる。
次に、補正量演算部40は、目標補正量演算部30が算出した目標補正量X(n)と、シーン変化量演算部60が算出したシーン変化量λと、補正量演算部40自身が、前フレームの入力映像信号Z(n−1)に対して算出した補正量Y(n−1)とを用いて、現フレームの入力映像信号Z(n)に対する補正量Y(n)を算出する。なお、補正量Y(n−1)は、補正量演算部40内部に格納されているが、その詳細は、後述する。
補正処理部20は、この補正量Y(n)を用いて、現フレームの入力映像信号Z(n)を補正処理し、出力映像信号Zout(n)として、出力端子11に出力する。この時の補正は、例えば、Zout(n)=Z(n)×Y(n)、あるいは、Zout(n)=p×Z(n)+q×Y(n)(p、qは、重み付けのための任意の定数)としてもよい。さらに、一般的には、出力映像信号Zout(n)は、入力映像信号Z(n)と補正量Y(n)とを変数として定義できる、任意の関数で与えることもできる。
ここで、補正量演算部40が行う補正量の演算は、シーンの急激な変化に対しても、画像のチラツキが抑制されるものであることが望ましい。
図2は、画像のチラツキを抑制する理想形に近い補正曲線の例示図である。すなわち、補正曲線(b)に示すように、シーン変化量が小さい区間では、補正量を小さく抑え、シーン変化量が大きい区間では、補正量を大きくすると、直線的な変換曲線(a)による補正よりも、画像のチラツキを抑制する上で有利であり、好ましい。
補正量演算部40が行う補正量の演算において重要なことは、上述した図2の理想的な補正曲線(b)を具体的にどのように実現するかである。そうすることにより、チラツキや補正ズレを抑制しつつ、シーンの変化に応じた画像処理ができるため、高画質化が可能となる。
補正量演算部40における具体的な実現例は、以下の実施の形態で説明する。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態における補正量演算部40のブロック図である。本形態の補正量演算部40は、比較演算部41、補正量メモリ42、最大変化量演算部43、及び、関数発生部44を有する。比較演算部41には、図1に示す目標補正量演算部30から目標補正量X(n)が入力され、最大変化量演算部43には、図1に示すシーン変化量演算部60からシーン変化量λが入力される。比較演算部41から、補正量Y(n)が、図1に示す補正処理部20に対して出力される。
次に、本形態の補正量演算部40の動作の概略を説明する。
関数発生部44は、一次微分可能な一変数単調増加連続関数F(λ)を、変数λの存在する区間「0」から「N」(N>0)にわたって発生する。ここで、「N」は、任意にスケーリングして良い。
関数F(λ)の概略は、図4に示す曲線100である。すなわち、図4は、本発明の第2の実施の形態における関数発生部44が発生する関数F(λ)の概略図を示す。この図において、横軸の変数はシーン変化量λであり、縦軸の関数値は最大変化量aである。
図3に示す最大変化量演算部43は、関数発生部44が発生する関数F(λ)を用いて、入力されるシーン変化量λに対する、最大変化量aを、a=F(λ)から算出し、比較演算部41に出力する。
比較演算部41は、最大変化量演算部43が算出した最大変化量aと、入力された目標補正量X(n)と、補正量メモリ42に格納してある(n−1)フレームに対する補正量Y(n−1)とを用いて、(n)フレームに対する補正量Y(n)を演算する。同時に、比較演算部41は、求めた補正量Y(n)を、補正量メモリ42に格納する。
比較演算部41が行う演算の一例を、以下に示す。この例では、目標補正量X(n)と補正量Y(n−1)との大小関係によって、3つの場合に分けて演算する。
(場合1):X(n)>Y(n−1)+a ならば、Y(n)=Y(n−1)+a
(場合2):X(n)<Y(n−1)−a ならば、Y(n)=Y(n−1)−a
(場合3):Y(n−1)−a≦X(n)≦Y(n−1)+a ならば、Y(n)=X(n)
すなわち、この演算方法では、(n)フレームの目標補正量が、(n−1)フレームの補正量に比べて、大きく変化している場合には、(n)フレームの補正量を、(n−1)フレームの補正量から最大変化量までの変化に抑える。また、(n)フレームの目標補正量が、(n−1)フレームの補正量に比べて、わずかしか変化していない場合には、補正量の変化を制限しない。このような演算の結果、誤検出による画質劣化を防止しつつ、チラツキや補正ズレを抑制することができる。
シーンの急激な変化が生じた場合でも、過剰な補正を抑制でき、画質劣化を防止できる。
関数発生部44が発生する関数は、多項式からなる関数でもよい。簡単のために、図4に示した曲線100を、二次曲線と一次曲線で近似してもよい。もっと簡単のためには、図4に示した曲線100を、複数の線分からなる折れ線で近似してもよい。要するに、図4に示した曲線100を何らかの形で近似すれば、シーンの急激な変化が生じた場合でも、過剰な補正を抑制でき、画質劣化を防止できるのであって、当然のこととして、これらの近似も本発明に包含される。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態における補正量演算部40のブロック図である。図5において、図3と同様の構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の補正量演算部40は、比較演算部41、補正量メモリ42、最大変化量セレクタ45、及び、定数設定部46を有し、比較演算部41には、図1に示す目標補正量演算部30から目標補正量X(n)が入力され、最大変化量セレクタ45には、図1に示すシーン変化量演算部60からシーン変化量λが入力される。比較演算部41から、補正量Y(n)が、図1に示す補正処理部20に対して出力される。
