JP4503859B2 - 力率補正回路 - Google Patents
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Description
本発明は、力率を補正するための回路に関する。そのような回路は、”チャージポンプ”又は”ポンプ回路”との呼称でも知られている。それらは例えばIEC規格1000−3−2を満たすように用いられる、すなわちこのIEC規格1000−3−2では、電力供給会社により電源電流の許容高調波が決定されている。したがって、電源回路網から高周波エネルギーを取出すことは望ましくない。電源から取出される電源電流は、最適な場合には電源電圧に比例する。電源電流と電源電圧との比例関係により、所定の線路のディメンション毎に最大のエネルギー伝送が可能となる。電源電圧と電源電流とのあいだに比例関係がない場合生じてしまう無効電流が線路損失を発生させることがある。この線路損失は、付加的に線路に負荷を与え、したがって他の負荷の障害をもたらす。
【0002】
特に、上述の力率補正回路は、ガス放電ランプの作動のための前置回路装置に用いられる。
【0003】
本発明は、1997年9月発行のIEEE Transactions on Power Electronics, Vol.12, No.5、867頁〜875頁に掲載のW.Chen、F.Lee、T.Yamauchiの“An Improved "Charge Pump" Electronic Ballast with Low THD and Low Crest Factor”との表題を有する論文から公知のような技術水準から出発している。前記論文の基礎を成しているのは、そのなかの図8において、同論文の図1に対して回路を、点Aの電圧すなわちVa(同論文の図7に示した図を参照)が一定の高周波振幅を有するように改善するという問題であった。このようにして、電源から取出されるエネルギーが電源電圧に比例することが実現されるのである。このことを保証するために、ダイオードDa1及びDa2が挿入され、それにより点AがコンデンサCBでクランプされる。このことにより、負荷による反作用が遮断され、高周波振幅に関して一定のVaが供給される(同論文の図9に示した図を参照)。
【0004】
前記刊行物の図8の回路における欠点は、ダイオードDa2によりランプの電圧も制限されることにある。それ故、ポンプ回路と作動すべきランプとの間に変圧器を中間接続することなしに、必要な点灯電圧を発生することが出来ない。ランプ用前置回路装置のような量産品では、変圧器のための付加コストは望ましくない。
【0005】
したがって本発明の課題は、、力率補正回路、すなわちトランスなしに実施できるポンプ回路を提供することである。
【0006】
上記課題は本発明により、整流器を有しており、整流器の入力側が交流電圧源に接続されており、整流器の出力側がコンデンサとダイオードとから成る少なくとも1つの直列回路に接続されており、ダイオードが、該ダイオードにより、コンデンサが整流器の出力信号によって充電されないように設けられている回路
により解決される。さらに、本発明の回路は、ハーフブリッジ又はフルブリッジの部分として直列接続にて第1及び第2の電子スイッチを具備しており、各スイッチに対して並列にそれぞれ1つのフリーホイールダイオードが接続されており、第1のスイッチと第2のスイッチとの間の接続点によって形成されている、ハーフブリッジ又はフルブリッジの出力端子が一方では、インダクタンスを介して、コンデンサとダイオードとから成る各直列回路のコンデンサとダイオードとの接続点に接続されており、他方、負荷に対する接続端子を形成しており、該接続端子において信号は、作動中、交流電圧源の出力信号よりも実質的に高い周波数を有する。また、本発明の回路は、2つのスイッチに対して並列に接続されている1つの蓄積コンデンサ、ならびに蓄積コンデンサの放電が整流器によって防止されるように蓄積コンデンサと整流器との間に設けられている少なくとも1つの別のダイオードを有している。
【0007】
本発明により、まず、ポンプ回路及び負荷回路の素子の回路定数を決める場合の付加的な自由度と云う利点が、2つの回路の間の反作用を最大限無くすようにすることにより得られる。さらに、本発明により、コンデンサCS1或いはコンデンサCS1,CS2の適当なディメンションによってランプの出力が次のように容易に調整できる、すなわち、1つの或いは複数のコンデンサの電圧が少なくとも1回、整流される給電交流電圧のその時点の値に達し、その際、充電サイクルを観察した場合、整流される交流電圧は一定であると見なすことができる。また、負荷にポンピングされるべきエネルギーは、コンデンサCS1の静電容量の値或いはコンデンサCS1及びCS2の静電容量の値にのみ依存している。チョークコイルLのインダクタンスは小さくなければならず、小さくできる。チョークコイルLのインダクタンスは次のように決めさえすればよい、つまり、電子スイッチが電流過負荷されないようにする、および電子スイッチのオン状態が電圧0(ZVS)の場合保持されるようにする。
