JP4503457B2 - 硬化性シリコーン組成物の梱包方法および梱包容器 - Google Patents
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Description
包装された該硬化性シリコーン組成物と蓄冷材とを第一の容器に梱包し、
該第一の容器とドライアイスとを第二の容器に梱包する
ことを特徴とする硬化性シリコーン組成物の梱包方法を提供する。
包装された該硬化性シリコーン組成物と蓄冷材とを梱包するための第一の容器と、
該第一の容器とドライアイスとを梱包するための第二の容器と
を有してなることを特徴とする梱包容器を提供する。
本発明の梱包方法は、硬化性シリコーン組成物の温度を−40〜0℃に保持するように、包装された該硬化性シリコーン組成物と蓄冷材とを第一の容器に梱包し、該第一の容器とドライアイスとを第二の容器に梱包することを特徴とする。該第一の容器と該ドライアイスとの間には板状体を配置してもよい。この梱包方法においては、硬化性シリコーン組成物の量、蓄冷材の量、ドライアイスの量、第二の容器の容積、第一の容器、第二の容器および板状体の材質などを適切に選択することにより、硬化性シリコーン組成物の温度を−40〜0℃に保持することができる。
本発明の梱包容器は、硬化性シリコーン組成物の温度を−40〜0℃に保持するための梱包容器であって、包装された該硬化性シリコーン組成物と蓄冷材とを梱包するための第一の容器と、該第一の容器とドライアイスとを梱包するための第二の容器とを有してなる。この梱包容器に対して、本発明の梱包方法を適用することにより、硬化性シリコーン組成物の温度を−40〜0℃に保持することができる。
本発明の方法により梱包されるシリコーン組成物は特に限定されない。−40〜0℃の範囲では一液型硬化性シリコーン組成物の硬化反応の進行を防ぐことができることから、本発明の方法および容器は特に、ヒドロシリル化付加反応により硬化する一液型硬化性シリコーン組成物に対して有効である。
本発明で用いられる蓄冷材は、保持温度が−40〜0℃の範囲にある限り、特に限定されず、例えば、公知の蓄冷材を用いることができる。本発明で「保持温度」とは、その温度以下に冷却された蓄冷材が一定時間、自身の温度として保ち続ける一定の温度をいう。該蓄冷材の具体例としては、(株)プラネッツ社製クールプラネットなどが挙げられ、その保持温度としては、例えば、−20℃、−35℃などが挙げられる。
ドライアイスの形態は特に限定されないが、冷却効果ができるだけ長く持続するように、例えば、レンガ状、スティック状等の形状に固めたものが好ましく用いられる。
第一の容器の形状、構造等は、前記硬化性シリコーン組成物および前記蓄冷材をその内部に収容でき、本発明の方法および容器に用いることができる限り、特に限定されない。また、第二の容器の形状、構造等は、前記第一の容器および前記ドライアイスをその内部に収容でき、本発明の方法および容器に用いることができる限り、特に限定されない。これらの容器の形状としては、例えば、直方体形、立法体形、円柱形などが挙げられ、それらの構造としては、例えば、蓋体および容器本体からなる構造、側壁面、上面および/または底面に扉を有する構造などが挙げられる。
包装された硬化性シリコーン組成物の温度が−40〜0℃に保持される限り、第一の容器内において、硬化性シリコーン組成物および蓄冷材の配置は特に制限されない。例えば、硬化性シリコーン組成物の上方、下方および側方の一部にのみ蓄冷材を配置しても、これらの全部に蓄冷材を配置してもよい。また、硬化性シリコーン組成物と蓄冷材とを接触させてもよいし、両者の間に間隔を置いてもよい。
本発明の方法においては、第一の容器とドライアイスとの間に、好ましくは0.5cm以上の、より好ましくは1cm以上の、更により好ましくは1〜5cmの厚さを有する板状体を配置してもよい。該板状体を用いることで、第一の容器内部に及ぶドライアイスの冷却効果を調整できるので、硬化性シリコーン組成物の温度を所望の温度に調整することができる。また、該板状体は第一の容器またはドライアイスの支持体としても用いることができる。例えば、第二の容器において、ドライアイスの上方に第一の容器を直接配置すると、ドライアイスの高さが不均一である場合には、第一の容器の安定性が悪くなることがある。このような場合に、支持体として板状体を両者の間に配置することで、第一の容器をより安定して配置することができる。