本形態の補正量演算部40は、図4に示した曲線100を、図6に示す階段関数で近似しようとするものである。すなわち、図6は、本発明の第3の実施の形態におけるシーン変化量λと最大変化量aとの関係図である。この図に示すように、シーン変化量のとり得る全区間を複数の小区間に分割し、それぞれの小区間では、シーン変化量が変化しても最大変化量は変化しない。例えば、シーン変化量λが、λ(i)からλ(i+1)で与えられる小区間では、最大変化量は、一定値a(i)となる。
次に、図5を参照して、本形態の補正量演算部40の動作の概略を説明する。
シーン変化量λのとり得る全区間を「m」個の小区間に分割する時、定数設定部46は、(i)番目の小区間に対応する最大変化量を、(i)番目の定数a(i)(i=1、2、・・・m)として設定する。最大変化量セレクタ45は、入力されたシーン変化量λの大きさによって、対応する定数を選択し、比較演算部41に送る。例えば、図6に示すように、シーン変化量λが、λ(i)からλ(i+1)の間にあれば、定数a(i)を選択する。
比較演算部41と補正量メモリ42との動作は、第2の実施の形態におけるそれらの動作と同様であり、説明を省略する。
定数設定部46に設定する複数の定数は、例えば、「0」以上の実数であり、その階差が漸次増大する数列で与えられると、図4に示した曲線100を良く近似できる。一例として上記複数の定数は、漸次増大する等比数列で与えても良い。
また、シーン変化量のとり得る全区間を複数の小区間に分割する分割の仕方は、図6に示すように、必ずしも等間隔である必要はなく、不等間隔であっても良く、こうしても本発明に包含される。
本形態によれば、比較的簡単な構成で、理想形に近い補正用関数を容易に模擬できる。その結果、誤検出による画質劣化を防止しつつ、チラツキや補正ズレを抑制することができる。
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の第4の実施の形態における画像処理装置のブロック図である。図7において、図1と同様の構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の画像処理装置は、補正処理部20、目標補正量演算部30、補正量メモリ42を有す補正量演算部40、及び、シーン変化量演算部70を備える。
本形態においては、シーン変化量演算部70は、目標補正量演算部30において算出された(n)フレームに対する目標補正量X(n)と、補正量メモリ42に格納されている(n−1)フレームに対する補正量Y(n−1)とを基に、シーン変化量λを算出する。例えば、λ=|X(n)−Y(n−1)| として、シーン変化量を算出しても良い。この時、このシーン変化量λは、X(n)とY(n−1)との差分の絶対値で与えられる。
本形態においては、フレームメモリは、不要であり、さらに、シーン変化量演算部70は、シーン変化量を算出するための算出部が不要であるから、第1の実施の形態と比較して、回路規模を削減でき、小型化できる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態は、上述した第4の実施の形態と同様に、図7に示す画像処理装置のブロックの構成を有する。したがって、各構成要素の説明は省略する。
本発明の第5の実施の形態では、図7に示すシーン変化量演算部70は、(n)フレームに対する目標補正量X(n)と、(n−1)フレームに対する補正量Y(n−1)とを基に、シーン変化量だけでなく、シーン変化の方向をも算出する。
すなわち、画面の輝度に着目して、シーン変化量μを、全画面が白から黒に変わる時、μ=−1とし、全画面黒から全画面白に変わる時、μ=1とする。例えば、(n)フレームに対する目標補正量X(n)と、(n−1)フレームに対する補正量Y(n−1)とを用いて、μ=Y(n−1)−X(n) としてシーン変化量μを算出する。
次に、図3に示す補正量演算部40の関数発生部44は、「−1」から「+1」まで変化するシーン変化量μを用いて、図8の曲線101と曲線102とで概略が示される関数F(μ)を発生させる。
すなわち、図8は、本発明の第5の実施の形態における関数発生部44が発生させる関数F(μ)の概略図である。この関数F(μ)は、正の一変数連続関数であり、「−1」から「+1」の変数の区間のある数値「α」に対して、数値「−α」に対する関数値F(−α)が、数値「α」に対する関数値F(α)よりも小であるように、定義される。
図8に示すように、上記関数F(μ)を用いて、正のシーン変化量に対する最大変化量に比べて、負のシーン変化量に対する最大変化量を小さく設定することにより、シーンに大きな変化が頻繁に生じても、負の方向には補正量が抑制されて、いわゆるツブレが生じない。すなわち、負のシーン変化量に対する最大変化量aを小さくすることで、負の方向の補正量を抑制して、画面のチラツキを抑えることができる。