【0008】
別の有利な実施例では、整流器の入力側の間にフィルタが設けられており、フィルタは、交流電圧源を有する回路と接続されている場合、交流電圧源に対して直列に又は並列に配置されている。これに対して付加的にまたは代替的に、整流器の出力側に対して直列に又は並列にフィルタを配置することができる。
【0009】
第1の実施形態において、本発明の回路が、ダイオードとコンデンサとから成る直列回路ならびに1つの別のダイオードを具備している。2つのスイッチのそれぞれのオン状態においてポンピングを実現する1つの別の実施形態、すなわち前記実施形態の対称化した実施例では、本発明の回路が、ダイオードとコンデンサとから成る2つの直列回路ならびに2つの別のダイオードを具備している。
【0010】
既述のように、本発明の回路は、ハーフブリッジ又はフルブリッジの形で駆動される。フルブリッジでは、回路が2つの別のスイッチを具備しており、該2つの別のスイッチの接続点が第2の負荷端子を形成している。ハーフブリッジの場合、回路が2つの結合コンデンサを具備しており、2つの結合コンデンサの間の接続点が第2の負荷端子を形成しており、2つの結合コンデンサの直列回路が蓄積コンデンサに対して並列に配置されている。これに対して代替的に、回路は唯1つの結合コンデンサを具備し、該結合コンデンサの1つの端子が第2の負荷端子を形成し、結合コンデンサの第2の端子が蓄積コンデンサの2つの端子の一方に接続されているようにすることも出来る。
【0011】
本発明の別の有利な実施例は従属請求項に記載されている。
【0012】
次に本発明を実施の形態に基づき図を用いて詳細に説明する。
【0013】
図1aは、ハーフブリッジと2つの結合コンデンサとを有する本発明の回路の第1の実施形態を示す。
【0014】
図1bは、図1aに示した実施形態の代替実施例である。
【0015】
図1cは、ハーフブリッジを1つの結合コンデンサと共に用いた図1aの負荷接続の代替実施例である。
【0016】
図1dは、フルブリッジを用いた図1a及び図1cの実施形態の負荷接続の代替実施例である。
【0017】
図2は、整流器に並列に配置されているフィルタを有する図1a、図1b、図1cの実施形態の代替実施例である。
【0018】
図3は、図1及び図2の実施形態に関して対称化した別の実施形態である。
【0019】
図1aに、フィルタ12に対して直列に配置されている交流電圧源10を有する回路が示されている。交流電圧源10として電源電圧を用いることができる。フィルタ12は、一方では高周波エネルギーが交流電圧源から取出されることを阻止するために、他方高周波信号が交流電圧源に供給されることを阻止するために用いられる。それ故、例えばチョークコイルとして実現可能である低域フィルタが取り扱われる。
【0020】
交流電圧源10及びフィルタ12が整流器14の入力側に接続されており、前記整流器14は4つのダイオードDG1,DG2,DG3及びDG4を具備している。図示の接続の代わりに、フィルタ12を整流器の入力端子に対して並列に配置してもよい、その際、フィルタは僅かなコストでコンデンサとして実現可能である。整流器の出力端子K1,K2に対して並列に、コンデンサCS1とダイオードDS1とから成る直列回路が配置されている。コンデンサCS1は、ダイオードDP1を介して、2つの電気スイッチT1及びT2との直列回路に接続されており、該2つの電気スイッチT1及びT2に並列にそれぞれフリーホイールダイオードDF1及びDF2が接続されている。2つのスイッチT1とT2との接続点が一方では、インダクタンスLを介して、コンデンサCS1とダイオードDS1との間の接続点に接続されており、他方、負荷LDに対する接続端子を形成している。
【0021】
図1aの実施形態では、負荷LDがハーフブリッジの出力端子に接続されているので、第2の負荷端子は、2つの結合コンデンサCK1,CK2の接続点により形成されており、該2つの結合コンデンサCK1,CK2はスイッチT1及びT2に対して並列に配置されている。図1aの回路において、結合コンデンサCK1及びCK2に対して並列に蓄積コンデンサCSが配置されている。
【0022】
電子スイッチT1又はT2を電界効果トランジスタによって実施する場合、フリーホイールダイオードDF1及びDF2が既に電界効果トランジスタに含まれていることを考慮しなければならない。
