JP4503721B2 - 立型水中電動ポンプ - Google Patents

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oil
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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、立型水中電動ポンプに関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
立型水中電動ポンプは従来、図9に示すようポンプケーシング101上に後面ライナ108を介してオイルケーシング100を重合させ、その上にモータフレーム111が立設されている。そしてオイル室内122内への給油に際しては、満杯状態とすることなく熱膨張による体積増加分を見込んで、80%程度の油量にとどめておくのが通例である。
【0003】
従ってオイル室122の上方部には空気溜りAが形成され、メカニカルシール121の上方部では潤滑不良を起すことになる。その対策として、図10に示すようオイル室122の深さを増大させ、メカニカルシール121の上方部が空気溜りAよりも下方へ位置するような構造とすることもあるが、オイル室122の深さが増大すればモータ軸104の導下長さもそれだけ増大してポンプ全高も高くなり、近時における小型軽量化の要請と相容れないことになる。
【0004】
【発明の目的】
本発明の目的は、ポンプ全高を増大させることなく、オイル室内での潤滑効果がメカニカルシールの上方部まで十分に及ぶよう改良された、立型水中電動ポンプを提供することにある。
【0005】
【発明の構成】
本発明に係る立型水中電動ポンプにおいては、メカニカルシール潤滑のためのオイル熱膨張によるオイル体積の増加を吸収させるため伸縮性弾性材料で中空状に作られたオイルチャンバーをメカニカルシールが内装された第1オイル室の下方部から外方へ穿設された通油孔を介して連通し一体化された第2オイル室に内設してポンプケーシングのシールプレート上に立設された、上記第1オイル室を囲繞するようモータフレームの外周面に、その筒軸方向へ伸延される水路と隣接して第2オイル室および電装室が円周方向へ並列状に縦設されたモータフレーム内モータを収容し、該モータフレームの上端部をヘッドカバーにより蓋装させた。
【0006】
【作用】
オイルチャンバーが膨張している状態でオイル室内へ満杯状態に封入されたオイルが熱膨張により体積を増大するのに伴いオイルチャンバーは次第に収縮してオイル室の有効容積は拡げられ、また、温度低下でオイル体積が減少するのに伴いオイルチャンバーは次第に膨張してオイル室の有効容積は狭められ、オイル室内のオイルは常にメカニカルシールの上方部まで達している状態に保たれる。
【0007】
【実施例】
以下本発明実施例の図面により説明をする。
【0008】
1はゴム等の耐摩耗性材料で作られたポンプケーシングであって、内部は渦巻室2に形成されている。3はモータ軸4の導下部に嵌着されてポンプケーシング1内に収容された羽根車、5はポンプケーシング1の下縁部に定着せられ中央にポンプ吸込口6を開口させたサクションカバー、7はストレーナ、8はポンプケーシング1の背部に定着されたシールプレート、9は耐摩耗性材料で作られてシールプレート8の下面に添着された保護シート、10はポンプケーシング1が水圧によって外側へ変形することを阻止するための補強壁であり、シールプレート8の周辺部から導下されてポンプケーシング1の巻の外周へ当接する。11はポンプケーシング1のシールプレート8上に立設された筒状モータフレームであって、上端面はヘッドカバー12を装着するなどにより閉塞せられ内部にはモータ13が収容されている。モータフレーム11の外周面には、その筒軸方向へ伸延される水路14と隣接して第2オイル室15および電装室16が円周方向へ並列状に縦設されている。17・・・・17は上記各室を区画する隔壁である。前記渦巻室2における巻の終端部2Eは水路14の下端部と通じ、水路14の上端部はヘッドカバー12の内周部に形成される誘導路18を経てポンプ吐出口19へ通じている。実施例の図面に示すよう、2個の水路14,14が対向状に配設せられ、それぞれの下端部が二重渦巻室2の巻の終端部2E,2Eとそれぞれ各別に導通させてある場合には、各水路14,14の上端部がヘッドカバー12内の誘導路18で合流してポンプ吐出口19へ通じるのである。