これに関して、図9を用いて、さらに詳しく説明する。
図9は、本発明の第5の実施の形態における補正の仕方を示す。図9(a)〜図9(c)の横軸は、時間を表す。図9(a)は、入力映像信号103の時間変化例を示し、図9(b)は、補正量104の時間変化例を示し、さらに、図9(c)は、出力映像信号105の時間変化例を示す。ここで、入力映像信号103と出力映像信号105とは、「0」から「255」の値をとる輝度信号であると仮定している。
シーンの変化により、入力映像信号103が、時間「1」において、レベル「255」からレベル「128」に急激に変化した時(正のシーン変化)、補正量104は、時間「1」での「1」の値から時間「3」での「2」の値に漸次増大する。これにより、出力映像信号105は、時間「1」において一時的にレベル「128」に低下するが、時間「3」では、補正の結果、レベル「255」に回復する。
次に、時間「11」において、シーンの変化により、入力映像信号103が、レベル「128」からレベル「255」に急激に増大した時(負のシーン変化)の補正を説明する。本形態の補正方法では、図8に示したように、負のシーン変化に対しては、最大変化量aを抑えているので、時間「11」から時間「13」にわたって、補正は、補正量104aのように抑えられ、補正結果は、出力映像信号105aのようになる。
仮に、本形態のような符号付のシーン変化量を用いない場合には、時間「11」から時間「13」にわたっての補正は、補正量104bのようになり、補正結果は、出力映像信号105bのようになる。出力映像信号が、レベル「255」を超えている領域は、画像表示装置において、いわゆる「白ツブレ」が生じている領域に他ならず、補正が正しく施されていない、すなわち、過補正が行われていることを意味し、好ましいことではない。
このように、本形態の補正方法によれば、シーンの変化が、正方向及び負方向、いずれの場合にも対応できる画像処理装置を提供できる。
本形態の図3に示す補正量演算部40の関数発生部44が発生する関数F(μ)は、多項式からなる関数でもよいし、階段関数による近似関数でも良い。また、補正量演算部40は、図5に示した構成としても良い。
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態における画像処理装置のブロック図である。図10において、図1と同様の構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の画像処理装置は、図1に示した本発明の第1の実施の形態に加えて、特徴量検出部80を、さらに備える。
特徴量検出部80は、入力端子10より入力された入力映像信号Z(n)について、その特徴量C(n)を検出し、検出した特徴量C(n)を後段の目標補正量演算部30に出力する。目標補正量演算部30は、入力された特徴量C(n)を用いて、目標補正量X(n)を演算する。
特徴量検出部80が検出する特徴量C(n)としては、例えば、入力画像の平均輝度、最大輝度、平均彩度、あるいは、最大彩度のうちの1つ、あるいは、二つ以上の組み合わせたものを、用いることができる。
これにより、例えば、輝度に重きを置いた画質補正を行ったり、彩度に重きを置いた画質補正を行ったり、任意に設定することができる。
さらには、フレーム内の有る特定の領域の輝度あるいは彩度を、入力映像信号の特徴量として捉え、それを基に、目標補正量を演算して、画質補償することも可能となる。
このように、本形態の画像処理装置の構成によれば、多様でかつ精度の高い画質補正が可能となる。
なお、当然のことながら、nフレームの入力映像信号Z(n)から補正量Y(n)を求めるまでに、特徴量の抽出に要する時間も含め、一定の処理時間を必要とする。したがって、本形態の画像処理装置の実装においては、補正処理部20における入力映像信号Z(n)と補正量Y(n)のタイミング調整の目的で、入力端子10と補正処理部20の間に、入力映像信号Z(n)を一時的に保持するメモリを設けても良い。
(第7の実施の形態)
図11は、本発明の第7の実施の形態における画像処理装置のブロック図である。図11において、図1と同様の構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の画像処理装置は、補正処理部20、フレームメモリ50、入力差分演算器91、及び、関数発生器90を備える。以下に、本形態の画像処理装置の動作の概略を説明する。全画素が同じ明るさの同じ色を連続的に表示している画面の状態から、突然画面が切り替わる時に、特に画面のチラツキが目立ちやすいことを考慮して、以下の本形態の画像処理装置の動作説明では、全画素が同じ明るさの同じ色を表示している場合について述べる。
入力差分演算器91は、入力端子10に入力された現フレームの入力映像信号Z(n)とフレームメモリ50に格納されている前フレームの入力映像信号Z(n−1)との差分、x=Z(n)−Z(n−1)を入力差分値として演算し、変数xとして関数発生器90に出力する。関数発生器90は、入力された変数xに対して、関数y=f(x)を用いて、関数値yを求め、それを出力差分値として、補正処理部20に出力する。補正処理部20は、関数発生器90が求めた出力差分値yを用いて、入力映像信号Z(n)を補正し、出力映像信号Zout(n)として、出力端子11に出力する。これを式で表せば、