【0023】
図1aの回路が機能するために、逆相で駆動される2つの電気スイッチの作動周波数は、交流電圧源の周波数に比して高周波である。例えば50Hzに対して50kHzである、すなわち、2つのトランジスタは交互にその都度10μsecの間オンにされる。スイッチT2がオンにされる期間、電流は、整流器14から端子K1を介してコンデンサCS1を通り、インダクタンスL及び電気スイッチT2を介して整流器14の端子K2に流れる。この場合、コンデンサCS1及びインダクタンスLは次のように定められる、即ちコンデンサCS1は既にスイッチT2がオフにされる前に、交流電圧源10のその時点の電圧に充電される。
【0024】
CS1が交流電圧源のその時点の電圧に充電されるとすぐに、ダイオードDS1の両側に同じ電位が生じ、このことにより、ダイオードDS1が導通するようになる。CS1が既に最終的な充電状態に達していたとしても、インダクタンスLに、このときダイオードDS1、インダクタンスLおよびスイッチT2から成る回路に流れる電流がさらに供給される。この回路動作中にインダクタンスLに蓄積されるエネルギーは、交流電圧源のその時点の電圧に比例している。このようにしてエネルギーは、スイッチT2の残りのオン時間の間当該回路に蓄積される。例えば、上記の例において、T2の全オン時間が10μsecであり、CS1の最終的な充電状態が既に8μsec後に実現される場合、残りの2μsecの間、エネルギーがこのサイクル動作で蓄積される。スイッチT2の遮断後、すなわち該スイッチが既に非導通状態であると、前述のサイクル動作において蓄積されたエネルギーは、フリーホイールダイオードDF1を介して蓄積コンデンサCSに流れ、そこで放電される。蓄積コンデンサCSから整流器の出力端子K1にエネルギーが戻されることが、ポンプダイオードDP1によって防止される。
【0025】
したがって、上述の回路では、電源から取出されるエネルギーは常に電源電圧に比例している。このことにより、冒頭に述べた電源電流と電源電圧との比例関係に対する要求が満たされる。また、この回路により負荷LDの駆動、特に負荷がガス放電ランプである場合の点灯が、トランスを中間接続することなく実現できる。
【0026】
図1bに示した別の実施形態は、図1aの実施形態に対して次のように変更されている、すなわち、ここではコンデンサCS2がスイッチT1のオン時間の間充電される。相応して、ダイオードDS2がコンデンサCS2に対して直列に接続されているが、このとき双方は、整流器14の出力端子に対する位置が交換されている。相応して、ダイオードDP2が、蓄積コンデンサCSの放電を防止するために、コンデンサCS2とスイッチT2との間に接続されている。
【0027】
図1cは、唯1つの結合コンデンサCK2を用いた実施形態を示す。これに代わる方法としてCK2の代わりに、図1a又は図1bの接続回路における結合コンデンサCK1が同じ機能を果たしてもよい、すなわちその機能は直流成分を除去することである。結合コンデンサは有利にはフィルムコンデンサとして、蓄積コンデンサは有利には電解コンデンサとして実現可能である。
【0028】
図1a〜図1cの実施形態では、ハーフブリッジの出力端子に負荷LDの接続端子が示されていたが、図1dでは、フルブリッジを用いた回路において本発明の思想の実現が示されている。このフルブリッジはさらに、電子スイッチT3及びT4を具備している。
【0029】
図2に、図1aに対する代替的な接続回路が示されており、低域フィルタ12’が整流器14’の出力端子K1及びK2に接続されている。図示の実施形態では、フィルタ12’が並列に配置されているが、該フィルタは出力端子K1及びK2に対して直列に接続することも出来る。特に簡単な構成ではフィルタ12’は、出力端子K1及びK2に対して並列に配置されている場合、コンデンサによって実現され、直列に配置されている場合には、チョークコイルとして実現可能である。
【0030】
図3に特に有利な実施形態が示されている。ここでは、図1a及び図1bの実施形態による解決策が、回路技術の実現に関して及び機能に関して組み合わされている、すなわち、T2のオン時間の間もT1のオン時間の間にも、交流電圧源10からエネルギーが取出される。図3の回路が図1c、図1d及び図2の変形実施例を用いても実現できることは、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 ハーフブリッジと2つの結合コンデンサとを有する本発明の回路の第1の実施形態を示す。
【図1b】 図1aに示した実施形態の代替実施例を示す。
【図1c】 ハーフブリッジを1つの結合コンデンサと共に用いた図1aの負荷接続の代替実施例を示す。