図1は、本発明の梱包方法が適用された梱包容器の一例を示す縦断面図である。図1に示すように、第一の容器2として、蓋と容器本体とからなる発泡スチロール製容器を用いた。また、第二の容器4として、蓋と容器本体とからなる内容積200リットルの発泡スチロール製容器を用いた。該第一の容器2の内部の底面上に上記のシリコーン組成物1とデジタル式温度計(図示せず)を配置し、その周囲(側方および上方)が完全に覆われるように保持温度が-35℃の蓄冷材3(商品名:クールプラネット、メーカー名:(株)プラネッツ)を5kg配置した。その後、第一の容器2の蓋を閉じ、ガムテープにて封をした。次に、該第二の容器4の内部の底面上にレンガ状のドライアイス5を15kg配置し、その上方に厚さ5cmの発泡スチロール製板状体6を1枚配置し、更にその上方に該第一の容器2を配置した。その後、第二の容器4の蓋を閉じ、ガムテープにて封をして、梱包体を作製した。
保持温度-35℃の蓄冷材の代わりに保持温度-10℃の蓄冷材(商品名:クールプラネット、メーカー名:(株)プラネッツ)を用い、該板状体の枚数を1枚から2枚に変更した以外は、実施例1と同様にして上記のシリコーン組成物を梱包して、梱包体を作製した。
図2は、従来の梱包容器の一例を示す縦断面図である。図2に示すように、内容積50リットルの発泡スチロール製容器7の内部の底面上に上記のシリコーン組成物1とデジタル式温度計(図示せず)を配置し、その側方にレンガ状のドライアイス5を10kg配置した。その後、該容器7の蓋を閉じ、ガムテープにて封をして、梱包体を作製した。
これらの梱包体を室温25℃の倉庫に4日間保管した後、以下の観察および測定を行った。まず、各梱包体から取り出した直後のシリコーン組成物の状態、即ち、凝固しているか否かを目視で観察した。また、常温戻しを行った該シリコーン組成物について泡の発生状況を目視で観察した。更に、保管中に硬化が進行したか否かを確認するため、23℃にて粘度をトキメック社製BM型回転粘度計により測定した。これらの結果を表1に示す。また、シリコーン組成物と同梱したデジタル式温度計により測定した温度の変化を図3に示す。
実施例の梱包体では、間接的に測定されたシリコーン組成物の温度が蓄冷材の保持温度でほぼ一定に4日間維持された。梱包体から取り出した直後のシリコーン組成物は凝固していないことが観察された。そのため、常温戻し後も泡は観察されなかった。また、粘度の値は規格値の範囲内だった。このように、実施例の梱包体で保管した後のシリコーン組成物は常温戻し後直ちに問題なく使用できる状態にあった。
2 第一の容器
3 蓄冷材
4 第二の容器
5 ドライアイス
6 板状体
7 発泡スチロール製容器
Claims (11)
- 硬化性シリコーン組成物の温度を−40〜0℃に保持するように、
包装された該硬化性シリコーン組成物と該硬化性シリコーン組成物1kg当り1〜10kgの蓄冷材とを、熱伝導係数0.1W/m・K以下の断熱材からなる第一の容器に梱包し、
熱伝導係数0.1W/m・K以下の断熱材からなる第二の容器に、該第一の容器と該第二の容器の容積10リットル当り0.1〜5kgのドライアイスとを梱包する
ことを特徴とする硬化性シリコーン組成物の梱包方法。 - 第一の容器の壁面の厚さおよび第二の容器の壁面の厚さが0.5〜10cmである請求項1に記載の梱包方法。
- 熱伝導係数0.1W/m・K以下の断熱材からなる板状体を該第一の容器と該ドライアイスとの間に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の梱包方法。
- 板状体の厚さが0.5cm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の梱包方法。
- 板状体の厚さが0.5〜10cmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の梱包方法。
- 該断熱材が発泡スチロールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の梱包方法。
- 硬化性シリコーン組成物の温度を−40〜0℃に保持するための梱包容器であって、
包装された該硬化性シリコーン組成物と該硬化性シリコーン組成物1kg当り1〜10kgの蓄冷材とを梱包するための第一の容器と、
該第一の容器とドライアイスとを梱包するための第二の容器と
を有してなり、
該第一の容器および該第二の容器が熱伝導係数0.1W/m・K以下の断熱材からなり、
該ドライアイスの使用量が該第二の容器の容積10リットル当り0.1〜5kgである
ことを特徴とする梱包容器。 - 第一の容器の壁面の厚さおよび第二の容器の厚さが0.5〜10cmである請求項7に記載の梱包容器。
- 熱伝導係数0.1W/m・K以下の断熱材からなる板状体により該第二の容器の内部が、該第一の容器を収容する室と該ドライアイスを収容する室とに仕切られていることを特徴とする請求項7または8に記載の梱包容器。
- 板状体の厚さが0.5cm以上である請求項7〜9のいずれか1項に記載の梱包容器。
- 該断熱材が発泡スチロールであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の梱包容器。
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