Zout(n)=Zout(n−1)+y
y=f(x)=f(Z(n)−Z(n−1))
となる。
図12は、本発明の第7の実施の形態における関数f(x)の第1例示図である。すなわち、本形態の関数発生器90は、図12に示すように、入力差分値を変数xに対して、出力差分値である関数値yを出力する。図12に示す関数f(x)は、値Nを境に、変数xが値N未満での第1部分f1と、値N以上での第2部分f2とからなる。より具体的には、第1部分f1は、下に凸の曲線であり、第2部分f2は、その延長線が原点を通る直線である。一例として、第1部分f1を2次関数で与えれば、
f(x)=N*(x/N)^2 (x<N)
f(x)=x (N≦x)
となる。
このような関数を関数発生器90で発生させることにより、現フレームの入力映像信号と、前フレームの入力映像信号との差分の程度によって、異なる画質補正を行ない、最適化を図ることができる。すなわち、現フレームの入力映像信号と、前フレームの入力映像信号との差分が大きい場合は、補正量を大きくし、差分が小さい場合は、補正量を小さきできるので、フレーム間のチラツキを抑制できる。また、多値のシーン変化量に対応できるので、シーン変化の誤検出を減らすことができる。
関数発生器90が発生する関数形は、他の形であっても良い。例えば、図13に示す折れ線であっても良い。すなわち、図13は、本発明の第7の実施の形態における関数f(x)の第2例示図である。この例では、関数f(x)は、変数xが値N未満での第1部分を直線f3と直線f4とで構成し、値N以上の第2部分を直線f5で構成している。すなわち、
f(x)=0.5*x (x<k)
f(x)=1.5*x−k (k≦x<N)
f(x)=x (N≦x)
ただし、k=N/2
である。この第2例示図の関数f(x)も、第1部分が下に凸である。この例では、簡単な折れ線で、上述した第1例示図の関数を用いた場合と、ほぼ同等の効果を得ることができる。
図14は、本発明の第7の実施の形態における関数f(x)の第3例示図である。この例では、関数f(x)は、変数xが値N未満での第1部分を直線f6と直線f7とで構成し、値N以上の第2部分を直線f8で構成している。すなわち、
f(x)=0 (x<k)
f(x)=2*x−k (k≦x<N)
f(x)=x (N≦x)
ただし、k=N/2
である。この例では、図14に示すように、値k未満の入力差分値に対しては、出力差分値は「0」に抑圧されており、特に、暗い画面でのチラツキ抑制が配慮されている。
以上の例示では、本形態の関数f(x)の第1部分は、2本の折れ線で近似されているが、この第1部分は、3本以上の折れ線で構成しても良い。また、関数発生器90の代替として、入力差分値zに対して出力差分値yを出力するテーブルを用いても良い。
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態における画像処理装置のブロック図は、図11に示した本発明の本発明の第7の実施の形態における画像処理装置のブロック図と同じである。
本形態の画像処理装置では、関数発生器90は関数y=g(x)を発生する。図15は、本発明の第8の実施の形態における関数g(x)の例示図である。図15に示すように、本形態の関数発生器90が発生する関数g(x)は、変数xが値N未満の区間では、階段関数g1〜g9で構成し、値N以上の区間では、その延長線が原点を通る直線g10で構成する。階段関数g1〜g9は、それぞれの左端(それぞれの階段関数でとり得る最小の変数xと、その変数xに対応する関数値で与えられる座標点)を連結する曲線g0が、0<x<Nの区間で、下に凸になるように、選定される。
関数g(x)をこのように構成することで、現フレームの入力映像信号と、前フレームの入力映像信号との差分が大きい場合は、補正量を大きくし、差分が小さい場合は、補正量を小さきできるので、フレーム間のチラツキを抑制できる。また、多値のシーン変化量に対応できるので、シーン変化の誤検出を減らすことができる。
なお、関数発生器90の代替として、入力差分値zに対して出力差分値yを出力するテーブルを用いても良い。
(第9の実施の形態)
図16は、本発明の第9の実施の形態における画像表示装置のブロック図である。
本形態の画像表示装置は、画像処理装置200と画像表示ユニット210とを備える。画像処理装置200は、上記の第1から第9の実施の形態で説明した画像処理装置のいずれかである。画像表示ユニット210は、例えば、液晶ディスプレイ、あるいは、プラズマディスプレイである。
入力端子10に入力された入力映像信号Z(n)は、画像処理装置200において、シーンの変化の程度に応じた画質補正が行われて、出力端子11に、出力映像信号Zout(n)として出力される。画像表示ユニット210は、この画質補正が行われた出力映像信号Zout(n)を表示する。