【図1d】 フルブリッジを用いた図1a及び図1cの実施形態の負荷接続の代替実施例を示す。
【図2】 整流器に並列に配置されているフィルタを有する図1a、図1b、図1cの実施形態の代替実施例を示す。
【図3】 図1及び図2の実施形態に関して対称化した別の実施形態である。
Claims (6)
- 力率補正回路であって、整流器(14;14’)を有しており、前記整流器の入力側が交流電圧源(10)に接続されており、前記整流器の出力側がコンデンサ(CS1;CS2)とダイオード(DS1;DS2)とから成る少なくとも1つの直列回路に接続されており、前記ダイオード(DS1;DS2)は、該ダイオード(DS1;DS2)により前記コンデンサ(CS1;CS2)が前記整流器(14;14’)の出力信号によって充電されないように設けられており、
ハーフブリッジ又はフルブリッジの部分として直列接続にて第1及び第2の電子スイッチ(T1,T2)を有しており、前記電子スイッチには、各スイッチ(T1;T2)に対して並列に接続されているそれぞれ1つのフリーホイールダイオード(DF1;DF2)が設けられており、前記第1のスイッチ(T1)と前記第2のスイッチ(T2)との間の接続点によって形成されている、前記ハーフブリッジ又はフルブリッジの出力端子が一方では、インダクタンス(L)を介して、コンデンサ(CS1;CS2)とダイオード(DS1;DS2)とから成るそれぞれの直列回路のコンデンサ(CS1;CS2)とダイオード(DS1;DS2)との接続点に接続されており、他方、負荷(LD)に対する第1の負荷端子を形成しており、当該第1の負荷端子において前記信号は作動中、前記交流電圧源(10)の出力信号よりも実質的に高い周波数を有し、
前記コンデンサ(CS1;CS2)は、前記第1または第2のスイッチ(T1;T2)がオフされる前に前記交流電圧源(10)のその時点の電圧に充電され、前記インダクタンス(L)に蓄積されるエネルギーは、前記交流電圧源(10)のその時点の電圧に比例し、
蓄積コンデンサ(CS)を有しており、前記蓄積コンデンサは前記2つのスイッチ(T1,T2)に対して並列に接続されており、
ハーフブリッジの場合には、当該ハーフブリッジは2つの結合コンデンサ(CK1、CK2)を具備しており、前記2つの結合コンデンサ(CK1、CK2)の間の接続点が、前記負荷(LD)に対する第2の負荷端子を形成しており、前記2つの結合コンデンサ(CK1、CK2)の直列回路が前記蓄積コンデンサ(CS)に対して並列に配置されており、
フルブリッジの場合には、当該フルブリッジは2つの別のスイッチ(T3,T4)を具備しており、前記2つの別のスイッチ(T3,T4)の接続点が、前記負荷(LD)に対する第2の負荷端子を形成しており、
少なくとも1つの別のダイオード(DP1;DP2)を有しており、該別のダイオードは、前記蓄積コンデンサ(CS)の放電が前記整流器(14;14’)によって防止されるように、前記蓄積コンデンサ(CS)と前記整流器(14;14’)との間に設けられている、力率補正回路。 - ハーフブリッジの場合であって、前記2つの結合コンデンサ(CK1、CK2)を具備する代わりに、唯一の結合コンデンサ(CK1;CK2)を具備しており、該結合コンデンサの第1の端子が、前記負荷(LD)に対する第2の負荷端子を形成しており、該結合コンデンサの第2の端子が前記蓄積コンデンサ(CS)の2つの端子の一方に接続されている、請求項1記載の力率補正回路。
- 前記整流器(14;14’)の入力側の間にフィルタ(12)が設けられており、前記フィルタは、交流電圧源(10)を有する回路と接続されている場合、前記交流電圧源(10)に対して直列に又は並列に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の回路。
- 前記整流器(14;14’)の出力側に対して直列に又は並列にフィルタ(12’)が配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の回路。
- ダイオード(DS1;DS2)とコンデンサ(CS1;CS2)とから成る1つの直列回路および1つの別のダイオード(DP1;DP2)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の回路。
- ダイオード(DS1,DS2)とコンデンサ(CS1,CS2)とから成る2つの直列回路および2つの別のダイオード(DP1;DP2)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の回路。
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