第2オイル室15は隔壁17を介して水路14,14間に狭まれるようにして縦設されており、その下端部はモータフレーム11の下方部に穿設された通油孔20を介して、メカニカルシール21の周辺部に形成された第1オイル室22へ通じ、上端部はヘッドカバー12の上面から開設された給油口23へ通じている。24は給油口23に施される給油プラグである。電装室16はその内側面に設けられたリード線引出孔25を介してモータフレーム11内へ通じ上端面がモータフレーム11上方部の電源ケーブル挿通口26へ通じている。27はオイル室内に内設されたオイルチャンバーであり、表面に受ける圧力の強弱に反応して体積が増減するように、合成ゴム等の伸縮性弾性材料で中空状に作られており、実施例の図面では第2オイル室15内へ内設させた事例が示されているが、第1オイル室22内へ内設しても効果は同じである。
【0009】
ポンプの使用に先立ち、給油口23から給油して第1オイル室22内および第2オイル室15内のオイルを満杯状態とする。ポンプ駆動中は、ポンプ吸込口6から渦巻室2内へ吸込まれた水が、巻の終端部2Eから水路14内を上昇する過程でモータフレーム11内のモータ13を冷却しつつ誘導路18を経てポンプ吐出口19から吐出される。ポンプの運転時間経過と共にメカニカルシール21の潤滑とモータ13の発熱吸収により、第1オイル室22内および第2イル室15内のオイルが次第に昇温して体積を増大するのに伴い、オイルチャンバー27は次第に収縮して第1オイル室22および第2オイル室15の有効容積は拡げれる。ポンプが停止して時間が経てば温度低下によってオイル体積は減少するが、オイル体積の減少に伴いオイルチャンバー27は次第に膨張して第1オイル室22および第2オイル室15の有効容積は狭められるので、オイルがメカニカルシール21の上方部まで達している状態に保たれる。従って再びポンプの運転を開始してもメカニカルシール21の潤滑機能が損なわれることはない。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、オイル室内のオイルを常に満杯状態に保持させることができるので、オイル室の深さを増大させることなくメカニカルシールの潤滑効果を高めることができポンプ全高を低く構成し得られるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明立型水中電動ポンプの水路および第2オイル室が表示される部位での縦断側面図である。
【図2】本発明立型水中電動ポンプの水路および電装室が表示される部位での縦断側面図である。
【図3】本発明立型水中電動ポンプにおけるモータフレームの平面図である。
【図4】本発明立型水中電動ポンプにおけるモータフレームの底面図である。
【図5】図3のA−A線における縦断側面図である。
【図6】図3のB−B線における縦断側面図である。
【図7】図3ないし図6に示されたモータフレームの上端面を閉塞するためのヘッドカバーの底面図である。
【図8】図1のC−C線における横断平面図である。
【図9】従来における立型水中電動ポンプの縦断側面図であって、オイル室内のオイルがメカニカルシールの上方部に達していない事例を示す。
【図10】従来における立型水中電動ポンプの縦断側面図であって、オイルがメカニカルシールの上方部へ達するようオイル室の深さを増大させた事例を示す。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング
8 シールプレート
11 モータフレーム
12 ヘッドカバー
15 第2オイル室
20 通油孔
21 メカニカルシール
22 第1オイル室
27 オイルチャンバー

Claims (1)

  1. メカニカルシール潤滑のためのオイル熱膨張によるオイル体積の増加を吸収させるため伸縮性弾性材料で中空状に作られたオイルチャンバーをメカニカルシールが内装された第1オイル室の下方部から外方へ穿設された通油孔を介して連通し一体化された第2オイル室に内設してポンプケーシングのシールプレート上に立設された、上記第1オイル室を囲繞するようモータフレームの外周面に、その筒軸方向へ伸延される水路と隣接して第2オイル室および電装室が円周方向へ並列状に縦設されたモータフレーム内モータを収容し、該モータフレームの上端部をヘッドカバーにより蓋装させたことを特徴とする、立型水中電動ポンプ。
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