本形態の画像表示装置では、上記の第1から第9の実施の形態で説明したように、シーンの変化の程度を検出し、現在のシーンに対する画質補正だけでなく、シーンの変化度合いを考慮した、より高精度の、かつ、適応的な画質補正が行われた画像を表示できる。特に、液晶ディスプレイ、あるいは、プラズマディスプレイのように、輝度のダイナミックレンジが比較的狭い画像表示ユニットにおいて、いわゆる画像のツブレを改善できる。
この結果、シーン変化の誤検出による画質劣化を防止して、かつ、画面のチラツキと補正ずれを抑制した画像表示装置を提供できる。
以上、本発明の実施の形態の説明は、画質補正を輝度信号を用いて行ったが、画質補正を、彩度信号やRGB信号を用いて行っても良い。
また、本発明の実施の形態の説明は、動画像におけるシーンの切り替えに伴う、シーンの急激な変化に対する画質補正を例として行ったが、本発明は、動画像のみならず、静止画像において、その画面切り替えによって、シーンの急激な変化が発生する場合にも、等しく適用できる。
このように、本発明の意図するところは、画像信号の画質を補正するにあたって、シーンの変化を微細に検出し、より適正な画質補正を行ない、表示画像のチラツキや補正ズレを抑制しようとするものであって、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の適用が可能である。
本発明に係わる画像処理装置は、例えば、画像情報を送受する映像機器、特に、LCD等の画像表示装置を備えた携帯電話等の映像情報端末とその応用分野において利用できる。
本発明の第1の実施の形態における画像処理装置のブロック図 同画像のチラツキを抑制する理想的な補正曲線の例示図 本発明の第2の実施の形態における補正量演算部のブロック図 本発明の第2の実施の形態における関数発生部が発生する関数形の概略図 本発明の第3の実施の形態における補正量演算部のブロック図 本発明の第3の実施の形態におけるシーン変化量と最大変化量との関係図 本発明の第4の実施の形態における画像処理装置のブロック図 本発明の第5の実施の形態における関数発生部が発生する関数形の概略図 (a)本発明の第5の実施の形態における補正の仕方(入力映像信号の時間変化例) (b)本発明の第5の実施の形態における補正の仕方(補正量の時間変化例) (c)本発明の第5の実施の形態における補正の仕方(出力映像信号の時間変化例) 本発明の第6の実施の形態における画像処理装置のブロック図 本発明の第7の実施の形態における画像処理装置のブロック図 本発明の第7の実施の形態における関数f(x)の第1例示図 本発明の第7の実施の形態における関数f(x)の第2例示図 本発明の第7の実施の形態における関数f(x)の第3例示図 本発明の第8の実施の形態における関数g(x)の例示図 本発明の第9の実施の形態における画像表示装置のブロック図 従来の画像補正処理装置のブロック図 従来の画像補正処理装置における、入力変化量と出力変化量の関係図
符号の説明
20 補正処理部
30 目標補正量演算部
40 補正量演算部
41 比較演算部
42 補正量メモリ
43 最大変化量演算部
44 関数発生部
45 最大変化量セレクタ
46 定数設定部
50 フレームメモリ
60、70 シーン変化量演算部
80 特徴量検出部
90 関数発生器

Claims (4)

  1. 現フレームの入力映像信号を基に、目標補正量を演算する目標補正量演算部と、
    入力映像信号を格納する映像信号記録部と、
    現フレームの入力映像信号と、前記映像信号記録部に格納されている現フレームの前のフレームの入力映像信号とを基に、シーン変化量を演算するシーン変化量演算部と、
    前記目標補正量と前記シーン変化量を基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算する補正量演算部と、
    演算された前記補正量を用いて、現フレームの入力映像信号を補正処理し、出力映像信号として出力する補正処理部とを備え、
    前記補正量演算部は、関数発生部と、最大変化量演算部と、比較演算部と、補正量メモリとを有し、
    前記関数発生部は、関数を発生し、
    前記最大変化量演算部は、入力される前記シーン変化量を変数として、前記関数発生部において発生された関数の関数値を求め、補正量の最大変化量を算出し、
    前記比較演算部は、入力される前記目標補正量と、前記補正量の最大変化量と、前記補正量メモリに格納されている、現フレームの前のフレームの入力映像信号に対する補正量とを基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算し、
    前記関数は、シーン変化量が小さい区間においては、補正量を小さく抑え、シーン変化量が大きい区間においては、補正量を大きくした特性を有する一次微分可能な一変数単調増加連続関数であるか、前記前記連続関数を折れ線で近似した関数であるか、前記連続関数を階段関数で近似した関数であることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置と、画像表示ユニットとを備える画像表示装置であって、
    前記画像処理装置は、外部からの入力映像信号を、そのシーン変化に応じて補正し、
    前記画像表示ユニットは、前記画像処理装置が補正した画像を表示することを特徴とする画像表示装置
  3. 前記画像表示ユニットは、液晶ディスプレイ、及び/又は、プラズマディスプレイであることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置
  4. 現フレームの入力映像信号を基に、目標補正量を演算する、目標補正量演算ステップと、
    入力映像信号を映像信号記録部に格納する格納ステップと、
    現フレームの入力映像信号と、前記格納ステップにおいて格納されている現フレームの前のフレームの入力映像信号とを基に、シーン変化量を演算する、シーン変化量演算ステップと、
    前記目標補正量と前記シーン変化量を基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算する、補正量演算ステップと、
    補正量を補正量メモリに格納するステップと、
    演算された前記補正量を用いて、現フレームの入力映像信号を補正処理し、出力映像信号として出力する、補正処理ステップとを含み、
    前記補正量演算ステップは、
    関数発生ステップと、最大変化量演算ステップと、比較演算ステップとをさらに含み、
    前記関数発生ステップでは、関数が発生され、
    前記最大変化量演算ステップは、入力される前記シーン変化量を変数として、前記関数発生部において発生された関数の関数値を求め、補正量の最大変化量を算出し、
    前記比較演算ステップは、入力される前記目標補正量と、前記補正量の最大変化量と、前記補正量メモリに格納されている、現フレームの前のフレームの入力映像信号に対する補正量とを基に、現フレームの入力映像信号に対する補正量を演算し、
    前記関数は、シーン変化量が小さい区間においては、補正量を小さく抑え、シーン変化量が大きい区間においては、補正量を大きくした特性を有する一次微分可能な一変数単調増加連続関数であるか、前記前記連続関数を折れ線で近似した関数であるか、前記連続関数を階段関数で近似した関数であることを特徴とする画像処理方法
JP2004150009A 2003-07-03 2004-05-20 画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法 Expired - Fee Related JP4504094B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004150009A JP4504094B2 (ja) 2003-07-03 2004-05-20 画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003190852 2003-07-03
JP2004150009A JP4504094B2 (ja) 2003-07-03 2004-05-20 画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005039786A JP2005039786A (ja) 2005-02-10
JP2005039786A5 JP2005039786A5 (ja) 2007-06-14
JP4504094B2 true JP4504094B2 (ja) 2010-07-14

Family

ID=34220596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004150009A Expired - Fee Related JP4504094B2 (ja) 2003-07-03 2004-05-20 画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4504094B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4701851B2 (ja) 2005-06-15 2011-06-15 セイコーエプソン株式会社 画像表示装置とその制御方法
CN116523774B (zh) * 2023-04-14 2024-02-02 北京天睿空间科技股份有限公司 一种适于视频图像的暗影修正方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000250463A (ja) * 1999-02-26 2000-09-14 Canon Inc 画像表示装置及びその制御方法
JP2000295498A (ja) * 1998-11-12 2000-10-20 Oec Medical Syst Inc ビデオイメージ処理における動き信号のアーチファクトとノイズを低減する方法と装置
JP2002262303A (ja) * 2001-02-28 2002-09-13 Nec Corp 映像処理装置、映像表示装置及びそれに用いる映像処理方法並びにそのプログラム
JP2004032207A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Seiko Epson Corp 画像表示装置、プロジェクタ、プログラム及び記憶媒体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000295498A (ja) * 1998-11-12 2000-10-20 Oec Medical Syst Inc ビデオイメージ処理における動き信号のアーチファクトとノイズを低減する方法と装置
JP2000250463A (ja) * 1999-02-26 2000-09-14 Canon Inc 画像表示装置及びその制御方法
JP2002262303A (ja) * 2001-02-28 2002-09-13 Nec Corp 映像処理装置、映像表示装置及びそれに用いる映像処理方法並びにそのプログラム
JP2004032207A (ja) * 2002-06-24 2004-01-29 Seiko Epson Corp 画像表示装置、プロジェクタ、プログラム及び記憶媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005039786A (ja) 2005-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8334932B2 (en) Image processing device, image display device, and image processing method
US7199840B2 (en) Dynamic gray scale range adjustment apparatus and method
US9990704B2 (en) Image processing apparatus and image processing method
US7916219B2 (en) System and method for dynamic gamma correction in digital video
JP3856031B2 (ja) 動き検出装置及びそれを用いたノイズリダクション装置
US20050169524A1 (en) Image processing device, image display device, image processing method, and image processing program
JP2007259405A (ja) 画像符号化装置、画像処理装置、画像符号化方法、及び画像処理方法
US20070164949A1 (en) Device and method for driving liquid crystal display
KR20070017391A (ko) 계조 보정 장치, 휴대 단말 기기, 촬상 장치, 휴대 전화,계조 보정 방법 및 프로그램
US20080079674A1 (en) Display device and method for driving the same
KR20010043934A (ko) 화질보정회로
JP2017098845A (ja) 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP4504094B2 (ja) 画像処理装置及びそれを用いた画像表示装置、並びに画像処理方法
JP2017175422A (ja) 画像表示装置およびテレビジョン装置
US8648784B2 (en) Device and method for overdriving a liquid crystal display
JP2002142132A (ja) 映像データ補正装置及び映像データ補正方法
JP4455554B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP4196580B2 (ja) 表示制御装置及び画像表示装置
JP4457787B2 (ja) 映像信号処理装置および方法、ならびにプログラム
US20080063067A1 (en) Frame interpolating circuit, frame interpolating method, and display apparatus
KR100747850B1 (ko) 영상 신호 계조 보정 방법 및 장치
US7443397B2 (en) Method and apparatus for nonlinear coding with 1st order power functions in digital imaging system
KR100833536B1 (ko) 화질개선 방법 및 그 장치
JP2006208854A (ja) 画像処理装置、プログラム、記録媒体および画像表示装置
US9460498B2 (en) Image processing method and image processing device

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070420

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4504094

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140430

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees